スペースX CRS-25
ISSに接近するCRS-25のカーゴドラゴン | |
名称 | SpX-25 |
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任務種別 | ISS物資補給 |
運用者 | スペースX |
COSPAR ID | 2022-081A |
任務期間 | 36日 18時間 9分 |
特性 | |
宇宙機 | カーゴドラゴン C208 |
製造者 | スペースX |
燃料無重量 | 9,525 kg (20,999 lb) |
ペイロード重量 | 1,800 kg (4,000 lb) |
寸法 | 全高:8.1 m (27 ft) 直径:4 m (13 ft) |
任務開始 | |
打ち上げ日 | 2022年7月15日 00:44:22 UTC[1] |
ロケット | ファルコン9ブロック5、B1067.5 |
打上げ場所 | ケネディ宇宙センター、LC-39A |
打ち上げ請負者 | スペースX |
任務終了 | |
回収担当 | ミーガン |
着陸日 | 2022年8月11日 18:53 UTC |
着陸地点 | 大西洋 |
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
傾斜角 | 51.66° |
ISSのドッキング(捕捉) | |
ドッキング | ハーモニー 前方側 |
ドッキング(捕捉)日 | 2022年7月16日 15:21 UTC |
分離日 | 2022年8月19日 15:05 UTC |
dock時間 | 33日 23時間 44分 |
スペースX CRS-25の徽章 |
COSPAR ID | 2022-081A |
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SpX-25としても知られるスペースX CRS-25は、2022年7月15日に打ち上げられた国際(ISS)への商業補給サービスミッション。このミッションはNASAによって契約され、スペースXがカーゴドラゴンを使用して実施した。宇宙船はISSに搭乗するクルーへの補給品とともに、ISS上での複数の研究に使われる予定の様々な装置を運搬した。
CRS-25の打ち上げは、打ち上げ前のテスト中に検出されたドラゴン宇宙船の推進系の問題を調査するために、7月11日延期されていた。当初の打ち上げスケジュールは6月10日だった。
ミッションの概要
[編集]目的
[編集]Spx-25は国際宇宙ステーション(ISS)への商業補給サービスミッションである。この飛行は国際宇宙ステーションに貨物を輸送する、25回目の再補給飛行だった。
タイムライン
[編集]SpX-25は、フロリダ州のケネディ宇宙センターからスペースXファルコン9ロケットに搭載されて2022年7月15日の00:44 UTCに打ち上げられた[2][3]。ドラゴン宇宙船は2022年7月16日にISSに到着した。SpX-25ミッションは36日間18時間9分かけて完了し、2022年8月20日にフロリダ沿岸に帰着した[4]。
遅延
[編集]NASAによれば、宇宙機の推進系でモノメチルヒドラジン(MMH)蒸気レベルの上昇が検出されたことから、修理のためにミッションの打ち上げが延期された[5]。宇宙船の影響を受けた領域全体が取り除かれ、打ち上げを進める前に調査さた。
カーゴドラゴン
[編集]カーゴドラゴンはスペースXが設計した貨物宇宙船で、現時点では貨物を軌道上に送るだけではなく地球に帰還させる能力を有する唯一の宇宙船となっている[6]。ファルコン9ロケットを打ち上げ機として使用し、軌道に到達すると切り離される。カーゴドラゴンは、NASAとISSの研究を支援するために2,600 kg (5,700 lb)の乗員物資、工具および科学機器を搭載して打ち上げられた[7]。
再利用性
[編集]このミッションは特定のカーゴドラゴンユニットの3回目の宇宙飛行であり[8]、スペースXの25回目の商業補給ミッションである[2]。ファルコン9はSpX-25を宇宙に打ち上げるために使用されるとともに、部分的に再利用可能でとなっている。ファルコン9の様々な部品は回収可能であり、将来の補給ミッションのために再利用される。カーゴドラゴン宇宙船自体は、ボートで回収して部品を再利用できるようにパラシュートを使った着水技術によって保護されている[9]。カーゴドラゴンとファルコン9の部品をリサイクルすることは、宇宙船を打ち上げるコストを大幅に削減し、将来のミッションのためにリソースを最適化することにつながる。
貨物の詳細
[編集]SpX-25は、1億1800万ドル相当の資源と[8]、約1,800 kg (4,000 lb)の物資を輸送した[3][6]。
研究への貢献
[編集]SpX-25に搭載された4つの重要な研究がISSに届けられ、研究された:
地球の塵のパターン
[編集]SpX-25補給ミッションの一環として、NASAのジェット推進研究所(JPL)は地球の乾燥地域の塵の鉱物組成を追跡するための地表鉱物粉塵源調査(Earth Surface Mineral Dust Source Investigation, EMIT)を開発した。塵はその鉱物組成に応じて冷却ないし加熱効果を有する。EMITは1年間の調査で、画像を収集して塵のパターンを追跡して地図を作成し、大気中を移動する塵の局所的、地域的、または地球規模の影響に関する洞察を提供する[10]。
免疫システムの老化
[編集]免疫老化は、高齢者の免疫システムの機能不全や変化であり、これは自然な老化プロセスの一部として発生する。このプロセスは、感染症の罹患率、自己免疫疾患のリスク、がんなどの悪性腫瘍の発生リスクの増大と関連している[11]。ISSは、宇宙の微小重力がこれらのプロセスにどのように悪影響を与えるかを研究し、免疫老化を理解し、宇宙飛行士を微小重力の可能性から保護する治療法を開発するための研究を行っている。さらに、微小重力は免疫システムの老化を加速させて研究するための媒体となり、地球上での応用を見出すために有用なツールとなっている[11]。
CubeSat
[編集]CubeSatはナノ衛星とも呼ばれる研究用宇宙機のカテゴリーである。CubeSatは宇宙を目指すロケットに載せて小型の衛星を貨物として飛ばすことができる。CubeSatには、低コストで組み立て打ち上げるために、小規模な実験が搭載されている。そのコンパクトな機能によって学生、大学およびその他の関連するイニシアチブに対する宇宙研究および技術開発へのアクセスを広げるものである[12]。
宇宙での遺伝子
[編集]これはSpX-25に搭載されてISSへ送られた多くの実験の1つである。この研究では、微小重力下での細胞外タンパク質の生成過程を観察する。この研究は、生きた細胞を使用せず、細胞内に存在する特定のターゲット分子を検出するためにバイオセンサーを使用して行われる。この研究の成功は、医療応用のための低資源、携帯性、低コストの技術を創出することにつながる[2]。
- ESAのBIOFILMS(Biofilm Inhibition On Flight equipment and on board the ISS using microbiologically Lethal Metal Surfaces、微生物学的に致命的な金属表面を使用した飛行中およびISS内でのバイオフィルム阻害)実験は、変化した重力下の宇宙飛行条件下で、異なる金属表面の細菌バイオフィルム形成と抗微生物性を調査するもの[14]
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Clark, Stephen (15 July 2022). “SpaceX launches 25th Dragon resupply mission to space station”. Spaceflight Now. 17 July 2022閲覧。
- ^ a b c Kanayama, Lee (2022年7月14日). “SpaceX and NASA launch CRS-25 mission to the ISS” (英語). NASASpaceFlight.com. 2022年11月3日閲覧。
- ^ a b Garcia, Mark. “Dragon Departs Station to Return Scientific Cargo to Earth” (英語). blogs.nasa.gov. 2022年11月3日閲覧。
- ^ “SpaceX” (英語). SpaceX. 2022年11月3日閲覧。
- ^ Garcia, Mark. “Dragon Mission on Hold as Astronauts Conduct Eye Exams, Spacesuit Work” (英語). blogs.nasa.gov. 2022年11月3日閲覧。
- ^ a b Kordina, Florian (2022年7月14日). “Dragon CRS-2 SpX-25 | Falcon 9 Block 5” (英語). Everyday Astronaut. 2022年11月3日閲覧。
- ^ Kordina, Florian (2022年7月14日). “Dragon CRS-2 SpX-25 | Falcon 9 Block 5” (英語). Everyday Astronaut. 2022年11月4日閲覧。
- ^ a b Clark, Stephen. “SpaceX launches 25th Dragon resupply mission to space station – Spaceflight Now” (英語). 2022年11月3日閲覧。
- ^ Guzman, Ana (2022年8月16日). “SpaceX CRS-25 Dragon Returns with Scientific Hardware & Samples”. NASA. 2022年11月3日閲覧。
- ^ “Soil, Sutures, and Climate Modeling Among Investigations Riding SpaceX CRS-25 Dragon to International Space Station” (英語). NASA Jet Propulsion Laboratory (JPL). 2022年11月3日閲覧。
- ^ a b Lian, Jingyao; Yue, Ying; Yu, Weina; Zhang, Yi (2020-11-10). “Immunosenescence: a key player in cancer development”. Journal of Hematology & Oncology 13 (1): 151. doi:10.1186/s13045-020-00986-z. ISSN 1756-8722. PMC 7653700. PMID 33168037 .
- ^ “CubeSats and SmallSats” (英語). NASA Jet Propulsion Laboratory (JPL). 2022年11月3日閲覧。
- ^ “European Space Agency”. www.esa.int. 14 March 2023閲覧。
- ^ “Film and cultures”. 2023年3月24日閲覧。
外部リンク
[編集]- NASA
- SpaceX official page for the Dragon spacecraft Archived 12 April 2017 at the Wayback Machine.