リコリス・ピザ
リコリス・ピザ | |
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Licorice Pizza | |
監督 | ポール・トーマス・アンダーソン |
脚本 | ポール・トーマス・アンダーソン |
製作 |
ポール・トーマス・アンダーソン サラ・マーフィ アダム・ソムナー |
製作総指揮 |
ジェイソン・クロース スーザン・マクナマラ アーロン・L・ギルバート ジョアン・セラー ダニエル・ルピ |
出演者 |
アラナ・ハイム クーパー・ホフマン ショーン・ペン トム・ウェイツ ブラッドリー・クーパー |
音楽 | ジョニー・グリーンウッド |
撮影 |
ポール・トーマス・アンダーソン マイケル・バウマン |
編集 | アンディ・ジャーゲンセン |
製作会社 |
メトロ・ゴールドウィン・メイヤー フォーカス・フィーチャーズ ブロン・クリエイティブ グーラルディ・フィルム・カンパニー |
配給 |
ユナイテッド・アーティスツ・リリーシング ユニバーサル・ピクチャーズ ビターズ・エンド=パルコ=ユニバーサル映画 |
公開 |
2021年11月26日(限定公開) 2021年12月25日(拡大公開) 2022年7月1日 |
上映時間 | 133分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $40,000,000[1] |
興行収入 | $33,300,000[2][3] |
『リコリス・ピザ』(原題: Licorice Pizza)は、2021年公開のアメリカ合衆国の青春映画。製作・脚本・撮影・監督はポール・トーマス・アンダーソン、主演はアラナ・ハイムとクーパー・ホフマン(監督の盟友だったフィリップ・シーモア・ホフマンの息子)が務めた。なお、本作はハイムとホフマンの俳優デビュー作でもある。
本作の原題“Licorice Pizza”は、1969年から1980年代後半にかけてカリフォルニア州南部で店舗を展開していたレコードチェーンの名前から取られたものである[4]。
ストーリー
[編集]1973年、ロサンゼルスのサンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリー・ヴァレンタインは俳優としても活動していた。そんなある日、ゲイリーは10歳年上の女性(アラナ・ケイン)と恋に落ちた。
本作は2人が甘酸っぱくも危険な恋を通して成長していく姿を描き出す。
キャスト
[編集]- アラナ・ケイン: アラナ・ハイム - 撮影助手。
- ゲイリー・ヴァレンタイン[注 1]:クーパー・ホフマン - 子役出身の若手俳優。高校生。
- ジャック・ホールデン[注 2]: ショーン・ペン - ベテランのスター俳優。
- レックス・ブラウ: トム・ウェイツ - 映画監督。
- ジョン・ピーターズ: ブラッドリー・クーパー - 映画プロデューサー。
- ジョエル・ワックス: ベニー・サフディ - 政治家。
- ゲイル: マーヤ・ルドルフ
- ランス: スカイラー・ギソンド
- マンマ・アニタ: メアリー・エリザベス・エリス
- フリスビー・カヒル: デストリー・アリン・スピルバーグ
- マシュー: ジョセフ・クロス
- ブライアン: ネイト・マン
- フレッド・グウィン: ジョン・C・ライリー - ハーマン・マンスター役の俳優。
- ルシル・ドゥーリトル[注 3]: クリスティーン・エバーソール
- ミスター・ジャック:ジョージ・ディカプリオ
- ミオコ:ユミ・ミズイ
- キミコ:安生めぐみ
- エスティ:エスティ・ハイム
- ダニエル:ダニエル・ハイム
- モルデハイ:モルデハイ・ハイム
- ドナ:ドナ・ハイム
製作
[編集]2019年11月12日、ポール・トーマス・アンダーソン監督が新作映画を製作に着手しているとの報道があった[6]。2020年8月、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディ、アラナ・ハイムらの出演が決まった[7][8]。9月2日、クーパー・ホフマンの起用が発表された[9]。
なお、レオナルド・ディカプリオにも本作への出演オファーが出ていたが、最終的に断られてしまったのだという[10]。
劇中でジョン・ピーターズが「ピーナッツバターのサンドイッチは好きかい」と女の子に尋ねるシーンがあるが、これはピーターズ本人の希望によるものである。監督から「貴方を新作に登場させるつもりだ」と事前に告げられた際、ピーターズはこのシーンを入れることを条件に快諾した[5]。
撮影・音楽
[編集]本作の主要撮影は『Soggy Bottom』という仮題の下、2020年8月にロサンゼルスで始まり、同年11月に終了した[11][12]。2021年9月6日、ジョニー・グリーンウッドが本作で使用される楽曲を手掛けるとの報道があった[13]。
公開・マーケティング
[編集]2019年12月18日、フォーカス・フィーチャーズが本作の全米配給権を獲得したと報じられた[14]。2020年7月17日、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーがフォーカス・フィーチャーズから本作の全米配給権を買い取ろうとしているとの報道があった[15]。
2021年9月10日、本作の予告編が2か所の映画館で公開された。その際、本作のタイトルが『Licorice Pizza』であることが判明した[16]。28日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[17]。
作品の評価
[編集]Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「『リコリス・ピザ』ではポール・トーマス・アンダーソン監督が驚くほど快適なギアにシフトし、そのフレッシュな顔ぶれの主演俳優たちからスターとなる可能性のある演技を引き出している。」であり、71件の評論のうち高評価は92%にあたる65件で、平均点は10点満点中8.6点となっている[18]。 Metacriticによれば、35件の評論のうち高評価は33件、賛否混在は2件、低評価はなく、平均点は100点満点中90点となっており、「MUST-SEE(必見)」の評価を得ている[19]。
作中で登場する日本人女性のキャラクターに対して、誇張した日本人アクセントの英語で笑いをとるシーンがあり、これがアジア系差別的な描写であるとして一部のメディアから問題視された[20]。
受賞・ノミネート一覧
[編集]賞 | 発表日 | カテゴリ | 対象 | 結果 | Ref. |
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ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 2021年12月2日 | 作品賞 | 受賞 | [21] | |
監督賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | 受賞 | |||
ブレイクスルー演技賞 | アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン | 受賞 | |||
ニューヨーク映画批評家協会賞 | 2021年12月3日 | 脚本賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | 受賞 | [22] |
ボストン・オンライン映画批評家協会賞 | 2021年12月11日 | 作品賞 | 2位 | [23] | |
アンサンブル演技賞 | 受賞 | ||||
ボストン映画批評家協会賞 | 2021年12月12日 | 主演女優賞 | アラナ・ハイム | 受賞 | [24] |
アンサンブル演技賞 | 受賞 | ||||
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 2021年12月18日 | 脚本賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | 次点 | [25] |
編集賞 | アンディ・ジャーゲンセン | 次点 | |||
全米映画批評家協会賞 | 2022年1月8日 | 主演女優賞 | アラナ・ハイム | 3位 | [26] |
脚本賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | 3位 | |||
ゴールデングローブ賞 | 2022年1月9日 | 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) | ノミネート | [27][28] | |
主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) | クーパー・ホフマン | ノミネート | |||
主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) | アラナ・ハイム | ノミネート | |||
脚本賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | ノミネート | |||
全米映画俳優組合賞 | 2022年2月27日 | 助演男優賞 | ブラッドリー・クーパー | ノミネート | [29] |
アカデミー賞 | 2022年3月28日 | 作品賞 | ノミネート | [30] | |
監督賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | ノミネート | |||
脚本賞 | ポール・トーマス・アンダーソン | ノミネート |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ゲイリー・ゴーツマンをモデルにしたキャラクター[5]。
- ^ ウィリアム・ホールデンをモデルにしたキャラクター[5]。
- ^ ルシル・ボールをモデルにしたキャラクター[5]。
出典
[編集]- ^ Lang, Brent; Donnelly, Matt (2020年10月30日). “Breaking Down MGM’s Costly ‘No Time to Die’ Dilemma” (英語). Variety 2021年11月29日閲覧。
- ^ “Licorice Pizza (2021)”. Box Office Mojo. IMDb. August 13, 2022閲覧。
- ^ “Licorice Pizza (2021)”. The Numbers. Nash Information Services, LLC. April 5, 2022閲覧。
- ^ Nichols, Chris (2021年9月15日). “A Look Back at Licorice Pizza, the SoCal Record Store P.T. Anderson’s New Movie Is Named After” (英語). Los Angeles Magagine 2021年11月7日閲覧。
- ^ a b c d Lang, Brent (2021年11月10日). “Paul Thomas Anderson on ‘Licorice Pizza’ and Moviemaking: ‘Anyone Who’s Done This Knows That Confidence Is an Illusion’” (英語). Variety 2021年11月12日閲覧。
- ^ D'Alessandro, Anthony (2019年11月12日). “Paul Thomas Anderson Returning To 1970s San Fernando Valley In New 2020 Production” (英語). Deadline.com 2021年11月7日閲覧。
- ^ Galuppo, Mia (2020年8月3日). “Bradley Cooper in Talks to Star in Paul Thomas Anderson’s 1970s Drama (Exclusive)” (英語). The Hollywood Reporter 2021年11月7日閲覧。
- ^ Sneider, Jeff (2020年8月31日). “Benny Safdie to Play Gay Politician in Paul Thomas Anderson's New '70s Movie” (英語). Collider 2021年11月7日閲覧。
- ^ Galuppo, Mia (2020年9月2日). “Cooper Hoffman, Son of Phillip Seymour Hoffman, Leads Paul Thomas Anderson ’70s Drama” (英語). The Hollywood Reporter 2021年11月7日閲覧。
- ^ Barfield, Charles (2019年4月24日). “Leonardo DiCaprio Reportedly Passed On Paul Thomas Anderson & Alejandro González Iñárritu To Work With Del Toro” (英語). The Playlist 2021年11月7日閲覧。
- ^ Raup, Jordan (2020年8月24日). “Paul Thomas Anderson Begins Shooting Next Film with Working Title of Soggy Bottom” (英語). The Film Stage 2021年11月7日閲覧。
- ^ Raup, Jordan (2020年11月19日). “Paul Thomas Anderson’s Soggy Bottom Wraps Filming” (英語). The Film Stage 2021年11月7日閲覧。
- ^ “Jonny Greenwood Scoring Paul Thomas Anderson’s ‘Soggy Bottom’” (英語). Film Music Reporter. (2021年9月6日) 2021年11月7日閲覧。
- ^ Rubin, Rebecca (2019年12月18日). “Paul Thomas Anderson’s Next Film Lands at Focus Features” (英語). Variety 2021年11月7日閲覧。
- ^ Kit, Borys (2020年7月17日). “Paul Thomas Anderson’s 1970s High School Movie Moving From Focus to MGM” (英語). The Hollywood Reporter 2021年11月7日閲覧。
- ^ Raup, Jordan (2021年9月10日). “Paul Thomas Anderson’s Soggy Bottom Gets a New, Vinyl-Inspired Title: Licorice Pizza” (英語). The Film Stage 2021年11月7日閲覧。
- ^ “LICORICE PIZZA Official Trailer MGM Studios” (英語). YouTube. MGM (2021年9月28日). 2021年11月7日閲覧。
- ^ "Licorice Pizza". Rotten Tomatoes (英語). 2021年11月29日閲覧。
- ^ "Licorice Pizza" (英語). Metacritic. 2021年11月29日閲覧。
- ^ “MANAA to the Academy: ‘Licorice Pizza’s’ Racism Doesn’t Deserve Awards”. Rafu Shimpo (2021年12月18日). 2021年12月29日閲覧。
- ^ “NATIONAL BOARD OF REVIEW ANNOUNCES 2021 AWARD WINNERS”. NBR (2021年12月2日). 2021年12月4日閲覧。
- ^ “‘Drive My Car’ and Lady Gaga Among Surprise Winners at New York Film Critics Circle (Full List)”. Variety (2021年12月3日). 2021年12月4日閲覧。
- ^ “2021 AWARDS”. ボストン・オンライン映画批評家協会 (2021年12月11日). 2021年12月12日閲覧。
- ^ “‘Drive My Car’ big Boston Society of Film Critics winner”. Boston Globe (2021年12月12日). 2021年12月14日閲覧。
- ^ “‘Drive My Car’ and ‘The Power of the Dog’ Win Top Prizes at L.A. Film Critics Association Awards 2021 (Full List)”. Variety (2021年12月18日). 2022年1月3日閲覧。
- ^ “‘Drive My Car’ Wins Best Picture Award From National Society of Film Critics”. The Wrap (2021年1月8日). 2021年1月9日閲覧。
- ^ “『ドライブ・マイ・カー』ゴールデン・グローブ賞ノミネート!”. シネマトゥデイ (2021年12月13日). 2021年12月14日閲覧。
- ^ “ゴールデン・グローブ賞『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ウエスト・サイド・ストーリー』が作品賞!受賞結果全リスト”. シネマトゥデイ (2021年1月10日). 2022年1月10日閲覧。
- ^ “【SAG賞映画部門ノミネート】「ハウス・オブ・グッチ」「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が最多3部門”. 映画.com (2022年1月15日). 2022年1月15日閲覧。
- ^ “ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『リコリス・ピザ』第94回アカデミー賞(R)作品賞含む主要3部門ノミネート!”. シネマNAVI (2022年2月9日). 2024年7月9日閲覧。
参考文献
[編集]- アダム・ネイマン『ポール・トーマス・アンダーソン ザ・マスターワークス』井原慶一郎訳、2021年10月、DU BOOKS
外部リンク
[編集]- Licorice Pizza|Official website - United Artists Releasing
- ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『リコリス・ピザ』 - 有限会社ビターズ・エンド
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- Licorice Pizza - IMDb