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多気郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三重県多気郡の範囲(1.多気町 2.明和町 3.大台町 薄黄:後に他郡に編入された区域[1]

多気郡(たきぐん)は、三重県伊勢国)の

人口43,218人、面積506.98km²、人口密度85.2人/km²。(2024年11月1日、推計人口

以下の3町を含む。

郡域

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1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記3町から多気町の一部(上出江・下出江)と明和町の一部(大淀・有爾中の各一部・明星字妻ヶ広)を除き、松阪市の一部(柿木原町・東黒部町・土古路町・出間町・大垣内町・神守町・垣内田町・乙部町・牛草町・蓮花寺町・飯南町向粥見)を加えた区域にあたる。

歴史

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古くは「竹郡(たけのこおり)」と呼ばれ、後に表記を「多気郡」に改めた。その後読みが「たけのこおり」から「たきのこおり」に変化した。

近世以降の沿革

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知行 村数 村名
藩領 紀伊和歌山藩 93村 新茶屋村、下有爾村、蓑村、池村、上村、岩内村、金剛坂村、荒蒔村、兄国村、朝長村、弟国村、河田村、西池上村、東池上村、土羽村、笠木村、矢田村、森庄村、田中村、野中村、成川村、相鹿瀬村[2]、千代村、五桂村、油夫村、四神田村、五佐奈村、西山村、仁田村、平谷村、前村、神坂村、長谷村、津留村、上牧村、中牧村、北牧村、井内林村、佐伯中村、三疋田村、四疋田村、車川村、土屋村、古江村、色太村、片野村、波多瀬村、朝柄村、向粥見村、栃原村、柳原村、新田村、下楠村、上楠村、粟生村、奈良井村、高瀬村、長ヶ村、下三瀬村、上三瀬村、上菅村、川合村、下菅村、佐原村、弥起井村、下真手村、上真手村、本田木屋、菅木屋、小切畑村、江馬村、天ヶ瀬村、栗谷村、明豆村、南村、神滝村、小滝村、御棟村、滝谷村、大井村、岩井村、檜原村、久豆村、大杉村、大ヶ所村、清水村、赤滝木屋、薗村、平野木屋、茂原村、熊内村、唐櫃村、神瀬村
伊勢津藩 19村 前野村、田屋村、志貴村、大垣内村、垣内田村、神守村、牛草村、蓮花寺村、乙部村、東黒部村、柿木原村、出間村、土古路村、川尻村、北藤原村、南藤原村、中村、内座村、養田丹川村[3]
下野吹上藩 4村 行部村、根倉村、八木戸村、浜田村
志摩鳥羽藩 3村 坂本村、中海村、馬之上村
上総一宮藩 3村 大堀川新田、山大淀村、中大淀村
吹上藩・鳥羽藩 1村 佐田村
その他 伊勢神宮 5村 斎宮村、上野村、平尾村、有爾中村、竹川村
伊勢外宮御師上部太夫領・同春木太夫領・和歌山藩 1村 相可村
  • 慶応4年7月6日1868年8月23日) - 伊勢神宮領などが度会府の管轄となる。
  • 明治2年7月17日1869年8月24日) - 度会府が改称して度会県となる。
  • 明治3年(1870年)10月 - 一宮藩領が度会県の管轄となる。
  • 明治4年
  • 明治初年(125村)
    • 上牧村・中牧村・下牧村が合併して牧村となる。
    • 成川村が野中村に合併。
    • このころ平野木屋が薗村に合併したとみられる。
  • 明治4年(1871年)(123村)
    • 奈良井村・高瀬村が合併して高原村となる。
    • 川合村・下菅村が合併して菅合村となる。
  • 明治5年(1872年) - 清水村・赤滝木屋が合併して清滝村となる。(122村)
  • 明治9年(1876年
  • 明治10年(1877年) - 飯高郡鍬形村の所属郡が本郡に変更。(124村)
  • 明治12年(1879年2月5日 - 郡区町村編制法の三重県での施行により、行政区画としての多気郡が発足。郡役所が相可村に設置。
  • 明治15年(1882年) - 中大淀村が度会郡中郡村を合併。
  • 明治16年(1883年) - 養田丹川村が改称して養川村となる。
  • 明治22年(1889年) - 有爾中村が度会郡世古村の一部を合併。

町村制以降の沿革

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1.相可村 2.東黒部村 3.下御糸村 4.大淀村 5.上御糸村 6.明星村 7.斎宮村 8.西外城田村 9.佐奈村 10.津田村 11.丹生村 12.五ヶ谷村 13.大杉谷村 14.川添村 15.三瀬谷村 16.荻原村 17.領内村(桃:松阪市 紫:多気町 赤:明和町 橙:大台町)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(17村)
    • 相可村 ← 相可村、荒蒔村、兄国村、西池上村、東池上村、弟国村、朝長村、河田村(現・多気町)
    • 東黒部村 ← 東黒部村、神守村、垣内田村、大垣内村、蓮花寺村、乙部村、土古路村、柿木原村、出間村、牛草村(現・松阪市)
    • 下御糸村 ← 中村、川尻村、北藤原村、南藤原村、田屋村、志貴村、内座村、養川村、浜田村、八木戸村、根倉村[大部分](現・明和町)
    • 大淀村 ← 中大淀村、山大淀村、大堀川新田(現・明和町)
    • 上御糸村 ← 坂本村、馬之上村、中海村、佐田村、行部村、前野村、根倉村[一部](現・明和町)
    • 明星村 ← 上野村、下有爾村、新茶屋村、有爾中村、蓑村(現・明和町)
    • 斎宮村 ← 竹川村、金剛坂村、斎宮村、平尾村、池村、上村、岩内村(現・明和町)
    • 西外城田村 ← 野中村、田中村、森庄村、矢田村、笠木村、土羽村、相鹿瀬村(現・多気町)
    • 佐奈村 ← 仁田村、西山村、五佐奈村、四神田村、油夫村、五桂村、平谷村、神坂村、前村、長谷村(現・多気町)
    • 津田村 ← 佐伯中村、三疋田村、四疋田村、井内林村、鍬形村、牧村、津留村(現・多気町)
    • 丹生村(単独村制。現・多気町)
    • 五ヶ谷村 ← 古江村、朝柄村、片野村、波多瀬村、車川村、土屋村、色太村(現・多気町)
    • 大杉谷村 ← 岩井村、檜原村、久豆村、大杉村(現・大台町)
    • 川添村 ← 千代村、柳原村、栃原村、新田村、神瀬村、下楠村、上楠村、粟生村、高奈村(現・大台町)
    • 三瀬谷村 ← 長ヶ村、上三瀬村、下三瀬村、佐原村、弥起井村、上菅村、菅合村、大ヶ所村(現・大台町)
    • 荻原村 ← 下真手村、上真手村、本田木屋、小切畑村、江馬村、天ヶ瀬村、栗谷村、熊内村、茂原村、薗村、清滝村、菅木屋(現・大台町)
    • 領内村 ← 明豆村、御棟村、小滝村、神滝村、滝谷村、大井村、南村、唐櫃村(現・大台町)
    • 向粥見村が飯高郡粥見村の一部となる。
  • 明治30年(1897年9月1日 - 郡制を施行。
  • 大正8年(1919年6月20日 - 相可村が町制施行して相可町となる。(1町16村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正13年(1924年2月11日 - 大淀村が町制施行して大淀町となる。(2町15村)
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和28年(1953年)4月1日 - 三瀬谷村が町制施行して三瀬谷町となる。(3町14村)
  • 昭和29年(1954年10月15日 - 東黒部村が松阪市に編入。(3町13村)
  • 昭和30年(1955年
    • 3月31日 - 相可町・佐奈村・津田村が合併して多気町が発足。(3町11村)
    • 4月1日 - 大淀町・上御糸村・下御糸村が合併して三和町が発足。(3町9村)
    • 4月15日(3町7村)
      • 斎宮村・明星村が合併して斎明村が発足。
      • 五ヶ谷村・丹生村が合併して勢和村が発足。
    • 8月1日 - 勢和村が松阪市の一部(上出江・下出江)を編入。
  • 昭和31年(1956年
  • 昭和33年(1958年9月3日 - 三和町・斎明村が合併して神郷町が発足。神郷町が即日改称して明和町となる。
  • 昭和34年(1959年
    • 1月10日 - 宮川村・大杉谷村が合併し、改めて宮川村が発足。(3町5村)
    • 4月15日 - 西外城田村が多気町に編入。(3町4村)
  • 平成18年(2006年
    • 1月1日 - 多気町・勢和村が合併し、改めて多気町が発足。 (3町1村)
    • 1月10日 - 大台町・宮川村が合併し、改めて大台町が発足。(3町)

変遷表

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自治体の変遷
明治22年以前 明治22年4月1日 明治22年 - 昭和19年 昭和20年 - 平成17年 平成18年- 現在 現在
大淀村 大正13年2月11日
町制
昭和30年4月1日
三和町
昭和33年9月3日
神郷町
同日改称
明和町
明和町 明和町
上御糸村 上御糸村
下御糸村 下御糸村
斎宮村 斎宮村 昭和30年4月15日
斎明村
明星村 明星村
東黒部村 東黒部村 昭和29年10月15日
松阪市に編入
松阪市
相可村 大正8年6月20日
町制
昭和30年3月31日
多気町
多気町 平成18年1月1日
多気町
多気町
佐奈村 佐奈村
津田村 津田村
西外城田村 西外城田村 昭和34年4月15日
多気町に編入
丹生村 丹生村 昭和30年4月15日
勢和村
五ヶ谷村 五ヶ谷村
三瀬谷村 三瀬谷村 昭和28年4月1日
町制
昭和31年9月30日
大台町
平成18年1月10日
大台町
大台町
川添村 川添村 川添村
荻原村 荻原村 昭和31年5月3日
宮川村
領内村 領内村
大杉谷村 大杉谷村

行政

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歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 厚芝伊之助 明治12年(1879年
2 小河義郎 明治14年(1881年)1月
3 永島雪江 明治14年(1881年)4月
4 椿蓁一郎 明治19年(1886年)9月
5 土居光華 明治20年(1887年)2月
6 永島雪江 明治21年(1888年)12月
7 日比重知 明治30年(1897年)6月
8 田辺雷蔵 明治32年(1899年)4月
9 菊沢庸 明治34年(1901年)9月
10 大山元史 明治39年(1906年)2月
11 西大次郎 明治45年(1912年)6月
12 須田松太郎 大正4年(1915年)4月21日
13 鎌田千代之助 大正8年(1919年)8月21日
14 青木辰次郎 大正12年(1923年)2月17日 大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

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  1. ^ ただし、隣接する度会郡との境界変更は未反映
  2. ^ 東相鹿瀬村・西相鹿瀬村に分かれて記載。
  3. ^ 養田村・丹川村に分かれて記載。

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 24 三重県、角川書店、1983年6月1日。ISBN 4040012402 
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連項目

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