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桑名郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三重県桑名郡の範囲(緑:木曽岬町)

桑名郡(くわなぐん)は、三重県伊勢国)の

人口5,698人、面積15.74km²、人口密度362人/km²。(2024年10月1日、推計人口

以下の1町を含む。

郡域

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1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町のほか、下記の区域にあたる。

  • 桑名市の大部分(概ね芳ヶ崎・森忠・星川・巌新田・嘉例川・五反田・大仲新田・筑紫・中山町・里町・坂井・友村・赤尾・赤尾台・島田・志知を除く)
  • 愛知県弥富市の一部(五明・五明町・小島町・川原欠・加稲・加稲九郎次新田・三好・富島・稲荷崎・富崎・境町・栄南町・中原)
  • 愛知県愛西市の一部(福原新田の一部)
  • 岐阜県海津市の一部(海津町油島・海津町金廻)

歴史

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近世以降の沿革

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知行 村数 村名
幕府領 美濃郡代[2] 41村 【福永村、古敷村、西平賀村、西平賀新田、東平賀村、江内村、油島新田、金廻村、上之郷村、五明村、小島新田、篠橋新田、間々村、高座村、福原新田、川原欠新田】、加稲新田、加稲九郎治新田、三好新田、加稲付新田、富島新田、富島付新田、加稲山新田、稲荷崎新田、稲荷崎付新田、富崎新田、境新田、藤里新田、白鷺新田、源緑新田、横満蔵新田、松蔭新田、福井新田、福井附新田、福吉新田、豊松新田、赤地新田、六百新田、葭ヶ須新田、鎌ヶ池新田、長地新田[3]
藩領 伊勢桑名藩 1町
64村
江場村、本願寺村、大福村、矢田村、上野村、繁松新田[4]、稗田村、西別所村、蓮花寺村、増田村、額田村、能部村、桑部村、西金井村、東金井村、野田村、安永村、和泉村、小泉新田、福江新田、萱町新田、福地新田、福岡新田、末広新田、一之新田、大平新田、福本新田、大貝須新田、立田新田[5]、小貝須村、赤須賀新田、猟師町[6]、東野村、西方村、北別所村、東方村、桑名城下[7]、東汰上村、蠣塚新田、上深谷部村、今島村、上之輪新田、西汰上村、下深谷部村、太夫村、播磨村、福島村、多度村、古野村、美鹿村、北猪飼村、猪飼村、力尾村、御衣野村、小山村、下野代村、上肱江村、下肱江村、戸津村、柚井村、香取村、中須村、大鳥居村、庄九郎新田、南之郷村、白鶏新田
伊勢長島藩 1町
49村
長島城下[8]、又木村、○源部外面、出口村、殿名村、東殿名、押付村、小島村、中川村、西川村、新所村、松之木村、杉江村、上坂手村、下坂手村、千倉村、平方村、西外面村、十日外面[9]、大島村、藤九郎外面、前山外面、遠浅付新田、松ヶ島村、駒江村、加路戸新田[10]、大新田、外平喜新田、川中彦作新田、近江島新田、西対海地新田、田代新田、築留新田、白鷺脇付新田、雁ヶ地新田[11]、福崎新田、豊崎新田、川先新田[12]、和泉新田、中和泉新田、富田子新田、小和泉新田、豊田子新田、小和泉南堤外新田[13]、小林島新田、小林新田、東対海地新田、見入新田[14]、源緑山新田、都羅新田
幕府領・藩領 美濃郡代・長島藩 1村 【松永新田】
その他 寺社除地 1村 大智院山新田[15]
  • 慶応4年
  • 明治2年
  • 明治4年
  • 明治5年3月17日(1872年4月24日) - 安濃津県が改称して三重県となる。
  • 明治初年(1町152村)
    • 東方村の一部(武家地)より尾野山が起立。
    • 長島城下が改称して長島村となる。
    • 福岡新田・末広新田・一之新田・大平新田・福本新田が福地新田に、川中彦作新田が外平喜新田にそれぞれ合併。
  • 明治8年(1875年)(1町147村)
    • 8月 - 庄九郎新田が大鳥居村に合併。
    • 桑名城下の一部(三崎新田)より桑名村が起立。
    • 上肱江村・下肱江村が合併して肱江村となる。
    • 野田村が東金井村に、六百新田が赤地新田に、豊田子新田・小和泉南堤外新田が小和泉新田にそれぞれ合併。
  • 明治12年(1879年
    • 2月5日 - 郡区町村編制法の三重県での施行により、行政区画としての桑名郡が発足。郡役所が桑名城下に設置。
    • 福井新田・豊松新田が合併して福豊新田となる。(1町146村)
  • 明治13年(1880年5月10日 - 鍋田川左岸の五明村・小島新田・福原新田・川原欠新田・加稲新田・加稲九郎治新田・三好新田・加稲付新田・富島新田・富島付新田・加稲山新田・稲荷崎新田・稲荷崎付新田・富崎新田・境新田の所属が愛知県海西郡に変更。(1町131村)
  • 明治16年(1883年11月1日 - 江内村・油島新田・金廻村の所属が岐阜県下石津郡に変更。(1町128村)
  • 明治20年(1887年) - 木曽川の改修工事により大智院山新田の大部分が消滅。残部は白鷺新田の一部となる。(1町127村)

愛知県へ桑名郡の十五か村引渡し

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愛知県下 尾張国海西郡ト 当県下伊勢国桑名郡トノ間、両国々界更生ニ付桑名郡ノ内、左々村々土地人民共本月七日該県へ引渡候条、此旨布連候事 明治一三年五月十日 三重県令 岩村定高

福原新田 小島新田 五明村 川原欠新田 加稲新田 加稲九郎次新田 加稲付新田 三好新田 富島新田 富島付新田 加稲山新田 稲荷崎新田 稲荷崎付新田 富崎新田 境新田

岐阜県へ桑名郡の三か村引渡し

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桑名郡 油島新田 同・金廻村 同・江内村 今般 伊勢国・美濃国国界更生ニ付、右村々美濃国へ編入相成候条、此旨告示候事 明治一六年十一月一日 三重県令 岩村定高

町村制以降の沿革

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1.桑名町 2.赤須賀村 3.城南村 4.桑部村 5.在良村 6.益生村 7.大山田村 8.深谷村 9.野代村 10.古浜村 11.古美村 12.多度村 13.七取村 14.楠村 15.長島村 16.木曽岬村 17.伊曽島村(紫:桑名市 青:合併なし)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。特記以外は全域が現・桑名市。(1町16村)
    • 桑名町 ← 桑名城下[17]、江場村[一部]、大福村[一部]、本願寺村[一部]、矢田村[一部]、桑名村[一部]
    • 赤須賀村 ← 猟師町、赤須賀新田[一部]
    • 城南村 ← 東野村、赤須賀新田[大部分]、小貝須村、大貝須新田、福地新田、萱町新田、福江新田、小泉新田、和泉村、安永村
    • 桑部村 ← 能部村、桑部村、西金井村、東金井村
    • 在良村 ← 西別所村、額田村、蓮花寺村、増田村、稗田村
    • 益生村 ← 大福村[大部分]、江場村[大部分]、本願寺村[大部分]、矢田村[大部分]、上野村、繁松新田
    • 大山田村 ← 桑名村[大部分]、太夫村、西方村、尾野山、東方村、北別所村、福島村、上之輪新田、播磨村、東汰上村、西汰上村、蠣塚新田、矢田村[一部]、本願寺村[一部]
    • 深谷村 ← 上深谷部村、下深谷部村、今島村
    • 野代村 ← 中須村、南之郷村、大鳥居村、下野代村
    • 古浜村 ← 力尾村、猪飼村、北猪飼村、御衣野村
    • 古美村 ← 古野村、美鹿村
    • 多度村 ← 肱江村、小山村、戸津村、多度村、柚井村
    • 七取村 ← 香取村、福永村、西平賀村、上之郷村、東平賀村、古敷村、西平賀新田
    • 楠村 ← 松之木村、新所村、杉江村、上坂手村、下坂手村[大部分]、西川村[大部分]、千倉村、平方村[一部]、中川村[一部]
    • 長島村 ← 小島村、篠橋新田、押付村、長島村、又木村、殿名村、東殿名、出口村、源部外面、高座村、間々村、松ヶ島村、十日外面、駒江村、大島村、藤九郎外面、前山外面、遠浅付外面、西外面村、中川村[大部分]、平方村[大部分]、西川村[一部]、下坂手村[一部]
    • 木曽岬村 ← 加路戸新田、大新田、外平喜新田、近江島新田、西対海地新田、田代新田、築留新田、雁ヶ地新田、白鷺脇付新田、福崎新田、豊崎新田、川先新田、富田子新田、中和泉新田、見入新田、和泉新田、小和泉新田、小林新田、小林島新田、東対海地新田、源緑新田、源緑山新田、藤里新田、白鷺新田、松永新田(現・木曽岬町)
    • 伊曽島村 ← 横満蔵新田、松蔭新田、白鶏新田、福豊新田、都羅新田、赤地新田、鎌ヶ地新田、葭ヶ須新田、長地新田、福井附新田、福吉新田
  • 明治30年(1897年9月1日 - 郡制を施行。
  • 大正12年(1923年)4月1日
    • 郡会が廃止。郡役所は存続。
    • 赤須賀村が桑名町に編入。(1町15村)
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和4年(1929年2月11日 - 大山田村が町制施行・改称して西桑名町となる。(2町14村)
  • 昭和8年(1933年3月20日 - 益生村が桑名町に編入。(2町13村)
  • 昭和12年(1937年
    • 3月20日 - 西桑名町が桑名町に編入。(1町13村)
    • 4月1日 - 桑名町が市制施行して桑名市となる。(13村)
  • 昭和26年(1951年3月2日 - 桑部村・在良村が桑名市に編入。(11村)
  • 昭和29年(1954年
  • 昭和30年(1955年
    • 1月8日 - 多度町・野代村・古浜村・古美村・七取村が合併し、改めて多度町が発足。(2町5村)
    • 2月1日 - 深谷村が桑名市に編入。(2町4村)
    • 4月1日 - 長島町・楠村が合併し、改めて長島町が発足。(2町3村)
  • 昭和31年(1956年
    • 9月1日 - 城南村が桑名市に編入。(2町2村)
    • 9月30日 - 伊曽島村が長島町に編入。(2町1村)
  • 平成元年(1989年5月1日 - 木曽岬村が町制施行して木曽岬町となる。(3町)
  • 平成16年(2004年12月6日 - 桑名市・多度町・長島町が合併し、改めて桑名市が発足。(1町)

変遷表

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自治体の変遷
明治22年以前 明治22年4月1日 明治22年 - 昭和19年 昭和20年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
桑名町 桑名町 昭和12年4月1日
市制
桑名市 桑名市 平成16年12月6日
桑名市
桑名市
赤須賀村 大正12年4月1日
桑名町に編入
益生村 昭和8年3月20日
桑名町に編入
大山田村 昭和4年2月11日
町制改称
西桑名町
昭和12年3月20日
桑名町に編入
桑部村 桑部村 昭和26年3月2日
桑名市に編入
在良村 在良村
深谷村 深谷村 深谷村 昭和30年2月1日
桑名市に編入
城南村 城南村 城南村 昭和31年9月1日
桑名市に編入
多度村 多度村 昭和29年8月1日
町制
昭和30年1月8日
多度町
野代村 野代村 野代村
古浜村 古浜村 古浜村
古美村 古美村 古美村
七取村 七取村 七取村
長島村 長島村 昭和29年10月23日
町制
昭和30年4月1日
長島町
楠村 楠村 楠村
伊曽島村 伊曽島村 伊曽島村 昭和31年9月30日
長島町に編入
木曽岬村 木曽岬村 木曽岬村 木曽岬村 平成元年5月1日
町制
木曽岬町

備考

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旧桑名郡の方言は、揖斐川を境に西側は京阪式アクセントの近畿方言、東側は東京式内輪アクセントの東海東山方言に分かれている。

行政

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歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 酒井礼一 明治12年(1879年5月5日
2 新谷貞信 明治17年(1884年)12月22日
3 山本如水 明治19年(1886年)7月17日
4 松岡利弼 明治24年(1891年)11月12日
5 酒井礼一 明治32年(1899年)1月28日
6 玉井丈次郎 明治32年(1899年)4月27日
7 甘粕春吉 明治35年(1902年)5月19日
8 石井義忱 明治37年(1904年)12月28日
9 浜田盛義 明治42年(1909年)7月9日
10 川島駒吉 明治45年(1912年)6月22日
11 大井順之介 大正4年(1915年)4月21日
12 小森安太郎 大正7年(1918年)5月31日
13 尾崎重美 大正8年(1919年)9月30日
14 加藤信太郎 大正9年(1920年)12月4日
15 瓜生精一 大正12年(1923年)3月10日 大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

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  1. ^ 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
  2. ^ 右記のほか赤津亀貝新田が記載されているが詳細不明。
  3. ^ 長地新田・長地付新田に分かれて記載。
  4. ^ 上野村に含めて記載。
  5. ^ 詳細不明。本項では村数に含めない。
  6. ^ 赤須賀新田に含めて記載。
  7. ^ 記載は「桑名」。
  8. ^ 無高のため「旧高旧領取調帳」には記載なし。
  9. ^ 十日外面・十日外面付に分かれて記載。
  10. ^ 加路戸新田・加路戸堤外新田に分かれて記載。
  11. ^ 雁ヶ地新田・雁ヶ地付新田・雁ヶ地脇付新田に分かれて記載。
  12. ^ 川先新田・富田新田に分かれて記載。
  13. ^ 小和泉南堤外新田大ノ方・小和泉南堤外新田小ノ方に分かれて記載。
  14. ^ 見入新田・見入子新田に分かれて記載。
  15. ^ 後に長島県が管轄。
  16. ^ 4月25日(1868年6月15日)とする資料もあるが、ここでは「角川日本地名大辞典」の記述によった。
  17. ^ この時点では桑名三之丸、桑名吉之丸、桑名内堀、桑名元赤須賀、桑名伊賀町、桑名外堀、桑名八幡町、桑名柳原、桑名新屋敷、桑名一色町、桑名矢田川原、桑名新地、桑名船馬町、桑名本町、桑名舟町、桑名小網町、桑名宝殿町、桑名清水町、桑名宮町、桑名風呂町、桑名川口町、桑名江戸町、桑名片町、桑名京町、桑名宮通、桑名職人町、桑名油町、桑名田町、桑名北魚町、桑名三崎通、桑名南魚町、桑名殿町、桑名吉津屋町、桑名鍛冶町、桑名紺屋町、桑名入江町、桑名葭町、桑名新町、桑名萱町、桑名伝馬町、桑名鍋屋町、桑名矢田町、桑名福江町、桑名太一丸、桑名今一色大北町、桑名今一色北町、桑名今一色中町、桑名今一色片町、桑名今一色寺町、桑名堤原、桑名住吉町、桑名相生町が存在。

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 24 三重県、角川書店、1983年6月1日。ISBN 4040012402 
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連項目

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