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内房線

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内房線
内房線を走行する209系電車 (2012年5月 江見駅 - 太海駅間)
内房線を走行する209系電車
(2012年5月 江見駅 - 太海駅間)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 千葉県
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 蘇我駅
終点 安房鴨川駅
駅数 30駅
電報略号 ホサセ(房総西線時代)[1]
開業 1912年3月28日
所有者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
路線構造 地上
使用車両 使用車両を参照
路線諸元
路線距離 119.4 km
軌間 1,067 mm
線路数 複線蘇我駅 - 君津駅間)
単線(君津駅 - 安房鴨川駅間)
電化区間 全区間
電化方式 直流1,500 V
架空電車線方式
閉塞方式 (複線および単線)自動閉塞式
保安装置 ATS-P
最高速度 120km/h特急列車
110km/h(普通列車
路線図

赤線が内房線。青線が外房線への直通区間。
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内房線(うちぼうせん)は、千葉県千葉市中央区蘇我駅から同県木更津市木更津駅を経由して同県鴨川市安房鴨川駅へ至る、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。本項では内房線の前身である房総西線についても記述する。

なお、運転系統としての「内房線」は外房線千葉駅寄り区間(千葉駅 - 蘇我駅間)を含めた千葉駅 - 安房鴨川駅間となっているが(後述)、木更津駅以南では外房線上総一ノ宮駅までの直通系統が設定されている(詳細は「地域輸送」節を参照)。

概要

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千葉市から東京湾沿いに房総半島の西岸(東京湾側)に沿って南下し、太平洋沿岸の鴨川市に至る路線。蘇我駅で外房線から分岐し、安房鴨川駅で再び外房線に接続する。なお、千葉駅から安房鴨川駅までの距離(営業キロ)は、内房線経由より外房線勝浦駅経由の方が29.9 km短い。

全線が直流電化されているが、国土地理院鹿野山測地観測所の近傍区間については、直直デッドセクション方式(通電区間を数km単位に細分化し、それぞれの通電区間に1変電所を設置。通電区間毎に絶縁する方式)によって観測に影響が出ないよう対策をとっている[注 1][注 2][2][3]

蘇我駅 - 君津駅間は複線区間となっており、列車の本数も比較的多く、東京都区部神奈川県内と直通運転する快速列車なども運行されている[4](外房線、横須賀・総武快速線京葉線を経由)。一方で君津駅以南は単線区間で列車本数は少なくなるが、行楽需要が増える休日には、南房総と新宿駅を結ぶ特急列車さざなみ」や、自転車を持ち込める「BOSO BICYCLE BASE」が運転される[5]

全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「東京近郊区間」、およびIC乗車カードSuica」の首都圏エリアに含まれている。

路線データ

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  • 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者
  • 路線距離(営業キロ):蘇我駅 - 木更津駅 - 安房鴨川駅間 119.4 km[6]
  • 軌間:1067 mm
  • 駅数:30(起終点駅含む)[6]
    • 内房線所属駅に限定した場合、外房線所属の蘇我駅[7]が除外され、29駅となる。
  • 複線区間:蘇我駅 - 君津駅間
  • 電化区間:全線(直流1500 V)
  • 閉塞方式:(複線および単線)自動閉塞式
  • 保安装置:ATS-P
  • 最高速度:
    • 蘇我駅 - 君津駅間 120 km/h
    • 君津駅 - 安房鴨川駅間 95 km/h
  • 運転指令所:千葉総合指令室(千葉駅 - 木更津駅間:内房指令、木更津駅 - 館山駅間:内房指令・CTC、館山駅 - 安房鴨川駅間:外房指令・CTC)[8]
    • 準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):蘇我駅、木更津駅、館山駅、安房鴨川駅

全線が千葉支社の管轄である。

歴史

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房総半島を一周する鉄道のうち、東京湾側の鉄道として1912年明治45年)に蘇我駅 - 姉ケ崎駅間が木更津線(きさらづせん)として開業したのが始まりである。以後、小刻みに延伸を繰り返し、1919年大正8年)に安房北条駅(現在の館山駅)まで達したところで北条線(ほうじょうせん)と改称し、その後1925年(大正14年)に安房鴨川駅に達して、現在の内房線の区間が全通した[9]

1929年昭和4年)には、房総半島の東側で建設されていた房総線が安房鴨川駅まで延伸され、北条線を編入の上、千葉駅 - 大網駅 - 安房北条駅 - 木更津駅 - 蘇我駅間が房総線(ぼうそうせん)とされた[9]1933年(昭和8年)には再び蘇我駅 - 木更津駅 - 安房鴨川駅間が房総西線(ぼうそうさいせん)として分離され、1972年(昭和47年)に現在の内房線に改称された[10]

1950年(昭和25年)の夏には、太平洋戦争後初の海水浴客向けの臨時列車「潮風」を運行する。以後、夏期は各地から房総西線(内房線)へ向けて臨時列車が数多く運行された。1963年(昭和38年)と1964年(昭和39年)の夏には、列車不足を補うために当時未電化であった房総西線に電車も入線させた。電車は千葉駅でパンタグラフを畳み、ディーゼル機関車の牽引によって館山駅まで運行された[11]

年表

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運行形態

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普通列車を中心としたダイヤ編成で、千葉駅を発着する系統が主体である。東京方面から直通する列車は、東京駅 - 千葉駅間は総武本線を、千葉駅 - 蘇我駅間は外房線を経由する。また特急列車と一部の普通列車(快速含む)は京葉線を経由し蘇我駅から当線に合流する。

優等列車

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京葉線の東京駅から君津駅まで特急「さざなみ」が運転されている。かつては特急「ビューさざなみ」や、朝の上りに「おはようさざなみ」、夕方下りに「ホームタウンさざなみ」が運転されていたが[31]、2005年12月10日のダイヤ改正で「さざなみ」に統一された。また、臨時列車であるが、週末に特急「新宿さざなみ」(主に新宿駅 - 館山駅間)が運転されている。

かつては千倉駅まで運転する列車もあった[31]。また、かつては停車パターンが列車ごとに異なっていた[31]。2015年3月14日のダイヤ改正で、特急「さざなみ」の定期運用では全ての列車が平日に東京駅 - 君津駅間での運転に統一され、君津駅 - 館山駅間の特急列車の運用は土曜・日曜・祝日の臨時特急「新宿さざなみ」のみとなった[25]。減便並びに区間短縮の背景には、東京湾アクアライン館山自動車道富津館山道路の開通、及びそれに伴う高速バス路線の開設・増便による鉄道利用客の減少がある[32]

地域輸送

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普通

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千葉駅 - 君津駅間
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この区間の普通列車は、日中は主に千葉駅 - 木更津駅・君津駅間で運転されている。横須賀・総武線快速直通列車も合わせると1時間に3本程度(巌根駅を除く)運行されている。朝夕は、姉ヶ崎駅・上総湊駅・館山駅発着と千倉駅発の列車も運転されている。2021年3月までは、安房鴨川までの内房線全線を走破する普通列車が存在したが、系統分離により廃止された[29]。さらに、2023年3月の改正で千倉行きも廃止された[33]

かつては4・6・8・10両と列車によって編成両数はまちまちだった[注 4]。しかし、2021年3月のダイヤ改正で、209系2000・2100番台で運転される列車は原則8両編成[注 5]となり、夜間に設定されている京葉線用の京葉車両センター所属編成で運転される列車が10両編成であることを除けば両数がほぼ統一された。

京葉線直通列車は君津発東京行きの普通列車(京葉線内も各駅停車)が朝と夜に2本ずつ設定されている。2022年3月改正から朝に1本が追加された[34][注 6]

木更津駅 - 館山駅 - 安房鴨川駅間
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日中は、木更津駅 - 外房線上総一ノ宮駅間の列車が運転され、横須賀・総武線快速と君津駅で連絡している[注 7]

普通列車の系統は千葉駅 - 館山駅間と館山駅 - 安房鴨川駅間に分かれていたが、2017年3月4日のダイヤ改正で日中時間帯の千葉駅 - 館山駅間の系統は木更津駅 - 館山駅間の運転に変更され、横須賀・総武線快速と君津駅で連絡する形になった[26]

2021年3月13日のダイヤ改正で木更津以南の系統がE131系2・4両によるワンマン運転に変更された[29]。館山駅を跨いで木更津駅と安房鴨川駅間を直通する列車が増加し、さらにその列車のほとんどが安房鴨川駅を越えて木更津駅 - 外房線上総一ノ宮駅間において直通運転するようになり、設定されなくなっていた外房線と相互直通する列車も復活した[29]。朝夕に設定されていた千葉乗り入れは大幅に削減され、朝の上り、夜の下りのみに削減された一方で、君津駅 - 上総湊駅間では増発されている[29]

その後、E131系では慢性的な混雑が発生したため、途中から木更津駅 - 安房鴨川駅間で209系の運用が復活した。2022年3月のダイヤ改正では一部列車が209系による千葉直通に置き換えられた[34]

前述の通り、編成両数は列車によってまちまちだった[注 8]が、2021年3月の改正により209系は原則8両編成[注 9]に統一された。E131系による列車は2・4両編成で運転されている。

2015年3月14日改正までは館山駅→君津駅間を普通列車で運転し、君津駅→東京駅間を特急「さざなみ」として運転する列車が設定されていた。

快速

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快速が停車する各駅については、案内放送や駅の表示などで「総武線経由」「京葉線経由」を表示し、誤乗を防いでいる。

横須賀・総武快速線直通(快速)
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総武線快速が朝の1往復のみ木更津駅発着である以外は君津駅まで乗り入れている。内房線内では巌根駅を除く各駅に停車する。グリーン車付き15両編成または11両編成での運転である。横須賀行き、久里浜行きの15両編成は前4両は逗子止まりである。

運転本数は一部時間帯を除き1時間に1本で、1972年の設定当初は千葉駅 - 木更津駅間の停車駅は五井駅のみだったが、ダイヤ改正を重ねるにつれて停車駅が増えていき、1990年時点の千葉駅からの停車駅は蘇我駅八幡宿駅・五井駅・姉ケ崎駅・木更津駅となっていた(ラッシュ時のみ長浦駅にも停車)。その後も沿線自治体による快速停車の陳情で、徐々に停車駅が増えていき、2001年12月1日の改正でラッシュ時のみ袖ケ浦駅に停車、2004年10月16日からは長浦駅・袖ケ浦駅に終日停車し、2009年3月のダイヤ改正では浜野駅2010年12月4日のダイヤ改正から本千葉駅にも停車するようになり[35]、千葉駅 - 木更津駅間の通過駅は巌根駅のみとなっている。

2015年3月14日のダイヤ改正では特急「さざなみ」の本数減便による建て替えで一部の普通列車を総武快速線直通に変更、千葉駅発木更津駅行きの列車(巌根駅は通過)も朝に下り1本のみ新設された。2017年3月4日のダイヤ改正では特別快速が走っていた時間帯に増発され、これにて総武線快速の設定のない時間帯がなくなり、1時間に1本以上運転されるようになった。外房線上総一ノ宮発は横須賀線に乗り入れない東京駅止まりも多いが、内房線発は大半が横須賀線に乗り入れている。

2021年3月13日改正までは、上り列車のみ姉ヶ崎駅で先行する普通列車を追い抜いていた。

京葉線直通(快速・普通)
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京葉線直通の快速・普通が朝夕に運転されており、内房線内では巌根駅を含む全駅に停車する。グリーン車なし全車ロングシート10両編成での運転である。2024年3月16日改正時点の運転本数は以下の通りである。

快速は、平日・土休日ダイヤともに朝に上り1本、君津始発で運転されている。

1990年3月10日から運転開始。当初、京葉線直通の快速は内房線の蘇我駅 - 木更津駅間は浜野駅、袖ケ浦駅、巌根駅を通過していた[36]。2015年3月14日のダイヤ改正より巌根駅も停車駅となり、内房線内は各駅に停車している。

このほか、京葉線東京駅行き普通列車が朝・夜に各2本、京葉線東京駅始発の普通列車が夜に5本運転されている。

過去の列車

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通勤快速(京葉線直通)

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1990年3月10日から2024年3月15日まで京葉線直通の通勤快速が運転されていた。当初は朝に君津発東京行き、夕方に東京発君津行きが設定された[37]。後に上総湊発東京行きが設定された。

快速と同じく、京葉線直通の通勤快速は内房線の蘇我駅 - 木更津駅間は浜野駅、袖ケ浦駅、巌根駅を通過していた[38]。巌根駅が停車駅となった2015年3月14日のダイヤ改正より内房線内は各駅に停車している。

快速(千葉駅発着)

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1955年から1969年までは千葉駅ないしは新宿駅発内房線・外房線回り千葉行きの循環列車が1日1本、快速として設定されていた(「さざなみ (列車)#戦後優等列車の運行開始」「わかしお (列車)#優等列車運行の創始」を参照)。

1975年3月10日のダイヤ改正では千葉駅 - 館山駅間に快速が1日1往復設定された。「総武快速」と呼ばれている東京駅 - 千葉駅間の快速と区別するため、この快速は「千葉快速」と呼ばれた[39]。朝に上り、夜に下りが運転され、当初の停車駅は千葉駅・五井駅・木更津駅・君津駅・大貫駅・上総湊駅・浜金谷駅・安房勝山駅・岩井駅富浦駅・館山駅だったが、1978年10月2日のダイヤ改正で八幡宿駅・姉ケ崎駅・巌根駅、1979年10月1日のダイヤ改正で蘇我駅が停車駅に追加され、1981年10月1日のダイヤ改正で普通列車に格下げされる形で廃止された。

なお、前述のとおり現在でも下りのみ千葉駅始発木更津駅行きの快速が総武快速線の車両で1本運転されている。

総武快速線直通(特別快速)

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2015年3月14日のダイヤ改正で、東京駅 - 館山駅間に総武快速線直通の特別快速が設定された(運転開始は月曜日の16日から)。運転本数は平日のみに1日1往復であり、東京駅 - 館山駅間の停車駅は、錦糸町駅船橋駅津田沼駅・千葉駅・蘇我駅・五井駅・木更津駅・君津駅・佐貫町駅・浜金谷駅保田駅岩井駅富浦駅で、錦糸町駅 - 館山駅間の停車駅は従来の特急「新宿さざなみ」と同一である。車両の編成長は東京駅 - 木更津駅間では15両(グリーン車2両連結)、木更津駅 - 館山駅間では4両(グリーン車連結なし)編成である[25]

2017年3月4日のダイヤ改正(最終運行は前日の3日)をもって登場からわずか約2年で運転を取り止めた[26]

使用車両

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現在は全て電車で運転されている。

特急列車

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普通列車

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過去の使用車両

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気動車

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これら上記以外で、国鉄時代には千葉鉄道局所属のみの車両では手持ちが少ない事を理由に夏期限定で、海水浴臨時快速列車(房総循環)には各製造会社より試運転前提で北海道東北新潟北陸近畿中国四国九州向けの新車やその他局からの車両が応援で房総地区の路線を走行した。その中には北海道専用キハ56形碓氷峠(横軽)対策キハ57形、準急日光用キハ55形。中央西線用キハ65形、千葉無配置で他線区向け2基エンジン搭載のキハ58形の新車、同じ仕様でキハ20形をベースとしたキハ52形、そして通勤用キハ30・35・36形の他線区向け新車もあった。

電車

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  • 72系32系からの改造車を含む) - 1968年運用開始。1976年運用終了[44]
  • 113系(総武線快速・普通) - 1969年運用開始。2011年に運用終了。
  • 153系(急行) - 1975年運用開始。急行「内房」号などで使用された。1982年に定期運用終了。
  • 165系(急行・普通) - 1969年運用開始。急行「なぎさ」号などで使用された。1982年に定期運用終了。
  • 183系(特急・普通) - 1972年運用開始。特急「さざなみ」号などで使用された[44]が、2005年に定期運用を終了し、以後は波動用として団体臨時列車等に限定して運用された。
  • 205系(通勤快速・京葉線快速・普通) - 1990年の京葉線東京駅 - 新木場駅間の全線開通時から運用開始。京葉線直通および間合い運用。2011年に定期運用終了。
  • 211系3000番台 - 2006年運用開始。2011年に定期運用終了。

沿線概況

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千葉駅 - 君津駅間

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内房線の正式な起点は蘇我であり、千葉駅 - 蘇我駅間は外房線となっている。しかし、内房線の普通列車は千葉駅を発着駅とするため、JRの旅客案内やウェブサイトでの乗換案内では内房線の(事実上の)起点は千葉との案内表記が多く、千葉駅 - 蘇我駅間は内房線・外房線が共用している状態となっている。

この区間は東京や千葉の通勤圏であるとともに京葉工業地域でもある。沿線は住宅地に囲まれているが、この区間でも利用者数が減少し、1992年から2015年度と比べ蘇我駅 - 君津駅間の利用者数は約19.5%減っており、利用者が増加中の駅は浜野駅と袖ケ浦駅のみである。利用者の利便性向上のために、浜野駅・長浦駅・袖ケ浦駅には快速・通勤快速が終日停車するようになった。

東京や千葉市都心部への通勤・通学利用が多く、千葉駅発着の普通列車のほかに、総武線や京葉線に直通する快速が設定されており、同区間から東京都心まで1本の列車でアクセスできる。以前は京葉線直通の通勤快速も運行されており、この通勤快速は京葉線内での通過駅が多いこともあって、所要時間を大幅に短縮していたが、2024年3月16日のダイヤ改正で廃止された。ただし、東京駅の京葉線地下ホームは地上ホームと離れているため、乗り換えには時間がかかる。

利用者が多い区間のため、特急を除いた(日中時間帯に定期の特急列車は運行されていない)日中の君津駅までの運行本数は1時間に3本(木更津駅 - 館山駅間の列車含む)であり、日中でも総武線快速が直通運転として君津駅まで乗り入れている。

君津駅 - 館山駅間

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君津駅以南は東京湾と房総丘陵の間のわずかな平地を、東京湾の沿岸に寄り添う形で走行する。沿線にはマザー牧場鋸山などの観光スポットや、多数の海水浴場が点在する。また館山は南房総における観光拠点の一つであり、観光アクセスとしての役割が目立つ区間である。海岸沿いを走行するため、風の影響を受けやすく、しばしば運休する。複数ある風規制区間のうち、特に運転中止になりやすい佐貫町駅 - 上総湊駅間では、防風柵の設置が行われ、2012年3月21日に完成したが[45]、それ以外の区間でも風規制になることも多く、線区全体での対策が求められている[46]

この区間の沿線人口は少なく、館山市街地以外は集積した市街地がないため、乗車人員が300 - 400人程度の駅が連続する。君津駅を境界として利用者数の極端な段差があり、君津駅以南の普通列車は日中は1時間に1本で、路線も単線となる。また、この区間の普通列車は、2017年3月4日のダイヤ改正により日中は千葉駅への直通運転がなくなり、木更津駅 - 館山駅間の運行となり、君津・木更津以北の系統と分断されたが、前述の通り、2021年3月13日のダイヤ改正でE131系を使用したワンマン運転列車が導入され、館山駅を跨いで木更津駅と安房鴨川駅間を直通する列車が増加した。

同区間を通過する観光利用者数は減少傾向にある。東京湾アクアラインの通行料金値下げ、館山自動車道富津館山道路国道127号館山バイパスの開通により、東京から南房総への往来は自動車の比率が劇的に高まり、これが君津駅以南の観光利用客を減少させる結果となった。平日日中の特急「さざなみ」が、定期列車から臨時列車に変更されたのが代表例である。逆に高速道路網が茂原市までしかない外房線沿線は、鉄道利用が主体となっている。現在でも、外房線の特急「わかしお」はほとんどが東京駅から勝浦駅または安房鴨川駅まで運転され、朝夕には千葉駅から勝浦方面へ直通する普通列車が運行されている。

館山駅 - 安房鴨川駅間

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館山駅より先は進路を東に変えて、外房線と連絡する安房鴨川駅を目指す。この区間は基本的に普通列車のみが運行され、ほとんどの列車は安房鴨川駅を跨いで木更津駅と外房線上総一ノ宮駅間で運行されるワンマン運転の列車である。 千倉駅 - 安房鴨川駅間は外房の海である太平洋の沿岸に寄り添って進み、海水浴場やマリンスポット・マリンリゾートの海洋レジャー施設が多くなる。

この区間における利用者は少なく、館山駅 - 安房鴨川駅間の両都市間の相互移動と、南房総の観光の入り口の一つである千倉駅への観光利用のほか、地元住民の利用では安房拓心高等学校の最寄である南三原駅への通学利用や、鴨川市にある亀田総合病院への通院利用が中心である。

駅一覧

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  • 停車駅
    • 普通…全駅に停車
    • 快速…●印の駅に停車、|印の駅は通過、△印は停車・東京方向のみ運行。
    • 特急…「さざなみ (列車)」参照
  • 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:これより下は単線
  • 全駅千葉県内に所在。
  • 接続路線:東日本旅客鉄道の路線名は運転系統上の名称(正式路線名とは異なる)。駅名が異なる場合は⇒印で駅名を示す。
  • 蘇我駅について、京葉線の駅ナンバリングはこの駅のみ割り振られていない。
路線名 駅名 営業キロ 総武線 快速 京葉線 快速 接続路線・備考 線路 所在地
駅間 累計
蘇我から 千葉から
外房線 千葉駅 - 3.8 0.0 京葉線直通 東日本旅客鉄道JO 総武線(快速)(JO 28)(横須賀線久里浜駅まで直通運転)・JB 総武線(各駅停車)(JB 39)・総武本線成東方面)・ JO 成田線[* 1]
千葉都市モノレール千葉都市モノレール 1号線千葉都市モノレール 2号線 (CM03)
京成電鉄KS 千葉線京成千葉駅 (KS59)
千葉市
中央区
本千葉駅 1.4 2.4 1.4  
蘇我駅 2.4 0.0 3.8 東日本旅客鉄道:京葉線東京駅まで直通運転)・外房線大網方面)
京葉臨海鉄道臨海本線(貨物線)
内房線
浜野駅 3.4 3.4 7.2  
八幡宿駅 2.2 5.6 9.4   市原市
五井駅 3.7 9.3 13.1 小湊鉄道小湊鉄道線
姉ケ崎駅 5.8 15.1 18.9  
長浦駅 5.4 20.5 24.3   袖ケ浦市
袖ケ浦駅 3.9 24.4 28.2  
巌根駅 3.1 27.5 31.3   木更津市
木更津駅 3.8 31.3 35.1 東日本旅客鉄道:久留里線
君津駅 7.0 38.3 42.1   君津市
青堀駅 3.7 42.0 45.8       富津市
大貫駅 4.6 46.6 50.4      
佐貫町駅 4.1 50.7 54.5      
上総湊駅 4.4 55.1 58.9      
竹岡駅 5.1 60.2 64.0      
浜金谷駅 3.8 64.0 67.8     鋸山ロープウェー ⇒ 鋸山山麓駅
保田駅 3.5 67.5 71.3       安房郡
鋸南町
安房勝山駅 3.3 70.8 74.6      
岩井駅 2.9 73.7 77.5       南房総市
富浦駅 6.1 79.8 83.6      
那古船形駅 2.3 82.1 85.9       館山市
館山駅 3.8 85.9 89.7      
九重駅 5.8 91.7 95.5      
千倉駅 4.9 96.6 100.4       南房総市
千歳駅 2.0 98.6 102.4      
南三原駅 3.6 102.2 106.0      
和田浦駅 4.6 106.8 110.6      
江見駅 4.6 111.4 115.2       鴨川市
太海駅 4.6 116.0 119.8      
安房鴨川駅 3.4 119.4 123.2     東日本旅客鉄道:外房線(上総一ノ宮駅まで直通運転)
  1. ^ 成田線の正式な起点は総武本線佐倉駅だが、運転系統上は千葉駅に乗り入れている
  • 2022年度の時点で、JR東日本自社による乗車人員集計[47]の除外対象となる駅(完全な無人駅)は、竹岡駅・安房勝山駅・那古船形駅・九重駅・千歳駅・和田浦駅・太海駅である。
  • 市原市の構想として、五井駅 - 姉ケ崎駅間に島野駅(仮称)の設置が検討されている[48]

利用状況

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平均通過人員

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各年度の平均通過人員(人/日)および旅客運輸収入は以下のとおりである。

年度 平均通過人員(人/日) 旅客運輸収入(百万円) 出典
全線 蘇我 - 君津 君津 - 館山 館山 - 安房鴨川
1987年度(昭和62年度) 25,097 64,005 12,706 4,536   [49]
2011年度(平成23年度) 20,408 56,542 4,398 1,844  
2012年度(平成24年度) 20,667 57,344 4,443 1,788  
2013年度(平成25年度) 20,892 57,906 4,508 1,853  
2014年度(平成26年度) 20,500 56,938 4,363 1,771  
2015年度(平成27年度) 20,566 57,222 4,271 1,827  
2016年度(平成28年度) 20,447 56,995 4,216 1,725 8,487 [50][51]
2017年度(平成29年度) 20,335 56,978 3,988 1,671   [51]
2018年度(平成30年度) 20,483 57,566 3,921 1,621  
2019年度(令和元年度) 20,042 56,624 3,599 1,596  
2020年度(令和02年度) 14,864 41,879 2,711 1,245 5,750
2021年度(令和03年度) 16,057 45,283 2,892 1,350 6,347 [52]
2022年度(令和04年度) 17,307 48,953 3,090 1,327 7,045 [53]
2023年度(令和05年度) 18,191 51,576 3,158 1,381 7,547 [54]

収支・営業係数

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平均通過人員が2,000人/日未満の線区における各年度の収支(運輸収入、営業費用)、営業係数、収支率は以下のとおりである。▲はマイナスを意味する。

なお、2019 - 2022年度(令和元 - 4年度)は2019年度(令和元年度)の平均通過人員が2,000人/日未満の線区が開示対象となっていたが、2023年度(令和5年度)は同年度の平均通過人員が2,000人/日未満の線区が開示対象となっている。

館山駅 - 安房鴨川駅間
年度 収支(百万円) 営業
係数
(円)
収支率 出典
運輸
収入
営業
費用
2019年度(令和元年度) 151 1,558 ▲1,406 1,029 9.7% [55]
2020年度(令和02年度) 110 1,545 ▲1,435 1,400 7.1%
2021年度(令和03年度) 119 1,460 ▲1,341 1,226 8.2% [56]
2022年度(令和04年度) 124 1,368 ▲1,243 1,096 9.1% [57]
2023年度(令和05年度) 129 1,670 ▲1,541 1,289 7.8% [58]

脚注

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注釈

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  1. ^ 設備コストとしては非常に高くなるが、当該区間を交流電化したとしても後々の外房線(当時は房総東線)電化との関連や車両コストなどを含めて考慮した点からも直流電化がトータルコストを抑制できると判断された。
  2. ^ なお、実際には内房線(当時は房総西線)の直流電化によって地磁気観測に支障を生じたため、岩手県水沢市(現・奥州市)に新観測所を新たに開設すると共に観測機器の改良などを実施した。
  3. ^ 特別快速は土曜・休日運休のため、正式な運転開始日は3月16日となる。
  4. ^ 安房鴨川行きのみ4・6・8両。
  5. ^ 朝・夜間時間帯の一部列車は6両編成で運転。
  6. ^ 通勤快速が削減されたため。内房線内の停車駅は変わらない。
  7. ^ 朝夕はこれに当てはまらない列車もある。
  8. ^ 館山駅 - 安房鴨川駅間には10両編成の乗り入れはなかった。
  9. ^ 木更津駅 - 安房鴨川駅間のみの一部列車は4両編成で運転。

出典

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  3. ^ 鹿野山測地観測所と内房線の直流変電所の位置関係図
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参考文献

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  • 白土貞夫『ちばの鉄道一世紀』崙書房、1996年7月10日 第1刷発行、1996年10月15日 第2刷発行、ISBN 978-4845510276
  • 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集) 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 31号 内房線・外房線・久留里線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年2月21日、16-23頁。 

関連項目

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外部リンク

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