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|種 = '''カタクリ''' ''E. japonicum''
|学名 = ''Erythronium japonicum'' <small>Decne.</small>
|学名 = {{Snamei||Erythronium japonicum}} <br>{{AU|Decne.}} {{Small|([[1854年|1854]])}} <ref name="YList">{{YList|id=1696|taxon=Erythronium japonicum Decne.|accessdate=2022-04-30}}</ref>
|和名 = カタクリ(片栗)
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'''カタクリ'''(片栗、[[学名]]''Erythronium japonicum'' <small>Decne.</small>)は、[[ユリ科]][[カタクリ属]]に属する多年草。
'''カタクリ'''(片栗{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=96}}、[[学名]]: ''Erythronium japonicum'')は、[[ユリ科]][[カタクリ属]]に属する[[多年草]]。別名で、カタコともよばれる{{sfn|大嶋敏昭監修|2002|p=112}}。[[中古日本語|古語]]では「堅香子(かたかご)」と呼ばれていた<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、1頁">[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、1頁]]</ref>

山地の林内に群生し、1 - 2枚つく葉にはまだら模様がある。春先に独特で見栄えする紅紫の花を咲かせたあと、地上部は枯れて休眠する。種子で繁殖するが、発芽から開花まで8 - 9年ほどかかる。かつて、球根から[[片栗粉]]が作られていた。


== 特徴 ==
== 特徴 ==
[[画像:Spring ephemeral.JPG|thumb|雪解け後に[[落葉樹林]]の林床で真っ先にカタクリや[[ニリンソウ]]などが葉と茎を伸ばし花を咲かせる。その後枯れて地上部の姿が消える。]]
比較的日光の差す落葉広葉樹林の林床に群生し、早春に下を向いた薄紫から桃色の花を咲かせる。春を告げる「[[スプリング・エフェメラル]]」の一つ。葉には帯紫色の模様がある。
別名が多く、地方によってカタカゴ{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}{{sfn|金田初代|2010|p=68}}、カタコユリ{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}{{sfn|金田初代|2010|p=68}}、カタバナ{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}{{sfn|金田初代|2010|p=68}}、カッコバナ{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}、ヤマカンピョウ{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}、アマイモ{{sfn|金田初代|2010|p=68}}の名でよばれることもある。


[[地下茎]]は意外と深く、[[鱗茎]]の姿が[[クリ]]の片割れに似ることから、「片栗」の意味で名づけられたといわれている{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}{{sfn|稲垣栄洋|2010|p=148}}。鱗茎は長さ4 - 5[[センチメートル]] (cm) 、直径1&nbsp;cmほどの大きさで、[[デンプン]]を蓄えている{{sfn|吉村衞|2007|p=36}}。
早春の3 - 4月のみ地上部を展開し、5月上旬頃には葉や茎は枯れてしまう。種子には[[アリ]]が好む[[エライオソーム]]という物質が付いており、アリに拾われることによって生育地を広げている(同様の例は[[スミレ]]などにも見られる)。発芽1年目の個体は細い糸状の葉を、2年目から7 - 8年程度までは卵状楕円形の一枚の葉だけで過ごし、鱗茎が大きくなり、二枚目の葉が出てから花をつける。なお、鱗茎は毎年更新し、なおかつ旧鱗茎の下に鱗茎が作られるため鱗茎は深くなる。原則として鱗茎は分球することはない。


早春に地上部を展開して、花期は早いところでは3月、ふつうは4 - 6月ごろで、10 - 15&nbsp;cmほどの花茎を伸ばし、直径4 - 5&nbsp;cmほどの薄紫から桃色の花を先端に一つ下向きに咲かせる{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}{{sfn|菱山忠三郎|2014|p=79}}。まれに白花を咲かすものがあり、シロバナカタクリ(''E. japonicum'' f. ''leucanthum''<ref>{{YList|id=21995|taxon=Erythronium japonicum Decne. f. leucanthum (I.Yamam. et Tsukam.) Okuyama|accessdate=2022-04-30}}</ref>)とよばれる{{sfn|菱山忠三郎|2014|p=79}}。蕾をもった個体は芽が地上に出てから10日程で開花する<ref name="ニュートン (2001)、28頁" />。花茎の下部に葉が通常2枚、若い株では1枚の葉がつき{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}、[[葉柄]]を含めて長さ10 - 12&nbsp;cm、幅2.5 - 6.5&nbsp;cmほどの長楕円形{{sfn|吉村衞|2007|p=36}}。葉身は質がやわらかく、[[迷彩柄]]のような暗紫色の模様がある{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=96}}{{sfn|吉村衞|2007|p=36}}。地域によっては模様がないものもある。
昔は日本では落葉広葉樹林のある各地で広く見られたが、近年では乱獲や盗掘、土地開発などによる生育地の減少によって減少している。最近では人工的に増殖した上で野山に植える試みが行われ、観光名所になっている。


[[萼|花被片]]と[[雄蕊|雄しべ]]は6個<ref name="高山植物 (1989)、566頁">[[#高山植物|高山植物 (1989)、566頁]]</ref>。雄蕊は長短3本ずつあり、葯は暗紫色。長い雄蕊の葯は短いものより外側にあり、先に成熟して裂開する<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、8頁]]</ref>。[[雌蕊]]の花柱はわずかに3裂している。地上に葉を展開すると同時に開花する。晴天時は花に朝日を浴びると、花被片が開き背面で交差するほど極端に反り返り、夕暮れに閉じる運動を繰り返す{{sfn|飯泉優|2002|p=45}}。日差しがない曇りや雨の日には、花は開かないまま閉じている<ref name="ニュートン (2001)、11頁">[[#ニュートン|ニュートン (2001)、11頁]]</ref>{{sfn|菱山忠三郎|2014|p=79}}{{sfn|飯泉優|2002|p=45}}。開花後は3室からなる[[果実]]が出来、各室には数個 - 20程の[[胚珠]]が出来る。平均で60[[パーセント|%]]程の胚珠が[[種子]]となる<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、19頁]]</ref>。胚珠は長さ2 [[ミリメートル|mm]]ほどの長楕円形である。[[染色体]]は大型で2n=24である<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、7頁">[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、7頁]]</ref>。
[[万葉集]]に残る、「もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」(巻18)に詠まれている「堅香子(カタカゴ)」は、カタクリではないかと考えられている。また、日本の[[富山県]][[高岡市]]は「カタカゴ」の名でカタクリを市の花に指定している。


果期は5 - 6月ごろで、花後に結実して、[[蒴果]]が裂開して種子を落とす{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=96}}。その後、葉や茎は枯れて宿根する{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}。地上に姿を現す期間は4 - 5週間程度で、群落での開花期間は2週間程と短い<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、1頁" />。このため、[[ニリンソウ]]など同様の植物とともに「[[スプリング・エフェメラル]]」(春の妖精)と呼ばれている<ref name="ニュートン (2001)、11頁" /><ref name="morizo">{{Cite web|和書|url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10002200091005030030098/?n=13&q=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細 モリゾー・キッコロ 森へいこうよ!カワイさ満開!春を呼ぶ妖精たち(2010年5月2日放送) |publisher=[[日本放送協会|NHK]] |accessdate=2011-12-22}}</ref>。種子には[[アリ]]が好む薄黄色の[[エライオソーム]]という物質が付いており、アリに拾われて巣に運ばれることによって生育地を広げている{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=96}}{{efn2|同様の例は[[スミレ]]などにも見られる}}。
昔はこの[[鱗茎]]から抽出した[[デンプン]]を[[片栗粉]]として調理に用いていたが、近年は片栗粉というとほぼ[[ジャガイモ]]から抽出したデンプン粉のことを指すようになってしまった。


=== 地下での挙動 ===
カタクリの仲間の[[キバナカタクリ]](学名:''Erythronium grandiflorum'' <small>Pursh.</small>)は、主に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[カナダ]]南部の[[亜高山帯]]に分布している。
5月中旬から9月末までは、地下で休眠状態となる。最大30 cm程の深さにある長さ5 - 6 cmの筒状楕円形の[[球根#球根の分類|鱗茎]]は、10月下旬ごろに発根し始める<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、1頁" />。雪解けを待って、地上に糸のような細い葉を伸ばす。

=== カタクリの生活史 ===
[[画像:Erythronium japonicum and bee 2001-04-04.jpg|thumb|[[マルハナバチ]]などの[[送粉者]]が吸蜜に訪れ[[受粉]]を行う。]]
早春のまだ木々も草も芽吹かぬうちに、いち早く大きく広い葉を出して、雑木林の林床で日差しを独占する{{sfn|亀田龍吉|2019|p=18}}。続いて、まだ花が少ないこの季節に花茎を出して、花をうつむき加減に開く{{sfn|亀田龍吉|2019|p=18}}。蜜を求める虫たちが吸蜜に訪れて受粉し、いち早く結実すると、周囲の木々や他の草が伸び始めるころには種子を散らして地上部は枯れる{{sfn|亀田龍吉|2019|p=18}}。

カタクリは、「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる植物の一つである{{sfn|稲垣栄洋|2010|p=150}}。エフェメラルとは、もともと「はかない命」という意味で、カタクリが1年のうちで地上に出ている期間は、春先の4 - 5週間足らずに過ぎず{{sfn|亀田龍吉|2019|p=18}}、葉で光合成をして栄養分を鱗茎に蓄えて、夏には葉を枯らし、翌年の春まで土中の鱗茎のまま休眠状態で大半を過ごしている{{sfn|稲垣栄洋|2010|p=150}}。光合成ができる期間が、1年のうちで葉が出ているわずかな期間しかないため、栄養を蓄積するまでに長い時間を要してしまうことから、種子から発芽して花を咲かせるまでに7 - 9年ほどの歳月を必要とする{{sfn|稲垣栄洋|2010|p=151}}{{sfn|亀田龍吉|2019|p=18}}。

発芽1年目の個体は細い糸状の葉を、2年目から7 - 8年程度までは卵状楕円形の1枚の葉だけで過ごし、鱗茎が大きくなり、2枚目の葉が出てから花をつける。カタクリは、毎年少しずつ鱗茎に養分を蓄積しながら、しだいに葉を大きくしてゆき、その結果、発芽から7 - 9年をかけてコツコツと貯めた栄養分で、ようやく花を咲かすことができる{{sfn|稲垣栄洋|2010|p=151}}<ref name="NHK shizenshi">{{Cite web|和書|url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999002180130075/?n=14&q=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細 花の自然誌 カタクリ 開花・8年目のめざめ(1990年2月18日放送) |publisher=NHK |accessdate=2011-12-22}}</ref><ref name="植物生活史図鑑 (2004)、2頁">[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、2頁]]</ref>。開花初期は開花と結実がある[[有性生殖]]と結実がない[[無性生殖]]を繰り返し、個体が大きく成長した後は複数年に渡り開花が継続する。カタクリの平均寿命は40 - 50年ほどと推定されている<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、1頁" />。なお、鱗茎は毎年更新し、なおかつ旧鱗茎の下に鱗茎が作られるため鱗茎は深くなる。原則として鱗茎は分球することはない。通常[[栄養繁殖]]を行わない<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、3頁">[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、3頁]]</ref>。

カタクリの葉に[[サビ菌]] (''Uromyces erythronii'' {{AU|Pass.}}) が寄生し、「さび病」を起こし枯れてしまうことがある<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、15頁]]</ref>。落葉広葉樹林は約3,000万年前に形成され、カタクリの祖先はこの頃に落葉広葉樹林に出現しカタクリに進化したと考えられている<ref name="ニュートン (2001)、28頁">[[#ニュートン|ニュートン (2001)、28頁]]</ref>。

=== 受粉の仕組み ===
カタクリは[[雌雄同体|両性花]]で[[自家不和合性 (植物)|自家不和合性]]であり、[[自家受粉]]による種子の形成はほとんど行われない<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、5頁">[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、5頁]]</ref>。花被片、雄蕊、雌蕊は[[紫外線]]をよく吸収し、[[ハチ目]]などの[[昆虫]]の視覚器官が感受しやすく、花へ誘発するシグナルとなっている<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、5頁" />。[[ハナバチ]]の仲間の[[クマバチ]]、[[コマルハナバチ]]、[[マルハナバチ]]、[[ギフチョウ]]、[[ヒメギフチョウ]]、[[スジグロシロチョウ]]などが吸蜜に訪れ[[送粉者]](ポロネーター)として[[受粉]]を行っている<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、5頁" />。クマバチとマルハナバチが最もカタクリの受粉に貢献している<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、13頁]]</ref>。

=== アリによる種子の散布 ===
[[画像:Polyrhachis lamellidens DSC 0502.jpg|thumb|[[トゲアリ]]はカタクリの種子を巣内に運び込んだ後に、巣外に搬出し周辺に散布する。]]
種子に付着しているエライオソームには[[脂肪酸]]や高級[[炭水化物]]などが大量に含まれる。[[アリ]]がこの成分に誘発され、種子はアリの巣がある遠くまで運ばれる<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、7頁" />。[[富山県]][[婦負郡]][[八尾町]](現[[富山市]])では、[[アシナガアリ]]、[[アズマオオズアカアリ]]、[[クロヤマアリ]]、[[トゲアリ]]、[[トビイロケアリ]]、[[ムネアカオオアリ]]などにより運ばれる様子が確認されている<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、7頁" /><ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、16頁]]</ref>。トゲアリはカタクリの種子を巣内に運び込んだ後に、巣外に搬出し周辺に散布する<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、7頁" />。

== 利用 ==
鱗茎を掘り採って、ひげ根を除き、煮て甘煮や金団(きんとん)にして食べることもある{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=96}}{{sfn|吉村衞|2007|p=36}}。ただし、カタクリ保護のため、鱗茎を採りすぎないように注意もさけばれている{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=97}}。地下の鱗茎を日干ししたものからは、40 - 50%の良質な[[デンプン]]が採取できる{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}。調理に用いられる[[片栗粉]]は、もともとカタクリの鱗茎から抽出したデンプンのことを言っていたが{{sfn|稲垣栄洋|2010|p=148}}、精製量がごく僅かであるため、現代では[[ジャガイモ]]や[[サツマイモ]]から抽出したデンプンが代用されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.takeda.co.jp/kyoto/area/plantno37.html |title=カタクリ |publisher=[[武田薬品工業]] |accessdate=2011-12-21}}</ref>。

カタクリから採取したデンプンは片栗澱粉(かたくりでんぷん)といって[[生薬]]になり{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}、滋養保健によく、[[クズ]]のデンプンのように腹痛や、体力が弱った人への下痢止め作用もあるといわれている{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}。カタクリのデンプンを、砂糖やはちみつで甘くして、熱湯を注いでかき混ぜると半透明にやわらかく固まり、これを体力の弱った老人や幼児の腹痛に食べさせると、[[止瀉薬|下痢止め]]に役立つとされる{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}。しかし、一般に市販されているジャガイモなどの片栗粉では、カタクリのように薬用にはならない{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}。

花の時期か、花が終わったころの若葉を摘んで、[[山菜]]として食されることがある{{sfn|田中孝治|1995|p=78}}{{sfn|高橋秀男監修 学習研究社編|2003|p=96}}{{sfn|吉村衞|2007|p=36}}<ref name="hoku-iryo-u">{{Cite web|和書|author= 堀田清|url=http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~maruho/2b-04katakuri.html |title=山菜のお話〜カタクリ|work=元気の種 |publisher=[[北海道医療大学]] |accessdate=2011-12-21}}</ref>。軽く茹でて、花は[[酢の物]]、葉や茎は[[お浸し]]や[[和え物]]、生のまま[[天ぷら]]、[[炒め物]]にして食べられる{{sfn|金田初代|2010|p=68}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=152}}。

鑑賞用の[[山野草]]として、カタクリの球根が販売されている。栽培はむずかしいといわれるが、多くの山野草愛好家によって栽培も行われている{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}。日本各地の群生地では、春の開花時期に合わせて「カタクリ祭り」などが開催されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.town.nishiwaga.lg.jp/index.cfm/9,1963,57,41,html |title=安ヶ沢かたくりまつり |publisher=[[西和賀町]] |accessdate=2011-12-21}}</ref>。

350円[[日本の普通切手|普通切手]]の意匠になった。
* 1994年(平成6年)1月24日発売<ref name=besshi3/>
* 2012年(平成24年)7月2日発売<ref name=besshi3/> 図案変更<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.post.japanpost.jp/whats_new/2012/0601_01.html |title=350円普通切手及び500円普通切手の意匠の変更 |publisher=[[日本郵便株式会社]] |date=2012-06-01|accessdate=2022-06-09}} </ref>
* 2014年(平成26年)3月31日 販売終了<ref>{{Cite web|和書|url=http://yushu.or.jp/stamp_date/futsuu.html |title= 普通切手、慶弔切手一覧|publisher= 公益財団法人[[日本郵趣協会]]|accessdate=2014-04-01}}{{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20140407102425/http://yushu.or.jp/stamp_date/futsuu.html |date=2014-04-07 }}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2013/00_honsha/1206_01_01.pdf |title=新料額の普通切手及び郵便葉書等の発行等(2 販売を終了する普通切手・郵便葉書等の内容) |publisher=[[日本郵便株式会社]] |date=2013-12-06 |accessdate=2022-06-09}} </ref><ref name=besshi3>{{Cite web|和書|url=https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2013/00_honsha/1206_01_04.pdf |title=別紙3 販売を終了する普通切手の意匠等 |publisher=日本郵便株式会社 |accessdate=2022-06-09}} </ref>

== 分布 ==
[[日本]]原産といわれ{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=152}}、[[北東アジア]]([[朝鮮半島]]、[[千島列島]]、[[樺太|サハリン]]、[[ロシア]]沿海州)と[[日本]]に分布する<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、1頁" />。日本では[[北海道]]、[[本州]]、[[四国]]、[[九州]]の平地から山地の林内にかけて広く分布する<ref name="高山植物 (1989)、566頁" />。主に中部地方・東北地方の山地に多く群生しているが、関西以西、四国、九州では少なく珍しい{{sfn|高野昭人監修 世界文化社編|2006|p=37}}。[[岡山県]]では北部の市町村を中心に分布が確認されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.rib.okayama-u.ac.jp/wild/variety/katakuri.htm |title=カタクリ |publisher=[[岡山大学]] |accessdate=2011-12-21}}</ref>。九州では[[熊本県]]のみに分布し、日本の南限となっている<ref name="kumamoto-pref">{{Cite web|和書|url=http://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/26053.pdf |title=レッドデータブックくまもと2009 植物(維管束)その7 |format=PDF |publisher=熊本県 |page=207 |date=2009-10-30 |accessdate=2011-12-22}}</ref>。比較的日光の差す[[ブナ]]、[[ミズナラ]]、[[イタヤカエデ]]などの[[落葉広葉樹林]]の林床に群生する。[[キクザキイチゲ]]とニリンソウなど同時期に同じ場所で開花することがある。[[スギ]]林の林床にも生育していることがあるが、花をつける個体は比較的日のよく当たる林縁に限られている<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、32頁]]</ref>。[[鈴鹿山脈]]北部など[[石灰岩]]質の地域に群生地となる例がある<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~museum/plant/index.php/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA |title=カタクリ |publisher=[[広島大学]]デジタル自然史博物館 |date=2010-08-31 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。北海道の[[北見市]]端野地域の隔離分布した群落が日本の分布域の東端と推定されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.kitami.lg.jp/docs/7131/ |title=歴史民俗資料館:端野町のカタクリ |publisher=北見市 |date=2011-04-20 |accessdate=2011-12-21}}</ref><ref>[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、6頁]]</ref>。昔は日本では落葉広葉樹林のある各地で広く見られたが、近年では乱獲や盗掘、土地開発などによる生育地の減少によって減少している。[[飛騨山脈|北アルプス]]の仙人山<ref>{{Cite web|和書|url=http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=136.61080555549&latitude=35.134061260654 |title=地図閲覧サービス |publisher=国土地理院 |accessdate=2011-12-21}}</ref>の山腹(標高約2,000 [[メートル|m]]の[[亜高山帯針葉樹林|亜高山帯]])において、最高所での生育が確認されている<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、1頁" />。カタクリは数千 - 数万の大群落を作ることがあり、集団の全個体が入れ替わるには13 - 40年程かかると推定されている<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、30頁]]</ref>。[[タイプ (分類学)|基準標本]]は、日本のもの<ref name="高山植物 (1989)、566頁" />。

=== 日本の主な群生地 ===
[[画像:Erythronium katakuri 2010-3-27.jpg|thumb|[[鳩吹山]]の群生地([[飛騨木曽川国定公園]]内)]]
[[田中澄江]]が『[[花の百名山]]』で[[奥多摩三山]]の[[御前山 (東京都)|御前山]]を代表する花の一つとして紹介し<ref>[[#花の百名山|花の百名山 (1997)、18-21頁]]</ref>、『[[新・花の百名山]]』で[[三毳山]]を代表する花の一つとして紹介した<ref>[[#新・花の百名山|新・花の百名山 (1997)、132-134頁]]</ref><ref name="mikamoyama">{{Cite web|和書|url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999504050130137/?n=15&q=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細 花の百名山 三毳山(みかもやま) カタクリ(1995年4月5日放送) |publisher=NHK |accessdate=2011-12-22}}</ref>。最近では人工的に増殖した上で野山に植えられて、観光名所になっている所が多数ある。

* [[北海道]][[旭川市]] - [[突哨山]](とっしょうざん、標高243 m) - 面積が125 [[ヘクタール|ha]]あり、カタクリの群生地としては日本最大級の大きさを誇る<ref name="sawayaka">{{Cite web|和書|url=http://www.nhk.or.jp/sawayaka/contents/program/2005/5/20050522_kitanodaiti.html |title=北の大地の春 |publisher=NHK・さわやか自然百景 |date=2005-05-22 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。観光客も多い。この群生地では1993年から「カタクリフォーラム」が開催されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahikawa-np.com/digest/2011/04/02705389/ |title=突哨山でカタクリフォーラム |publisher=[[あさひかわ新聞]] |date=2011-04-26 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
* [[青森県]][[黒石市]] - かたくりの小径
* [[岩手県]][[西和賀町]]
** 安ヶ沢カタクリ群生地
** 大荒沢(銀河の森)カタクリ群生地
** 無地内カタクリ群生地
* [[秋田県]][[仙北市]] - 八津のカタクリ群生地 (20 ha)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/spot/06_katakuri.html |title=八津・鎌足 かたくり群生地 |publisher=仙北市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>
* [[栃木県]][[佐野市]]・[[栃木市]]
** [[三毳山]]のカタクリ群生地(新・花の百名山)<ref name="mikamoyama" /><ref>[[#花の百名山地図帳|花の百名山地図帳 (2007)、86-87頁]]</ref>
** [[万葉自然公園]] (佐野市)
** [[星野自然村]] (栃木市)
* [[岩宿の里]] ([[群馬県]])
* [[馬上]] ([[埼玉県]][[秩父郡]][[小鹿野町]])
* [[大塚カタクリの里]] (埼玉県秩父郡[[荒川村 (埼玉県)|荒川村]])
* [[東京都]][[大泉町 (練馬区)#地理|練馬区大泉町]] - 清水山の森
* [[神奈川県]][[相模原市]] - 城山カタクリの里
* [[新潟県]][[南魚沼市]]-[[越後三山]]の一つ、霊峰[[八海山]]の山麓から四合目へ架かる[[八海山ロープウェー]]の山麓駅付近
* [[新潟県]][[魚沼市]] - [[湯之谷温泉郷|大湯温泉]]カタクリ群生地<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.niigata-kankou.or.jp/sys/data?page-id=10740 |title=大湯温泉かたっこ群生地【カタクリ】 |publisher=公益社団法人 新潟県観光協会 |accessdate=2017-12-27}}</ref>
* [[長野県]][[松本市]]波田上海渡 - [[かたくり園 (松本市波田)|かたくり園]] (0.4 ha)
* [[岐阜県]][[可児市]] - [[鳩吹山]]のカタクリ群生地(可児川下流域自然公園)
* [[愛知県]][[豊田市]][[足助町 (豊田市)|足助町]] - [[香嵐渓]]のカタクリ群生地(紅葉の[[観光地|観光スポット]])
* [[三重県]][[いなべ市]] - [[藤原岳]]の登山道の八合目から九合目(花の百名山、新・花の百名山)<ref>[[#花の百名山地図帳|花の百名山地図帳 (2007)、202-203頁]]</ref>
* [[兵庫県]][[丹波市]] - [[氷上町]]清住「清住かたくりの里」(関西最大級の群生地<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202304/0016201072.shtml|title=紫のかれんなカタクリ、春風に揺れ 関西最大級の群生地・丹波「かたくり園」 2日、3年ぶりにまつり|date=2023-04-01|publisher=神戸新聞社|accessdate=2023-04-18}}</ref>)
* [[島根県]][[吉賀町]] - カタクリの里
* [[岡山県]][[鏡野町]] - 大地区のカタクリ群生地<ref>{{Cite web|和書|title=大地区のカタクリ {{!}} 岡山県北の生活情報 アットタウンWEBマガジン|url=https://afw-at.com/page_e.php?id=343|website=|accessdate=2019-04-08|language=|publisher=}}</ref>

=== 天然記念物 ===
; 佐野市の「カタクリの花」
: 昭和50年代後半に栃木県の三毳山の北斜面に約1.5 haの規模でかたくりの花が群生していることが確認され、地元住民により育成保護された。1987年(昭和62年)に、市の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.sano.lg.jp/otakara/html/055.html |title=町谷町のお宝・自慢 かたくりの花 |publisher=佐野市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[太田市]]の「丸山薬師のカタクリ群生地」
: [[群馬県]]太田市丸山町の約0.3 haの群生地が、2005年(平成17年)3月28日に市の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-009kyoiku-bunka/bunmazai/otabunka57.html |title=丸山薬師のカタクリ群生地 |publisher=太田市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[みどり市]]の「カタクリ群生地」
: 群馬県みどり市笠懸町阿左美の約2.4 haの群生地が、1994年(平成6年)7月26日に市の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.midori.gunma.jp/bunkazai/kasakake10.htm |title=カタクリ群生地 |publisher=みどり市 |date=2011-11-09 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[飯能市]]の「カタクリ・[[イカリソウ]]の群落」
: 埼玉県飯能市岩渕の群落が、1973年(昭和48年)7月1日に市の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.hanno.saitama.jp/bunkazai/index.html |title=飯能市内指定文化財一覧 |publisher=飯能市 |date=2011-04-01 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[柏市]]の「カタクリ群生地」
: 千葉県柏市逆井の群生地が、市の天然記念物に指定されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/280400/p001426.html |title=カタクリ群生地 |publisher=柏市 |date=2011-03-03 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[富里市]]の「[[センダイタイゲキ]]及びカタクリ自生地」
: 千葉県富里市の自生地が、市の天然記念物に指定されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.tomisato.chiba.jp/syoukai/bunkazai/bunkazai20.html |title=センダイタイゲキ及びカタクリ自生地 |publisher=富里市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[相模原市]]の「カタクリの自生地」
: [[神奈川県]]相模原市[[緑区 (相模原市)|緑区]]牧野の自生地が、1988年(昭和53年)6月23日に当時の[[津久井郡]][[藤野町]]の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kyouiku/bunkazai/list/ken_shitei/021396.html |title=カタクリの自生地 |publisher=相模原市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[茅野市]]の「だいもんじ・亀石周辺のカタクリの群生地」
: 長野県茅野市宮川西茅野の群生地が、1982年(昭和57年)4月30日に市の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.chino.lg.jp/kbn/07050135/07050135.html |title=市指定文化財 |publisher=茅野市 |date=2010-03-01 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[島田市]]の「牧之原公園斜面のカタクリ」
: 1985年(昭和60年)5月28日に当時の[[静岡県]][[榛原郡]][[金谷町]]の天然記念物に指定された<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.shimada.shizuoka.jp/hakubutu/bunkazai/shi/haku-bun-katakuri.jsp |title=牧之原公園斜面のカタクリ |publisher=島田市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[高山市]]の「カタクリ群生地」
: [[岐阜県]]高山市清見町大原の0.4 haの群生が市の天然記念物に指定されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.takayama.lg.jp/bunkazai/bunkazai/tennnennkinennbutu/index.htm |title=天然記念物 |publisher=高山市 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。
; [[三次市]]の「カタクリ」
: [[広島県]]三次市のダムサイトの群落が、市の天然記念物に指定されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cgr.mlit.go.jp/miyoshi/haizuka/flower/flower06.htm |title=カタクリ(ユリ科) 三次市指定天然記念物 |publisher=[[国土交通省]]中国地方整備局 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。

== 種の保全状況評価 ==
日本の多くの[[都道府県]]で、以下の[[レッドリスト]]の指定を受けている<ref name="jpnrdb">{{Cite web|和書|url=http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=06050085076 |title=日本のレッドデータ検索システム「カタクリ」 |publisher=(エンビジョン環境保全事務局)|accessdate=2013-01-25}} - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。</ref>。<!--2007年8月現在、環境省のレッドリストの指定はない<ref>{{Cite web |url=https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/env |title=植物絶滅危惧種情報検索 |publisher=生物多様性情報システム |date=2007-08-03 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。-->四国と九州での分布は極一部に限られ絶滅が危惧されている<ref name="植物生活史図鑑 (2004)、6頁">[[#植物生活史図鑑|植物生活史図鑑 (2004)、6頁]]</ref>。[[上信越高原国立公園]]・[[中部山岳国立公園]]・[[白山国立公園]]などで自然公園指定植物となっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.env.go.jp/park/doc/data/natural/plant_4.pdf |title=国立・国定公園特別地域内指定植物(ユリ科・カタクリ) |format=PDF |publisher=環境省自然環境局 |page=9 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。

* 絶滅危惧IA類 - [[高知県]]
* 絶滅危惧IB類 - [[神奈川県]]
** 重要保護生物 (B) - [[千葉県]](環境省の絶滅危惧IB類相当)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.bdcchiba.jp/endangered/rdb-a/rdb-p/rdb-2009p-4.pdf |title=-千葉県レッドデータブック-植物・菌類編 |format=PDF |publisher=千葉県 |page=222 |date=2009 |accessdate=2013-01-25}}</ref>
* 絶滅危惧II類 - [[東京都]][[東京都区部|区部]]、北多摩、南多摩(西多摩は準絶滅危惧)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/animals_plants/attachement/RL2010TokyoMR.pdf |title=東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)〜東京都レッドリスト〜 |format=PDF |publisher=東京都 |page=36 |date=2010-03 |accessdate=2011-12-21}}</ref>、[[奈良県]]、[[鳥取県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/311861/p-09.pdf |title=レッドデータブックとっとり (植物)・カタクリ |format=PDF |publisher=鳥取県 |page=107 |accessdate=2011-12-21}}</ref>、[[島根県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/rdb/rdb2/cnt/cnt307b.html |title=しまねレッドデータブック・カタクリ |publisher=島根県 |date=2002-03 |accessdate=2013-01-25}}</ref>、[[徳島県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.tokushima.jp/files/00/01/44/27/redbook/tayousei-08a.pdf |title=徳島県版レッドデータブック |publisher=徳島県 |format=PDF |pages=398 |date=2011-08 |accessdate=2013-01-25}}</ref>、[[愛媛県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.ehime.jp/030kenminkankyou/080shizenhogo/00004541040311/detail/09_06_008930_1.html |title=愛媛県レッドデータブック・カタクリ |publisher=愛媛県 |date=2003 |accessdate=2013-01-25}}</ref>、[[熊本県]]<ref name="kumamoto-pref" />
* 準絶滅危惧 - [[埼玉県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/495221.pdf |title=埼玉県レッドデータブック2011 植物編 |publisher=埼玉県 |format=PDF |pages=180 |date=2011 |accessdate=2013-01-25}}</ref>、[[石川県]]、[[三重県]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.eco.pref.mie.lg.jp/rdb/pages/asp/detail.asp?detailid=855 |title=三重県レッドデータブック2005・カタクリ |publisher=三重県 |date=2005 |accessdate=2013-01-25}}</ref>
** Cランク - [[兵庫県]](環境省の準絶滅危惧相当)
* その他
** 留意種 - [[北海道]]<ref>{{Cite web|和書|url=http://rdb.hokkaido-ies.go.jp/page/detail1.asp?spc=000000000000000000512 |title=北海道レッドデータブック・カタクリ |publisher=北海道 |date=2001 |accessdate=2013-01-25}}</ref>
** 要注目種 - [[静岡県]]

== 文化 ==
=== 文学 ===
750年([[天平勝宝]]2年)3月2日、[[大伴家持]]が[[越中国|越中]]の[[国司]]として[[富山県]]を訪問した際に、「もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」([[万葉集]]・巻18・4143番)と詠い、カタクリが「堅香子(かたかご)」として詠まれている{{sfn|飯泉優|2002|p=44}}<ref>山内健生・石原貴子 (2014) 進野久五郎(1900~1984)による万葉植物研究―越中で詠まれた葦附、堅香子、および都萬麻の研究史に関連して―. 富山の生物, 53: 77-89.https://toyamaseibutu.mizubasyou.com/zassi/toyama53pdf/53_13.pdf</ref>。[[島根県]][[鹿足郡]][[吉賀町]]樋口の「かたくりの里」には、この詩を刻んだ「六日市万葉歌碑」の石碑がある<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.town.yoshika.lg.jp/muikaichi/kankou.htm |title=かたくりの里 |publisher=吉賀町 |accessdate=2011-12-21}}</ref>。この他にも、[[新村出]]、[[加藤知世子]]の作品など、カタクリには明るい詩歌の類が多い{{sfn|飯泉優|2002|p=44}}。鹿の子模様の葉にも独特の趣があり、[[宮沢賢治]]は『[[山男の四月]]』で秋鮭の腹にあるまだら模様に例えて、カタクリの葉の模様の見え方が変化する様子を表現している{{sfn|飯泉優|2002|p=44}}。

[[松浦武四郎]]は[[安政]]年間に[[蝦夷]]地を探検し、その後の本で当時の[[アイヌ人]]の食用植物として「[[エゾエンゴサク|延胡索]]、[[クロユリ|黒百合]]、山慈姑、[[クルマユリ|車百合]]、[[ヒシ|菱実]]」の5種を絵つきで記している。そこで記されている「山慈姑」はカタクリのことである<ref name="hoku-iryo-u" />。

=== 市町村指定の花 ===
カタクリは日本の多数の[[市町村]]の花に指定されている。また合併前に指定されていた。

==== 市の花 ====
{{columns-list|18em|
* [[南魚沼市]]([[新潟県]])
* [[佐野市]]([[栃木県]])
* [[今市市]](栃木県、現[[日光市]])
* [[みどり市]]([[群馬県]])
* [[柏市]]([[千葉県]])
* [[魚沼市]](新潟県)
* [[大町市]](長野県)
* [[高岡市]]([[富山県]])- 「かたかご」の名で指定
* [[美作市]]([[岡山県]])
* [[丹波市]]([[兵庫県]])
}}

==== 町の花 ====
{{columns-list|18em|
* [[和寒町]](北海道[[上川郡 (天塩国)|上川郡]])
* [[幌加内町]](北海道[[雨竜郡]])
* [[西和賀町]]([[岩手県]][[和賀郡]])
* [[八峰町]](秋田県[[山本郡]])
* [[比内町]](秋田県[[北秋田郡]]、現[[大館市]])
* [[内原町]]([[茨城県]][[茨城郡]]、現[[水戸市]])
* [[寄居町]]([[埼玉県]][[大里郡]])
* [[三島町 (新潟県)|三島町]](新潟県[[三島町 (新潟県)|三島郡]]、現[[長岡市]])
* [[西山町]](新潟県[[刈羽郡]]、現[[柏崎市]])
* [[山都町]]([[熊本県]][[上益城郡]])
}}

==== 村の花 ====
{{columns-list|18em|
* [[沢内村]](岩手県和賀郡、現西和賀町)
* [[峰浜村]](秋田県山本郡、現[[八峰町]])
* [[朝日村 (山形県)|朝日村]]([[山形県]][[東田川郡]]、現[[鶴岡市]])
* [[荒川村 (埼玉県)|荒川村]](埼玉県[[秩父郡]]、現[[秩父市]])
* [[神泉村]](埼玉県[[児玉郡]]、現[[神川町]])
* [[広神村]](新潟県[[北魚沼郡]]、現[[魚沼市]])
* [[栄村]](長野県[[下水内郡]])
* [[朝日村]]、[[麻績村]](長野県[[東筑摩郡]])
* [[白馬村]](長野県[[北安曇郡]])
* [[泰阜村]](長野県[[下伊那郡]])
* [[堀金村]](長野県[[南安曇郡]]、現[[安曇野市]])
* [[清見村]](岐阜県[[大野郡]]、現[[高山市]])
}}

=== メディア ===
==== 書籍 ====
* {{Cite book|和書 |author= |date=1993-01 |title=カタクリ花の旅のひみつ |series=日本列島花maps |publisher=[[北隆館]] |isbn=4832602705}}
* {{Cite book|和書 |author=瀬川強 |date=2005-03-28 |title=西和賀カタクリの里 |publisher=熊谷印刷出版部 |isbn=4877202870}}
* {{Cite book|和書 |author=高橋喜平 |date=1987-03 |title=カタクリの里-神秘にみちた花のひみつ |series=子ども科学図書館 |publisher=[[大日本図書]] |isbn=4477165781}}
==== 写真集 ====
* {{Cite book|和書 |author=太田威 |date=2001-02 |title=カタクリ-花咲く春の森で |publisher=[[平凡社]] |isbn=4582547028}}
* {{Cite book|和書 |author=高橋喜平、瀬川強 |date=1995-02 |title=カタクリの里 沢内村からの春のたより |publisher=[[講談社]] |isbn=4062073498}}
* {{Cite book|和書 |author=緑区・自然を守る会 |date=1991-09 |title=カタクリの咲く谷戸に-横浜・新治の自然誌 |publisher=[[文一総合出版]] |isbn=4829930748}}
==== テレビ番組 ====
* 『花の自然誌 カタクリ 開花・8年目のめざめ』 [[NHK総合テレビジョン|NHK総合テレビ]]、1990年2月18日放送<ref name="NHK shizenshi" />
* 『にっぽん花物語カタクリ』 NHK総合テレビ、1995年1月29日放送<ref>{{Cite web|和書|url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999501290130134/?n=6&q=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細 にっぽん花物語カタクリ(1995年1月29日放送) |publisher=NHK |accessdate=2011-12-22}}</ref>
* 『花の百名山 三毳山(みかもやま) カタクリ』 [[NHK衛星第2テレビジョン|BS2]]、1995年4月5日放送<ref name="mikamoyama" />
* 『ふるさと自然発見 カタクリの花咲く里〜秋田・西木村〜』 NHK総合テレビ、1995年5月27日放送<ref>{{Cite web|和書|url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999505270130114/?n=8&q=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細 ふるさと自然発見 カタクリの花咲く里〜秋田・西木村〜(1995年5月27日放送) |publisher=NHK |accessdate=2011-12-22}}</ref>
* 『ふるさと自然発見 山一面のカタクリ大群落 〜北海道・旭川市〜』 NHK総合テレビ、1997年5月31日放送<ref>{{Cite web|和書|url=http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10001200999705310130134/?n=10&q=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AA&o=1&np=20&or=t |title=NHKアーカイブス保存番組詳細 ふるさと自然発見 山一面のカタクリ大群落 〜北海道・旭川市〜(1997年5月31日放送) |publisher=NHK |accessdate=2011-12-22}}</ref>
* 『北の大地の春』 [[さわやか自然百景]]・NHK総合 2005年5月22日放送<ref name="sawayaka" />
* 『[[2005年日本国際博覧会#キャラクター|モリゾー]]・キッコロ 森へいこうよ!カワイさ満開!春を呼ぶ妖精たち』 [[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]、2010年5月2日放送<ref name="morizo" />


== ギャラリー ==
== ギャラリー ==
<gallery>
<gallery mode="packed">
ファイル:Katakuri.JPG|花弁の状態
ファイル:Erythronium japonicum 2006 001.jpg|つぼみ
ファイル:Erythronium japonicum 01.jpg|花弁の状態
ファイル:Erythronium japonicum 2006 009.jpg|花
ファイル:Erythronium japonicum 2006 009.jpg|花
ファイル:Erythronium japonicum 2005 spring 002.jpg|群生するカタクリ
ファイル:Erythronium japonicum 2005 spring 002.jpg|群生するカタクリ
ファイル:Kibana-katakuri.JPG|キバナカタクリ
ファイル:カタクリの花20040509.JPG|葉に特有の模様が無い個体
画像:Erythronium japonicum bud.jpg|暗紫色の模様の葉と出始めの蕾
ファイル:カタクリの花20040509.JPG|葉に特有の模様が無いカタクリの一種
画像:Erythronium japonicum 2006 001.jpg|開花直前の蕾
画像:Erythronium japonicum flower.JPG|雌蕊の周りに6本の雄蕊
画像:Erythronium japonicum fruit.jpg|3室からなる果実
ファイル:白花のカタクリ.jpg|白花のシロバナカタクリ<!--(岩手県西和賀町)-->
</gallery>
</gallery>


== カタクリ属 ==
{{Sisterlinks|カタクリ属|wikt=no|b=no|q=no|s=no|commons=Erythronium|commonscat=Erythronium|n=no|v=no|d=Q143756|species=Erythronium}}
ユリ科に属する'''カタクリ属''' (''[[w:Erythronium|Erythronium]]'' {{AU|L.}})<ref>{{Cite web |url=http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=42926 |title=''Erythronium'' L. |publisher=[[ITIS]] |language=英語 |accessdate=2011-12-23}}</ref>には、[[ユーラシア大陸]]の大陸温帯域に4種、[[北米大陸]]に20種がある<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、36-37頁]]</ref>。日本に分布するのはこのカタクリ (''Erythronium japonicum'') のみである。属の学名の''Erythronium''は、[[ヨーロッパ]]で赤い花を咲かせる種の[[ギリシャ語]]の「赤い」 (erythros) に由来する<ref>[[#ニュートン|ニュートン (2001)、6頁]]</ref>。


; ''Erythronium americanum'' {{AU|Ker-Gawl.}}
: 北アメリカ東部に分布し、栄養繁殖を行い黄色い花を咲かせる。
; '''[[キバナカタクリ]]''' (''Erythronium grandiflorum'' {{AU|Pursh.}})
: 主に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[カナダ]]南部の[[亜高山帯]]に分布している。
; ''Erythronium caucasicum'' {{AU|Woronow}}
: [[イラン]]北部に分布する。
; '''カタクリ''' (''Erythronium japonicum'' {{AU|Decne.}})
: 日本に分布するカタクリ属の唯一の種。
; ''Erythronium oregonum'' {{AU|Applegate}}
: 北アメリカ西部に分布し、白い花を咲かせる。
; ''Erythronium sibiricum'' ({{AU|Fisch.}} et {{AU|C.A.Mey.}}) {{AU|Krylov}}
: [[中央アジア]]から[[シベリア]]にかけてに分布し、日本のカタクリの花に似ている。


<gallery mode="packed">
== 主な群生地 ==
ファイル:Erythronium americanum full Radnor Lake.jpg|{{small|''E. americanum''}}
* [[北海道]][[旭川市]]:突哨山(とっしょうざん) - 面積が125haあり、カタクリの群生地としては日本最大級の大きさを誇る。観光客も多い。
ファイル:Erythronium japonicum in Mount Sho.JPG|カタクリ<br />{{small|''E. japonicum''}}
* [[青森県]][[黒石市]]:かたくりの小径
ファイル:Kibana-katakuri.JPG|キバナカタクリ<br />{{small|''E. grandiflorum''}}
* [[秋田県]][[仙北市]]:八津のカタクリ群生地 (20ha)
ファイル:Erythronium oregonum 5581.JPG|{{small|''E. oregonum''}}
* [[栃木県]][[佐野市]]・[[岩舟町]]・[[栃木市]]:[[三毳山]]のカタクリ群生地([[新・花の百名山]])
ファイル:Erythronium sibiricum.JPG|{{small|''E. sibiricum''}}
* [[神奈川県]][[相模原市]]:城山カタクリの里
</gallery>
* [[長野県]][[松本市]][[波田町|波田]]上海渡:[[かたくり園 (松本市波田)|かたくり園]](4000㎡)

* [[岐阜県]][[可児市]]:[[鳩吹山]]のカタクリ群生地(可児川下流地域自然公園)
== 脚注 ==
* [[愛知県]][[豊田市]][[足助町]]:[[香嵐渓]]のカタクリ群生地(紅葉の[[観光地|観光スポット]])
{{脚注ヘルプ}}
* [[島根県]][[吉賀町]]:カタクリの里
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
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* {{Cite book|和書|author=高野昭人監修 世界文化社編|title=おいしく食べる 山菜・野草|publisher=[[世界文化社]]|series=別冊家庭画報|date=2006-04-20|ISBN=4-418-06111-8|pages=36-37|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=高橋秀男監修 学習研究社編|title=日本の山菜|publisher=[[学習研究社]]|series=フィールドベスト図鑑|volume=vol.13|date=2003-04-01|ISBN=4-05-401881-5|pages=96-97|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =田中孝治|title =効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法|date=1995-02-15|publisher =[[講談社]]|series=ベストライフ|isbn=4-06-195372-9|page =78|ref=harv}}
* {{Cite book|和書 |author=田中澄江 |date=1995-06-10 |title=新・花の百名山 |publisher=[[文藝春秋]] |isbn=4167313049 |ref=新・花の百名山}}
* {{Cite book|和書 |author=田中澄江 |date=1997-05 |title=花の百名山 |series=愛蔵版 |publisher=文藝春秋 |isbn=4163527907 |ref=花の百名山}}
* {{Cite book|和書 |author=豊国秀夫|authorlink=豊国秀夫 |date=1989-09-20 |title=日本の高山植物 |series=山溪カラー名鑑 |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |isbn=4-635-09019-1 |ref=高山植物}}
* {{Cite book|和書 |author=菱山忠三郎 |title=「この花の名前、なんだっけ?」というときに役立つ本|date=2014-10-31|publisher=[[主婦の友社]]|isbn=978-4-07-298005-7|ref=harv}}
* {{Cite book|和書 |editor=山と溪谷社 |date=2007-06-20 |title=花の百名山地図帳 |publisher=山と溪谷社 |isbn=9784635922463 |ref=花の百名山地図帳}}
* {{Cite book|和書|author=吉村衞|title=おいしく食べる山野草|publisher=[[主婦と生活社]]|date=2007-04-23|ISBN=978-4-391-13415-5|page=36|ref=harv}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Commons|Erythronium japonicum}}
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* [[片栗粉]]
* [[片栗粉]]
* [[山菜]]
* [[スプリング・エフェメラル]]
* [[エライオソーム]]
* [[突哨山]] - 日本最大規模のカタクリの群生地


== 外部リンク ==
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* [http://mitizane.ll.chiba-u.jp/meta-bin/mt-pdetail.cgi?cd=00068532 カタクリの標本(武蔵 棒ノ嶺で1964年4月6日に採集)] ([[千葉大学]]附属図書館)

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カタクリ
カタクリ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ユリ目 Liliales
: ユリ科 Liliaceae
: カタクリ属 Erythronium
: カタクリ E. japonicum
学名
Erythronium japonicum
Decne. (1854) [1]
和名
カタクリ
英名
Katakuri
Dogtooth violet
Dog's-tooth-violet

カタクリ(片栗[2]学名: Erythronium japonicum)は、ユリ科カタクリ属に属する多年草。別名で、カタコともよばれる[3]古語では「堅香子(かたかご)」と呼ばれていた[4]

山地の林内に群生し、1 - 2枚つく葉にはまだら模様がある。春先に独特で見栄えする紅紫の花を咲かせたあと、地上部は枯れて休眠する。種子で繁殖するが、発芽から開花まで8 - 9年ほどかかる。かつて、球根から片栗粉が作られていた。

特徴

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雪解け後に落葉樹林の林床で真っ先にカタクリやニリンソウなどが葉と茎を伸ばし花を咲かせる。その後枯れて地上部の姿が消える。

別名が多く、地方によってカタカゴ[5][6]、カタコユリ[5][6]、カタバナ[5][6]、カッコバナ[5]、ヤマカンピョウ[5]、アマイモ[6]の名でよばれることもある。

地下茎は意外と深く、鱗茎の姿がクリの片割れに似ることから、「片栗」の意味で名づけられたといわれている[7][8]。鱗茎は長さ4 - 5センチメートル (cm) 、直径1 cmほどの大きさで、デンプンを蓄えている[9]

早春に地上部を展開して、花期は早いところでは3月、ふつうは4 - 6月ごろで、10 - 15 cmほどの花茎を伸ばし、直径4 - 5 cmほどの薄紫から桃色の花を先端に一つ下向きに咲かせる[5][10]。まれに白花を咲かすものがあり、シロバナカタクリ(E. japonicum f. leucanthum[11])とよばれる[10]。蕾をもった個体は芽が地上に出てから10日程で開花する[12]。花茎の下部に葉が通常2枚、若い株では1枚の葉がつき[7]葉柄を含めて長さ10 - 12 cm、幅2.5 - 6.5 cmほどの長楕円形[9]。葉身は質がやわらかく、迷彩柄のような暗紫色の模様がある[2][9]。地域によっては模様がないものもある。

花被片雄しべは6個[13]。雄蕊は長短3本ずつあり、葯は暗紫色。長い雄蕊の葯は短いものより外側にあり、先に成熟して裂開する[14]雌蕊の花柱はわずかに3裂している。地上に葉を展開すると同時に開花する。晴天時は花に朝日を浴びると、花被片が開き背面で交差するほど極端に反り返り、夕暮れに閉じる運動を繰り返す[15]。日差しがない曇りや雨の日には、花は開かないまま閉じている[16][10][15]。開花後は3室からなる果実が出来、各室には数個 - 20程の胚珠が出来る。平均で60%程の胚珠が種子となる[17]。胚珠は長さ2 mmほどの長楕円形である。染色体は大型で2n=24である[18]

果期は5 - 6月ごろで、花後に結実して、蒴果が裂開して種子を落とす[2]。その後、葉や茎は枯れて宿根する[7]。地上に姿を現す期間は4 - 5週間程度で、群落での開花期間は2週間程と短い[4]。このため、ニリンソウなど同様の植物とともに「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれている[16][19]。種子にはアリが好む薄黄色のエライオソームという物質が付いており、アリに拾われて巣に運ばれることによって生育地を広げている[2][注 1]

地下での挙動

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5月中旬から9月末までは、地下で休眠状態となる。最大30 cm程の深さにある長さ5 - 6 cmの筒状楕円形の鱗茎は、10月下旬ごろに発根し始める[4]。雪解けを待って、地上に糸のような細い葉を伸ばす。

カタクリの生活史

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マルハナバチなどの送粉者が吸蜜に訪れ受粉を行う。

早春のまだ木々も草も芽吹かぬうちに、いち早く大きく広い葉を出して、雑木林の林床で日差しを独占する[20]。続いて、まだ花が少ないこの季節に花茎を出して、花をうつむき加減に開く[20]。蜜を求める虫たちが吸蜜に訪れて受粉し、いち早く結実すると、周囲の木々や他の草が伸び始めるころには種子を散らして地上部は枯れる[20]

カタクリは、「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる植物の一つである[21]。エフェメラルとは、もともと「はかない命」という意味で、カタクリが1年のうちで地上に出ている期間は、春先の4 - 5週間足らずに過ぎず[20]、葉で光合成をして栄養分を鱗茎に蓄えて、夏には葉を枯らし、翌年の春まで土中の鱗茎のまま休眠状態で大半を過ごしている[21]。光合成ができる期間が、1年のうちで葉が出ているわずかな期間しかないため、栄養を蓄積するまでに長い時間を要してしまうことから、種子から発芽して花を咲かせるまでに7 - 9年ほどの歳月を必要とする[22][20]

発芽1年目の個体は細い糸状の葉を、2年目から7 - 8年程度までは卵状楕円形の1枚の葉だけで過ごし、鱗茎が大きくなり、2枚目の葉が出てから花をつける。カタクリは、毎年少しずつ鱗茎に養分を蓄積しながら、しだいに葉を大きくしてゆき、その結果、発芽から7 - 9年をかけてコツコツと貯めた栄養分で、ようやく花を咲かすことができる[22][23][24]。開花初期は開花と結実がある有性生殖と結実がない無性生殖を繰り返し、個体が大きく成長した後は複数年に渡り開花が継続する。カタクリの平均寿命は40 - 50年ほどと推定されている[4]。なお、鱗茎は毎年更新し、なおかつ旧鱗茎の下に鱗茎が作られるため鱗茎は深くなる。原則として鱗茎は分球することはない。通常栄養繁殖を行わない[25]

カタクリの葉にサビ菌 (Uromyces erythronii Pass.) が寄生し、「さび病」を起こし枯れてしまうことがある[26]。落葉広葉樹林は約3,000万年前に形成され、カタクリの祖先はこの頃に落葉広葉樹林に出現しカタクリに進化したと考えられている[12]

受粉の仕組み

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カタクリは両性花自家不和合性であり、自家受粉による種子の形成はほとんど行われない[27]。花被片、雄蕊、雌蕊は紫外線をよく吸収し、ハチ目などの昆虫の視覚器官が感受しやすく、花へ誘発するシグナルとなっている[27]ハナバチの仲間のクマバチコマルハナバチマルハナバチギフチョウヒメギフチョウスジグロシロチョウなどが吸蜜に訪れ送粉者(ポロネーター)として受粉を行っている[27]。クマバチとマルハナバチが最もカタクリの受粉に貢献している[28]

アリによる種子の散布

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トゲアリはカタクリの種子を巣内に運び込んだ後に、巣外に搬出し周辺に散布する。

種子に付着しているエライオソームには脂肪酸や高級炭水化物などが大量に含まれる。アリがこの成分に誘発され、種子はアリの巣がある遠くまで運ばれる[18]富山県婦負郡八尾町(現富山市)では、アシナガアリアズマオオズアカアリクロヤマアリトゲアリトビイロケアリムネアカオオアリなどにより運ばれる様子が確認されている[18][29]。トゲアリはカタクリの種子を巣内に運び込んだ後に、巣外に搬出し周辺に散布する[18]

利用

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鱗茎を掘り採って、ひげ根を除き、煮て甘煮や金団(きんとん)にして食べることもある[2][9]。ただし、カタクリ保護のため、鱗茎を採りすぎないように注意もさけばれている[30]。地下の鱗茎を日干ししたものからは、40 - 50%の良質なデンプンが採取できる[7]。調理に用いられる片栗粉は、もともとカタクリの鱗茎から抽出したデンプンのことを言っていたが[8]、精製量がごく僅かであるため、現代ではジャガイモサツマイモから抽出したデンプンが代用されている[31]

カタクリから採取したデンプンは片栗澱粉(かたくりでんぷん)といって生薬になり[5]、滋養保健によく、クズのデンプンのように腹痛や、体力が弱った人への下痢止め作用もあるといわれている[7]。カタクリのデンプンを、砂糖やはちみつで甘くして、熱湯を注いでかき混ぜると半透明にやわらかく固まり、これを体力の弱った老人や幼児の腹痛に食べさせると、下痢止めに役立つとされる[7]。しかし、一般に市販されているジャガイモなどの片栗粉では、カタクリのように薬用にはならない[7]

花の時期か、花が終わったころの若葉を摘んで、山菜として食されることがある[7][2][9][32]。軽く茹でて、花は酢の物、葉や茎はお浸し和え物、生のまま天ぷら炒め物にして食べられる[6][33]

鑑賞用の山野草として、カタクリの球根が販売されている。栽培はむずかしいといわれるが、多くの山野草愛好家によって栽培も行われている[5]。日本各地の群生地では、春の開花時期に合わせて「カタクリ祭り」などが開催されている[34]

350円普通切手の意匠になった。

  • 1994年(平成6年)1月24日発売[35]
  • 2012年(平成24年)7月2日発売[35] 図案変更[36]
  • 2014年(平成26年)3月31日 販売終了[37][38][35]

分布

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日本原産といわれ[33]北東アジア朝鮮半島千島列島サハリンロシア沿海州)と日本に分布する[4]。日本では北海道本州四国九州の平地から山地の林内にかけて広く分布する[13]。主に中部地方・東北地方の山地に多く群生しているが、関西以西、四国、九州では少なく珍しい[5]岡山県では北部の市町村を中心に分布が確認されている[39]。九州では熊本県のみに分布し、日本の南限となっている[40]。比較的日光の差すブナミズナライタヤカエデなどの落葉広葉樹林の林床に群生する。キクザキイチゲとニリンソウなど同時期に同じ場所で開花することがある。スギ林の林床にも生育していることがあるが、花をつける個体は比較的日のよく当たる林縁に限られている[41]鈴鹿山脈北部など石灰岩質の地域に群生地となる例がある[42]。北海道の北見市端野地域の隔離分布した群落が日本の分布域の東端と推定されている[43][44]。昔は日本では落葉広葉樹林のある各地で広く見られたが、近年では乱獲や盗掘、土地開発などによる生育地の減少によって減少している。北アルプスの仙人山[45]の山腹(標高約2,000 m亜高山帯)において、最高所での生育が確認されている[4]。カタクリは数千 - 数万の大群落を作ることがあり、集団の全個体が入れ替わるには13 - 40年程かかると推定されている[46]基準標本は、日本のもの[13]

日本の主な群生地

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鳩吹山の群生地(飛騨木曽川国定公園内)

田中澄江が『花の百名山』で奥多摩三山御前山を代表する花の一つとして紹介し[47]、『新・花の百名山』で三毳山を代表する花の一つとして紹介した[48][49]。最近では人工的に増殖した上で野山に植えられて、観光名所になっている所が多数ある。

天然記念物

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佐野市の「カタクリの花」
昭和50年代後半に栃木県の三毳山の北斜面に約1.5 haの規模でかたくりの花が群生していることが確認され、地元住民により育成保護された。1987年(昭和62年)に、市の天然記念物に指定された[58]
太田市の「丸山薬師のカタクリ群生地」
群馬県太田市丸山町の約0.3 haの群生地が、2005年(平成17年)3月28日に市の天然記念物に指定された[59]
みどり市の「カタクリ群生地」
群馬県みどり市笠懸町阿左美の約2.4 haの群生地が、1994年(平成6年)7月26日に市の天然記念物に指定された[60]
飯能市の「カタクリ・イカリソウの群落」
埼玉県飯能市岩渕の群落が、1973年(昭和48年)7月1日に市の天然記念物に指定された[61]
柏市の「カタクリ群生地」
千葉県柏市逆井の群生地が、市の天然記念物に指定されている[62]
富里市の「センダイタイゲキ及びカタクリ自生地」
千葉県富里市の自生地が、市の天然記念物に指定されている[63]
相模原市の「カタクリの自生地」
神奈川県相模原市緑区牧野の自生地が、1988年(昭和53年)6月23日に当時の津久井郡藤野町の天然記念物に指定された[64]
茅野市の「だいもんじ・亀石周辺のカタクリの群生地」
長野県茅野市宮川西茅野の群生地が、1982年(昭和57年)4月30日に市の天然記念物に指定された[65]
島田市の「牧之原公園斜面のカタクリ」
1985年(昭和60年)5月28日に当時の静岡県榛原郡金谷町の天然記念物に指定された[66]
高山市の「カタクリ群生地」
岐阜県高山市清見町大原の0.4 haの群生が市の天然記念物に指定されている[67]
三次市の「カタクリ」
広島県三次市のダムサイトの群落が、市の天然記念物に指定されている[68]

種の保全状況評価

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日本の多くの都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている[69]。四国と九州での分布は極一部に限られ絶滅が危惧されている[70]上信越高原国立公園中部山岳国立公園白山国立公園などで自然公園指定植物となっている[71]

文化

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文学

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750年(天平勝宝2年)3月2日、大伴家持越中国司として富山県を訪問した際に、「もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花」(万葉集・巻18・4143番)と詠い、カタクリが「堅香子(かたかご)」として詠まれている[81][82]島根県鹿足郡吉賀町樋口の「かたくりの里」には、この詩を刻んだ「六日市万葉歌碑」の石碑がある[83]。この他にも、新村出加藤知世子の作品など、カタクリには明るい詩歌の類が多い[81]。鹿の子模様の葉にも独特の趣があり、宮沢賢治は『山男の四月』で秋鮭の腹にあるまだら模様に例えて、カタクリの葉の模様の見え方が変化する様子を表現している[81]

松浦武四郎安政年間に蝦夷地を探検し、その後の本で当時のアイヌ人の食用植物として「延胡索黒百合、山慈姑、車百合菱実」の5種を絵つきで記している。そこで記されている「山慈姑」はカタクリのことである[32]

市町村指定の花

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カタクリは日本の多数の市町村の花に指定されている。また合併前に指定されていた。

市の花

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町の花

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村の花

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メディア

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書籍

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  • 『カタクリ花の旅のひみつ』北隆館〈日本列島花maps〉、1993年1月。ISBN 4832602705 
  • 瀬川強『西和賀カタクリの里』熊谷印刷出版部、2005年3月28日。ISBN 4877202870 
  • 高橋喜平『カタクリの里-神秘にみちた花のひみつ』大日本図書〈子ども科学図書館〉、1987年3月。ISBN 4477165781 

写真集

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テレビ番組

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  • 『花の自然誌 カタクリ 開花・8年目のめざめ』 NHK総合テレビ、1990年2月18日放送[23]
  • 『にっぽん花物語カタクリ』 NHK総合テレビ、1995年1月29日放送[84]
  • 『花の百名山 三毳山(みかもやま) カタクリ』 BS2、1995年4月5日放送[49]
  • 『ふるさと自然発見 カタクリの花咲く里〜秋田・西木村〜』 NHK総合テレビ、1995年5月27日放送[85]
  • 『ふるさと自然発見 山一面のカタクリ大群落 〜北海道・旭川市〜』 NHK総合テレビ、1997年5月31日放送[86]
  • 『北の大地の春』 さわやか自然百景・NHK総合 2005年5月22日放送[50]
  • モリゾー・キッコロ 森へいこうよ!カワイさ満開!春を呼ぶ妖精たち』 NHK教育テレビ、2010年5月2日放送[19]

ギャラリー

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カタクリ属

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ユリ科に属するカタクリ属 (Erythronium L.)[87]には、ユーラシア大陸の大陸温帯域に4種、北米大陸に20種がある[88]。日本に分布するのはこのカタクリ (Erythronium japonicum) のみである。属の学名のErythroniumは、ヨーロッパで赤い花を咲かせる種のギリシャ語の「赤い」 (erythros) に由来する[89]

Erythronium americanum Ker-Gawl.
北アメリカ東部に分布し、栄養繁殖を行い黄色い花を咲かせる。
キバナカタクリ (Erythronium grandiflorum Pursh.)
主にアメリカカナダ南部の亜高山帯に分布している。
Erythronium caucasicum Woronow
イラン北部に分布する。
カタクリ (Erythronium japonicum Decne.)
日本に分布するカタクリ属の唯一の種。
Erythronium oregonum Applegate
北アメリカ西部に分布し、白い花を咲かせる。
Erythronium sibiricum (Fisch. et C.A.Mey.) Krylov
中央アジアからシベリアにかけてに分布し、日本のカタクリの花に似ている。

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 同様の例はスミレなどにも見られる

出典

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Erythronium japonicum Decne.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年4月30日閲覧。
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  3. ^ 大嶋敏昭監修 2002, p. 112.
  4. ^ a b c d e f 植物生活史図鑑 (2004)、1頁
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  7. ^ a b c d e f g h 田中孝治 1995, p. 78.
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  10. ^ a b c 菱山忠三郎 2014, p. 79.
  11. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Erythronium japonicum Decne. f. leucanthum (I.Yamam. et Tsukam.) Okuyama”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年4月30日閲覧。
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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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