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フローラステークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フローラステークス
(オークストライアル)
Flora Stakes
(Japanese Oaks Trial)[1]
第58回フローラステークス(2023年4月23日)
優勝馬:ゴールデンハインド 鞍上:菅原明良
開催国 日本の旗日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
創設 1966年5月3日[2]
2024年の情報
距離 芝2000m
格付け GII
賞金 1着賞金5200万円
出走条件 サラ系3歳牝馬(国際)(指定)
負担重量 馬齢(55kg)
出典 [3][4]
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フローラステークスは、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。競馬番組表での名称は「サンケイスポーツ賞 フローラステークス(オークストライアル)」と表記される[4]

競走名の「フローラFlora)」は、ローマ神話に登場する花と春と豊穣を司る女神の名。または、ある特定の地域もしくは時代に生育する各種植物の全種類の意[5]

サンケイスポーツ」は、産業経済新聞社が発行するスポーツ紙。同社より寄贈賞の提供を受けている[5]

正賞はサンケイスポーツ賞[3][4]

概要

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2着までの馬に優駿牝馬(オークス)の優先出走権が付与されるトライアル競走[5]。当初は5着までに優先出走権を付与していたが、1991年より3着までに改められた[6]。2018年より優先出走権の付与が2着までに改められることになった。

1966年に「サンケイスポーツ賞 4歳牝馬特別(オークストライアル)」の名称で創設された、4歳(現3歳)牝馬限定の重賞競走[6]。2001年より現名称となった[6]。この当時は関西でも桜花賞トライアルとして、「報知杯4歳牝馬特別」(現・フィリーズレビュー)が行われていたため、便宜上「4歳牝馬特別(東)」と区別して表現することもあった。

創設時は芝1800mで行われていたが、トライアルレースとしての位置付けをより明確にするため、1987年から2000mに延長[6]。これにより中・長距離の適性が問われることとなり、優駿牝馬(オークス)との関連性が一層深まった[6]

地方競馬所属馬は1995年から、外国産馬は2003年から出走可能になり[2]、2010年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[7]

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[3][4]のもの。

出走資格:サラ系3歳牝馬

  • JRA所属馬(外国産馬含む)
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢重量(55kg)

優駿牝馬(オークス)のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は優駿牝馬(オークス)の出走候補馬(3頭まで)およびJRAの2歳GI競走優勝馬に優先出走が認められている[6][8][9]ほか、JRAで行われる芝の3歳重賞競走優勝馬にも出走資格が与えられている[6]

賞金

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2024年の1着賞金は5200万円で、以下2着2100万円、3着1300万円、4着780万円、5着520万円[3][4]

歴史

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  • 1966年 - 4歳牝馬によるオークストライアルの重賞競走として「サンケイスポーツ賞 4歳牝馬特別」の名称で創設、東京競馬場の芝1800mで施行[6]。5着までに優駿牝馬(オークス)の優先出走権を付与(1990年まで)[6]
  • 1984年 - グレード制施行によりGII[注 1]に格付け[6]
  • 1991年 - 優駿牝馬(オークス)の優先出走権を3着までに変更[6]
  • 1995年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が出走可能になる[2]
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳牝馬」に変更[2]
    • 名称を「サンケイスポーツ賞 フローラステークス」に変更[6]
  • 2003年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[2]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIに変更[2]
  • 2010年
    • 国際競走に指定され、外国調教馬が9頭まで出走可能になる[7]
    • 格付表記をGII(国際格付)に変更[7]
  • 2018年 - 優駿牝馬(オークス)の優先出走権を2着までに変更[10]
  • 2020年 - COVID-19の感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[11](2021年も同様[12])。

歴代優勝馬

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コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第35回まで「サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別」、第36回以降は「サンケイスポーツ賞フローラステークス」[6]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1966年5月3日 東京 1800m メジロボサツ 牝3 1:52.0 矢野一博 大久保末吉 北野俊雄
第2回 1967年4月29日 中山 1800m キクノフドウ 牝3 1:53.9 伊藤竹男 久保田金造 田中伊三郎
第3回 1968年6月9日 中山 1800m ハードウエイ 牝3 1:51.9 小島太 柄崎義信 鈴木健司
第4回 1969年4月27日 東京 1800m シャンデリー 牝3 1:51.7 保田隆芳 尾形藤吉 吉原栄子
第5回 1970年4月26日 中山 1800m プリーズターフ 牝3 1:52.8 関口健太郎 小西喜蔵 ターファイトクラブ
第6回 1971年5月16日 東京 1800m ナスノカオリ 牝3 1:50.2 嶋田功 稲葉幸夫 那須野牧場
第7回 1972年6月11日 東京 1800m タカイホーマ 牝3 1:49.2 大崎昭一 仲住達弥 高井嘉輔
第8回 1973年4月29日 東京 1800m レデースポート 牝3 1:49.7 小島太 稲葉幸夫 佐藤重治
第9回 1974年5月4日 東京 1800m キャッシュボア 牝3 1:50.5 郷原洋行 田村駿仁 橋本幸雄
第10回 1975年4月27日 東京 1800m トウホーパール 牝3 1:50.7 小島太 稲葉幸夫 河村澤治
第11回 1976年5月2日 東京 1800m シービークイン 牝3 1:51.2 吉永正人 松山吉三郎 千明牧場
第12回 1977年5月1日 東京 1800m メイワロック 牝3 1:49.5 大崎昭一 山岡寿恵次 ホースマンクラブ
第13回 1978年4月30日 東京 1800m ヒロノスキー 牝3 1:48.6 郷原洋行 秋山史郎 石橋松蔵
第14回 1979年4月29日 東京 1800m シルクスキー 牝3 1:50.3 蓑田早人 伊藤修司 中山信一
第15回 1980年4月27日 東京 1800m コマサツキ 牝3 1:49.4 根本康広 橋本輝雄 鈴木荘夫
第16回 1981年5月3日 東京 1800m カバリエリエース 牝3 1:50.2 岡部幸雄 佐藤勝美 (有)賀張中川牧場
第17回 1982年5月2日 東京 1800m リーゼングロス 牝3 1:50.3 清水英次 新関力 三島武
第18回 1983年5月1日 東京 1800m ダスゲニー 牝3 1:49.9 大崎昭一 新関力 三島武
第19回 1984年4月29日 東京 1800m レイクビクトリア 牝3 1:52.5 大崎昭一 藤原敏文 岡田弘夫
第20回 1985年4月28日 東京 1800m ユキノローズ 牝3 1:50.3 郷原洋行 佐々木猛 (有)橋本牧場
第21回 1986年4月27日 東京 1800m メジロラモーヌ 牝3 1:50.8 河内洋 奥平真治 (有)メジロ牧場
第22回 1987年5月3日 東京 2000m マックスビューティ 牝3 2:01.6 柴田政人 伊藤雄二 田所祐
第23回 1988年5月1日 東京 2000m アラホウトク 牝3 2:01.4 河内洋 庄野穂積 (有)アラキファーム
第24回 1989年4月30日 東京 2000m ファンドリポポ 牝3 2:02.5 西浦勝一 夏村辰男 水戸富雄
第25回 1990年4月29日 東京 2000m キョウエイタップ 牝3 2:01.5 横山典弘 稗田研二 松岡正雄
第26回 1991年4月28日 東京 2000m ヤマニンマリーン 牝3 2:02.2 柴田善臣 中村均 土井宏二
第27回 1992年5月3日 東京 2000m キョウワホウセキ 牝3 2:02.7 武豊 武邦彦 浅川吉男
第28回 1993年5月2日 東京 2000m ヤマヒサローレル 牝3 2:01.5 猿橋重利 湯浅三郎 山口節子
第29回 1994年5月1日 東京 2000m ゴールデンジャック 牝3 2:03.1 四位洋文 北橋修二 (株)協栄
第30回 1995年4月30日 東京 2000m サイレントハピネス 牝3 2:02.6 橋本広喜 藤沢和雄 吉田照哉
第31回 1996年4月28日 東京 2000m センターライジング 牝3 2:03.4 四位洋文 伊藤雄二 中野優
第32回 1997年4月26日 東京 2000m オレンジピール 牝3 2:01.2 河内洋 山内研二 (有)社台レースホース
第33回 1998年5月2日 東京 2000m マックスキャンドゥ 牝3 2:00.3 蛯名正義 伊藤雄二 田所英子
第34回 1999年5月1日 東京 2000m スティンガー 牝3 2:01.4 岡部幸雄 藤沢和雄 吉田照哉
第35回 2000年4月23日 東京 2000m マニックサンデー 牝3 2:02.5 小野次郎 中野隆良 吉田照哉
第36回 2001年4月22日 東京 2000m オイワケヒカリ 牝3 2:01.5 小林淳一 柴崎勇 橋本中
第37回 2002年4月21日 東京 2000m ニシノハナグルマ 牝3 2:04.0 左海誠二 萱野浩二 西山牧場
第38回 2003年4月27日 東京 2000m シンコールビー 牝3 2:00.6 郷原洋司 湯窪幸雄 豊原正嗣
第39回 2004年4月25日 東京 2000m メイショウオスカル 牝3 2:01.1 後藤浩輝 安達昭夫 松本好雄
第40回 2005年4月24日 東京 2000m ディアデラノビア 牝3 2:01.8 武豊 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第41回 2006年4月23日 東京 2000m ヤマトマリオン 牝3 2:01.7 菊沢隆徳 安達昭夫 坂東まさ子
第42回 2007年4月22日 東京 2000m ベッラレイア 牝3 2:00.8 秋山真一郎 平田修 植中昌子
第43回 2008年4月27日 東京 2000m レッドアゲート 牝3 2:00.5 内田博幸 田村康仁 ディアレスト
第44回 2009年4月26日 東京 2000m ディアジーナ 牝3 2:02.2 内田博幸 田村康仁 ディアレスト
第45回 2010年4月25日 東京 2000m サンテミリオン 牝3 2:00.2 横山典弘 古賀慎明 吉田照哉
第46回 2011年4月23日 東京 2000m バウンシーチューン 牝3 2:03.3 三浦皇成 田島俊明 (株)グリーンファーム
第47回 2012年4月22日 東京 2000m ミッドサマーフェア 牝3 2:02.0 蛯名正義 小島太 H.H.シェイク・モハメド
第48回 2013年4月21日 東京 2000m デニムアンドルビー 牝3 2:03.9 内田博幸 角居勝彦 金子真人ホールディングス(株)
第49回 2014年4月27日 東京 2000m サングレアル 牝3 2:00.0 岩田康誠 松田博資 (有)サンデーレーシング
第50回 2015年4月26日 東京 2000m シングウィズジョイ 牝3 2:01.8 内田博幸 友道康夫 (有)社台レースホース
第51回 2016年4月24日 東京 2000m チェッキーノ 牝3 1:59.7 C.ルメール 藤沢和雄 (有)サンデーレーシング
第52回 2017年4月23日 東京 2000m モズカッチャン 牝3 2:01.3 和田竜二 鮫島一歩 (株)キャピタル・システム
第53回 2018年4月22日 東京 2000m サトノワルキューレ 牝3 1:59.5 M.デムーロ 角居勝彦 (株)サトミホースカンパニー
第54回 2019年4月21日 東京 2000m ウィクトーリア 牝3 1:59.5 戸崎圭太 小島茂之 (有)シルクレーシング
第55回 2020年4月26日 東京 2000m ウインマリリン 牝3 1:58.7 横山武史 手塚貴久 (株)ウイン
第56回 2021年4月25日 東京 2000m クールキャット 牝3 1:59.4 C.ルメール 奥村武 (有)シルクレーシング
第57回 2022年4月24日 東京 2000m エリカヴィータ 牝3 2:00.4 田辺裕信 国枝栄 三木正浩
第58回 2023年4月23日 東京 2000m ゴールデンハインド 牝3 1:58.9 菅原明良 武市康男 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第59回 2024年4月21日 東京 2000m アドマイヤベル 牝3 1:59.0 横山武史 加藤征弘 近藤旬子

同名の競走

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2000年まで、4歳(現3歳)牝馬による同名の特別競走が本競走とは別に行われていた。ただし、JRAではこれらの競走を前身としていない。

優勝馬

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コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、現行表記に揃えている。

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1989年1月5日 中山 1200m オープン サクラメグミ 牝3 1:09.6 小島太 境征勝 (株)さくらコマース
1990年1月5日 中山 1200m オープン サクラサエズリ 牝3 1:09.6 木藤隆行 境勝太郎 (株)さくらコマース
1991年1月7日 中山 1200m オープン キタノオゴジョ 牝3 1:09.9 岡部幸雄 松山康久 溝本儀三男
1992年1月12日 中山 1200m オープン ベルチャイルド 牝3 1:09.7 坂井千明 松山康久 藤野鈴子
1993年1月10日 中山 1200m オープン オースミシャイン 牝3 1:10.0 増井裕 白井寿昭 山路秀則
1994年1月15日 中山 1200m オープン ノーザンプリンセス 牝3 1:10.7 柴田善臣 清水利章 阿部紀子
1995年1月15日 中山 1200m オープン ウエスタンドリーム 牝3 1:09.4 的場均 柴田欣也 (株)西川
1996年1月14日 東京 1400m オープン ゴールデンカラーズ 牝3 1:22.9 岡部幸雄 中村好夫 中村寛俊
1997年1月12日 中山 1200m オープン ビクタートウショウ 牝3 1:10.6 的場均 尾形充弘 トウショウ産業(株)
1998年1月10日 中山 1200m オープン バプティスタ 牝3 1:10.6 武豊 前田禎 吉田勝己
1999年1月10日 中山 1200m オープン ステファニーチャン 牝3 1:10.1 田中勝春 中野栄治 花田勲
2000年1月23日 中山 1200m オープン ラヴィエベル 牝3 1:09.3 小野次郎 高松邦男 伊達秀和

出典:netkeiba.com

脚注・出典

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参考文献

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  • 「サンケイスポーツ賞フローラステークス(GII)(オークストライアル)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、643-678頁。 

注釈

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  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

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  1. ^ International Cataloguing Standards Book 2024 (Japan)” (PDF). 国際競馬統括機関連盟. 2024年4月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  3. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 14 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
  4. ^ a b c d e 2024年第2回東京競馬番組(第1日 - 第6日)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  5. ^ a b c 2024年度第2回東京競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2024年4月29日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m 歴史・コース:フローラステークス 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  7. ^ a b c 第2回 東京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1227-1229 (2010年). 2016年4月25日閲覧。(索引番号:11023)
  8. ^ [地]が出走できるGI競走とそのステップ競走について【2024年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  9. ^ 競馬番組一般事項” (PDF). 日本中央競馬会 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
  10. ^ 2018年度開催日割および重賞競走について日本中央競馬会、2017年10月16日閲覧
  11. ^ 4月25日(土曜)から5月31日(日曜)までの中央競馬の開催等について” (PDF). 日本中央競馬会 (2020年4月23日). 2020年6月27日閲覧。
  12. ^ 4月25日(日曜)からの無観客競馬の実施とウインズ等の営業取りやめ”. 日本中央競馬会 (2021年4月23日). 2021年4月26日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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