PlayStation Vita TV
メーカー | ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE) |
---|---|
種別 | 据置型ゲーム機 |
世代 | 第8世代 |
発売日 |
2013年11月14日 →「各国の発売日」も参照 |
CPU | ARM Cortex-A9(4コア) |
GPU | PowerVR SGX543MP4+ |
対応メディア | PlayStation Vitaカード |
対応ストレージ | 専用メモリーカード |
コントローラ入力 |
SIXAXIS DUALSHOCK 3 DUALSHOCK 4(いずれもオプションとして) |
外部接続 |
USB 2.0 イーサネット Bluetooth 2.1+EDR準拠 IEEE 802.11b/g/n HDMI(ブラビアリンク対応) →「仕様」も参照 |
オンラインサービス | Sony Entertainment Network/PlayStation Network |
互換ハードウェア | PlayStation Vita |
PlayStation Vita TV(プレイステーション・ヴィータ ティーヴィー、略称: PS Vita TV)は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(略: SCE)[補足 1]が2013年11月14日に発売した家庭用ゲーム機[1]。海外名はPlayStation TV(プレイステーション ティーヴィー)。
概要
[編集]据え置き型のPlayStation Vita (PS Vita) である[1]。DUALSHOCK 3またはDUALSHOCK 4を繋ぐことで一部のPS Vita用タイトルなどに対応する[2][補足 2]。
欧米では「PlayStation TV」の名称で2014年に発売されたが[5]、ハードウェア的には日本のPS Vita TVと同じとされている[6][補足 3]。
2016年2月末を持って日本国内外で出荷完了とし、発売から約2年3カ月での販売終了となった。SCEは出荷完了の理由について「PlayStation 4 (PS4) とPS Vitaの販売が好調となっており、一定の役割を果たした」としている[9]。
背景
[編集]SCE社長アンドリュー・ハウスによれば、開発は2011年8月ごろから構想され、2012年9月ごろから実際に始まったという。[10]日本ではストリーミングビデオ市場のデファクトスタンダードが存在していないため、スマートテレビ・セットトップボックスの方向を狙ったという[10][11]。そして家族全員で楽しめるようにすることを考え、リビングルームで邪魔にならないよう本体を小さくし価格を一万円を切る安さにしたのだという[10]。
一方で開発担当者は、PS Vita TVがセットトップボックスであるとは思っていないと語っており、ゲームの世界と既存のプラットフォームを拡大することを開発の狙いとして挙げている[2]。また、狙っている客層が違うため、PlayStation 4 (PS4) とニーズを食い合うことはないとも語っている[2]。本体サイズについては、テレビの横にPS4とPS Vita TVの二つの箱が存在する形は望ましくないため、テレビに溶け込んだ雰囲気を作りたかったのだという[2]。また、PSP-2000のように機器の背中からケーブルが出てTVに繋がる状態がPS Vitaのようなモーションコントロールを使う機器にとって本当によいのか疑問があり、TV接続に対応しないPS Vita PCH-2000シリーズとTVに接続されるPS Vita TVに分けることになったのだという[2]。
ハードウェア
[編集]SoCの設計やメモリ容量はPS Vitaと同じである[2]。PS Vitaとは効率のためなるべく共通性をもたせるよう設計されており、システムソフトウェアのアップデートもPS Vitaと同時に行われる[2]。無線LANと有線LANを搭載する。
PS Vitaのゲームの中には一部、PS Vita TVに非対応のソフトも存在する。
BluetoothのHIDプロファイルに対応しているため、キーボードやマウスなどの入力デバイスも使用可能である[12]。
通信カラオケにも対応している[13]。マイクを使う場合はPS Vita TV内に一つだけ存在するUSBAポートを使用。DUALSHOCK 3、DUALSHOCK 4のペアリングにもこのUSB-AポートでコントローラーとPS Vita TV本体を有線接続させる必要がある。コントローラーの最大接続台数は四台である。
PS Vita TVにもPlayStation 3用ゲームなどのクラウドゲーミングサービス (PlayStation Now) が提供されたが、後に終了[10]。
映像の外部出力は、PlayStation 3にあったコンポーネント端子が無くなり、HDMI端子のみとなった。なお、このHDMIにはHDCP(コピーガード)がある。
仕様諸元
[編集]型番 | VTE-1000 |
---|---|
外形寸法 | 約65×105×13.6mm |
質量 | 約110g |
主な端子、スロット |
|
無線通信 |
|
内蔵ストレージ | メモリーカード1GB(メモリーカードスロットにメモリーカード追加時には使用不可) |
映像出力 | 720p/1080i/480p |
音声出力 | LPCM 2ch |
対応コントローラー |
|
リンク機能 | ブラビアリンク対応 |
電源 | ACアダプター DC5V |
消費電力 | 約2.8W |
制限事項
[編集]ソフトウェアやサービスの利用上、PS Vitaとは異なり下記のような制限がある。
- 動作アプリケーションの制限
- SCE側でPS Vita TVにおける動作が確認できていないPS Vitaアプリケーションについては、インストールすることはできても、起動できないようにロックがかけられている[14]。ロックがかけられているアプリケーションはタッチスクリーンやタッチパッドの機能が必須のものが多い。起動できないアプリケーションがインストールできる背景には、アップデートにより動作可能になる場合や、メモリカードをPS Vitaと使いまわす場合が想定されているためである。PS Vita用に提供されているPS/PSP互換タイトルについては、そのまま動作するものが多い。
- リモートプレイの制限
- PS Vitaに提供されているPS3のリモートプレイ機能が提供されていない。PS4のリモートプレイにはシステムソフトウェアver.3.15以降で対応した。
- PSNの制限
- PS VitaとPS Vita TVで同一のPSNアカウントに紐づけすることができるが、その場合には、PS VitaとPS Vita TVとで同時にPSNにログインすることはできない。例えば、PS Vitaでログイン後、PS Vita TVを使用しようとすると、自動ログインを有効にしていても、この排他制限により、PSNへのログインが要求されることがある。
ラインナップ
[編集]日本での発売時には、本体のみの単体版とDUALSHOCK 3、メモリーカード8GBを同梱したセット版 (Value Pack) の二つのバージョンが販売された[1]。 また、一部のゲーム作品発売記念として、オリジナルグッズが特典として付属した刻印モデルがソニーストア限定で販売された。
- VTE-1000 AB01
- PS Vita TV本体単体、2013年11月14日発売、発売当時の価格は9,480円(税抜)。2016年2月に出荷完了。
- VTE-1000 AA01(バリューパック)
- PS Vita TV本体、 8GBメモリカード、DUALSHOCK 3、USBケーブル付属、2013年11月14日発売、発売当時の価格は14,280円(税抜)。2015年10月に出荷完了。
各国の発売日
[編集]国・地域 | 発売日 |
---|---|
日本 | 2013年11月14日 |
韓国 | 2014年1月16日[15] |
北米 | 2014年10月14日[16] |
欧州 | 2014年11月14日[16] |
オーストラリア | 2014年11月14日[17] |
東南アジア5か国[18] | 2014年1月16
日 |
セーシェル | 2015年3月14日 |
周辺機器・アクセサリー
[編集]純正
[編集]型番 | 名称 | 備考 |
---|---|---|
PCH-Z041J | メモリーカード 4GB | |
PCH-Z081J | メモリーカード 8GB | |
PCH-Z161J | メモリーカード 16GB | |
PCH-Z321J | メモリーカード 32GB | |
PCH-Z641J | メモリーカード 64GB | |
PDEL-100 | ACアダプタ | 本体同梱。 |
CECH-ZC1J | ワイヤレスコントローラ (SIXAXIS) | PS3のコントローラ。振動機能なし。 |
CECH-ZC2J | ワイヤレスコントローラ (DUALSHOCK 3) | PS3のコントローラ。振動機能付き。 |
CECH-ZKB1JP | ワイヤレスキーボード | |
CECH-ZRC1J | BDリモートコントローラ | 単三乾電池2本必要。 |
CEJH-15012 | ワイヤレスヘッドセット | |
CEJH-15014 | HDMIケーブル 2.0m | 本体同梱。 |
CUH-ZCT1J | ワイヤレスコントローラ (DUALSHOCK 4) | PS4のコントローラ。Bluetooth接続のみ対応。 |
CUH-ZCT2J | PS4のコントローラ。Bluetooth接続、有線接続に対応。 | |
電源コード | 本体同梱。 | |
USBケーブル 1.5m | Mini B端子のUSBケーブル。バリューパックに付属。 | |
USBケーブル 1.5m | Micro B端子のUSBケーブル。PS4に付属。 | |
ECM-PCV80U | エレクトレットコンデンサーマイクロホン | JOYSOUND.TV Plus等で使用可能なマイク。 |
ソフトウェア
[編集]発売 | タイトル | 発売元メーカー | 販売
方式 |
備考 |
---|---|---|---|---|
2013年11月14日 | スカパー!オンデマンド | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 基本無料 | 有料サービス、配信終了 |
2013年11月14日 | TSUTAYA TV | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 基本無料 | 有料サービス、配信終了 |
2013年11月14日 | torne PlayStation Vita TV | ソニー・コンピュータエンタテインメント | 要nasne |
脚注
[編集]補足
[編集]- ^ 現社名はソニー・インタラクティブエンタテインメント(略: SIE)。
- ^ タッチ操作が必要なソフトなどが未対応となっているが、タッチパッドを採用しているDUALSHOCK 4にも対応する[3]。なお、DUALSHOCK 3でのタッチやフリック操作はタッチポインター機能を利用する[4]。
- ^ 日本における「PlayStation TV」は2006年10月[7]から2014年の5月[8]まで、PS3本体、コントローラおよびHDモニタを搭載した店頭試遊台の名称として使用されていた。
出典
[編集]- ^ a b c 『TVで気軽に様々なコンテンツがお楽しみいただける PlayStation®の新しいエンタテインメントシステム PlayStation®Vita TV ~日本国内にて2013年11月14日(木)発売決定。希望小売価格9,954円(税込)/9,480円(税抜)~』(プレスリリース)Sony Computer Entertainment Inc. 。2013年9月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g “西田宗千佳のRandomTracking 「PlayStation Vita/Vita TV 開発者インタビュー」”. impress. (2013年9月19日) 2013年9月20日閲覧。
- ^ 据え置き型「Vita」──テレビで楽しむ「PlayStation Vita TV」発売 9954円(ITmedia ニュース、2013年9月9日)
- ^ 「DUALSHOCK®3」で、PS Vitaゲームのタッチやフリック操作はどう操作するのでしょうか?
- ^ 『PlayStation®TV 北米および欧州での発売決定 日本・アジア地域でご好評いただいている PlayStation®Vita TVが新たな名称と本体色で登場 希望小売価格 99USドル/99ユーロで2014年秋に発売』(PDF)(プレスリリース)Sony Computer Entertainment Inc.、2014年6月10日 。2014年6月11日閲覧。
- ^ “[E3 2014]SCE WWS吉田修平プレジデントインタビュー。Project Morpheusから「人喰いの大鷲トリコ」までさまざまな切り口で話を聞いてきた”. 4Gamer.net. Aetas, Inc. (2014年6月12日). 2014年6月13日閲覧。
- ^ 『PS3を使った店頭専用情報端末 「PLAYSTATION® TV」導入開始のご案内』(プレスリリース)Sony Computer Entertainment Inc. 。2014年11月17日閲覧。
- ^ 『店頭情報サービス「PlayStation®TV」更新終了のお知らせ』(プレスリリース)Sony Computer Entertainment Inc. 。2014年11月17日閲覧。
- ^ “PlayStation Vita TVが2月末に出荷完了。「一定の役割は果たした」”. 2016年2月29日閲覧。
- ^ a b c d “SCEアンディ・ハウスCEOに聞く、PS Vita TVとPS4の戦略 Vita TVでもPS3ゲーム? “One Sony”の中のSCE”. 2013年9月11日閲覧。
- ^ “西田宗千佳のRandomTracking SCEアンドリュー・ハウス社長インタビュー 「地域にあった体験」「PS4世代ならではの体験」戦略とは”. 2013年10月3日閲覧。
- ^ 皐月誠 (2013年9月10日). “SCE河野弘プレジデントにインタビュー! プレスカンファレンス後の感想や新ハードの詳細を伺いました”. 電撃オンライン. 2013年9月11日閲覧。
- ^ PlayStation Vita TVでカラオケ|JOYSOUND.TV Plus
- ^ 『PS Vita TV であそべる PS Vita ゲーム』(プレスリリース)SCE、2013年11月14日 。を参照
- ^ 임진모 (2013年11月6日). “신형 PS비타-PS비타 TV, 국내 발매일과 가격 발표”. GameMeca. (주)재우미디어. 2014年10月14日閲覧。
- ^ a b Chris Pereira (2014年8月12日). “Gamescom 2014: PlayStation TV Launches in October, Bringing PS4 Remote Play to Your TV”. GameSpot. CBS Interactive Inc.. 2014年10月6日閲覧。
- ^ “PLAYSTATION 4 IS THE FASTEST SELLING CONSOLE IN AUSTRALIA”. IGN (IGN Entertainment Inc.). (2014年11月5日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ Giuseppe Nelva (2013年12月15日). “PlayStation Vita TV Gets First Launch Outside Japan on January the 16th in Five Asian Countries”. DualSHOCKERS. 2013年12月17日閲覧。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- Sony Computer Entertainment Inc.. “PlayStation TV ユーザーズガイド”. 2014年12月3日閲覧。
外部リンク
[編集]- PlayStation Vita TV - ウェイバックマシン(2021年11月5日アーカイブ分)
- Content Manager Assistant for PlayStation®
- PlayStation公式 (@PlayStation_jp) - X(旧Twitter)
- PlayStation (PlayStationJapan) - Facebook
- PlayStation® 公式チャンネル - YouTube
- PlayStation(R)公式チャンネル“ぷれちゃ” - ニコニコ動画