激動の昭和史 沖縄決戦
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激動の昭和史 沖縄決戦 | |
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KAMIKAZE Okinawa Zero | |
監督 |
岡本喜八(本篇) 中野昭慶(特撮) |
脚本 | 新藤兼人 |
製作 |
藤本真澄 針生宏 |
出演者 |
小林桂樹 丹波哲郎 仲代達矢 |
音楽 | 佐藤勝 |
撮影 |
村井博(本篇) 富岡素敬(特撮) |
編集 | 黒岩義民 |
製作会社 | 東宝[1] |
配給 | 東宝[1] |
公開 | 1971年8月14日[1][2] |
上映時間 | 149分[1][2] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | 激動の昭和史 軍閥 |
次作 | 海軍特別年少兵 |
『激動の昭和史 沖縄決戦』(げきどうのしょうわし おきなわけっせん)は、1971年(昭和46年)8月14日に公開された日本の映画[2]。カラー、シネマスコープ[1][2]。
概要
[編集]太平洋戦争末期の沖縄での戦いを描く「東宝8.15シリーズ」の第5作である[3][4][5]。
陸戦の描写が中心となるため、特撮はそれまでの戦記映画よりも少ないが[3]、1/1,100スケールの沖縄全島セットや1/200スケールの戦艦大和のミニチュアなどが造られた[6][4]。特殊技術を担当した中野昭慶は、セットが狭かったことから色合いを鮮やかにせずモノトーンに近いものとし、スモークで空気感を表現したと述べている[3]。
M41軽戦車は木製の実物大模型のほか[7]、自衛隊の中古車輌も併用された[8][4]。戦闘シーンでの爆発には、1日あたり150万円分の火薬が用いられた[3]。
キャスト
[編集]- 第三十二軍司令部
- 第六十二師団
- 第二十四師団
- 独立混成第四十四旅団
- 大本営
- 台湾第十方面軍
- 海上挺身隊
- 第三戦隊長:久野征四郎
- 義烈空挺隊
- 武剋隊
- 広森中尉:東野孝彦
- 小禄海軍陸戦隊
- 戦艦大和
- 第五航空艦隊
- 沖縄県庁
- 南風原陸軍病院
- 学校関係
- ひめゆり部隊
- 健児隊
- 神山島斬込隊
- その他
- 小倉曹長:地井武男[1][注釈 1]
- 老人[1][注釈 2]:三井弘次
- 藤田曹長:岩本弘司
- 抵抗する若い女:大谷直子
- 水を売る男:堺左千夫
- 山本憲兵隊長:山本清
- 亀甲墓の爺さん:藤原釜足
- 亀甲墓の婆さん:辻伊万里
- 亀甲墓の父:佐田豊
- 病気にうなされる老人[要出典]:香川良介
- 捕虜の少年兵:高原勉
- 亀甲墓の子:川瀬裕之
- 比嘉三平の老婆:木浦すみ江
- 連隊区司令部将校:江角英明
- 大森軍曹:山本廉
- 海岸の歩哨:大前亘
- 師範配属将校:園田裕久
- 島の長老[9]:小杉昇二
- 疎開する少年[要出典]:永吉健太郎
- 壕の中の少女:山添三千代
- 戦場を歩く4.5歳の少女:山添久美
- その母:中真千子
- ナレーター:小林清志
ノンクレジット出演者
[編集]- 敵艦を発見する将校:岡本喜八
- 比嘉三平の娘:山崎みき
- 県庁幹部:吉頂寺晃
- 視察付き添いの兵:宇留木康二
- 県庁幹部、県民(2役):熊谷卓三
- 渡辺中将の演説を聞く県民、県庁幹部(2役):榊田敬二
- 県庁幹部、軍人になった県民、貼り紙を見る県民(3役):草間璋夫
- 県民、県庁幹部(2役):坪野鎌之
- 土木作業をする県民:千葉一郎
- 自決する県民:大西康雄
- 渡辺中将の演説を聞く県民、県庁幹部、貼り紙を見る県民、壕の中の県民(4役):夏木順平
- 第二十四師団の参謀・壕の中の参謀(2役):坂本晴哉
- 酒盛りをする兵:緒方燐作
- 渡辺中将の演説を聞く県民、南風原陸軍病院の看護婦(2役):東静子
スタッフ
[編集]- 製作:藤本真澄、針生宏
- 脚本:新藤兼人
- 音楽:佐藤勝
- 撮影:村井博
- 美術:村木与四郎
- 録音:渡会伸
- 照明:佐藤幸次郎
- 編集:黒岩義民
- 監督助手:河崎義祐
- 製作担当者:古賀祥一
- スチール:中尾孝
- 整音:東宝録音センター
- 効果:東宝効果集団
- 特殊技術:中野昭慶
- 監督:岡本喜八
興行成績
[編集]東映社長の岡田茂は「ウチが同時期公開した『新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬』『やくざ刑事 俺たちに墓はない』の二本立てと同じぐらい3億7,000万~8,000万円の配収を上げたようだ」と話している[10]。
影響
[編集]庵野秀明は最も多く観た映画として本作品を挙げており、「一番好きな監督はだれかと言われたら、考える間もなく「岡本喜八」と言ってしまうんですけど」と述べている[11]。庵野が監督を務めたOVA『トップをねらえ!』(1988年 - 1989年)では、第5話のセリフや第6話のテロップなどで本作品をオマージュしている[12]。
映像ソフト
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k “激動の昭和史 沖縄決戦”. 映画資料室. 東宝. 2024年11月23日閲覧。
- ^ a b c d e 東宝特撮映画全史 1983, p. 548, 「東宝特撮映画作品リスト」
- ^ a b c d 東宝特撮映画全史 1983, pp. 360–361, 「東宝特撮映画作品史 激動の昭和史 沖縄決戦」
- ^ a b c 石井博士ほか『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年、223頁。ISBN 4766927060。
- ^ a b 日本特撮映画図鑑 1999, p. 144, 「東宝特撮作品 ビデオLDラインナップ 戦争映画」
- ^ ゴジラ大全集 1994, pp. 68–69, 「東宝特撮映画史 ゴジラ誕生 チャンピオンまつりの時代」
- ^ 超最新ゴジラ大図鑑 1992, p. 168, 「陸上兵器」
- ^ 超最新ゴジラ大図鑑 1992, p. 170, 「陸上兵器」
- ^ a b c d 東宝特撮映画全史 1983, p. 537, 「主要特撮作品配役リスト」
- ^ “岡田東映新社長にきく今後の経営 作品は今までの路線 系統館制さらに強化して”. 読売新聞夕刊 (読売新聞社): p. 7. (1971年9月8日)
- ^ 「庵野秀明×岡本喜八」『アニメージュ』、徳間書店、1997年1月、5-8頁。
- ^ 「ネタバレ寸止め!?『シン・ゴジラ』を語る」『シン・ゴジラWalker [怪獣王 新たなる伝説]』KADOKAWA、2016年8月6日、35頁。ISBN 978-4-04-895632-1。
- ^ “激動の昭和史 沖縄決戦”. ORICON NEWS. oricon ME. 2024年11月23日閲覧。
- ^ “激動の昭和史 沖縄決戦【期間限定プライス版】”. ORICON NEWS. oricon ME. 2024年11月23日閲覧。
- ^ “激動の昭和史 沖縄決戦[東宝DVD名作セレクション]”. ORICON NEWS. oricon ME. 2024年11月23日閲覧。
- ^ “激動の昭和史 沖縄決戦 Blu-ray”. ORICON NEWS. oricon ME. 2024年11月23日閲覧。
参考文献
[編集]- 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。
- 『増補改訂新版 超最新ゴジラ大図鑑』企画・構成・編集 安井尚志(クラフト団)、バンダイ〈エンターテイメントバイブルシリーズ50〉、1992年12月25日。ISBN 4-89189-284-6。
- 『テレビマガジン特別編集 誕生40周年記念 ゴジラ大全集』構成・執筆:岩畠寿明(エープロダクション)、赤井政尚、講談社、1994年9月1日。ISBN 4-06-178417-X。
- 『東宝編 日本特撮映画図鑑 BEST54』特別監修 川北紘一、成美堂出版〈SEIBIDO MOOK〉、1999年2月20日。ISBN 4-415-09405-8。