オーギュストロダン (競走馬)
オーギュストロダン | ||||||||||||||||||||||||
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欧字表記 | Auguste Rodin[1] | |||||||||||||||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||||||||||||||
性別 | 牡[1] | |||||||||||||||||||||||
毛色 | 青鹿毛[1] | |||||||||||||||||||||||
生誕 | 2020年1月26日(4歳)[1] | |||||||||||||||||||||||
父 | ディープインパクト[1] | |||||||||||||||||||||||
母 | ロードデンドロン[1] | |||||||||||||||||||||||
母の父 | ガリレオ[1] | |||||||||||||||||||||||
生国 | アイルランド[1] | |||||||||||||||||||||||
生産者 | クールモアスタッド | |||||||||||||||||||||||
馬主 | ||||||||||||||||||||||||
調教師 | エイダン・オブライエン | |||||||||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||||||||
生涯成績 | 14戦8勝[1] | |||||||||||||||||||||||
獲得賞金 |
608万2430US$[2] (2024年9月14日現在) | |||||||||||||||||||||||
WBRR | L125 / 2023年[3] | |||||||||||||||||||||||
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オーギュストロダン(Auguste Rodin、2020年1月26日 - )は、アイルランドの競走馬[1]。
ディープインパクトのラストクロップ(最終世代)である[4]。母ロードデンドロンがディープインパクトと交配するため日本のノーザンファームにて預託され、受胎した後に帰国し、アイルランドのクールモアスタッドで生産された。
主な勝ち鞍は2022年のフューチュリティトロフィー、2023年のダービーステークス、アイリッシュダービー、アイリッシュチャンピオンステークス、ブリーダーズカップターフ、2024年のプリンスオブウェールズステークス。
戦績
[編集]2歳(2022年)
[編集]2022年6月1日カラ競馬場の未勝利戦でライアン・ムーアを背にデビューして2着。7月2日ネース競馬場の未勝利戦でシェーミー・ヘファナンを背に初勝利を挙げる[5]。
再びライアン・ムーアを背にチャンピオンズジュベナイルステークス(G2)に出走。後続に1馬身1/2差を付けて快勝した[6]。
続いてフューチュリティトロフィー(G1)に出走、1番人気に支持された。後続に3馬身1/2差をつけて快勝し、G1初制覇を果たした[7]。
3歳(2023年)
[編集]5月6日2000ギニーステークス(G1)では1番人気に支持されるもシャルディーンの12着と惨敗した[8]。
6月3日ダービーステークス(G1)ではミリタリーオーダー[注 1]に並ぶ2番人気タイの支持を受けた。レースでは中団後方から追走、直線で末脚を繰り出して先に抜け出したキングオブスティールを差し切り勝利した[10][注 2]。
7月2日アイリッシュダービー(G1)では単勝1.3倍という断然の1番人気で出走[11]。道中は3番手を追走。最後は僚馬であるアデレードリバーを競り落とし英愛ダービー制覇を果たした。鞍上のムーアは自身初となるアイリッシュダービー制覇となった[12]。
7月29日のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)では1番人気で出走するもフクムの10着(最下位)と大敗した[13]。
9月9日にアイリッシュチャンピオンステークス(G1)に1番人気で出走し、前年優勝馬ルクセンブルグに半馬身差を付けて勝利した[14]。
11月4日にブリーダーズカップ・ターフ(G1)に出走、アップトゥザマークに勝利した。なお、エイダン・オブライエン調教師はインタビューにて「BCターフがオーギュストロダンのラストランになるか」という問いに対し「たぶんそうなると思う」と答えている。しかし、クールモアスタッドのマイケル・ヴィンセント・マグナーは現役続行の可能性を示唆している[15]。
カルティエ賞の年度代表馬・最優秀3歳牡馬の候補となるが[16]、最終的にはエースインパクトが選ばれ受賞を逃した[17]。
その後、2024年シーズンも現役を続行すると表明した[18]。
4歳(2024年)
[編集]1月23日、ドバイシーマクラシックで始動する可能性があることが、本馬を管理するエイダン・オブライエン調教師から海外メディアに明かされた。また、その後はタタソールズゴールドカップやプリンスオブウェールズステークスも視野に入れていることも明かされた。また、「ダートを試すかもしれない」とも話しており、秋は前年挑戦しなかったブリーダーズカップ・クラシックへの挑戦も選択肢に入ってる模様である[19]。
迎えた3月30日のドバイシーマクラシック(G1)はJRAオッズで2番人気となるも、レベルスロマンスの12着(最下位)に敗れた[20]。続いて5月26日のタタソールズゴールドカップ(G1)に1番人気で出走するもホワイトバーチの2着に敗れた[21]。
6月19日のプリンスオブウェールズステークス(G1)では1番人気で出走[22]。ザラケムを3/4馬身差で下して勝利を挙げた[23]。
その後は7月27日のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)に1番人気で出走するもゴリアットの5着に敗れた[24]。
その後、秋は9月14日のアイリッシュチャンピオンステークスに出走後、11月24日のジャパンカップを目標とする意向をエイダン・オブライエン調教師が明らかにしている[25]。アイリッシュチャンピオンステークスではエコノミクスとクビ差の2着に敗れた[26]。
出走を予定していた凱旋門賞は出走登録だけでとどめて、回避することになり[27]、9月27日、ジャパンカップを最後に現役を引退し2025年よりクールモアスタッドで種牡馬入りすることが発表された[28]。
競走成績
[編集]以下の内容は、Sky sports[29]およびRacing Post[30]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 馬場・距離 (馬場状態) |
頭数 | ゲート 番 |
馬番 | オッズ (人気) |
着順 | タイム | 着差 | 騎手 | 斤量 [lbs] |
1着馬(2着馬) |
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2022. 6. 1 | カラ | 未勝利戦 | 芝7F (Gd) | 9 | 2 | 2 | 1.67(1人) | 2着 | (2馬身+1⁄4) | R. ムーア | 131 | Crypto Force | ||
7. 2 | ネース | 未勝利戦 | 芝7F (Y) | 13 | 6 | 2 | 1.3(1人) | 1着 | 1:31.53 | 2馬身 | S. ヘファナン | 133 | (Shadowed) | |
9.10 | レパーズタウン | チャンピオンズJS | G2 | 芝8F (St) | 5 | 5 | 2 | 2.1(1人) | 1着 | 1:45.25 | 1馬身+1⁄2 | R. ムーア | 131 | (Caroline Street) |
10.22 | ドンカスター | フューチュリティT | G1 | 芝8F (Hy) | 8 | 6 | 1 | 3.25(1人) | 1着 | 1:44.76 | 3馬身+1⁄2 | R. ムーア | 129 | (Epictetus) |
2023. 5. 7 | ニューマーケット | 英2000ギニー | G1 | 芝8F (St) | 14 | 12 | 1 | 2.63(1人) | 12着 | (22馬身) | R. ムーア | 128 | Chaldean | |
6. 3 | エプソム | 英ダービー | G1 | 芝12F6y (GF) | 14 | 10 | 4 | 5.5(2人) | 1着 | 2:33.88 | 1⁄2馬身 | R. ムーア | 128 | (King Of Steel) |
7. 2 | カラ | 愛ダービー | G1 | 芝12F (Gd) | 9 | 1 | 2 | 1.3(1人) | 1着 | 2:33.24 | 1馬身+1⁄2 | R. ムーア | 128 | (Adelaide River) |
7.29 | アスコット | KGVI & QES | G1 | 芝12F (GS) | 10 | 11 | 10 | 3.25(1人) | 10着 | (126馬身+3⁄4) | R. ムーア | 124 | Hukum | |
9. 9 | レパーズタウン | 愛チャンピオンS | G1 | 芝10F (Gd) | 8 | 2 | 7 | 3.75(1人) | 1着 | 2:02.68 | 1⁄2馬身 | R. ムーア | 129 | (Luxembourg) |
11. 4 | サンタアニタパーク | BCターフ | G1 | 芝12F (Fm) | 11 | 4 | 5 | 3.5(1人) | 1着 | 2:24.30 | 3⁄4馬身 | R. ムーア | 122 | (Up to the Mark) |
2024. 3.30 | メイダン | ドバイSC | G1 | 芝2410m(Gd) | 12 | 7 | 9 | 3.5(2人) | 12着 | (21馬身3⁄4) | R. ムーア | 125 | Rebel's Romance | |
5.26 | カラ | タタソールズGC | G1 | 芝10F110y (GY) | 8 | 7 | 1 | 2.1(1人) | 2着 | (3馬身) | R. ムーア | 131 | White Birch | |
6.19 | アスコット | プリンスオブウェールズS | G1 | 芝10F (GF) | 10 | 3 | 2 | 2.63(1人) | 1着 | 2:03.12 | 3⁄4馬身 | R. ムーア | 128 | (Zarakem) |
7.27 | アスコット | KGVI & QES | G1 | 芝12F (GF) | 9 | 2 | 1 | 2.7(1人) | 5着 | (11馬身1⁄2) | R. ムーア | 135 | Goliath | |
9.14 | レパーズタウン | 愛チャンピオンS | G1 | 芝10F (Gd) | 8 | 4 | 1 | 2.7(1人) | 2着 | (クビ差) | R. ムーア | 135 | Economics |
- 競走成績は2024年9月14日現在
血統表
[編集]オーギュストロダンの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 鹿毛 2002 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 青鹿毛 1986 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘアWind in Her Hair 鹿毛 1991 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 *ロードデンドロン 鹿毛 2014 |
Galileo 鹿毛 1998 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | ||||
Urban Sea | Miswaki | |||
Allegretta | ||||
母の母 Halfway To Heaven黒鹿毛 2005 |
Pivotal | Polar Falcon | ||
Fearless Revival | ||||
Cassandra Go | Indian Ridge | |||
Rahaam | ||||
母系(F-No.) | 3号族(FN:3-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer M4×S5 | [§ 4] | ||
出典 |
- 母ロードデンドロンは2016年フィリーズマイルなどGI3勝、その全妹Magicalは2019年チャンピオンステークスなどGI7勝。
- 祖母Halfway to Heavenは2008年アイリッシュ1000ギニーなどGI3勝。
- 母の従兄弟に2015年ロデオドライブステークス・2016年ファーストレディステークス勝ち馬のフォトコール、2022年BCジュヴェナイルターフ勝ち馬のVictoria Roadがいる。
- 5代母Fager's Gloryを祖とする牝系からは、ほかに2014年優駿牝馬勝ち馬のヌーヴォレコルト、2018年メルボルンカップ勝ち馬のCross Counter、2021年JBCクラシック勝ち馬のミューチャリーが出ている。
- そのほかの近親はネイティヴストリート#主要なファミリーラインを参照。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ダービートライアルステークスの優勝馬。2021年の英ダービー馬アダイヤーの全弟[9]。
- ^ この勝利により父ディープインパクトは産駒全13世代によるクラシック制覇を成した。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k “Auguste Rodin(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “Auguste Rodin(IRE)”. Equibase 2024年6月22日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
- ^ “オーギュストロダンG1初制覇 ディープインパクト最終世代から待望のG1ウイナーが誕生|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “オーギュストロダン(Auguste Rodin) | 競馬データベース | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年6月3日閲覧。
- ^ “ディープ産駒オーギュストロダン、愛2歳G2を快勝で来春のクラシック戦線に名乗り”. JRA-VAN ver.World. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “ディープ産駒オーギュストロダンが英2歳G1フューチュリティTを完勝、オブライエン師は11勝目”. JRA-VAN ver.World. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “前哨戦で落馬のシャルディーンが英2000ギニーを完勝、ディープ産駒オーギュストロダンは惨敗 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月13日閲覧。
- ^ “アダイヤーの全弟ミリタリーオーダー、英ダービー前哨戦を快勝して1番人気に浮上 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月21日閲覧。
- ^ “オーギュストロダンが英ダービーを快勝! ディープインパクト産駒が歴史的偉業 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年6月4日閲覧。
- ^ “愛ダービー(G1) 2023/7/2(日) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月3日閲覧。
- ^ “オーギュストロダンが愛ダービーも制覇、ハーザンド以来の英愛ダブル達成 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年7月3日閲覧。
- ^ “英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、フクムがウエストオーバーとの激闘を制す | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年8月6日閲覧。
- ^ “オーギュストロダンがG1愛チャンピオンSを快勝、キングジョージの悪夢を払しょく | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年9月10日閲覧。
- ^ “'Dream horse' Auguste Rodin roars to Breeders' Cup Turf glory” (英語). 2023年11月5日閲覧。
- ^ “オーギュストロダン、欧州年度代表馬ファイナリストにノミネート | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年11月21日閲覧。
- ^ “欧州年度代表馬はエースインパクト、オーギュストロダンの受賞ならず | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年11月21日閲覧。
- ^ “【海外競馬】BCターフを制したオーギュストロダンが現役続行へ A.オブライエン師が表明”. netkeiba.com. (2023年11月13日) 2023年11月14日閲覧。
- ^ “G1・5勝のオーギュストロダンがドバイ・シーマクラシックで始動へ リバティアイランドなど日本馬と激突なるか”. 馬トク. 馬トク (2024年1月24日). 2024年2月9日閲覧。
- ^ “結果 | 2024ドバイシーマクラシック | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World. 2024年3月30日閲覧。
- ^ “タタソールズゴールドカップ(G1) 2024/5/26(日) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年5月27日閲覧。
- ^ “プリンスオブウェールズステークス(G1) 2024/6/19(水) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年6月20日閲覧。
- ^ “オーギュストロダンが連敗に終止符、プリンスオブウェールズSで6度目のG1制覇 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年6月20日閲覧。
- ^ “キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1) 2024/7/27(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年7月28日閲覧。
- ^ ディープインパクト産駒オーギュストロダンはジャパンC参戦を明言 Aオブライエン師「速い馬場が好み」 - スポーツ報知 2024年9月4日
- ^ “【愛チャンピオンS】エコノミクスがG1初制覇、シンエンペラー3着 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年9月15日閲覧。
- ^ 「オーギュストロダンは予定通りジャパンCへ、登録継続の凱旋門賞は回避する方向」『スポーツニッポン』2024年10月2日。2024年10月5日閲覧。
- ^ ジャパンCで引退へ…オーギュストロダンは「サドラーズウェルズ、ガリレオと肩を並べる馬だ」日刊スポーツ、2024年9月27日配信・閲覧
- ^ “Auguste Rodin (IRE)”. Sky sports. 2023年4月16日閲覧。
- ^ “Auguste Rodin”. 2023年5月3日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|Auguste Rodin(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年10月23日閲覧。
- ^ “Auguste Rodinの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2023年8月5日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post