シグナス CRS OA-4
ISSに接近するシグナス CRS OA-4 宇宙機 | |
任務種別 | 国際宇宙ステーションへの補給 |
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運用者 | オービタルサイエンシズ |
COSPAR ID | 2015-072A |
SATCAT № | 41101 |
任務期間 | 完了: 75日 |
特性 | |
宇宙機 | シグナス 5 |
宇宙機種別 | シグナス拡張型[1] |
製造者 | オービタル・サイエンシズ タレス・アレーニア・スペース |
打ち上げ時重量 | 7,492 kg (16,517 lb)[2] |
ペイロード重量 | 3,513 kg (7,745 lb)[2] |
任務開始 | |
打ち上げ日 | 2015年12月6日 21:44:57 UTC |
ロケット | アトラス V 401 |
打上げ場所 | ケープカナベラル空軍基地 第41発射施設 |
打ち上げ請負者 | ユナイテッド・ローンチ・アライアンス |
任務終了 | |
廃棄種別 | 軌道離脱 |
減衰日 | 20 February 2016, 16:00[3] | UTC
軌道特性 | |
参照座標 | 地球周回軌道 |
体制 | 低軌道 |
軌道長半径 | 6,781.5 km (4,213.8 mi) |
離心率 | 0.0008 |
近点高度 | 397.9 km (247.2 mi) |
遠点高度 | 408.8 km (254.0 mi) |
傾斜角 | 51.64 ° |
元期 | 2015年12月9日 05:44:31 UTC[4] |
国際宇宙ステーションのドッキング(捕捉) | |
ドッキング | ユニティ 天底 |
RMSの捕捉 | 2015年12月9日 11:19 UTC[5] |
ドッキング(捕捉)日 | 2015年12月9日 14:26 UTC[5] |
分離日 | 2016年2月19日 10:38 UTC[6] |
RMS切り離し | 2016年2月19日 12ː26 UTC[7] |
berth時間 | 71日20時間12分 |
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シグナス CRS OA-4 (Cygnus CRS OA-4) はオービタル・サイエンシズ社がNASAとの商業補給サービス契約に基づいて打ち上げた国際宇宙ステーション(ISS)用無人宇宙補給機である[8][9]。オービタル・サイエンシズCRSフライト4とも呼ばれる。シグナス宇宙船の4号機で、ISSに到達した3番目の機体である。アンタレスロケットがシグナス CRS Orb-3打ち上げ時に故障・失敗したことを受け再設計されることになったため、OA-4ではアトラス Vで打ち上げられることになった。これに伴い、射場がワロップス飛行施設からケープカナベラル空軍基地に移っている。打ち上げは2015年12月3日の予定であったが、悪天候のため3回に渡って順延され、2015年12月6日21時44分(UTC)に打ち上げられた。打ち上げ時重量は 7,492キログラム (16,517 lb)で、アトラス Vで打ち上げられた最も重いペイロードになった[10]。2015年12月9日にISSと会合した[5]。2016年2月19日にISSから分離され、2月20日16時 UTC頃に軌道を離脱した[3]。
機体
[編集]OA-4 はオービタル・サイエンシズ社がNASAと締結した商業補給サービス契約で定められた8回のうち4回目となるフライトで、シグナス拡張型の初飛行であった。当初打ち上げ予定日は2015年4月1日であった[11]。アトラス Vはコンフィギュレーション401(フェアリング径 4メートル、固体ブースターなし、上段のセントールはエンジン1基の構成)でケープカナベラル空軍基地第41発射施設から打ち上げられた[8]。
オービタル・サイエンシズ社の慣例に従い、宇宙機は Deke Slayton II と名付けられた。これは1993年に亡くなったマーキュリー・セブンの一人、ドナルド・スレイトン宇宙飛行士に因んでおり、2014年10月に打ち上げに失敗した Orb-3 から引き継いだものである[12]。
打ち上げ要目
[編集]このミッションは3,500キログラム (7,700 lb)以上の補給物資を輸送できるシグナス拡張型の初飛行であった。
貨物積載量: 3,349キログラム (7,383 lb)[5][13]
- 補給品: 1,181キログラム (2,604 lb)
- クルー・ケア・パッケージ(本、CD、嗜好品など)
- 飛行手順書
- 食品
- 機体装置類: 1,010キログラム (2,220 lb)
- クルー健康管理システム
- 環境制御・生命維持装置
- 電力システム
- 船外活動ロボット装備品
- フライトクルー装備品
- PL設備
- 構造・機械設備(日本実験棟 きぼう のシステム部品等)
- 内部熱制御システム
- 科学研究用機材: 847キログラム (1,867 lb)
- スペース・オートメーテッド・バイオ・ラボ(Space Automated Bio Lab, SABL)
培養細胞や細菌などの微生物の研究を支援する生命科学実験設備 - 小型衛星投入装置および小型衛星
- NASAのLONESTAR実験装置(小型衛星 AggieSat4 と Bevo-2 を含む[14])
- AggieSat4
テキサスA&M大学 工学科の学生が製作した小型衛星で、超小型衛星 Bevo-2 を内蔵している - Bevo-2
テキサス大学オースティン校 工学科およびコンピュータ科学科の学生が設計・製作した超小型衛星
- AggieSat4
- 気体と液体の挙動に関する実験装置
- 溶鋼の熱物性に関する実験装置
- 耐炎性繊維の評価装置
- JAXA 関連の科学研究用機材[15]
- 静電浮遊炉(Electrostatic Levitation Furnace: ELF)の一部
- 中型曝露実験プラットフォーム(i-SEEP)
- 微生物動態に関する研究(Microbe-IV)の実験用品
- マランゴニ実験[16]の実験用品
- スペース・オートメーテッド・バイオ・ラボ(Space Automated Bio Lab, SABL)
- コンピューター関連: 87キログラム (192 lb)
- コマンド・データ操作装置
- 写真/映像装置
- 宇宙遊泳用機材: 230キログラム (500 lb)
- 新型セルフレスキュー用推進装置 (SAFER)
- 船外活動ユニット パーツ類(脚部、手袋、安全索、バッテリー等)
- エアロック冷却系統の部材
梱包材等を含んだ総重量: 3,513キログラム (7,745 lb)
脚注
[編集]- ^ Bergin, Chris (22 February 2012). “Space industry giants Orbital upbeat ahead of Antares debut”. NASASpaceflight.com. 29 March 2012閲覧。
- ^ a b Ray, Justin (29 November 2015). “International Space Station and crew awaiting Atlas 5 launch of Cygnus”. Spaceflight Now 2 December 2015閲覧。
- ^ a b “At ~11 am ET today...”. Twitter.com. Orbital ATK (20 February 2016). 20 February 2016閲覧。
- ^ “Object A”. N2YO.com (9 December 2015). 9 December 2015閲覧。
- ^ a b c d Ray, Justin (9 December 2015). “U.S. resupply of space station successfully resumes”. Spaceflight Now 9 December 2015閲覧。
- ^ Evans, Ben (19 February 2016). “As OA-4 Cygnus Departs, Commercial Cargo Providers Prepare for Busy Visiting Vehicle Manifest”. AmericaSpace 20 February 2016閲覧。
- ^ “シグナス補給船運用4号機(OA-4)ミッション”. JAXA (February 22, 2016). 2016年2月29日閲覧。
- ^ a b “Launch Schedule”. Spaceflight Now. 26 January 2015閲覧。
- ^ “International Space Station Flight Schedule”. SEDS (15 May 2013). 2018年3月3日閲覧。
- ^ Ray, Justin (6 December 2015). “Atlas 5 rocket sends Cygnus in hot pursuit of space station”. Spaceflight Now 7 December 2015閲覧。
- ^ Orbital’s Antares fails seconds after launch
- ^ “Orbital ATK's Cargo Delivery Mission to International Space Station Set to Launch”. Orbital ATK (1 December 2015). 2 December 2015閲覧。
- ^ “Orbital ATK CRS-4 Mission Overview”. NASA. 9 December 2015閲覧。
- ^ “Low Earth Orbiting Navigation Experiment for Spacecraft Testing Autonomous Rendezvous and Docking (LONESTAR)”. NASA. 12 December 2015閲覧。
- ^ “シグナス補給船運用4号機(OA-4)ミッション”. JAXA (2015年12月11日). 2016年2月7日閲覧。
- ^ “宇宙で明らかになる流れの世界 マランゴニ対流の不思議”. JAXA. 2016年2月7日閲覧。
外部リンク
[編集]ウィキメディア・コモンズには、シグナス CRS OA-4に関するカテゴリがあります。