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外房線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
房総東線から転送)
外房線
外房線の主力車両209系電車 (2010年4月6日 本千葉駅)
外房線の主力車両209系電車
(2010年4月6日 本千葉駅
基本情報
日本の旗 日本
所在地 千葉県
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 千葉駅
終点 安房鴨川駅
駅数 27駅
電報略号 ホトセ(房総東線時代)[1]
開業 1896年1月20日
所有者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者 東日本旅客鉄道(全線)
日本貨物鉄道(千葉 - 蘇我間)
使用車両 使用車両を参照
路線諸元
路線距離 93.3 km
軌間 1,067 mm
線路数 複線(千葉 - 上総一ノ宮間、東浪見 - 長者町間、御宿 - 勝浦間)
単線(上記区間以外)
電化方式 直流1,500 V
架空電車線方式
閉塞方式 (複線および単線)自動閉塞式
保安装置 ATS-P
最高速度 120 km/h(優等列車)
路線図
テンプレートを表示

外房線(そとぼうせん)は、千葉県千葉市中央区千葉駅から同県茂原市茂原駅を経由して同県鴨川市安房鴨川駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。本項では外房線の前身である房総東線についても記述する。

千葉から房総半島を横断し、同半島の東岸(太平洋)沿いを南下して鴨川へ至る路線[2]蘇我駅内房線が分岐し、安房鴨川駅で再び内房線と接続する。

千葉駅 - 上総一ノ宮駅間は全区間複線であり、列車本数も比較的多く、東京方面から総武快速線京葉線の快速電車や東金線から各駅停車が乗り入れている。一方上総一ノ宮駅以南は単線区間があり、列車本数が少なくなるが、東京から京葉線経由の特急列車が安房鴨川駅まで運転されている。

房総各線の中では、旅客人キロ・平均通過人員・旅客運輸収入いずれもトップである[3]

全線が旅客営業規則の定める「大都市近郊区間」の「東京近郊区間」、およびIC乗車カードSuica」の首都圏エリアに含まれている。

路線データ

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  • 管轄・路線距離(営業キロ):93.3km[2]
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:27(起終点駅含む)[2]
    • 外房線所属駅に限定した場合、総武本線所属の千葉駅、内房線所属の安房鴨川駅[4]が除外され、25駅となる。
  • 複線区間:
    • 千葉駅 - 上総一ノ宮駅間
    • 東浪見駅 - 長者町駅間
    • 御宿駅 - 勝浦駅間
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:(複線および単線)自動閉塞式
  • 保安装置:ATS-P
  • 最高速度:
    • 千葉駅 - 蘇我駅間 95km/h
    • 蘇我駅 - 勝浦駅間 120km/h[5]
    • 勝浦駅 - 安房鴨川駅間 95km/h
  • 運転指令所:千葉総合指令室(千葉駅 - 蘇我駅間:内房指令、蘇我駅 - 安房鴨川駅間:外房指令・CTC
    • 運転取扱駅(駅が信号を制御、運行を管理):なし
    • 準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):蘇我駅・上総一ノ宮駅・大原駅・勝浦駅・安房鴨川駅

全線がJR東日本千葉支社の管轄である。

歴史

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房総鉄道株式会社
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
千葉県千葉郡千葉町[6]
設立 1893年(明治26年)9月[6]
業種 鉄軌道業
代表者 専務取締役 大野丈助[6]
資本金 1,905,000円[6]
(払込高:1,040,000円)[6]
特記事項:上記データは1907年(明治40年)現在[6]
テンプレートを表示

房総半島の太平洋側を巡る鉄道として、房総鉄道が1896年1月に蘇我駅 - 大網駅間を開業したのが始まりである[7]。2月には千葉で総武鉄道と接続し、1897年に一ノ宮駅(現在の上総一ノ宮駅)、1899年に大原まで延伸された[7]。1907年に鉄道国有法により官設鉄道に編入され、房総線(ぼうそうせん)となった[7]

以降も順次延伸され、1913年に勝浦駅、1927年に上総興津駅、1929年に安房鴨川駅まで延伸され、1925年に安房鴨川駅まで達していた北条線(現在の内房線)と接続し、同時に北条線を編入して千葉駅 - 大網駅 - 安房北条駅 - 木更津駅 - 蘇我駅間が房総線とされた[7]。しかし、1933年には再び千葉駅 - 大網駅 - 安房鴨川駅間が分離され、房総東線(ぼうそうとうせん)となり[7]、1972年に現在の外房線に改称された[8]

また、総武鉄道と接続した当初より、千葉駅と大網駅でスイッチバック(方向転換)をする配線だったが、1963年に千葉駅を西千葉駅方向に0.8km、1972年に大網駅を土気駅寄りに0.6kmそれぞれ移設して同時に新線を敷設したため、東京方面から大原方面へ方向転換なしで運転可能な配線となり、スピードアップにつながった。その一方、大網駅のスイッチバック解消後、総武本線自動列車制御装置 (ATC) の関係から房総半島を一周する特急・快速列車が設定できなくなった。なお大網(旧)駅に接続する旧線は、東金線から新茂原方面へ直通する貨物列車のルートとして残されたが、1996年から実質的に休止状態で、1999年に廃止された。

年表

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房総鉄道株式会社 1906年の路線図
  • 1893年明治26年)9月7日:房総鉄道馬車会社に対し鉄道免許状下付(千葉郡蘇我町 - 山辺郡大網町間)[9]
  • 1896年(明治29年)
  • 1897年(明治30年)4月17日:大網駅 - 一ノ宮駅(現在の上総一ノ宮駅)間が延伸開業[13]
  • 1898年(明治31年)3月25日:岩沼駅(現在の八積駅)が開業[14]
  • 1899年(明治32年)12月13日:一ノ宮駅 - 大原駅間が延伸開業[15]
  • 1902年(明治35年)
    • 1月28日:寒川駅が本千葉駅に改称[16]
    • 8月10日 - 9月30日:長者町駅 - 大原駅間に臨時駅として東海駅が開業し[17]、営業。1903年の同時期にも開設[18]
  • 1903年(明治36年)8月16日:三門駅が開業[19]
  • 1907年(明治40年)9月1日:鉄道国有法により房総鉄道を買収し、官設鉄道に編入[7]
  • 1909年(明治42年)10月12日国有鉄道線路名称制定。千葉駅 - 大原駅間を房総線とする[7]
  • 1913年大正2年)6月20日:大原駅 - 勝浦駅間が延伸開業[7]
  • 1914年(大正3年)12月1日:野田駅が誉田駅に改称。
  • 1915年(大正4年)3月11日:岩沼駅が八積駅に改称。
  • 1916年(大正5年)1月1日:一ノ宮駅が上総一ノ宮駅に改称。
  • 1925年(大正14年)12月15日:東浪見駅が開業。
  • 1927年昭和2年)4月1日:勝浦駅 - 上総興津駅間が延伸開業[7]
  • 1929年(昭和4年)4月15日:上総興津駅 - 安房鴨川駅間が延伸開業し全通。北条線が房総線に編入[7]
  • 1933年(昭和8年)
    • 4月1日:千葉駅 - 大網駅 - 安房鴨川駅間が房総東線に分離[7]
    • 9月15日:気動車運転開始(千葉 - 本千葉間)[20]
  • 1935年(昭和10年)7月1日:気動車運転開始(本千葉 - 大網間)[20]
  • 1938年(昭和13年)1月15日:蘇我駅 - 誉田駅間に大巌寺駅が開業。
  • 1941年(昭和16年)8月10日:大巌寺駅が廃止。
  • 1952年(昭和27年)
    • 3月:土気トンネル(旧)が断面狭小かつ老朽化のため、開削工法にて一部を残して撤去する工事を開始(1954年完成)。
    • 6月15日:鎌取駅が開業[8]
  • 1954年(昭和29年)10月1日:2往復をのぞき、全列車を気動車化。1時間間隔のパターンダイヤが導入。
  • 1955年(昭和30年)9月15日:新茂原駅が開業[8]
  • 1959年(昭和34年)3月20日:永田駅が開業。
  • 1960年(昭和35年)7月15日:本千葉駅 - 蘇我駅間が複線化および自動信号化[8]
  • 1963年(昭和38年)4月28日:千葉駅移転により房総東線のスイッチバック解消(改キロ-0.3km)[8]。千葉駅 - 本千葉駅間が複線化および自動信号化[8]
  • 1965年(昭和40年)2月1日:全線にATS-Sを導入[21]
  • 1968年(昭和43年)7月13日:千葉駅 - 蘇我駅間が電化[8]
  • 1969年(昭和44年)8月20日:勝浦行き221列車さよなら運転(C57 105牽引)。蒸気機関車牽引の旅客列車の定期運用がなくなる。
  • 1970年(昭和45年)7月2日:臨時駅として行川アイランド駅が開業[8]
  • 1972年(昭和47年)
    • 5月27日:大網駅移転により同駅のスイッチバック解消(改キロなし)[8]。土気トンネル(新)完成。土気駅 - 永田駅間が複線化[8]。蘇我駅 - 安房鴨川駅間が自動信号化。
    • 7月1日:蘇我駅 - 安房鴨川駅間に列車集中制御装置 (CTC) が導入。
    • 7月15日:外房線に改称[8]。蘇我駅 - 安房鴨川駅間が電化[8]。183系電車を使用して特急「わかしお」運転開始[8]
  • 1973年(昭和48年)7月1日:誉田駅 - 土気駅間が複線化[22]
  • 1974年(昭和49年)
  • 1978年(昭和53年)3月17日 - 本格パイプラインが整備されていなかった新東京国際空港(現・成田国際空港)への航空燃料輸送(暫定輸送)が開始される(京葉ルート。外房線乗り入れは、千葉駅 - 蘇我駅間)[24][25]
    航空燃料暫定輸送鉄道ルート案略図
  • 1980年(昭和55年)9月11日:八積駅 - 上総一ノ宮駅間が複線化[26]
  • 1982年(昭和57年)11月15日:大原駅 - 安房鴨川駅間の貨物営業廃止[8][27]
  • 1983年(昭和58年)2月25日:永田駅 - 本納駅間が複線化[28]
  • 1984年(昭和59年)2月1日:新茂原駅 - 大原駅間の貨物営業廃止。
  • 1985年(昭和60年)3月1日:本納駅 - 新茂原駅間が複線化[29]
  • 1986年(昭和61年)10月27日:新茂原駅 - 八積駅間が複線化[8]、茂原駅が島式1面2線で高架化。
  • 1987年(昭和62年)
    • 4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に承継[8]。蘇我駅 - 大網駅間の貨物営業廃止。同時に千葉駅 - 蘇我駅および大網駅 - 新茂原駅間で日本貨物鉄道が第二種鉄道事業者となる。行川アイランド駅が常設駅になる。
    • 12月10日:茂原駅が島式2面4線の高架駅となる。
  • 1995年平成7年)
    • 11月26日:御宿駅 - 勝浦駅間が複線化[8][30]
    • 12月1日:蘇我駅 - 勝浦駅間の最高速度が120km/hに引き上げられる[5]
  • 1996年(平成8年)
    • 11月17日:東浪見駅 - 長者町駅間が複線化[8][31]
    • 12月:大網駅構内旧線の線路撤去。
  • 1997年(平成9年)3月22日:大原駅 - 安房鴨川駅間の普通列車が禁煙となる[32]
  • 1998年(平成11年)
    • 12月8日:鎌取駅が快速の停車駅になる。
  • 1999年(平成11年)
    • 3月31日:大網駅 - 新茂原駅間の日本貨物鉄道第二種鉄道事業廃止。
    • 12月4日:土気駅が快速の停車駅になる。
  • 2000年(平成12年)
    • 2月6日:千葉駅 - 蘇我駅間で ATS-P 使用開始。
    • 8月17日:蘇我駅 - 上総一ノ宮駅間で ATS-P 使用開始。
  • 2001年(平成13年)11月18日:当時の東京近郊区間に当たる千葉駅 - 茂原駅間で、ICカード「Suica」サービス開始。
  • 2004年(平成16年)10月16日 特急「わかしお」にE257系500番台電車を投入[8]。茂原駅 - 大原駅間が東京近郊区間に組み込まれ、同時にICカード「Suica」サービス開始。
  • 2009年(平成21年)
    • 3月14日:大原駅 - 安房鴨川駅間が東京近郊区間に組み込まれ、同時にICカード「Suica」サービス開始[33]
    • 10月1日:209系電車2000番台・2100番台投入を開始[34]
    • 12月20日:上総一ノ宮駅 - 安房鴨川駅間で ATS-P 使用開始。
  • 2010年(平成22年)
    • 2月10日:蘇我駅 - 安房鴨川駅間の CTC および自動進路制御装置 (PRC) 装置更新。外房線PRC型自動放送を永田駅 - 新茂原駅、八積駅 - 安房鴨川駅間で導入。
    • 9月26日天皇皇后の千葉県訪問(国体視察など)に伴うE655系(特別車両 E655-1 を含む6両)使用のお召し列車が、蘇我駅 - 茂原駅間および茂原駅 - 勝浦駅間に運転される[35]
    • 12月4日:本千葉駅が快速の停車駅になる。
  • 2011年(平成23年)
    • 9月1日:この日をもって113系の定期運用が終了する。
    • 9月24日:113系のさよなら運転が両国駅から外房線経由で館山駅までの間で行われ、1969年から約42年間続いた外房線での113系の運転が終了。
    • 9月30日:211系が定期運用から離脱。
  • 2015年(平成27年)11月:茂原駅 - 川越駅間に臨時快速「おさんぽ川越号」1往復運転(以後も不定期に運転)
  • 2016年(平成28年)8月22日:台風9号による被害が発生。特に上総一ノ宮以南での被害が酷く同日昼から翌23日夜まで運転を見合わせ。当初23日は終日運転見合わせの予定であったが復旧作業が進捗し同日の夜には運転を再開(特急「わかしお」は22日昼から23日終日にかけて運転を見合わせた)。
  • 2017年(平成29年)10月23日:台風21号の影響で勝浦駅 - 安房鴨川駅間が始発から10時42分まで運転見合わせ[36]。土気駅 - 誉田駅間でも当初は本数を減らしての運転であったが、倒木やパンタグラフ支障により、同日15時半頃まで運転を見合わせた。
  • 2018年(平成30年)1月13日:「BOSO BICYCLE BASE」によるサイクルトレイン「B.B.BASE外房」を両国駅 - 勝浦駅間で運行開始[37]
  • 2020年令和2年)
    • 5月8日:15時55分頃、安房天津駅 - 安房鴨川駅間で、安房鴨川発千葉行普通列車が脱線[38]。同日は安房小湊駅 − 安房鴨川駅間で終日、翌9日は勝浦駅 − 安房鴨川駅間で15時50分頃まで運転を見合わせ。当初9日は終日運転見合わせの予定であったが復旧作業が進捗し同日の15時50分頃には運転を再開。のちに、10歳の男児による置き石が原因だったことが判明している[39]
    • 11月19日:津波避難誘導看板の設置が完了[40]
  • 2021年(令和3年)3月13日:上総一ノ宮駅 - 安房鴨川駅間において、E131系電車の投入・ワンマン運転・内房線(安房鴨川駅 - 木更津駅間)との直通運転開始[41]
  • 2022年(令和4年)9月8日台風13号による大雨の影響で土気駅 - 大網駅間の上り線路脇ののり面で土砂崩れが発生[42]。数日間誉田駅 - 大網駅間で運転を取りやめたが、12日から運転を再開した[43]

運行形態

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運行系統図

優等列車

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朝と夕方以降は概ね1時間ごと、日中は2 - 3時間ごとに、京葉線の東京駅から上総一ノ宮駅・勝浦駅・安房鴨川駅まで特急「わかしお」が運行されている。かつては255系電車による列車が特急「ビューわかしお」として運行されていたが、2005年12月10日のダイヤ改正で特急「わかしお」に統一された。夜の一部列車は勝浦駅 → 安房鴨川駅間で普通列車として運転されている。

基本的に最長でも安房鴨川駅までの運転で、定期列車として安房鴨川駅から内房線に直通する特急列車は現在設定されていないが、臨時列車として土曜・休日に新宿駅 - 安房鴨川駅間で運転されている特急「新宿わかしお」が期間限定で和田浦駅まで運転されたことがあった。毎年元日には初日の出専用列車の特急「外房初日の出」が高尾駅・新宿駅から内房線太海駅千倉駅館山駅まで直通運転している。毎年12月上旬頃に長者町駅付近でのいすみ健康マラソン開催時には、同駅始発の上り臨時特急「いすみマラソン」が運転される。また、1975年までは房総半島を一周する列車が走っており(「わかしお (列車)」参照)、その後も臨時快速「ぐるり房総号」を運転していた時期があった。

地域輸送

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起点は原則として千葉駅である。千葉駅と蘇我駅の間は内房線の列車も走り、途中の本千葉駅にもすべての列車が停車する。また、千葉駅 - 大網駅間では東金線との直通列車が走る。

普通

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普通列車の大半は、千葉駅と茂原駅上総一ノ宮駅大原駅勝浦駅安房鴨川駅および東金線成東駅との間で運転されているが、日中は茂原駅・上総一ノ宮駅および東金線成東駅発着中心の運転で、大原・勝浦・安房鴨川方面とは上総一ノ宮駅で乗り換えとなる。また、朝・夕ラッシュには誉田駅発着、夜間には大網行きや東金線東金駅発着の列車の設定がある。

千葉駅 - 上総一ノ宮駅間
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京葉線直通東京行きの各駅停車は、平日朝には上総一ノ宮始発、成東始発と上総一ノ宮始発の併結、誉田始発(京葉車両センターから回送)が各1本ずつ、平日夜間は上総一ノ宮始発(3本)や誉田始発(平日のみ。1本)が設定されている。2022年3月の改正から、上総一ノ宮始発で朝に1本が設定された[注 1]。なお、京葉線からの系統で全区間各駅停車の設定はなかったが、2024年3月16日ダイヤ改正からは快速のラッシュ時間帯の廃止と通勤快速の消滅により、以前は快速、通勤快速で運転されていたものが各駅停車に差し替えられたため、京葉線からの各駅停車も運行されるようになった。

日中は、東金線成東発着・茂原発着・上総一ノ宮発着が1時間に1本ずつ運転されている。

2021年3月13日のダイヤ改正で、普通列車は京葉線直通列車が10両編成、東金線直通列車と大原・大網駅発着各1往復が6両編成となり、それ以外は8両編成に統一された。これにより4両編成の定期運行は消滅した。ほとんどの列車が上総一ノ宮駅で系統分離された。

かつては、千葉駅 - 上総一ノ宮駅間では最大10両編成、東金線直通列車は最大6両編成で運転されていた。また、上総一ノ宮以南に乗り入れ大原駅・勝浦駅・安房鴨川駅を発着する列車は最大8両であった。なお、編成両数は一定でなかった。

朝夕の時間帯を中心に総武快速線からの15両編成の列車が乗り入れる(後節も参照)。列車有効長が足りない駅があるため、千葉駅 - 上総一ノ宮駅間で快速運転を行っている。かつては大原駅まで直通していた。

上総一ノ宮駅 - 安房鴨川駅間
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上総一ノ宮以南では、2021年3月13日のダイヤ改正より朝と夜の一部列車を除き上総一ノ宮駅 - 安房鴨川駅 - 内房線木更津駅間直通のワンマン運転列車(E131系2両編成)が1時間に1本運転されており[41]、日中時間帯は上総一ノ宮駅で京葉線直通の快速列車と接続しているほか、朝夕の一部は普通列車や総武線直通の快速列車と接続している。

このほか、209系を使用した千葉駅発着列車も朝夕に設定されている。基本的には千葉発着だが、安房小湊発安房鴨川行きの設定もある。

夜の下り特急列車のうち2本は勝浦駅 - 安房鴨川駅間が普通列車となる。

2021年3月のダイヤ改正前は、千葉駅 - 大原駅・勝浦駅・安房鴨川駅間の列車が多数運転されていた。普通列車は、三門駅・浪花駅が8両までしか対応することができないため、最大8両編成で運転されていたが、前述の通り編成両数は不揃いだった。

安房鴨川駅で内房線と相互直通を行う列車は、一時期設定されていなかった時期があったが、2021年3月13日のダイヤ改正で安房鴨川駅を越えて運転される列車が復活した[41]

繁忙期には、これに加えて209系使用の臨時列車が運行されることもある。

快速

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経由地が異なる東京行(茂原駅)

横須賀線総武快速線に直通する列車と京葉線に直通する列車が設定されている。

横須賀・総武快速線直通(快速)
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東京駅・錦糸町駅・船橋駅・千葉駅などを経由する横須賀・総武快速線との直通列車は、外房線・総武快速線内では快速運転を行う。下りは横須賀線からの直通も多いが、上りは横須賀線に乗り入れない東京止まりも多く設定されている。日中にも設定があり、かつては勝浦駅発着で運転されていたが、1998年に大原駅発着に見直され、2004年10月16日のダイヤ改正で上総一ノ宮駅発着に統一された。さらに、2010年12月4日のダイヤ改正では日中の運転は取り止められ、京葉線直通の列車に置き換えられた。

大幅なダイヤ乱れが発生した場合は、上総一ノ宮まで運行せず、津田沼駅・千葉駅・誉田駅・茂原駅のいずれかで運行を終了し、東京方面に折り返す運用が行われることもある。そのため、運用車両には普段はない「茂原」行きの表示が用意されている。

国鉄時代の総武線直通快速の千葉駅 - 勝浦駅間の停車駅は蘇我駅・誉田駅・大網駅・茂原駅・上総一ノ宮駅・大原駅・御宿駅であったが、ダイヤ改正を重ねるにつれ停車駅が増加し、現在では千葉駅 - 大網駅間は各駅に停車する。総武線快速の車両は鎌倉車両センターのE217系またはE235系の11両編成か15両編成である。

京葉線直通
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京葉線東京駅を発着し新木場駅・舞浜駅・海浜幕張駅などを経由する直通列車も運転されている[注 2]

以前は京葉線直通列車は主に早朝・夜間のみの運転であったが、2010年12月4日のダイヤ改正より、日中にも京葉線 - 外房線を直通する快速列車の運転が開始された。ほとんどの京葉線直通列車は蘇我駅で内房線の列車と相互接続を行う。

早朝・夜間に運転されている快速列車は外房線内でも一部の駅を通過するが、日中の快速列車は外房線内の各駅に停車する[44]。このタイプは、勝浦・安房鴨川方面の普通列車との接続はなかったが、前述した通り2021年3月から接続するようになった。

夜の京葉線東京発の各駅停車[注 2]10両編成は誉田駅で分割し、前4両が各駅停車東金線成東行き[注 3]、後6両が各駅停車上総一ノ宮行きとして運転される。また、朝の各駅停車[注 2]は、上総一ノ宮発の各駅停車(6両編成)が、誉田駅で後から来る東金線成東発の各駅停車(4両編成)[注 3]と連結して10両編成となる。

京葉線直通列車の運行本数
(2024年3月16日以降)
  平日 休日
上り 誉田発 普通 1本  
上総一ノ宮発 快速 1本 快速 1本
上総一ノ宮・成東発 普通 1本 普通 1本
下り 上総一ノ宮行 快速 6本 快速 6本
上り 上総一ノ宮発 快速 6本 快速 6本
下り 誉田行 普通 1本  
上総一ノ宮行 普通 4本 普通 4本
上総一ノ宮・成東行 普通 1本 普通 1本
上り 誉田発 普通 1本  
上総一ノ宮発 普通 2本 普通 2本

過去の列車

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通勤快速(京葉線直通)

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1990年3月10日から2024年3月15日まで京葉線直通の通勤快速が運転されていた。当初、朝に上総一ノ宮(のちに勝浦)・成東発東京行き、夕方に東京発上総一ノ宮(のちに勝浦)・成東行きが設定された[45]。外房線では大網駅 - 上総一ノ宮駅間で茂原駅のみに停車し、他の区間では各駅に停車した[46]。2024年3月16日のダイヤ改正で各駅停車に変更された。

快速(千葉駅発着)

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1975年3月10日のダイヤ改正で千葉駅 - 安房鴨川駅間に1日1往復設定された快速で、東京駅 - 千葉駅間の快速が「総武快速」と呼ばれたのと区別するため、この快速は「千葉快速」と呼ばれた[47]。朝に上り、夜に下りが運転され、当初の停車駅は千葉駅・大網駅・茂原駅・上総一ノ宮駅・大原駅・御宿駅・勝浦駅・鵜原駅・上総興津駅・行川アイランド駅・安房小湊駅・安房天津駅・安房鴨川駅だったが、1978年10月2日のダイヤ改正で誉田駅・本納駅・太東駅・長者町駅、1979年10月1日のダイヤ改正で蘇我駅が停車駅に追加され、1981年10月1日のダイヤ改正で普通に格下げされる形で廃止された。

貨物輸送

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2014年3月改正時点では、千葉駅 - 蘇我駅間で1日2往復の貨物列車が経由するが、外房線内の駅では貨物取扱は行わず、どちらも蘇我駅から京葉臨海鉄道臨海本線に直通し、千葉貨物駅を発着駅としている。1往復は常磐線隅田川駅からの高速貨物列車、もう1往復は東海道貨物線川崎貨物駅からの専用貨物列車である[48]

使用車両

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すべて電車で運転されている。

  • 209系2000番台・2100番台(幕張車両センター所属)
    • 2009年運用開始[51]。現在は6両または8両編成で各駅停車として運行されている。臨時列車では4両編成で運行されることもあるほか、かつては10両編成での運行も存在した。
  • E131系(幕張車両センター所属)
    • 2021年3月13日より上総一ノ宮駅 - 安房鴨川駅間で運行開始[41][52]。2両編成で運行される。
    • 幕張車両センターから外房線への入出庫は内房線経由で行うため、蘇我駅 - 上総一ノ宮駅間には入線しない。
  • 209系500番台E233系5000番台京葉車両センター所属)
    • 209系500番台は2010年3月、E233系5000番台は2010年7月運用開始[53]。京葉線直通列車のほか、1日3往復千葉発着の内房線列車にも使用している関係で千葉駅 - 蘇我駅間でも運転されている。10両編成で運行されているが、分割併合を行う成東駅・上総一ノ宮駅発着列車に関しては、E233系5000番台のうち分割可能な編成が使用され、誉田駅- 成東駅間が4両編成、誉田駅 - 上総一ノ宮駅間が6両編成で運行される。
  • E217系鎌倉車両センター所属)
  • E235系1000番台(鎌倉車両センター所属)
    • 横須賀・総武快速線直通列車として千葉駅 - 上総一ノ宮駅間で2020年12月21日より運行開始[54]。E217系と共通運用である。

過去の使用車両

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気動車

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日本国有鉄道(国鉄)時代は、夏季になると、海水浴臨時快速列車(両国発着の房総循環列車)の増発に対応するため、千葉地区に在籍する気動車だけでは間に合わなかったことから、東北・新潟(盛岡鉄道管理局から仙台鉄道管理局まで)から近畿・中国(大阪鉄道管理局から米子鉄道管理局のすべて)・四国・九州(門司鉄道管理局から鹿児島管理局のすべて)まで全国で在籍していた区所から駆り出されたり、新潟鐵工所富士重工業東急車輛製造といったメーカーで落成したばかりの車両が、予定の区所に配置される前から落成順に試運転前提で千葉地区で運用されたりした。前者は全国から駆り出された車両には近いところでは八高・川越・足尾線用高崎区からと中京(関西線)・関西エリアから貸し出されたキハ30系列。修学旅行色やキハ20形をベースに2基エンジン搭載車のキハ52形、準急日光用キハ55系、碓氷峠(横軽)通過対応のキハ57形、千葉鉄道管理局管内に配置がないエンジン2基搭載のキハ58形、2013年からいすみ鉄道で運転されているキハ28-2346号車、二段窓のキハ65形、後者の試運転を兼ねて運用された車両には北海道仕様から近畿・中国・四国・九州向けの新車も含まれ、夏季に限って札サウから鹿カコまで、千葉鉄道管理局(ここでは千葉気動車区〈千チハ〉の所属である)管内以外の所属区所表記を付けた車両を千葉地区で見ることもできた。電気機関車ないしディーゼル機関車牽引で全国各所から無動力で回送されていた車両は実はこのためであった。そして1972年の電化以降は新製電車が投入されたため、見ることはなくなっていった。

電車

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以下で使用種別について特記ないものは普通列車に使用。

  • 72系32系からの改造車を含む。津田沼電車区所属)
  • 101系
    • 1972年の電化当初より比較的短期間で使用されていた。もともとは総武線緩行電車用としていた編成で気動車時代のダイヤを踏襲して両国から安房鴨川への臨時快速電車に充当してきたが、113系の追加投入により消滅。以降は総武緩行線へ転じた。
  • 103系(通勤快速・京葉線快速)
    • 1990年の京葉線東京開業とともに京葉線直通の快速で運用された車両だが、東金線成東方面へ分かれる編成のため途中の誉田での切り離しを考慮した分割編成のみが乗り入れていた。たいてい蘇我寄りの付属4連がクモハ103形を先頭とするAU712形分散冷房装置搭載編成(Mc-M'-T-Tc)で、付属編成がATCタイプのクハ103形率いるAU75系冷房装置搭載編成(Tc-M-M'-Tc)は当初2編成程だった。205系の投入により京浜東北線で運用を終えた103系のほかに武蔵野線運用へ回した都合による入れ替えなどで一部埼京線から転属した編成もあった(埼京線もやはり205系の投入によるもの)。1995年頃までは分割編成のみの体制を維持してきたが1990年代後半になると快速増発や205系の検査予備確保目的により、209系の投入に伴い京浜東北線から転属した京葉線103系史上初10連貫通編成も登場し(AU75搭載でユニット窓のサハ103形も暫定開業時の東京モーターショー輸送対応で習志野区から借り入れた編成と武蔵野線列車を除けば開業以来の初登場)かつ205系の検査代走も行った。
  • 113系(総武線快速・普通)
    • 1972年の電化時より2011年8月まで使用された車両。千葉地域ローカル編成は1990年代前半まで快速以外のほとんどが地下対応1000番台非冷房車(または115系寒冷地域で見られた冷房準備車)であったため、グリーン車(成田空港対応サロ113形・サロ110-1200またはサロ124形)つきの横須賀・総武線直通快速列車との格差が大きく出ていた。さらには都心直通をやめた冷房準備車も運用に付く結果となった。国鉄末期には静岡鉄道管理局から転属してきた湘南色のほか、阪和線から転入してきた阪和色のままの車両などの混結も存在していた。総武線直通の快速では1998年に運用終了した。ローカル編成で改善が見られていたのが国府津電車区からの転入車でAU75系の冷房装置付であった。本格的な改善はJR化後で東海道線への211系の投入で捻出された冷房付シートピッチ改善車2000番台によって非冷房車の置き換えが始まった。この状況は1990年代後半以降も続き、横須賀線へのE217系導入によって冷房付1500番台も移籍してきた。2004年になると、E231系の投入で国府津車両センターからの転入も加速してAU712形冷房装置搭載の113系1000番台は淘汰され、2004年から引退時までの時点でAU75系搭載地上型基本番台・2000番台・1500番台の3種類へ移行した。
  • 153系(急行・普通)
  • 165系(急行・普通)
    • 1972年の電化時より投入されたこれらの車両は、東海道線の急行「伊豆」系統で運用車両の見直しや山陽新幹線開業で廃止された山陽本線急行などからの捻出車でありかつ大阪鉄道管理局・広島鉄道管理局に所属していた車両であった。これらの車両を使う急行などが新宿・両国発着だった背景は気動車時代もさることながら、総武地下線(東京 - 錦糸町間)ではすでにATC化されていたこともあり入線できないためだった。1982年の急行廃止後は、165系の一部を残して廃車された。
  • 183系(特急・特急の普通区間)
    • 1972年の電化時に投入された先頭部貫通式基本番台のみで維持してきたが、1982年になると上越新幹線開業に伴い廃止された在来線特急「とき」で使用されていた新潟鉄道管理局新潟運転所(現在の新潟車両センター)所属の耐寒形1000番台車が房総急行廃止と引き換えで転属してきた。これまで先頭車が貫通型の基本番台のみだった千葉局では初の非貫通車であり、当時はATCの関係で先頭車がクハ183形1000番台のままでは入線できなかった都合からATCを設置する改造(または完全新製)で1500番台とした。上越用12両編成のままでは過剰であったことから、付随車サロ183形では基本番台同様MG/CPなしの1000番台のみが選出された。残ったモハユニットやサロ183-1100は「あずさ」用に松本へ移され、または「あさま」増発のため189系へ編入改造を受けて長野へ転属した。
  • 201系(通勤快速・京葉線快速)
    • 2000年から2001年にかけて、中央・総武緩行線E231系化され、捻出された201系が103系の置き換えで2000年から京葉線に投入され、外房線直通列車にも運用された。関西地区ではすでに京阪神緩行線で登場していたスカイブルー塗装の201系は関東地区では初である。普通列車として使用されていたこともあり状態は良好であったので中央線快速の201系とは対照的であった。2007年から中央線快速で使われていた10両貫通編成も2編成転入し2008年まで運用された。2011年に京葉線・外房線での運用を終了した。
  • 205系(通勤快速・京葉線快速・普通)
    • 1990年の京葉線全面開業時に快速用として投入された、これまでから一転したデザインの正面スタイル(通称:京葉仮面、メルヘンマスク)の編成が、朝夕の通勤快速と平日の一部直通列車で蘇我を介して上総一ノ宮まで乗り入れた。乗り入れは12編成(Tc-108〜119)あるこの編成限定で行われた。この編成限定という断りがあるのは、京葉車両センターに配置された205系に110km/h運転対応がなされておらず京葉線内限定運用であった山手線からの転入車が存在するためである。
  • 211系3000番台
    • 高崎線宇都宮線の普通列車がすべてグリーン車付きとなったのを受けて、編成間調整などにより2006年に高崎車両センターから幕張車両センターに転属してきた。千葉地区投入時に帯色が湘南色から黄色と青に変更された。この帯色は2009年に千葉地区に投入された209系へ踏襲された。これまでの113系が最短4両編成、最長6両編成であったのに対して211系は最短でも5両編成のため閑散時では半端となった。そのため、113系の根本的な置き換えには至らず、2011年に外房線での運用を終了した。
  • クモハユ74形
  • クモユニ74形
    • 1972年の電化から1986年のクモユニ143形の転入まで使用された72系改造の郵便荷物電車。これまでの気動車に代わり、田町電車区神領電車区大垣電車区から転入してきた100番台であった。両国から千葉地区各路線向け(輸送品目は新聞である)に4両連結で千葉まで運転され、総武・成田・内房・外房各路線に千葉で1両切り離すことにより1列車ずつ普通列車と併結し外房線では内房線とともに安房鴨川へ往復して千葉から各線から戻った車両を連結して両国まで4両で運転するダイヤだった。転入当時はすべてが湘南色だったため異彩を放っていたが大船工場入場時に順次横須賀色へ変更した。そして、1986年に運転が終了した。
  • クモユニ143形
    • 1972年の電化以来使用していたクモユニ74形が老朽化したことに加え、国鉄末期に郵便荷物輸送が廃止された最中で房総半島での交通事情によりJR化後も唯一存続が認められた千葉地区に長岡運転所から国鉄時代の1986年に4両が転入した郵便・荷物電車。全車とも近畿車輛製で、1981年に製造され1985年まで沼津機関区に配置され身延線で使用されていた。4両のうち1両だけが身延線色(他は湘南色)を纏い、異彩を放っていた。両国から(輸送品目はやはり新聞である)2両連結で千葉へ。千葉で切り離してそれぞれ外房線・内房線の普通列車と併結しともに安房鴨川まで往復し、千葉から2両連結して両国へ戻る運用だった。工場入場時より横須賀色へ変更されて千葉地区で過ごしていたが、輸送の合理化で1996年に運用を終了した。

沿線概況

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千葉駅 - 大網駅間

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東京都心への通勤・通学利用が多い区間で、外房線の利用者の大半はこの区間となり、1999年から2019年度までの乗車人員の増加率は約29%である。外房線の普通列車は千葉駅を発着する。1時間あたりの運行本数は、千葉駅 - 蘇我駅間では内房線の列車も含めてピーク時13 - 14本、日中6本、蘇我駅 - 大網駅間ではピーク時8 - 9本、日中4本となっている。千葉駅から本千葉駅を過ぎるまで高架を走行し、並行する京成千原線が左へカーブを描きオーバーパスした後、高架から地上へ降り、京葉線の高架線が海側から上り線と下り線の間に現れて蘇我駅に到着する。蘇我駅 - 大網駅間は房総台地を横切って、九十九里平野へ一直線で向かう路線形態となる。緩やかな勾配が連続し、トンネル区間もあるなど、車窓には山地を走行する雰囲気が映る。蘇我駅 - 大網駅間は東京のベッドタウンとして、大規模な宅地造成が行われた。鎌取駅は千葉・市原ニュータウンの「おゆみ野」「ちはら台」地区の玄関口であり、土気駅あすみが丘ニュータウンの玄関口である。特に鎌取駅は発展が著しく、駅周辺は商業施設・マンションが密集し、近未来的な住宅都市の光景が広がる。利用者の増加に対応して、ラッシュ時には誉田駅で千葉方面に折り返す列車も設定されている。

千葉駅発着の普通列車のほかに、総武線・京葉線と直通する快速が設定され、東京都心へ乗り換えなしでアクセスできる。東京駅までの所要時間は京葉線直通の快速で50 - 60分ほど、総武線直通の快速で60 - 70分ほどである。なお、すべての快速列車が蘇我駅 - 大網駅間の各駅に停車する。

大網駅 - 上総一ノ宮駅間

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大網駅より先は南に進路を変え、標高がやや高い房総台地から一転して、低地の九十九里平野を走行する。

この区間は乗車人員が1,000人から2,000人ほどの小規模な駅が続き、駅周辺に住宅地がある程度で周囲は田園風景が広がりのどかである。しかし新茂原駅を過ぎる辺りから、林と住宅が連なる住宅街が現れ、しばらくすると高架になる。茂原駅は、九十九里平野の中で最大の都市の中心駅であり、電子部品関連や製薬関連、また天然ガス関連の企業が集う商工業都市であるため、11,000人程のまとまった乗車人員がある。またこの駅を境に、外房線における旅客輸送に大きな段差が生じる。

上総一ノ宮駅は外房線における運行形態の境界駅で、この駅まで1時間にピーク時7 - 8本、日中3 - 4本の列車が運行される。

千葉駅 - 大網駅間に比べると、中心都市があるため、東京のベッドタウンとしての住宅地は少ないが、京葉線・総武線に直通する快速が上総一ノ宮駅まで運行されていることから、東京都心への通勤利用もある。

上総一ノ宮駅 - 安房鴨川駅間

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上総一ノ宮駅より先は、普通列車の本数が1時間に1本ほどとなる。上りの大原駅から千葉方面・勝浦駅から千葉方面の普通列車は始発から8時頃までと下りの千葉方面から大原駅までは16時頃から終電までは毎時2 - 5本程運行されている。

単線区間を基本とするが、一部複線化されている区間もある。上総一ノ宮駅 - 東浪見駅間、長者町駅 - 御宿駅間では複線化準備施設や、用地買収によって生じた長い空地などが車窓からも分かるが、現時点での輸送需要から本格的な複線化工事に進む見通しは立っていない。

大原駅ではいすみ鉄道いすみ線(元の国鉄木原線)と接続している。 御宿駅までは太平洋と1kmほどの距離を置きながら走行するため、車窓に海が見える区間は非常に少ない。御宿駅 - 安房鴨川駅間は太平洋沿岸に沿って走行し、沿線には海水浴場やマリンスポット、リゾートホテルなどの海関係の観光施設が点在する。また日蓮聖人ゆかりの清澄寺誕生寺などの古刹も点在している。外房線はこれら地域へのアクセス手段としての利用が多い。

駅一覧

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  • 千葉駅 - 蘇我駅間では内房線の列車が乗り入れている。
  • 停車駅
    • 普通…全駅に停車
    • 快速…●印の駅は停車、|印の駅は通過
    • 特急…「わかしお (列車)」参照
  • 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能、∨:これより下は単線、∧:これより下は複線
  • 全駅千葉県内に所在。
  • 接続路線 : 東日本旅客鉄道の路線名は運転系統上の名称(正式路線名とは異なる)。駅名が異なる場合は⇒印で駅名を示す。
  • 蘇我駅について、京葉線の駅ナンバリングはこの駅のみ割り振られていない。
駅名 営業キロ 総武線 快速 京葉線 快速 接続路線 線路 所在地
駅間 累計
千葉駅 - 0.0 京葉線直通 東日本旅客鉄道JO 総武線(快速)(JO 28)(横須賀線久里浜駅まで直通運転)・JB 総武線(各駅停車)(JB 39)・総武本線成東方面)・ JO 成田線[* 1]
千葉都市モノレールCM 1号線CM 2号線 (CM03)
京成電鉄KS 千葉線京成千葉駅 (KS59)
千葉市 中央区
本千葉駅 1.4 1.4  
蘇我駅 2.4 3.8 東日本旅客鉄道:京葉線(東京駅まで直通運転)・内房線
京葉臨海鉄道臨海本線(貨物線)
鎌取駅 5.0 8.8   緑区
誉田駅 3.8 12.6  
土気駅 5.5 18.1  
大網駅 4.8 22.9 東日本旅客鉄道:東金線(蘇我方面と直通運転) 大網白里市
永田駅 2.4 25.3  
本納駅 2.4 27.7   茂原市
新茂原駅 3.7 31.4  
茂原駅 2.9 34.3  
八積駅 4.6 38.9   長生郡 長生村
上総一ノ宮駅 4.1 43.0   一宮町
東浪見駅 3.2 46.2      
太東駅 3.1 49.3       いすみ市
長者町駅 2.8 52.1      
三門駅 1.6 53.7      
大原駅 3.5 57.2     いすみ鉄道いすみ線
浪花駅 3.3 60.5      
御宿駅 4.9 65.4       夷隅郡
御宿町
勝浦駅 5.5 70.9       勝浦市
鵜原駅 3.6 74.5      
上総興津駅 2.7 77.2      
行川アイランド駅 3.3 80.5      
安房小湊駅 3.8 84.3       鴨川市
安房天津駅 3.4 87.7      
安房鴨川駅 5.6 93.3     東日本旅客鉄道:内房線(木更津駅まで直通運転)
  1. ^ 成田線の正式な起点は総武本線佐倉駅だが、運転系統上は千葉駅に乗り入れている

2022年度の時点で、JR東日本自社による乗車人員集計[55]の除外対象となる駅(完全な無人駅)は、東浪見駅・三門駅・浪花駅・鵜原駅・行川アイランド駅・安房天津駅である。

廃止駅

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過去の接続路線

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利用状況

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平均通過人員

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各年度の平均通過人員(人/日)は以下のとおりである。

年度 平均通過人員(人/日) 出典
全線 千葉 - 蘇我 蘇我 - 茂原 茂原 - 勝浦 勝浦 - 安房鴨川
2011年度(平成23年度) 35,192 205,619 71,697 7,549 1,741 [57]
2012年度(平成24年度) 35,633 208,278 72,348 7,789 1,849
2013年度(平成25年度) 36,065 210,424 73,176 7,949 1,895
2014年度(平成26年度) 35,188 205,319 71,457 7,690 1,871
2015年度(平成27年度) 35,460 207,100 72,403 7,721 1,855
2016年度(平成28年度) 35,132 207,619 71,289 7,531 1,738 [58]
2017年度(平成29年度) 34,947 208,399 70,765 7,435 1,703
2018年度(平成30年度) 34,851 209,509 70,525 7,312 1,644
2019年度(令和元年度) 34,007 207,567 68,884 6,791 1,543
2020年度(令和02年度) 24,289 150,323 49,301 4,604 1,017
2021年度(令和03年度) 26,016 162,207 52,471 5,061 1,131 [59]
2022年度(令和04年度) 28,606 178,127 57,468 5,744 1,295
2023年度(令和05年度) 30,103 188,506 60,340 6,035 1,384 [60]

収支・営業系数

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2019年度(令和元年度)の平均通過人員が2,000人/日未満の線区(勝浦駅 - 安房鴨川駅間)における各年度の収支(運輸収入、営業費用)、営業係数、収支率は以下のとおりである。▲はマイナスを意味する。

勝浦駅 - 安房鴨川駅間
年度 収支(百万円) 営業
係数
(円)
収支率 出典
運輸
収入
営業
費用
2019年度(令和元年度) 173 1,393 ▲1,220 805 12.4% [61]
2020年度(令和02年度) 101 1,385 ▲1,283 1,368 7.3%
2021年度(令和03年度) 117 1,294 ▲1,176 1,101 9.1% [62]
2022年度(令和04年度) 148 1,370 ▲1,222 923 10.8% [63]

脚注

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注釈

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  1. ^ 通勤快速からの格下げによる。
  2. ^ a b c 京葉線直通列車は蘇我駅で列車番号が変わる。勝浦駅・成東駅発着列車の場合、東京駅 - 蘇我駅間、蘇我駅 - 誉田駅 - 上総一ノ宮駅間、誉田駅 - 成東駅間が列車番号の上ではそれぞれ独立した列車となっている。
  3. ^ a b 蘇我駅 - 大網駅間は各駅に停車するため、成東駅発着列車は実質的に蘇我駅 - 大網駅 - 成東駅間は普通列車と同じである。

出典

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  1. ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、23頁。 
  2. ^ a b c 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻31号 内房線・外房線・久留里線 17頁
  3. ^ 徹底解析!! JR東日本
  4. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年 ISBN 978-4533029806
  5. ^ a b “JR東日本 利用者本位をさらに深度化 来月1日ダイヤ改正を見る 千葉、常磐方面に主眼”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1995年11月6日) 
  6. ^ a b c d e f 『日本全国諸会社役員録. 明治40年』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ a b c d e f g h i j k 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻31号 内房線・外房線・久留里線 22頁
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻31号 内房線・外房線・久留里線 23頁
  9. ^ 「私設鉄道免許状下付」『官報』1893年9月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「運輸開業免許状下付」『官報』1896年1月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「運輸開業免許状下付」『官報』1896年2月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「停車常設置」『官報』1896年10月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ 「運輸開業免許状下付」『官報』1897年4月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  14. ^ 「停車場設置並哩程数訂正」『官報』1898年3月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  15. ^ 「運輸開業免許状下付」『官報』1899年12月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  16. ^ 「停車場改称」『官報』1902年1月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  17. ^ 「仮停車場開始」『官報』1902年8月14日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  18. ^ 「仮停車場開始」『官報』1903年8月21日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  19. ^ 「停車場開始」『官報』1903年8月21日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  20. ^ a b 『鉄道省年報. 昭和10年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  21. ^ 「国鉄主要幹線のATS化進む」『交通新聞』交通協力会、1965年2月2日、2面。
  22. ^ 「通報 ●外房線誉田・土気間増設線路の使用開始について(運転局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1973年6月28日、4面。
  23. ^ 「通報 ●外房線蘇我・鎌取間増設線路の使用開始について(運転局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1974年12月11日、7面。
  24. ^ 石油パイプライン事業法に基づく諸規則の運用の実態に関する質問主意書”. 衆議院 (1978年10月6日). 2017年10月8日閲覧。
  25. ^ 「証言 DD51 成田空港ジェット燃料輸送」『ジェイ・トレイン』第81号、2021年2月20日、37頁、ASIN B08TYSB939 
  26. ^ 「通報 ●外房線八積・上総一ノ宮間増設線路の使用開始について(運転局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1980年9月6日、1面。
  27. ^ “日本国有鉄道公示第166号”. 官報. (1982年11月13日) 
  28. ^ 「通報 ●外房線永田・本納間増設線路の使用開始について(運転局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1983年2月24日、1面。
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参考文献

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  • 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 31号 内房線・外房線・久留里線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年2月21日、16-23頁頁。 

関連項目

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外部リンク

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