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2022年9月6日 (火) 13:02時点における版
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鎌倉殿の13人 THE 13 LORDS OF THE SHOGUN | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 三谷幸喜 |
演出 |
吉田照幸 末永創 保坂慶太 安藤大佑 中泉慧 |
出演者 |
小栗旬 (以下五十音順) 浅野和之 阿南健治 大泉洋 片岡愛之助 金子大地 栗原英雄 小池栄子 小泉孝太郎 小林隆 迫田孝也 佐藤二朗 杉本哲太 菅田将暉 中川大志 中村獅童 新納慎也 野添義弘 坂東彌十郎 松平健 南沙良 宮澤エマ 宮沢りえ 山本耕史 横田栄司 |
ナレーター | 長澤まさみ |
音楽 | エバン・コール |
時代設定 | 平安時代末期 - 鎌倉時代前期 |
製作 | |
制作統括 |
清水拓哉 尾崎裕和 |
プロデューサー |
大越大士 吉岡和彦 川口俊介 結城崇史(VFX・DX担当) |
制作 | 日本放送協会 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2022年1月9日 - |
放送時間 | 日曜 20:00 - 20:45 |
放送枠 | 大河ドラマ |
放送分 | 45分 |
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 | |
番組年表 | |
前作 | 青天を衝け |
次作 | どうする家康 |
『鎌倉殿の13人』(かまくらどのの13にん)は、2022年(令和4年)1月9日から放送されているNHK大河ドラマ第61作[* 1]。脚本は大河ドラマ3回目となる三谷幸喜。
平安末から鎌倉前期を舞台に[* 2]、歴史書『吾妻鏡』をベースとした[注釈 1]源平合戦と鎌倉幕府が誕生する過程で繰り広げられる権力の座を巡る駆け引きを、その勝利者で北条得宗家の祖となった北条義時を主人公として展開する[* 1]。ユーモアを交えたホームドラマのような描写とともに[* 4]、徹底して無情で陰惨な粛清劇が描かれる[* 5]。タイトルの「13人」とは、源頼朝の死後に発足した集団指導体制である「十三人の合議制」を構成した御家人を指している[* 6][注釈 2]。
制作
2020年(令和2年)1月8日に制作発表が行われ、過去に大河ドラマ『新選組!』『真田丸』を手がけた三谷が脚本を担当し、小栗旬が主演することが発表された[* 1]。小栗は大河ドラマ初主演。発表の際に三谷は2019年および2020年の作品に関し、出演者の不祥事による放送期間中の降板・代役立て・再撮影が続いたことに触れた[* 8]。
同年11月16日から11月20日にかけて、主要な登場人物と出演者の発表が行われ[* 9][* 10][* 11][* 12][* 13]、ドラマの公式Twitterには閣僚発表会見を模した形で三谷が出演者を発表する動画が配信された。このうち、伊東祐親役で発表されていた辻萬長は、2021年(令和3年)7月16日に病気療養のため辞退し、代役を浅野和之が務めることが発表された[* 14][注釈 3]。
11月21日には考証を担当する専門家チームの陣容も発表されたが[* 16]、このうち呉座勇一は自身のTwitter上への不適切投稿を理由に、2021年3月23日に降板した[* 17][* 18]。
本作では、Netflixなどが導入している「リスペクト・トレーニング」というスタッフ・演者向けのハラスメント防止講習が新たに取り入れられた[* 19]。
2021年7月20日、番組ロゴが発表された[* 20]。
放送開始日は2022年1月9日で、初回は15分拡大[* 21]。新型コロナウイルスの影響で前々作『麒麟がくる』の終了が2月にずれこみ、前作『青天を衝け』の開始が遅れたが、本作から通常サイクルに戻る[* 21]。
出演者の発表方法は毎回手法を変えている。第二次発表は三谷が似顔絵を描いて説明する方法を取り、第三次・第四次では登場人物のセリフを先に公開してから発表した。第五次・第六次では出演者の宣材写真を背景にして発表し、特に第五次については出演者の音声コメントが公開され、出演者自身が音声にて配役を発表した[* 22][* 23]。第七次では語りを担当する長澤まさみが発表を担った[* 24]。
第10回では一瞬ながらスタッフが映り込んでしまうミスがあり、後日番組公式ツイッターにて謝罪するとともに、土曜日の再放送では該当箇所を修正して放送した[* 25]。
オープニングがパワフルなこともあり、2022年の夏の甲子園のアルプススタンドで応援ソングとして何度か演奏された。
あらすじ
前編(第1回 - 第26回)
平安時代末期、都では平家が栄華を極めており、伊豆でも平家方の豪族・伊東家が権勢を誇っていた。伊豆の小豪族である北条家の主・北条時政が大番役の務めを終えて京から帰還した正にその日、次男・北条義時は、兄・北条宗時が源氏の流人・源頼朝を北条の館で匿っていることを知る。頼朝は、伊東祐親の娘・八重と通じて千鶴丸を儲けるが、これに激怒した祐親に追われ、北条の館に逃げ込んでいた。大の平家嫌いであり頼朝を奉じて反平家の挙兵を行おうとする宗時や、頼朝に一目惚れした姉・北条政子らによって、義時は反平家の戦いに巻き込まれていく。義時は当初、頼朝の真意を掴みきれず疑念を抱いていたが、頼朝から平家打倒の決意を聞くと畏敬の念を抱く。
頼朝の正室となった政子が長女・大姫を産むなど、北条家は平和な日々を送っていた。この頃になると、義時は実直な性格であるゆえに頼朝から信頼され、本音を聞くことのできる数少ない人物となる。しかし、治承4年(1180年)に平家打倒を掲げた以仁王と源頼政の挙兵が失敗に終わると(以仁王の挙兵)、伊豆でも平家の勢力が強化される。京にいる三善康信からの情報で危機が迫ったと考えた頼朝は、宗時や義時、政子に説得されて立ち上がる決意を固める。その後、舅である時政や三浦義澄、土肥実平らといった周辺の豪族たちを味方につけて挙兵し、初戦では伊豆の目代・山木兼隆や、その後見・堤信遠を討ち取り勝利を収める。だが、続く石橋山の戦いでは、相模の大豪族・大庭景親や、山内首藤経俊といった平家方の軍勢に惨敗し、命からがら落ち延びる。その最中、宗時は義時に「坂東武者の世を作り、その頂上に北条が立つ」という真の志を告げるが、伊東家の下人・善児の手によって命を落とす。兄の死を知った義時は、その遺志を引き継いでいくこととなる。
安房に逃れた頼朝は坂東武者たちを集めて再起することを宣言し、千葉常胤ら房総の豪族を味方につけて勢力拡大を図る。義時は上総の大豪族・上総広常を説得し、頼朝側の味方にする功をあげる。武蔵に入った頼朝がさらに勢力を拡大させると、義時は時政とともに甲斐源氏・武田信義の説得に成功する。また、北条家は坂東武者と頼朝を繋ぐ役目を任されるようになる。一方、平家方に付いていた伊東家は敗退し、八重の再婚相手・江間次郎も混乱の中で殺害される。義時は祐親に降伏を促し、八重を救出する。その後、大軍を率いた頼朝は鎌倉に入って御所を築き、富士川の戦いで平維盛率いる平家の大軍に大勝した後、鎌倉殿を名乗る。義時はこれまでの功績によって江間の領地を拝領し、「江間小四郎」を名乗るようになる。同時期、時の権力者・平清盛が病で亡くなり、その息子・平宗盛が跡を継ぐと、頼朝は改めて平家を討つことを宣言する。
金砂城の戦いに勝利したことで関東の勢力基盤を安定させた頼朝のもとには、源義経といった異母弟たちが集結する。しかし、兄弟の一人である義円は、その聡明さに嫉妬した義経の策略にはまり、墨俣川の戦いで平家軍に討ち取られる。一方、政子が二人目の子を妊娠すると、嫡男が欲しい頼朝は祐親と八重の兄・伊東祐清に一度は恩赦を与えるが、祐親の命で殺害された千鶴丸の怨念が嫡男の誕生を阻むという弟・阿野全成の占い結果を信じ、伊東親子を暗殺する。また、政子の懐妊中、頼朝が亀と密通したことによって亀の前事件が起こると、義兄・牧宗親に対する処分に激怒した時政は、妻のりくとともに伊豆に戻ってしまう。同時期、信濃源氏・木曽義仲は北陸で力を伸ばしていた。義時は、これを危惧した頼朝の命で信濃へ向かい、義仲の子・源義高を人質として鎌倉へ送り届ける。その後、義時は実直に政務をこなす中で、幼い頃から一途に思い続けてきた八重と結ばれる。
倶利伽羅峠の戦いで平家軍に大勝し、頼朝より先に上洛を果たした義仲は、田舎者ゆえに後白河法皇と反りがあわず、やがて2人は対立する。これを好機と見た頼朝は、御家人たちに上洛を命じるが反発にあい、次第に頼朝と坂東武者たちとのずれが明らかとなっていく。京で義仲が平知康の軍勢を破り(法住寺合戦)、後白河法皇を幽閉した頃、鎌倉では常胤を中心とする坂東勢の謀反計画が発覚。事前に察知した義時は、頼朝の側近らと対策し、広常に協力を頼んで事態を収束させる。だが、頼朝は京からやって来た文官・大江広元と謀り、無実である広常を見せしめとして殺害し、坂東勢を恐怖で支配する。同時期、義時と八重の間には金剛(北条泰時)が誕生する。
義仲を討つため出陣した義経は、兄・源範頼が率いる本軍と共に義仲軍を撃破(宇治川の戦い)。義仲は愛妾・巴御前を逃がした後、近江国で討ち取られる。勢いに乗った義経は、鉢伏山からの奇襲によって平家軍との戦いにも勝利する(一ノ谷の戦い)。一方、頼朝は今後の憂いを取り除くため、大姫の許嫁となっていた義高の殺害を義時に命じる。義時や政子は義高を逃がそうとするが失敗し、義高が殺されたことで大姫は心を閉ざす。その後、義時も頼朝の意向を忠実に実行する側近として変化を遂げ、義高を討った藤内光澄を処刑。さらに、信義の嫡男・一条忠頼を謀反の罪で粛清する。
運の強さと天才的な戦の才により、屋島の戦いでも勝利を収めた義経は、壇ノ浦の戦いで平家をついに滅亡させる。だがその後、源氏兄弟の分断を謀る後白河法皇と頼朝との間で板挟みになり、鎌倉への帰還を許されず、兄弟の中で相互不信が募ってゆく。義時は源氏兄弟の関係修復に奔走するが、義経は叔父・源行家に焚き付けられて挙兵。頼朝が義経を討伐対象とすると、義時は時政と共に上洛し、後白河法皇に守護・地頭の全国設置を認めさせる。一方、義経は庇護者である藤原秀衡が治める奥州平泉へ逃れるも、秀衡はまもなく死去する。義時は頼朝の命で平泉を訪れ、謀反の意思がない義経に彼の愛妾・静御前の身に起きた悲劇を伝えて挑発、奥州藤原氏の新当主・藤原泰衡を義経追討に導くなど、関係者を言葉巧みに操る。義経は泰衡の兵を前に、正室の里と娘、従者の弁慶を道連れにし、義時に遺言を託して死去する。頼朝は続けて泰衡を追討し、奥州藤原氏を滅亡に追い込む。
政治的面で手を汚し続ける義時の家庭生活は平穏であったが、ある日、八重は川で溺れた孤児の鶴丸を助けようとして事故死する。失意の義時は、頼朝の上洛に随行した後に政治から距離を置こうとするが、政子の励ましを受けて再び政務へ復帰する。一方、九条兼実の協力で征夷大将軍に任官した頼朝は、次男・千幡(源実朝)の乳母に義時の妹・実衣を選び、次代鎌倉殿となる万寿(源頼家)の披露目を兼ねて富士の巻狩りを実施する。その最中、曽我十郎・五郎兄弟による頼朝暗殺未遂が発生し、誤って工藤祐経が討たれると、義時はこれを「謀反を装った敵討ち」として処理する(曽我兄弟の仇討ち)。同時期、義時は比企一族の娘・比奈と再婚する。
曽我兄弟の襲撃で自身の死期が近いことを悟った頼朝は、自身の暗殺計画に関わっているとして弟・範頼を修善寺に幽閉する。次に、頼朝は朝廷との結び付きを強めるため、大姫の入内を画策するが、丹後局との対面で都の恐ろしさを知った大姫が体調を崩したことで計画は頓挫。2年後、大姫は死んで義高に会いたいと願いながら病死する。大姫の死に焦った頼朝は、続いて次女・三幡の入内計画を進め、大姫を呪詛したという無実の罪で範頼を粛清する。一方、頼家には比企の娘・せつとの間に長男の一幡が誕生する。そのような中で、頼朝が跡継ぎを決めずに落馬し昏睡状態に陥ると、御家人一同は混乱。頼朝が急死すると、北条家と比企家は次の鎌倉殿を巡って対立する。義時も頼朝が亡くなったことで伊豆へ帰ろうとするが、政子から頼朝の持仏観音を託されたことによって思いとどまる。
後編(第27回 - 最終回)
2代目鎌倉殿となった源頼家は、若年ながらも父を越えようと積極的に政を行い、北条義時の弟・北条時連(北条時房)や息子・北条頼時(北条泰時)といった若い者たちを近習として登用する。しかし、代替わりによる訴訟の増加や正室・つつじと側室・せつの対立に嫌気が差し、政から逃げるように蹴鞠に没頭する。この現状を見た義時は、頼家を補佐することを目的とした十三人の合議制を発足させ、自身も政子の説得によって宿老の一人となるが、これに反発した頼家は、御家人たちの意見を無視した政を行うようになる。そのような中で、宿老の一人である中原親能が、三幡の病死をきっかけに鎌倉を離れる。また、同じく宿老の梶原景時は三浦義村と結城朝光の仕掛けた策略により、66人の御家人からの弾劾状が作成されたことで失脚する。義時は、景時から坂東武者の世を託された後、京へ向かう梶原一族を討ち取る(梶原景時の変)。さらに、宿老であった三浦義澄や安達盛長が相次いで病死すると、合議制は崩壊する。一方、義時からの助言を受けた頼家は、芯の強いせつとともに鎌倉をまとめていくことを決意し、一幡を嫡男と定める。
北条家と比企家の権力争いがさらに激化すると、比企能員は自身に反発する頼家を亡き者にすると同時に北条家の力を削ぐため、北条一族である阿野全成が頼家を呪詛するよう促す。この行為が露見すると、全成は謀反の罪により八田知家に討ち取られ、その息子・頼全も京にて粛清される。その直後、頼家が急な病によって危篤状態となると、義時は「鎌倉あっての北条」という考えのもと比企一族を滅ぼすことを決意。能員を騙して北条の館に呼び出した後、殺害する。また、比企の館を攻めて能員の妻・道や娘・せつを殺害し、千幡を次の鎌倉殿とする準備を進める。しかし、頼家が奇跡的に病から回復すると状況は一変。意識が戻った頼家は、義父・能員や妻・せつが北条の手によって滅ぼされたことを知ると激怒し、和田義盛と仁田忠常に時政の首を取るよう命じる。一方、義時は比企の娘である比奈と離縁。さらに、子供に対しても容赦しなかった頼朝に習い、泰時が匿っていた一幡を善児の弟子・トウに殺害させる。その後、北条と鎌倉殿との間で板挟みとなった忠常が自害すると、北条家は頼家の鎌倉追放を決意。頼家は修善寺に幽閉となり、3代目鎌倉殿・源実朝が誕生する。同じ頃、三浦家に匿われていた善哉の前には比企尼が現れ、実朝や北条家に対する憎悪を植え付ける。
登場人物
この節には、過剰に詳細な記述が含まれているおそれがあります。百科事典に相応しくない内容の増大は歓迎されません。 |
各登場人物の歴史的事項については当該記事を参照のこと。
劇中では人名の呼称を「北条義時(ほうじょう の よしとき)」のように「苗字 + の + 名前」としている場合がある[注釈 4]。
北条家
北条義時とその妻子
- 北条義時(ほうじょう よしとき)★
- 演:小栗旬
- 本編の主人公。
- 伊豆の豪族・北条時政の次男。母は伊東祐親の先妻の娘[1]。通称(仮名)は小四郎(こしろう)。北条領に隣接する江間(えま)郷を拝領すると江間小四郎義時を名乗る。
- 財政管理や御家人ちの間を取り持つなど事務作業に長ける。「鎌倉あっての北条」という考えのもと、鎌倉殿や政子を補佐する。
- 恋愛については奥手であり、一度は八重に結婚を断られる。しかし、それでも諦めずに何度も八重のもとに会いに行ったため、のちに道から「むっつり」と評される。時政と伯父・三浦義澄の戯言[注釈 5]である[要出典]「女子(おなご)は大体茸(きのこ)が好き」という妙な女性観を信じており、八重に大量の茸を贈ったことがあるが断られている。また、長男・泰時にも同じ事を勧めている。
- 当初は戦を嫌い政にも関心が無かったが、源頼朝が北条館に逃げ込んだことから状況が一変。流人の頼朝を警戒し、政子が頼朝と恋仲になることも反対していたが、平家打倒の決意を聞いて以降は畏敬の念を抱く。実直な性格により頼朝から信頼され、本音を聞くことができる数少ない人物の一人となる。
- 挙兵時には、米の量から兵数を割り出して頼朝に挙兵を決意させたり、味方になる者たちを集めたりと事務方で活躍する。石橋山の戦いで兄・宗時が亡くなると、「坂東武者の世の頂点に北条が立つ」という兄の遺志を引き継ぐ。その後、上総広常を味方に引き入れ、調整役として御家人たちと頼朝の間を取り持つ。また、武田信義との交渉にも成功する。伊東の館が頼朝軍に攻められると、伊東祐親を説得して八重を救出する。
- 鎌倉に大倉御所が完成すると、これまでの軍功を認められて江間の領地を拝領する。頼朝の浮気により勃発した後妻打ち(うわなりうち)では、事態を収束させようと動くが失敗。頼朝に怒った時政は伊豆へ帰るが、自身は鎌倉に残る。頼朝に木曽義仲の動向を探るよう命じられると信濃へ向かい、義仲から人質として源義高を託される。同じ頃、長年の思いが実り、八重と夫婦になる。
- 御家人たちの謀反計画を知ると収束に奔走するが、頼朝が広常の粛清を決めると救済を諦める。同じ年、嫡男・金剛(後の泰時)が誕生する。頼朝から義高を殺すよう命じられると、義高を逃がそうとするが失敗。その後、北条を守るために藤内光澄や一条忠頼を誅殺する。
- 平家討伐では、源範頼軍に属して武功を挙げ(葦屋浦の戦い)、壇ノ浦の戦いでは平家の滅亡を見届ける。頼朝と源義経の関係が悪化すると関係修復に奔走するが、対立が決定的となると義経を捕らえるため、時政と共に後白河法皇に日本全国に守護・地頭を設置することを認めさせる。藤原秀衡没後は頼朝の命で平泉へと向かい、謀反の意思がない義経に挙兵を促し、藤原泰衡を脅して義経追討に導く。
- その後、頼朝が率いる奥州合戦や上洛に従う。八重の死により政務を離れるが、政子の励ましなどもあり復帰。富士の巻狩りで曽我兄弟が頼朝の寝所を襲撃し工藤祐経を殺害すると、時政が曽我兄弟に兵を与えたことを不問とするため、この事件を「敵討ちを装った謀反」ではなく「謀反を装った敵討ち」として処理する(曽我兄弟の仇討ち)。その後、比企家の娘・比奈を正式に妻として迎える。頼朝が昏睡状態に陥ると新しい政の形を定めるために奔走し、その死後は鎌倉を離れて伊豆へ帰ろうとするが、政子に説得されて思い止まる。その際、政子から頼朝の観音像を託される。
- 源頼家が2代目鎌倉殿となると、文官4人と梶原景時で若い頼家を補佐する政治体制を発案する。しかし、時政と比企能員の権力争いによって宿老が12人となると、政子に説得されて自身も13人目の宿老となる(十三人の合議制)。
- 景時が謹慎処分となり、京へ向かう意思を固めると、鎌倉を守るために頼家へ報告する。その後、流罪となった景時が一幡を人質に取ると、能員の要請でこれを説得。武士として戦場で死にたいという景時の想いを察し、頼時に追討軍を送るよう命じる。その際、景時から善児を譲り受ける。宿老が9人に減ったことや善哉(のちの公暁)の誕生で北条と比企の対立が一層激しくなると、間を取り持とうと奔走する。
- 八重(やえ)
- 演:新垣結衣
- 義時の最初の妻。伊東祐親と後妻の娘[2]であり、義時の叔母に当たる。源頼朝の先妻。江間次郎の元妻。
- 一途で頑固なところがあり、いかなる境遇にあっても頼朝を想い続け、義時に想われていることにはなかなか気付かない。
- 父・祐親が京の大番役のため留守の間、流人だった頼朝と通じ千鶴丸を産むが、別離の上、江間に嫁がされる。頼朝の挙兵の際には、伊東家側にいながらも頼朝側にも通じて奔走する。千鶴丸については、祐親から出家させたと聞かされていたが、伊豆山権現社を訪れた際に亡くなっていたことを知らされる。その後、頼朝に内通していることが発覚し、祐親によって館に閉じ込められる。
- 頼朝軍が伊東の館を包囲すると義時に助けられ、捕らえられた祐親や伊東祐清と共に義兄・三浦義澄に保護される。その後、頼朝への思いが断ち切れず、頼朝のいる大倉御所に勤めるが、頼朝と亀との情事を目の当たりにして体調を崩す。
- 頼朝によって祐親と祐清が殺されると、義時が領主となった江間郷に移される。江間の地に頼朝が訪ねてくると、伊東親子の殺害や後妻打ちを経て、それでも自分に接触してこようとする頼朝を完全に拒絶する。その後、義時の自分に対する一途で真っ直ぐな想いを受け入れ、夫婦となる。義時との結婚後は彼を一途に愛して、頼朝との関係は助言や親族としての付き合いのみとなり、頼朝から秋波を送られても相手にせず、恋愛関係にあった頃を「どうかしていました」と振り返っている。
- 結婚後間もなく金剛を産むと、西国遠征のため留守にする義村の娘・初を、半ば押し付けられるような形であったが預かり育てる。それをきっかけに、度重なる戦災により増える孤児(みなしご)たちの世話をすることに生きがいを見出し、心を閉ざす大姫や、父を失った甥の一万(曽我十郎)・箱王(曽我五郎)兄弟[注釈 6]も預かり面倒を見る。
- 義時が不在の日、川遊びの最中に岩礁に取り残された鶴丸を発見し、その姿を千鶴丸と重ねて単身で川へ入る。鶴丸を助けたものの力尽きて流され、帰らぬ人となる。
- 比奈(ひな)
- 演:堀田真由
- 義時の2人目の妻。比企尼の孫娘。比企能員の姪。
- 父が北陸道の役人であったため北陸で育ち[注釈 7]、野生動物の生態に詳しい。また、幼い頃に万寿(頼家)と共に比企館で育ったため、彼の性格をよく知る。義時や金剛との仲は良好であり、北条と比企が対立した際には北条の嫁としての立場を取る。
- 頼朝の側女(そばめ)となるため叔父・能員によって送り込まれるが、政子に阻まれて失敗。その後、政子の圧に屈した頼朝の指図で義時と娶されることとなるが、八重を忘れられない義時にも断られる。その際、義時に対して好意を抱く。富士の巻狩りでは、万寿が獲物を仕留められるよう策を練る義時に鹿の特性を教えて仲を深め、義時に想いを告げて正式に夫婦となる。それに際して、義時に起請文を書かせ、絶対に自分と離婚しないよう誓わせている。
- 義時が頼家の助けに入るべきか悩むと、頼家の性格を教えて助言する。また、景時が御家人たちと対立すると義時を心配し、鎌倉の今後を危惧する。
- のえ
- 演:菊地凛子
- 義時の3人目の妻。二階堂行政の孫。
- 北条泰時(ほうじょう やすとき)
- (金剛 → 北条頼時 → 北条泰時)
- 演:坂口健太郎(幼少期:松澤禾蘭 → 森優理斗)
- 義時の長男。母は八重。通称は太郎(たろう)。幼名は金剛(こんごう)。初名は頼時(よりとき)。
- 武勇と教養に優れ、幼い頃より貞観政要を読む一方、弓の腕前も見事である。同じく文武に優れる畠山重忠を尊敬している。しかし生真面目な性格であるが故に、妻・初からは「面白くない」と言われており、父と同様に恋愛についても奥手である。また、時に空気を読まない言動をすることもある。
- 「金剛」とは仏法の守り神(護法善神)のことであり、源氏を守る意味を込めて頼朝により命名される。頼朝から万寿(源頼家)を支えるよう頼まれ、幼い頃から万寿の遊び相手となる。父・義時から、母・八重が亡くなる原因を作ってしまった鶴丸を恨んではならないと諭されると、孤児と揶揄われた鶴丸を守る。富士の巻狩りでは、狩りは初めてながら簡単に獲物を仕留める。
- 元服すると、烏帽子親である頼朝の一字をもらって「頼時」と名を改める。頼朝が落馬して亡くなったと聞くと、頼朝の着物の汚れ方から、頼朝は馬に振り落とされて落馬したのではなく、先に意識を失って落馬したと見抜く。頼家が2代目鎌倉殿となると近習の1人に選ばれるが、蹴鞠(しゅうきく)を推奨する頼家の政治手法には苦言を呈する。頼家が景盛の妻を奪おうとすると、人の道に反するとして諌め、景時に相談する。流罪となった景時が京へ向かうと、義時に命じられて追討軍を送る。台風によって坂東で飢饉が発生すると、蹴鞠ばかりで対策を行わない頼家を諌めるが、逆に疎まれてしまう。その後、義時の命により、困窮した農民たちを救うために伊豆へ向かい、証文を破り捨てて事態を解決する。しかし、これを頼家に嫉妬され、褒美という名目で頼朝の一字を受け継いだ名から「泰時」に改名させられる。さらに、近習からも外されてしまう。
- 初(はつ)
- 演:福地桃子(嬰児期:久野楓名、少女期:遠藤みのん)
- 泰時の妻。義村の娘。
- 母は産後の肥立ちが悪く、間もなく亡くなっている。義村らが西国遠征する際に八重のもとに預けられ、金剛とともに育てられる。成長後、父の勧めで泰時の妻となる。
- 泰時や鶴丸とは、共に八重に育てられたという間柄であるため仲が良い。しかし泰時のことは「生真面目すぎて面白くない」と語り、泰時から送られた茸も突き返している。
- 北条朝時(ほうじょう ともとき) / 北条重時(ほうじょう しげとき)
- 演:髙橋悠悟(朝時)[* 26] / 加藤斗真(重時)[* 27]
- 義時の次男と三男。母は比奈。
北条義時の両親とその縁者
- 北条時政(ほうじょう ときまさ)★
- 演:坂東彌十郎
- 義時の父。通称は四郎(しろう)。りくからは「しい様」と呼ばれている。
- 無骨な田舎侍であり、家族思いで武芸に長けるが、交渉下手で相手の口車に乗せられやすい。娘婿である源頼朝を宗時や義時ほど信用しているわけではなく、度々反論や足を引くような行為をしてしまう。義兄弟でもある三浦義澄とは悪友の仲である。
- 祐親の娘で義時らの生母である最初の妻、北条時連(時房)らの生母である2人目の妻・鶴(つる[注釈 8]、演:吉田香織[* 28])[注釈 9]とも相次いで死別し、大番役のため京入りしていた時に見初めた公家の娘・りくを3人目の妻とする。
- 息子・宗時から、伊東の館から逃げ出した頼朝を北条の館で匿っていることを告げられるとすぐに追い出そうとするが、頼朝と対面すると態度を変えて匿うことにする。その後、頼朝を追う祐親に館を包囲されると、武士として一度決めたら命に変えても守り抜くと頼朝の引き渡しを拒む。
- 娘である政子が頼朝と結婚して大姫を産むと、舅として頼朝の挙兵に協力する。初戦は堤信遠を討ち取るが、石橋山の戦いでは大庭景親の挑発に乗ってしまい、頼朝軍敗走の原因を作る。その後、頼朝から命じられ、義時と共に甲斐の武田信義のもとへ援軍要請に向かうが、一度は頼朝側から武田側に寝返ろうとする。また、安房へは頼朝を置いて真っ先に落ち延びる。宗時が亡くなったことを知らされると、義時に兄の思いを継ぐよう語りかける。
- 頼朝の命で再び甲斐へ向かうと、信義に出し抜かれて頼朝に激怒される。富士川の戦いでは、義澄との殴り合いの喧嘩がきっかけで水鳥の群れが羽ばたき、それが結果的に源氏軍の勝利へと繋がる。その後、勝利した勢いで京に攻め上ろうとする頼朝に対し、坂東武者にとっては所領と一族が最も大切であることを説き、出陣を思いとどまらせる。
- 後妻打ちによって義兄・牧宗親が辱めを受けただけでなく、頼朝が政子とりくに不遜な態度を取ると、激怒して伊豆へ帰る。しかし、上総広常の粛清が行われると、謀叛の疑いがかからぬよう鎌倉へ帰還し、北条が生き残る手立ては、これまで以上に源氏に取り入り付き従う以外にないと決意を新たにする。また、頼朝から義高や光澄を殺すよう命じられて悩む義時に対しても、北条家のために覚悟を決めるよう諭す。義仲並びに平家討伐に際しては、留守居役を命じられる。義経が平宗盛を護送して鎌倉へやってくると、頼朝の命で義経を腰越に留め置き、代わりに宗盛を鎌倉まで護送する。
- 頼朝から、後白河法皇の力を借りて義経を捕らえるよう命じられると、京都守護となって法皇に謁見し、義時の力も借りて、全国に守護・地頭を設置することを法皇に認めさせる。その後、全く忖度しない姿勢を後白河法皇に気に入られるが、軽くあしらって鎌倉へ戻る。同時期、りくとの間に念願の男子(のちの北条政範)が誕生する。富士の巻狩りでは、頼朝の暗殺を企む曽我兄弟に、父の仇討つためと騙され、仁田忠常を含めた20人ほどの手勢を与えてしまう。しかし、義時の策により、兵を与えたことは不問となる。源範頼が謀反の疑いをかけられると、伊豆の領主として修善寺まで送り届ける。比企能員の娘が頼家の子・一幡を産むと、比企家の権力増大に嫉妬し、範頼を焚き付けたのが比企であるという噂を流す。また、頼朝が昏睡状態に陥ると、北条家の生き残りをかけて実衣の夫・阿野全成を次の鎌倉殿にするよう政子に頼む。しかし、頼朝の死後に政子が頼家を次の鎌倉殿と定めると、政子や義時に反発する。
- 文官4人と梶原景時・比企能員が宿老となった政治体制の構想を知ると、自身も宿老に入れるよう義時に要求し、能員に対抗するため三浦義澄・和田義盛・足立遠元を宿老に勧誘する(十三人の合議制)。その際、三浦義村と畠山重忠も勧誘するが断られる。義澄が危篤状態になると三浦の館に駆けつけ、悪友の死に号泣する。その後、政子の口利きで遠江守に任じられて御家人筆頭となるが、能員が一幡を嫡男にしようと動くと、りくの案で娘婿である全成に頼家の呪詛を依頼する。
- りく
- 演:宮沢りえ
- 時政の3人目の妻。義時の継母。
- 公家の娘としての誇りが強く、義時ではなく自分が産んだ男子こそが北条家の跡継ぎに相応しいと思っている。
- 京入りしていた時政に見初められ、のちに伊豆に下向して妻となる。京に帰りたがっており、夫・時政の活躍がその最善の手段であると考え鼓舞する。
- 頼朝が挙兵すると、政子らとともに寺女として伊豆山権現社に匿われる。政子たちと共に鎌倉へ入ると、時政に対する処遇や、政子との差が開くことに不満を抱く。頼朝が亀と逢瀬を重ねていることを知ると、頼朝と政子の関係をこじれさせるため、あえて政子にそのことをほのめかし、「後妻打ち」を耳打ちする。しかし、兄・宗親が頼朝から恥辱を受けると政子と共に頼朝に詰め寄り、時政と伊豆へ帰る。しかし、広常の粛清が行われると、時政に従って鎌倉へ戻る。御台所である政子に対しては、京で平家のような大きな力を持つため、頼朝との子を多く作るよう助言する。また、自身は北条の跡取りを産むことを宣言する。
- 時政が頼朝から上洛を命じられると、嫌がる時政の尻を叩く。時政との間に待望の男子が生まれると、その祝いで北条一族が集まった際に、比企家が益々贔屓されていることへの不満を漏らし、畠山重忠や稲毛重成をけしかける。富士の巻狩りで頼朝が討たれたという報を受けると、取り乱す政子に対して冷静になるよう促す。また、政子が大姫の死で悲しみに打ちひしがれると、御台所として今以上に強くなるよう諭す。能員の娘が頼家の子・一幡を産むと、さらに比企の力が強くなることを恐れ、頼朝が昏睡状態に陥ると実衣の夫・全成を次の鎌倉殿にするよう時政をけしかける。しかし、政子が頼家を次の鎌倉殿と定めると、義時や政子に反発する。
- 頼家が2代目鎌倉殿となり、文官4人と景時・能員が補佐する政治体制の構想を知ると、北条派の御家人たちを勧誘するよう時政に助言する。義村と義盛が景時排斥を求める連判状に時政の署名を求めた際には、景時を引きずり下ろすためにこれを承諾する。しかし、署名を連判状の端に書かせ、完成後に時政の名前のみを切り取ることで、北条家は生き残るよう策を講じる。能員が一幡を嫡男にしようと動くと、千幡を次の鎌倉殿とするため、全成に頼家の呪詛を行わせる。
- 牧宗親(まき むねちか)
- 演:山崎一
- りくの兄。義時の義理の伯父。
- 京の公家で、御台所となった政子に教育を施すため、りくの要請で鎌倉へ下向する。
- 頼朝を懲らしめるためにりくが提案した「後妻打ち」を引き受ける。亀の屋敷を少しだけ壊すつもりだったが、屋敷を警備していた源義経らに手伝わせたところ、派手に破壊したうえに火をかけられたため大事となってしまう。激怒した頼朝によって、義経を煽動した罰として髻(もとどり)を切られる恥辱を受ける。
北条義時の兄弟姉妹
- 北条宗時(ほうじょう むねとき)
- 演:片岡愛之助
- 時政の嫡男。義時の同母兄。通称は三郎(さぶろう)。
- 正しいと思ったことにはひたすら突き進むが、楽観的な性格のため根回しが足りず、義時を困らせる。自身を「戦うために生まれてきた男」と称す。
- 大の平家嫌いで、源氏を担いで坂東の地から平家を追い出し、坂東武者の世を作るという野望を持つ。野望達成のために伊東の館から逃れた頼朝を家族に内緒で匿うが、事後処理は全て弟・義時に丸投げする。
- 平家の世に不満を持つ坂東の豪族を巻き込んで頼朝とともに挙兵すると、初戦では堤信遠らを討ち取るが、続く石橋山の戦いでは大庭景親ら平家方の軍勢に大敗する。なんとか戦場から脱出すると、頼朝が北条館に残した観音像を取りに行くため義時らと別れる。鎧を取り換えるために戻る工藤茂光とともに伊豆の所領へ向かうが、目前にて伊東祐親の下人・善児の手に掛かり、茂光と共に非業の死を遂げる。
- 別れの際、義時だけに「坂東武者の世の頂点に北条が立つ」という真の野望を語っており、その遺志は義時に引き継がれることになる。
- 北条時房(ほうじょう ときふさ)
- (北条時連 → 北条時房)
- 演:瀬戸康史(幼年期:田中瑛央[* 29][出典無効])
- 時政の三男。母は鶴。義時の異母弟。通称は五郎(ごろう)。初名は時連(ときつら)。
- 餅を丸くこねることができないなど不器用な面がある一方で蹴鞠の才能は突出している。京で公家たちと渡り合うために蹴鞠の稽古を日々行っており、蹴鞠指南役の平知康からは、邪心が無く球筋が真っ直ぐであると誉められる。
- 願成就院の本堂が完成すると、時政や義時と共に伊豆へ向かう。富士の巻狩りでは、時政と共に御家人たちの寝所の手配を行い、頼朝が討たれたという報を受けると警護にあたる。頼朝が昏睡状態に陥ると、時政や義澄と共に水垢離を行う。また、八田知家が行う火葬場の建設を手伝う。
- 頼家が2代目鎌倉殿となると、義時から頼まれて頼家の近習の1人に選ばれる。その後、蹴鞠の才能を見込まれて頼家に気に入られる。甥・頼時が頼家から疎まれると、義時と相談して頼時を伊豆へ向かわせる。また、自身は頼家の気持ちを理解してあげるという立ち位置で、頼家に従う。しかし、念仏僧を斬るよう命じるなど、頼家が度を越えた行動をした際には強く制止する。
- 北条政範(ほうじょう まさのり)
- 演:中川翼
- 時政の四男。義時の異母弟。母はりく。
- 政子(まさこ)
- 時政の長女。義時の同母姉。源頼朝とその関係者を参照。
- 実衣(みい)
- 時政の次女。義時の同母妹。阿野全成とその関係者を参照。
- ちえ
- 時政の三女。義時の異母妹。母は鶴。時房の同母姉。畠山家を参照。
- あき
- 時政の四女。義時の異母妹。母は鶴。時房の同母姉。稲毛家を参照。
- きく
- 演:八木莉可子
- 時政の五女。義時の異母妹。母はりく。政範の同母姉妹。平賀朝雅の妻。
家人・従者
- 善児(ぜんじ)
- 演:梶原善
- 下人。伊東祐親、梶原景時を経て、義時の雑色となる。
- 百姓の出身。刺客として用いられており、暗殺だけでなく、諜報活動も行う。主命を粛々と実行し、感情を表に見せることはない。
- 伊東家では祐清に命じられて、千鶴丸を川へ連れ出して溺死させる。頼朝が挙兵すると祐親の命を受け、それぞれの館に向かおうとしていた茂光と宗時を暗殺する。伊東の館が頼朝軍に包囲された際には、祐親から八重を殺す命を受けていたが、彼女を連れ出そうとした江間次郎を殺害した後、三浦義村と戦闘になって手傷を負う。伊東家の離散後は、畠山重忠の館に盗みに入ったところを捕まり、景時に拾われる。
- 景時の命により旧主である祐親・祐清父子を暗殺すると、上総広常の誅殺にも加担する。また、静御前が男子を生んだ際には、その子を由比ヶ浜に沈める。義時が奥州へ向かった際には景時の命で行動を共にし、藤原頼衡を殺害する。富士の巻狩りに際しては、曽我兄弟が謀反を企てていることを景時に伝える。源範頼に大姫を呪詛した疑いがかけられると、景時の命で修善寺にて範頼と百姓夫妻を暗殺する。
- 景時が宿老となると、御家人たちの動向を監視し、結城朝光の発言を景時に報告する。景時が流罪となると、景時の命によって次の主を義時とする。年を取ったため、義時に2代目となるトウを紹介する。その際に義時から、景時からの褒美として、宗時を殺した際に奪った巾着袋を渡される。
- トウ
- 演:山本千尋(少女期:高橋愛莉)
- 伊豆修善寺の村娘。のちに善児の弟子として刺客となり、義時に仕える。
- 少女時代、源範頼と五藤太夫妻が殺害されるのを目撃する。その後、善児によって育てられ、彼の2代目として義時のために暗殺を実行する。
- 鶴丸(つるまる)
- 演:きづき(少年期:佐藤遙灯)
- 金剛の従者。
- 頼時や、その妻・初とは、共に八重に育てられたという間柄であり、幼い頃から共に育っているため、とても仲が良い。
- 常陸の百姓の子だったが飢饉で両親を失い、孤児として八田知家を通じて他の子供たちとともに義時の屋敷で八重に育てられる。川遊びで流されかけたところを助けた八重が亡くなるが、義時に「鶴丸を恨むな」と言い聞かされた金剛(北条泰時)との仲は良好である。
- 成長後は従者として金剛に仕える。富士の巻狩りでも金剛の供をし、万寿が鹿を仕留めるための裏工作にも協力する。頼朝が昏睡状態に陥ると、頼時と共に知家が行う火葬場の建設を手伝う。頼時が困窮した農民たちを救うために伊豆へ向かった際にも供をしている。
- くま
- 演:田中なずな
- りくの侍女。
- 曽我十郎(そが じゅうろう) / 曽我五郎(そが ごろう)
- 時政の家人。伊東家とその関係者を参照。
源氏
源頼朝とその関係者
- 源頼朝(みなもと の よりとも)
- 演:大泉洋(少年期:生駒星汰[* 30])
- 源氏の棟梁。のちの鎌倉幕府初代将軍。
- 河内源氏の嫡流・源義朝の三男。かつての官職・右兵衛権佐(うひょうえのごんのすけ)にちなんで「佐殿(すけどの)」、鎌倉入り後は「鎌倉殿(かまくらどの)」と称される。広常からは「武衛(ぶえい)」と呼ばれている。
- 政略眼に長け、平家を追討して「あるべき世」に戻すために挙兵するが、坂東武者(御家人)との意識の違いにより悶着を招くことも多い。苦労して育ったために猜疑心が強く、特定の兄弟や御家人に権力が集中しないよう腐心し、他人に本心を見せないが、義時には本心を明かす。度々訪れる命の危機を何度も回避する運の良さから、周りからは「天に守られている」と評されており、本人もそれを自覚している。観世音菩薩を信仰し、髻の中にも比企尼から託された小さな観音像を忍ばせている。
- 女癖が悪く、八重、政子、亀、比奈を次々に気に入る。自身も女好きであることは認めており、息子・頼家にせつの他に好きな女性がいることを相談されると、「女好きは我が嫡男の証である」と頼家を褒める。特に最初の妻である八重への思いは強く、八重が川で流されたと聞いた際には、御家人たちを総動員して捜索にあたらせる。
- 父・義朝が平治の乱で敗れると、平清盛によって伊豆に流される。平家打倒の宿願のために監視役である伊東家を後ろ盾にしようと考え、伊東祐親が京の大番役で留守にしている間、その娘である八重と関係を持つ。その後、八重との間に千鶴丸をもうけるが、そのことに激怒した祐親に追われることとなり、伊東祐清と北条宗時の手によって北条の館に匿われる。そこで政子と知り合うと、今度は北条家を後ろ盾にしようと政子に近づく。また、戦を嫌い政にも関心のない義時を気に入り、義時にのみ挙兵する意思があることを明かす。その後、政子と結婚し、大姫をもうける。
- 三善康信からの書状や後白河法皇の院宣などといった様々な要因が重なり、宗時や義時、政子に説得されたことで挙兵すると、山木兼隆を討ち取り、伊豆において最初の政治行為を行う。その勢いで父・義朝が本拠とした鎌倉へ向かうが、石橋山の戦いで大庭軍と伊東軍の挟み撃ちにあい大敗する。洞窟に身を隠した際には敵に見つかりそうになるが、雷によって危機を脱し、その様子を見た梶原景時にも見逃される。その後、再起を図るために土肥実平が手配した船で安房へと渡る。
- 安房で三浦軍と合流すると、再び立ち上がることを宣言する。安房を進軍した際に立ち寄った村で亀を気に入ると、関係を持つ。しかし、亀の夫が妻を取り戻しに来たことで長狭常伴の襲撃を免れ、またしても危機を脱する。また、この強運により、上総広常を味方に引き入れることにも成功する。広常が遅れて参陣してきた際には、棟梁としての威厳を見せつけて広常を感心させる。武蔵に入ると、降伏してきた者たちを許し、寛大さを見せつける。
- 平家の追討軍が迫ると、自ら軍を率いて武田信義と合流する。信義とは互いに牽制し合うが、策略によって信義に出し抜かれる。その後、水鳥の羽音に驚いた平家軍が敗走(富士川の戦い)すると追撃を命じるが、坂東武者たちの反対にあって断念する。これにより、自分は流人時代から今までずっと一人だと傷心するが、そこに弟・源義経が現れると、感激のあまり涙を流す。
- 関東の基盤を盤石にするため、平家と通じる佐竹家を討伐する。鎌倉の大蔵御所に入ると、家人たちを集めて所領を与え、主従の契りを交わして坂東一帯に独自政権を作る。これを機に「鎌倉殿」と呼ばれるようになる。また、後継者となる男子が生まれなかった場合は、武人の才を見込んで義経に跡を継がせようとも考える。同時期、父の敵である平清盛が病死すると、兄弟や御家人たちの前で喜びを露わにする。
- 政子が第二子を身籠ると三浦家に預けていた祐親を許すが、阿野全成の占い結果で考えを改め、景時に命じて祐親と祐清を暗殺する。その後、嫡男・万寿(源頼家)が誕生すると、北条家だけに力が集中しないよう比企一族の道を乳母とする。亀との関係は鎌倉入り後も続いており、政子の懐妊中も逢瀬を重ねる。しかし、このことが政子の知るところとなり、後妻打ちが起きてしまう。その際、宗親の髻を切るという処罰を下したため、激怒した時政が伊豆に帰ってしまい、御家人たちからの信用を失う。
- 同じ源氏一族である木曽義仲が勢力を拡大していることに危機感を覚えると、弟・源範頼らを使者として信濃へ遣わし、義仲に人質を要求する。義仲の嫡男・源義高が鎌倉に下向すると、大姫の許嫁とする。義仲が入京すると、鎌倉から法皇に根回しをするが失敗する。しかし、義仲が京を離れて西国へ向かうと法皇に接近し、流罪を解かれて従五位下に復帰する。また、東海道・東山道の軍事支配権も認められる。その後、法皇から助けを求められるが、御家人の反発にあい、自身も奥州藤原氏に備えて鎌倉を離れることができないため、先鋒隊として義経を出陣させる。
- 御家人たちの間で謀反の計画があることを知ると、大江広元と謀って謀反の罪を広常にかぶせ、景時に誅殺させる。これを機に、御家人たちを恐怖政治で統治すると、法皇から自身に対する追討の院宣が出されたため、範頼を総大将として本軍を出陣させる。範頼・義経軍が義仲を討つと、義時の忠誠心を試すために義高を討つよう命じる。その命を知った大姫や政子の必死の説得を受け、御家人たちに義高を殺さぬよう命じるが時すでに遅く、義高は藤内光澄に討ち取られる。その後、謀反を企てたとして信義の嫡男・一条忠頼を殺し、武田家の力を削ぐことに成功する。屋島の戦いで義経が勝ったという報告を受けると、義経が鎌倉殿の座を狙うのではないかと危機感を覚える。しかし、壇ノ浦の戦いで平家が滅びたという報告を聞くと、政子の前では義経を褒め、2人で涙を流して喜びを分かち合う。
- 壇ノ浦から帰還した景時から義経についての讒言がなされると、義経に不信感を持ち、鎌倉入を拒否する。また、義経からの詫び状が代筆であったことに激怒するが、義経を信じようと考え、検非違使を辞めさせるために伊予守に推任したり、義朝の追善供養に義経を参加させようとしたりする。しかし、その想いが伝わることなく義経が挙兵すると、自ら軍勢を率いて出陣する。その後、時政に法皇の力を借りて義経を捕らえるよう命じ、日本全国に守護・地頭を設置する事を法皇に認めさせることに成功する。静御前が吉野で捕縛され、鎌倉にて男子を出産すると、その子を由比ヶ浜に沈める。義経が奥州へ入ったという知らせを聞くと、義経と藤原氏が手を組むことを恐れる。同時期、大姫の入内計画を進める。
- 藤原秀衡が亡くなると、義経と同時に藤原氏も討伐しようと考え、藤原国衡・泰衡兄弟の仲を割いて泰衡に取り入り、直に手を下さず義経を殺してくるよう義時に命じる。泰衡によって義経の首が鎌倉に届けられると、首桶にすがりつき涙を流す。その後、勝手に義経を討ったことを理由に全国から兵を集め、自ら軍を率いて奥州藤原氏を滅ぼす。
- 藤原氏の滅亡によって日本全てを手中に収めると、本格的に朝廷対策に乗り出す。大軍を率いて上洛すると、法皇の御所を訪ねて2人きりで対面し、法皇に全国の守護を請け負う権利を正式に承認させ、後鳥羽天皇の后として大姫を差し出す約束をする。法皇が亡くなると、御家人たちを従わせる肩書を得るため、自らを「大将軍」とするよう朝廷に要求し、征夷大将軍に任じられる。次男である千幡(のちの源実朝)が誕生すると、乳母を実衣と定める。
- 富士の巻狩りでは、万寿こそが次の鎌倉殿と知らしめるため、万寿が鹿を仕留められるよう御家人たちに裏工作を依頼する。また、比奈に会うため工藤祐経を身代わりにして寝所を抜け出すが、これによって曽我十郎・五郎兄弟の襲撃から逃れる。その後、謀反が起きたことを知った御家人たちが挙兵することを恐れ、義時の提案を受け入れて謀反を敵討ちとして処理する。しかし、命は助かったが、今回は天の導きを感じなかったことから、この世での役目が残っていないのではないかと焦り始める。
- 鎌倉へ戻ると、範頼が次の鎌倉殿になろうとしていたと知って激怒し、謀反の疑いがあるとして範頼を修善寺に幽閉する。その後、大姫の入内計画を再び進め、丹後局や土御門通親との連携を図るが、上洛してすぐに大姫が病となったため計画を延期する。2年後に大姫が亡くなると、すぐに次女・三幡の入内計画を進めるよう義時に命じる。また、大姫が死んだのは範頼が呪詛したためであるとし、景時に命じて範頼を暗殺する。
- 相模川の橋供養の数日前から不眠に陥り、全成から伝えられた不吉の予兆がすべて起こると怯える。範頼を焚き付けたのが比企能員であると聞くと、頼家の正妻を能員の娘・せつから、叔父である鎮西八郎為朝の孫娘・つつじにしようと考える。その後、義時と政子に頼家を託し、自身は大御所になることを伝え、命の定めに抗うことをやめて好きに生きようと決意する。橋供養の帰りに突如として右半身の麻痺に襲われ落馬する。それから約1ヵ月間昏睡状態に陥った後、政子の眼前で一度だけ目を覚ますが、直後に息を引き取る。
- 八重(やえ)
- 頼朝の先妻。北条義時とその妻子を参照。
- 政子(まさこ)
- 演:小池栄子
- 頼朝の後妻。北条時政の長女。義時の同母姉。
- 前向きな性格で負けん気が強いが、雅やかさには目がない。一方で無用な争いを嫌う穏健派な発言が多く、為政者の妻となったことで、何気なく発した言葉の重みと影響力に戸惑うことがある。
- 北条館に逃げ込んだ頼朝に膳を運んだ際、一目惚れする。頼朝の先妻・八重に対しては、頼朝との結婚にあたって挨拶に行き、諦めるように申し出る。その後、頼朝の妻となり、大姫をもうける。
- 頼朝が挙兵に躊躇すると、義時らと共に頼朝を説得して挙兵を決意させる。挙兵後は伊豆山権現社に寺女として匿われるが気丈に振る舞い、頼朝が鎌倉に入ると合流して御台所となる。御台所の威厳を見せるため、頼朝のことが諦めきれない八重の希望を受け入れ、大倉御所の侍女とする。その後、比企の館で嫡男・万寿(頼家)を出産する。
- 侍女頭・亀が頼朝の愛妾であることを知ると激怒し、りくに入れ知恵された「後妻打ち」をしかける。りくがわざと亀のことを教えてきたことには気づいており、りくを懲らしめようと後妻打ちの提案を受け入れたが、事態が想像以上に大きくなってしまったことに驚く。その後、亀とは和解するが、その際に身を引くことにした亀から、御台所に対する忠告を受ける。
- 頼朝が義仲の嫡男・義高を大姫の許嫁にしようとすると反対するが、一目義高を見ると気に入り、頼朝と義仲の対立が決定的となると、大姫のために義高を守ることを決意する。頼朝に対する謀反が起こり、頼朝と御家人との間で溝が深まると、御家人の不平不満に耳を傾けるようになる。
- 義仲が討たれ、義高が頼朝によって幽閉されると、義時らと協力して義高を御所から逃がし、伊豆山権現社へ匿ってもらえるよう手配する。また、義高の逃亡が露見すると、大姫と共に頼朝を説得し、義高を殺さないことを誓う起請文を書かせる。しかし、時すでに遅く、義高は藤内光澄に討ち取られる。怒りに任せて言った一言で後に光澄が処刑されると、御台所としての自分の立場の重さを痛感する。その後、心の傷ついた大姫を八重に預ける。
- 頼朝と義経の仲が険悪になると、頼朝の本意を汲み取り、関係修復の手助けを義時や時政に頼む。また、頼朝の前で義経を想う舞を披露した静御前に女の覚悟を感じ、頼朝が挙兵した頃の自信と重ね合わせて、静御前を頼朝から庇う。
- 八重とは義時と結婚後に良好な関係を築き、頼朝が義時に向かってわざと八重と過ごした日々の話をすると、頼朝を一喝する。また、八重が亡くなった後は御所に戻らない義時を心配し、変装して江間館へ向かい、昔話などをして励ます。
- 頼朝が征夷大将軍に任じられると、頼朝と2人で喜びを分かち合う。同じ年、第四子となる千幡(実朝)を出産する。実衣から、頼朝が比企から送り込まれた比奈にぞっこんになっていることを聞くと、北条と比企の架け橋になることを期待し、比奈を義時と娶せようとする。富士の巻狩りにて万寿が鹿を仕留めたという報告を受けると、比企一族の前では当たり前のことだと言い放つが、裏では大姫と共に万寿を誉める。
- 大姫が入内を決意すると、頼朝に従って上洛し、大姫と共に丹後局と対面する。しかし、丹後局からの叱責を受け、都の洗礼を受ける。その後、大姫が若くして亡くなると、悲しみに打ちひしがれる。頼朝が落馬する直前には頼家を託され、頼朝が昏睡状態に陥いると付きっ切りで看病をする。頼朝が亡くなると、跡継ぎを頼家と全成のどちらにするか決めるよう義時に頼まれ、一度は政への介入を拒むが、最終的には頼家を次の鎌倉殿と定める。しかし、この事で全成を押していた時政・りく・実衣から反発を受ける。その後、鎌倉を去ろうとする義時を思い止まらせ、頼朝の観音像を義時に託す。
- 落飾して尼御台となると、頼家の正室・つつじに御台所としての心構えを説く。また、後に側室・せつから頼家について相談を受けると、頼家に対して素直な思いをぶつけるよう助言する。頼家を補佐する宿老が12人まで膨らむと、義時を13人目とする。頼朝に続いて次女・三幡が亡くなると深く悲しむ。頼家が景盛の妻を奪おうとし、それを拒んだ安達親子を誅殺するよう命じると、義時と共に頼家を諌める。景時が66人の御家人たちから訴えられると、私心では行動しない景時を評価していたことから、裁定に向かう景時を引き止める。
- 亀(かめ)
- 演:江口のりこ
- 頼朝の愛妾。安房の漁師の娘[3]。
- 頼朝の寵愛を受けるが出自に劣ることもあり、武家の娘である頼朝の先妻・八重や後妻・政子に対抗心を燃やす。
- 安房では漁師の夫・権三がいたが、頼朝にはそれを伝えず召し出される。鎌倉入り後は政子の侍女頭を務める一方、内緒で頼朝と逢瀬を重ねる。素性を隠して侍女となった八重には、頼朝の寝室へ膳を運ばせ寵愛を見せつけて牽制する。
- 頼朝から屋敷を与えられるが、亀の存在を知った政子に「後妻打ち」として屋敷を燃やされる。直前に三浦義村によって逃されたため難を逃れ、一時的に上総広常の屋敷に匿われる。その際、義村から接近されるとそれを受け入れ、広常には色目を使う。
- のちに新たな邸宅を与えられ、政子の来訪を受ける。政子に頼朝から身を引くことを約束する一方、坂東の女から憧れられる御台所として恥ずかしくない教養を身につけるよう忠告する。
- 千鶴丸(せんつるまる)
- 演:太田恵晴
- 頼朝と八重の息子。
- 祖父・伊東祐親が京の大番役のため留守の間、流人だった頼朝と祐親の娘・八重が密かに通じ生まれた子。頼朝が祐親の追手から逃れたため八重とともに館にいたが、平清盛に知られるのを恐れた祐親の命により、善児に川遊びとして連れ出され水に沈められる。
- 亡骸は伊豆山権現社で丁重に葬られる。
- 大姫(おおひめ)
- 演:南沙良(幼少期:難波ありさ → 落井実結子)
- 頼朝と政子の長女。
- 北条館で生まれる。間もなく頼朝が挙兵すると、政子らとともに伊豆山権現社に匿われ、のちに鎌倉入りする。
- 人質として鎌倉入りした義仲の嫡男・義高の許嫁となる。義仲が討たれ義高の命が危うくなると、頼朝の前で喉元に短刀を突きつけ義高の助命を懇願するが、願いは叶わず心を閉ざす。その後、八重のもとに預けられる。
- のちに笑顔を取り戻すものの、蝉の抜け殻を見るとすぐに義高を思い出す心的外傷が蘇るようになる。その後、源氏物語の登場人物・葵(あおい)を名乗り、「元気になるおまじない」と称して虚空蔵菩薩(如意宝珠)の真言を唱えるなど、「スピリチュアル女子」的な言動をするようになる[* 31]。
- その後も義高への想いを引きずり、一条高能との婚礼を断るが、自身の中にある義高の面影が薄れていることに不安を感じ、和田義盛のもとで暮らす巴御前に相談する。巴御前から励ましを受けると、後鳥羽天皇へ嫁ぐ決意をするが、上洛して丹後局と対面した際、政子ともども入内に対する見通しの甘さを徹底的に指摘されたため、その夜に失踪騒ぎを起こす。三浦義村に発見されるものの、雨の中を逃げていたために発熱し、鎌倉に戻って以降も床に伏す。「死ねば義高に会える」という考えに至ったことで体調が回復することのないまま、上洛の2年後に20歳の若さで世を去る。
- 三幡(さんまん)
- 演:太田結乃 → 東あさ美
- 頼朝と政子の次女。頼家の妹、実朝の姉。乳母夫は中原親能。
- 姉・大姫が亡くなったことで入内計画を受け継ぐ。計画は着々と進行していたが、頼朝の死去から半年後に病死する。
- 源実朝(みなもと の さねとも)
- (千幡 → 源実朝)
- 演:柿澤勇人(嬰児期:吉川魁理 → 土橋蓮、少年期:水戸部巧芽 → 嶺岸煌桜)
- 頼朝と政子の次男。3代鎌倉幕府将軍。幼名は千幡(せんまん)。乳母は実衣。
源頼家とその関係者
- 源頼家(みなもと の よりいえ)
- (万寿 → 源頼家)
- 演:金子大地(幼少期:丸山蒼來 → 田代瑞希 → 藤原響 → 鳥越壮真)
- 頼朝と政子の嫡男。2代鎌倉幕府将軍。幼名は万寿(まんじゅ)。
- 聡明で誇り高く、頼朝の後継者としての気慨もあり、政務にも意欲的に取り組む。自分の力で獲物を捕まえるために何度も狩りに行ったり、幼い頃から蹴鞠の練習を毎日行ったりするなど、根気強い一面もある。鎌倉殿という立場の重さと日々戦っているが、困った時ほど助けてくれと言えない性分である。父頼朝の女好きな面、母政子の負けん気の強い面、その両方を受け継いでいる。
- 乳母の比企館で生まれる。体が弱く、生後しばらくは何度も生死を彷徨う。頼朝への謀反計画の際には、義盛によって連れ去られそうになるが、義時の説得や重忠の機転によって難を逃れる。
- 富士の巻き狩りでは初陣を飾るが、なかなか獲物が仕留められず、最終的には御家人たちが行った裏工作で鹿を仕留める。その後、父・頼朝が討たれたという報を受けると、冷静に的確な指示を出して義時を感心させる。
- 元服して「頼家」と名を改めると、大姫の入内を進める頼朝に従って上洛する。その後、比企家の娘・せつとの間に一幡をもうけるが、義村から紹介された加茂重長の娘・つつじを正室とするため頼朝に相談する。頼朝が昏睡状態に陥ると、現状を御家人たちに知らしめるよう義時に命じる。頼朝が亡くなり母・政子から次の鎌倉殿になるよう言われると、2代目「鎌倉殿」に就任する。
- 御家人たちの前で父を越えることを宣言すると、景時の助言通り北条や比企を特別扱いせず、御家人たちの訴えを直に聞くこととする。京で通親の暗殺計画が露呈すると、時政や能員の意見を無視して暗殺を企てた御家人たちの処分を京で行わせる(三左衛門事件)。若い6人の御家人たちを近習とすると、康信に訴訟についての指南を命じ、将来上京した際に朝廷と渡り合うために蹴鞠を推奨する。しかし、代替わりによって多くの訴えが届くと政務を投げ出し、正室・つつじと側室・せつが対立すると嫌気が差して蹴鞠に没頭する。さらに、十三人の合議制が発足し、宿老の中に信頼していた義時や景時がいることを知ると、6人の近習を重用して13人の御家人たちと対立させる。その後、父にも側室がいたという理由で景盛の妻を奪おうとし、これを拒んだ安達親子に死罪を命じる。この行動を政子や義時から諌められたことにより、御家人たちからの信頼を失う。
- 義盛から景時排斥を求める連判状が出されると、署名した66人の御家人たちを収めるために景時を謹慎処分とする。しかし、謹慎中の景時が京へ向かうつもりであるという報告を受けると、謀反の疑いありとして景時を奥州の外ヶ浜へ流罪とする。その後、宿老が9人まで減ると、これを機に自分の好きなように政を進めようとする。しかし、能員の反発にあい、己の家のことのみを考えて行動する御家人たちに苛立つ。新熊野社の僧の所領争いについて重忠が裁きを求めると、絵図の中央に線を引き、今後は所領問題について全て自分が処断することを能員の前で宣言する。
- 正室・つつじが善哉を産むと、せつの後ろにいる比企家を煩わしく思い、善哉の元にのみ通うようになる。また、台風の影響によって飢饉が発生すると、政務から逃げて蹴鞠を行い、これを頼時から諌められると反発する。その後、伊豆で頼時が農民たちから慕われると嫉妬し、褒美と称して泰時に改名させる。さらに、5人の近習に念仏僧の死罪を命じ、時連から諌められる。そのような周りの誰もが信じられぬ状況の中で、せつから自分を支えたいという強い思いを伝えられると、せつの強さに心を動かされる。
- その後、征夷大将軍に任じられ、父を越えるには人を信じることから始めるようにとの助言を義時から受けると、芯の強いせつと共に鎌倉をまとめていくことを決意し、一幡を嫡男と決定する。
- つつじ
- 演:北香那
- 頼家の正妻。賀茂重長の娘。母は頼朝の叔父・鎮西八郎為朝の娘。
- 頼家が自分の意志で結婚相手として選んだ女性であり、義村を介して、為朝の孫娘という血筋が評価され正妻となる。
- せつ
- 演:山谷花純
- 頼家の側女(そばめ)。比企能員と道の娘。
- とても芯が強く、息子・一幡にも深い愛情を注いで育てる。
- 正妻になる予定だったが、つつじの登場により側女とされる。そのため、つつじに対抗意識を持つが、比企家の権力増大が目的ではなく、ただ頼家に振り向いてほしいと願う。頼家が、ゆうやつつじの元にのみ通うと心を痛め、その事を比奈に相談する。その後、比奈の提案で政子から助言を得ると、頼家を支えたいという素直な思いを頼家にぶつけたことで信頼を得て、頼家は一幡を嫡男に決定する。
- 善哉(ぜんざい)
- 演:長尾翼(嬰児期:米丸玲央 → 中野晃太朗)
- 頼家とつつじの息子。後の公暁(こうぎょう)。乳母夫は三浦義村。
- 一幡(いちまん)
- 演:相澤壮太(幼少期:佐野仁音 → 白井悠人)
- 頼家とせつの息子。
源義経とその関係者
- 源義経(みなもと の よしつね)
- 演:菅田将暉
- 頼朝の異母弟。源義朝の九男。通称は九郎(くろう)。静御前や弁慶からは「御曹司(おんぞうし)」と呼ばれている。
- 源氏としての誇りが強く、坂東武者と同列に扱われるのを嫌う。戦に勝つためにはあらゆる手を使い、斬新な戦術を繰り出すが、時には卑怯な手段も厭わない。一方で母性愛に飢えており、義姉・政子に甘える一面もある。政子に元気な子が生まれるよう願ったり、義高にセミの抜け殻を渡したりするなど優しさも備えている。平宗盛を京へ護送した際には、自分の境遇と重ね合わせ、囚人であるにもかかわらず宗時と息子・清宗の対面を許す。
- 幼いころに父・義朝が平治の乱で敗れたため、京の鞍馬寺に預けられる[4]。のちに寺を出て、奥州の覇者・秀衡の庇護を受ける[4]。頼朝が鎌倉入りするころに参上し、頼朝を感動させている。
- しかし、兄である義円に嘘の情報を吹き込んで陥れたり、亀の前事件の際には亀の館を破壊したりと、度々問題を起こして頼朝らを悩ませる。また、謹慎中の身であるにも関わらず、義時に頼んで信濃行きの使者に入れてもらうが、出立の前夜に能員に紹介された里と一夜を共にしてしまい、使者の役目を放棄するという失態を犯す。
- その一方で戦の才能は突出しており、平家および義仲討伐(西国遠征)に際しては先発隊の大将を務める。宇治川の戦いでは寡兵の偽情報を流して義仲を破る。一ノ谷の戦いでは、後白河法皇と謀って平家軍を油断させ、さらに平家本陣の背後にある鉢伏山から奇襲して勝利を治める(鵯越の逆落とし)。その功により、後白河法皇から検非違使に任じられる。その後、屋島の戦いでも嵐の中の奇襲で勝利し、壇ノ浦の戦いでは禁じ手だった船頭を狙い撃ちして平家を滅ぼす。しかし、追い詰められた平家の女性たちが安徳天皇と三種の神器を道連れに入水し、神器の宝剣が紛失するという事態を引き起こしてしまう。平家が滅亡したことで戦う相手がいなくなると、自身について「私は、戦場でしか役に立たぬ」と卑下する。
- 京へ戻ると後白河法皇からは不手際を不問とされるが、頼朝からは景時の讒言によって不信感を持たれる。頼朝に自身の口で弁明しようと、後白河法皇に検非違使の返上を申し入れるが拒否され、罪人・宗盛を鎌倉に輸送する名目で鎌倉へ向かうことを許されるが、このことが頼朝に不信感を募らせる。さらに、頼朝の命で鎌倉近郊の腰越で留め置かれると腰越状をしたためるが、これが宗盛の代筆であったため、頼朝との溝はさらに深まる。その後、頼朝が推挙した伊予守に任じられても検非違使を返官できなかったこと、鎌倉で行われる父・義朝の供養へ出席しなかったことで、頼朝との対立は決定的となる。京の宿舎が昌俊に襲われると、行家に頼朝の仕業であるとそそのかされ頼朝追討の挙兵をするが、兵が集まらず、法皇からも見捨てられる。
- その後、九州へ逃れて再起を図ろうとするが、嵐によって渡航できずに断念し、奥州藤原氏のもとへ逃れる。秀衡が亡くなると、衣川のほとりにある館で里や娘と静かに暮らしていたが、鎌倉からやってきた義時から静御前の悲劇を聞かされて挙兵を決意する。
- 義時の圧力を受けた泰衡に館を攻められると、里と娘を手に掛ける。また、義時を館へ呼び寄せ、義時の計略を全て見破った上で、平泉を守るために死ぬことを選ぶ。その際、義時に鎌倉攻略の策を披露し、それを景時に伝えるよう頼む。のちに首は鎌倉へ届けられ、頼朝と無言の再会をする。
- 里(さと)
- 演:三浦透子
- 義経の正妻。比企尼の孫娘。比企能員の姪。
- 源氏との繋がりを強めるため、能員により白羽の矢が立てられる。信濃行き前日に比企館に招かれた義経に見初められ、一夜を共にする。義経の西国遠征中に夫婦となるが、頼朝と義経の関係が悪化すると、義経と同様に鎌倉へ入ることが許されなくなる。また、京にて愛妾・静御前の存在を知り、さらに静御前が義経の子を宿していることを聞くと、静御前を殺害するために義経の宿所を昌俊に襲撃させる。
- 義経が挙兵に失敗し頼朝から追われる身となると、ともに奥州藤原氏のもとへ逃れ、義経との間に女児(演:泉谷星奈[* 32])を儲ける。しかし、泰衡の軍勢が迫ると、京の襲撃の真相を告白し、激昂した義経に刺殺される。その後、娘も義経によって殺される。
- 静御前(しずかごぜん)
- 演:石橋静河
- 義経の愛妾。都随一の白拍子。義経からは「静(しずか)」と呼ばれている。京言葉を話す。
- 気丈で誇り高く、特に舞については譲れないプライドを持っている。義経に誘われて川釣りに付き合うなどアクティブな面も持つ。
- 後白河法皇の命で、検非違使に任官される前祝いとして舞を披露したことをきっかけに、義経と知り合う。里の知らぬ間に逢瀬を重ね、義経の子を身籠る。里が京へ来ると対立し、そのことで昌俊の襲撃にあう。
- 義経が挙兵に失敗して頼朝から追われる身となると、義経と別れて吉野へ逃れるが、時政の軍に捕らえられて鎌倉へ移送される。義経と別れる際、自身との関係は話さぬよう釘を刺されていたため素性を隠していたが、里の叔母・道に挑発されたことで名を明かす。のちに鶴岡八幡宮で舞を披露すると、頼朝の前で義経を慕う詩を披露し、政子に「女の覚悟」と言わしめる。
- のちに男児を産むが、頼朝の命で由比ヶ浜に沈められたことで鎌倉から姿を消す。その後の消息は不明だが、平泉を訪れた義時は義経に、青墓宿で静御前に似た人を見かけたという噂を伝えている。
- 弁慶(べんけい)
- 演:佳久創
- 義経の従者。元は比叡山延暦寺の僧[5]。義経からは「武蔵坊(むさしぼう)」と呼ばれている。
- 常に義経に付き従っているが、気まぐれな義経に振り回されることも多い。亀の前事件の際には、義経に命じられて亀の館を破壊している。義仲並びに平家追討の際にも義経に従い、宇治川の戦い、一ノ谷の戦い、壇ノ浦の戦いにも参戦する。昌俊が義経を襲撃した際には、義経の窮地を救う。
- 義経が平泉へ逃れた際にも最後まで仕えており、泰衡の軍勢が迫った際には着物の下に木の鎧を着込み、一人きりで果敢に戦う。
阿野全成とその関係者
- 阿野全成(あの ぜんじょう)
- 演:新納慎也
- 源義朝の七男。頼朝の異母弟。源義経の同母兄。「醍醐禅師(だいごぜんじ)」と称する[注釈 10]。
- 平治の乱後、京の醍醐寺に預けられ出家する。剛毅な性格から「悪禅師」と呼ばれたこともある[6]。石橋山の戦いの後、伊豆山権現に匿われていた政子たちのもとに仁田忠常とともに現れる。
- 頼朝と合流すると、陰陽の術に長け[* 33]、占いを得意としていることから、新御所の建設場所や政子の鎌倉入りの日などを占って頼朝を補佐する。頼朝が亀と会うために政子の鎌倉入りの日を一日ずらそうとした際には、庚寅に屋移しすると親子の縁が薄く主は不慮の死を遂げると忠告する。政子に子ができると、男子を産むためには千鶴丸の成仏が必要だとして、頼朝に祐親を殺すよう示唆する。しかし、祐親の暗殺後に行った占いでは、祐親を殺しても実行犯(善児)を殺さなければ千鶴丸は成仏せず、万寿の寿命は短いという結果を出す。
- 実衣とは鎌倉入り後に相思相愛となり、やがて夫婦となる。夫婦仲は良く、頼朝に愛人がいることも実衣に教える。
- 頼朝から秀衡に対する調伏を任されると文覚と対立する。また、頼朝への謀反計画の際には義村に捕らえられそうになるが、事前に察知して逃げ延びる。大姫の許嫁である義高が頼朝に殺されそうになると、頼朝に扮して見張りを遠ざけるなどの手助けをする。頼朝と義経の仲が不和になると、関係修復のために勝長寿院で行われる義朝の供養へ義経を呼ぶことを提案する。八重が川で流された際には、政子から頼まれて祈祷を行う。頼朝に二人目の男子である千幡が誕生すると、乳母夫になるのは「吉」という占い結果が出たため、乳母夫を引き受ける。その際、自身の占いは半分しか当たらないことを実衣に明かす。
- 頼朝が昏睡状態に陥ると、時政とりくから次の鎌倉殿になるよう説得されてそれを承諾するが、最終的には頼家が鎌倉殿となる。その後、実衣との間に距離ができてしまう。時政とりくから、千幡を次の鎌倉殿とするために頼家の呪詛を依頼されると、実衣を喜ばせようとこれを承諾する。しかし、役目の重さと日々戦う頼家の姿を見たことで呪詛を取り止め、一連の出来事を正直に実衣に告げたことで、夫婦関係も修復される。
- しかし、頼家が病に伏せったのと同時期に、未回収であった呪詛人形が発見されたことで能員から疑いをかけられる。その後、屋敷から呪詛道具が見つかったため、頼家から常陸に流罪を命じられる。その後、頼家に領地を召し上げられた能員から「実衣の命が危ない」という偽情報をから流され、再び頼家の呪詛を行うようそそのかされるが、発覚して死罪となる。庭に引き出されると、呪文を唱えて嵐を呼び起こした後、八田知家によって討ち取られる。
- 実衣(みい)
- 演:宮澤エマ
- 全成の妻。北条時政の次女。義時の同母妹。千幡(源実朝)の乳母。
- 周りに翻弄される家族を興味津々に観察する一方、口が軽く内緒事が苦手なため秘密をすぐに話してしまう。また、正直者であるが故に、場の空気を乱す発言をすることもある。姉弟たちからは重要な話を教えてもらえず、事後報告されることが多い。
- 頼朝が挙兵すると、姉・政子や継母・りくと共に伊豆山権現に匿われる。その後、鎌倉入りして全成と夫婦になる。夫・全成から、政子の懐妊中に頼朝が亀と逢瀬を重ねていることを聞くと、範頼にそのことを話し、亀の前事件のきっかけを作る。大姫の許嫁である義高が頼朝に殺されそうになると、政子や義時と協力して御所からの脱出を手助けする。
- 頼朝の次男・千幡が誕生すると、その乳母となる。富士の巻き狩りにて頼朝と頼家が討たれたという報が鎌倉にもたらされると、頼朝の跡を継ぐのは自身が乳母となっている千幡であると喜び、権力欲を露にする。さらに、頼朝が昏睡状態に陥ったことで全成が次の鎌倉殿の候補となると、御台所になることに歓喜する。しかし、政子が頼家を次の鎌倉殿と定めると、敵意を露にする。
- その後、何かで政子を越えたいと琵琶を始め、重忠から紹介された朝光に琵琶の手解きを受ける。琵琶の稽古中、朝光から景時に謹慎を命じられたことを相談されると、義時に朝光を助けるよう求める。これがきっかけとなり、景時排斥を求める連判状が作成される。景時失脚し、朝光が姿を消した後も全成とは疎遠であったが、全成から正直な思いを聞き、関係修復に至る。しかし、呪詛の発覚によって全成は捕らえられ、自身も政子の館で匿われる。これにより、頼朝の死去から疎遠となっていた政子と和解するが、全成は常陸に流罪となった後、比企の陰謀によって死罪となる。
- 頼全(らいぜん)
- 演:小林櫂人
- 全成と実衣の長男。
- 京の寺で修行しており、「百壇大威徳法の業」を行う旨を手紙に記して母の実衣に送っている。
- 修行中に源仲章率いる西国の御家人に襲われ、殺される。
- 阿野時元(あの ときもと)
- 演:松平将馬[* 34]
- 全成と実衣の次男。
- 全成と実衣の長女
- 演:永野ほの波[* 35]
木曽義仲とその関係者
- 木曽義仲(きそ よしなか)
- 演:青木崇高
- 信濃源氏の棟梁。
- 義を重んじるため無意味な戦を嫌っており、同じ源氏である頼朝とは戦を避けようとする。無骨な田舎侍であるため、都のしきたりには無知である。
- 叔父である行家が訪ねてくると、これを庇護する。頼朝の使者である範頼が信濃へやってくると、平家と通じていない証として人質を差し出すよう要求される。義時から人質は行家ではどうかと提案されるが、自分を頼ってきた者を差し出せば誠に反するとして、嫡男・義高を鎌倉へ人質に出す。のちに倶利伽羅峠で平家方を破り(倶利伽羅峠の戦い)、勢いに乗じて京に入り後白河法皇と謁見する。法皇から平家が持ち去った三種の神器を奪還するよう院旨を受けるが、その意味が理解できずに公家たちを呆れさせる。また都に攻め上った際に、途中から加わった兵たちが京で略奪行為を行ったため、民衆たちからの評判も落としてしまう。
- 頼朝が鎌倉から動かないため、法皇から単独で平家を滅ぼすよう命じられる。備中で平家軍相手に苦戦している中、法皇から頼朝へ信濃を含む東山道の支配権を任されたのを知り、抗議のため都に戻ったことで法皇から謀反の疑いをかけられる。院御所を襲撃して法皇を幽閉し(法住寺合戦)、源範頼・義経兄弟を大将とする討伐軍を迎え撃つが、義経の計略にはまり宇治川の戦いで敗れる。その後、誰もいない院御所[注釈 11]にて最後の上奏を行い、北陸を目指すために近江へ向かうが、国境で範頼軍に行く手を阻まれる。最期まで頼朝のことを信じ、嫡男・義高へ頼朝に反旗を翻さないよう諭す手紙を巴御前に託すと、死に場所を探している最中に額を矢で射抜かれ討ち死にする。
- 源義高(みなもと の よしたか)
- 演:市川染五郎
- 義仲の嫡男。「清水冠者(しみずのかじゃ)」「冠者殿(かじゃどの)」と呼ばれる。
- 眉目秀麗かつ清廉潔白であり、父・義仲を尊敬している。蝉の抜け殻を大量に集める趣味がある。
- 頼朝への不戦の証に、人質として鎌倉へ送られる。頼朝の命で大姫の許嫁となると、幼い大姫だけでなく、婚約に反対していた政子にも気に入られる。また、気さくな人柄から坂東武者とも打ち解ける。一方で、頼朝失脚を目論む反頼朝派からの新たな棟梁への誘いは断り、頼朝の嫡男である万寿が義盛に連れ去られそうになると万寿を守る。
- のちに義仲が討たれると、頼朝から危険視され幽閉される。盟約を反故にした頼朝と彼を止めなかった義時を恨み、自身の処刑を望むが、義仲からの文で改心し、逃亡を決意する。政子らの手筈で伊豆山権現社へと逃亡することになるが、義時を信じきれないため途中の名越の寺を単身抜け出す。故郷・信濃へ向かおうとしていたところ、光澄に見つかり討たれる。
- 巴御前(ともえごぜん)
- 義仲の愛妾。三浦家とその関係者を参照。
- 今井兼平(いまい かねひら)
- 演:町田悠宇
- 義仲の家人。巴の兄[* 36]。母は義仲の乳母[* 36]。
- 宇治川の戦いで敗れても最期まで義仲に従う。
- 海野幸氏(うんの ゆきうじ)
- 演:加部亜門
- 義高の従者。
- 人質として鎌倉入りする義高に同行する。義高が幽閉されると、志願して義高を逃がすための替え玉となる。
その他の源氏
- 源範頼(みなもと の のりより)
- 演:迫田孝也
- 源義朝の六男。頼朝の異母弟。義経の異母兄。母は遊女であり、義経から母の出自を揶揄される。「蒲冠者殿(かばのかじゃどの)」「蒲殿(かばどの)」と呼ばれる。
- 遠江蒲御厨に生まれ[7]、平治の乱後に貴族の官人・藤原範季に引き取られている[7]。頼朝の元へは、道に迷ったことで義経や全成に遅れて参上する。
- 野心はなく、頼朝を愚直に補佐する。生真面目な性格で、頼朝に愛人がいることを実衣から聞いた際には、頼朝を諌めるよう時政に伝える。頼朝から義仲の動向を探るために信濃へ向かうよう命じられた際には、出立前夜に能員から常を紹介されるが、信濃行きに支障が出るからと断っている。また、剣の腕も立ち、頼朝に反発する御家人たちが攻めてきた際には政子や万寿を守る。
- 平家および義仲討伐に際しては本軍の総大将を務め、義経の戦略を全面的に支持する。義仲追討では勢多に進軍して入京した後、北陸に逃亡をはかった義仲を近江で待ち構えて討ち取る。一ノ谷の戦いでは義経の策に乗り、生田口を正面から攻めて知盛軍と激戦を繰り広げる。その後、長門において船団集めと兵糧不足に苦戦するが、豊後の水軍を味方につけると九州へ渡って筑前へ攻め込み、平家軍の退路を遮断する。壇ノ浦の戦いでは陸地に布陣し、平家の退路を塞ぐ。平家軍が三種の神器とともに入水すると、それを懸命に探す。頼朝の上洛に際しては、頼朝に不満を持つ坂東武者をまとめ上げ、頼朝と坂東武者の間を取り持つ。
- 富士の巻狩りにおいて頼朝が暗殺されたという情報が鎌倉にもたらされると、能員に説得され、鎌倉を守るために次の鎌倉殿になることを決意する。しかし、それが鎌倉に戻った頼朝の耳に入り、謀反の疑いをかけられる。その後、頼朝に対して身の潔白を証明しようと起請文をしたためるが、御家人に等しい立場にありながら「源」という姓を使って署名していることを広元に咎められたために弁明する気力を失う。
- 比企尼の助命嘆願によって命は助けられると、修善寺に幽閉される。しかし、大姫が亡くなると、頼朝に大姫を呪い殺したとの疑いをかけられ、景時の命を受けた善児によって誅殺される。
- 義円(ぎえん)
- 演:成河
- 源義朝の八男。頼朝の異母弟。義経の同母兄。幼名は乙若(おとわか)。
- 孫子の兵法に通じ弓矢の名手だけでなく、和歌にも精通している。
- 平治の乱後、近江の園城寺に預けられ出家する。のちに後白河法皇の皇子・円恵法親王の判官を務める[5]。
- 兄弟では最後に頼朝の元へ参上する。頼朝から平家との戦を前に何をすべきかと問われると、孫子の教えを説いて頼朝から感心される。また、紀貫之の詠んだ歌を披露し、政子からも頼りにされる。
- 鎌倉に叔父である行家が訪ねてくると、京で世話をしてもらった恩から平家討伐の誘いを断りきれず、弟・義経に相談する。しかし、義経にそそのかされ、頼朝への手紙を義経に託して行家と共に西上する。その後、頼朝に認めてもらおうと功を焦ってしまい、墨俣川の戦いにおいて平盛綱に討ち取られる[5]。
- 源行家(みなもと の ゆきいえ)
- 演:杉本哲太
- 頼朝や義仲らの叔父。頼朝の祖父・源為義の十男[8]。通称は十郎(じゅうろう)。
- プライドが高く、頼朝の家人になることを嫌う。また、自身の野望達成のために甥である頼朝・義仲・義経らを利用するが、味方とした者は争いに必ず敗れる「死神」のような人物である[注釈 12]。
- 平治の乱では兄・義朝とともに戦うが敗れ、熊野へ逃れている[8]。のちに八条院より蔵人を任じられ行家と改名する。
- 以仁王による平家討伐の令旨を携えて全国を行脚し、頼朝ら源氏一門に決起を迫る。
- 頼政が自害すると逃亡して姿を消し、頼朝が勢力を拡大すると再び頼朝のもとを訪れて平家追討を促す。義時から飢饉を理由に出兵を断られると、頼朝の兄弟たちに声をかけ、甥・義円と共に尾張へ向かう。しかし、墨俣川の戦いで惨敗し、義円を戦死させてしまう。
- その後、再度鎌倉を訪れて頼朝に所領を要求し、無下に断られると義仲の食客となる。義仲とともに平家軍を蹴散らし入京すると、頼朝を第一の功とした後白河法皇に対し、義仲と共に抗議する。しかし、義仲と後白河法皇との仲が険悪となるにつれ義仲と距離を置き始め、後白河法皇に接近する。義仲の立場が危うくなると密かにその元を去る。
- 平家滅亡後、頼朝との仲が険悪となった義経に近付き、頼朝が土佐坊昌俊に義経の襲撃を命じたという嘘の情報を流して頼朝討伐の挙兵をそそのかす。しかし、義経の分が悪くなるとその元を去る。のちに鎌倉方に捕らえられ、首をはねられる[注釈 12]。
- 源頼政(みなもと の よりまさ)
- 演:品川徹
- 摂津源氏の長老。公卿。伊豆の知行国主[* 37]。
- 源氏では初の従三位に叙せられ公卿昇進を果たすとともに、清盛とも良好な関係を築いている[* 37]。
- 以仁王の挙兵に際して平家側として討伐軍を率いるが、王に呼応しており寝返る。激怒した清盛が差し向けた追討軍に敗れ、宇治の平等院にて自害する。
- 武田信義(たけだ のぶよし)
- 演:八嶋智人
- 甲斐源氏の棟梁。
- 源氏の棟梁をめぐって頼朝や義仲への対抗心を顕わにし、互いに牽制しあっている。
- 頼朝と時を同じくして平家討伐の兵を挙げる。頼朝の使者である時政と義時が援軍を要請するために訪ねてくると一度は断り、逆に時政を懐柔しようとする。しかし、平家の大軍が京を出発したことを知ると、再び使者としてやってきた時政と義時に援軍の要請を承諾する旨を伝える。
- 富士川の戦いに先立って、駿河の目代・橘遠茂を討ち取るなど功績を挙げる(鉢田の戦い)。頼朝軍と合流すると、頼朝を出し抜くために酒宴を開き、両軍で決めた合戦の期日を破って勝手に出陣する。しかし、平家軍は水鳥の羽音に驚いて勝手に敗走する。義仲が勢力を拡大すると、頼朝に対抗するために娘を義仲の嫡男・義高に嫁がせようとするが失敗する[注釈 13]。すると、鎌倉を訪ね、頼朝に義仲を討たせようとする。
- 一ノ谷の戦いでは後詰めとして頼朝軍に貢献するが、後白河法皇からの恩賞が一向に出ないため鎌倉に赴く。その際、幽閉中の義高に接触し、打倒頼朝を掲げともに立とうと誘うが、義高には拒否される。謀反を企てたとして嫡男・忠頼が誅殺されると、頼朝に忠誠を誓う起請文を書かされるが、これは甲斐源氏が御家人と同等の立場に転落することを意味しており、義時には鎌倉方の面々の異常性を訴え、恨み節を吐露する。
- 一条忠頼(いちじょう ただより)
- 演:前原滉
- 信義の嫡男。
- 父とともに、幽閉されている義高の元を訪れ味方になるように唆すが断られる。2度目の接触で義高の逃亡が発覚し、義高が討ち取られる原因となる。のちに鎌倉御所に参上したところ、義高を煽り謀反を企てたとする咎により頼朝の面前で仁田忠常に誅殺される。
- 平賀朝雅(ひらが ともまさ)
- 演:山中崇
- 時政とりくの娘婿。妻はきく。
坂東武者・御家人
伊東家とその関係者
- 伊東祐親(いとう すけちか)
- 演:浅野和之
- 伊豆東海岸の豪族・伊東家の惣領。北条義時の母方の祖父。娘が時政・義澄・祐経(のちに土肥遠平[9])に嫁いでおり、娘婿や孫たちからは「爺様(じさま)」と呼ばれている。
- 一族思いだが、敵対すると血を分けた身内でも容赦はしない。平家と敵対するのを何よりも恐れる。
- 平治の乱で敗れた流人・頼朝を領内で監視していたが、京の大番役で留守の間に娘・八重が頼朝と関係を持ち、外孫である千鶴丸を産んだため激怒する。清盛に知られるのを恐れ、雑色・善児を放ち千鶴丸を暗殺するものの、頼朝には娘婿・時政の領内へ逃げられる。景親の仲裁で頼朝を北条家への引き渡すことを認めるものの、頼朝の挙兵に北条家が追随したため親族同士で敵対することになる。
- 石橋山の戦いでは、頼朝軍を大庭軍と挟み撃ちにして敗走させるなどはじめは優勢だったが、次第に追い詰められる。伊東の館を攻められると自害しようとするが、外孫・義時に説得されて投降する。その後、政子や義時が頼朝を説得したことによって三浦家に預けられる。頼朝からの恩赦により死罪は免れ、その礼のために鎌倉の大倉御所へ出立しようとした矢先、景時の下人に転じていた善児に暗殺される。
- 八重(やえ)
- 祐親の娘。北条義時とその妻子を参照。
- 河津祐泰(かわづ すけやす)
- 演:山口祥行
- 祐親の長男。八重の長兄。
- 河津郷を本拠とする[* 38]。祐親らとともに北条館から戻るところを祐経に襲われる。その後、祐親を狙った祐経によって誤って殺される。
- 伊東祐清(いとう すけきよ)
- 演:竹財輝之助
- 祐親の次男。八重の次兄。通称は九郎(くろう)。
- 妹思いの性格であり、祐親が激怒し源頼朝を追討を命じた際は、八重が悲しむ姿を見たくないと、宗時と協力して内密に頼朝を北条館へ逃がす[10]。しかし、父の命には逆らえず、善児に命じて千鶴丸を殺害する。
- 頼朝が挙兵すると、親戚である北条家や親友の宗時と敵対することに苦悩する。宗時が討たれた際には、その首に手を合わせている。伊東家が劣勢になると、援軍を呼ぶため鯉名から舟で脱出しようとするが、頼朝方に捕らえられる。その後、義時と義村に八重の危機を伝える。
- 祐親と同様、三浦に預けられ死罪を免れるが、善児に暗殺される。
- 工藤祐経(くどう すけつね)
- 演:坪倉由幸
- 伊豆の豪族。
- 坂東武者には珍しい文化人肌で、歌舞音曲に通じた風流人でもあり、後にその気質が都育ちの頼朝に気に入られ寵臣となる。
- 元は伊東家の嫡流。幼少期に父が他界したため、義理の叔父である祐親が後見役となっている[11]。のちに祐親の娘(演:島侑子[* 39])[注釈 9]と結婚したが、祐親に所領を奪われ妻と離縁させられる。
- 頼朝が北条館に逃げ込んだ際には家人となり、見張り役としてあてがわれる。頼朝の密命による祐親襲撃に失敗し[注釈 14]たが、その後も頼朝には目をかけられており、祐親が亡くなると旧領を取り戻している[注釈 15]。江間館を訪れ義時と八重に再会するが、八重に怪訝な顔をされる。また、曽我兄弟には父の敵として憎まれており、石を投げつけられている。大倉御所にて忠頼の粛清に立ち会うと、鎌倉は恐ろしい所だと義時に告げて去る。
- しかし、その後も頼朝に引き立てられ、静御前が鶴岡八幡宮で舞を舞った際には鼓を打っている。また、頼朝が上洛した際もこれに従う。
- 巻狩りの計画についての話し合いの際には、富士山麓で行うことを提案し、巻狩りの最中には頼朝の願いに応えるため比奈の居所を義時に尋ねる。比奈のもとへ出かけた頼朝の身代わりに寝所で寝ていたところを、押し入ってきた五郎に頼朝と勘違いされて殺される。
- 曽我十郎(そが じゅうろう)
- (一万 → 曽我十郎)
- 演:田邊和也(少年期:大藤瑛史)
- 祐泰の長男。時政の家人。幼名は一万(いちまん)。諱は祐成(すけなり)[注釈 16]。
- 幼少期は弟とともに戦災孤児として八重に世話をされており、義時と八重のもとを訪れた祐経に対し、弟と共に「人殺し」と罵倒し石を投げつける。
- 御家人にしてもらおうと、時政とともに頼朝のもとへ訪れるが断られたため、源氏だけが隆盛を極める現状に不満を持ち、頼朝を討つため弟と立ち上がる。同じく頼朝に不満を持つ義実と結託し、能員にも協力を仰ぐ。また、単なる仇討ちであると時政を騙して北条方の兵を借りるが、その中に居合わせた忠常に行動を怪しまれると、弟を先に行かせて忠常と対峙し、討ち取られる。
- 曽我五郎(そが ごろう)
- (箱王 → 曽我五郎)
- 演:田中俊介(少年期:加賀谷光輝)
- 祐泰の次男。時政の家人。幼名は箱王(はこおう)。諱は時致(ときむね)[注釈 16]。
- 時政を烏帽子親として元服、家人となる。血気盛んで、話すときに唾を飛ばしてしまう性分である。
- 兄と共に頼朝を討つため立ち上がるが、頼朝と間違えて祐経を殺してしまう。景時に捕らえられると頼朝存命を告げられ、その後頼朝と対面する。頼朝の前で、あくまで狙ったのは頼朝であると強く主張したが、実際に殺した祐経は父の仇でもあったため、義時の提案を飲んだ頼朝によってこれを仇討ちと看做され、斬罪に処される。
- 江間次郎(えま じろう)
- 演:芹澤興人
- 祐親の家人。八重の再婚相手。
- 北条領とは狩野川の対岸に位置する江間郷を所領とし[12]、北条館を望む小高い丘の上に館を構える。寡黙かつ物静かであり、祐親に従順である。
- 主の娘である八重と夫婦になるが夫と思われることはなく、別れてもなお頼朝を想う八重の言動にしばしば振り回される。伊東の館を攻められたら八重を殺すよう祐親から命を受けていたが、悩んだ末に館から逃がそうとする。しかし、同じ命を受けていた善児に刺し殺される。
三浦家とその関係者
- 三浦義澄(みうら よしずみ)★
- 演:佐藤B作
- 相模三浦郡の豪族[13]。三浦家の惣領・三浦義明の次男[13]。妻(演:中尾文子[* 40])[注釈 9]は伊東祐親の娘。通称は次郎(じろう)。義盛からは「叔父御」(おじご)と呼ばれている。
- 陽気な性格だが義理堅く、敵方となった相手をも心配する。決断を迫られた際には、切れ者の嫡男・義村に常に相談する。義兄弟でもある北条時政とは悪友で、気心が知れた仲である[13]。
- 兄の死により三浦家の家督を継いでいる[13]。源頼朝の挙兵に際しては北条家と同調するが、石橋山の戦いでは酒匂川の増水に阻まれ合流できず、水が引くのを待つもやむなく引き返す。しかし、平家方となった甥・重忠の軍と鉢合わせし、戦闘となる[13]。さらに、本拠地である衣笠城が陥落し父・義明が戦死すると(衣笠城合戦)、海路で安房へ逃れる。のちに頼朝らと合流し鎌倉入りする。
- 富士川の戦いでは、夜更けに富士川のほとりで時政と殴り合いの喧嘩をしたことで水鳥の群れが羽ばたき、図らずも勝利へとつながる。頼朝の西国遠征には反対し、坂東の地盤固めを主張する。のちに頼朝の失脚を狙う謀議に巻き込まれ、三浦家の親族でもある北条家は見逃すという条件で反頼朝派に加わる。
- 平家討伐の際には、初めは後詰めを任され、後に義経軍に加わる。頼朝が義経追討の兵を挙げようとすると、戦の強い義経とは戦いたくないと出兵を断る。頼朝の上洛にも随行するが、出費はかさむが所領は増えず、頼朝とその身内だけが良い思いをする現状に不満を持ち、酒宴では範頼側に参加する。その後、頼朝の2度目の上洛にも従う。頼朝が昏睡状態に陥ると、時政や時連と共に水垢離を行う。
- 頼家が2代目鎌倉殿となり、十三人の合議制の選考が行われると、北条派閥として加わるよう時政から頼まれ、当初は渋ったものの義村の説得を受けて引き受ける。
- 景時が討ち取られた3日後に病で危篤状態となる。時政が三浦の館に到着すると、一緒にあの世へいこうと時政を誘うが突き飛ばされ、その直後に息を引き取る。
- 三浦義村(みうら よしむら)
- 演:山本耕史
- 義澄の嫡男。義時の従弟で盟友。通称は平六(へいろく)。
- 沈着冷静かつ頭脳明晰な知恵者だが、正論を皮肉交じりに語ることが多いリアリスト。その性格から義澄や義時から全幅の信頼を寄せられ、相談相手になることも多々ある。基本的には情に流されず損得勘定で行動しており、時に冷徹で非情な判断を下すことも厭わない。その一方で女好きで、頼朝の先妻・八重や愛妾・亀、公家の娘である時政の後妻・りくに粉をかけている。特に頼朝の元交際相手に対しては、彼女らと付き合うことで「頼朝を超える」ことができるという、義時には理解しがたい考えを持っている。
- 頼朝については当初から快く思っておらず、頼朝が北条の館に匿われていることを知ると、そのことを父・義澄に伝えて景親に祐親と時政の仲裁を頼むが、義時には頼朝の首をはねて平家に渡すよう告げる。
- 頼朝が挙兵すると同調するが、石橋山の戦いの際に酒匂川が増水すると、頼朝軍を見捨てて引き返すよう父・義澄に進言する。しかし、三浦に引き返す最中で畠山軍と遭遇し戦闘になる。安房で頼朝たちと合流すると、頼朝の首を大庭に差し出すよう義時に告げる。頼朝が安房を進軍すると警護につき、頼朝を襲撃した常伴を討ち取る。
- 頼朝が鎌倉に入るとそれに従い、その後も義時の良き相談相手となる。亀の前事件の際には義時に頼まれて亀を広常の館に避難させる。また、義時が義仲のもとへ使者として向かった際にはこれに付き添う。頼朝への謀反計画には父の意向に従って参加し、全成を押さえる任務を任されるが失敗する。その後、広常の誅殺が決まると、助けに向かおうとする義時を引き止める。頼朝が義高を討つよう命じると、娘・初を八重に預けたことで義時に借りがあることから、一度は義時らに協力して義高脱走の手助けをする。しかし、義時や政子に会っていたことを義澄から問い詰められると、義高を捕らえようとする。
- 平家討伐では、初めは後詰めを任され、後に範頼軍に加わる。長門において船団集めに苦戦すると、義時から豊後の緒方氏を味方につけるよう提案され、説得の末に緒方氏を味方に引き入れることに成功する。その後、壇ノ浦の戦いにも参戦する。義経が挙兵した際には、義経には兵が集まらないため戦わずして負けると分析する。頼朝の上洛に随行すると、範頼側の酒宴に向かった義澄に対し、自身は頼朝側に参加する。大姫の入内計画が進むと、時政が帝の外曾祖父となることで北条と三浦の差がさらに開くことを不満に思う。その後、屋敷から抜け出した大姫を発見すると、相談に乗るふりをして言葉巧みに入内をやめるよう誘導する。
- 義澄と加茂重長が若い頃に共に戦った仲であったことから、重長の娘・つつじと頼家との間を取り持つ。頼朝が昏睡状態に陥ると義時から頼まれ、つつじが頼家との間に男子を産んだ場合はその乳母を三浦一族から出すことを引き受ける。
- 頼家が2代目鎌倉殿となり、十三人の合議制の選考が行われると、三浦家から2人出すのは角が立つと考えて勧誘を断り、代わりに義盛を推薦する。合議が本格的に始まると、景時失脚の計画を立て、朝光に協力を持ちかける。その後、朝光が景時から謹慎処分を命じられた後に死罪となると、義時からの相談を受ける形で景時排斥を求める連判状を作成し、計画通りに景時を失脚させることに成功する。つつじが頼家の次男・善哉を産むと、約束通り乳母夫となる。また、娘・初を頼時に嫁がせる。
- 初(はつ)
- 義村の娘。泰時の妻。北条義時とその妻子を参照。
- 和田義盛(わだ よしもり)★
- 演:横田栄司
- 義澄の甥。義村の従兄。通称は小太郎(こたろう)。
- 髭を蓄えた強面の弓の名手[14]で、血気盛んな荒武者だが、義仲からの使者を斬殺するよう命じられた際には難色を示していた。また軍陣で鶫(つぐみ)を捕まえて「鵯(ひよどり)がいた」と喜んだり[注釈 17]、木曽義仲討伐の戦功報告を絵入りで文にしたりする[注釈 18]などお茶目な面も持つ。ウサギのように大人しいという正妻には物足らなさを感じている。
- 頼朝の挙兵では叔父・義澄らとともに戦に参加する。平家方に敵と思われていなかったにも関わらず、義村が止めるのも聞かずに先制攻撃をしかける。また、戦を避けようとしていた重忠の軍に誤って攻撃を仕掛けてしまい、のちに重忠から攻撃を受ける。安房へ逃れると頼朝に「侍大将」になりたい旨を直訴し、義時とともに広常を説得して味方にする功績を挙げる。頼朝が鎌倉へ入ると、約束通り「侍所別当」に任じられる。
- その後、平家方として敵対したのち頼朝に下った重忠を恨み、重忠と先陣を争いつつ伊東の館を二人で攻撃する。富士川の戦いや金砂城の戦いにも参加するが頼朝の西国遠征には反対し、頼朝の失脚を狙う反頼朝派の謀議に参加する。その際、頼朝に情報を流していた景時を捕らえる。また、鶴岡八幡宮にいる万寿を連れ去る役目を任されるが、単純な性格を重忠に利用され、万寿奪取の役目を放棄する。
- 義仲追討の際には、範頼が総大将を務める本軍に加わり、北陸に逃れようとする義仲を近江で待ち構える。その際、巴御前の勇猛果敢な戦いぶりに惚れ込んで鎌倉へ連れ帰り、後に側室とする。一ノ谷の戦いでは、範頼軍に属して生田口を正面から攻める。一度鎌倉へ戻ると、巴御前のためにと義高を逃がすための作戦に協力する。範頼軍に属して再び鎌倉を出陣すると、長門において兵糧不足に苦しめられたため、範頼に鎌倉への撤退を提案する。壇ノ浦の戦いでは、入水する平家軍に手を合わせる。頼朝が義経追討を宣言すると出兵を断るが、重忠が出陣を支持すると意見を変える。
- 奥州攻めに従軍すると、頼朝から河田次郎を斬罪に処するよう命じられる。また、他の御家人たちと義経を偲び、頼朝に対して義経の讒言を行った景時を嫌う。その後、頼朝の上洛や富士の巻き狩りにも参加する。頼朝が落馬して亡くなったと聞くと、武士の棟梁として情けないと言い放つ。
- 頼家が2代目鎌倉殿となると、景時と侍所別当の座を巡って対立する。十三人の合議制のメンバー選考の際には、りくの言葉を受けて二つ返事で引き受ける。その際、重忠の勧誘には難色を示す。義時から朝光死罪についての相談を受けると、景時に対する長年の不信感から、景時排斥を求める連判状の作成に積極的に参加し、66人の御家人たちから署名を集めることに成功する。また、頼家に連判状を渡すことをためらった広元に詰め寄り、すぐに渡すよう迫る。景時が失脚すると、侍所別当の座に返り咲く。
- 巴御前(ともえごぜん)
- 演:秋元才加
- 義盛の側女。元は木曽義仲の愛妾。
- 武勇に優れる女武者。一本眉が特徴。義仲とは幼馴染であり、男女の絆を超え、一生を捧げて仕える決意を持っている。
- 兄・今井兼平とともに各所を転戦する。宇治川の戦いで敗れると義仲と運命を共にしようとするが断られ、義高への文を託され落ち延びる。のちに和田義盛に捕らえられ、鎌倉へ移送される。
- 義高へ文を渡し、死を覚悟していた義高に再び生きる決意を促す。その後も義盛の元で暮らし、彼の想いを受け入れるようになる。大姫が義高の話を聞こうと訪ねてきた際には、大姫を励まし未来へ進むよう促す。また、頼朝が和田屋敷を訪れた際には、義仲を討ったことについて頼朝から謝罪を受ける。
- 岡崎義実(おかざき よしざね)
- 演:たかお鷹
- 義澄の叔父。三浦義明の弟。通称は平四郎(へいしろう)。
- 高齢ながらも血気盛んで、坂東武者の誇りが高い。同じく老将の実平や秀義、常胤らと馬が合う。
- 頼朝の挙兵では甥・義澄らとともに戦に参加する。石橋山の戦いで息子を亡くし[注釈 19]、衣笠城が陥落すると義澄らとともに安房へ逃れる。義澄らとともに鎌倉へ入ると、義朝ゆかりの地・亀谷(かめがやつ)に新御所を建てるよう頼朝に上申するものの断られる。
- 頼朝の西国遠征に反対し、「御家人は頼朝の駒ではない」という考えから、反頼朝派の謀議に参加する。計画が失敗した際には、政子の前で本音を語り、涙を見せた。奥州攻めに従軍して勝利を収めると、他の御家人たちと義経を偲ぶ。頼朝の上洛にも随行するが、頼朝とその身内だけが良い思いをする現状に不満を持つ。
- その後、曽我兄弟の養父・曽我祐信と幼馴染であった縁から、曽我兄弟の頼朝暗殺計画に協力する。暗殺計画が失敗すると、頼朝の挙兵にいち早く参加した功績を考慮されて死罪は免れ、出家して鎌倉を去る。のちに、梶原景時を排斥する連判状に署名する[* 41]。
比企家とその関係者
- 比企尼(ひきのあま)
- 演:草笛光子
- 源頼朝の乳母(めのと)。武蔵比企郡の代官・比企掃部允の妻[15]。長女は安達盛長、次女は河越重頼、三女は伊東祐清に嫁いでいる[15]。
- 平治の乱により頼朝が伊豆へ配流となると、夫とともに武蔵の所領に下向する[15]。その後も長年にわたり頼朝に資金の援助を続けており、道から小言を言われるも意に介さない。頼朝が鎌倉へ入ると御所を訪れ再会する。
- 範頼が謀反の疑いをかけられた際には、娘婿である盛長の要請を受け、孫娘が妻になっている範頼の助命嘆願を行い、昔と変わってしまった頼朝を叱責した。頼朝が落馬する直前には、久しぶりに頼朝と対面する。
- 比企能員(ひき よしかず)★
- 演:佐藤二朗
- 武蔵比企郡の豪族[16]。叔母である比企尼の養子。通称は藤四郎(とうしろう)。
- 飄々としているが目先の損得に流されやすいところがあり、道から苦言を呈されることもある。
- 頼朝の挙兵の際には静観していたが、勢いが増し鎌倉に入ると急接近する。頼朝と政子の嫡男・万寿(のちの源頼家)が産まれると、その乳母夫(めのと)となる。亀の前事件で北条時政が伊豆へ帰ると、北条家に取って代わるために源氏との繋がりを強めようとし、比企尼の孫娘である常と里を範頼と義経に接近させる。
- 頼朝に対する謀反計画を知ると、頼朝側について御家人たちの偵察に向かうが、自身の身に危険が迫るとすぐに寝返る。さらに、義時から広常が味方であることを知らされると再び頼朝側につく。
- 義仲追討の際には後詰めを任されるが、一ノ谷の戦いで源氏軍が勝利すると頼朝に出陣を願い出る。その後、義経との婚姻が決まった里も連れて京へ向かい、義経軍に加わる。奥州攻めでは総大将の一人に選ばれる。また、この頃には比企尼の孫娘を範頼に嫁がせることに成功する。しかし、時政が後白河法皇に気に入られると、対抗意識を燃やす。頼朝の上洛に際して御家人たちの不満が高まっていることを知ると、身内である範頼が次の鎌倉殿になれば比企一族は安泰だと考え始める。頼朝の次男・千幡の乳母に北条の娘である実衣が選ばれると、道の考えで姪に当たる比奈を頼朝の側女にしようと考えるが、政子に阻まれて失敗する。
- 富士の巻狩りに際しては、曽我兄弟と義実に頼朝暗殺計画への協力を求められる。初めは加担することを断るが、時政が関わっていることを知ると考えを巡らし、暗殺計画が失敗すればその計画に関わった北条家は潰れ、もし頼朝の暗殺計画が成功したとしても自分たちが乳母を務める万寿が次の鎌倉殿となるため、計画を口外しないようにする。巻き狩りが始まると、獲物が仕留められない万寿のため、時政や義時に裏工作を依頼する。巻き狩りの最中に頼朝だけでなく万寿までもが討たれたという報が鎌倉にもたらされると、比企一族の存亡のために範頼を次の鎌倉殿にしようと考え、範頼を焚き付ける。しかし、頼朝が生きて鎌倉へ戻ると病と称して館に引きこもり、助けを求める範頼との面会を拒否する。
- 娘のせつが頼家の子・一幡を産むと、頼朝が生きているうちに頼家を次の鎌倉殿とし、さらに一幡をその後継者と定めるよう文官たちに詰め寄る。また、頼朝が昏睡状態に陥ると、頼家の世が来ることを喜ぶ。しかし、2代目鎌倉殿となった頼家がせつを側室にし、比企の後ろ楯を断ると激怒する。
- 文官4人と景時が主導する政治体制の構想を知ると、自身も入れるよう義時に要求し、時政が宿老となると、盛長と知家を比企派閥として勧誘する(十三人の合議制)。さらに、文官4人を取り込むため、接待宴会を行う。義村と義盛から景時排斥を求める連判状への署名を求められると、時政に続いて2番目に署名する。その後、流罪となった景時が京へ向かう際の人質として一幡を比企の館から連れ去ろうとすると、義時に説得を要請する。宿老が9人となると、これを機に自身が頼家を動かそうと考えるが、頼家からの反発にあう。また、頼家の正室・つつじが善哉を産むと、つつじの産んだ男子を嫡男にするという頼朝の意向は文書に残っていないとして、嫡男を一幡にするよう義時に迫る。
- 道(みち)
- 演:堀内敬子
- 能員の妻。万寿(源頼家)の乳母。
- 世情に敏感で、勢いのあるものに乗りたがる。一方で厄介事に関わる事を露骨に嫌がるなど、かなり利己的な性格の持ち主。
- 平家隆盛の中、頼朝に協力しようとする義母・比企尼に異を唱え、頼朝の挙兵の際には呼応しないよう夫・能員に釘を刺す。しかし、流れが変わると源氏に取り入るよう能員をけしかける。万寿が産まれると、その乳母となる。
- 静御前が捕縛されて鎌倉に移送されてくると、里の叔母という立場から彼女を挑発する。頼朝の次男・千幡の乳母に実衣が選ばれると、能員の姪・比奈を頼朝の側女にしようと考えるが、政子に阻まれて失敗する。富士の巻き狩りにて頼朝と万寿が討たれたという報が鎌倉にもたらされると、比企一族の娘を妻に持つ範頼を次の鎌倉殿にするよう能員を焚き付ける。その後、頼朝が生きて鎌倉へ戻ると、範頼に会おうとする能員を引き留める。
- 頼家が2代目鎌倉殿となると、頼家がせつを側室にし、比企の後ろ楯を断ったことに激怒する。また、文官4人と景時・能員が宿老となった政治体制に時政が入ると、比企派閥の御家人たちを勧誘するよう能員に助言する。
- 比企時員(ひき ときかず)
- 演:成田瑛基
- 能員と道の息子。通称は弥四郎(やしろう)。
- 頼家の近習の一人に選ばれる。頼家に命じられ、蹴鞠の稽古や町の掃除、迷い犬の飼い主探しを行う。頼家の命で念仏僧を捕らえると、袈裟を剥ぎ取って鎌倉から追い出す。
- 阿野全成の謀反疑惑の際には、実衣を引き渡すことを先頭に立って要求する。
- 比企宗朝(ひき むねとも)
- 演:Kaito
- 比企一族の武士。通称は三郎(さぶろう)。
- 頼家の近習の一人に選ばれる。頼家に命じられ、時員と行動を共にする。
- 常(つね)
- 演:渡邉梨香子
- 比企尼の孫娘。能員の姪。
- 源氏との繋がりを強めるため、里とともに能員により白羽の矢が立てられる。信濃行き前日に比企館を訪れた範頼にあてがわれるが、断られる。
- 里(さと)
- 比企尼の孫娘。能員の姪。源義経とその関係者を参照。
- 比奈(ひな)
- 比企尼の孫娘。能員の姪。北条義時とその妻子を参照。
- せつ
- 能員と道の娘。源頼家とその関係者を参照。
安達家
- 安達盛長(あだち もりなが)★
- 演:野添義弘
- 頼朝の従者。妻は頼朝の乳母・比企尼の娘[17]。通称は藤九郎(とうくろう)。
- 頼朝が本心を明かせる家人の一人。流人時代から頼朝に仕えており、頼朝が八重や亀に会いに行く際も供をする。押しに弱い面がある一方で、ならぬと思ったことには毅然と諫止することもあり、強硬な頼朝の姿勢と坂東武士との間に隙間風が生じてしまうことを常に心配している。義時とも関係性は深く、義時が八重にふられた際には抱きしめて励ます。
- 頼朝が挙兵する際には、山内首頭経俊を味方に引き入れようとするが断られる。石橋山の戦いでは、敗走後も頼朝に常に付き従い、安房へ渡ると千葉常胤を味方に引き入れることに成功する。その後、富士川の戦いや金砂城の戦いにも参戦する。これまでの功績により「軍功特に大なり」と評されると、その文言を見て嬉し泣きする。
- 謀反計画を立てた御家人の処罰に関しては、温情をかけるよう頼朝に進言する。また、義時らが源義高を逃がそうとした際には、機転を利かせて脱出の手助けをする。義時が八重を亡くし政務から離れると、皆が義時の帰りを待っていると伝える。富士の巻狩りの際には、時政や義時に動かぬ鹿を用意するよう頼む。頼朝が比奈に会いに行こうとすると、御台所の許可が必要であると頼朝を制す。その後、源範頼が頼朝から謀反の疑いをかけられること、義母である比企尼に助けを求める。
- 頼朝が落馬した際もその傍らに在り、昏睡状態に陥った頼朝を大倉御所まで運ぶ。また、頼朝が亡くなると、その遺骨を持仏堂に納骨する役を務める。その後出家し、頼朝の菩提を弔いながら余生を過ごすつもりでいたが、妻が比企の娘であることで比企能員からの強引な勧誘を受け、困惑しつつも十三人の合議制の一員となる。頼家が息子・景盛の妻を奪おうとすると、処罰を受けることも厭わず頼家を諌める。そのため、頼家から親子共々死罪を命じられるが、政子や義時の仲裁によって命を救われる。
- その後、病を患い自身の余命を悟ると、頼朝の墓の傍に自分の骨を埋めてほしいと義時に頼み、静かに息を引き取る。
- 安達景盛(あだち かげもり)
- (弥九郎 → 安達景盛)
- 演:新名基浩(少年期:渡部澪音)
- 盛長の嫡男。幼名は弥九郎(やくろう)。
- 鶴丸が孤児であることをからかったため、金剛(北条泰時)と喧嘩になり殴られる。
- 2代目鎌倉殿となった頼家に妻を奪われそうになると、父・盛長と共に頼家と対面して抗議する。そのため、頼家から親子共々死罪を命じられるが、政子と義時によって救われる。のちには梶原景時の排斥連判状に署名する[* 41]。
- ゆう
- 演:大部恵理子
- 景盛の妻。
- 頼家に気に入られ、夫に隠れて頼家と関係を持つ。
梶原家
- 梶原景時(かじわら かげとき)★
- 演:中村獅童
- 相模鎌倉郡の豪族[18]。通称は平三(へいぞう)。
- 無骨な坂東武者が多い中、冷静に状況を判断する現実主義者。和歌を詠むなどの教養も持ち合わせる、文武両道の武人。
- 石橋山の戦いでは平家方として戦い、景親や経俊らとともに頼朝を追い詰める。しかし、山中に隠れていた頼朝を発見した際、頼朝は天に守られていると感じて見逃す。のちに頼朝が勢いを盛り返すと、景親らと袂を分かつ。義時とは敵方の交渉役として広常の館で知り合い、義時の仲介で頼朝の家人となる。
- 以降は侍所の所司となり、頼朝の命で諜報活動を行う。反頼朝派がいることを突き止めるとその会合に潜り込むが、義盛らに内偵を気付かれて捕まる。のちに解放されると頼朝から寝返りを疑われたため、大倉御所にて広常を誅殺する。その際、広常に双六を提案し、勝負の結果で広常を殺すかどうかを占う。この出来事により他の御家人たちとの間に溝ができる。
- 西国遠征の際には範頼率いる本隊の軍奉行(いくさぶぎょう)を務める。義経とは、鉢伏山からの奇襲や逆櫓論争など、戦術を巡って対立するものの、彼の判断には理解を示しており、一ノ谷の戦いにおける義経の戦いぶりを「八幡大菩薩の化身」と評価する。屋島の戦いでは、嵐の中船で出陣する義経を止めず、無事に屋島へ辿り着けるか否かで義経が神に選ばれた男かどうかを占う。壇ノ浦の戦いでは、頼朝から総大将に任命されるが、義経が大将となれるよう芝居を打つ。
- 平家が滅亡すると、天に選ばれたものは二人もいらないと考え、頼朝に義経についての讒言を行う。義経が討ち取られた後、義経が考案した鎌倉攻撃の策を知ると、その内容に感心する。また、奥州攻めで勝利を収めると、義経を陥れた自分は愚か者として名を残すと義時に語る。
- 善児から曽我兄弟による謀反の情報を得ると、その計画に時政が関わっている事を極秘で義時に伝える。その後、富士の巻き狩りで曽我兄弟が祐経を殺すと、頼朝の寝所を襲った五郎を捕らえて斬首する。大姫が病で亡くなると、範頼を殺すよう頼朝からの命じられ、その役目を善児に任せる。
- 頼朝から頼家を託されると、政子から次の鎌倉殿になるよう言われた際には一度断るよう頼家に助言する。これを機に頼家からの信頼を得ると、政治体制や三左衛門事件の処罰についての助言も行う。しかし、義盛とは侍所別当の座を巡って対立する。義時から、文官4人と自身で訴訟を請け負う政治体制を提案されると、これを承諾して頼家を説得するが、最終的にメンバーが13人となったことで頼家からの信頼を失う(十三人の合議制)。合議が本格的に始まると、好を重んじて便宜を図る宿老たちを叱責する。また、朝光に謀反の疑いありとして、謹慎処分を命じる。頼家が景盛の妻を奪おうとしていることを頼時から聞くと、事態を収束させるために政子を呼ぶが、このことで頼家から恨みを買う。
- その後、人妻略奪未遂で頼家が御家人たちの信用を失ったため、朝光を見せしめとして死罪にしようとするが、逆に66人の御家人たちから自身の排斥を求める連判状が出される。これにより頼家から謹慎を命じられると、後鳥羽上皇から京へ来るよう誘いを受けるが、このことを義時に教えたことで、頼家から奥州の外ヶ浜への流罪を命じられる。
- このままでは終わりたくないと、京へ向かう際の人質として一幡を比企の館から連れ出そうとするが、義時に説得されて断念。義時に坂東武者の世を作ることを再確認させ、善児を譲り渡す。その後、流罪先の外ヶ浜へ向かうとして館を発つが、武士として戦場で死ぬために京へ向かう動きを見せ、駿河国で義時の放った追手に一族もろとも討ち取られた。
- 義時に善児を託した際、善児のこれまでの働きに対する褒美として、善児が宗時を殺した際に奪った巾着袋を義時に渡しており、自分の死後での善児の命運も天に占わせた。
- 梶原景季(かじわら かげすえ)
- 演:柾木玲弥
- 景時の嫡男。
- 広常誅殺を命じられた父を心配しながらもこれに協力し、誅殺の際には父に刀を手渡す。
- 父が謀反の罪で奥州へ流罪となると、一幡を人質にするため父と共に比企の館へ向かう。その後、京を目指して進軍し、駿河国で親子共々追っ手に討ち取られる。
畠山家
- 畠山重忠(はたけやま しげただ)
- 演:中川大志
- 武蔵の豪族。通称は次郎(じろう)。
- 武勇と教養に優れ、清廉潔白な人柄から「坂東武士の鑑」と評されている。時政の娘ちえと婚姻し婿となる。頼朝と坂東武者たちとの間を取り持つ義時を、陰に陽に手助けする。
- 義時や義村らと仲が良かったが、父が平家との繋がりが深いこともあり、頼朝の挙兵に際しては心ならずも北条家や三浦家と敵対する。三浦軍と鉢合わせすると、坂東武者同士での争いを回避しようと兵を引くが、義盛の勘違いから戦闘が始まり敗走する。その後、三浦の本拠地である衣笠城を陥落させるが、頼朝方が優勢になると鎌倉入り前に降伏する。
- 他者・自身共に認める見栄えの良い風貌の持ち主で、頼朝に仕えた当初は、若く見た目が良いことを理由に優遇され、広常らに嫉妬される。とりわけ義盛には強い反発心・対抗心を持たれており、伊東の館を攻めた際には頼朝によって義盛と競わせられる。また、御家人たちの謀反騒動の際は、義盛の性格を逆手に取り、義盛の行動を制御する。
- 義仲追討の際には義経軍に属し、宇治川の戦いでは先陣争いが行われている間に川を渡って武功を上げる。一ノ谷の戦いでは、義経と共に鉢伏山から奇襲を行い源氏軍の勝利に貢献する。一度鎌倉へ戻ると、義時に頼まれて義高を逃がすための作戦に協力。壇ノ浦の戦いでは、船頭を射殺そうとする義経を制止する。
- 頼朝が義経追討の兵を上げようとすると、初めは出兵に難色を示すが、困っている義時の様子を見かねて出兵を宣言する。静御前が鶴岡八幡宮で舞を舞った際には、銅拍子を打って伴奏を務める。頼朝の上洛に随行すると、頼朝の上洛に不満を持つ御家人たちが範頼の元に集まっていることを義時に教える。富士の巻き狩りでは、義父・時政に頼まれて頼朝の寝所を警護し、頼朝を殺しにやって来た五郎や北条の兵と戦闘になる。
- 頼家が2代目鎌倉殿となり、宿老が選考された際には、妻が北条家であるという理由からりくの勧誘を受けるが、同じく武蔵に領地を持つ能員に牽制されたため断る。これにより、りくとの間に確執が生まれる。また、時政が御家人たちを勧誘していることを義時に伝えると共に、頼家の政治に疑問を呈す。
- ちえ
- 演:福田愛依(幼少期:英茉[要出典][* 42][出典無効] → 阿部久令亜[要出典])
- 重忠の妻。北条時政の三女。義時の異母妹。
稲毛家
- 稲毛重成(いなげ しげなり)
- 演:村上誠基
- 武蔵の豪族。
- 北条の婿の中では影が薄いが、あきとの夫婦仲は非常に良好である。それだけに妻に先立たれたことをとても悲しみ、供養のために相模川に橋を掛ける。のちに梶原景時の排斥連判状に署名する[* 41]。
- あき
- 演:尾碕真花(幼少期:平賀紗奈[要出典][* 43][出典無効]) → 田中乃愛[要出典][* 44][出典無効])
- 重成の妻。北条時政の四女。義時の異母妹。
- 小さい頃より体が弱く、夫の重成に先立って亡くなる。
佐々木家
- 佐々木秀義(ささき ひでよし)
- 演:康すおん[注釈 20]
- 元は近江の豪族。頼朝の祖父・源為義の娘婿。
- 歯がほとんど抜け、発言内容は不明瞭である。同じ老将である岡崎義実や土肥実平と馬が合う。
- 平治の乱では頼朝の父である義兄・源義朝に従い戦うが敗れ、坂東へ逃れる。頼朝の挙兵には齢68歳ながら参陣し、息子らとともに山木兼隆がいる館を襲撃する。その後、石橋山の戦いで敗れ安房へ逃れた頼朝らと合流する。
- 頼朝没後、2代目鎌倉殿となった源頼家を補佐する宿老選考の際に時政がその名を挙げるも、三浦義村によってすでに亡くなっていることが伝えられる。
- 佐々木定綱(ささき さだつな) / 佐々木経高(ささき つねたか) / 佐々木盛綱(ささき もりつな) / 佐々木高綱(ささき たかつな)
- 演:木全隆浩(定綱) / 江澤大樹(経高) / 増田和也(盛綱) / 見寺剛(高綱)
- 秀義の息子たち。
- 次男・経高が山木館に火矢を射掛けたことが、4年7か月におよぶ源平合戦の始まりとなる。
- 医者
- 演:康すおん[注釈 20]
- 秀義の孫。
その他の坂東武者・御家人
伊豆国
- 仁田忠常(にった ただつね)
- 演:高岸宏行
- 伊豆の豪族。北条家とは所領が近い[19][20]。
- 坂東武者では珍しく、気が優しく真面目な忠義者であり、穏やかな笑顔を浮かべていることが多い。剛腕で武勇に秀でているが、実直な性格から駆け引きや腹芸は苦手としており、もっぱら最前線での際どい任務を受け持つ。
- 頼朝の挙兵に際しては北条家と同調する。石橋山の戦いに参戦すると、頼朝軍の大敗を伊豆山権現にいる政子たちに伝える。伊東の兵から逃れるために北条館へ立ち寄った際には、宗時が届けるはずだった観音像を見つけ、これを義時に届ける。その後、頼朝が生きていることを政子たちに伝えるために再び伊豆山権現へ向かい、僧兵に襲われた政子を助ける。頼朝が鎌倉入りすると、伊豆山権現社に匿われていた政子たちを鎌倉まで護衛する。
- 頼朝が義高を討つよう命じると、義時らと共に義高の逃亡を手助けする。また、一条忠頼誅殺の際には、祐経に代わり忠頼を斬る。八重が川で流されたと聞くと捜索に参加し、八重が亡くなったことを政子に伝えると泣き崩れる。その後は、残された孤児たちの世話に奮闘する義時の手助けをする。富士の巻狩りの際には、時政の命で曽我兄弟の仇討ちに協力するが、彼らの言動がおかしいことに気づいて十郎と戦闘になり、これを討ち取る。
- 頼家が2代目鎌倉殿となると、頼家の政について結城朝光と語り合う。
- 工藤茂光(くどう もちみつ)
- 演:米本学仁
- 伊豆の豪族。北条家とは所領が近く、義時らと仲が良い[* 45]。
- 非常に恰幅が良く、頼朝から太り過ぎと心配される。
- 石橋山の合戦の敗戦後、鎧を取り換えるため、北条館に向かう宗時とともに自身の所領に戻ろうとするが、目前で善児の手に掛かって討たれる。
- 藤内光澄(とうない みつずみ)
- 演:長尾卓磨
- 伊豆の武士。
- 頼朝の命で逃亡した義高の首級を挙げるが、殺害から生け捕りに変更するという新たな指示と行き違いになったため、政子の怒りを買う。褒美を得るどころか捕縛され、新たな指示を知らなかったことを考慮されず、義時の立会いのもと斬首される。首は片瀬川に晒される。
相模国・武蔵国
- 大庭景親(おおば かげちか)
- 演:國村隼
- 相模の豪族。
- 「相模の奉行」と称し、平家を後ろ盾として北条家はおろか伊東家や三浦家をも凌ぐ勢力を持つ。平治の乱では頼朝の父・義朝に味方したが敗れ、清盛の温情に助けられてからは平家方に与している。
- 清盛に心服しており、篤い忠誠心の持ち主。平家の権勢を笠に着ている面はあるが堤信遠のように暴慢ではなかったので、時政や義澄からは「悪い奴ではなかったが」とのちに評されている。
- 伊東館を逃れ北条館に逃げ込んだ頼朝の引き渡しに端を発した祐親と時政の小競り合いでは、両者の仲介役を務める。
- 頼朝が挙兵すると、石橋山の戦いで時政を挑発して撃破し、経俊や景時らとともに頼朝を追い詰めるが取り逃がす。のちに頼朝が力を盛り返し鎌倉へ入ると景時に見限られ、経俊とともに捕らえられる。
- 広常に対して頼朝を生かしたことを後悔しないよう警告した後、即座に広常に斬首される。首は木の枝から吊るす形で晒された。
- 土肥実平(どい さねひら)
- 演:阿南健治
- 相模土肥郷の豪族[21]。通称は次郎(じろう)。
- 湯河原の温泉郷に館を構える[21]。「みんな仲良く」が口癖で、坂東武者同士の争いを嫌う。
- 義時に頼まれ、頼朝の挙兵にいち早く呼応する。頼朝が石橋山の戦いで敗れ、方々を彷徨った際も頼朝の側を片時も離れず、所領で手配した小舟で真鶴岬から安房へ脱出させる。頼朝らとともに鎌倉入りすると、平家討伐を急ぐ頼朝に坂東の地固めを主張する。その後は、富士川の戦いや金砂城の戦いに従軍する。
- 頼朝が義仲の討伐を決めると反頼朝派の謀議に参加するが、頼朝に弓引くことにためらい、体調不良を理由に離脱する。義時に謀議について問い詰められると、謀反の計画があることをほのめかす。
- 範頼・義経軍が義仲軍を破って入京すると、義経と共に後白河法皇に謁見する。その後、一ノ谷の戦いにも参戦。頼朝が義経追討を宣言すると、戦の強い義経とは戦いたくないと一度は出兵を断る。義経が平泉で討たれるとその死を偲ぶ。頼朝が上洛した際も随行するが、頼朝に対する不満から範頼側の酒宴に参加する。
- 十三人の合議制の選考の際には、自分の名前が挙がらない事を嘆き、義時に慰められる。景時排斥を求める連判状が作成されると、署名を行う御家人たちを諌め、坂東武者同士が対立する現状を嘆く。
- 山内首藤経俊(やまのうちすどう つねとし)
- 演:山口馬木也
- 相模の豪族。母は頼朝の乳母[11]。通称は瀧口三郎。
- 平治の乱で父と兄が戦死し、家督を継いでいる[11]。楽観的で自主性がなく、長いものに巻かれやすい。
- 祐親の追手から富士山麓に逃れた頼朝と再会し、頼朝の挙兵に参加することを約束する。しかし、いざ挙兵するとそれを反故にするどころか頼朝の使者である盛長に悪態をつき、頼朝挙兵の情報を景親に伝える。その後、平家方として頼朝に弓を引くが、石橋山の戦いで頼朝を取り逃したため形勢は逆転し、景親とともに捕らえられる。見苦しく弁明するが、母が頼朝に嘆願したことで放免となる。
- 足立遠元(あだち とおもと)★
- 演:大野泰広
- 武蔵の豪族。
- 自分の意見を持たず、他人の言動に流されやすい。
- 文筆の才能に長け、頼朝から大倉御所の差配を任される。政子のもとへ突然現れたため、その場に居合わせた実衣から「一番得体のしれない」と評される。のちに大姫の遊び相手にもなる。頼朝が昏睡状態に陥ると、御家人たちに頼朝の容態を伝える役目を任される。
- 十三人の合議制の選考の際には、北条派閥として宿老となる。
房総半島
- 上総広常(かずさ ひろつね)
- 演:佐藤浩市
- 上総の豪族。通称は介八郎(すけのはちろう)。「上総介(かずさのすけ)」と呼ばれることが多い。
- 頼朝を「佐殿」と呼ぶことを嫌がり、義村に入れ知恵され「佐」の唐名を「仲間」への呼びかけと誤解したまま「武衛」と呼ぶ。
- 義時からは頼りにされており、度々相談事を持ちかけられる。また、広常も義時に心を開き、書や文字に拙いため上京を見越して練習していることを義時だけに明かしている。
- 2万騎と称される大兵力を持つ。自尊心が高く、頼朝と平家を値踏みしたうえで、頼朝の運を見定め頼朝方につく。その際、頼朝の陣にあえて遅参し、頼朝の出方次第ではこれを討たんと目論むが、それを見抜いた頼朝に一喝されたことで臣従する。これにより坂東における源氏方と平家方の力関係の差は決定的となったため、鎌倉入り後には御家人の筆頭となる。
- 金砂城の戦いでは、身勝手な振る舞いをする義経を諌め、交渉の使者として金砂城へ向かうが、挑発されたことで義政を切り捨てる。
- 義仲討伐に反発する御家人たちが頼朝に対して謀反を起こそうとすると、義時から頼まれて謀叛軍の中に入り込み、計画を不発に終わらせる。しかし、これは広常を警戒した広元と頼朝の謀略であり、蜂起鎮圧後に謀反の首謀者とされ、頼朝の命を受けた景時の手によって「誅殺」の名目で粛清される。粛清は他の御家人たちの面前で行われ、見せしめとして利用された。しかし、粛清後には頼朝の大願成就と東国の泰平を願う広常の願文が見つかる。
- 死後、その膨大な所領や財産は他の御家人たちに分け与えられたことから、以降は頼朝の思惑通りに、不忠の名目で御家人が誅されれば、その家の財産が手に入るという欲と警戒と恐怖が御家人たちの間に生まれ、鎌倉殿への忠誠心と、「鎌倉」としての組織が固まることになった。
- 千葉常胤(ちば つねたね)
- 演:岡本信人
- 下総の豪族。上総広常の又従兄弟[22]。
- 頼朝から頼られる坂東の重鎮[* 46]。
- 岡崎義実と同様に、老齢ながら血気盛んな坂東武者。頼朝の父義朝の郎党であった事を誇りとし、栄えある戦さに出られる事を誉れと考える、根っからの戦人。
- 頼朝が安房へ逃れると、齢60歳過ぎにして下総の目代を討ち取り、その首級を手土産にいち早く味方につく。その際、感激した頼朝から「父も同然」と称される。
- 頼朝の鎌倉入り後は、富士川の戦いや金砂城の戦いに従軍する。義経が頼朝の馬引きを断るとこれを志願するが、見栄えを理由に断られる。頼朝の西国遠征には反対し、反頼朝派を先導して頼朝を御所から退去させる計画を立てる。頼朝側に計画がばれると責任を取って自害しようとするが、義時らに説得され断念。兵を退くことを条件に許される。
- 平家討伐や奥州攻めにも従軍して勝利を収める。しかし、頼朝が上洛した際には、頼朝とその身内だけが良い思いをする現状に不満を持つ。
- 十三人の合議制の選考の際には、候補者の一人として名前が挙がるが、老年であるため外される。景時排斥を求める連判状に署名すると、戦に発展する可能性がある現状を喜ぶ。
- 安西景益(あんざい かげます)
- 演:猪野学
- 安房の豪族。
- 頼朝とは幼馴染であり[* 47]、石橋山の戦いで敗れて安房へ逃れた頼朝を支援する。また、頼朝が亀を気に入ると、盛長に亀の素性を教える。
- 長狭常伴(ながさ つねとも)
- 演:黒澤光司
- 安房の豪族。通称は六郎(ろくろう)。
- 平家方に与しており、景親から情報を得て頼朝の宿舎を襲撃するが、漁師・権三らと乱闘になった隙を突かれて義村に討ち取られる。
北関東
- 佐竹義政(さたけ よしまさ)
- 演:平田広明
- 常陸の豪族。
- 甲斐源氏と先祖が同じ常陸源氏でありながら、平家方に与している[* 48]。
- 頼朝が派遣した佐竹討伐軍の一員である広常と金砂城の門前にて交渉するが、挑発の言葉を口にしたため斬られる(金砂城の戦い)。
- 八田知家(はった ともいえ)★
- 演:市原隼人
- 常陸の豪族。
- 他人とは不必要な関わりは持たず、任された仕事に黙々と取り組む職人気質の持ち主。「俺は俺」という考えから、頼朝や比企能員など自分より高位の存在の人物にも媚びたりはせず、あくまでも自分の思いを通す誇り高き一匹狼的な存在。
- 頼朝に道路修繕を命じられると、自らも現場で働く。八重が孤児を世話していることを知り、義時に孤児・鶴丸を引き渡す。
- 富士の巻狩りでは、なかなか獲物を射止められない万寿(頼家)のために鹿の仕掛けを作り、かつ万寿が矢を外すと草葉の陰からそれを射止める。頼朝が昏睡状態に陥ると、京の上級貴族たちと同じ火葬を行うため、火葬場を建設する。
- 十三人の合議制のメンバー選考の際には、能員から金品を受け取り宿老の一人となるが、比企派閥に属することは断り独断で行動する。合議の際も、北条と比企のどちらの味方になるわけでもなく、淡々と事実のみを語る。
- 小山朝政(おやま ともまさ)
- 演:中村敦
- 下野の豪族。小山政光の息子。母は頼朝の乳母[注釈 21]。
- 頼朝の鎌倉入り後に家人となる。乳母子であることで優遇され、広常に嫉妬される。のちに梶原景時の排斥連判状に署名する[* 41]。
- 結城朝光(ゆうき ともみつ)
- 演:高橋侃
- 下野の豪族。小山政光の息子、母は寒河尼。頼朝の烏帽子子。通称は七郎(しちろう)。
- 琵琶の名手であり、畠山重忠の紹介で実衣に琵琶を教える。三浦義村から梶原景時失脚の計画を持ちかけられるとこれを承諾し、実衣を利用する。
- 頼家の政について仁田忠常と語る中で「忠臣は二君に仕えず」と発言し、景時から死罪を命じられるが、66人の御家人たちが景時排斥を求める連判状に署名したことで死罪を免れ、計画通り景時を失脚させる。義村から報酬を受けとると身を隠す。
その他
- 小笠原長経(おがさわら ながつね)
- 演:西村成忠
- 頼家の側近。通称は弥太郎(やたろう)。
- 頼家の近習の一人に選ばれる。頼家に命じられ、蹴鞠の稽古や町の掃除、迷い犬の飼い主探しを行う。頼家の命で念仏僧を捕らえると、袈裟を剥ぎ取って鎌倉から追い出す。
- 中野能成(なかの よしなり)
- 演:歩夢
- 頼家の側近。通称は五郎(ごろう)。
- 頼家の近習の一人に選ばれる。頼家に命じられ、蹴鞠の稽古や町の掃除、迷い犬の飼い主探しを行う。頼家の命で念仏僧を捕らえると、袈裟を剥ぎ取って鎌倉から追い出す。
鎌倉の文官
- 三善康信(みよし やすのぶ[注釈 4])★
- 演:小林隆
- 下級公家。太政官の書記。母は源頼朝の乳母の妹[23]。
- 実務能力が高く、忠実に仕事をこなす。しかし、少々慌てもので、早とちりすることがある。また押しに弱く、物事を頼まれると断れない。
- 流人となった頼朝に月に一度書状を送り、都や朝廷の情勢を伝える。以仁王の挙兵の際には、「平家が以仁王の令旨を受け取った全ての源氏を追討しようとしている」という誤った内容の書状を送り、頼朝の挙兵のきっかけを作る。鎌倉入りした頼朝からの要請により、広元・親能・行政を側近に推挙する。その後、平家が都落ちや義仲軍の狼藉についても頼朝に知らせる。
- のちに鎌倉に下向し、問注所の執事となる。静御前が捕縛されて鎌倉に移送されてくると、取り調べを行う。富士の巻き狩りの最中に頼朝と頼家が討たれたという報を受けると、鎌倉殿の座に就こうとする範頼を支持し、朝廷へ使者を送る。しかし、この早計な行動によって範頼は頼朝から謀反の疑いをかけられる。頼朝が昏睡状態に陥ると、頼朝の臨終出家を執り行う。
- 頼家が2代目鎌倉殿となると、頼家の近習たちに訴訟についての指南をする。その後、十三人の合議制の宿老となる。
- 大江広元(おおえ ひろもと[注釈 4])★
- 演:栗原英雄
- 幕府の政策を担う官僚。元は朝廷に仕える下級公家。官職は安芸介(あきのすけ)[注釈 22]。
- 頭脳明晰且つ冷静な性格で、頼朝の知恵袋として坂東武者とは違った立場で動向を観察、分析して頼朝を支える。意思が強いため、接待を受けた際にも酒や食事に一切手を着けず頑なに拒む。その一方で、情に熱い一面もある。義時のことは頼りになる人物と評価しており、北条家に危機が迫ると足元をすくわれぬようにと忠告する。また、御家人に対しては、坂東の勇者のおかげで都落ちと嘲笑った公家たちの鼻を明かすことができたと感謝する。
- 頼朝の要請で康信の推挙により鎌倉に下向し[24]、頼朝から鎌倉に足りないものは何か見極めるよう頼まれる。頼朝が義仲の勢力拡大を懸念すると、義仲の真偽を確かめるために信濃へ軍勢を送り、人質を出すよう義仲に迫ることを提案する。御家人たちの謀反計画を知ると、これを利用して広常を排除しようと考え、義時を利用して広常をわざと謀反計画に加担させ、その罪を広常一人にかぶせて誅殺する。
- 公文所が設置されると、その別当となる。頼朝と義経の仲が険悪になると、検非違使である義経が鎌倉へ帰れるようにするため、義経を受領にして検非違使の任を解かせるという策を考案する。その後、頼朝の上洛にも随行する。
- 富士の巻き狩りの最中に頼朝と頼家が討たれたという報を受けると、真偽を確かめるのが先であると、鎌倉殿の座に就こうとする範頼を制止する。その後、頼朝が鎌倉に戻ると、範頼が次の鎌倉殿になろうとしていたことを伝える。範頼が頼朝に対して起請文をしたためると、御家人に等しい立場にありながら「源」の姓を使用していることを咎める。頼朝が昏睡状態に陥ると、頼朝逝去の前に駆け込みで頼家の日本国総守護任命を願い出る。
- 頼家が2代目鎌倉殿となると、当初は義時から提案された政治体制に難色を示すが、義時の考えを聞くと賛同し、十三人の合議制の宿老となる。義盛から景時排斥を求める連判状が出されると、景時が罪に問われるのは不憫だと考え、頼家に渡すことを拒む。しかし、義盛に一喝されたことで最終的に提出する。
- 中原親能(なかはら ちかよし[注釈 4])★
- 演:川島潤哉
- 頼朝を支える官僚。官職は斎院次官(さいいんのすけ)[注釈 22]。
- 頼朝からの要請で鎌倉へ下向し、主に外交を担当する。
- 頼朝の使者として度々上洛し、義経が後白河法皇へ拝謁した際にも同道。義経の検非違使任官については、鎌倉殿の任官推挙が無いことを進言する。頼朝が昏睡状態に陥ると、頼家を次の鎌倉殿とするため、朝廷との橋渡しを行う。
- 三左衛門事件が起こると頼家の命で京へ向かい、暗殺を企てた御家人たちを処罰する。十三人の合議制の宿老となると、書記を務める。
- 頼朝の次女・三幡が若くして亡くなると、乳母夫を務めていたことから深く悲しみ、出家して帰洛する。
- 二階堂行政(にかいどう ゆきまさ)★
- (藤原行政 → 二階堂行政)
- 演:野仲イサオ
- 頼朝を支える官僚。本姓は藤原行政(ふじわら の ゆきまさ)。官職は主計允(かずえのじょう)[注釈 22]。
- 頼朝からの要請で鎌倉へ下向し、政所で財務を担当する。口数が少なく、表情も変えずに黙々と政務をこなす。
- 十三人の合議制の宿老となると、評議を進行する。
平家
平家一門
- 平清盛(たいら の きよもり)
- 演:松平健[注釈 23]
- 平家の棟梁。武士として初めて太政大臣となり[25]、剃髪しているため「平相国(へいしょうこく)」「清盛入道」と称される。法名は「浄海」[注釈 24]。
- 平治の乱に勝利した後、敵将・源義朝の長男・義平以外の子息は助命し、頼朝は伊豆へ配流、あとは寺へ入れている[25]。その後は平氏政権を樹立し、大輪田泊の交易(日宋貿易)で莫大な富を手に入れ、朝廷とのつながりで一族を要職に就かせるなど、絶大な力を誇る。
- 後白河法皇とは蜜月の仲だったが、鹿ケ谷の陰謀が露見したことで[25]福原に幽閉し、外孫である安徳天皇を即位させる(治承三年の政変)。
- 以仁王の挙兵はすぐに鎮圧し、頼朝の挙兵は気にも留めていなかったが、反乱が大規模になると次々と対応策を打つ。王の挙兵に協力した近江の園城寺や奈良の東大寺を焼き討ちにするが病に倒れ、京の六波羅にある平盛国の館で二位尼や宗盛らに看取られて65年の生涯を閉じる。臨終の際、頼朝の首を自身の墓前に供えるよう宗盛に言い遺しており、これが平家滅亡へと繋がることになる。
- 二位尼(にいのあま)
- 演:大谷恭子
- 清盛の妻。宗盛の母。
- 清盛の臨終の際には宗盛とともに立ち会っている[注釈 25]。
- 壇ノ浦の戦いで平家軍が追い詰められると、三種の神器のひとつである宝剣を抱いて入水する。
- 平宗盛(たいら の むねもり)
- 演:小泉孝太郎
- 平清盛の三男[26]で後継者[* 50]。兄の死により家督を相続する[26]。
- 父清盛に比べて線が細く、武将としての剛毅さに欠ける。決して愚鈍ではないが現状認識が甘く、しばしば後手を踏む。亡き兄に対し敬意を持ちつつもコンプレックスを感じてもいた。
- 清盛が頼朝を死罪にせず伊豆へ配流にしたことを気する。頼朝の挙兵を侮って対応が遅れ、鎮圧どころか規模を拡大させると清盛を激怒させる。清盛が死ぬと後継者として平家を守ろうとするが、義仲軍が京に迫ると安徳天皇と三種の神器を擁して都落ちする。その際、後白河法皇も連れて行こうとするが、逃げられる。
- その後、一ノ谷の戦いで義経の奇襲によって破れると四国の屋島に渡る。しかし、続く屋島の戦いでも義経軍に敗れ、壇ノ浦の戦いで遂に平家を滅亡させてしまう。自身は壇ノ浦で入水するも失敗して捕らえられる。
- 検非違使である義経に連れられて鎌倉に赴き、御簾越しの頼朝と対面する。その後、鎌倉内に入れない義経に対し、頼朝宛の書状の代筆を申し出る。義経の取り計らいにより、本来罪人同士で会うことのできない嫡男・清宗と対面する。
- 平維盛(たいら の これもり)
- 演:濱正悟
- 清盛の嫡孫[27]。清盛の嫡男・平重盛の嫡男[27]。官職は少将[注釈 26]。
- 容姿端麗で「光源氏の再来」と称される[* 51]。
- 頼朝追討軍の総大将として大軍を率い鎌倉へ遠征するが、富士川の戦いで水鳥の羽音に総崩れとなり惨敗する。
- 平知盛(たいら の とももり)
- 演:岩男海史
- 宗盛の同母弟。
- 一ノ谷の戦いでは主力を率い、範頼軍と対峙する。
- 平清宗(たいら の きよむね)
- 演:島田裕仁
- 宗盛の嫡男。
- 壇ノ浦の戦いで父・宗盛とともに捕らえられる。義経の取り計らいにより、罪人同士で本来会うことのできない父と腰越で対面する。
伊豆の官僚
- 堤信遠(つつみ のぶとお)
- 演:吉見一豊
- 伊豆の権守。山木兼隆の後見役。
- 平清盛から権守に任命されたことを笠に着て、道ですれ違った義時を無理やり跪かせたり、国衙に参上した時政らを恫喝したりするなど、横暴な振る舞いが多い。
- 頼朝の挙兵の際には兼隆とともに標的となり、堤館に乗り込んだ時政・宗時・義時に討ち取られる。
- 山木兼隆(やまき かねたか)
- 演:木原勝利
- 伊豆の目代。本姓は平兼隆(たいら の かねたか)。
- 以仁王の挙兵の後に、清盛の義弟・平時忠が伊豆の知行国主となったことから目代に任じられる。
- 頼朝の挙兵では最初の標的となり、三島明神の大祭当日に山木館にいたところを討ち取られる。
- 中原知親(なかはら ともちか[注釈 4])
- 演:森本武晴
- 伊豆の目代。下田を治める。山木兼隆の縁者。
- 顔が長く[* 52]、義時や宗時から「馬面」と揶揄される。
- 兼隆と信遠を討ち取った坂東武者への論功行賞のため、頼朝により領地を召し上げられる。
朝廷
天皇・皇族
- 後白河法皇(ごしらかわほうおう)
- 演:西田敏行[注釈 27]
- 治天の君。「日本一の大天狗(ひのもといちのおおてんぐ)」と称される[* 53]。
- 直轄軍を持たずに自らの威光を保つため、源氏と平家、頼朝・義仲・義経を操り戦わせ翻弄する。
- 天皇在任時に保元の乱で兄・崇徳上皇方を破り、権力を強化する[28]。二条天皇へ譲位後、院政を開始する[28]。清盛とは蜜月の仲であったが、間を取り持っていた清盛の義妹・建春門院(演:一木香乃[* 54])が死去すると関係が悪化し[* 55]、鹿ケ谷の陰謀が発覚すると福原に幽閉される(治承三年の政変)。その頃から頼朝の夢枕にたびたび現れ発破を掛ける。
- 富士川の戦いで平家軍が大敗すると大いに喜ぶ。清盛自身が頼朝の討伐に動き出すと文覚を呼び寄せ、清盛を呪い殺すよう命じる。清盛が亡くなり宗盛に政権を返上されると、頼朝追討の院宣を平家に与える。
- 義仲の軍が京に迫ると、都を落ち伸びようとする平家から逃れる。義仲が入京すると、義仲と行家に平家追討と三種の神器の奪還を命じるが、京のしきたりに無知な義仲に失望する。その後、神器が無い中で後鳥羽天皇を即位させる。義仲と行家に西国への出陣を命じると頼朝と接近。頼朝を従五位下に復帰させ、東海道・東山道の軍事支配権も認める。これに怒った義仲が京へ戻ると頼朝に助けを求める。義経の軍が京に迫ると、義仲に法住寺殿を襲撃されて再び幽閉されたため、頼朝追討の院宣を義仲に下す。
- 範頼・義経の軍によって義仲が討たれると、入京してきた義経と対面。その際、義経を大いに気に入る。その後、一ノ谷の戦いで平家軍を破った恩賞として義経を検非違使に任じ、任官の前祝いとして静御前を遣わす。義経が壇ノ浦の戦いで平家を滅ぼすと、安徳天皇と三種の神器を奪還できなかったことを不問に処す。また、頼朝と義経を対立させようと考え、義経を京へ留め置こうとする。義経が鎌倉へ帰るために検非違使を返上しようとすると認めず、罪人である宗盛を鎌倉に護送するという名目での鎌倉行きを許す。
- その後、頼朝が義経を伊予守に推任すると検非違使と兼任させ、義経が義朝の追善供養に参加するために鎌倉へ帰ろうとすると、仮病を使ってこれを阻止する。頼朝と義経の対立が決定的となると、義経に頼朝追討の宣旨を与えるが、義経が姿をくらまし頼朝軍が京へ迫っていると、義経追討の宣旨を頼朝に与える。上洛した時政と義時にこれらの行為を問い詰められると、日本全国に守護・地頭を設置することを容認する。その際、頼朝の伝言を受けた義時から「日本一の大天狗」と罵倒された。時政については、自分に対して全く忖度しない姿勢を気に入り、京に残って欲しいと頼むが断られる。
- 頼朝が上洛の意思を示すと、未だに頼朝が怒っているのではないかと怯え、平家や義仲、義経を滅ぼしたことを後悔する。また、その苛立ちを知康にぶつけて京から追放する。頼朝が上洛すると、御所にて二人きりで対面。頼朝を牽制しながらも、頼朝が全国の守護を請け負うことを正式に承認し、後鳥羽天皇の后として大姫を迎えることを約束する。
- 頼朝との対面からしばらくして死の床に伏すと、後鳥羽天皇に遺言を託して亡くなる。
- 安徳天皇(あんとくてんのう)
- (安徳帝 → 安徳天皇)
- 演:相澤智咲(嬰児期:伊藤光之丞)
- 後白河法皇の第七皇子・高倉天皇の第一皇子。母は清盛の娘・建礼門院[* 56]。
- 清盛の外孫でもあり、清盛により法皇が幽閉されると3歳で天皇に即位する。
- 義仲率いる討伐軍が都に迫ると、宗盛によって三種の神器とともに都落ちする。一ノ谷、屋島へと逃れ、壇ノ浦の戦いで平家軍が追い詰められると、女官に抱かれて入水する。
- 後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)
- (後鳥羽天皇→後鳥羽上皇)
- 演:尾上松也(幼少期:尾上凛、少年期:菊井りひと)
- 後白河法皇の孫。高倉上皇の第四皇子[* 57]。安徳天皇の異母弟。
- 兄・安徳天皇が平家とともに都落ちすると、三種の神器が無いまま4歳で天皇に即位する[* 57]。
- 後白河法皇から遺言を受けると、朝廷を守り抜くことを決意。その後、19歳にして第一皇子(土御門天皇)に譲位し、治天の君として院政を開始する。
- 頼朝死去の報を受けると、頼朝の死因は飲水の病による落馬と推理する。通親から鎌倉で景時が謹慎処分となったことを伝えられると、景時に京へ来るようにとの書状を送って鎌倉を揺さぶる。
- 以仁王(もちひとおう)
- 演:木村昴
- 後白河法皇の第三皇子。
- 清盛により法皇が幽閉されると、打倒平家と法皇の奪還を試みて諸国に挙兵の令旨を送る。しかし、それを清盛に知られて挙兵するも敗れ、奈良に逃れる途中で討たれる(以仁王の挙兵)。
朝廷の女性
- 丹後局(たんごのつぼね)
- 演:鈴木京香
- 後白河法皇の寵妃。
- 法皇の側近・平業房と結婚するが、法皇の幽閉で夫が伊豆に配流となり処刑される[29]。のちに法皇の寵愛を得て、皇女を産む[29]。
- 政治感覚に優れ、単に寵妃というだけでなく法皇の秘書的役割を果たし、権勢を持つ。義仲が法皇に会うため法住寺殿に乗り込んでくると、これを追い返す。義経が鎌倉へ帰るために検非違使の返上を申し入れた際には、義経が戻ってこないことを心配する法皇に対して策を授ける。
- 法皇崩御後も、土御門通親と組んでその権勢を維持する。後鳥羽天皇への入内についての相談に来た政子・大姫親子を恫喝するなど、朝廷の実力者としての凄みを見せつける。
- 藤原兼子(ふじわら の かねこ)
- 演:シルビア・グラブ
- 後鳥羽上皇の乳母。
公家
- 平知康(たいら の ともやす)
- 演:矢柴俊博
- 後白河法皇の側近。壱岐守・平朝親の子[30]。
- 鼓の名手で「鼓判官(つづみのほうがん)」と呼ばれる。作法やしきたりに疎い田舎侍を毛嫌いしている。
- 院御所に乗り込んだ義仲を阻止しようとした際には、渾名である「鼓判官」を揶揄され殴られる。また、義仲が法住寺殿を襲撃すると、防戦の指揮を執るが大敗する(法住寺合戦)。義仲が義経に追討されると、義経の篭絡を図る法皇を手伝う。義経を敗退させた頼朝が勢力を増大させると、この状況に苛立った法皇に八つ当たりされた挙句、責任を押し付けられて都から追放される。
- その後、鎌倉に流れ着いて頼家らの蹴鞠指南役となるが、頼家が蹴鞠に逃げることをやめるとお役御免となる。その際、頼家から投げられた鞠を取ろうとして井戸へ落ちるが、頼家や義時、全成によって助けられる。のちに時連(時房)には教えることが無いことを伝え、改名を進言する。この時、全成が拾い忘れた頼家呪詛の人形を見つけ、鎌倉を去る。
- 九条兼実(くじょう かねざね)
- 演:田中直樹
- 摂関家の実力者。
- 義仲が後白河法皇へ謁見した際には、義仲の無知ぶりを嘲笑う。
- 頼朝・義経兄弟への対応に関して後白河法皇に振り回され、義経の検非違使と国司の兼任や、義経追討の宣旨発布に際しては、法皇への抵抗を言葉の中に滲ませる。
- 上洛した頼朝と対面すると、自身の娘が後鳥羽天皇入内していることを伝え、大姫入内を画策する頼朝を牽制する。
- その後、朝廷の内部に於いて、勢力を強める通親と力関係が逆転し、当初予定されていた頼朝と陳和卿との対面を拒絶される。
- 慈円(じえん)
- 演:山寺宏一
- 九条兼実の弟。後鳥羽上皇に仕える僧侶。
- 土御門通親(つちみかど みちちか)
- 演:関智一
- 朝廷の実力者。
- 知謀に長けており、兼実の追い落としに成功する。後鳥羽天皇に自分の娘を入内させ、その娘が産んだ皇子を土御門天皇として即位させる。以降、後鳥羽上皇の後見役にして天皇の外祖父として絶大な権勢を振う。
- 高能ゆかりの御家人たちが自身の暗殺を企てていることを知ると、これに対処する(三左衛門事件)。鎌倉で景時が謹慎処分となると、かねてから景時と好を通じていたとして、上皇に景時の登用を推薦する。
- 一条高能(いちじょう たかよし)
- 演:木戸邑弥
- 一条家の嫡男。頼朝の甥。
- 大姫の入内計画が一時潰えると、京で勢力を伸ばしていたこともあり、新たな嫁ぎ先として頼朝により鎌倉に呼ばれる。しかし、大姫が既に亡くなった義高を未だに許嫁と思っていることに呆れ、帰洛する。
- 源仲章(みなもと の なかあきら)
- 演:生田斗真
- 後鳥羽上皇の側近。
- 西国の御家人を率い、修行中だった阿野全成の息子・頼全の誅殺に立ち会う。
奥州藤原氏
- 藤原秀衡(ふじわら の ひでひら)
- 演:田中泯
- 奥州藤原氏第3代当主。源義経からは「御館(みたち)」と呼ばれている。官職は鎮守府将軍[注釈 28]。
- 平泉を拠点に陸奥と出羽を支配して平家と並ぶ勢力を誇り、「奥州の覇者」と称される[31]。京から来た源氏の御曹司である義経を庇護、養育する[31]。
- 源氏と平家が争うと中立の立場を取る。義経が挙兵した際には時期尚早として協力を拒む。しかし、頼朝から追われた義経が平泉へ戻ると快く迎え入れ、日本一の英雄となった義経を褒め称える。
- 間もなくして死の床に伏すと、泰衡を新たな御館と定め、国衡と泰衡の対立を避けるために正妻・とくを国衡の妻とするよう命じる。また、義経を大将軍とし、藤原氏が義経の下で力を合わせるよう言い残す。その後、自らの手で鎌倉を攻め落とせなかったことを後悔しながら亡くなる。義経が死期を悟ると、霊となってその前に姿を現す。
- とく
- 演:天野眞由美
- 秀衡の正妻。泰衡の母。
- 秀衡の遺言により、義理の長男・国衡の妻となる。
- 藤原国衡(ふじわら の くにひら)
- 演:平山祐介
- 秀衡の長男。藤原泰衡の異母兄[* 58]
- 好戦的な性格であるため弟の泰衡とは仲が悪く、度々衝突する。一方で、義経には協力的である。
- 父・秀衡が亡くなると、その遺言により秀衡の正妻・とくを妻とし、泰衡の義父となる。義時が平泉を訪れると、秀衡の遺言に従って義経の引き渡しを拒み、義時の挑発で挙兵を決意した義経に同調する。
- 藤原泰衡(ふじわら の やすひら)
- 演:山本浩司
- 秀衡の次男で後継者[* 59]。
- 兄・国衡とは仲が悪く、義理の親子となっても度々衝突する。
- 父・秀衡が亡くなると、その遺言により新たな御館となる。義時が平泉を訪れると、当初は秀衡の遺言に従って義経の引き渡しを拒む。しかし、義経が挙兵の動きを見せると動揺し、目の前で弟・頼衡を殺されると義時の恫喝に屈する。その後、自ら兵を率いて義経の館を襲撃し、義経の首を鎌倉に届ける。
- 勝手に義経を討ったという理由で頼朝率いる大軍に攻められると、逃亡中に家人・河田次郎に討ち取られる。
- 藤原頼衡(ふじわら の よりひら)
- 演:川並淳一
- 秀衡の六男。泰衡の異母弟。
- 平泉に来た義時の動きを不審に思い、刀を抜いて真意を尋ねたところを善児に殺される。
- 河田次郎(かわだ じろう)
- 演:小林博
- 泰衡の家人。
- 頼朝軍が迫ると泰衡を裏切って殺し、その首を献上し降伏する。しかし、頼朝から主を裏切ったことを非難され、その場で斬首を命じられる。
文化人
僧侶
- 文覚(もんがく)
- 演:市川猿之助
- 神護寺の僧。
- 出家前は頼朝の父・義朝とともに北面武士として院御所の護衛を務めていたとして、誰とも知れぬ髑髏を「源義朝のしゃれこうべ」と吹聴し、平家打倒を説いて回る。宗時を介して頼朝に迫るも追い返される。
- 平清盛を呪詛により死去させたことから、後白河法皇の覚えめでたく神護寺の僧となる。呪詛が京で評判となり、頼朝から藤原秀衡の呪詛を依頼されて鎌倉へ下ってくる。しかし、秀衡呪詛の効果はなく、役目を怠ったとして阿野全成に取って代わられたため、反頼朝派の謀議に加わる。その際、「足固めの儀式」という架空の儀式をでっち上げ、万寿(源頼家)や政子を鶴岡八幡宮に呼び寄せる。
- 勝長寿院での義朝供養の際には、再び義朝のものと称する髑髏を持って頼朝のもとに参上し、頼朝が認めれば義朝の髑髏となるのだと力説し、ついにこれを認めさせる。
- 頼朝の死後、京にて土御門通親の暗殺を企てた罪で捕縛される。鎌倉への引き渡しを朝廷に訴えるが叶わず、佐渡へ配流となる(三左衛門事件)。
- 文陽房覚淵(もんようぼう かくえん)
- 演:諏訪太朗
- 伊豆山権現社の長。
- 頼朝の挙兵の際には、政子らを寺女として匿う。また、千鶴丸に会うため訪れた八重には事の顛末を伝える。
- 土佐坊昌俊(とさのぼう しょうしゅん)
- 演:村上和成
- 僧兵。元は興福寺の僧。
- 里に依頼され、京にある義経の宿舎を襲撃する。
- 住職
- 演:緒方賢一
- 願成就院の住職。
- 運慶の作った本尊を見に来た時政・義時・時連(時房)を迎え入れる。
仏師・技師・医師
- 運慶(うんけい)
- 演:相島一之
- 仏師。奈良の仏師・康慶の息子[32]。
- 誰に対してもタメ口で対話する。さっぱりとした性格で、身分に関係なく依頼者と製作者の関係以上の深入りをしない。それでいて関わった人物の風貌や人柄を鋭く観察し、その本質を的確に見抜くなど洞察力に長ける。飲酒を好むが、仏の前では酒を飲まないという、仏師としての信念を持つ。
- 時政に依頼され、願成就院の本尊・阿弥陀如来像を製作し、この完成披露の場で義時と出会う。
- 陳和卿(ちん なけい)
- 演:テイ龍進
- 宋の技術者。
- 東大寺の再建供養式典の際、頼朝が神仏から見放されているとして面会を拒否する。
- 医者(いしゃ)
- 演:春海四方
- 頼朝の典医。
- 落馬して意識不明となった頼朝を診察する。
市井の人物
- 権三(ごんぞう)
- 演:竹内まなぶ
- 安房の漁師。亀の夫。
- 頼朝から妻を取り返すため宿舎を襲撃するも、そこで長狭常伴と鉢合わせて乱闘となる[注釈 29]。
- 藤平太(とうへいた)
- 演:大津尋葵
- 相模腰越の村人。
- 腰越にて奥州から来た義経一行と出会い、里芋煮を振る舞う。
- のちに、鎌倉入りできず腰越に留め置かれた義経と再会し、返礼として荷車一杯の里芋を与えられる。
- 小六(ころく)
- 演:中村大輝
- 摂津の狩人。
- 一ノ谷に進軍するため山中を偵察していた義経らに、鵯越や鉢伏山周辺の案内をする。
- 五藤太(ごとうた)
- 演:藤田健彦
- 伊豆修善寺の村人。
- 妻(演:山田里奈)と共に農業に勤しむが、源範頼暗殺の巻き添えとなり、善児に妻ともども殺害される。
- 野武士
- 演:慈五郎
- 奥州から鎌倉へ向かう義経一行と遭遇する野武士。
- 獲物を巡って口論となり、義経に射殺される。
- 代官
- 演:沖田裕樹
- 伊豆の代官。
- 証文を掲げ、百姓らに貸した米を返すよう迫る。
- 百姓
- 演:田村泰二郎 / 比佐仁
- 伊豆の百姓。
- 領地を訪れた頼時(泰時)に、借りた米が凶作で返せないことを訴える。
登場予定の人物
- 公暁(こうぎょう)
- 演:寛一郎[* 23]
- 千世(ちよ)
- 演:加藤小夏[* 60]
- 畠山重保(はたけやま しげやす)
- 演:杉田雷麟[* 61]
- 三浦胤義(みうら たねよし)
- 演:岸田タツヤ[* 62]
スタッフ
- 作:三谷幸喜
- 音楽:エバン・コール
- 語り:長澤まさみ
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
- テーマ音楽指揮:下野竜也
- 演奏:ブダペストスコアリング / ミラクル・バス
- タイトルバック:高野善政 / 島田初哉
- 題字:佐藤亜沙美
- 3D地図監修:シブサワ・コウ
- 時代考証:坂井孝一 / 長村祥知 / 木下竜馬
- 風俗考証:佐多芳彦
- 公家文化考証:海上貴彦
- 中世軍事考証:西股総生
- 建築考証:三浦正幸
- 衣裳考証:小泉寛明
- 仏教美術考証:塩澤寛樹
- 和歌考証:渡部泰明
- 医事考証:若尾みき
- 時代考証補:坂井武尊
- 所作指導:橘芳慧
- 殺陣武術指導:辻井啓伺
- 馬術指導:田中光法
- 芸能考証・指導:友吉鶴心
- 仏事指導:張堂興昭
- 京ことば指導:井上裕季子
- 書道指導:金敷駸房
- 双六指導:伊藤拓馬
- 蹴鞠指導:高野健次 / 山本隆史
- 飾りひも指導:多田牧子
- 鳴弦指導:小池義明
- 操船指導:千葉清次郎
- 銅拍子指導:住田福十郎
- 鼓指導:望月佐太寿郎
- 州浜台指導:井関宗脩
- 仏像修復指導:明珍素也
- 中国語指導:凌慶成
- ビジュアルディレクター:神田創 / 戸田義久
- VFXプロデューサー:結城崇史
- VFXスーパーバイザー:進威志 / 田中貴志
- ビジュアルスーパーバイザー:大谷直哉
- 特殊メイク:江川悦子
- 撮影協力:静岡県伊豆の国市 / 裾野市 / 富士宮市 / 沼津市 / 神奈川県相模原市 / 岩手県奥州市 / 不二聖心女子学院
- 制作統括:清水拓哉 / 尾崎裕和
- プロデューサー:長谷知記 / 大越大士 / 吉岡和彦 / 川口俊介
- 演出:吉田照幸 / 末永創 / 保坂慶太 / 安藤大佑 / 中泉慧
- 副音声解説:宗方脩
鎌倉殿の13人紀行
- 語り:糸井羊司
- ギター演奏:ポール・ギルバート(第1回 - 第14回)
- ピアノ演奏:フランチェスコ・トリスターノ(第15回 - 第26回)
- テルミン演奏:竹内正実(第27回 - )
- ヴォーカル:tea(第27回 - )
放送
放送時間
- NHK BS4K:毎週日曜 9時 - 9時45分、20時 - 20時45分
- NHK BSプレミアム:毎週日曜 18時 - 18時45分
- 総合テレビ:毎週日曜 20時 - 20時45分
- (再放送)総合テレビ:毎週土曜 13時5分 - 13時50分 / BS4K:毎週日曜 8時 - 8時45分
総合テレビでの放送分はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能。
放送日程
放送回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 紀行 | 地上波視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第 | 1回1月 9日 | 大いなる小競り合い | 吉田照幸 | 鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市) 史跡 北条氏邸跡(静岡県伊豆の国市) |
17.3%[* 65] |
第 | 2回1月16日 | 佐殿の腹 | 音無神社(静岡県伊東市) 蛭ヶ島公園(静岡県伊豆の国市) |
14.7%[* 65] | |
第 | 3回1月23日 | 挙兵は慎重に | 末永創 | 総本山園城寺(滋賀県大津市) | 16.2%[* 65] |
第 | 4回1月30日 | 矢のゆくえ | 三嶋大社(静岡県三島市) 香山寺(静岡県伊豆の国市) |
15.4%[* 65] | |
第 | 5回2月 6日 | 兄との約束 | 吉田照幸 | 石橋山古戦場(神奈川県小田原市) 伊豆山神社(静岡県熱海市) |
13.4%[* 65] |
第 | 6回2月13日 | 悪い知らせ | 保坂慶太 | しとどの窟(神奈川県湯河原町) 源頼朝船出の浜(神奈川県真鶴町) |
13.7%[* 65] |
第 | 7回2月20日 | 敵か、あるいは | 末永創 | 玉前神社(千葉県一宮町) 千葉神社(千葉県千葉市) |
14.4%[* 65] |
第 | 8回2月27日 | いざ、鎌倉 | 吉田照幸 | 寿福寺(神奈川県鎌倉市) | 13.7%[* 65] |
第 | 9回3月 6日 | 決戦前夜 | 保坂慶太 | 横割八幡宮(静岡県富士市) 八幡神社(静岡県清水町) |
14.0%[* 65] |
第10回 | 3月13日 | 根拠なき自信 | 安藤大佑 | 西金砂神社(茨城県常陸太田市) | 13.6%[* 65] |
第11回 | 3月20日 | 許されざる嘘 | 吉田照幸 | 三十三間堂(京都府京都市) | 13.5%[* 65] |
第12回 | 3月27日 | 亀の前事件 | 末永創 | 正法寺(埼玉県東松山市) 妙本寺(神奈川県鎌倉市) |
13.1%[* 65] |
第13回 | 4月 3日 | 幼なじみの絆 | 吉田照幸 | 豆塚神社(静岡県伊豆の国市) 最誓寺(静岡県伊東市) |
12.9%[* 65] |
第14回 | 4月10日 | 都の義仲 | 安藤大佑 | 俱利伽羅古戦場(富山県小矢部市) 俱利伽羅神社(石川県津幡町) |
12.1%[* 65] |
第15回 | 4月17日 | 足固めの儀式 | 保坂慶太 | 十二所果樹園(神奈川県鎌倉市) 上総介塔(神奈川県横浜市) |
12.9%[* 65] |
第16回 | 4月24日 | 伝説の幕開け | 末永創 | 義仲寺(滋賀県大津市) | 12.9%[* 65] |
第17回 | 5月 1日 | 助命と宿命 | 吉田照幸 | 清水八幡宮(埼玉県狭山市) 常楽寺(神奈川県鎌倉市) |
12.5%[* 65] |
第18回 | 5月 8日 | 壇ノ浦で舞った男 | 赤間神宮(山口県下関市) | 12.7%[* 65] | |
第19回 | 5月15日 | 果たせぬ凱旋 | 安藤大佑 | 若宮八幡宮(京都府京都市) 吉野山(奈良県吉野町) |
13.2%[* 65] |
第20回 | 5月22日 | 帰ってきた義経 | 保坂慶太 | 高館義経堂(岩手県平泉町) 接待館遺跡(岩手県奥州市) |
12.8%[* 65] |
第21回 | 5月29日 | 仏の眼差し | 末永創 | 願成就院(静岡県伊豆の国市) | 13.2%[* 65] |
第22回 | 6月 5日 | 義時の生きる道 | 中泉慧 | 東大寺(奈良県奈良市) 法住寺(京都府京都市) |
12.9%[* 65] |
第23回 | 6月12日 | 狩りと獲物 | 吉田照幸 | 頼朝の井戸の森(静岡県裾野市) 曽我の隠れ岩(静岡県富士宮市) |
13.3%[* 65] |
第24回 | 6月19日 | 変わらぬ人 | 安藤大佑 | 源範頼の墓(静岡県伊豆市) | 12.0%[* 65] |
第25回 | 6月26日 | 天が望んだ男 | 吉田照幸 | 旧相模川橋脚(神奈川県茅ヶ崎市) | 12.2%[* 65] |
第26回 | 7月 3日 | 悲しむ前に | 保坂慶太 | 源頼朝の墓(神奈川県鎌倉市) | 12.9%[* 65] |
第27回 | 7月17日 | 鎌倉殿と十三人 | 末永創 | 永福寺跡(神奈川県鎌倉市) | 11.7%[* 65] |
第28回 | 7月24日 | 名刀の主 | 安藤大佑 | 梶原景時館址(神奈川県寒川町) 清見寺(静岡県静岡市) 建長寺(神奈川県鎌倉市) |
12.9%[* 65] |
第29回 | 7月31日 | ままならぬ玉 | 中泉慧 | 三浦義澄の墓(神奈川県横須賀市) | 11.9%[* 65] |
第30回 | 8月 7日 | 全成の確率 | 吉田照幸 | 大六天の森(栃木県益子町) 大泉寺(静岡県沼津市) |
11.4%[* 65] |
第31回 | 8月14日 | 諦めの悪い男 | 保坂慶太 | 妙本寺(神奈川県鎌倉市) | 12.1%[* 65] |
第32回 | 8月21日 | 災いの種 | 吉田照幸 | 極楽寺(神奈川県鎌倉市) | 11.8%[* 65] |
第33回 | 8月28日 | 修善寺 | 末永創 | 源頼家の墓(静岡県伊豆市) | 10.2%[* 65] |
第34回 | 9月 4日 | 理想の結婚 | 中泉慧 | 六角堂(頂法寺)(京都府京都市) 小野城跡(三重県亀山市) |
11.9%[* 65] |
第35回 | 9月11日 | 苦い盃 |
- 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。
放送時間変更・休止
- 7月10日 - 第26回参議院議員通常選挙投開票日に伴い、総合テレビにて『参院選開票速報2022』放送のため、休止[* 66]。
総合テレビ・再放送枠における放送休止など
- 2月5日(第4回) - 「スノーボード・女子スロープスタイル予選」放送のため、14時10分 - 14時55分に繰り下げ。
- 7月9日(第26回) - 「連続テレビ小説・ちむどんどん」の第65話の延期[注釈 30]とそれによる7月4日~8日放送分のウィークリーダイジェストの10分繰り下げのため、13時15分 - 14時に繰り下げ。
再放送枠以外での再放送
- 1月23日(日曜日)の13時05分 - 14時50分に総合テレビで初回と第2回を連続再放送。
- 「深夜のイッキ見!」編成の一環として、2月17日(16日深夜)と18日(17日深夜)に総合テレビで第1回から第6回までを集中再放送。
これらの再放送はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能となる。
ダイジェスト
1か月分の放送をダイジェストにした「20分でわかる!『鎌倉殿の13人』」を放送。ナレーターは木村昴。放送内容は前後編に分けてNHKの公式YouTubeでも公開。
また、各回のダイジェストの初回放送時はそれまでの放送分も合わせて放送される。これらの放送はNHKプラスで同時配信され、放送後7日間は見逃し視聴が可能となる。
放送回 | 初回放送日 | 放送時間 | 本編回 |
---|---|---|---|
1月ダイジェスト | 2月 6日(5日深夜) | 1時31分 - 1時51分 | 第 | 1回 - 第 4回
2月ダイジェスト | 3月 5日(4日深夜) | 2時45分 - 3時 5分 | 第 | 5回 - 第 8回
3月ダイジェスト | 4月 3日(2日深夜) | 0時10分 - 0時30分 | 第 | 9回 - 第12回
4月ダイジェスト | 5月 2日(1日深夜) | 2時55分 - 3時16分 | 第13回 - 第17回 |
関連番組
- ラジオ深夜便 〜もっと、鎌倉殿の13人〜(2022年1月1日、NHKラジオ第1・NHK-FM)
- 鎌倉殿サミット2022 〜源頼朝 死をめぐるミステリー 日本史上の大転換点〜(2022年1月2日、NHK BSプレミアム・NHK BS4K)
- チコちゃんに叱られる! 新春拡大版スペシャル! 鎌倉殿の13人が見たい!(2022年1月2日、NHK総合)
- 北条ファミリーが語る!『鎌倉殿の13人』放送直前SP(2022年1月3日、NHK総合)
- 50ボイス「鎌倉殿の13人」(2022年1月3日、NHK総合)
- 英雄たちの選択(NHK BSプレミアム)
- 北条義時・チーム鎌倉の逆襲(2022年1月5日)
- 頼朝暗殺未遂!? 曽我兄弟敵討ち事件の深層(2022年6月8日)
- 歴史探偵(NHK総合) - 所長(司会)は佐藤二朗。
- 「武士の都・鎌倉 」(2022年1月12日)
- 「ヒーロー 源義経」(2022年4月27日) - ゲスト出演は迫田孝也。
- 「源平合戦 壇の浦の戦い」(2022年5月4日)
- 「北条政子」(2022年6月15日) - VTR出演は小池栄子。
- 「鎌倉バトルロイヤル」(2022年7月20日) - ゲスト出演は山本耕史。
- 日本人のおなまえ「山本耕史&中川大志も初耳!『鎌倉殿の13人』SP」(2022年1月27日、NHK総合)[* 67]
- 鎌倉DAYS(2022年1月29日、NHK総合)[* 68]
- 「鎌倉LOVEの13人」※全4部(① 9:30-10:00、② 10:50-10:55、③ 11:22-11:24、④ 11:49-11:54)
- 「走れ!鎌倉」(11:24-11:49)
- チャリダー★快汗!サイクルクリニック "鎌倉殿の13人"スペシャル(2022年1月29日、NHK BS1)[* 69]
- たっぷり関東NHK「食べる!鎌倉"文学"」(2022年1月30日、NHK総合〈関東1都6県〉)[* 70]
- 義経のスマホ(2022年5月24日 - 6月3日)
- 新・にっぽんの芸能「坂東彌十郎と見る「鎌倉殿」と歌舞伎」(2022年5月27日、Eテレ)
- 100カメ「鎌倉殿の13人」(2022年6月14日、NHK総合)[* 71]
関連商品
サウンドトラック
- 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックVol.1(2022年2月9日発売、SMJ、EAN:4547366540970)
- 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 オリジナル・サウンドトラックVol.2(2022年7月6日発売、SMJ、EAN:4547366562835)
書籍
- 公式ガイドブック
-
- NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人(NHK出版)
- 前編(2021年12月25日発売、ISBN 978-4-14-923389-5)
- 後編(2022年5月27日発売、ISBN 978-4-14-923390-1)
- 完結編(2022年10月7日発売予定)
- NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 鎌倉殿の13人 北条義時とその時代(NHK出版、2021年11月30日発売、ISBN 978-4-14-911053-0)
- NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人(NHK出版)
- ガイドブック
-
- 『鎌倉殿の13人 THE BOOK』TVガイドMOOK(東京ニュース通信社)
- THE BOOK(2021年12月25日発売、ISBN 978-4-86-701350-2)
- THE BOOK 2(2022年5月27日発売、ISBN 978-4-86-701435-6)
- 『NHK2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」』完全読本 NIKKO MOOK(産経新聞出版)
- 完全読本(2021年12月25日発売、ISBN 978-4-81-915266-2)
- 続・完全読本(2022年5月27日発売、ISBN 978-4-81-915279-2)
- 『NHK大河ドラマ るるぶ鎌倉殿の13人』(JTBパブリッシング、2021年12月25日発売、ISBN 978-4-53-314752-4)
- 『大河ドラマ 鎌倉殿の13人 北条義時とその時代』TJMOOK(宝島社、2021年12月25日発売、ISBN 978-4-29-902089-5)
- 『鎌倉殿の13人 THE BOOK』TVガイドMOOK(東京ニュース通信社)
DVD/BD
- NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第壱集 BOX(第1回 - 第11回、2022年7月22日発売)
- NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第弐集 BOX(2022年11月25日発売予定)
- NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第参集 BOX(2023年1月27日発売予定)
- NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完全版 第四集 BOX(2023年3月24日発売予定)
- NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」総集編 (発売日未定)
ドラマ舞台地の誘致運動・反応
放映に合わせ、ゆかりの地に大河ドラマ館が開設された。
- 北条家の拠点であった伊豆の国市韮山に「鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館」が、韮山文化センター韮山時代劇場を改修して2022年1月15日から2023年1月15日まで開設予定[* 72]。
- 鎌倉市鶴岡八幡宮の鎌倉文華館鶴岡ミュージアム内に「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」が併設され、2022年3月1日から2023年1月9日まで開設予定[* 73]。
伊豆箱根鉄道では、駿豆線の3000系電車3009編成(3両)に本作をPRするラッピングを施し、2022年1月9日より運行している[* 74]。
脚注
注釈
- ^ 脚本の三谷幸喜は「これが原作のつもりで書いている」とコメントしている[* 3]。
- ^ NHK大河ドラマにおいてタイトルにアラビア数字(算用数字)を使うのは、この作品が初めてである[* 7]。
- ^ 辻は2021年8月18日に死去した[* 15]。
- ^ a b c d e 苗字ではなく氏の場合、源・平・藤原と同じく氏と名前の間に「の」を入れて読む(例:三善康信〈みよし の やすのぶ〉)。劇中では「の」を入れているが、公式サイトやガイドブック等では入れない形となっている。
- ^ 第1回放送より。
- ^ 第18回放送より。
- ^ 第23回放送より。
- ^ 第1回放送。3人目の妻を迎える北条時政の報告に対し、北条義時が「鶴義母上(つる ははうえ)が亡くなられてまだ間もない…」と返している。
- ^ a b c 第1回放送。回想シーンより。
- ^ 第7回放送。初登場時の紹介より
- ^ 第16回放送。後白河法皇らは院御所を脱出しておらず、裏手に隠れている。
- ^ a b 第19回放送。ナレーションより。
- ^ 第13回放送より。
- ^ 第2回放送より。
- ^ 第17回放送。工藤祐経の台詞より。
- ^ a b 第22回放送。曽我十郎・五郎の台詞より。
- ^ 第10回放送より。
- ^ 第16回放送より。
- ^ 第15回放送。岡崎義実の台詞より。
- ^ a b 二役。
- ^ 第12回放送。初登場時の紹介より。
- ^ a b c 第12回放送。初登場時の紹介より。
- ^ 松平は1979年放送の大河ドラマ『草燃える』において、本作の主人公である北条義時役を演じた[25]。また、1992年放送のTBS大型時代劇スペシャル『平清盛』(TBS)では本作と同役で主演を務めている[25][* 49]。
- ^ 第10回放送。平清盛から藤原秀衡宛の手紙より。
- ^ 第11回放送より。
- ^ 第10回放送。劇中の台詞より。
- ^ 西田は1972年放送の大河ドラマ『新・平家物語』において、本作の主人公である北条義時役を演じている[28]。
- ^ 第10回放送。平清盛から藤原秀衡宛の手紙の宛名より。
- ^ 第7回放送。警護をしていた三浦義村が亀から「(敵の大将を討つ)ついでにうちの人(権三)も討ち取って」とけしかけられる場面があり、以降に権三は未登場となっている。
- ^ 前日の安倍晋三銃撃事件に伴う特設ニュースに伴う休止。
出典
書籍
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- ^ NHK出版・前, p. 22.
- ^ NHK出版・前, p. 44.
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- ^ NHK出版・前, p. 70.
- ^ NHK出版・前, p. 73.
- ^ a b c NHK出版・前, p. 74.
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- ^ NHK出版・前, p. 58.
- ^ a b c NHK出版・前, p. 64.
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- ^ 東京ニュース通信社, p. 72.
- ^ a b NHK出版・前, p. 59.
- ^ NHK出版・前, p. 61.
- ^ NHK出版・後, p. 64.
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- ^ a b c NHK出版・前, p. 100.
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- ^ NHK出版・前, p. 105.
- ^ a b NHK出版・前, p. 90.
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ウェブサイト
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- ^ “【第3弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年11月18日). 2020年11月18日閲覧。
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- ^ “【第5弾】5日間連続出演者発表! 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年11月20日). 2020年11月20日閲覧。
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- ^ “来年NHK大河「鎌倉殿の13人」時代考証・呉座勇一氏が降板 ツイッターに不適切投稿 自ら降板申し出”. スポーツニッポン (2021年3月23日). 2021年3月23日閲覧。
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- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah “小栗旬主演のNHK大河「鎌倉殿の13人」第34話視聴率11・9% 前回から1・7P上昇”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2022年9月5日) 2022年9月5日閲覧。
- ^ “7・10大河「鎌倉殿の13人」第27話は放送休止 参院選開票速報に伴い”. スポーツニッポン (2022年6月22日). 2022年6月22日閲覧。
- ^ 山本耕史&中川大志も初耳!源氏・平氏の誕生秘話 NHK PR、2022年1月24日配信、1月27日閲覧
- ^ 鎌倉DAYS - NHK
- ^ 大河ドラマ出演中の山本耕史が“鎌倉”を自転車旅! NHK PR、2022年1月26日配信、1月27日閲覧
- ^ たっぷり関東NHK「食べる!鎌倉“文学”」 - たっぷり関東NHK NHKオンライン
- ^ 放送予定 - 100カメ - NHK 2022年6月12日閲覧。
- ^ “鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館”. 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」伊豆の国市推進協議会 (2021年10月30日). 2022年1月5日閲覧。
- ^ “鎌倉殿の13人 大河ドラマ館”. 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」鎌倉市推進協議会 (2021年10月30日). 2022年1月5日閲覧。
- ^ “伊豆箱根鉄道駿豆線に「鎌倉殿の13人」のラッピング車”. railf.jp(鉄道ファン). 交友社 (2022年1月16日). 2022年5月16日閲覧。
参考文献
- 『鎌倉殿の13人 前編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2021年12月25日。ISBN 978-4-14-923389-5。
- 『鎌倉殿の13人 後編』NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉、2022年5月27日。ISBN 978-4-14-923390-1。
- 『NHK2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」THE BOOK』94号、東京ニュース通信社、2021年12月25日。ISBN 978-4-86701-350-2。
関連項目
外部リンク
- NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 公式HP
- 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」三谷幸喜が贈る予測不能エンターテインメント! |NHK_PR|NHKオンライン
- 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 - NHK放送史
- 鎌倉殿サミット2022 「源頼朝 死をめぐるミステリー 日本史上の大転換点」 - NHK放送史
- 体感!「鎌倉殿の13人」の世界〜鎌倉・伊豆〜 - NHK放送史
- 第61作「鎌倉殿の13人」|作品紹介|NHK「大河60」|大河60|NHK放送史|NHKアーカイブス
- 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakura13) - X(旧Twitter)
- 【公式】大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakuradono13) - Instagram
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