本手
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本手(ほんて)とは囲碁用語の一つ。急所を突いた本筋の手で、一見足が遅いようであとあとまで一手の価値を失わない働きのある手のことである。「厚い手」と呼ばれるニュアンスに近い。
他方、急所を外れたその場の間に合わせの手をウソ手とも言う。こうした薄い手には後々まで禍根が残る。
じっくりした厚い本手を好む棋士は追い込み型で、本格派の棋士とも言われる。藤沢秀行、大竹英雄、高尾紳路らがその代表格である。ただし、厚がり過ぎて布石に遅れる場合もあり、それを避けて要点を足早に先取して逃げ切りをはかるタイプの棋士もいる。
本手の実例
[編集]星の定石の例。黒1と、後手でも一手入れておくのが本手。放置するとaのオサエコミ、bのトビなど白△を動き出す手が残る。
小目定石の一例。かつてはここで黒1とアテ、白2とツガせて先手を取っていた。しかしこの形はシチョウ関係次第でaのキリが残り、隅に対する味も消している。
そこで最近では、後手でも黒1とサガる手が打たれるようになった。この形では、aのキリはシチョウに関係なく取れる(ユルミシチョウの項目参照)。またbから左辺方面への白の進出を止めて封鎖する手や、cのツケから隅を大きくヨセる手などが残る。現在では、よほど他に急ぐ場所がない限り、黒1のサガリが本手と見なされている。
参考図書
[編集]- 大竹英雄『本手指南(囲碁最強塾)』河出書房新社