「NHK杯テレビ将棋トーナメント」の版間の差分
Baudanbau20 (会話 | 投稿記録) m →特別番組: 見出しの階層違反 |
|||
181行目: | 181行目: | ||
|28||1978||米長邦雄八段||[[真部一男]]六段|| |
|28||1978||米長邦雄八段||[[真部一男]]六段|| |
||
|- |
|- |
||
|29||1979||大山康晴王将(7)||[[森 |
|29||1979||大山康晴王将(7)||[[森雞二]]八段|| |
||
|- |
|- |
||
|30||1980||[[有吉道夫]]九段||中原誠名人|| |
|30||1980||[[有吉道夫]]九段||中原誠名人|| |
2020年7月16日 (木) 23:04時点における版
NHK杯テレビ将棋トーナメント | |
---|---|
ジャンル | 趣味番組 / 教養番組 |
出演者 |
藤田綾(司会) 中村桃子(司会) ほか |
製作 | |
制作 | NHK |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1962年 - |
放送時間 | 日曜 10:30 - 12:00 |
放送分 | 90分 |
公式サイト | |
特記事項: 前身はラジオ番組(1951年-1962年)。番組名・放送時間には変遷がある(本文参照)。 |
NHK杯将棋トーナメント | |
---|---|
棋戦の分類 | 一般棋戦 |
旧イベント名 | NHK杯争奪 将棋トーナメント |
開催概要 | |
開催時期 | 3月(決勝) |
初回開催 | 1951年度(第1回) |
持ち時間 |
予選:20分 本戦:10分 + 1分 × 10回(考慮時間) |
番勝負 | 一番勝負 |
優勝賞金 | 未公表 |
主催 | NHK |
公式サイト | 対局予定・結果 - NHK将棋 - NHK |
記録 | |
現NHK杯選手権者 | 深浦康市(初優勝) |
永世資格者 | 羽生善治(名誉NHK杯選手権者) |
最多優勝 | 羽生善治(通算11回) |
最長連覇 | 羽生善治(4連覇) |
NHK杯テレビ将棋トーナメント(エヌエイチケイはいテレビしょうぎトーナメント)は日本放送協会(NHK)が主催する将棋の棋戦であり、NHK Eテレで放送されているテレビ番組である。創設当初は「NHK杯争奪 将棋トーナメント」と称されていた。
対局者双方の持ち時間が少ない早指し戦であり、トーナメント方式で争われる。創設は1951年で、当時はラジオ番組(『室内遊戯の時間』)であった。テレビ放送は第12回(1962年度)から行われている。
優勝者には「NHK杯選手権者」(あるいは略して「NHK杯」)の称号が贈られ、次期の優勝者にその称号が贈られるまで主にNHKの将棋番組内や将棋講座テキスト(NHK出版)誌上で呼称される[注釈 1]。
方式
予選と本戦からなり、本戦には棋士49名と女流棋士1名の計50名が出場する。本戦の対局はNHKのテレビスタジオで収録され、その模様が毎年4月から翌年3月にかけて毎週1局ずつ放送される。
本棋戦は全棋士参加棋戦である[注釈 2]。
第1回(1951年度)から第30回(1980年度)までは上位棋士選抜棋戦であり、第1回(1951年度)の参加者は8名、第16回(1966年度)から16名に増え、第27回(1977年度)から26名に増えた。
第31回(1981年度)から全棋士参加棋戦に移行し、現行のシステムとなっている。
本戦シード
抽選時(前年12月末時点)において下記の条件を満たす者(32名)は予選が免除され、本戦シードとなる。またそのうち14名は本戦2回戦シードとなる。シード順は以下の通り(2020年度現在)。
- 前年度ベスト4(準決勝まで直接対決しないようにトーナメント表が組まれる)
- タイトル保持者
- 順位戦A級およびB級1組の棋士
- 棋戦優勝者[注釈 3](将棋オープン戦・将棋日本シリーズ[注釈 4]・新人王戦[注釈 5]・銀河戦)
- 女流タイトル保持者(複数の場合は出場女流棋士決定戦が行われる)
- 総合成績優秀者[注釈 6]
1回戦から登場のシード17名と女流棋士1名は、予選通過者18名とそれぞれ対局する。また、2回戦から登場のシード14名は基本的に1~3の者が該当する。なお、シード権保持者の人数によっては調整により、時に順位戦A級棋士の一部が1回戦からの参加になったり、あるいは永世称号棋士・B級1組棋士の一部が2回戦からの参加になったりする。
本戦の対局ルール
持ち時間は各10分(対局時計使用)で、それを使い切ると1手30秒未満となる。ただし、秒読みに入ってから1分単位で合計10回の「考慮時間」をそれぞれ使用できる[注釈 8]。
千日手となった場合は、他の棋戦と同様、先後を入れ替えての指し直しとなる。指し直し局は千日手局での持ち時間と考慮時間が引き継がれる。ただし、残りが考慮時間4回以下であった対局者の考慮時間は5回とされる[注釈 9]。持将棋となった場合も、千日手と同様に指し直しで決着を付ける。
予選
本戦シード以外の棋士は東西の将棋会館でトーナメント方式の予選を行い、勝ち残った18名(関東12名、関西6名[注釈 10])が本戦に出場する。予選は持ち時間各20分・切れると一手30秒の早指し戦を1日3局(棋士によっては2局)行なう。
本戦に出場する女流棋士1名は、前年12月末時点の女流タイトル保持者で行う、出場女流棋士決定戦(NHK杯のうち、これのみ非公式戦)の勝者である。出場女流棋士決定戦の決勝・準決勝などは本戦と同じ対局場で行われ、毎期のNHK杯決勝戦が放映された後の3月下旬に、NHK杯と将棋フォーカスの時間枠(日曜日の10時 - 12時)で放映される[注釈 11]。
詳細は「出場女流棋士決定戦」節を参照。
各種記録
本戦出場記録
- 最多出場
- 第70回(2020年度)までの本戦最多出場は加藤一二三の44回。
- 全棋士参加棋戦となった第31回以降では谷川浩司の40回が最多[注釈 12]。
- 連続出場
- 第70回(2020年度)までの本戦最多連続出場は大山康晴と中原誠の42回。
- 休場不戦敗の年度を除いた場合[注釈 13]は、大山康晴・中原誠・谷川浩司の41回。
- 全棋士参加棋戦となった第31回以降では谷川浩司の40回が最多。
- 最年長・最年少出場
- 本戦最年長出場は、有吉道夫の74歳(第60回)。
- 本戦最年長勝利は、丸田祐三の73歳(第42回)。
- 本戦最年少出場・最年少勝利は藤井聡太の14歳(第67回)。
優勝記録
- 最多優勝
- 第69回(2019年度)までの最多優勝は羽生善治の11回であり、次いで大山康晴が8回、加藤一二三が7回、中原誠が6回(下表を参照)。
- 連覇
- 最高記録は羽生善治の4連覇(第58回 - 第61回)。他に、大山康晴(第4回 - 第5回)・羽生(第47回 - 第48回)・佐藤康光(第56回 - 第57回)が2連覇を記録。
- 最年長・最年少・最低段
- 最年長優勝は、大山康晴の61歳(第33回)。全棋士参加棋戦の史上最年長優勝でもある。
- 最年少優勝は、羽生善治の18歳(第38回)。
- 最低段優勝は、櫛田陽一の四段での優勝(第39回)。
名誉NHK杯選手権者
通算10回優勝すると名誉NHK杯選手権者(名誉NHK杯)の称号が贈られる(タイトル戦の永世称号や名誉称号に類似するが、「原則引退後に名乗る」ものではなく、そのまま名乗ることができる)。第68回(2018年度)までにこの称号を得たのは羽生善治のみである[注釈 14]。ただし羽生が第68回途中で竜王を失冠し無冠となった際は、以降の放送分では「名誉NHK杯」ではなく他棋戦と同様段位(九段)で呼称された。なお、囲碁のNHK杯戦では通算11回優勝の坂田栄男(故人)が名誉NHK杯の称号を保持している。
なお、当棋戦では「永世」ではなく、囲碁トーナメントの称号と同じく「名誉」を冠している[注釈 15]。
名誉NHK杯の棋士は、ベスト4・タイトル保持者・順位戦在籍クラスによる本戦シードがない場合でも、永世称号呼称者と同等の扱いで本戦シード権を有し、現役を引退するまで予選参加が免除される[注釈 16]。
歴代決勝結果
称号・段位は当時のもの。かっこ内数字は、その時点での通算優勝回数。(なお、第67回・以降は、回表示の数字をクリックにて単独回の項へ可。)
回 | 年度 | 優勝 | 準優勝 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 1951 | 木村義雄名人 | 升田幸三八段 | ラジオ放送でスタート。8人制。 |
2 | 1952 | 升田幸三八段 | 丸田祐三八段 | |
3 | 1953 | 塚田正夫九段 | 花村元司八段 | |
4 | 1954 | 大山康晴名人 | 塚田正夫九段 | |
5 | 1955 | 大山康晴名人(2) | 灘蓮照八段 | |
6 | 1956 | 原田泰夫八段 | 灘蓮照八段 | |
7 | 1957 | 升田幸三名人(2) | 灘蓮照八段 | |
8 | 1958 | 灘蓮照八段 | 大山康晴王将 | |
9 | 1959 | 丸田祐三八段 | 大野源一八段 | |
10 | 1960 | 加藤一二三八段 | 大山康晴名人 | |
11 | 1961 | 大山康晴名人(3) | 加藤博二八段 | |
12 | 1962 | 灘蓮照八段(2) | 升田幸三九段 | テレビ放送に移行。 |
13 | 1963 | 升田幸三九段(3) | 加藤一二三八段 | |
14 | 1964 | 大山康晴名人(4) | 塚田正夫九段 | |
15 | 1965 | 丸田祐三八段(2) | 升田幸三九段 | |
16 | 1966 | 加藤一二三八段(2) | 二上達也八段 | 出場16名となる。 |
17 | 1967 | 大友昇七段 | 二上達也八段 | |
18 | 1968 | 丸田祐三八段(3) | 山田道美八段 | |
19 | 1969 | 内藤國雄棋聖 | 関根茂八段 | |
20 | 1970 | 大山康晴名人(5) | 中原誠十段 | |
21 | 1971 | 加藤一二三八段(3) | 大内延介七段 | |
22 | 1972 | 大山康晴九段(6) | 米長邦雄八段 | |
23 | 1973 | 加藤一二三九段(4) | 内藤國雄棋聖 | |
24 | 1974 | 中原誠名人 | 内藤國雄九段 | |
25 | 1975 | 大内延介八段 | 二上達也九段 | |
26 | 1976 | 加藤一二三九段(5) | 米長邦雄八段 | カラー放送となる。 |
27 | 1977 | 中原誠名人(2) | 加藤一二三九段 | 出場26名となる。 |
28 | 1978 | 米長邦雄八段 | 真部一男六段 | |
29 | 1979 | 大山康晴王将(7) | 森雞二八段 | |
30 | 1980 | 有吉道夫九段 | 中原誠名人 |
回 | 年度 | 優勝 | 準優勝 | ベスト4 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
31 | 1981 | 加藤一二三十段(6) | 伊藤果五段 | 木下晃 | 桜井 |
本戦50名、予選制導入。毎週の放送となる。 |
32 | 1982 | 中原誠十段(3) | 青野照市七段 | 谷川 | 桐山 | |
33 | 1983 | 大山康晴十五世名人(8) | 加藤一二三前名人 | 大内 | 米長 | 大山が最年長優勝。 |
34 | 1984 | 田中寅彦八段 | 加藤一二三王位 | 内藤 | 淡路 | |
35 | 1985 | 谷川浩司前名人 | 内藤國雄九段 | 西村 | 佐伯 | |
36 | 1986 | 前田祐司七段 | 森雞二九段 | 中原 | 淡路 | 千日手指し直しの熱戦を前田が制す。 |
37 | 1987 | 中原誠名人(4) | 中村修王将 | 福崎 | 高橋 | |
38 | 1988 | 羽生善治五段 | 中原誠棋聖 | 谷川 | 内藤 | 羽生が最年少優勝。 |
39 | 1989 | 櫛田陽一四段 | 島朗前竜王 | 中原 | 森下 | 四段の棋士が本戦初出場で優勝。 |
40 | 1990 | 先崎学五段 | 南芳一棋王 | 羽生 | 谷川 | |
41 | 1991 | 羽生善治棋王(2) | 塚田泰明八段 | 丸山 | 高橋 | |
42 | 1992 | 中原誠名人(5) | 島朗七段 | 加藤一 | 谷川 | 高柳敏夫門下の兄弟弟子対決。 |
43 | 1993 | 加藤一二三九段(7) | 佐藤康光竜王 | 南 | 森内 | 女流棋士出場枠が設けられる。 |
44 | 1994 | 中原誠永世十段(6) | 米長邦雄前名人 | 佐藤康 | 羽生 | |
45 | 1995 | 羽生善治竜王・名人(3) | 中川大輔六段 | 深浦 | 行方 | 決勝が初の公開対局。 羽生が七冠達成だけでなくNHK杯戦でも優勝。 |
46 | 1996 | 森内俊之八段 | 屋敷伸之七段 | 丸山 | 島 | |
47 | 1997 | 羽生善治四冠(4) | 村山聖八段 | 中原 | 島 | |
48 | 1998 | 羽生善治四冠(5) | 堀口一史座五段 | 久保 | 杉本昌 | |
49 | 1999 | 鈴木大介六段 | 郷田真隆八段 | 加藤一 | 森下 | 決勝が公開対局(テント(2000)みんなの広場)。 |
50 | 2000 | 羽生善治五冠(6) | 久保利明六段 | 森下 | 森内 | 記念大会、トーナメント歴代優勝者枠が設置され、 更に女流予選決勝が本戦と位置づけられ総勢53名。 決勝対局場が初の東京以外(関西将棋会館)。 |
51 | 2001 | 森内俊之八段(2) | 佐藤康光王将 | 羽生 | 藤井猛 | |
52 | 2002 | 三浦弘行八段 | 先崎学八段 | 丸山 | 谷川 | |
53 | 2003 | 久保利明八段 | 羽生善治名人 | 谷川 | 丸山 | |
54 | 2004 | 山崎隆之六段 | 羽生善治四冠 | 郷田 | 森内 | |
55 | 2005 | 丸山忠久九段 | 渡辺明竜王 | 羽生 | 三浦 | |
56 | 2006 | 佐藤康光棋聖 | 森内俊之名人 | 野月 | 窪田 | |
57 | 2007 | 佐藤康光二冠(2) | 鈴木大介八段 | 長沼 | 渡辺明 | 決勝がNHK杯囲碁・将棋を通じて史上初の生放送[3]。 |
58 | 2008 | 羽生善治名人(7) | 森内俊之九段 | 久保 | 佐藤康 | |
59 | 2009 | 羽生善治名人(8) | 糸谷哲郎五段 | 丸山 | 渡辺明 | |
60 | 2010 | 羽生善治名人(9) | 糸谷哲郎五段 | 渡辺明 | 丸山 | 記念大会、女流枠2で総勢51名。 羽生が史上初の3連覇。 決勝戦のラジオ放送を実施。 |
61 | 2011 | 羽生善治二冠(10) | 渡辺明竜王 | 畠山鎮 | 久保 | 羽生が連覇記録を4に伸ばす。 羽生が10度目の優勝で名誉NHK杯の称号を得る。 決勝戦のラジオ放送を実施。 |
62 | 2012 | 渡辺明竜王 | 羽生善治三冠 | 鈴木大 | 郷田 | 羽生のNHK杯連勝記録が24でストップ。 決勝戦のラジオ放送を実施。 |
63 | 2013 | 郷田真隆九段 | 丸山忠久九段 | 西川和 | 大石 | 11年ぶりに無タイトル者同士の決勝戦。 |
64 | 2014 | 森内俊之九段(3) | 行方尚史八段 | 深浦 | 橋本崇 | |
65 | 2015 | 村山慈明七段 | 千田翔太五段 | 広瀬 | 久保 | 10年ぶりの初の決勝進出者同士の決勝戦。 |
66 | 2016 | 佐藤康光九段(3) | 佐藤和俊六段 | 佐藤天 | 橋本崇 | 佐藤が将棋連盟会長としての優勝。 |
67 | 2017 | 山崎隆之八段(2) | 稲葉陽八段 | 郷田 | 豊島 | 2回戦第5局が2度目の生放送(後述)。 |
68 | 2018 | 羽生善治九段(11) | 郷田真隆九段 | 丸山 | 森内 | 羽生が最多優勝記録を11に伸ばす。 |
69 | 2019 | 深浦康市九段 | 稲葉陽八段 | 行方 | 斎藤慎 |
女流棋士の出場枠
結果
本戦で勝ち星を挙げた場合は対局順に複数の対戦相手を表記。
|
|
第53回(2003年度)で中井広恵女流三冠が畠山鎮六段を破り、女流棋士として初めてNHK杯での白星を挙げた。中井はさらに2回戦で順位戦A級在籍中であった青野照市九段に勝利した(3回戦で中原誠永世十段に敗れた)。中井は翌54回(2004年度)にも出場し、1回戦で佐藤秀司六段に勝利した(2回戦で佐藤康光棋聖に敗れた)。
中井が2年連続でNHK杯で白星を挙げたものの、その後はNHK杯で勝利する女流棋士は久しく現れなかった。しかし、第68回(2018年)で加藤桃子女王が及川拓馬六段に勝利し、女流棋士[注釈 17]として14年ぶりとなるNHK杯での白星を挙げた。続く第69回(2019年度)では、9年ぶりに出場した里見香奈女流五冠が高崎一生六段に勝利し、2年連続で女流棋士としてのNHK杯での白星を挙げた。
出場女流棋士決定戦
本戦に出場する女流棋士1名は「出場女流棋士決定戦」の勝者である[注釈 18]。出場女流棋士決定戦はNHK杯の予選に含まれず[注釈 19]、非公式戦である。
過去の出場女流棋士決定戦
第50回(2000年度)に女流棋士6名により行われたのが最初である。勝ち上がった清水市代女流三冠と中井広恵女流五段の2名が本戦に出場し、1回戦で清水と中井が対局した。この対局の勝敗は、両対局者が女流棋士であったにも関わらず、日本将棋連盟公式サイトの「女流棋士公式戦(「男性棋戦」)通算成績一覧」に「2000/5/22 NHK杯 中井○−●清水」として掲載されている[5][注釈 20]。
第55回(2005年度)からは原則として毎年行われている[注釈 21]。参加資格は女流棋界の状況により変動する。参加者が3名以上の場合はトーナメント戦となる。第67回(2017年度)からは、タイトルを保持する女性奨励会員も参加している。
※ 第60回(2010年度)は、記念大会として本戦に出場する女流棋士が2名に増員された。
回 | 年度 | 勝者(本戦出場) | 決勝敗退 | 決勝戦以外の対局組合せ | 備考 | 参加資格 | |||
50 | 2000 |
|
斎田晴子 女流三段 | ○斎田晴子 女流三段 - ●蛸島彰子 女流五段 | 本選で女流同士対局 (勝者は中井) 予選は女流棋戦の扱い |
-
| |||
中井広恵 女流五段 | 石橋幸緒 女流王将 | ○中井広恵 女流五段 - ●山下カズ子 女流五段 | |||||||
55 | 2005 |
|
中井広恵 女流王将 | (他の出場資格者なし) | タイトル保持者 (奨励会員以外) | ||||
56 | 2006 | 千葉涼子 女流王将 |
|
(他の出場資格者なし) | |||||
57 | 2007 | 千葉涼子 女流王将 | 清水市代 女流王位 | ○千葉涼子 女流王将 - ●斎田晴子 倉敷藤花 ○清水市代 女流王位 - ●矢内理絵子 女流名人 |
|||||
58 | 2008 |
|
矢内理絵子 女流名人 | ○矢内理絵子 女流名人 - ●石橋幸緒 女流王位 | |||||
59 | 2009 | 矢内理絵子 女王 | 石橋幸緒 女流王位 | ○矢内理絵子 女王 - ●清水市代 女流名人・女流王将 ○石橋幸緒 女流王位 - ●里見香奈 倉敷藤花 |
|||||
60 | 2010 |
|
矢内理絵子 女王 | 【負け残りトーナメント方式】 (1回戦) ○里見香奈 - ●矢内理絵子 (2回戦) ○清水市代 - ●矢内理絵子 |
記念大会のため 女流出場枠2名 (本選51名で実施) | ||||
| |||||||||
61 | 2011 |
|
|
(他の出場資格者なし) | |||||
62 | 2012 | 甲斐智美 女流王位 | 上田初美 女王 | (他の出場資格者なし) | [注釈 22] | ||||
63 | 2013 | (上田初美 女王) | (出場資格者は上田のみ) |
(他の出場資格者なし) | [注釈 23] | ||||
64 | 2014 | 香川愛生 女流王将 |
|
(他の出場資格者なし) | [注釈 24] | ||||
65 | 2015 |
|
香川愛生 女流王将 | (他の出場資格者なし) | [注釈 24] | ||||
66 | 2016 |
|
- |
(出場資格者なし) (連盟推薦により加藤が本選出場) |
[注釈 25] | ||||
67 | 2017 | 加藤桃子 女王 | 伊藤沙恵 女流二段 | (1回戦)○岩根忍 女流三段 - ●香川愛生 女流三段 (1回戦)○伊藤沙恵 女流二段 - ●清水市代 女流六段 (2回戦)○伊藤沙恵 女流二段 - ●岩根忍 女流三段 (3回戦)○伊藤沙恵 女流二段 - ●室谷由紀 女流二段 |
[注釈 26] | (奨励会員含む) タイトル保持者 及び タイトル挑戦者 | |||
68 | 2018 | 加藤桃子 女王 | 伊藤沙恵 女流二段 | ○伊藤沙恵 女流二段 - ●上田初美 女流三段 | [注釈 26] | ||||
69 | 2019 |
|
西山朋佳 女王 | ○西山朋佳 女王 - ●渡部愛 女流王位 | (奨励会員含む) タイトル保持者 | ||||
70 | 2020 |
|
|
(他の出場資格者なし) |
テレビ放送・ラジオ放送
2012年4月以降は、NHK Eテレで毎週日曜日に、「将棋フォーカス」から引き続く10:30 - 12:00に放送している。
2010年3月までは「将棋の時間」(日曜10:00 - 12:00)の第2部(10:20 - 12:00)として放送されていた[注釈 27]。2010年4月-2012年3月は「囲碁・将棋フォーカス」放送に伴い、「将棋講座」(10:00 - 10:15)から引き続く10:15 - 11:45に放送されていた。高校野球の開催時期には放送時間が変更になることがある。
原則として事前収録の録画放送である(極稀であるが生放送の事例あり。#エピソード参照)。収録は、東京都渋谷区のNHK放送センターで原則として隔週月曜の午前と午後に各1局ずつ行われ、収録の約1ヶ月後に放映される。対局は畳の敷かれた和室を模したスタジオセットの対局場で行われ、その隅に解説者と聞き手が進行と解説を行う10畳ほどの小部屋がある。小部屋から対局者までの距離は約20メートルあり、小部屋の扉を閉めれば通常の声の大きさなら解説の声は聞こえない[6]。
対局者は座布団に正座で対局に臨む(椅子に着席して対局するNHK杯テレビ囲碁トーナメントとは異なる)。この対局場には上座と下座の区別がなく、将棋盤を挟んで画面向かって左側に先手、右側に後手が着座する[注釈 28]。
ラジオ放送から始まったため、司会[注釈 29](女流棋士)、解説者(棋士)、記録係(通常は奨励会員の初段以上)のほか棋譜読み上げ(女流棋士)が加わる[注釈 30]。
駒は、初代光匠作の彫埋駒、書体はテレビ画面でも見やすいように初代書(一字書)を使用している。彫埋駒を使っている理由は、テレビに駒が映った時に漆が光らないようにするためである。
録画放送だが放送日以降にならないと、日本将棋連盟のホームページや「将棋世界」等に結果は掲載されない。棋譜はNHK出版のテキスト「将棋講座」に掲載される(概ね放送月の2ヶ月後に発行されるテキスト)。ただし連勝記録が関係する場合など、稀に放送日前に結果が報道されることもある[注釈 31]。
オープニング映像ではBGMとともに、前年度ベスト16進出者の静止画が流れ、最後に前年度NHK杯選手権者が初手を指すシーンで終わる。オープニング映像に続く司会者の挨拶で番組が始まる。司会者によってトーナメント表の勝ち上がりの状況が示されて[注釈 32]、その後に両対局者の紹介[注釈 33]と解説者の紹介が対局前に行われる。また、序盤の段階で両対局者のこれまでの対戦成績も紹介される[注釈 34]。
入玉、千日手、その他の事情などで指し直し等長時間の将棋になった場合、途中を省略して手順のみを放送することがある。また、短時間で終わって放送時間が余りすぎた場合は過去の名勝負や棋界情報などを紹介する臨時番組(将棋の時間 を参照)が放送されることがあった。一般的には感想戦を放送して丁度良い程度に時間が余ることが多い。
第60回からは1回戦から毎回、対局者へのインタビューが放送されている。司会者(聞き手)による対局者一人ずつのインタビューであり、内容は、対局相手の印象、対局に当たっての抱負などである。放送映像では対局者のみが映り、聞き手は声のみである。なお、第65回では、3回戦以降インタビューは行われていない。
第67回からは大盤での解説の際に、対局室の様子と実際の盤面の様子がそれぞれワイプで表示される場合がある。また終局時に勝利棋士に対して表示されたテロップに、要した手数が表示されるようになった。
第68回からは対局時の消費時間がおよそ20~30秒を超えている場面で上方から盤面を映し出す際に、▲黒駒の中に「手番」の表示(後手番では△白駒で上下反転)をするようになった。
第70回(2020年)から、字幕放送を実施する。字幕の色分けは司会者(聞き手)が黄色、解説者が水色、棋譜読み上げ係が緑色、記録係や対局者は白で表示される。
決勝戦の放送は毎年3月下旬になるが、気象業務法及び災害対策基本法の規定により、災害報道が優先される為、災害発生時は放送が中止され、後日に振り替えられる。
- 第54回の決勝戦の放送(2005年3月20日)は福岡県西方沖地震発生のニュースで中断し、そのまま1週間後の3月27日10:05に延期された。その時間に放送される予定だった女流予選(第55回)の放送は同日13:30からに変更された。
- 第57回(2007年度)の女流予選は、大会史上初めて女流4タイトルを分け合う4名によるトーナメント戦となった。この模様は女流棋士出場者決定戦として2007年3月25日 10:05からの放送予定であったが能登半島地震の発生により中止となり、同年3月30日 23:00および4月21日 15:00(再放送)からの放送となった。
- 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)及び東京電力・福島第一原子力発電所での事故に伴う非常報道体制により、第60回(2010年度)の準決勝・第2局(当初放送予定2011年3月13日)と決勝(同3月20日)は全て放送が中止となり、それぞれ1週間先に放送日が延期された[7][8]。また、決勝は4月17日にも再放送がされた[9]。また、第60回記念として2011年3月21日に放送予定だったNHKラジオ第1放送「復活!ラジオNHK杯将棋トーナメント」(決勝戦の模様を放送。解説は米長邦雄永世棋聖・渡辺明竜王・佐藤康光九段[10]。司会は村上信夫アナウンサー。)も、放送日が5月5日(17:05分ごろ-18:50)に変更された。なお、NHKワールド・ラジオ日本では本番組は同時放送せず、FM放送・デジタルラジオ実用化試験放送の音楽番組に差し替えた(18:00からのニュースのみ通常通りラジオ第1と同時放送)。
第70回大会について
- 第70回(2020年度)本戦は新型コロナウイルス感染症の流行 により、4月7日にNHKが「ニュースなどを除いて外部からの出演者を入れた収録や生放送を当面見合わせる」と発表した為、4月26日の1回戦第4局松尾歩‐出口若武戦を最後に収録が停止された。5月3日放送分は前年度の69回大会の決勝戦、5月10日放送分は70回大会の女流棋士出場者決定戦をアンコール放送した後、4週にわたりNHK杯戦アーカイブスと題して第38回大会での羽生善治(当時五段)と当時の名人経験者4人(大山康晴、加藤一二三、谷川浩司、中原誠)との対局を再放送した。[11]。この間は放送終了時間を11:54に繰り上げており、11:54 - 12:00は「新型コロナウイルス 医師が伝えたいこと」の放送に充てられた。6月7日の放送終了前の画面と12日に更新された公式サイトにて14日よりの放送再開が告知され、6月14日放送の谷川浩司-中村太地戦からトーナメント再開となった。トーナメント再開とともに新型コロナウイルス感染対策としてセットを一新し、囲碁と同様に椅子に座っての対局になった他、対局者の前にアクリル板が設置され、従来は対局場にいた棋譜読み上げと記録係のうち、棋譜読み上げ担当は別室で行うようになった(対局開始の挨拶時のみ登場し、開始後はテレビ画面に登場しない)。対局後に感想戦を行う場合は、大盤解説者のみが記録係の席に着席(記録係は退席)する形になり、司会者は挨拶時の棋譜読み上げ担当同様に対局席の斜め前に立つ形となった。なお、放送振替となった6週(局)分は7月25日以降に順次土日深夜に放送され、トーナメント表の変更は行われない。
歴代の司会者
現在、司会は毎週同じ女流棋士が務め、解説は毎週異なる棋士が担当している(主に順位戦B級2組以上在籍の棋士。ただし、若手棋士が本戦に初出場した場合はその師匠や兄弟子が、準決勝・決勝戦では順位戦A級在籍の棋士や、永世称号者がこれを担当するケースが多い)。1991年に女流棋士が司会となってからは3年ごとに司会者が交代しているが、矢内理絵子は2009年から5年連続で担当した。逆に、清水市代は2014年と2015年の2年のみで交代した。
回 | 年度 | 司会 |
---|---|---|
? - 30 | ? - 1980 | 二代目神田山陽(講談師) |
31 - 40 | 1981 - 1990 | 永井英明(近代将棋会長) |
41 - 43 | 1991 - 1993 | 谷川治恵 |
44 - 46 | 1994 - 1996 | 山田久美 |
47 - 49 | 1997 - 1999 | 藤森奈津子 |
50 - 52 | 2000 - 2002 | 中倉彰子 |
53 - 55 | 2003 - 2005 | 千葉涼子 |
56 - 58 | 2006 - 2008 | 中倉宏美 |
59 - 63 | 2009 - 2013 | 矢内理絵子 |
64 - 65 | 2014 - 2015 | 清水市代 |
66 - 67 | 2016 - 2017 | 藤田綾 |
68 |
2018 |
藤田綾(飯野愛、和田あき) |
69 - | 2019 - | 藤田綾、中村桃子 |
- 第59回の2009年7月26日と8月2日放送分は、収録される対局に矢内理絵子が出場する分が含まれていたため、代役として千葉涼子が司会を務めた。
- 1970年代中頃には、講談師の田辺一鶴が司会(聞き手)を務めた時期があった。
- ラジオ放送時代には倉島竹二郎(作家、観戦記者)が聞き手を務めた時期があった。
- 2014年5月18日・25日放送分は清水が女流王位決定戦に、2015年3月1日・8日放送分は女流名人戦五番勝負に出場するため、代役として矢内が司会を務めた。
- 2018年度司会の藤田綾が出産及び育児のために2018年8月11日~2018年11月30日の期間を休場し[12]、合わせて番組司会も休むため、その間、棋譜読み上げ担当の2人(飯野愛、和田あき)が代役で司会を務めた。具体的には、この期間に放送日もしくは対局日がかかる対局、すなわち2回戦第2局から3回戦第6局までが対象となった。収録が休場明けとなった3回戦第7局から復帰した。詳しくは第68回の本戦対局結果と放送日一覧を参照。
決勝戦
決勝戦の放送では、冒頭で対局者へのインタビューなどが放送され、また、最後に表彰式が放送されるため番組構成が若干異なる。これらのコーナーについては司会進行役をNHKアナウンサーが務める。まず、番組の冒頭の部分では、対局室とは別のスタジオに決勝戦の対局者・解説者・聞き手が集まり、対局者に対しては今期のトーナメントで印象に残っている対局や決勝戦への意気込み、解説者や聞き手に対しては決勝戦の見所などについてインタビューがなされる。それに引き続いて、決勝戦では振り駒の様子やNHK杯将棋トーナメントの歴代優勝者など放送される。また、最後の部分では表彰式が放送され、優勝者に対してはNHK杯(優勝カップ)と賞状及び「NHK杯選手権者」の称号が贈られる(「NHK杯選手権者」の称号を贈ることは賞状に記されている)。また、準優勝者に対しては賞状が授与される。なお、第60回から第62回の決勝戦についてはNHKラジオ第1放送でのラジオ放送も行われ、NHKオンラインでも公開されている[13]。
回 | 年度 | 対局者 | 放送日 | 司会者 | 聞き手 | 解説者 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 2010年度 | 羽生善治 対 糸谷哲郎 | 2011年3月27日 | 矢内理絵子 | 森内俊之 | |
61 | 2011年度 | 羽生善治 対 渡辺明 | 2012年3月18日 | 関口泰雅 | 矢内理絵子 | 森内俊之 |
62 | 2012年度 | 羽生善治 対 渡辺明 | 2013年3月17日 | 堀伸浩 | 矢内理絵子 | 藤井猛 |
回 | 年度 | 対局者 | 放送日 | 司会者 | 解説者 |
---|---|---|---|---|---|
60 | 2010年度 | 羽生善治 対 糸谷哲郎 | 2011年5月5日 | 村上信夫 | 米長邦雄、渡辺明、佐藤康光 |
61 | 2011年度 | 羽生善治 対 渡辺明 | 2012年3月20日 | 村上信夫 | 米長邦雄、谷川浩司、橋本崇載 |
62 | 2012年度 | 羽生善治 対 渡辺明 | 2013年5月3日 | 関口泰雅 | 島朗、木村一基、橋本崇載 |
特別番組
歴代優勝者が選ぶ名勝負十局
2010年12月25日に『NHK杯将棋トーナメント60周年記念 歴代優勝者が選ぶ名勝負十局』を放送。ゲストは羽生善治、矢内理絵子。司会は長野亮。
順位 | 回 | 年度 | 放送 | 回戦 | 対局者 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | 1988 | 1989年2月 | 準々決勝 | 加藤一二三 九段 | 羽生善治 五段 | 羽生の▲5二銀が炸裂。 |
2 | 44 | 1994 | 1995年3月 | 決勝 | 米長邦雄前名人 | 中原誠 永世十段 | 長年のライバルが決勝で戦う(この対局前まで中原97勝、米長77勝)。優勝は中原。 |
3 | 47 | 1997 | 1998年3月 | 決勝 | 羽生善治 四冠 | 村山聖 八段 | 村山、これが人生最後の出場。最終盤で錯覚して逆転負け。村山は局後に「優勝したはずだったんですが・・・」とこぼした。 |
4 | 38 | 1988 | 1989年3月 | 決勝 | 中原誠 NHK杯 | 羽生善治 五段 | 羽生、大駒2枚を切る攻めで初優勝。 |
5 | 39 | 1989 | 1990年3月 | 決勝 | 島朗 前竜王 | 櫛田陽一 四段 | 四段の棋士が優勝(初)。 |
6 | 54 | 2004 | 2005年3月 | 決勝 | 羽生善治 四冠 | 山崎隆之 六段 | 羽生が考慮時間10分を残している中で考慮時間を使い切った山崎が勝ち、初優勝。 |
7T | 53 | 2003 | 2003年7月 | 1回戦 | 畠山鎮 六段 | 中井広恵 女流三冠 | 女流棋士の勝利(初)。 |
7T | 57 | 2007 | 2008年2月 | 準々決勝 | 羽生善治 王座・王将 | 長沼洋 七段 | 本戦初出場の長沼が羽生を下してベスト4。 |
7T | 57 | 2007 | 2007年10月 | 2回戦 | 羽生善治 王座・王将 | 中川大輔 七段 | 羽生が大逆転勝利(1歩も余らない自玉の即詰みを見落とした中川がトン死)。 |
10 | 29 | 1979 | [注釈 35] | 3回戦 | 大山康晴 十五世名人 | 加藤一二三 王将 | 勝勢にあった加藤が指した悪手▲8八金を見て、大山が電光石火のアクションで△同角成。 |
第38回 NHK杯戦 準々決勝 第60手 △3二同玉まで (この次の一手が▲5二銀) △加藤一二三 持駒:桂歩
|
第47回 NHK杯戦 決勝 第67手 ▲3二飛成まで (この次の△7六角が悪手) △村山聖 持駒:角歩四
|
第29回 NHK杯戦 3回戦 第124手 △6九銀まで (この後、▲8八金△同角成) △大山康晴 持駒:歩三
|
ネット配信
対局の勝負結果と棋譜については、放送翌日頃に公式サイトにて公開している。また、2020年4月より配信サービスを開始したNHKプラスでは、当番組についても地上波との同時配信と放送終了後のオンデマンド配信(見逃し番組配信)を行っている。なお、日本将棋連盟の棋譜中継アプリでは配信対象外となっている。
エピソード
段位、称号は当時のもの。
- 新鋭羽生五段 名人経験者をすべて破る
- 第38回(1988年度)の羽生善治五段は当時現役だった名人経験者4人(大山康晴、加藤一二三、谷川浩司、中原誠)[注釈 36]を全て撃破して初優勝した。3回戦で羽生が大山を下した直後、当時司会を務めていた永井は「あーすごいですね、いやーたいしたもんですねー、勝率8割1分8厘からまた上がりましたよ」と驚嘆していた。また、準々決勝の加藤戦での▲5二銀は伝説の一手と言われ、この手が指された瞬間に解説の米長邦雄は、「おぉー、やった!」とマイクの音が割れる大声をあげた。解説室は対局場とは別の部屋であったにもかかわらず、その大声は対局場の羽生に聞こえたようで、解説の声が対局場まで届いたのは後にも先にもこれが初めてとされる[14]。尚これらの対局の模様は前述の通り2020年5月17日放送分から6月7日放送分まで4週にわたって再放送された。
- 反則負け
- 時間切れ
- 二歩
- 第54回1回戦(2004年度放送)豊川孝弘六段 対 田村康介五段 - 豊川六段の二歩(反則負け)
- 第55回1回戦(2005年度放送) 松尾歩五段 対 先崎学八段 - 松尾五段の二歩(反則負け)
- 第64回準決勝(2014年度、2015年3月8日放送)橋本崇載八段 対 行方尚史八段 - 橋本八段の二歩[16](反則負け)
- 駒が取れない
- テレビスタジオのライトの熱により、駒に塗られたワックスが時間とともに溶けてしまい、盤に貼り付いてしまうという、テレビ棋戦ならではのトラブルも発生した。それに遭遇した森安秀光は、秒読みに追われる中、次の指し手を大声で発し、切れ負けをしのいだ[17][18]。
- 対局予定者の休場時の扱い
- 第34回(1984年度)で、前回優勝者の大山康晴NHK杯が急病で休場となり、穴埋めとして谷川浩司名人と米長邦雄王将の特別対局が行われた。この勝負は米長の勝利に終わる。ところがこの対局がエキシビションではなく「公式戦」の扱いとなってしまったため、本戦トーナメントで青野照市八段に敗れた谷川は、名人がNHK杯において1年で2敗を喫すると言う珍記録を作ってしまった[19]。
- 第42回(1992年度)の年度途中で大山康晴十五世名人が死去し、2回戦で大山との対戦予定が組まれていた島朗七段戦は、島の不戦勝扱いとなった。また、第58回(2008年度)では中原誠十六世名人が急病で休場し、2回戦第16局で対戦予定が組まれていた阿久津主税六段戦は、阿久津の不戦勝扱いとなった。
- 「ノータイム指し」糸谷哲郎の活躍
- 第59回の準決勝・渡辺明竜王対糸谷哲郎五段では、糸谷が得意の超早指しに渡辺も超早指しで対抗した結果、糸谷が勝利。感想戦の放送も早く終了し、久々に臨時の番組が後ろに挿入された(NHK杯将棋名局選)。
- 第60回の準決勝(2011年3月20日放送分)において、糸谷が丸山忠久九段に39手で勝利した[20]。これは、本戦での最短手数記録[21][信頼性要検証]。このときも前述の渡辺竜王との対戦時同様時間が余ったが、臨時の番組が挿入されることなく番組終了まで感想戦が放送された。
- 第69回(2019年度)は、1回戦で「マッハ指し」と称されている超早指しの田村康介七段と対戦。両者共超早指しで応戦した結果、対局開始から30分足らずの91手で糸谷が勝利。感想戦は対局時間より長い50分間も放送終了まで行われた。
- 高齢棋士・遅咲き棋士・引退直前の棋士の健闘
- 第33回(1983年度)は、65歳の花村元司九段が予選を勝ち抜き本戦出場。1回戦で中村修五段を破り、2回戦は60歳大山康晴十五世名人との「還暦超え対決」となった。結果は106手で後手大山の勝ち。大山はそのまま3回戦以降も勝ち抜いて「還暦優勝」を果たし、1985年に現役のまま死去した花村にとっては最後のNHK杯本戦出場となった。
- 第42回(1992年度)では丸田祐三九段が73歳で予選を突破し、本戦1回戦で森安秀光九段に勝利した。
- 第43回(1993年度)では加藤一二三九段が54歳で12年ぶりに優勝、当時の最長間隔優勝記録であった(現在の最長間隔優勝記録は13年で、森内俊之が第51回(2001年度)・第64回(2014年度)、山崎隆之が第54回(2004年度)・第67回(2017年度)で達成)。なお最高齢優勝は大山康晴の61歳。
- 第52回(2002年度)は、共に62歳で優勝経験者の内藤國雄九段(予選通過者)と加藤一二三九段(順位戦A級シード)が、2回戦で「還暦超え対決」となり、内藤が勝利している。
- 第60回(2010年度)は、順位戦C級2組からの陥落により引退が決まっていた有吉道夫九段が74歳で予選を突破。本戦出場の最年長記録を更新した。1回戦で高橋道雄九段に敗れたため、前記した丸田祐三の持つ最年長勝利記録は更新できなかった。この件がきっかけとなり、日本将棋連盟の引退日の規定が「引退が決まった年度末(3月31日)」から「引退が決まった年度に勝ち残っていた棋戦の最終対局日。ただし、テレビ棋戦の場合は、対局の放映日」に変更された。
- 第68回(2018年度)では、40歳代にして本戦初出場を決めた2人がいずれも本戦1回戦勝利以上の活躍を見せた。
- 安用寺孝功六段は、1999年のプロ入り以来予選敗退が続いていたが、プロ19年目にして本戦初出場を決め、本戦1回戦(放送当時43歳)でも、前年度朝日杯将棋オープン戦優勝の実績を持つ八代弥六段に勝利、2回戦へ進出した(広瀬章人八段に敗れた)。
- 更には、戦後最年長プロデビューの今泉健司四段も本戦初出場を決め、本戦1回戦(放送当時45歳)で藤井聡太七段との対戦となり、「当時の戦後最年長プロデビューの今泉四段 vs 戦後最年少プロデビューの藤井七段の初対局」として、当年度の注目対局となった[22]。その結果、今泉が藤井に勝利し、こちらも本戦初出場にして難敵を倒しての2回戦進出となった。さらに今泉は2回戦で深浦康市を破って3回戦に進出した(久保利明王将に破れた)。
- 最後の決勝
- 第47回(1997年度)の決勝では、最終盤で村山聖八段にミスが出て羽生に逆転負けをする。準優勝のインタビューでは、村山らしく笑顔で「優勝したはずだったんですが」とおどけてみせた。村山は病気のため明くる4月から全ての棋戦を休場し、復帰を果たせないまま8月に死去する。
- ファッション・パフォーマンス
- 橋本崇載四段が第54回(2004年度)の本戦に出場し、対松尾歩五段戦では金髪、パンチパーマ、紫のシャツというファッションで対局した。また、第57回(2007年度)での対阿部隆八段戦でのカメラを意識した目線は話題を呼んだ。
- 吉田正和四段は本戦初出場となった第60回(2010年度)の第1回戦(屋敷伸之九段戦)に剃髪をして登場した。
- 第62回(2012年度)1回戦第3局(2012年4月22日放送)では佐藤紳哉六段がカツラをつけて登場し、豊島将之七段との対局前インタビューで、格闘技やプロレスの煽りのような受け答えをして話題となった[23]。その(放送日基準で)半年後の2回戦第12局(10月28日放送)では、橋本崇載八段が羽生善治三冠との対局前インタビューで佐藤の発言を引用してパフォーマンスを真似た。佐藤の「煽り発言」は以降も多く引用され、対象となった豊島自身も、解説を務めた第63回(2013年度)準々決勝第4局(2014年2月23日放送・屋敷伸之九段対大石直嗣六段)で、対局する両者を評するために引用した。
- 喫煙
- 解説者がトイレに
- 第36回(1986年度)準決勝・第2局(1987年3月15日放送)、淡路仁茂八段と森雞二九段の対戦。解説者は晩年の升田幸三実力制第4代名人が務めたが、途中でトイレに行き解説者一時不在となった。その間司会の永井が1人で間をつないだ。
- 同じ4人
- 第60回(2010年度)では、前回ベスト4によってシードされた棋士がまたも準決勝に進出し、2年連続で全く同じ顔ぶれとなった(羽生善治・渡辺明・丸山忠久・糸谷哲郎)。さらに、決勝戦も2年連続で同一カードとなった(羽生対糸谷)。この様な例は史上初。
- 2回連続千日手
- 羽生世代の決勝進出
- 第45回(1995年度)~第64回(2014年度)の20年間、毎年必ず羽生世代の誰かが決勝に進出していた。第65回(2015年度)は、羽生善治名人が初戦である2回戦敗退など波乱が多く、準々決勝で藤井猛九段・郷田真隆王将が敗れたことで、決勝はおろか準決勝進出者もいなくなり、記録が途切れた。
- 第66回(2016年度)以降は再び、羽生世代の棋士が少なくとも1人勝ち残る状態が続いている。第66回(2016年度)では佐藤康光九段が優勝し、第67回(2017年度)では郷田真隆九段が準決勝まで勝ち残った(同年度優勝の山崎隆之に敗れた)。
- 第68回(2018年度)の準々決勝では第1局で森内俊之九段が三枚堂達也六段に、第2局で丸山忠久九段が久保利明王将に、第3局で羽生善治九段が豊島将之二冠に、第4局で郷田真隆九段が広瀬章人竜王に、それぞれ勝利し、第51回(2001年度)以来17年ぶりにベスト4全員が羽生世代となった。
- 同姓対決
- 第66回(2016年度)では準決勝に進出した4人中3人が佐藤姓となり[注釈 37]、佐藤康光九段が佐藤天彦名人・佐藤和俊六段を連破して優勝。
- 「将棋フォーカス」MC対決
- 第67回(2017年度)の1回戦第16局(2017年7月16日放送)、山崎隆之八段対中村太地六段の対局は、同年度、両者とも「将棋フォーカス」で伊藤かりん(乃木坂46)とともにMCを交替で担当しており、MC対決となった。両者ともに2017年当時のNHK杯では珍しい和服姿での対局となった[注釈 38]。対局者の両者が和服というのは、2008年3月放送の決勝戦(佐藤康光二冠対鈴木大介八段)以来、およそ10年ぶりの出来事とされた[25]。また、この対局の舞台裏は翌週(2017年7月23日)の「将棋フォーカス」でも特集された[26]。結果は山崎隆之八段が勝利した。なお山崎はそのまま勝ち進んで、13年ぶりの優勝も手にした。
- 2017年の藤井聡太フィーバー
- 公式戦で29連勝[注釈 39]をあげるなどの活躍で、将棋界の枠を越えて話題となった中学生棋士(当時)の藤井聡太四段が、第67回(2017年度)のNHK杯戦に史上最年少で本戦出場を果たした[注釈 40]。2017年4月17日収録の1回戦第7局(2017年5月14日放送)対千田翔太六段戦は、プロデビュー以来の無敗連勝記録を更新中であったため、収録直後に公式戦13連勝としての結果が発表される異例の事態となった。
- 2回戦第5局(2017年9月3日放送)は、対戦相手が十八世名人資格者の森内俊之九段ということで、前述の1回戦放送直後より視聴者からNHKへ放送予定の問い合わせが数多く寄せられ、2008年3月放送の決勝戦(佐藤康光二冠対鈴木大介八段)[注釈 41]以来9年半ぶりとなる生放送で対局が行われることになった[27]。解説は生放送での対局経験者である佐藤と、中村太地六段が務めた。生放送ということで放送開始は通常の「将棋フォーカス」の枠を使って(この週の「将棋フォーカス」は午後に移動)10時からとし、長期戦になった場合に備えてサブチャンネルでの延長放送を行う体制が組まれた。結果は94手までで藤井の勝ち。11時20分過ぎに終局となったため、残りは30分以上に渡る感想戦となった。なお、藤井は3回戦で稲葉陽八段に敗れた(稲葉は準優勝)。
- 本戦に「初段」が登場し「九段」と対局
- 第68回(2018年度)では、女流枠として加藤桃子女王が出場していたが、前述の本戦1回戦勝利後(トーナメント中)に「女王」を失冠した。そのため2018年5月27日放送にて、「初段」(奨励会の段位)と呼称された。「奨励会員かつ女流棋士ではない」女流枠からの出場者であるために起こった現象である。なお、同放送における対局相手は森内俊之九段だったため、奨励会初段が最高段位の九段(それも、十八世名人資格者)と対局するという、二重の珍事が発生した(結果は森内の勝ち)。
- 優勝カップの台座
- 優勝カップ(トロフィー)の台座には回数・年度と歴代優勝者の氏名が刻まれる。台座に氏名を刻むスペースが無くなると下に新たな台座が継ぎ足され、2019年現在は三段目まで増やされている。このためカップの重量が非常に重くなっており、もはや一人では持ち上げられない[28]。
脚注
- ^ 本番組や「将棋フォーカス」などでは、たとえタイトル保持者であっても、名前の後ろにNHK杯とのみ付けて呼ばれることが多い。他の番組では、2002年度後期の「将棋講座」で講師の森内俊之が「名人・NHK杯」と称されたように、タイトル称号と併記されることもある。また、第30回優勝の有吉道夫までは称号が「NHK杯選手権者」ではなく「NHK杯保持者」とされていた。かつて司会を務めていた永井英明は番組内で「NHKチャンピオン」と紹介することがあった(「選手権者」は"Champion"の意訳である)。
- ^ NHK杯戦、朝日杯将棋オープン戦、銀河戦の3棋戦が、全棋士参加棋戦に該当する。
- ^ 対象棋戦として加古川青流戦とYAMADAチャレンジ杯は対象外となっている。
- ^ 将棋日本シリーズは棋戦のシステム上、出場者自体がタイトル保持者や順位戦B級1組以上になることがほとんどであるが、過去には1992年にC級2組在籍で王位のタイトルを獲得した郷田真隆が、翌年の王位失冠後に日本シリーズ優勝。優勝翌年も前回優勝者の資格で日本シリーズ出場と優勝を重ねて3連覇まで達成し、優勝翌年度のNHK杯戦も1回戦シードで出場したことがある。
- ^ NHK杯戦への参加資格を持たない奨励会員は、優勝してもシード対象とならない(2013年度新人王戦優勝の都成竜馬は翌年度の第64回NHK杯戦に出場していない)。ただし、奨励会員が新人王戦参加中に四段に昇段して棋士となって優勝した場合は本戦シード対象となる(第38回本戦初出場の森内俊之と第57回本戦初出場の糸谷哲郎)。
- ^ 成績優秀による選抜者の人数は、32名から他のシード者数を引いたものとなる。選抜者の決定は前年1月から12月における対局数、勝数、勝率の3部門の各順位を合計した総合ランキングによる。同順位の場合は、年度一覧の順位が優先される。
- ^ 過去には「名人は後手」の規則があった。
- ^ 第61回(2011年度)から現行の持ち時間。第44回(1994年度)から第60回(2010年度)まで各15分であったものが、各10分に短縮された。第36回(1986年度)から第43回(1993年度)までは、現在と同じ持ち時間であった。さらに過去には、予選と同じく持ち時間各20分、切れたら1手30秒未満(考慮時間なし)であった。その当時には決勝のみ各30分となることがあった。
- ^ 千日手2回が発生した2011年6月5日放送分(第61回1回戦・佐藤康光対永瀬拓矢)では、当初の対局では両者が考慮時間を1分も使わずに千日手が成立。指し直し局は考慮時間10分ずつが与えられ、余りが3分と1分の状態で千日手が成立。再指し直し局は考慮時間5分ずつが与えられて行われた。その次週の6月12日放送分(1回戦・有森浩三対阿部健治郎)で、またも千日手が発生。このときは当初の対局で有森は考慮時間を使わず10分残し、阿部だけが考慮時間を3つ使った。そして、指し直し局ではそのまま有森に10分、阿部に7分の考慮時間が与えられた。なお、この指し直し局で阿部が最初の考慮時間を使ったとき、記録係は「阿部四段、4回目の考慮時間に入りました。残り6分です」と考慮時間の回数を当初の対局からの通算回数でコールした。
- ^ 東西の出場枠数は各所属の予選参加人数に応じたものとなる。また、1枠が東西混合枠となる場合があり、混合枠では東西どちらかで先に対局を行い、勝ち残った1名が遠征して予選決勝を戦う。
- ^ 第68回NHK杯将棋トーナメント決勝戦は2019年3月17日(日)に放映された[1]。第69回NHK杯テレビ将棋トーナメント出場女流棋士決定戦は2019年3月24日(日)に放映された[2]。
- ^ 谷川の本戦初出場は26人選抜時代の第30回であり、それも含めると谷川の出場回数は41回となる。
- ^ 大山は第42回(1992年度)で2回戦シードされていたが、対局前に死去している。中原は第58回(2008年度)で2回戦シードされていたが、対局前に病気休場している。
- ^ 名誉NHK杯の認定証は、当番組ではなく、2012年4月8日に放送された『将棋フォーカス』初回放送で授与式が行われた。
- ^ 同例は囲碁・将棋ともに日本経済新聞社主催となる王座戦の「名誉王座」がある。
- ^ NHK杯戦も含めた複数の棋戦でシード権が得られるタイトル戦の永世称号と異なり、名誉NHK杯の称号はNHK杯以外の棋戦でシード権などの特典はない。
- ^ 加藤桃子女王は「タイトルを保持する女性奨励会員」として、出場女流棋士決定戦に参加・優勝し、第68回(2018年)NHK杯に「女流棋士枠」で出場した。この時の加藤は女流棋士ではなかったが、本棋戦においては「女流棋士の扱い」であった。
- ^ 「NHK将棋 - Eテレ - トーナメント日程・概要 - トーナメント表を見る」に「第68回出場資格 本戦シード32名(中略)⑤出場女流棋士決定戦による勝者」と記載されている。
- ^ 例えば、2019年度の第69回NHK杯戦について、出場女流棋士決定戦は2019年3月24日(日)に放映されたが[2]、日本将棋連盟公式サイトの「第69回NHK杯<予選>[4]」では言及が一切ない。
- ^ 複数の女流棋士出場枠が設けられている男性棋戦では、理論上は、女流棋士が複数勝ち上がり、勝ち上がった女流棋士同士が対局することがありえるが、そのような事例はまだ存在しない。
- ^ 第63回(2013年度)と第66回(2016年度)は、出場女流棋士決定戦を行わずに、本戦に出場する女流棋士1名を決定した。
- ^ 里見香奈(女流名人・女流王将・倉敷藤花)および加藤桃子(女流王座)は奨励会員のため不参加。
- ^ 里見香奈(女流名人・女流王将・倉敷藤花・女流王位)および加藤桃子(女流王座)は奨励会員のため不参加となり、出場資格を持つ者が上田のみであったため女流予選は行われなかった。
- ^ a b 里見香奈(女王・女流王座・女流名人)は奨励会員のため不参加。
- ^ 奨励会員の加藤と里見香奈(女流名人・女流王位・倉敷藤花・女流王将)が女流タイトルを独占し、出場資格を持つ女流棋士が一人もいなくなったため、連盟の推薦により加藤が出場。
- ^ a b 女流五冠(女流王座・女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花)の里見香奈は出場辞退。
- ^ ハイビジョン放送には第58回(2008年度)の1回戦第1局(2008年4月6日放送分)から対応している(アナログは14:9サイズ)。デジタル教育テレビでは通常サブチャンネル3(023ch)で独自編成(マルチ編成)を行なっていたため、16:9の標準画質で放送されていた。
- ^ ただし、駒には「王」と「玉」があるため、慣例で上位とされている対局者が「王」を使用している。
- ^ タイトル戦の現地や将棋会館での大盤解説会・ニコニコ生放送やAmebaTVの中継では女流棋士が「聞き手」を務めるが、NHK杯では同様の役割を「司会」と表現する。
- ^ 記録係と棋譜読み上げはそれぞれ、年度ごとに担当する2名がおり、対局ごとにそのいずれかが務める。以前は棋譜読み上げを蛸島彰子が長らく務め、記録係も山下カズ子や谷川治恵などの女流棋士が務めていた。かつて放送されていた「テレビ将棋対局」(テレビ東京)でも、読み上げ・記録はどちらも女流棋士であった。なお、同じテレビ棋戦の「銀河戦」(囲碁・将棋チャンネル)では第1期から記録係しかおらず棋譜読み上げは行われていなかったが、第21期からはNHK杯同様棋譜読み上げ係が設けられている。
- ^ 例として2017年の藤井聡太(藤井聡太四段が13連勝、NHK杯1回戦に勝ち記録更新 - 産経ニュース・2017年4月17日など)のケースなど。藤井のケースは#エピソードで詳述。
- ^ トーナメント表に記載されている段位・タイトルは収録当時のもので、収録後に昇段・タイトル獲得・タイトル陥落があった場合は字幕でフォローされる。対局者・解説者・棋譜読み上げ・記録係がこれに該当する場合も、同様の措置がとられる。例として、第64回で記録係の1人であった黒沢怜生(当時奨励会三段)は、期間中に四段プロデビューしたために該当する。
- ^ 奨励会入会時の段級位と時期(プロ編入試験合格者はその時期)、四段デビュー時期、現在の竜王戦・順位戦のランク(及び保持しているタイトルと竜王戦ランキング戦で優勝していればその事実、女流棋士枠で出場した場合は女流棋戦での実績)、NHK杯本戦出場回数、トーナメントの勝ち上がり方(初戦の場合は、予選からの勝者は予選で対局した相手、本戦シード者はシードされた理由(抽選時順位戦B級1組在籍だったが、その後収録時点でB級2組に陥落した場合は「規定により」などと濁した形で紹介される))が紹介される。
- ^ 1994年度から長らく画面情報で紹介していたが、現在はNHK杯テレビ囲碁トーナメント同様口頭のみで紹介している。
- ^ 映像が残っていなかった為、対局の当事者である加藤が自戦を解説しつつ述懐した。
- ^ 升田幸三はすでに引退、米長邦雄は名人獲得前。
- ^ 佐藤姓の出場者は3人のみであり、3人とも準決勝まで進出した。もう1人の進出者は橋本崇載八段。
- ^ 2017年当時の対局者では、番組オープニングの佐藤康光NHK杯、1回戦の佐々木勇気六段、3回戦の中村修九段が和服で登場していたが、それ以外では極稀なケースである。
- ^ 29連勝のうちの4勝はNHK杯戦予選の3勝と本戦1回戦の1勝。
- ^ 中学在学中にプロデビューした棋士のうち、加藤一二三と谷川浩司はデビュー当時のNHK杯戦のシステム上、新四段での出場は不可能だった。羽生善治はデビュー翌年となる第36回(1986年度)で中学在学中に予選を勝ち抜いて本戦出場を果たした。1回戦の対福崎文吾戦は高校入学前の1986年3月24日に収録が行われ、羽生が勝利。
- ^ 森内は同対局の解説を務めた。
出典
- ^ “羽生善治九段VS郷田真隆九段 優勝を手にするのは? NHK杯将棋トーナメント決勝戦”. 日本将棋連盟 (2019年3月17日). 2019年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月7日閲覧。
- ^ a b “NHK将棋番組放送予定”. 日本将棋連盟 (2019年3月22日). 2019年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月7日閲覧。
- ^ 『NHK杯 伝説の名勝負』 p.194 千日手などのアクシデントに備え、放送枠は3時間40分がとられた。
- ^ “第69回NHK杯戦<予選>”. 日本将棋連盟. 2019年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月7日閲覧。
- ^ “女流棋士通算成績”. 日本将棋連盟. 2019年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月7日閲覧。
- ^ NHK杯テレビ将棋トーナメント 真剣勝負の将棋収録 撮り直しきかぬ公式戦 毎日新聞2017年4月14日東京夕刊 ウェブ版2017年4月17日閲覧
- ^ 2011年3月の全対局(日本将棋連盟)
- ^ 第60回NHK杯テレビ将棋トーナメント決勝戦放送時間のお知らせ(日本将棋連盟・2011年3月24日)
- ^ 「第60回NHK杯将棋トーナメント」「将棋講座」再放送のお知らせ(日本将棋連盟・2011年4月1日)
- ^ 「復活!ラジオNHK杯トーナメント」のお知らせ(日本将棋連盟)
- ^ 「将棋界にも緊急事態宣言の影響。タイトル戦は延期に、NHK杯はアンコール放送に
- ^ 藤田綾女流二段、休場のお知らせ(日本将棋連盟、2018年08月13日)
- ^ 「復活!ラジオNHK杯トーナメント」(NHK)
- ^ 『もう一度見たい! 伝説の名勝負』NHK出版、p.13で羽生が証言。
- ^ 日本将棋連盟の対局規定(2017年8月20日確認)にあるように、「10」と読まれた時点で時間切れ負けとなる。
- ^ 棋譜(NHK杯 テレビ将棋トーナメント)
- ^ 『もう一度見たい! 伝説の名勝負』NHK出版、p.160での蛸島彰子の証言。
- ^ 日本将棋連盟の対局規定(2017年8月20日確認)には、「対局者が秒読みの最中に駒を手から落とした場合には、指で盤面部分を押さえ、どう指すかを言えば着手の代用と認める。」とある。
- ^ 『NNK杯 伝説の名勝負』p.90
- ^ 『NHK杯 伝説の勝負』 p.204
- ^ 翌週3月27日放送の決勝戦冒頭で、この39手での勝利は、トーナメント本戦においては史上最短手数であると紹介された(予選会を含めるとどうなるかは不明)。
- ^ “藤井七段、今泉四段に敗れる NHK杯1回戦”. 毎日新聞. (2018年7月15日) 2018年8月13日閲覧。
- ^ 将棋・佐藤紳哉六段は新スター? Ameba News
- ^ 放送(2011年6月5日)にて司会・聞き手の矢内理絵子談。
- ^ “伊藤かりんのフォーカスダービー観戦記”. AERA (2017年10月11日). 2017年10月12日閲覧。
- ^ “NHKネットクラブ 将棋フォーカス「玉の早逃げ八手の得」”. 日本放送協会 (2017年7月23日). 2017年8月30日閲覧。
- ^ “藤井四段と森内九段の対局生放送 9月3日NHK杯”. 毎日新聞. (2017年8月17日) 2017年8月30日閲覧。
- ^ 毎日新聞・将棋班のツイート(2019年3月18日)
参考文献
- 内藤國雄、加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、森内俊之、佐藤康光、渡辺明 (監修) (2013), NHK出版, ed., NHK杯伝説の名勝負 次の一手, NHK将棋シリーズ, NHK出版