イオンエブリ
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒136-0071 東京都江東区亀戸5丁目30番3号 亀戸センタープラザ 2階 |
設立 |
1947年(昭和22年)6月 (株式会社枡新商店) |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 7010001112423 |
事業内容 | 加工食品生鮮食品小売業、加工食品卸売業および商業施設の開発と運営 |
代表者 | 佐藤大(代表取締役社長) |
資本金 | 1億円 |
決算期 | 2月末日 |
主要株主 | イオン株式会社 50% |
特記事項:2023年(令和5年)2月20日清算結了。 商号変更は#沿革を参照。 |
イオンエブリ株式会社(Aeon Every Co., Ltd.)は、かつて関東近県を中心に食品スーパーマーケット・卸売業を展開していたイオングループの企業である。
概要
[編集]前身は、水産食料品の加工・卸売を目的として1947年に株式会社枡新商店(ますしんしょうてん)として創業された。
以来、加工食品卸売業を専業としていたが、1989年に会社名をシートゥーネットワーク株式会社に変更し、1990年代中頃から小売業にも進出し、スーパー「つるかめランド」を展開するようになった。
2003年に英国テスコ(以下「テスコ」)が日本進出を目的に同社を買収。その後、社名もテスコジャパン株式会社となり、従来の「つるかめ」店舗と並行して「テスコ」ブランドの店舗も展開するようになった。ただし諸外国で展開している大型店舗は日本国内には出店せず、首都圏での中型・小型店舗の展開に留まっていた。
2011年、テスコは不振が続く日本での事業から撤退の意向を表明。2013年にイオンが全店舗と従業員の引き受けを条件に、発行済み株式の50%を1円で取得して傘下におさめ、社名は「イオンエブリ」に変更された。譲渡にあたってはテスコが日本法人の負債を肩代わりする他、事業建て直しの為に追加投資も行った上で売却している。その後もテスコとの資本関係は残っていたが、最終的にはテスコが日本から完全撤退し、イオンの完全子会社となった[1]。
イオングループ傘下入りした後は、スクラップアンドビルドによる店舗の閉鎖およびイオングループの同業他社への営業譲渡によって僅か1年あまりで直営店舗を閉鎖して営業を終了した。譲渡された店舗は順次「マックスバリュ」や「アコレ」などの屋号に変更されている(#店舗形態を参照)。法人はその後も存続していたが、2023年に清算結了により消滅した。
沿革
[編集]- 1947年(昭和22年)6月 - 水産食料品の加工・販売を目的として、株式会社枡新商店を設立。
- 1981年(昭和56年)3月 - 株式会社マスシンに商号変更。
- 1989年(平成元年)7月 - シートゥーネットワーク株式会社に商号変更。
- 1994年(平成5年) - 加工食品卸売り専業から、小売り業にも進出し「つるかめランド」を展開。
- 2000年(平成12年)3月10日 - 東証2部に上場。
- 2001年(平成13年)3月1日 - 東証1部に指定替え。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)8月16日 - 埼玉県・千葉県を中心に25店舗展開していたスーパーチェーンのフレックを買収[2]。
- 2007年(平成19年)9月18日 - テスコジャパン株式会社に商号変更。
- 2010年(平成22年)1月 - 埼玉県さいたま市内を中心に5店舗展開していたスーパーチェーンのクリーンストアーを買収。
- 2011年(平成23年)8月31日 - 英テスコが日本からの撤退を表明[3]。
- 2012年(平成24年)6月18日 - イオンが株式の50%を1円で取得する予定であることを発表[4]。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)
- 2023年(令和5年)2月20日 - 清算結了、法人格消滅。
店舗形態
[編集]元々は食料品の卸業者だった経緯から、一部の店舗では生鮮食品(野菜・精肉・鮮魚)や惣菜は外部の業者が販売しており、イオンエブリは加工食品・日配食品・日用品・酒類の販売とレジを担当していた。この形式をとっている店舗ではレシートや折り込み広告に各部門の問い合わせ先が記載、イオンエブリは「つるかめ」と記載されていた。
店舗によってはイオングループで導入している電子マネーWAONやiD・QUICPay・Suica(相互利用が可能な交通系電子マネーを含む)が利用できた。これらの店舗ではWAON・イオンカード利用による各種セール(お客さま感謝デー・お客さまわくわくデーなど)も実施している。店頭にイオン銀行ATMが設置されているところもあり、ATMを利用してWAONのチャージもできる。ターミナル駅構内の駅ビルに出店している店舗では交通系電子マネーのみ利用が可能な箇所も存在した。
これらの取り扱いはイオングループ各社に譲渡後も継続されている。
- つるかめランド・つるかめ
- 食品スーパーマーケット
- 2014年3月31日までに閉鎖、または以下の各社に譲渡された。
- マックスバリュ関東:東京都・千葉県・埼玉県・群馬県の店舗。池上店・幕張店・新松戸店・大牧店は同社へ譲渡後、「マックスバリュエクスプレス」に改装されたほか、立川駅前店・平山団地店など閉鎖後にマックスバリュ関東が「マックスバリュエクスプレス」として開店している店舗もある。2015年までに、群馬県の店舗は閉鎖された。
- マックスバリュ東海:神奈川県内の店舗。順次「マックスバリュエクスプレス」へ屋号変更された。
- TSURUKAME・Tsuru Kame
- イオングループ入りする前に開店した店舗は「TSURUKAME」を用いていたが、旧「TESCO」から屋号変更した目白店、青葉すすき野店、湊新田店と旧「テスコエクスプレス」から屋号変更したみなとみらい店は新ロゴデザインである「Tsuru Kame」表記の店舗となっていた。2014年3月1日にTSURUKAME京王多摩センター店(東京都多摩市)をマックスバリュ関東へ譲渡し、イオンエブリ運営の店舗は消滅。
- ふーどれっとつるかめ
- 加工食品と酒類のみを扱う食料品店。小規模の店舗が多い。WAONの取り扱いはない。2014年2月16日をもって東京都内の8店舗が一斉に閉店した。その後も営業を続けていた川崎店(神奈川県川崎市)も2014年3月1日にマックスバリュ関東へ譲渡し、イオンエブリ運営の店舗は消滅。
- TESCO・TESCOエクスプレス
- テスコグループ傘下入り後に出店した形態。2013年7月までに「Tsuru Kame」への屋号変更などにより消滅した。
- 卸売のC&C
- かつての本業であった卸売り販売を行う現金問屋。2014年3月31日をもって営業を終了。
店舗網の整理・イオングループへの営業譲渡
[編集]前述したように2013年4月以降、店舗網の整理が行われており、同年4月7日につるかめ三保町店を閉店したのを皮切りに、同年8月までに約半数の57店舗を閉鎖。同年3月1日時点では115店舗だった店舗数が58店舗に減少した。2013年9月以降、一旦店舗の閉鎖が中断されていたが、2014年1月以降になって再び店舗網の整理が行われており、同年1月10日に7店舗を閉鎖したのを皮切りに、残りの店舗を閉店や営業譲渡を行い、直営の店舗が消滅した。
これらの店舗の大多数はイオングループの各社に営業を譲渡され、順次「マックスバリュエクスプレス」「アコレ」「まいばすけっと」「イオンリカー」「れこっず」「オリジン弁当」などの業態に転換されている。一部店舗では屋号や業態を変更せずに譲渡を行い、譲渡後に屋号を変更している店舗も存在する。
これら以外にも、イオンエブリが撤退したあとにイオングループ以外の同業他社が居抜き出店している例も存在する[5]。
脚注
[編集]- ^ “【イオン】来年1月1日付けでテスコジャパンに50%出資、社長を派遣”. DF Online (2012年12月3日). 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月2日閲覧。
- ^ “シートゥーネットワーク、フレック買収を完了” (PDF). シートゥーネットワーク (2004年8月16日). 2008年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月2日閲覧。
- ^ “英スーパーのテスコ、日本撤退 「つるかめランド」など運営”. 日本経済新聞 (2011年8月31日). 2024年2月1日閲覧。
- ^ “テスコジャパン株式会社の株式取得について” (PDF). イオングループ (2012‐06-18). 2024年2月2日閲覧。
- ^ 例として、「かめちゅーる海老名店」と「つるかめ田無店」は閉店後それぞれ「ワタナベストアー海老名店」「業務スーパー田無店」としてオープンしている。
外部リンク
[編集]- イオンエブリ株式会社(閉鎖済み、リンク先はインターネットアーカイブ)
- Tesco.com