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第一作とされている『[[花の生涯 (NHK大河ドラマ)|花の生涯]]』放送開始時には、「大型時代劇」という名称で呼ばれていたが、同枠のドラマが本数を重ね、さらに次第に歴史ドラマとして注目されるようになると「大型歴史ドラマ」の名称が用いられるようになった<ref>{{Cite web |url=http://cgi2.nhk.or.jp/navi/trivia/index.html |title=NHK雑学 |accessdate=2012-10-16}}</ref>。シリーズ15周年を記念して発売された2枚組LPレコード『NHK大型歴史ドラマの15年 花の生涯から花神まで』([[ポリドール・レコード|ポリドール]])のタイトルにもそれが現れている。 |
第一作とされている『[[花の生涯 (NHK大河ドラマ)|花の生涯]]』放送開始時には、「大型時代劇」という名称で呼ばれていたが、同枠のドラマが本数を重ね、さらに次第に歴史ドラマとして注目されるようになると「大型歴史ドラマ」の名称が用いられるようになった<ref>{{Cite web |url=http://cgi2.nhk.or.jp/navi/trivia/index.html |title=NHK雑学 |accessdate=2012-10-16}}</ref>。シリーズ15周年を記念して発売された2枚組LPレコード『NHK大型歴史ドラマの15年 花の生涯から花神まで』([[ポリドール・レコード|ポリドール]])のタイトルにもそれが現れている。 |
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一方、第二作の『[[赤穂浪士 (NHK大河ドラマ)|赤穂浪士]]』放送直前の1964年(昭和39年)1月5日の[[読売新聞]]が『花の生涯』と『赤穂浪士』を「[[大河小説]]」になぞらえて「大河ドラマ」と表現し、その後一般でも「大河ドラマ」の名称で呼称されるようになった。1977年(昭和52年)3月、NHKでシリーズ15周年記念番組『大河ドラマの15年』を放送。これがNHKが公式に「大河ドラマ」の名称を用いた最初である。 |
一方、第二作の『[[赤穂浪士 (NHK大河ドラマ)|赤穂浪士]]』放送直前の1964年(昭和39年)1月5日の[[読売新聞]]が『花の生涯』と『赤穂浪士』を「[[大河小説]]」になぞらえて「大河ドラマ」と表現し、その後一般でも「大河ドラマ」の名称で呼称されるようになった<ref>『NHK大河ドラマ大全:50作品徹底ガイド』 NHK出版、2011年、p.84</ref>。1977年(昭和52年)3月、NHKでシリーズ15周年記念番組『大河ドラマの15年』を放送。これがNHKが公式に「大河ドラマ」の名称を用いた最初である。 |
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その後、1978年の『[[黄金の日日]]』の頃には「大河ドラマ」の名称が定着し、レコードや書籍にも「大河ドラマ」の名が使われるようになり、やがて本放送時にも「大河ドラマ」とシリーズ名が明示されるようになった。なお 「大河ドラマ」という表記自体が大河ドラマでテロップもしくはそれに準ずる形で初めて登場したのは、第40作『[[北条時宗 (NHK大河ドラマ)|北条時宗]]』の副音声解説である。テロップではその翌年の第41作『[[利家とまつ〜加賀百万石物語〜]]』の冒頭、オープニングタイトルでは、第43作『[[新選組!]]』からである。 |
その後、1978年の『[[黄金の日日]]』の頃には「大河ドラマ」の名称が定着し、レコードや書籍にも「大河ドラマ」の名が使われるようになり、やがて本放送時にも「大河ドラマ」とシリーズ名が明示されるようになった。なお 「大河ドラマ」という表記自体が大河ドラマでテロップもしくはそれに準ずる形で初めて登場したのは、第40作『[[北条時宗 (NHK大河ドラマ)|北条時宗]]』の副音声解説である。テロップではその翌年の第41作『[[利家とまつ〜加賀百万石物語〜]]』の冒頭、オープニングタイトルでは、第43作『[[新選組!]]』からである。 |
2022年2月21日 (月) 08:51時点における版
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『大河ドラマ』(たいがドラマ)または『NHK大河ドラマ』は、1963年(昭和38年)から放送されているNHKによる歴史ドラマシリーズの総称。略称は大河。 日本史上実在した人物の生涯を描いた作品や群像劇が多いが、ドラマオリジナルの架空の人物を通して時代そのものを描き出す作品もある。
1984年から1986年にかけて放送された新大型時代劇と2009年から2011年にかけて放送されたスペシャルドラマ『坂の上の雲』についてもこの項で述べる。
概要
放送形態は1回45分・日曜夜・1年間(50回前後)。第1作放送開始以来、後述のように変則的な制作や放映クールと採用されたことはあっても枠としての中断は一度もない。
1963年4月から放送されており、当時は1月開始ではなく、4月の番組改編期からスタートしていた[1]。
『連続テレビ小説』と並んで、メディアなどでもNHKひいては日本のドラマの代表格として取り上げられ、視聴率の変遷がインターネットニュースなどで話題になることも多い。
大河ドラマの主人公には男性が選ばれることが多いが、時代の変化から特に2000年代以降は女性を主人公にした作品も20世紀中より作られるようになっている。
天皇については、後白河天皇・後醍醐天皇・明治天皇など日本史を語る際に欠かせない重要なポジションであっても登場人物のひとりとされ、主役に選ばれたケースは60余作で一度もない。
歴代作品一覧
放送期間:放送年のみ記載の作品は、その年の1月から12月の1年間。ただし『花の生涯』『炎立つ』『花の乱』は9か月間。『琉球の風』は6か月間。『天地人』『龍馬伝』『江〜姫たちの戦国〜』は2009年から2011年の3年間は12月に大型ドラマ『坂の上の雲』が放送されたため11か月間、『麒麟がくる』は新型コロナウイルスの影響で放送中断があったため14か月間、『青天を衝け』は同様の理由で11か月間となった。
主人公:太字=女性。*=架空の人物。()=別名或いは旧姓。
タイトル | 年/月 | 原作 | 脚本 | 時代 | 主人公 | 主演 | 語り | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 花の生涯 | 1963/4-12 | 舟橋聖一 | 北条誠 | 幕末 | 井伊直弼 | 尾上松緑 | 小沢栄太郎 |
2 | 赤穂浪士 | 1964 | 大佛次郎 | 村上元三 | 江戸 | 大石内蔵助 | 長谷川一夫 | 竹内三郎 |
3 | 太閤記 | 1965 | 吉川英治 | 茂木草介 | 戦国 - 安土桃山 | 豊臣秀吉 | 緒形拳 | 平光淳之助 |
4 | 源義経 | 1966 | 村上元三 | 村上元三 | 平安 - 源平内乱 | 源義経 | 尾上菊之助[注釈 1] | 小沢寅三 |
5 | 三姉妹 | 1967 | 大佛次郎 | 鈴木尚之 | 幕末 | 永井家 三姉妹 (むら・るい・雪)* |
岡田茉莉子 藤村志保 栗原小巻 |
なし (総集編のみ鈴木瑞穂) |
6 | 竜馬がゆく | 1968 | 司馬遼太郎 | 水木洋子 | 幕末 | 坂本龍馬 | 北大路欣也 | 滝沢修 |
7 | 天と地と | 1969 | 海音寺潮五郎 | 中井多喜夫 須藤出穂 杉山義法 |
戦国 - 安土桃山 | 上杉謙信 | 石坂浩二 | 中村允 |
8 | 樅ノ木は残った | 1970 | 山本周五郎 | 茂木草介 | 江戸 | 原田甲斐 | 平幹二朗 | 和田篤 |
9 | 春の坂道 | 1971 | 山岡荘八 | 杉山義法 | 安土桃山 - 江戸 | 柳生宗矩 | 中村錦之助 | 福島俊夫 |
10 | 新・平家物語 | 1972 | 吉川英治 | 平岩弓枝 | 平安 - 源平内乱 | 平清盛 | 仲代達矢 | 福本義典 |
11 | 国盗り物語 | 1973 | 司馬遼太郎 | 大野靖子 | 戦国 - 安土桃山 | 斎藤道三 織田信長 |
平幹二朗 高橋英樹 |
中西龍 |
12 | 勝海舟 | 1974 | 子母澤寛 | 倉本聰 中沢昭二 |
幕末 | 勝海舟 | 渡哲也 →松方弘樹 |
石野倬 |
13 | 元禄太平記 | 1975 | 南條範夫 | 小野田勇 小幡欣治 土橋成男 |
江戸 | 柳沢吉保 | 石坂浩二 | 福本義典 |
14 | 風と雲と虹と | 1976 | 海音寺潮五郎 | 福田善之 | 平安 | 平将門 | 加藤剛 | 加瀬次男 |
15 | 花神 | 1977 | 司馬遼太郎 | 大野靖子 | 幕末 | 大村益次郎 | 中村梅之助 | 小高昌夫 |
16 | 黄金の日日 | 1978 | 城山三郎 | 市川森一 長坂秀佳 |
戦国 - 安土桃山 | 呂宋助左衛門 | 市川染五郎[注釈 2] | 梶原四郎 |
17 | 草燃える | 1979 | 永井路子 | 中島丈博 | 源平内乱 - 鎌倉 | 源頼朝 北条政子 |
石坂浩二 岩下志麻 |
森本毅郎 |
18 | 獅子の時代 | 1980 | なし | 山田太一 | 幕末 - 明治 | 平沼銑次* 苅谷嘉顕* |
菅原文太 加藤剛 |
和田篤 |
19 | おんな太閤記 | 1981 | なし | 橋田壽賀子 | 戦国 - 江戸 | ねね | 佐久間良子 | 山田誠浩 |
20 | 峠の群像 | 1982 | 堺屋太一 | 冨川元文 | 江戸 | 大石内蔵助 | 緒形拳 | 加賀美幸子 |
21 | 徳川家康 | 1983 | 山岡荘八 | 小山内美江子 | 戦国 - 江戸 | 徳川家康 | 滝田栄 | 館野直光 |
22 | 山河燃ゆ | 1984 | 山崎豊子 | 市川森一 香取俊介 |
昭和 | 天羽賢治* 天羽忠* |
松本幸四郎[注釈 3] 西田敏行 |
なし (総集編のみ和田篤) |
23 | 春の波涛 | 1985 | 杉本苑子 | 中島丈博 | 明治 - 大正 | 川上貞奴 | 松坂慶子 | 柳井恒夫 |
24 | いのち | 1986 | なし | 橋田壽賀子 | 昭和 | 岩田(高原)未希* | 三田佳子 | 奈良岡朋子 |
25 | 独眼竜政宗 | 1987 | 山岡荘八 | ジェームス三木 | 安土桃山 - 江戸 | 伊達政宗 | 渡辺謙 | 葛西聖司 |
26 | 武田信玄 | 1988 | 新田次郎 | 田向正健 | 戦国 | 武田信玄 | 中井貴一 | 若尾文子 |
27 | 春日局 | 1989 | なし | 橋田壽賀子 | 安土桃山 - 江戸 | 春日局(おふく) | 大原麗子 | 奈良岡朋子 |
28 | 翔ぶが如く | 1990 | 司馬遼太郎 | 小山内美江子 | 幕末 - 明治 | 西郷隆盛 大久保利通 |
西田敏行 鹿賀丈史 |
草野大悟(第一部) 田中裕子(第二部) |
29 | 太平記 | 1991 | 吉川英治 | 池端俊策 仲倉重郎 |
鎌倉 - 南北朝 | 足利尊氏 | 真田広之 | 山根基世 |
30 | 信長 KING OF ZIPANGU |
1992 | なし | 田向正健 | 戦国 - 安土桃山 | 織田信長 | 緒形直人 | ランシュー・クリストフ |
31 | 琉球の風 DRAGON SPIRIT |
1993/1-6 | 陳舜臣 | 山田信夫 | 安土桃山 - 江戸 | 楊啓泰* | 東山紀之 | 北林谷栄 |
32 | 炎立つ | 1993/7-1994/3 | 高橋克彦 | 中島丈博 | 平安 - 源平内乱 | 藤原経清 藤原清衡 藤原泰衡 |
渡辺謙 村上弘明 |
寺田農 |
33 | 花の乱 | 1994/4-12 | なし | 市川森一 | 室町 - 戦国 | 日野富子 | 三田佳子 | 三田佳子 |
34 | 八代将軍吉宗 | 1995 | なし | ジェームス三木 | 江戸 | 徳川吉宗 | 西田敏行 | 江守徹 |
35 | 秀吉 | 1996 | 堺屋太一 | 竹山洋 | 戦国 - 安土桃山 | 豊臣秀吉 | 竹中直人 | 宮本隆治 |
36 | 毛利元就 | 1997 | 永井路子 | 内館牧子 | 戦国 | 毛利元就 | 中村橋之助[注釈 4] | 平野啓子 |
37 | 徳川慶喜 | 1998 | 司馬遼太郎 | 田向正健 | 幕末 | 徳川慶喜 | 本木雅弘 | 大原麗子 |
38 | 元禄繚乱 | 1999 | 舟橋聖一 | 中島丈博 | 江戸 | 大石内蔵助 | 中村勘九郎[注釈 5] | 国井雅比古 |
39 | 葵 徳川三代 | 2000 | なし | ジェームス三木 | 安土桃山 - 江戸 | 徳川家康 徳川秀忠 徳川家光 |
津川雅彦 西田敏行 尾上辰之助[注釈 6] |
中村梅雀 (2代目) |
40 | 北条時宗 | 2001 | 高橋克彦 | 井上由美子 | 鎌倉 | 北条時宗 | 和泉元彌 | 十朱幸代 |
41 | 利家とまつ 〜加賀百万石物語〜 |
2002 | 竹山洋 | 竹山洋 | 戦国 - 江戸 | 前田利家 まつ |
唐沢寿明 松嶋菜々子 |
阿部渉 |
42 | 武蔵 MUSASHI |
2003 | 吉川英治 | 鎌田敏夫 | 江戸 | 宮本武蔵 | 市川新之助[注釈 7] | 橋爪功 |
43 | 新選組! | 2004 | なし | 三谷幸喜 | 幕末 | 近藤勇 | 香取慎吾 | 小寺康雄(アバンタイトル) 沢口靖子(総集編) |
44 | 義経 | 2005 | 宮尾登美子 | 金子成人 | 平安 - 源平内乱 | 源義経 | 滝沢秀明 | 白石加代子 |
45 | 功名が辻 | 2006 | 司馬遼太郎 | 大石静 | 戦国 - 江戸 | 千代 山内一豊 |
仲間由紀恵 上川隆也 |
三宅民夫 |
46 | 風林火山 | 2007 | 井上靖 | 大森寿美男 | 戦国 | 山本勘助 | 内野聖陽 | 加賀美幸子 |
47 | 篤姫 | 2008 | 宮尾登美子 | 田渕久美子 | 幕末 | 天璋院(篤姫) | 宮﨑あおい | 奈良岡朋子 |
48 | 天地人 | 2009/1-11 | 火坂雅志 | 小松江里子 | 戦国 - 江戸 | 直江兼続 | 妻夫木聡 | 宮本信子 |
49 | 龍馬伝 | 2010/1-11 | なし | 福田靖 | 幕末 | 坂本龍馬 | 福山雅治 | 香川照之 |
50 | 江 〜姫たちの戦国〜 |
2011/1-11 | 田渕久美子 | 田渕久美子 | 戦国 - 江戸 | 江 | 上野樹里 | 鈴木保奈美 |
51 | 平清盛 | 2012 | なし | 藤本有紀 | 平安 - 源平内乱 | 平清盛 | 松山ケンイチ | 岡田将生 |
52 | 八重の桜 | 2013 | なし | 山本むつみ 吉澤智子 三浦有為子 |
幕末 - 明治 | 新島八重 | 綾瀬はるか | 草笛光子 |
53 | 軍師官兵衛 | 2014 | なし | 前川洋一 | 戦国 - 江戸 | 黒田官兵衛 | 岡田准一 | 藤村志保 →広瀬修子 |
54 | 花燃ゆ | 2015 | なし | 大島里美 宮村優子 金子ありさ 小松江里子 |
幕末 - 明治 | 杉文 | 井上真央 | 池田秀一 |
55 | 真田丸 | 2016 | なし | 三谷幸喜 | 安土桃山 - 江戸 | 真田信繁(幸村) | 堺雅人 | 有働由美子 |
56 | おんな城主 直虎 | 2017[2] | なし | 森下佳子 | 戦国 - 安土桃山 | 井伊直虎 | 柴咲コウ | 中村梅雀 (2代目) |
57 | 西郷どん | 2018[3] | 林真理子 | 中園ミホ | 幕末 - 明治 | 西郷隆盛 | 鈴木亮平 | 西田敏行 |
58 | いだてん 〜東京オリムピック噺〜 |
2019[4][5] | なし | 宮藤官九郎 | 明治 - 昭和[4] | 金栗四三 田畑政治 |
中村勘九郎[注釈 8] 阿部サダヲ |
ビートたけし(噺) 森山未來(語り) |
59 | 麒麟がくる | 2020/1-2021/2[7] | なし | 池端俊策 前川洋一 岩本真耶 河本瑞貴 |
戦国 - 安土桃山 | 明智光秀 | 長谷川博己 | 市川海老蔵 (11代目) (総集編のみ川口春奈) |
60 | 青天を衝け | 2021/2-12[8] | なし | 大森美香 | 幕末 - 昭和 | 渋沢栄一 | 吉沢亮 | 守本奈実 |
61 | 鎌倉殿の13人 THE 13 LORDS OF THE SHOGUN |
2022[9] | なし | 三谷幸喜 | 源平内乱 - 鎌倉 | 北条義時 | 小栗旬 | 長澤まさみ |
62 | どうする家康 | 2023予定[10] | なし | 古沢良太 | 戦国 - 江戸 | 徳川家康 | 松本潤 |
番組内容
題材
井伊直弼、原田甲斐、平清盛、平将門、柳沢吉保、北条政子、足利尊氏、日野富子、明智光秀等々、一般的には歴史上ネガティブなイメージを持たれた人物を主人公に据え、新解釈によってその人物の人間的側面を掘り下げて魅力的に描く手法(そういった原作を採用する事)が度々採られてきた。一方、主人公をヒーロー/ヒロインまたは現代的感覚を持った人物として描こうとするため、その人物の暗い側面に関しての描写が曖昧であったり、歴史学上の定説と離れた演出が加えられることもある。このことに関し、NHK側は「大河ドラマはドキュメンタリーではなくあくまでドラマであり、演出も必要である」と述べている。なお、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』のように、「このドラマは史実を基にしたフィクションです」という注釈テロップが付けられることもある[11]。『徳川慶喜』のように、ドラマでの描写を機に、それまで否定的に見られていた人物の評価が見直されたり、歴史学における再研究が行われるようになる事もある。
「大坂城」や「屋敷門の炎上」、「関ヶ原の戦い」など、過去の作品で使用した場面が何度も使われるケースがある。題材となる人物やテーマに所縁のある地方とタイアップする事も多い。また、歴史上の人物の節目に因んで、テーマが選択される事もある。三谷幸喜が奈良時代の舞台設定を提案するも、戦国時代や江戸時代などのように、衣装やセットを使いまわしできず全部新作しなければならず金がかかると拒否された事例もあり、狭い歴史時代範囲で制作されている[12]。
スタイルとしては一代記形式が多く、序盤には子役を立てて主人公の出生から始める形が多いが、初期には主人公の壮年期からスタートするものもあった。また、忠臣蔵もの(特に最初の『赤穂浪士』)など、比較的短時日のドラマを1年間かけて描くものも少数ながら存在する。
『山河燃ゆ』と『いのち』の2作品は例外で、完全なフィクションの現代劇に分類されていた。
昭和の頃は、既存の歴史小説を原作としたドラマが比較的に多い一方オリジナル作品は稀だったが、平成以降はオリジナル作品も制作されるようになった。
名称の由来
第一作とされている『花の生涯』放送開始時には、「大型時代劇」という名称で呼ばれていたが、同枠のドラマが本数を重ね、さらに次第に歴史ドラマとして注目されるようになると「大型歴史ドラマ」の名称が用いられるようになった[13]。シリーズ15周年を記念して発売された2枚組LPレコード『NHK大型歴史ドラマの15年 花の生涯から花神まで』(ポリドール)のタイトルにもそれが現れている。
一方、第二作の『赤穂浪士』放送直前の1964年(昭和39年)1月5日の読売新聞が『花の生涯』と『赤穂浪士』を「大河小説」になぞらえて「大河ドラマ」と表現し、その後一般でも「大河ドラマ」の名称で呼称されるようになった[14]。1977年(昭和52年)3月、NHKでシリーズ15周年記念番組『大河ドラマの15年』を放送。これがNHKが公式に「大河ドラマ」の名称を用いた最初である。
その後、1978年の『黄金の日日』の頃には「大河ドラマ」の名称が定着し、レコードや書籍にも「大河ドラマ」の名が使われるようになり、やがて本放送時にも「大河ドラマ」とシリーズ名が明示されるようになった。なお 「大河ドラマ」という表記自体が大河ドラマでテロップもしくはそれに準ずる形で初めて登場したのは、第40作『北条時宗』の副音声解説である。テロップではその翌年の第41作『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』の冒頭、オープニングタイトルでは、第43作『新選組!』からである。
放送サイクル
原則1年1作で、1月初回、12月最終回である。初期は年内いっぱいの52回放送していたが、のちに正月3が日と12月下旬は特別番組に枠を譲り、50回放送が典型となった(年末年始2週間は放送休止する計算となる)。2018年以降は、NHKの働き方改革の影響を受け、47回放送となり、特別編の挿入や選挙などの報道特別体制時に番組休止を挟むようになった。
1990年代前半には、大河のスリム化が図られ、放送サイクルが変則的になった。連続テレビ小説と同じ年度別2作品の方式とするべく、第31作『琉球の風』を6か月(1993年1月-6月)、第32作『炎立つ』を9か月(1993年7月-1994年3月)にそれぞれ短縮し、以降は半年ずつの放送サイクルとするはずであった。しかしこの計画が不評だったためか、第33作『花の乱』も9か月(1994年4月-12月)とし、第34作『八代将軍吉宗』(1995年)からは再び1年1作のサイクルに戻った。
第59作『麒麟がくる』は、新型コロナウイルスの影響で制作・放送スケジュールに遅れが生じたため、放送が越年。次回作『青天を衝け』の放送期間が1ヶ月短縮されている。
このほかに、第30作『信長 KING OF ZIPANGU』以降はNHKの子会社であるNHKエンタープライズに制作が委託されていたが、『八代将軍吉宗』でNHK東京本部の単独制作に復帰した。
出演者
出演者は、通常のドラマでは主役級の俳優・女優が共演することが多く、これに名脇役と呼ばれる俳優や舞台俳優・歌手・アイドル・お笑い芸人など多彩なキャストも加わるため、普段は見られない顔合わせがよく見られる(このことは連続テレビ小説でも同様に言える)。
番組初期は五社協定により映画会社所属の俳優はテレビ出演が制限されていたため、新劇の俳優や歌舞伎俳優が多く起用された。
第3作『太閤記』では緒形拳、高橋幸治、石坂浩二ら無名の新人俳優が抜擢され、一躍人気スターとなった。
五社協定消滅後も、第16作『黄金の日日』で石川五右衛門と杉谷善住坊を演じた根津甚八と川谷拓三や第21作『徳川家康』で織田信長役を演じた役所広司、第25作『独眼竜政宗』で主演した渡辺謙は番組がきっかけで一躍有名になり、2000年代に入ってからは『北条時宗』に出演した北村一輝、『新選組!』に土方歳三と山南敬介で出演した山本耕史や堺雅人、『真田丸』に出演した高木渉などが、大河ドラマに出演したことをきっかけとして活躍の場を広げることになった。
なお、連続テレビ小説と異なり、同じ俳優が別作品で同一人物を演じる例がしばしば見られる。主役を演じた俳優が別作品にサービスで登場するケースが多いので端役がほとんどだが、中には竹中直人のように第35作『秀吉』で豊臣秀吉を主演後に第53作『軍師官兵衛』でもレギュラー出演したケースがある。また特異な例として、小栗旬が第35作『秀吉』で石田三成の子役、第48作『天地人』で成人後の石田三成を、神木隆之介が第44作『義経』で源義経の少年期である牛若を、第51昨『平清盛』で成人後の源義経を演じている。なお、連続テレビ小説と大河ドラマをまたいで同役を演じたケースは、第43作『新選組!』で土方歳三を演じた山本耕史と、第60作『青天を衝け』で五代友厚を演じたディーン・フジオカの2例のみ。連続テレビ小説における登場作品は2人とも第93作『あさが来た』である。これは近現代が舞台で史実を元にしないフィクションであることが多い連続テレビ小説の性格上、両者の設定年代が被ることが少ないうえ、そもそも実在人物があまり出てこないことも関係する。
アンコール
2014年4月から、BSプレミアムにおいて過去の作品を再放送している。
期間 | 時間 | タイトル |
---|---|---|
2014年4月 - 2015年3月 | 土曜 18:00 - 18:45 | 独眼竜政宗 |
2016年4月 - 2017年3月 | 日曜 12:00 - 12:45 | 武田信玄 |
2017年4月 - 2018年3月 | 風林火山 | |
2018年4月 - 2019年3月 | 軍師官兵衛 | |
2019年4月 - 2020年3月 | 日曜 6:00 - 6:45 | 葵 徳川三代 |
2020年4月 - 2021年3月 | 太平記 | |
2021年4月 - 2022年3月 | 日曜 6:45 - 7:30 | 黄金の日日 |
2022年4月 - 2023年3月 | 日曜 7:15 - 8:00 | おんな太閤記 |
番組の構成
各作品、クレジットはオープニング時に表示され、その時にオープニングのテーマ曲が流れる(約3分[注釈 9])。テーマ曲は原則オーケストラ(NHK交響楽団)により演奏されるオリジナル曲。また、クレジットの最初に出るタイトルは原則手書き[注釈 10]で、製作者は「題字」として出演者よりも先にテロップされる。
オープニングの映像やパターンも作品によって異なる。特筆する箇所は以下の通り。
- 『獅子の時代』は曲中で、その回のハイライトシーンが織り込まれる(※一部の回は変則)パターン。(→『獅子の時代#オープニング』)
- 『翔ぶが如く』はタイトルシーン以降は、第1部と第2部を境に映像が異なるパターン。(→翔ぶが如く#概要』)
- 『琉球の風』は初回オープニングのみ映像が異なる変則パターン。(→『琉球の風#概要』)
- 『徳川慶喜』は途中のシーンの映像が不特定に変わるパターン。
- 『龍馬伝』はオープニングの冒頭シーンのみ異なるパターン。(→『龍馬伝#オープニングタイトル』)
- 『平清盛』は第2部(第30話)と第3部(第31話)を境に一部シーンを差し替えているパターン。(→『平清盛#作品構成』)
- 『八重の桜』は中盤部分を月替わりに変更し、全体でも第33話と第34話を境にリニューアルしたパターン。(→『八重の桜#オープニング映像』)
- 『真田丸』は『獅子の時代』同様にその回のハイライトシーンが織り込まれ、第44回のみ変則構成(※後述の脚注参照)のパターン。
- 『鎌倉殿の13人』はオープニングをキャストと原作・音楽担当のみにし、それ以外の製作者(指導・スタッフ)は劇中内でテロップするパターン[注釈 11]。
『独眼竜政宗』以降の作品では、オープニング前に図解や写真などを用いた史実の解説などを行うアバンタイトルで始まるパターンが多い。
本編では全般的に序盤はロケシーンが多く、中盤から後半にクライマックスがあり、終盤は登場人物も代替わりして若手俳優が増え、またスタジオ撮影のシーンが多くなるのが特徴である。近年、合戦シーンなどではコンピュータグラフィックス(CG)を用いることも多い。
本編終了後に次回予告(30秒程度)が流れ、その回の放送内容の舞台となった地や重点的に取り上げられた人物のゆかりの地を紹介する「紀行」コーナーが入る[注釈 12]。最終回では本編終了後に「紀行」コーナーが先に入って作品自体はそこで終了し、その後に次作の予告が入る(30秒-2分程度)。作品によっては[注釈 13]、最終回のみオープニングをカットして、エンディング(「紀行」の直前、本編ラスト)にテーマ曲(※『龍馬伝』は除く)とテロップが流れる。なお 『麒麟がくる』以降は次回予告後一旦本編を終了させて、その後に紀行コーナーに入るパターンになっている。
放送日データ
- 総合テレビ・デジタル総合テレビ - 本放送 日・20:00-20:45
- 第40作の北条時宗からは初回・最終回の放送時間を延長するときにも開始時刻は20:00に固定し、終了時刻を延長している。
- 衆議院議員総選挙・参議院議員通常選挙・統一地方選挙などの重要な選挙の投開票日は投票締め切りの20時から開票速報を放送するため、放送時刻が変更される。
- 1991年『太平記』は、第12回統一地方選挙投開票日は19時台に繰り上げて放送したが、その後は重複日は大河ドラマは放送休止していた。
- 2000年『葵 徳川三代』以降は、19時台に繰り上げて放送した。2014年の第47回衆議院議員総選挙投開票日は『軍師官兵衛』の最終回拡大版の放送日であったため19時台に収めることが出来ず、翌週に延期された。
- 2018年『西郷どん』以降は、回数減に合わせて、放送を休止するようになった。
- その他、オリンピックやサッカーワールドカップなどのスポーツ中継、重大ニュースによる報道特別番組の編成などにより、放送休止、もしくは変更されることがある。
- 2020年3月1日以降は、NHKプラスでインターネット同時配信・見逃し配信が行われている。
- 再放送 土・13:05-13:50(本放送の6日後)
- 高校野球等のスポーツ番組、国会中継実施[注釈 14]等の特別番組放送で放送時間が変更されることがある。
- 最終回は、年末の番組編成の都合上、放送時間が変更される例があるが、再放送しなかった例もある。
- BSプレミアム - 日・18:00-18:45(先行放送)[注釈 15]
- 第60作の青天を衝けからBS4Kとのサイマル放送。
- NHK BS4K - 日・18:00-18:45(先行放送)
- 第60作の青天を衝けからBSプレミアムとのサイマル放送。
- 日・9:00-9:45(先行放送)※2019年の第58作と2020年の第59作[16]
- 再放送 日・8:00-8:45 (2019年の第58作と2020年の第59作)
- 再放送 日・20:00-20:45(第59作の麒麟がくる第12回から最終回までは総合テレビとのサイマル放送。)
- NHKワールド・プレミアム - 日・20:00-20:45(オリンピック開催期間中はニュース番組の時差放送による特別編成の関係上、19:15-20:00に放送時間を繰り上げる。よって、オリンピック開催期間中は総合テレビより早く放送されることとなる。選挙開票速報がある場合も同様。2010年6月20日は20:00からNHKニュース7の時差放送を行う関係で20:15-21:00に変更[注釈 16])
- 再放送 月・3:10-3:55(メンテナンスによる放送・配信休止の場合は5:10-5:55に変更。2010年3月22日は放送・配信休止に加え、5時台に大相撲中継の1時間ダイジェスト版が組まれる関係上、6:15-7:00に変更)、土・13:05-13:50
- テレビジャパン(アメリカ・カナダ・プエルトリコ。衛星放送またはケーブルテレビ)
- KIKU-TV(ハワイ。地上波で英語字幕付。なおCMが有る。長年約3か月遅れ放送だったが、『篤姫』からは約50日(およそ7週間と少し)、『天地人』からは37日遅れ(2009年2月10日初回放送)に短縮)
- 本放送 - 火・20:00-21:00
- 再放送 - 日(本放送5日後)・19:00-20:00
なお、2004年と2005年の大河ドラマ『新選組!』および『義経』はデジタル総合テレビにて13:00-13:45(2005年4月からは13:05-13:50)に限定先行放送を始めたが、2006年(『功名が辻』)から再びその放送はなくなった。
放送時間の推移
期間 | 放送時間(日本時間) | 備考 | |
---|---|---|---|
1963.04 | 1964.03 | 日曜 20:45 - 21:30(45分) | |
1964.04 | 1964.12 | 日曜 21:30 - 22:15(45分) | 『歌のグランド・ショー』放送開始のため繰り下げ |
1965.01 | 1969.04 | 日曜 20:15 - 21:00(45分) | |
1969.04 | 現在 | 日曜 20:00 - 20:45(45分) | 『歌の祭典』放送短縮のため繰り上げ |
期間 | 放送時間(日本時間) | 備考 | |
---|---|---|---|
1964.01 | 1964.03 | 土曜 14:05 - 14:50(45分) | |
1964.04 | 1965.03 | 土曜 13:15 - 14:00(45分) | |
1965.04 | 1989.03 | 土曜 13:25 - 14:10(45分) | |
1989.04 | 現在 | 土曜 13:05 - 13:50(45分) |
ダイジェスト版
- 2009年度よりNHK教育テレビジョンの「ワンセグ2」(2014年度終了)で月曜日に5分間の『(作品名)ダイジェスト』を放送したが、これを2011年4月(『江〜姫たちの戦国』の途中)から、月曜0:05-0:10(日曜深夜)に、NHK総合テレビジョンでも放送される(解説放送はなし)。(のちに2014年4月から水曜22:45-22:50に移動)。2015年からは番組名を『5分でわかる(作品名)』もしくは『5分で(作品名)』に変更。2017年より月曜0:05-0:10(日曜深夜。2020年3月22日までは近畿広域圏では放送なし)に再び移動。2020年3月30日からは月曜0:10-0:15(日曜深夜)ほかに放送。
NHKワールド・プレミアムでは金曜20:45-20:50に放送されている。
総集編
年末には総集編(ダイジェスト版。全部で3、4時間程度)も製作される(作品によっては翌年正月に放送する場合もある)。また、近年は本放送に区切りがつくごとにその時点までの総集編が番宣も兼ねて放送されることがある。
姉妹番組
新大型時代劇
1984年から1986年にかけての「近代大河3部作」(『山河燃ゆ』、『春の波涛』、『いのち』)が放送されていた時期に、従来の時代劇路線の大河ドラマのファンのためにそれまで軽い内容で娯楽系の「水曜時代劇」が放送されていた水曜日の20時台に新たに設けられた[17]。放送曜日と予算は大河ドラマと異なるが出演者に大河ドラマ出演者が多く、1年間の放送であったことから大河ドラマに準じる連続大型時代劇として扱われることも多い。
1986年の『武蔵坊弁慶』は翌1987年1月から大河ドラマが『独眼竜政宗』で時代劇路線に戻ることもあり、約9ヶ月間の放送で終了した。
再び現代が舞台となった『いだてん〜東京オリムピック噺〜』が放送された2019年には当枠に代わる番組は編成されず、NHK地上波の連続時代劇枠は一時的ではあるが土曜日の「土曜時代ドラマ」1枠のみとなった。
作品
- 宮本武蔵(1984年4月4日 - 1985年3月13日、全45話)
- 原作 / 吉川英治、脚本 / 杉山義法、音楽 / 三枝成章
- 出演 / 役所広司(宮本武蔵)、古手川祐子(お通)、中康次(佐々木小次郎)、竹脇無我(柳生宗矩)、丹波哲郎(平田無二斎)、石坂浩二(本阿弥光悦)
- 真田太平記(1985年4月3日 - 1986年3月19日、全45話)
- 原作 / 池波正太郎、脚本 / 金子成人、音楽 / 林光
- 出演 / 渡瀬恒彦(真田信之)、草刈正雄(真田幸村)、遥くらら(お江)、岡田茉莉子(淀君)、中村梅之助(徳川家康)、丹波哲郎(真田昌幸)
- 武蔵坊弁慶(1986年4月9日 - 1986年12月3日、全34話)
- 原作 / 富田常雄、脚本 / 杉山義法ほか、音楽 / 芥川也寸志(オープニングテーマ)、毛利蔵人(本編)
- 出演 / 中村吉右衛門(武蔵坊弁慶)、川野太郎(源義経)、荻野目慶子(玉虫)、芦田伸介(平清盛)、菅原文太(源頼朝)、萬屋錦之介(藤原秀衡)
続編の放送
2006年1月には大河ドラマとしては初めて続編が製作、放送された。これは2004年制作の第43作『新選組!』のその後を描いた作品で、大河ドラマでは局長・近藤勇が主役だったが、続編『新選組!! 土方歳三 最期の一日』では副長・土方歳三にバトンタッチし、土方の最期の一日を描いた。
スペシャルドラマ「坂の上の雲」
2009年から2011年にかけての毎年12月に、当初「21世紀スペシャル大河」として企画され1話90分・全13話で放送された。そのため、第48作『天地人』から第50作『江〜姫たちの戦国〜』までの3作品は11月で放送が終了している。
作品
- 坂の上の雲(2009年11月29日 - 12月27日、2010年12月5日 - 12月26日、2011年12月4日 - 12月25日、全13話)
- 原作 / 司馬遼太郎、脚本 / 野沢尚ほか、音楽 / 久石譲
- 出演 / 本木雅弘(秋山真之)、阿部寛(秋山好古)、香川照之(正岡子規)、菅野美穂(正岡律)、石原さとみ(秋山季子)、加藤剛(伊藤博文)、高橋英樹(児玉源太郎)、渡哲也(東郷平八郎)
備考
上述のように、大河ドラマはNHKの看板番組の扱いを受けており、NHKも1年間、その年の放送内容に関する番組を随所で放送する。例えば、『その時歴史が動いた』、『歴史秘話ヒストリア』などNHKの歴史教養番組、娯楽番組では、主人公およびその時代が度々取り上げられる。また、放送開始直前のNHK紅白歌合戦には、主演俳優はほぼ必ず出演する(ほとんどはゲスト審査員であるが、司会者に他に適任者がいないときは司会に、歌手としての活動も盛んに行っている場合には出場歌手に名を連ねる場合もあり)。
放送年の2月3日には、出演者が大相撲力士と共に成田山新勝寺で節分の豆まきの来賓ゲストとして出席する[18]のが恒例である[注釈 17]。また、主要出演者(主演者に限らず)が中央競馬のNHKマイルカップのゲスト出演や表彰プレゼンテーターをする場合がある。
日本国内のNHKでの放送では、デジタルで放送されるデジタルBSプレミアムとデジタル総合テレビでは副音声で視覚障害者向けの解説放送がある[注釈 18]。また、デジタル総合テレビとデジタルBSプレミアムは連動データ放送がある。この解説放送はステレオ2音声放送で、アナログ総合テレビとアナログBSプレミアムならびに海外向けテレビ番組配信のNHKワールド・プレミアムでは行われていない(通常のステレオ放送のみ)。これらはBSデジタルの放送開始翌年の『北条時宗』より行われた。
海外向けでは、日本人が多く住む地域でNHKワールド以外の放送局で放送されている(字幕付き)。2000年代以降では、CS専門チャンネル(ファミリー劇場、時代劇専門チャンネル、衛星劇場等)で放送されている。
2001年から2005年まではアナログ放送とデジタル放送では番組内容は同じでもそれぞれ編集映像比率内容が異なっていた。アナログ放送用(NHKワールド・プレミアムも含む)では本編は4:3で放送されるが番組最後の紀行の部分のみレターボックスで放送されていた。2006年からアナログ・デジタル同時送出のため、アナログ放送(NHKワールド・プレミアムも含む)ではレターボックス14:9(上下黒帯幅がやや小さく、4:3画面でも違和感がないもの)で放送されるようになった(他の番組では16:9レターボックス放送は行われるようになった中、本番組では2010年7月11日以降も『龍馬伝』最終回・総集編まで14:9サイズでの放送が続いていた)。これにあわせて同年の『功名が辻』と翌年の『風林火山』の中ではスタッフ・キャストのテロップを横書き表示に変更した。2008年以降の作品については再び縦書きクレジットの作品が増えているが、2009年の『天地人』、2010年の『龍馬伝』、2014年の『軍師官兵衛』では横書きでクレジットされた(もっとも、画面サイズとは関わり無く、『山河燃ゆ』『春の波涛・総集編』等、過去の作品でも横書きクレジットタイトル表示だった作品は少数ながら存在する)。2011年に入ってからレターボックス16:9に移行した。
スタジオでの全収録が終了するクランクアップの時には出演者・スタッフの労を労ってスタジオにくす玉が吊るされ、主演者がそれを割ったり出演者のスピーチも行われ、翌年の大河の主役の俳優からその年の主役の俳優に花束を渡し引継ぎを行う等、その模様はスポーツ新聞やNHK広報番組、NHKオンラインのこれ見て!ムービーで取り上げられることが多い。
製作費について
2005年以降、NHKの不祥事がクローズアップされたため透明性を明かすために『功名が辻』以降、毎年の決算概要に1話分の平均製作費[20][21]について公表している。以降の作品は、『義経』が6,440万円、『功名が辻』が6,110万円、『風林火山』が6,080万円、『篤姫』が5,910万円など。ほとんどの支出がセットなどの美術費であるとのことである[22]。
観光への影響
1年間にわたって大河ドラマの舞台となった地域は、たとえ複数(主人公の生育地、成年後の生活地が異なる場合が多い)であっても、その観光への影響力は大きい。関連するビジネス団体や、地方公共団体においてもその誘致に、組織的な努力がなされることが一般化している。テーマ、地域、時代、主人公プロフィールなどの偏りに配慮するNHKの判断を見越して、多くの地域で多大な誘致活動が行われている。
自治体や地元経済団体等により臨時の展示施設を開設することも多く、NHK側もドラマで使用された衣装・小道具やドラマの筋書・歴史的背景などを紹介するパネル展示、出演者を招いたイベント実施などの協力を行うほか、自ら関連会社により展覧会を東京都江戸東京博物館や関連府県で開催している。
”大河ドラマのまち”と銘打って自治体や地元経済団体等が地域活性化を図るケースは多く、例えば2002年の『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』が高視聴率を博したことで石川県の観光振興に大きく貢献しているとされる。一方で、集客力はドラマ本体の評価に左右される面もあるとされ、長野県上田市に開館した『真田丸』(2016年)の「大河ドラマ館」が目標を大きく上回る入館者を集めるなど盛況を博し観光振興に大きく貢献した[23][24][25][26]一方で、『花燃ゆ』(2015年)ではドラマ人気が低調であったため、観光への影響が予測を下回り「不完全燃焼」であると報道された[27][28]。
このほか、毎年秋に各地で開催される菊人形展では大河ドラマをテーマにする事例が多く、著名なものとしては「ひらかた大菊人形」(ひらかたパークで開催)があった。このイベントは技術者の高齢化や後継者の不足などを理由に2005年(『義経』)をもって終了したが、市民からの復活の要望および主催企業である京阪電気鉄道の創業100年を記念して2010年のみ復活開催され、この時も大河ドラマ(『龍馬伝』)をメインテーマに選定している。
無形文化遺産であり、東北地方最大級の神事とされ毎年8月に実施されている八戸三社大祭(青森県八戸市)では、2005年から大河ドラマの出演者が中日の合同運行に参加している。
作品の現存状況
1970年代までのNHKを含む多くの放送局では、放送用マスターテープとして使われた2インチVTRの保存は一般的でなく、放送終了後には内容を消去して他番組の収録に使い回していた[29]。こうした事情から大河ドラマに関しては、『元禄太平記』(1975年)以前の作品および『花神』(1977年)、『草燃える』(1979年)のマスターテープの大半が失われており、映像資料用として保存されていた一部の放送回のみ(作品によっては総集編も)現存している。なお、同様の理由で既に存在していないと思われていた『風と雲と虹と』(1976年)については全映像の現存が確認され、後に完全版DVDが発売された。これが全話映像ソフト化された作品のうち最も古いものとなっている。
当初は高価だった放送局用ビデオテープも、家庭用ビデオデッキの登場によって遙かにコストが下がったため、次第に番組を保存するように方針が変わり、『黄金の日日』(1978年)は全話現存している。そして『獅子の時代』(1980年)以降の歴代作品は、通常放送回・総集編ともに全ての映像をNHKが保存している。
NHKではマスターテープが失われた過去の放送番組の収集を進めており[30]、その結果、制作関係者や一般視聴者がビデオ(当時は大変高価だった)で録画保存していたものが発見されて寄贈されることもある。例えば『樅ノ木は残った』(1970年)はNHKに総集編の映像しか残されていなかったが、近年になって通常放送回の大半の回を録画したビデオテープ(白黒映像)が見つかっている。『春の坂道』(1971年)は総集編を含めてNHKに全く映像が残されておらず、「幻の大河ドラマ」と呼ばれていたが、後に最終回のみモノクロの家庭用VTRで録画された映像が発見されて、NHKアーカイブスに収蔵されている(ただし本作はカラー作品なので本来の形での放送回は厳密には現存していない)。同様に通常放送回のマスターテープが全て失われていた前述の『草燃える』は、寄贈されたビデオテープによって全放送回の映像が揃えられたが、一部の回の映像に欠損している箇所があるので、今のところ完全な形では揃っていない(詳細については「草燃える#映像の現存状況」などを参照)。そして2015年11月、それまで唯一通常放送回の映像が1本も残っていなかった[31]『国盗り物語』(1973年)の本編2話分が寄贈されたことで[32]、全作品の通常放送回が最低1話は現存していることになった。
現存している作品の幾つかはDVDで販売され、NHKアーカイブスで視聴することも可能である。また一部作品はビデオ・オン・デマンド(VOD)による配信もされている。現在、現存している初期作品のデジタルリマスター化がアメリカで行われている。
データ放送
総合テレビ、BSプレミアムでは番組連動型データ放送のサービス[33]を展開している。
データ放送の基本画面(LANケーブルを接続しなくても視聴可能)では、その日のあらすじや出演者・その役柄についての説明など基本情報を収録。更にNHKデータオンライン(LANケーブルを接続して視聴可能)を利用することによって、出演者インタビューや収録の裏話・トピックス、作品の時代背景や物語の舞台となった土地、登場人物の略歴といったドラマ関連の情報を見ることができる。
さらにNHKネットクラブ(2019年終了)会員に登録することによって、ドラマ放送中の時間帯(再放送を含み、「5分で(作品名)」は対象外)に実施されるスタンプラリーに参加することで、ネットクラブの会員ポイント(1視聴につき1点。1週間につき最大3点)をためることができ、またキャンペーン期間中には作品関連グッズプレゼントへの応募権利が与えられる特典もあった[34]。
脚注
注釈
- ^ 4代目尾上菊之助(現在の7代目尾上菊五郎)。
- ^ 6代目市川染五郎(現在の2代目松本白鸚)。
- ^ 1978年度の『黄金の日日』の主演を務めた6代目市川染五郎は1981年に9代目松本幸四郎を襲名した。
- ^ 3代目中村橋之助(現在の8代目中村芝翫)。
- ^ 5代目中村勘九郎(後の18代目中村勘三郎)。
- ^ 2代目尾上辰之助(現在の4代目尾上松緑)。
- ^ 7代目市川新之助(現在の11代目市川海老蔵)。
- ^ 6代目中村勘九郎で、1999年度の父:5代目中村勘九郎(18代目中村勘三郎)に続く父子二代の大河主演[6]。
- ^ 黎明期の作品(『花の生涯』〜『源義経』)や『鎌倉殿の13人』は2分以下。
- ^ 彫刻などの場合もある(『真田丸』など)が、ほとんどの作品が揮毫による手作り。『山河燃ゆ』『北条時宗』『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、『鎌倉殿の13人』はレタリング・フォントを元にした題字を用いている。
- ^ 『鎌倉殿の13人』の制作統括の清水拓哉CPによると「冒頭のアバンタイトルからの『さぁ、見るぞ』という視聴者の熱量・熱気を逃さないために尺を短くしたい。この連立方程式を解いた結果、タイトルバックではキャストのみし、スタッフは別で出す。(要約)」と説明している。[15]。
- ^ 『義経』以降はその紹介した場所のアドレスも紹介されるが、最終回は割愛されている。
- ^ 主に『龍馬伝』以降(『麒麟がくる』は除く)。なお『真田丸』の第44回も変則構成となっており、エンディング(「紀行」の直前、本編ラスト)にオープニングを流し、そのカットインに次回予告を混ぜる構成になっている。
- ^ 第2作赤穂浪士から第27作春日局で発生。
- ^ BSプレミアムでは独自のポイントサービスであるBSドラマイル→BSマイル対象番組の一つとして扱われていた(2016年サービス終了)。
- ^ 2012年のロンドンオリンピック期間中は7月28日は総合テレビと同じ通常時刻で(ただし総合テレビは21:00(その後柔道の中継延長で22:02に変更)開始のため国際放送単独放送)、8月5日は20:20-21:05に放送される。8月12日は国内向け・国際放送向けとも大河ドラマの番組自体が休止。
- ^ 例外として1976年に放送された『風と雲と虹と』の出演者は成田山新勝寺の節分会に参加しなかった。これは新勝寺自体がこの作品の主人公でもある平将門を調伏するために下総国公津ヶ原(現在の成田市並木町付近)で不動護摩の儀式を行ったのが開基の由来となっており、将門の怨敵とされているため[19]。
- ^ アナログ放送では地上波・BSともにステレオ放送のみを実施し、解説放送はなかった。NHKでは地上波・BSをふくめ、デジタル放送の普及に合わせる形で、それまで視覚障碍者を扱った作品と、帯ドラマのみで実施したドラマ番組(一部除く)での解説放送を強化している。
出典
- ^ 『時代劇入門』角川新書、2020年、285ページ頁。
- ^ “再来年の大河ドラマは「おんな城主 直虎」”. NHK (2015年8月25日). 2015年8月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月22日閲覧。
- ^ “2018年の大河ドラマは「西郷どん」!”. NHKドラマトピックス. (2016年9月8日) 2016年9月8日閲覧。
- ^ a b “2019年の大河ドラマは「オリンピック×宮藤官九郎」!”. NHKドラマトピックス. (2016年11月16日) 2016年11月16日閲覧。
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) (説明) - ^ “成田山新勝寺 恒例の豆まき”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年2月3日). オリジナルの2013年2月6日時点におけるアーカイブ。 2013年2月6日閲覧。
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- ^ “「花燃ゆ」燃えず…「真田丸」展は約1カ月で1万8000人 群馬の「上州沼田真田丸展」”. 産経新聞. (2016年5月3日) 2016年11月26日閲覧。
- ^ 発掘って何?(NHKアーカイブス 番組発掘プロジェクト)
- ^ NHKアーカイブス 番組発掘プロジェクト
- ^ こんな番組探しています!2014年7月の特集(NHKアーカイブス 番組発掘プロジェクト)
- ^ 杉良太郎さんから『国盗り物語』大発掘!(NHKアーカイブス 番組発掘プロジェクト)
- ^ ネットにつなごう!「軍師官兵衛」
- ^ NHKネットクラブ「軍師官兵衛スタンプラリー 1月5日スタート!!」
関連項目
- 奈良岡朋子 - 出演回数が多く、第1作と第50作という節目に登場する出演者となった。
- ラジオ深夜便 - 2011年の『江-姫たちの戦国-』から2013年『八重の桜』まで、原則として毎月最終月曜未明(日曜深夜)の1時台に、番組関係者がパーソナリティーとして、ドラマに関したあらすじの紹介を取り上げていた。2014年6月からは関西発の第1・3金曜日に始まる土曜日1時からの放送(中村宏)の中で、「大河ドラマの主題歌をさかのぼる」のコーナーを開始。
- 空想大河ドラマ 小田信夫 - NHK自身による大河ドラマのセルフパロディ作品。
NHKのほかの時代劇番組
- 大河ドラマと同様、史実より娯楽性を重視したもの(5-10回程度の中・長編が主)を放送している。なお地上波・総合テレビでは一時期娯楽時代劇の放送を休止した時期(2011年度)がある。
外部リンク
- 大河ドラマ 一覧 | 大河ドラマ
- 大河60 | NHKアーカイブス
- “大河”と呼ばれるドラマの誕生 - マンガで読むNHKヒストリー
- NHKアーカイブスカタログ - テレビ番組放送記録+番組小史 1953〜2008
- 株式会社ビデオリサーチ 視聴率 ドラマ NHK大河ドラマ
- 大河ドラマの歴史
- 特集 その時、舞台裏では…衣装編 大河ドラマの衣裳の世界 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 女性が主人公の大河ドラマ - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河ドラマ 制作者座談会 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河が描いた歴代“関ヶ原” - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河ドラマの“信長” - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河ドラマの“浅井三姉妹”と“お市” - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 「大河」の中の直江兼続 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 「大河ドラマ」の歴代“秀吉” - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河ドラマの歴代“龍馬” - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河ドラマの“題字” - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 緒形拳と「大河ドラマ」 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 新しい国づくりへ!「幕末維新を描いた大河ドラマ特集」 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 真田家が登場した主なNHKドラマ - NHKアーカイブス
NHK総合 日曜20:45 - 21:30枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
大河ドラマ
(1963年4月 - 1964年3月) |
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NHK総合 日曜21:30 - 22:15枠 | ||
大河ドラマ
(1964年4月 - 1964年12月) |
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NHK総合 日曜20:15 - 21:00枠 | ||
大河ドラマ
(1965年1月 - 1969年3月) |
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NHK総合 日曜20:00 - 20:45枠 | ||
大河ドラマ
(1969年4月 - ) |
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NHK総合 土曜13:05 - 13:50枠 | ||
不明
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大河ドラマ
(再放送枠・開始年不明) |
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