新明和工業
種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
大証1部(廃止) 7224
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略称 | 新明和、SMIC |
本社所在地 |
日本 〒665-8550 兵庫県宝塚市新明和町1番1号 |
設立 | 1949年(昭和24年)11月5日 |
業種 | 輸送用機器 |
法人番号 | 7140001082323 |
事業内容 | 航空機、特装車、水中ポンプ等の製造 |
代表者 | 代表取締役社長 五十川龍之 |
資本金 | 159億8196万7991円 |
発行済株式総数 | 7000万株 |
売上高 |
連結:2,092億円 単体:1,338億円 (2021年3月期) |
純資産 |
連結:888億円 単体:500億円 (2021年3月期) |
総資産 |
連結:2,120億円 単体:1,579億円 (2021年3月期) |
従業員数 |
連結:5,288人、単体:2,969人 (2021年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
三信株式会社(12.51%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社<信託口>(12.5%) 新明和グループ従業員持株会(4.28%) 株式会社日本カストディ銀行<信託口>(3.38%) (2022年3月現在) |
主要子会社 |
株式会社明和工務店 新明和商事株式会社 新明和オートエンジニアリング株式会社 新明和岩国航空整備 |
関係する人物 | 川西龍三(創業者) |
外部リンク | www.shinmaywa.co.jp |
新明和工業株式会社(しんめいわこうぎょう、英: ShinMaywa Industries, Ltd.)は、兵庫県宝塚市に本社を置く輸送機器、産業機器製造会社である。第二次世界大戦前は川西財閥傘下の航空機製造会社「川西航空機」であった。
概要
[編集]前身の川西航空機は、九七式飛行艇や二式大型飛行艇などの飛行艇、局地戦闘機紫電/紫電改を開発・製造した会社として知られる。
戦後、川西航空機は民需転換を図る中で社名を明和興業(めいわこうぎょう)に変更。これが新明和という社名のルーツになる。戦時補償債務打ち切りに伴う関連法の企業再建整備法により明和興業は吸収分割されることになり、自動車部門の明和自動車工業(現・ダイハツ工業)と汎用機械部門の新明和興業という、2つの会社として再設立された。
川西の航空機製造技術を引き継いだ新明和だったが、設立当初は占領下であり、航空機の製造が日本全体として禁止されていたため、民需転換のため様々な試みが行われた。
その後、朝鮮戦争をきっかけに航空産業が解禁となり、航空機製造への再参入を果たす。民間輸送用プロペラ機YS-11の生産分担に始まり、海上自衛隊向けの飛行艇で完成機メーカーとして完全復活した。現在は救難飛行艇US-2を製造している。また、天突きダンプや塵芥車などの特装車、ポンプや自動電線処理機などの産業機械、機械式駐車場、ボーディング・ブリッジなども製造する産業機器メーカーとなっている。
春光懇話会の会員企業で春光グループに属しており[1]、加えて三水会[2]とその後身社長会である水曜会およびみどり会[3]の構成企業でもあり三和グループにも属している。
沿革
[編集]- 1920年(大正9年) - 川西機械製作所創業。当時の本社は神戸市の川西倉庫本社内に置かれた。
- 1928年(昭和3年) - 川西航空機設立。(二式大型飛行艇、紫電改戦闘機等)
- 1945年(昭和20年) - 敗戦により航空機の製造中止。
- 1946年(昭和21年) - 三輪トラック『アキツ号』の製造を開始。
- 1947年(昭和22年)7月 - 川西航空機、社名を明和興業に変更。
- 1947年(昭和22年)9月 - 建設部を株式会社明和工務店として分社。
- 1949年(昭和24年) - 明和興業、企業再建整備法により明和自動車工業と新明和興業の2社に分割。現社設立。
- 1957年(昭和32年) - 輸送機設計研究協会に参加。
- 1959年(昭和34年) - 日本航空機製造の設立に参加。→詳細は「日本航空機製造 § 日本航空機製造株式会社の設立」を参照
- 1960年(昭和35年) - 新明和工業株式会社に社名変更。
- 1962年(昭和37年) - 東京証券取引所、大阪証券取引所各2部上場。
- 1967年(昭和42年) - 東京証券取引所、大阪証券取引所各1部へ指定替え。飛行艇PX-Sの初飛行に成功。
- 1970年(昭和45年) - 海上自衛隊がPX-Sを制式採用、PS-1となる。→詳細は「PS-1 § 導入経緯」を参照
- 1973年(昭和48年) - YS-11の生産終了。日航製の事実上の後継組織となる民間輸送機開発協会に参加。
- 1974年(昭和49年) - PS-1の後継機、US-1の初飛行に成功。
- 1976年(昭和51年)6月 - US-1が制式採用される。
- 1979年(昭和54年) - ボーイング767向けの部品製造を開始。
- 1981年(昭和56年)6月 - US-1のエンジンを換装したUS-1Aが制式採用される。
- 1987年(昭和62年)- リアジェット36を一部改修したU-36Aが制式採用される。
- 1992年(平成4年)
- 1996年(平成8年)10月 - US-1A改(現・US-2)開発を防衛庁から指名される。
- 2002年(平成14年) - エアバスA380向け部品製造を開始。
- 2003年(平成15年)12月18日 - US-2の初飛行に成功。
- 2004年(平成16年) - エアバスA330・A340向けフィレットフェアリングの製造を開始。
- 2005年(平成17年)2月22日 - US-1Aの最終20号機を納入。
- 2006年(平成18年)3月17日 - 海上自衛隊がUS-1A改を制式採用、US-2となる。
- 2007年(平成19年)年11月 - 特装車事業拡大のため林業機械大手のイワフジ工業株式会社を傘下とする。
- 2009年(平成21年) - US-2の量産初号機を自衛隊に納入。
- 2012年(平成24年)4月2日 - 東急車輛製造[注釈 1]の解体に伴い、特装自動車事業(後述)と立体駐車場事業(後述)を譲受[4]。→詳細は「東急車輛製造 § 事業譲渡」、および「総合車両製作所 § 概要」を参照
- 2013年(平成25年)1月1日 - 富士重工業(現・SUBARU)の塵芥収集車事業とその関連子会社(大和商工株式会社、フジ特車株式会社)を譲受[5][6]。→詳細は「フジマイティー」を参照
- 2014年(平成26年)4月1日 - 東京エンジニアリングシステムズに東京パーキングシステムズを吸収合併[7]、また塵芥車関連子会社の大和商工及びフジ特車を統合した新会社「新明和オートセールス(株)」を新明和オートエンジニアリング傘下に設立しかつ業務を再編[8]。
- 2014年(平成26年)4月17日 - 「2013年度 ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」を受賞[9]。
- 2015年(平成27年)4月24日 - 「2014年度 ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」を受賞[10]。
- 2018年(平成30年)4月1日 - 東京エンジニアリングシステムズ株式会社が新明和パークテック株式会社へ商号変更[11]。
- 2021年(令和3年)7月1日 - 天龍エアロコンポーネント株式会社の株式を天龍ホールディングスより取得し傘下とする[12]。
国内事業所
[編集]本社・宝塚地区は、川西航空機時代の宝塚製作所の敷地を利用している。航空機事業部の主力拠点である甲南工場は、川西航空機甲南製作所以来の伝統を持つ。
- 産機システム事業部 - 兵庫県宝塚市
- 製造本部 - 兵庫県宝塚市
- 流体事業部 - 兵庫県小野市
- 小野工場 - 兵庫県小野市
- パーキングシステム事業部 - 東京都台東区
- 航空機事業部 - 兵庫県神戸市東灘区
- 特装車事業部 - 横浜市鶴見区
事業部
[編集]航空機事業部
[編集]水陸両用航空機である飛行艇を製作、ボーイングやエアバスから航空機部品の開発・製造を受託、自衛隊が使用する航空機の改造・定期修理などを行っている。過去には、日本航空機製造(NAMC)の生産分担を行ったこともある。
2012年4月には後述の救難飛行艇 US-2のインド海軍への売込みを目指し、「飛行艇民転推進室」を設置[13]、川崎重工業・島津製作所と連携した専任チームを発足させる等[14]、活発な展開活動が行われている。
なお飛行場の無い東京都小笠原村の父島・母島で急病人が発生した場合等、当社製救難飛行艇が派遣され羽田空港内の羽田航空基地経由で東京23区の病院へ搬送していた。ただし、2018年の海自航空部隊改編で厚木基地へのUS-2の常駐が無くなったため、その後は硫黄島航空基地配備のヘリコプターで硫黄島まで行き航空自衛隊のC-2輸送機に乗り換えるように変更された。
- 実験飛行艇 UF-XS
- 対潜哨戒飛行艇 PS-1(PX-S)
- 救難飛行艇 US-1(PS-1改)
- PS-1を元に開発した災害救助用モデルである。PS-1から対潜哨戒用機材を取除き、代わりに災害救助用機材を搭載、さらに降着装置等を備えて離着陸可能とした(多くの飛行艇は離着陸できず、離着水のみ)。6機製造。
- 救難飛行艇 US-1A
- 救難飛行艇 US-2(US-1A改)
- US-1Aをベースにしつつ、大幅に近代化・性能向上を図った飛行艇である。与圧キャビン、グラスコックピット、フライ・バイ・ワイヤ等を取り入れ、運用能力が増している。2013年には、同型機を消防飛行艇仕様とした上で海外への輸出に向けた取り組みが行われている。
- 2020年(令和2年)2月20日新明和工業として通算50機目となる9907号機が完成し、海上自衛隊に引き渡された[16]。
- 訓練支援機 U-36A
- リアジェット36Aを改造して曳航標的やチャフポッド等を装備した機体である。6機改造。
- 生産協力
- ボーイング787 - 三菱重工業の下請けとして主翼桁(スパー)の製造を担当。
- ボーイング777 - 翼胴フェアリングの製造を担当。
- ボーイング767 - 川崎重工業・三菱重工業・富士重工業の2次下請けとして部品製造を担当。→詳細は「YX § ボーイング767」を参照
- エアバスA330/エアバスA340 - 主翼フィレット・フェアリングの製造を担当。
- エアバスA380 - 主翼フィレット・フェアリングとランプ・サーフェス・パネルの製造を担当。
- YS-11 - 後部胴体、翼端、ドーサルフィン(垂直尾翼前方の安定翼)を担当。→詳細は「YS-11 § 機体製造」、および「日本航空機製造 § 国産機の開発」を参照
- その他
新明和岩国航空整備株式会社
[編集]海上自衛隊岩国航空基地内において、U-36A、US-2および関連装備品の整備業務等を行うグループ会社である。2012年11月には、定期検査通算500機を達成した[17]。かつてはUS-1Aの整備も担当していた。
天龍エアロコンポーネント株式会社
[編集]- 航空機部品の製造および組立
- 航空機シートの製造販売
特装車事業部
[編集]- 特装車製品(環境整備車、脱着ボデー車、荷役装置付運搬車、粉粒体運搬車、液体運搬車、ダンプ車、ミキサ車等)
- ダンプトラック(天突きダンプ)・荷役装置付き運搬車(すいちょくゲート)・塵芥車(ごみ収集車)、ミキサ車、タンクローリ、散水車等
- 「天突きダンプ」「すいちょくゲート」は新明和工業の登録商標である。なお、「天突きダンプ」は海外でも「TENTSUKI」の名で知られている。
2012年(平成24年)4月2日に東邦車輛株式会社(東急車輛製造の特装自動車事業を継承した東急車輛特装株式会社)の株式の取得により、それまで未参入分野であったトレーラー事業を保有した。取得時現在では新明和のラインナップには統合されていない。
また、2013年(平成25年)1月1日に富士重工業の塵芥収集車事業を譲受した[5]。この統合によりフジマイティーブランドに終止符が打たれた。
アフターサービス(修理・各種部品販売)や中古車の売買、特装車のレンタルを行う新明和オートエンジニアリング株式会社がある。
2014年(平成26年)4月に富士重工業の塵芥収集車事業と共に譲受した大和商工及びフジ特車を再編し、新明和オートセールス株式会社が設立された[8]。その際、新明和オートエンジニアリングから中古車関連の事業が新明和オートセールスに移管され、逆に大和商工及びフジ特車のアフターサービス事業が新明和オートエンジニアリングに移管された。また塵芥車販売についても新明和本体に移管された。
2017年(平成29年)に子会社の新明和商事を通じ、新明和工業・シキボウ・山本香料・凸版印刷の4社で共同開発した塵芥車用臭気対策剤「デオマジック 香り de まじっく」を発売。新明和製塵芥車専用の噴霧装置およびその装置用の濃縮液だけでなく、ハンドスプレーも販売される[18]。新明和グループでのデオマジック製品の発売は後述の東邦車輛のバキュームカー向けに続き2例目である。
イワフジ工業株式会社
[編集]- 林業機械(プロセッサ、フォワーダ、スイングヤーダ等)
- 環境関連機器(ロールリフト、ダストコンテナ等)
東邦車輛株式会社
[編集]- トレーラ(コンテナトレーラ、重量物トレーラ、平床式トレーラ、バン・ウイング・アオリ、各種トレーラ等)
- タンクローリ(石油タンクローリ、特殊タンクローリ等)
- バン・ウイング(アルミバントラック、ウイングバン、ウイングトレーラ、バントレーラ等)
- ダンプトラック(大型ダンプ、ダンプトレーラ等)
- 粉粒体輸送車(カーボンダンプ、飼料輸送車等)
- 環境整備車両(バキュームカー、汚泥吸排車、大風量強力吸引作業車、廃油ローリ、飲料用給水車、散水車等)
- 作業車・特殊車両 (空港用医療車、 ヤードキャリア等)
トレーラーや特殊車両の一部を除いて新明和本体の特装車事業との重複が多いが、東邦車輛には塵芥車はない(新明和本体には塵芥車の取扱がある)。また、同社は同社製バキュームカーについて“「吸の東邦」(東急車輛時代は「吸の東急」)の異名を持つ”と自称している。
東急車輛製造の特装自動車事業を継承した東急車輛特装株式会社(2010年(平成22年)4月1日設立)を譲受したもの。社名のルーツは東急車輛製造が合併した東邦特殊自動車工業株式会社(1964年(昭和39年)6月1日合併)。
大阪にアフターサービス(修理・部品販売)を行う東邦車輛サービス株式会社(旧・東急車輛サービス)がある。東邦車輛サービスは前述の新明和オートエンジニアリングの指定サービス工場ともなっている。東急車輛製造傘下時代は東急車輛製造の仙台・広島・福岡の各サービス営業所でも部品販売の取り扱いがあった。東邦車輛となってからは仙台サービス営業所と横浜サービス営業所(広島)が移転し、またそれらと福岡サービス営業所は東急車輛製造より移管されている。2013年(平成25年)1月22日に広島は福岡に集約された。
2016年(平成28年)にバキュームカーの真空ポンプ用臭気対策機能つき潤滑油として「デオマジックVC1オイル」を発売[20]。前述の塵芥車用に先立ち発売されているが、それとは異なりパンフレットには東邦製以外のポンプに使用時の不具合は保証できない旨表記はあるものの、他社製では使用できないわけではない。ただし、ポンプ潤滑油であるため新明和本体が採用する水封式等のオイルフリータイプには使用できない。
産機システム事業部
[編集]- 自動電線処理機(端子打機、卓上型デジタルクリンパ等)
- 環境システム(ごみ中継施設(圧縮・積替施設)、リサイクルセンター、ダストスクリュー、ダストドラム、コンパクタ・コンテナ等)
- 真空成膜装置(光学薄膜市場向け、装飾膜市場向け、大型複合真空システム、コンポーネントおよびオプション機器等)
- BUILT-IN DDモータシリーズ(フレームレスモータ、大型ターンテーブル、加工機用エアスピンドル、水力発電用大型アクチュエータ、特殊環境モータ等)
- 薄膜・表面改質事業(イオンプラズマ処理装置、大面積電子ビーム加工装置、高周波マグネトロン装置、イオンインプラント装置等)
流体事業部
[編集]- 水処理機器(設備用水中ポンプ、汎用・工事用水中ポンプ、水処理関連製品、システム製品等)
パーキングシステム事業部
[編集]- パーキングシステム(機械式駐車設備、エレベータ方式駐車設備、垂直循環方式駐車設備、平面往復式駐車装置、水平循環方式駐車設備、多段方式駐車設備、航空旅客搭乗橋等)
- タワー式駐車設備(エレパーク、高層エレパーク、ロータリパーク)、地下方式駐車設備(クロスパーク、トランスパーク)、多段方式駐車設備(Zパーク)
- 2012年(平成24年)4月2日に東京エンジニアリングシステムズ株式会社(東急車輛製造の立体駐車場事業を継承した新東急パーキング株式会社)を取得した。取得時現在では新明和のラインナップには統合されていなかったが、重複する一部の製品を除き東京エンジニアリングシステムズの製品であることを明記した上で掲載されるようになった。
- 2018年(平成30年)4月1日、東京エンジニアリングシステムズ株式会社(TESC)から新明和パークテック株式会社へ商号変更。
新明和パークテック株式会社
[編集]- 自走式駐車設備TC系、機械式駐車設備TP系、大規模駐車システムTIP
- タワー式駐車設備TPN型・TPNW型はエレパークと、昇降指式および昇降横行式駐車設備各種はクロスパーク、トランスパーク、そしてZパークと重複する。
- いずれも製品名は東急時代より「ネオ・トーパーク」である。
東急車輛製造の立体駐車場事業を継承した新東急パーキング株式会社(2011年(平成23年)11月9日設立)を譲受し東京エンジニアリングシステムズ株式会社(TESC)とした。東急車輛製造の立体駐車装置事業部門及び東急パーキングシステムズ株式会社(後の東京パーキングシステムズ株式会社、略称はTPSC)の株式を継承。
TESCもTPSCもIR情報等で記載されている事業内容は同一であったが、主に開発・製造はTESCが、販売・アフターサービスはTPSCが行っていた。2014年(平成26年)4月1日にTESCにTPSCを吸収合併(TESCが存続)することでTESCが開発・製造・販売・アフターサービスを一体的に運営する体制になった[7][8]。
東京パーキングシステムズ株式会社(TPSC・消滅)
[編集]東急車輛製造の立体駐車場機器を製造するメーカーとして1967年(昭和42年)2月10日に東急パーキングシステムズ株式会社として設立され、新東急パーキング株式会社に継承されそれの新明和への譲渡と同時に改称した。2014年(平成26年)4月1日に東京エンジニアリングシステムズに吸収合併され消滅[7][8]。
空港施設本部
[編集]- 航空旅客搭乗橋(PAXWAY)
- 空港ロビーと航空機の搭乗口をむすぶ通路。日本では新明和工業と、三菱重工業の子会社三菱重工交通・建設エンジニアリングしか製造できない。1969年(昭和44年)に羽田空港旧国内線ターミナルへ納入したのを皮切りに、地元・近畿圏に所在する伊丹、神戸の両空港をはじめ、成田国際空港、中部国際空港(セントレア)では全基納入。関西国際空港へも2018年(平成30年)の機器更新工事以降納入している。海外ではシンガポールのチャンギ空港で開港以来全基納入しているほか、タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港、マレーシアのKLIA、ベトナム・ハノイのノイバイ空港、ホーチミンシティのタンソンニャット空港など日本のODAで建設された空港を中心に世界60カ国以上へ納入実績がある。
その他
[編集]- 城山三郎の小説『零からの栄光』では創業者の川西龍三を中心に、創業から戦後にかけての同社が描かれている。
- 1940年代から1960年代にかけて『ポインター』のブランドで小型オートバイ(および2輪エンジン)を、明和興業時代には三輪トラック『アキツ号』も開発、製造した。ポインターは関西を中心に小型オートバイの人気車種となり、レースにも参戦していた。当時はシェアが高かったにもかかわらず、後発のホンダに追われ、販売店からの売掛金回収が不徹底だったなど、不採算を理由として1963年(昭和38年)9月に事業撤退。アキツ号も明和自動車工業への吸収分割を経て、1957年(昭和32年)に生産終了。以後はダイハツ・ミゼットの生産分担に切り替えられた。
- 局地戦闘機「紫電」の伸縮式主脚などの油圧技術を応用して、理髪店用の昇降椅子の製造販売も手掛けていた。2008年3月に理美容事業から撤退。
- 西宮市内にある医療法人明和病院は、1942年(昭和17年)にかつての川西航空機株式会社時代の付属病院として創設されたもの。現在もグループの法人だが、地域住民を中心に医療を提供している。
- 和歌山県高野山の金剛峯寺奥の院参道入り口に新明和工業の物故者慰霊碑が建立されているが、ロケットの形をしており高野山の観光名所化している。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “春光懇話会”. www.shunko.jp. 春光懇話会. 2024年6月17日閲覧。
- ^ 田中彰「六大企業集団の無機能化 : ポストバブル期における企業間ネットワークのオーガナイジング」、『同志社商学』64巻5号、同志社大学商学会、doi:10.14988/pa.2017.0000013201、NAID 110009605659 pp. 330-351
- ^ “メンバー会社一覧”. www.midorikai.co.jp. 株式会社みどり会. 2024年3月16日閲覧。
- ^ 2012年2月6日発表
「異動する子会社の商号変更に関するお知らせ」 (PDF, 新明和工業)
吸収分割および株式譲渡に伴う新明和工業株式会社の傘下会社となる各社の商号について (PDF, 東急車輛製造)
なお、東急車輛製造から東急車輛特装(→東邦車輛)及び新東急パーキング(→東京エンジニアリングシステムズ)の2社への事業承継は前日の4月1日に行われた。 - ^ a b 事業譲り受けに関するお知らせ (PDF) - 新明和工業ホームページ、2013年1月7日掲載。
- ^ 富士重工業 塵芥収集車フジマイティーの生産を終了 (PDF) - 富士重工業ホームページ、2012年12月21日掲載。
- ^ a b c 2013年12月3日発表(いずれも同一)
合併についてのお知らせ (PDF, 東京エンジニアリングシステムズ)
合併についてのお知らせ (PDF, 東京パーキングシステムズ) - ^ a b c d 特装車およびパーキングシステム事業の体制を再編 - 新明和工業 2013年12月3日
- ^ 「2013年度 ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」を受賞, 新明和工業
- ^ 「ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」受賞セレモニーを開催, 新明和工業
- ^ 商号変更に関するお知らせ (PDF, 東京エンジニアリングシステムズ) 2017年11月30日発表
- ^ 子会社の異動(株式取得)に関するお知らせ2021年7月2日、新明和工業IRニュース
- ^ 水陸両用飛行艇の輸出活動を本格化, 新明和工業
- ^ 新明和工業、川重・島津との連携発表, 日本経済新聞 2012年4月27日
- ^ 世界最高水準の性能 海自救難飛行艇「US-1A」が退役 NHKニュース 2107年12月13日
- ^ “海自向け飛行艇50機目記念式 製造半世紀の新明和工業”. 朝日新聞. (2020年2月22日) 2020年2月28日閲覧。
- ^ 新明和岩国航空整備株式会社
- ^ 塵芥車用臭気対策剤 「デオマジック 香り de まじっく」 および 専用噴霧装置を 発売 - 2017年5月17日
- ^ 東邦車輛の純正部品 パンフレット
- ^ デオマジックVC1オイル - 東邦車輛 2016年9月29日
関連項目
[編集]- 航空機メーカーの一覧
- 春光グループ
- 日立グループ
- 日立製作所 - 新明和工業は、長期に渡って日立製作所のグループ企業であったが、日立は大半の所有株式を売却、出資比率が3%ほどとなり、持分法適用関連会社から外れることとなった。→「春光グループ § 主なグループ企業」も参照
- 日立製作所 - 新明和工業は、長期に渡って日立製作所のグループ企業であったが、日立は大半の所有株式を売却、出資比率が3%ほどとなり、持分法適用関連会社から外れることとなった。
- 三和グループ - 新明和工業の現在のメインバンクは三菱UFJ銀行だが、旧三和銀行→UFJ銀行の融資系列に属している。
- 川西倉庫
- 阪神競馬場 - 競馬場の隣接地に工場があった。2006年(平成18年)12月の馬場拡張のために用地を日本中央競馬会が買い取り、外回りコースを設置した。
- 明和自動車工業 - 旧川西航空機の後身、明和興業から分割されたもう一つの会社。
- ダイハツ工業 - 明和自動車工業はその後、さらに社名変更を経て1970年(昭和45年)、ダイハツに吸収合併された。
- ダイハツ・ミゼット - 明和興業が自社開発したアキツ号の事実上の後身。明和自動車改め旭工業でも製造が行われた。
- シンメイワ・ロードレーサー - 新明和工業が製造していた2輪レーシングマシン。
外部リンク
[編集]- 新明和工業
- 新明和ソフトテクノロジ(情報管理業務を移管)
- 医療法人明和病院
- 明和工務店