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「第7代総選挙 (大韓民国)」の版間の差分

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2023年9月24日 (日) 02:53時点における版

第7代総選
1975年まで国会議事堂庁舎として使用されていた建物(1935年京城府民館として建設された)。現在はソウル特別市議会の議会庁舎として使用。
各種表記
ハングル 제7대 총선
漢字 第七代總選
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第7代総選挙(だい7だいそうせんきょ)は、大韓民国国会の議員を選出するため1967年6月に行なわれた、第三共和国時代の韓国における国政選挙である。韓国では「第○回」ではなく「第○代」と選挙回数を数える。また、名称も「総選挙」(총선거)ではなく、「総選」(총선)と呼ぶのが一般的である。

基礎データ

地域区(小選挙区制):131議席
全国区(比例代表制):44議席
  • 議員任期:4年
  • 選挙制度小選挙区比例代表並立制。有権者は地域区の候補者にのみ投票(記号式)、全国区は地域区で獲得した得票率に応じて各党に配分(詳細は第6代総選挙に書いているので、本稿では省略する)。無所属候補の立候補は禁止。
  • 選挙人数:14,717,354名

選挙結果

投票者数:11,202,317名
有効票数:10,856,008票

出典:韓国中央選挙管理委員会の「歴代選挙情報システム」より引用

党派別得票数と議席数
政党名 得票数 地域区 全国区 合計
民主共和党(민주공화당 5,494,922 50.6 102 27 129 73.7
新民党신민당 3,554,224 32.7 28 17 45 25.7
大衆党대중당 249,561 2.3 1 0 1 0.6
その他の政党 1,557,301 14.4 0 0 0 0.0
合計 10,856,008 131 44 175
出典:金浩鎮『韓国政治の研究』李健雨訳(三一書房)238頁“(表8-4)第6・7・8代国会議員総選挙”。得票数はアジア経済研究所『「アジア動向年報」1972年版』と大韓民国国会ホームページの「政党別議席数及び得票現況」から。なお議席を獲得出来なかった政党(自由党・民主党・韓国独立党など8党)の得票については「その他の政党」として合算して掲載。
市道別地域区選挙結果
市・道 定数 共和 新民 大衆
合計 131 102 28 1
ソウル特別市 14 1 13 0
釜山直轄市 7 2 5 0
京畿道 13 10 3 0
江原道 9 8 1 0
忠清北道 8 8 0 0
忠清南道 13 12 1 0
全羅北道 11 11 0 0
全羅南道 19 16 2 1
慶尚北道 20 18 2 0
慶尚南道 15 14 1 0
済州道 2 2 0 0
出典:『「アジア動向年報」1972年版』58頁 参考資料5「国会議員選挙結果」(1)地域区結果

解説

11政党の候補が立候補したが、第3党の当選者は大衆党の1名のみで、民主共和党(共和党)と新民党の二大政党が殆どの議席を占める結果となった。この選挙で共和党は、憲法改正[1]を単独で実施するために必要な3分の2議席を確保するために、事前不正票や票の売買・脅迫投票などの不正行為[2]を行ない3分の2を優に上回る議席を得た。対する野党・新民党は都市部では優位に立ったが、農山村部では軒並み共和党に敗北する結果となった。この不正選挙に対し学生達が抗議するデモを行なうと、朴正熙は共和党の議席を一つ新民党に引き渡すことを指示し、6名の共和党議員に不正選挙の責任をとらせ、党が除名する措置をとった[3]。また新民党は再選挙を求め、国会への登院を拒否する事態となった。そのため、与党共和党は単独国会開催を決め、7月10日に国会を召集した。そして、単独国会を合法化するために共和党内の国会議員13名を理由をつけて離党させ、無所属の院内交渉団体を結成することで御用野党をつくったが、10月5日に院内交渉団体として登録されたことから「10・5倶楽部」(십오구락부)との名称がつけられた。

その後、11月6日に与野党全権代表者会談を開催し、(1)朴大統領の鎮海発言[4]によって不正選挙の事実を認め、謝罪したものとみなす、(2)不正選挙区の再選挙や関係者の引責問題は特別委員会で審議する、(3)単独国会は既成事実として、その国会で処理された案件は特別国政監査を持って追認、(4)選挙不正の再発防止のための保障立法を行なうこと等で合意し、11月29日に新民党所属の国会議員は国会に登院した。

女性当選者3人(地域区1人/全国区2人)[5]
党派 合計 地域区 全国区
民主共和党 1 0 1
新民党 2 1 1
合計 3 1 2
女性議員比率1.7%

当選議員

小選挙区

 民主共和党   新民党   大衆党 

ソウル特別市 鍾路区 兪鎮午 中区 鄭一亨 龍山区 金元万 城東区 趙漢栢
城東区 朴浚圭 東大門区 宋元英 東大門区 張俊河 城北区 趙尹衡
城北区 徐範錫 西大門区 金在光 西大門区 尹済述 麻浦区 金弘壱
永登浦区 柳珍山 永登浦区 朴漢相
京畿道 仁川市 金正烈 仁川市 金殷夏 水原市 李秉禧 議政府市楊州郡 李珍鎔
広州郡利川郡 車智澈 抱川郡加平郡漣川郡 呉致成 驪州郡楊平郡 李白日 龍仁郡安城郡 徐相潾
平沢郡 李允鎔 華城郡 金炯一 高陽郡坡州郡 申允昌 金浦郡江華郡 金在紹
始興郡富川郡甕津郡 呉学鎮
江原道 春川市春城郡 金宇栄 原州市原城郡 朴永禄 江陵市溟州郡 崔翊圭 洪川郡麟蹄郡 李承春
寧越郡旌善郡 張承台 鉄原郡華川郡楊口郡 金在淳 束草市襄陽郡高城郡 金鍾浩 横城郡平昌郡 李宇鉉
三陟郡 金振晩
忠清北道 清州市 鄭泰成 清原郡 閔耭植 忠州市中原郡 李鍾根 沃川郡報恩郡 陸寅修
槐山郡 安東濬 永同郡 鄭稷来 鎮川郡陰城郡 呉元善 堤川郡丹陽郡 金裕沢
忠清南道 大田市 朴炳培 大徳郡燕岐郡 金龍泰 公州郡 金達洙 論山郡 楊淳稙
扶余郡 金鍾泌 舒川郡保寧郡 李源長 青陽郡洪城郡 張栄淳 礼山郡 朴炳善
瑞山郡 李相禧 唐津郡 金斗鉉 牙山郡 李敏祐 天安市天原郡 金鍾哲
錦山郡 吉在号
全羅北道 全州市 金容鎮 群山市沃溝郡 車亨根 裡里市益山郡 金声喆 完州郡 柳凡秀
鎮安郡長水郡茂朱郡 全烋相 任実郡淳昌郡 韓相駿 南原郡 柳光鉉 井邑郡 朴斗先
高敞郡 慎鏞南 扶安郡 李炳玉 金堤郡 張坰淳
全羅南道 光州市 鄭成太 光州市 丁来正 木浦市 金大中 麗水市麗川郡 李于憲
順天市昇州郡 金遇敬 潭陽郡長城郡 高在珌 和順郡谷城郡 奇世豊 求礼郡光陽郡 李賢宰
高興郡 徐珉濠 宝城郡 梁達承 長興郡 吉典植 霊岩郡康津郡 尹在明
莞島郡 鄭幹鎔 海南郡 金柄淳 務安郡 裵吉道 羅州郡 李浩範
光山郡 朴鍾泰 霊光郡咸平郡 尹仁植 珍島郡 李南俊
慶尚北道 大邱市中区 李万燮 大邱市東区 李源万 大邱市南区 李孝祥 大邱市北区西区 曺逸煥
浦項市迎日郡鬱陵郡 金長渉 金泉市金陵郡 白南檍 慶州市月城郡 李相武 達城郡高霊郡 金成坤
軍威郡善山郡 金鳳煥 義城郡 禹弘矩 安東市安東郡 金大鎮 青松郡盈徳郡 文太俊
英陽郡蔚珍郡 呉俊碩 永川郡 李元雨 慶山郡清道郡 朴柱炫 星州郡漆谷郡 宋漢喆
尚州郡 金天洙 聞慶郡 李東寧 醴泉郡 鄭鎮東 栄州郡奉化郡 金昌槿
釜山直轄市 中区 金応柱 影島区 芮春浩 西区 金泳三 東区 朴己出
釜山鎮区 鄭相九 釜山鎮区 崔斗高 東萊区 林甲守
慶尚南道 馬山市 韓泰日 晋州市晋陽郡 具泰会 忠武市統営郡固城郡 崔奭林 巨済郡 金周仁
鎮海市昌原郡 曺昌大 三千浦市泗川郡河東郡 金容珣 咸安郡宜寧郡 金昌郁 昌寧郡 成楽絃
山清郡陜川郡 金三祥 密陽郡 孔正植 梁山郡東萊郡 盧載弼 蔚山市蔚州郡 薛枓廈
金海郡 金沢寿 南海郡 崔致煥 咸陽郡居昌郡 閔丙権
済州道 済州市北済州郡 梁正圭 南済州郡 玄梧鳳

繰上当選

日付 選挙区 当選者 当選政党 欠員 欠員政党 欠員事由
1968 6.3 忠清南道舒川郡保寧郡 金玉仙 新民党 李源長 民主共和党 当選無効

補欠選挙

日付 選挙区 当選者 当選政党 欠員 欠員政党 欠員事由
1968 9.24 全羅北道高敞郡 慎鏞南 大衆党 慎鏞南 無所属 不正選挙により党除名、のちに辞職
全羅南道和順郡谷城郡 梁会璲 新民党 奇世豊 無所属 不正選挙により党除名、のちに辞職
忠清南道扶余郡 金鍾翊 民主共和党 金鍾泌 民主共和党 朴正煕牽制のために政界引退宣言により離党及び辞職
1969 2.28 全羅南道羅州郡 李浩範 民主共和党 李浩範 民主共和党 当選無効
8.14 全羅南道宝城郡 李重載 新民党 梁達承 民主共和党 当選無効
12.5 慶尚南道昌寧郡 成楽絃 民主共和党 成楽絃 新民党 三選改憲に賛成したため、新民党の自主解散により議員職喪失
1970 5.22 慶尚南道忠武市統営郡固城郡 崔奭林 民主共和党 崔奭林 民主共和党 選挙無効

全国区

民主共和党 鄭求瑛 尹致暎 白斗鎮 崔熙松 金貞烈 尹天柱 楊燦宇 李東元 金東煥 崔栄喜
李永根 金成熺 李元燁 金裕琸 朴魯璿 金龍鎬 金永福 李丁錫 申東旭 金圭南
李炳主 李梅利 李聖秀 申東峻 金益俊 李元栄 李永浩
新民党 朴順天 金度演 鄭海永 高興門 李載灐 金洗栄 鄭雲甲 韓通淑 金星鏞 延周欽
片鎔浩 朴載雨 李基沢 李敏雨 金守漢 金相賢 曺興万

繰上当選

日付 当選者 名簿政党名 欠員 欠員事由
1967 7.19 金顕基 新民党 金度演 死去
1968 2.27 玄正柱 民主共和党 崔栄喜 国防部長官に指名
1969 5.14 金鎔采 民主共和党 金圭南 辞職

脚注

  1. ^ 当時の大韓民国憲法では大統領の再選は1回のみ認められており(3選禁止)、朴正熙は任期が切れる1971年には、大統領の座を去らねばならなかったが、それを避けるために、3選が可能なように改憲をしようとしていた(三選改憲)。
  2. ^ 史上最悪의不正選擧 野黨6・8總選을糾弾彈(史上最悪の不正選挙 野党6・8総選を糾弾)東亜日報1967年6月9日付1面 (PDF)난장판 無法・・・暴力에짓밟힌公明選擧(乱場 無法・・・暴力に踏みにじられた公明選挙)前掲3面 (PDF) 、不正選挙について糾弾する記事が掲載されている。
  3. ^ 金容権編著『朝鮮韓国近現代史』日本評論社、439頁“6・8総選挙(第7代総選挙)”の解説より
  4. ^ 1967年8月1日、休養先の鎮海で記者会見を行なった朴大統領が六・八総選挙の不正について「その原因がどこにあるにせよ、遺憾に思う」と発言した。
  5. ^ 春木育美『現代韓国と女性』新幹社、158頁“表5-1「歴代女性国会議員数」”、166頁

参考文献

関連項目

外部リンク

  • 新聞記事
第七代国会議員当選者一覧①(東亜日報1967年6月10日付4面)
第七代国会議員当選者一覧②(東亜日報1967年6月10日付5面)