秩父郡
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人口34,613人、面積351.85km²、人口密度98.4人/km²。(2024年11月1日、推計人口)
以下の4町1村を含む。
郡域
[編集]上記5町村以外では、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。
歴史
[編集]→詳細は「秩父地方 § 歴史」を参照
古代には、良質な馬産地かつ銅産地であり、それを財政的な基盤にして国造(知知夫国造)や秩父氏の輩出をみた。
令制国の制定以前には、知知夫国(ちちぶのくに)として一国をなしていた時期も存在していた。
近世以降の沿革
[編集]- 寛文年間 - 児玉郡出牛村と加増村が金沢村に合併[1]。
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。●は村内に寺社領が存在。幕府領は木村飛騨守支配所(関東在方掛)、伊奈半左衛門支配所が管轄。(1町85村)
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領(木村) | 20村 | 南川村、河原沢村、三山村、薄村、白井差村、上吉田村、大淵村、野巻村、芦ヶ久保村、古大滝村、新大滝村、中津川村、下名栗村、上名栗村、奥沢村、白石村、大野村、椚平村、●御堂村、三峰村 |
幕府領(伊奈) | 1村 | 蒔田村 | |
旗本領 | 1町 33村 |
●南村、●高山村、小鹿野町、飯田村、伊豆沢村、下小鹿野村、般若村、品沢村、長留村、小森村、日尾村、藤倉村、石間村、太田部村、上日野沢村、阿熊村、下吉田村、久長村、伊古田村、堀切村、下日野沢村、小柱村、金崎村、太田村、野上下郷、矢那瀬村、中野上村、本野上村、金沢村、矢納村、●田村郷、小野原村、大内沢村、●坂本村 | |
藩領 | 武蔵忍藩 | 22村 | ●山田村、横瀬村、●大宮郷、栃谷村、定峰村、三沢村、黒谷村、大野原村、皆野村、下田野村、井戸村、岩田村、金尾村、風布村、別所村、久那村、下影森村、上影森村、浦山村、上田野村、白久村、日野村 |
上野前橋藩 | 5村 | ●坂石村、●坂石町分、●坂元村、北川村、贄川村 | |
幕府領・藩領 | 幕府領(木村)・因幡鳥取藩 | 1村 | 寺尾村 |
幕府領(木村)・前橋藩 | 2村 | 皆谷村、●安戸村 | |
旗本領・武蔵川越藩 | 1村 | 藤谷淵村 |
- 慶応4年
- 明治4年
- 1873年(明治6年)6月15日 - 入間県が群馬県(第1期)と合併して熊谷県となる。
- 1874年(明治7年) - 白井差村が薄村に編入。(1町84村)
- 1876年(明治9年)8月21日 - 第2次府県統合により、熊谷県が武蔵国の管轄地域を埼玉県に合併して群馬県(第2期)に改称。当郡域は埼玉県の管轄となる。
- 1877年(明治10年) - 古大滝村・新大滝村が合併して大滝村となる。(1町83村)
- 1879年(明治12年)3月17日 - 郡区町村編制法の埼玉県での施行により、行政区画としての秩父郡が発足。郡役所を大宮郷(現在の埼玉県秩父地方庁舎の位置)に設置。
町村制以降の沿革
[編集]- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(2町31村)
- 大宮町 ← 大宮郷、別所村(現・秩父市)
- 横瀬村、芦ヶ久保村(それぞれ単独村制。現・横瀬町)
- 高篠村 ← 山田村、栃谷村、定峰村(現・秩父市)
- 原谷村 ← 大野原村、黒谷村(現・秩父市)
- 皆野村、三沢村(それぞれ単独村制。現・皆野町)
- 白鳥村 ← 下田野村(現・皆野町)、風布村、金尾村(現・大里郡寄居町)、岩田村、井戸村(現・長瀞町)
- 樋口村 ← 野上下郷、矢那瀬村(現・長瀞町)
- 野上村 ← 本野上村、中野上村、藤谷淵村(現・長瀞町)
- 国神村 ← 大淵村、金崎村、野巻村(現・皆野町)
- 金沢村(単独村制。現・皆野町)
- 矢納村(単独村制。現・児玉郡神川町)
- 日野沢村 ← 上日野沢村、下日野沢村(現・皆野町)
- 下吉田村 ← 下吉田村、久長村、阿熊村(現・秩父市)
- 大田村 ← 太田村、小柱村、堀切村、品沢村、伊古田村(現・秩父市)
- 尾田蒔村 ← 寺尾村、田村郷、蒔田村(現・秩父市)
- 長若村 ← 長留村、般若村(現・小鹿野町)
- 小鹿野町 ← 小鹿野町、下小鹿野村、伊豆沢村(現・小鹿野町)
- 上吉田村 ← 上吉田村、石間村、太田部村(現・秩父市)
- 倉尾村 ← 藤倉村、日尾村(現・小鹿野町)
- 三田川村 ← 三山村、飯田村、河原沢村(現・小鹿野町)
- 両神村 ← 薄村、小森村(現・小鹿野町)
- 大滝村 ← 大滝村、中津川村、三峰村(現・秩父市)
- 白川村 ← 白久村、贄川村(現・秩父市)
- 中川村 ← 上田野村、小野原村、日野村、久那村(現・秩父市)
- 浦山村(単独村制。現・秩父市)
- 影森村 ← 上影森村、下影森村(現・秩父市)
- 名栗村 ← 上名栗村、下名栗村(現・飯能市)
- 吾野村 ← 坂石村、坂元村、南村、南川村、北川村、高山村、坂石町分(現・飯能市)
- 大椚村 ← 大野村、椚平村(現・比企郡ときがわ町)
- 槻川村 ← 坂本村、皆谷村、白石村、大内沢村(現・東秩父村)
- 大河原村 ← 御堂村、奥沢村、安戸村(現・東秩父村)
- 1893年(明治26年)1月18日 - 中川村の一部(大字久那)が分立して久那村が発足。(2町32村)
- 1896年(明治29年)8月1日 - 郡制を施行。
- 1916年(大正5年)1月1日 - 大宮町が秩父町に改称。
- 1921年(大正10年)7月1日 - 吾野村・名栗村の所属郡が入間郡に変更され、郡より離脱。(2町30村)
- 1923年(大正12年)
- 1926年(大正15年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 1928年(昭和3年)
- 1940年(昭和15年)2月15日 - 野上村が町制施行して野上町となる。(5町27村)
- 1943年(昭和18年)
- 1946年(昭和21年)12月1日 - 美野町が分村して皆野町・三沢村・国神村・日野沢村・金沢村・大田村を再置。(5町24村)
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 矢納村の所属郡が児玉郡に変更され、郡より離脱。(5町23村)
- 1950年(昭和25年)4月1日 - 秩父町が市制施行して秩父市となり、郡より離脱。(4町23村)
- 1954年(昭和29年)
- 1955年(昭和30年)
- 1956年(昭和31年)
- 1957年(昭和32年)
- 3月31日 - 三沢村が皆野町に編入。(5町7村)
- 5月3日 - 高篠村・大田村が秩父市に編入。(5町5村)
- 1958年(昭和33年)5月31日 - 影森町が秩父市に編入。(4町5村)
- 1972年(昭和47年)11月1日 - 野上町が長瀞町に改称。
- 1984年(昭和59年)10月1日 - 横瀬村が町制施行して横瀬町となる。(5町4村)
- 2005年(平成17年)
- 4月1日 - 吉田町・荒川村・大滝村が秩父市と合併し、改めて秩父市が発足、郡より離脱。(4町2村)
- 10月1日 - 小鹿野町・両神村が合併し、改めて小鹿野町が発足。(4町1村)
変遷表
[編集]自治体の変遷
1889年以前 | 1889年4月1日 | 1889年 - 1928年 | 1929年 - 1944年 | 1945年 - 1959年 | 1960年 - 1989年 | 1989年 - 現在 | 現在 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本野上村 中野上村 藤谷淵村 |
野上村 | 野上村 | 1940年2月15日 町制 |
野上町 | 1972年11月1日 改称 長瀞町 |
長瀞町 | 長瀞町 | |
野上下郷 矢那瀬郷 |
樋口村 | 樋口村 | 1943年9月8日 野上町に編入 | |||||
岩田村 井戸村 |
白鳥村 | 白鳥村 | 1943年9月8日 野上町に編入 | |||||
風布村 金尾村 |
1943年9月8日 大里郡寄居町に編入 |
1955年2月11日 大里郡寄居町の一部 |
大里郡 寄居町 |
大里郡 寄居町 |
大里郡 寄居町 | |||
下田野村 | 1943年9月8日 美野町 |
1946年12月1日 皆野町 |
1955年3月1日 皆野町 |
皆野町 | 皆野町 | 皆野町 | ||
皆野村 | 皆野村 | 1928年11月1日 町制 | ||||||
大淵村 金崎村 野巻村 |
国神村 | 国神村 | 1946年12月1日 国神村 | |||||
金沢村 | 金沢村 | 金沢村 | 1946年12月1日 金沢村 | |||||
上日野沢村 下日野沢村 |
日野沢村 | 日野沢村 | 1946年12月1日 日野沢村 | |||||
三沢村 | 三沢村 | 三沢村 | 1946年12月1日 三沢村 |
1957年3月31日 皆野町に編入 | ||||
太田村 小柱村 堀切村 品沢村 伊古田村 |
大田村 | 大田村 | 1946年12月1日 大田村 |
1957年5月3日 秩父市に編入 |
秩父市 | 2005年4月1日 秩父市 |
秩父市 | |
大宮郷 別所村 |
大宮町 | 1916年1月1日 改称 秩父町 |
秩父町 | 1950年4月1日 市制 | ||||
大野原村 黒谷村 |
原谷村 | 原谷村 | 原谷村 | 1954年5月3日 秩父市に編入 | ||||
寺尾村 田村郷 蒔田村 |
尾田蒔村 | 尾田蒔村 | 尾田蒔村 | |||||
山田村 栃谷村 定峰村 |
高篠村 | 高篠村 | 高篠村 | 1957年5月3日 秩父市に編入 | ||||
上影森村 下影森村 |
影森村 | 影森村 | 影森村 | 1956年9月30日 町制 |
1958年5月31日 秩父市に編入 | |||
浦山村 | 浦山村 | 浦山村 | 浦山村 | 1956年9月30日 影森村に編入 | ||||
久那村 | 中川村 | 1893年1月18日 分立 久那村 |
久那村 | 1954年11月3日 秩父市に編入 | ||||
上田野村 小野原村 日野村 |
中川村 | 1943年2月11日 荒川村 |
荒川村 | 荒川村 | ||||
白久村 贄川村 |
白川村 | 白川村 | ||||||
下吉田村 久長村 阿熊村 |
下吉田村 | 1928年11月10日 町制改称 吉田町 |
吉田町 | 1956年8月1日 吉田町 |
吉田町 | |||
上吉田村 石間村 太田部村 |
上吉田村 | 上吉田村 | 上吉田村 | |||||
大滝村 中津川村 三峰村 |
大滝村 | 大滝村 | 大滝村 | 大滝村 | 大滝村 | |||
小鹿野町 | 小鹿野町 | 小鹿野町 | 小鹿野町 | 1955年4月1日 小鹿野町 |
1956年3月31日 小鹿野町 |
小鹿野町 | 2005年10月1日 小鹿野町 |
小鹿野町 |
下小鹿野村 伊豆沢村 | ||||||||
長留村 般若村 |
長若村 | 長若村 | 長若村 | |||||
藤倉村 日尾村 |
倉尾村 | 倉尾村 | 倉尾村 | 倉尾村 | ||||
三山村 飯田村 河原沢村 |
三田川村 | 三田川村 | 三田川村 | 三田川村 | ||||
薄村 小森村 |
両神村 | 両神村 | 両神村 | 両神村 | 両神村 | |||
横瀬村 | 横瀬村 | 横瀬村 | 横瀬村 | 1955年2月11日 横瀬村 |
1984年10月1日 町制 |
横瀬町 | 横瀬町 | |
芦ヶ久保村 | 芦ヶ久保村 | 芦ヶ久保村 | 芦ヶ久保村 | |||||
坂本村 皆谷村 白石村 大内沢村 |
槻川村 | 槻川村 | 槻川村 | 1956年8月1日 東秩父村 |
東秩父村 | 東秩父村 | 東秩父村 | |
御堂村 奥沢村 安戸村 |
大河原村 | 大河原村 | 大河原村 | |||||
坂石村 坂元村 南川村 南村 北川村 高山村 坂石村町分 |
吾野村 | 1921年7月1日 入間郡 |
入間郡 吾野村 |
1956年9月30日 飯能市に編入 |
飯能市 | 飯能市 | 飯能市 | |
上名栗村 下名栗村 |
名栗村 | 1921年7月1日 入間郡 |
入間郡 名栗村 |
入間郡 名栗村 |
入間郡 名栗村 |
2005年1月1日 飯能市に編入 | ||
大野村 椚平村 |
大椚村 | 大椚村 | 大椚村 | 1955年2月11日 比企郡都幾川村の一部 |
比企郡 都幾川村 |
2006年2月1日 比企郡ときがわ町の一部 |
比企郡 ときがわ町 | |
矢納村 | 矢納村 | 矢納村 | 矢納村 | 1948年4月1日 児玉郡 |
1954年4月1日 児玉郡神泉村の一部 |
児玉郡 神泉村 |
2006年1月1日 児玉郡神川町の一部 |
児玉郡 神川町 |
行政
[編集]- 歴代郡長
特記なき場合『埼玉県秩父郡誌』による[3]。
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 宮澤直蔵 | 1879年(明治12年)3月20日 | 1879年(明治12年)3月26日 | |
2 | 伊藤栄 | 1879年(明治12年)3月26日 | 1886年(明治19年)1月12日 | 埼玉県入間郡長に転任 |
3 | 中村孫兵衛 | 1886年(明治19年)1月12日 | 1886年(明治19年)8月31日 | |
4 | 鎌田沖太 | 1886年(明治19年)8月31日 | 1890年(明治23年)12月27日 | |
5 | 阪本与惣次郎 | 1890年(明治23年)12月27日 | 1893年(明治26年)9月20日 | 埼玉県北埼玉郡長より就任 |
6 | 平井光長 | 1893年(明治26年)9月20日 | 1894年(明治27年)7月4日 | 埼玉県入間郡長に転任 |
7 | 小泉寛則 | 1894年(明治27年)7月4日 | 1897年(明治30年)6月29日 | 埼玉県北足立・新座郡長より就任 |
8 | 阪本与惣次郎 | 1897年(明治30年)6月29日 | 1903年(明治36年)1月21日 | 5代の再任 埼玉県比企郡長より就任、埼玉県北埼玉郡長に転任 |
9 | 奥田栄之助 | 1903年(明治36年)1月21日 | 1908年(明治41年)3月27日 | 埼玉県南埼玉郡長に転任 |
10 | 佐野貞治郎 | 1908年(明治41年)3月27日 | 1910年(明治43年)4月11日 | |
11 | 戸田五郎彦 | 1910年(明治43年)4月11日 | 1917年(大正6年)2月10日 | |
12 | 安藤袈裟一 | 1917年(大正6年)2月10日 | 1919年(大正8年)12月4日 | |
13 | 武田熊蔵 | 1919年(大正8年)12月17日 | 1921年(大正10年)6月23日 | 埼玉県比企郡長より就任、埼玉県大里郡長に転任 |
14 | 関口類作 | 1921年(大正10年)6月23日 | 1924年(大正13年)12月16日 | 埼玉県入間郡長に転任 |
15 | 岡松生 | 1924年(大正13年)12月16日 | 大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
[編集]- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』239-240頁。
- ^ 下川耿史 『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p361 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
- ^ 秩父郡教育会 1925, 276-277頁.
参考文献
[編集]- 秩父郡教育会 編『埼玉県秩父郡誌』秩父郡教育会、1925年 。
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 11 埼玉県、角川書店、1980年7月1日。ISBN 4040011104。
- 旧高旧領取調帳データベース
外部リンク
[編集]- 『新編武蔵国風土記稿』秩父郡 - 江戸時代に描かれた秩父郡