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=== 1890年代 ===
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*[[菊池幽芳]] - 『[[己が罪]]』(1899-1900年)、『乳兄弟』(1903年)
*[[菊池幽芳]] - 『[[己が罪]]』(1899-1900年)、『乳兄弟』(1903年)
*[[北村透谷]] - 『[[内部生命論]]』(1893年)
*[[北村透谷]] - 『[[内部生命論]]』(1893年)

2020年6月18日 (木) 12:19時点における版

純文学(じゅんぶんがく)は、大衆小説に対して「娯楽性」よりも「芸術性」に重きを置いている小説を総称する、日本文学における用語。

日本の純文学

日本近代文学の始まりを告げた作品は、二葉亭四迷の『浮雲』(1887年 - 1889年)といわれる。言文一致による文体、近代人の苦悩を描いたテーマは、近代文学の体裁を整えたものであったが、二葉亭自身はその出来に満足せず、その後20年近く小説執筆から離れている。

日本の文学用語としての純文学は、明治時代1868年 - 1912年)の作家北村透谷評論『人生に相渉るとは何の謂ぞ』(『文学界』二号・1893年2月28日)において、「学問のための文章でなく美的形成に重点を置いた文学作品」として定義された。この時代の「純文学」という用語は、現在の「文学」という用語とほぼ同義であった。

日本における純文学が確立した明治時代後期には、現実の負の面を捉えた島崎藤村田山花袋島村抱月らの自然主義文学が文壇を席巻する。田山の『蒲団』(1907年)以降、日本の純文学の主流は、自分の周辺のことを書き連ねる私小説となったといわれる。一方、自然主義文学の先陣を切ったといわれる島崎の『破戒』(1906年)は部落問題を扱っており、長塚節の『土』(1912年)は農民の貧困を克明に描いたもので、日本の社会派小説の先駆けとも評価される。こういった社会問題への意識は後の白樺派の人道主義と一面では通底するものでもあり、プロレタリア文学へとつながっていくことにもなる。

明治末から大正1912年 - 1926年)にかけては、自然主義の暗さに反発して人道主義理想主義を掲げた、武者小路実篤志賀直哉有島武郎白樺派が登場する。志賀直哉が『城の崎にて』(1917年)を初めとする短編小説で示した、作為を排した写生文は、後の私小説の規範とされた。なお、明治後期から大正期には、反自然主義と目された高踏派森鷗外や、余裕派夏目漱石が、物語性に富んだ傑作を残し、鴎外・漱石の両名の作品は、後に日本文学の規範と見なされるようになった。

反自然主義のもう一つの流れとして、耽美派永井荷風谷崎潤一郎らがおり(ただし永井は初期には自然主義作家と目されていた)、彼らは江戸文芸や大正モダニズムに取材した豊かな物語性を持つ作品を多く手がけた。谷崎の陰影に富んだ文体は、森鴎外に代表される簡勁な表現と対極的ではあるが、鴎外と並んで魅力的な日本語の文章のひとつの極致であるともいわれる。

大正末期から昭和1926年 - 1989年)の初めにかけては、新現実主義と称された芥川龍之介が、『文芸的な、余りに文芸的な』(『改造1927年4~8月)において、「“筋の面白さ”は、小説の芸術的価値とは関係しない」と主張し、「筋の面白さこそが、小説という形式の特権である」とする谷崎潤一郎と対立する。この頃から、大衆小説が広く読まれるようになった。芸術性重視の作家たちは、大衆小説との差別化を図るために、自らを純文学と定義するようになった。こうして、現在の意味と同じ「純文学」という用語が定着した。

昭和初期には、川端康成横光利一新感覚派が一世を風靡し、その後の日本語の文体に大きな影響を与えた。横光はアンドレ・ジッドを初めとする海外文学への感銘から、『純粋小説論』(『改造』1935年4月)を著し、純文学のリアリズムへの偏向を批判し、純文学のリアリズムと大衆小説の創造性の止揚である純粋小説の概念を説いた。

第二次世界大戦直後は、世相の混乱を背景に、太宰治石川淳坂口安吾らが無頼派の作家として脚光を浴び、野間宏武田泰淳らが戦争体験を背景にした第一次戦後派作家として登場した。また、大岡昇平らの第二次戦後派作家は、本格的なヨーロッパ風長編小説を指向し、従来の私小説伝統とは一線を画した文学を提唱した。

高度経済成長期には、戦後耽美派の三島由紀夫カフカ不条理文学の影響を受けた安部公房サルトル実存主義の影響を受けた大江健三郎らの作家が活躍した。1956年芥川賞を受賞した石原慎太郎の『太陽の季節』(1955年)は、賛否両論の話題を呼び、芥川賞が華々しい存在となるきっかけを作った。石原や三島はマスメディアに多く登場し、作家のタレント文化人化の先駆けとなった。また、安岡章太郎吉行淳之介第三の新人は、私小説の伝統に連なる短編小説作品を多く手がけ、私小説の再評価につながった。

概ね20世紀前半には、大衆小説と純文学を書く作家は棲み分けがなされていた。純文学出身ながら大衆文芸も積極的に執筆した谷崎潤一郎や永井荷風といった例は存在したものの、逆に大衆小説出身で純文学に進出した作家はほぼ皆無であった。しかし20世紀後半に入ってからは、多くの純文学作家がSF・推理小説・伝奇小説などのジャンル小説の手法を取り入れ、物語性を追求した作品を上梓する一方で、井上ひさし筒井康隆らの大衆作家が積極的に純文学の手法を用いるなど、両者の区分は極めて曖昧になりつつある。

団塊の世代の主要な純文学作家としては、中上健次津島佑子村上春樹村上龍高橋源一郎らの名前が挙げられる。ポスト団塊の世代の純文学作家では、島田雅彦山田詠美小川洋子多和田葉子川上弘美らが高い評価を得ている。

純文学を代表する作家と作品

日本文学を代表する純文学作家と、その作家が文学史に残した純文学の名作・秀作。小説を中心とし、一部に戯曲・評論などを含んでいる。詩歌俳句は除外。年代分けは作家として認知された時期であり、代表作の発表年はそれ以後となることに注意。また、1880年代〜1890年代は日本における純文学の確立以前の時期であり、(後の純文学に影響を及ぼしたものの)純文学作家とは言い難い作家も含んでいる。本項で取り上げた作家の中には、今日では純文学よりも、むしろ大衆文学の作家としての業績の方が知られている作家も含まれている。

1880年代

1890年代

1900年代

1910年代

1920年代

  • 牧野信一 - 『父を売る子』(1924年)、『村のストア派』(1928年)、『ゼーロン』(1931年)、『鬼涙村』(1934年)
  • 滝井孝作 - 『無限抱擁』(1921‐24年)、『結婚まで』(1940年)、『慾呆け』(1933年)、『松島秋色』(1952年)、『俳人仲間』(1973年)
  • 武林無想庵
  • 前田河広一郎 - 『三等船客』(1921年)
  • 永井龍男 - 『黒い御飯』(1923年)、『朝霧』(1949年)、『一個その他』(1965年)、『青梅雨その他』(1966年)、『石版東京図絵』(1967年)、『コチャバンバ行き』(1972年)、『秋その他』(1980年)
  • 稲垣足穂 - 『一千一秒物語』(1923年)、『A感覚とV感覚』(1954年)、『少年愛の美学』(1968年)
  • 小島政二郎 - 『一枚看板』(1923年)、『眼中の人』(1942年)
  • 葉山嘉樹 - 『淫売婦』(1925年)、『セメント樽の中の手紙』(1926年)、『海に生くる人々』(1926年)
  • 横光利一 - 『蠅』(1923年)、『日輪』(1923年)、『上海』(1928‐31年)、『機械』(1930年)、『紋章』(1934年)、『純粋小説論』(1935年)、『家族会議』(1935年)、『旅愁』(1937‐48年)
  • 川端康成 - 『伊豆の踊子』(1926年)、『浅草紅団』(1929‐30年)、『禽獣』(1933年)、『雪国』(1935‐47年)、『千羽鶴』(1949‐51年)、『山の音』(1949‐54年)、『名人』(1951‐52年)、『みづうみ』(1954年)、『眠れる美女』(1960‐61年)、『古都』(1962年)
  • 中河与一 - 『愛恋無限』(1935年)、『天の夕顔』(1938年)、『失楽の庭』(1950年)、『耽美の夜』(1956‐59年)
  • 今東光 - 『痩せた花嫁』(1925年)
  • 梶井基次郎 - 『檸檬』(1925年)、『城のある町にて』(1925年)、『冬の日』(1927年)、『冬の蠅』(1928年)、『桜の樹の下には』(1928年)、『闇の絵巻』(1930年)、『交尾』(1931年)
  • 川崎長太郎 - 『路草』(1934年)、『抹香町』(1950年)
  • 井伏鱒二 - 『山椒魚』(1928年)、『屋根の上のサワン』(1929年)、『ジョン万次郎漂流記』(1937年)、『さざなみ軍記』(1931‐38年)、『多甚古村』(1939年)、『本日休診』(1949‐50年)、『遙拝隊長』(1950年)、『漂民宇三郎』(1954‐55年)、『黒い雨』(1965‐66年)
  • 伊藤永之介 - 『梟』(1936年)、『鶯』(1938年)、『警察日記』(1952年)
  • 尾崎一雄 - 『暢気眼鏡』(1933年)、『虫のいろいろ』(1948年)、『まぼろしの記』(1961年)、『あの日この日』(1970‐73年)
  • 平林たい子 - 『嘲る』(1926年)、『施療室にて』(1927年)、『かういふ女』(1946年)、『地底の歌』(1948年)、『砂漠の花』(1955‐57年)
  • 黒島伝治 - 『二銭銅貨』(1926年)、『豚群』(1926年)、『橇』(1927年)、『渦巻ける烏の群』(1928年)
  • 小林多喜二 - 『一九二八年三月十五日』(1928年)、『蟹工船』(1929年)、『不在地主』(1929年)、『工場細胞』(1930年)、『党生活者』(1933年)
  • 十一谷義三郎 - 『唐人お吉』(1928年)、『仕立屋マリ子の半生』(1928年)
  • 立野信之 - 『標的になつた彼奴』(1928年)、『友情』(1934年)
  • 徳永直 - 『太陽のない街』(1929年)、『妻よねむれ』(1946‐48年)、『静かなる山々』(1949‐54年)
  • 中野重治 - 『村の家』(1935年)、『歌のわかれ』(1939年)、『むらぎも』(1954年)、『梨の花』(1957‐58年)、『甲乙丙丁』(1965‐69年)
  • 佐多稲子 - 『キャラメル工場から』(1928年)、『くれなゐ』(1936年)、『私の東京地図』(1946‐48年)、『樹影』(1972年)、『時に佇つ』(1975年)、『夏の栞』(1982年)
  • 網野菊 - 『汽車の中で』(1940年)、『金の棺』(1947年)、『さくらの花』(1961年)、『ゆれる葦』(1961‐63年)、『一期一会』(1967年)
  • 嘉村礒多 - 『業苦』(1928年)、『崖の下』(1928年)、『途上』(1932年)、『神前結婚』(1933年)
  • 田中貢太郎 - 『旋風時代』(1929‐33年)
  • 岸田国士 - 『由利旗江』(1929年)、『暖流』(1938年)

1930年代

1940年代

  • 円地文子 - 『女坂』(1949‐57年)、『ひもじい月日』(1953年)、『朱を奪うもの』(1955‐56)、『妖』(1956年)、『二世の縁 拾遺』(1957年)、『なまみこ物語』(1959‐61年)、『食卓のない家』(1979年)
  • 田中英光 - 『オリンポスの果実』(1940年)、『野狐』(1949年)、『さようなら』(1949年)
  • 野口冨士男 - 『風の系譜』(1940年)、『かくてありけり』(1978年)、『なぎの葉考』(1980年)
  • 芝木好子 - 『青果の市』(1941年)、『洲崎パラダイス』(1954年)、『湯葉』(1960年)、『隅田川』(1961年)、『青磁砧』(1972年)、『隅田川暮色』(1984年)
  • 船山馨 - 『北国物語』(1941年)、『石狩平野』(1967‐68年)
  • 中島敦 - 『山月記』(1942年)、『光と風と夢』(1942年)、『李陵』(1943年)『弟子』(1943年)、『名人伝』(1943年)
  • 石上玄一郎 - 『精神病学教室』(1942年)
  • 三島由紀夫 - 『仮面の告白』(1949年)、『禁色』(1951‐53年)、『潮騒』(1954年)、『金閣寺』(1956年)、『近代能楽集』(1956年)、『鹿鳴館』(1957年)、『鏡子の家』(1959年)、『憂国』(1961年)、『豊饒の海』(1965‐70年)
  • 武田泰淳 - 『蝮のすゑ』(1947年)、『異形の者』(1950年)、『風媒花』(1952年)、『ひかりごけ』(1954年)、『森と湖のまつり』(1955‐58年)、『快楽』(1960‐64年)、『富士』(1969‐71年)
  • 大佛次郎 - 『帰郷』(1948年)、『宗方姉妹』(1949年)、『パリ燃ゆ』(1961‐63年)
  • 田村泰次郎 - 『肉体の悪魔』(1946年)、『肉体の門』(1947年)
  • 野間宏 - 『暗い絵』(1946年)、『崩壊感覚』(1948年)、『真空地帯』(1952年)、『さいころの空』(1958‐59年)、『わが塔はそこに立つ』(1960‐61年)、『青年の環』(1948‐71年)
  • 梅崎春生 - 『桜島』(1946年)、『日の果て』(1947年)、『ボロ屋の春秋』(1954年)、『砂時計』(1955年)、『狂ひ凧』(1963年)、『幻化』(1965年)
  • 中村真一郎 - 『死の影の下に』(1946‐47年)、『回転木馬』(1957年)、『空中庭園』(1963年)、『頼山陽とその時代』(1971年)、『四季』(1975年)、『蠣崎波響の生涯』(1989年)
  • 椎名麟三 - 『深夜の酒宴』(1947年)、『重き流れのなかに』(1947年)、『深尾正治の手記』(1948年)、『永遠なる序章』(1948年)、『自由の彼方で』(1953‐54年)、『美しい女』(1955年) 
  • 原民喜 - 『夏の花』(1947年)、『廃墟から』(1947年)、『壊滅の序曲』(1949年)、『心願の国』(1951年)
  • 田宮虎彦 - 『霧の中』(1947年)、『落城』(1949年)、『足摺岬』(1949年)、『菊坂』(1950年)、『絵本』(1950年)、『銀心中』(1952年)、『異端の子』(1952年)、『沖縄の手記から』(1972年)
  • 埴谷雄高 - 『死靈』(1946‐95年)、『闇のなかの黒い馬』(1970年)
  • 大岡昇平 - 『俘虜記』(1948年)、『武蔵野夫人』(1950年)、『野火』(1951年)、『花影』(1958‐59年)、『将門記』(1965年)、『レイテ戦記』(1967‐69年)、『天誅組』(1974年)、『事件』(1977年)
  • 井上靖 - 『闘牛』(1949年)、『氷壁』(1956‐57年)、『天平の甍』(1957年)、『敦煌』(1959年)、『蒼き狼』(1963年)、『風濤』(1963年)、『おろしや国酔夢譚』(1966‐67年)、『本覚坊遺文』(1981年)、『孔子』(1989年)
  • 島尾敏雄 - 『島の果て』(1948年)、『夢の中での日常』(1948年)、『出孤島記』(1949年)、『われ深きふちより』(1955年)、『死の棘』(1960年)、『出発は遂に訪れず』(1962年)、『日の移ろい』(1976年)
  • 山代巴 - 『荷車の歌』(1955‐56年)、『囚われの女たち』(1980‐86年)

1950年代

  • 獅子文六(岩田豊雄) - 『自由学校』(1950年)、『娘と私』(1953‐56年)
  • 福永武彦 - 『風土』(1952年,完成版57年)、『草の花』(1954年)、『廃市』(1960年)、『忘却の河』(1964年)、『海市』(1968年)、『死の島』(1966‐71年)
  • 幸田文 - 『みそっかす』(1949年)、『こんなこと』(1950年)、『流れる』(1955年)、『黒い裾』(1955年)、『おとうと』(1956‐57年)、『闘』(1965年)、『崩れ』(1991年)、『木』(1992年)
  • 金達寿 - 『玄海灘』(1954年)
  • 安部公房 - 『赤い繭』(1950年)、『』(1951年)、『砂の女』(1962年)、『他人の顔』(1964年)、『燃えつきた地図』(1967年)、『友達』(1967年)、『箱男』(1973年)、『方舟さくら丸』(1984年)
  • 阿川弘之 - 『春の城』(1952年)、『雲の墓標』(1956年)、『山本五十六』(1965年)、『暗い波濤』(1968‐73年)、『米内光政』(1978年)、『井上成美』(1986年)
  • 井上光晴 - 『書かれざる一章』(1950年)、『虚構のクレーン』(1960年)、『地の群れ』(1963年)、『黒い森林』(1967年)、『心優しき叛逆者たち』(1973年) 
  • 堀田善衛 - 『広場の孤独』(1951年)、『漢奸』(1951年)、『歴史』(1952年)、『時間』(1953年)、『海鳴りの底から』(1960‐61年)
  • 三浦朱門 - 『冥府山水図』(1951年)、『箱庭』(1967年)
  • 杉浦明平 - 『ノリソダ騒動記』(1953年)、『小説渡辺崋山』(1971年)
  • 大西巨人 - 『神聖喜劇』(1960‐80年)
  • 住井すゑ - 『夜あけ朝あけ』(1954年)、『橋のない川』(1959‐92年)
  • 安岡章太郎 - 『悪い仲間』(1953年)、『陰気な愉しみ』(1953年)、『海辺の光景』(1959年)、『走れトマホーク』(1973年)、『幕が下りてから』(1967年)、『流離譚』(1976‐81年)
  • 吉行淳之介 - 『驟雨』(1954年)、『娼婦の部屋』(1958年)、『砂の上の植物群』(1963年)、『不意の出来事』(1965年)、『暗室』(1969年)、『鞄の中身』(1974年)、『夕暮まで』(1965‐78年)
  • 遠藤周作 - 『黄色い人』(1955年)、『海と毒薬』(1957年)、『沈黙』(1966年)、『死海のほとり』(1973年)、『侍』(1981年)、『深い河』(1993年)
  • 小島信夫 - 『小銃』(1952年)、『アメリカン・スクール』(1954年)、『抱擁家族』(1965年)、『別れる理由』(1968‐81年)、『残光』(2006年)
  • 庄野潤三 - 『プールサイド小景』(1954年)、『静物』(1960年)、『夕べの雲』(1965年)、『絵合せ』(1971年)、『明夫と良二』(1972年)
  • 曾野綾子 - 『遠来の客たち』(1954年)、『生贄の島』(1969年)、『無名碑』(1969年)、『神の汚れた手』(1979‐80年)
  • 小沼丹 - 『村のエトランジェ』(1954年)、『懐中時計』(1969年)、『椋鳥日記』(1974年)
  • 坂上弘 - 『初めの愛』(1980年)、『田園風景』(1992年)、『台所』(1997年)
  • 大原富枝 - 『ストマイつんぼ』(1956年)、『婉という女』(1960年)、『アブラハムの幕舎』(1981年)、『地上を旅する者』(1983年)
  • 石原慎太郎 - 『太陽の季節』(1956年)、『処刑の部屋』(1956年)、『化石の森』(1970年)
  • 深沢七郎 - 『楢山節考』(1956年)、『笛吹川』(1958年)、『甲州子守唄』(1964年)、『庶民列伝』(1962年)、『みちのくの人形たち』(1979年)
  • 有吉佐和子 - 『地唄』(1956年)、『紀ノ川』(1959年)、『助左衛門四代記』(1962‐63年)、『華岡青洲の妻』(1966年)、『恍惚の人』(1972年)、『複合汚染』(1972年)
  • 菊村到 - 『硫黄島』(1957年)、『あゝ江田島』(1958年)
  • 五味川純平 - 『人間の条件』(1956‐58年)、『自由との契約』(1958‐60)、『孤独の賭け』(1962‐63年)、『戦争と人間』(1965‐82年)
  • 開高健 - 『パニック』(1957年)、『裸の王様』(1957年)、『日本三文オペラ』(1959年)、『輝ける闇』(1968年)、『夏の闇』(1971年)
  • 大江健三郎 - 『奇妙な仕事』(1957年)、『飼育』(1958年)、『個人的な体験』(1964年)、『万延元年のフットボール』(1967年)、『洪水はわが魂に及び』(1973年)、『ピンチランナー調書』(1976年)、『同時代ゲーム』(1978年)、『新しい人よ眼ざめよ』(1983年)、『燃えあがる緑の樹』(1993‐95年)、
  • 吉田健一 - 『瓦礫の中』(1970年)
  • 小川国夫 - 『アポロンの島』(1957年)、『試みの岸』(1972年)、『或る聖書』(1973年)、『逸民』(1986年)
  • 山川方夫 - 『日々の死』(1957年)、『その一年』(1958年)、『海岸公園』(1961年)、『愛のごとく』(1965年)
  • 藤枝静男 - 『空気頭』(1967年)、『欣求浄土』(1970年)、『田紳有楽』(1976年)、『悲しいだけ』(1977年)
  • 吉村昭 - 『鉄橋』(1956年)、『星への旅』(1966年)、『破獄』(1982‐83年)、『冷い夏、熱い夏』(1984年)

1960年代

  • 瀬戸内晴美(瀬戸内寂聴) - 『田村俊子』(1960年)、『夏の終り』(1962年)、『かの子撩乱』(1962‐64年)、『美は乱調にあり』(1965‐66年)、『遠い声』(1968年)、『花に問え』(1992年)
  • 北杜夫 - 『夜と霧の隅で』(1960年)、『楡家の人々』(1964年)、『白きたおやかな峰』(1966年)、『輝ける碧き空の下で』(1982年)
  • 倉橋由美子 - 『パルタイ』(1960年)、『聖少女』(1965年)、『スミヤキストQの冒険』(1969年)、『夢の浮橋』(1971年)、『アマノン国往還記』(1986年)
  • 三浦哲郎 - 『忍ぶ川』(1960年)、『初夜』(1961年)、『拳銃と十五の短篇』(1976年)、『少年讃歌』(1982年)、『白夜を旅する人々』(1984年)、「短篇集モザイク」シリーズ 
  • 水上勉 - 『フライパンの歌』(1948年)、『雁の寺』(1961年)、『越後つついし親不知』(1962年)、『五番町夕霧楼』(1962年)、『越前竹人形』(1963年)、『宇野浩二伝』(1971年)、『一休』(1975年)、『寺泊』(1977年)、『良寛』(1984年)
  • 森茉莉 - 『父の帽子』(1957年)、『靴の音』(1958年)、『恋人たちの森』(1961年)、『贅沢貧乏』(1963年)、『甘い蜜の部屋』(1965‐75年)
  • 伊藤桂一 - 『蛍の河』(1962年)、『静かなノモンハン』(1983年)
  • 田久保英夫 - 『深い河』(1969年)、『髪の環』(1976年)、『辻火』(1984年)、『海図』(1985年)
  • 花田清輝 - 『鳥獣戯話』(1962年)
  • 高橋和巳 - 『悲の器』(1962年)、『散華』(1963年)、『憂鬱なる党派』(1965年)、『邪宗門』(1965‐66年)、『わが解体』(1969年)
  • 河野多惠子 - 『幼児狩り』(1962年)、『蟹』(1963年)、『最後の時』(1966年)、『不意の声』(1968年)、『回転扉』(1970年)、『みいら採り猟奇譚』(1990年)
  • 辻邦生 - 『廻廊にて』(1963年)、『夏の砦』(1966年)、『安土往還記』(1968年)、『嵯峨野明月記』(1971年)、『背教者ユリアヌス』(1972年)、『西行花伝』(1995年)
  • 竹西寛子 - 『儀式』(1963年)、『鶴』(1972年)、『管絃祭』(1978年)、『兵隊宿』(1980年)、『春』(1982年)
  • 真継伸彦 - 『鮫』(1963年)、『光る声』(1966年)、『無明』(1969年)
  • 三枝和子 - 『処刑が行われている』(1970年)、『鬼どもの夜は深い』(1983年)
  • 和田芳恵 - 『接木の台』(1974年)、『暗い流れ』(1977年)
  • 津村節子 - 『玩具』(1965年)、『海鳴』(1965年)、『流星雨』(1990年)
  • 臼井吉見 - 『安曇野』(1964‐73年)
  • 立原正秋 - 『薪能』(1964年)、『剣ヶ崎』(1965年)、『白い罌粟』(1965年)、『冬の旅』(1969年)、『きぬた』(1973年)、『冬のかたみに』(1973‐75年)
  • 柴田翔 - 『されどわれらが日々―』(1964年)、『贈る言葉』(1966年)、『鳥の影』(1971年)、『立ち盡す明日』(1971年)
  • 庄司薫 - 『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1965年)
  • 高井有一 - 『北の河』(1965年)、『夢の碑』(1976年)、『この国の空』(1983年)、『夜の蟻』(1989年)
  • 丸谷才一 - 『笹まくら』(1966年)、『年の残り』(1968年)、『たった一人の反乱』(1972年)、『裏声で歌へ君が代』(1982年)、『樹影譚』(1988年)、『女ざかり』(1993年)
  • 加賀乙彦 - 『フランドルの冬』(1967年)、『帰らざる夏』(1973年)、『宣告』(1979年)、『湿原』(1985年)、『永遠の都』(1997年)
  • 大城立裕 - 『カクテル・パーティー』(1967年)、『小説琉球処分』(1959‐60年)、『日の果てから』(1993年)
  • 萩原葉子 - 『天上の花』(1966年)、『蕁麻の家』(1976年)
  • 野坂昭如 - 『エロ事師たち』(1966年)、『火垂るの墓』(1967年)、『アメリカひじき』(1967年)、『骨餓身峠死人葛』(1969年)
  • 丸山健二 - 『夏の流れ』(1966年)、『正午なり』(1968年)、『ときめきに死す』(1982年)、『虹よ、冒涜の虹よ』(1999年)
  • 柏原兵三 - 『徳川道助の帰郷』(1967年)、『長い道』(1969年)、『仮りの栖』(1970年)
  • 阿部昭 - 『未成年』(1968年)、『司令の休暇』(1971年)、『千年』(1973年)、『人生の一日』(1976年)
  • 大庭みな子 - 『三匹の蟹』(1968年)、『ふなくい虫』(1969年)、『寂兮寥兮』(1982年)、『啼く鳥の』(1984‐85年)、『津田梅子』(1990年)
  • 小田実 - 『現代史』(1968年)、『HIROSHIMA』(1981年)、『ベトナムから遠く離れて』(1991年)
  • 後藤明生 - 『挟み撃ち』(1973年)、『吉野太夫』(1981年)、『壁の中』(1986年)、『首塚の上のアドバルーン』(1990年)
  • 金井美恵子 - 『愛の生活』(1967年)、『岸辺のない海』(1974年)、『タマや』(1987年)
  • 金石範 - 『鴉の死』(1967年)、『火山島』(1983‐97年)
  • 秦恒平 - 『清経入水』(1969年)

1970年代

  • 尾崎翠 - 『アップルパイの午後』(1929年)、『第七官界彷徨』(1931年)、『地下室アントンの一夜』(1933年)--作品集『第七官界彷徨』(1933年)刊行で一時注目を集めたが、作品が一般に知られ評価されるのは晩年以後である(尾崎は1971年死去)。
  • 清岡卓行 - 『アカシヤの大連』(1969年)、『海の瞳』(1971年)、『マロニエの花が言った』(1999年)
  • 黒井千次 - 『時間』(1969年)、『時の鎖』(1970年)、『五月巡歴』(1977年)、『春の道標』(1981年)、『群棲』(1984年)
  • 古山高麗雄 - 『プレオー8の夜明け』(1970年)、『小さな市街図』(1972年)、『蛍の宿』(1980年)、『フーコン戦記』(1999年)
  • 石牟礼道子 - 『苦海浄土』(1969年)、『天の魚』(1974年)、『椿の海の記』(1976年)、『おえん遊行』(1984年)
  • 古井由吉 - 『円陣を組む女たち』(1970年)、『杳子』(1970年)、『行隠れ』(1972年)、『栖』(1979年)、『槿』(1983年)、『仮往生伝試文』(1989年)、『白髪の唄』(1996年)
  • 李恢成 - 『またふたたびの道』(1969年)、『砧をうつ女』(1972年)、『約束の土地』(1973年)、『見果てぬ夢』(1977‐79年)、『百年の旅人たち』(1994年)
  • 井上ひさし - 『吉里吉里人』(1981年)、『頭痛肩こり樋口一葉』(1984年)、『父と暮せば』(1994年)
  • 富岡多恵子 - 『植物祭』(1973年)、『冥途の家族』(1974年)、『波打つ土地』(1983年)、『ひるべにあ島紀行』(1997年)
  • 宮尾登美子 - 『』(1972年)、『寒椿』(1977年)、『岩伍覚え書』(1977年)、『朱夏』(1985年)
  • 高橋たか子 - 『空の果てまで』(1974年)、『誘惑者』(1976年)、『ロンリー・ウーマン』(1977年)、『装いせよ、わが魂よ』(1982年)、『怒りの子』(1985年)
  • 津島佑子 - 『謝肉祭』(1971年)、『葎の母』(1975年)、『寵児』(1978年)、『光の領分』(1979年)、『夜の光に追われて』(1986年)、『火の山―山猿記』(1998年)、『ナラ・レポート』(2004年)
  • 三木卓 - 『鶸』(1972年)、『砲撃のあとで』(1973年)、『震える舌』(1975年)、『路地』(1997年)、『裸足と貝殻』(2001年)
  • 野呂邦暢 - 『草のつるぎ』(1973年)、『鳥たちの河口』(1973年)、『諫早菖蒲日記』(1977年)
  • 森敦 - 『月山』(1973年)、『われ逝くもののごとく』(1987年)
  • 中上健次 - 『十九歳の地図』(1974年)、『』(1975年)、『枯木灘』(1977年)、『鳳仙花』(1980年)、『千年の愉楽』(1982年)、『地の果て 至上の時』(1983年)、『日輪の翼』(1984年)
  • 日野啓三 - 『此岸の家』(1974年)『夢の島』(1975年)、『抱擁』(1982年)、『夢の島』(1986年)、『砂丘が動くように』(1986年)、『台風の眼』(1993年)、『光』(1996年)
  • 阪田寛夫 - 『土の器』(1974年)、『海道東征』(1987年)
  • 林京子 - 『祭りの場』(1975年)、『ギヤマン ビードロ』(1978年)、『上海』(1983年)、『三界の家』(1984年)、『やすらかに今はねむり給え』(1990年)、『長い時間をかけた人間の経験』(2000年)
  • 村上龍 - 『限りなく透明に近いブルー』(1976年)、『海の向こうで戦争が始まる』(1977年)、『コインロッカー・ベイビーズ』(1980年)、『愛と幻想のファシズム』(1984‐86年)、『イン ザ・ミソスープ』(1997年)、『共生虫』(2000年)、『半島を出よ』(2005年)
  • 色川武大(阿佐田哲也) - 『怪しい来客簿』(1977年)、『離婚』(1978年)、『百』(1982年)、『狂人日記』(1988年)
  • 橋本治 - 『桃尻娘』(1977年)、『蝶のゆくえ』(2004年)
  • 宮本輝 - 『泥の河』(1977年)、『蛍川』(1977年)、『道頓堀川』(1981年)、『青が散る』(1982年)、『錦繡』(1982年)、『流転の海』(1984‐2018年)、『ドナウの旅人』(1985年)
  • 立松和平 - 『今も時だ』(1971年)、『遠雷』(1980年)、『毒―風聞・田中正造』(1997年)
  • 三田誠広 - 『僕って何』(1977年)、『いちご同盟』(1990年)、『恋する家族』(1998年)
  • 高橋三千綱 - 『九月の空』(1978年)
  • 青野聰 - 『母と子の契約』(1978年)、『愚者の夜』(1979年)、『人間のいとなみ』(1987年)、『母よ』(1991年)
  • 中沢けい - 『海を感じる時』(1978年)、『野ぶどうを摘む』(1981年)、『女ともだち』(1981年)、『水平線上にて』(1985年)
  • 中野孝次 - 『麦熟るる日に』(1978年)
  • 村上春樹 - 『風の歌を聴け』(1979年)、『1973年のピンボール』(1980年)、『羊をめぐる冒険』(1982年)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)、『ノルウェイの森』(1987年)、『ねじまき鳥クロニクル』(1992‐95年)、『海辺のカフカ』(2002年)、『1Q84』(2009‐10年)
  • 増田みず子 - 『自由時間』(1984年)、『シングル・セル』(1986年)

1980年代

1990年代

2000年代

2010年代

日本の主な純文学誌

日本の主な公募の純文学新人賞

日本の主な純文学賞

終了した文学賞と公募の新人賞は含まない。

関連項目