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地 (囲碁)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

囲碁において(じ)とは、白黒双方の対局者が自分の生きた石だけで囲い込んだ空間のことを指す。

概要

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囲碁は地を大きく囲んだ方が勝ちとなるゲームなので、極めて重要な概念である。

重要な概念ではあるが、自分の地を守ることや相手の地を攻めることにこだわりすぎたり、まだ地になっていないそれ以外が疎かになるのも問題であり、その攻守と次への展開のバランスを取っていく難しさもある。

大西研也は、地の理解には一定の棋力が必要であることや切り賃ルールの存在から、初期の囲碁は純碁のようなルールで地はあまり意識されず、技術が向上してから意識されるようになったと推測している[1]

足早に地を稼ぐ棋風は「実利派」と呼ばれる。

下図のような終局図では、aの点が「白地」、bの点が「黒地」となる。cはどちらの地でもない「ダメ」である。

地の中に相手の死んだ石がある場合、終局後に取り上げられて敵の地に埋められることになる。上の図では△の白石は生きられないため、終局を確認した後取り上げられ、白地に埋められる。これを勘定して、黒地は21目、白地は17目あるため、上図では黒の盤面4目勝ちとなる。

まわりを囲む石に欠陥があったり、中に侵入されて生きられるものは「地」ではない。極端な例を挙げれば、下図左上に黒が2手打ち、「この右下の空間は黒が囲んだから全て黒地だ」という主張は成立しない。白1などと打ち込みされて、楽に生きられるからである。逆に言えば、双方が相手の陣地を完全であると認め、打つところがないと認定した時に対局は終了することになる。

地の確保

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同じ6目の地を囲む場合を考えると、下図のように隅では5手(左上)、辺では7手(右)、中央では10手を費やすことになる(左下)。すなわち隅は地を取るのに最も効率がよく、次いで辺、中央は最も効率が悪いということになる。

中央に囲んだ地を「中地」(なかじ)と呼ぶ。

上図では黒が中央に「中地」を取り、白は隅と辺を取っている。一見黒地が大きいように見えるが、数えると黒地は121目、白地は136目と白が15目も勝っている。このように、中地は見た目よりも存外小さいことがある。

このため囲碁の対局では、お互い隅付近から打ち始めるのが基本である。

関連用語

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確定地

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最もよく用いられる小目からの小ゲイマジマリでは、白に連打を許すなどの特殊事情でない限り、○のついた10目前後を2手でほぼ確実に確保できる。このように、まだ完全に囲い込んだわけではないが、ほぼ侵入が不可能なエリアを「確定地」ということがある。

地合い

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白黒双方の地のバランスのこと。「地合いが足りない」「地合い勝負」などというように使う。

地中に手あり

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一見完全な地に見えるが、相手から打たれると中で生きられたり、セキになったりなど、完全な地でない状態。また、そうした手を発見する問題を指す。

上図の黒は一見7目の地に見えるが、白から1にツケられると、5まで運んでセキにされ、黒地はゼロになってしまう。

脚注

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  1. ^ 囲碁人口が増えるにはどうしたら良いか|大西研也”. note(ノート) (2023年9月13日). 2023年9月14日閲覧。

関連項目

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