コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

黒い樹海

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
黒い樹海
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 長編小説
発表形態 雑誌連載
初出情報
初出婦人倶楽部1958年10月号 - 1960年6月号
出版元 講談社
挿絵 生沢朗
刊本情報
刊行 『黒い樹海』
出版元 講談社
出版年月日 1960年6月30日
装幀 直木久蓉
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

黒い樹海』(くろいじゅかい)は、松本清張の長編推理小説。『婦人倶楽部』に連載され(1958年10月号 - 1960年6月号)、1960年6月に講談社から刊行された。

姉を喪った女性記者が、バス事故に端を発した連続殺人事件の謎を追跡するサスペンス・ミステリー。数ある松本清張の作品の中でも“旅情ミステリー”の傑作と評される作品[1]

1960年に大映で映画化、また5度テレビドラマ化された。

あらすじ

[編集]

笹原祥子の姉・信子は、仙台へ旅に出たはずだったが、浜松市付近のバス事故で死んでいた。姉は自分の知らない誰かと一緒にバスに乗っていて、その人は事故が発生した途端、姉の傍らから逃げたのではないか…。祥子は姉の会社に転職し、姉の仕事上の交友関係からその人物を突き止めようとする。当初独りだった祥子の調査に協力者が現われ、頑なだった祥子の心の壁も徐々に開かれていくが、先回りする犯人によって、次々に周辺人物が殺されてしまう。

主な登場人物

[編集]
  • 原作における設定を記述。
笠原祥子
姉・信子と大久保のアパートに住み、親切で頭の良い姉を慕っていた。貿易会社に勤務していたが、姉の勤めていた新聞社に転職する。
笠原信子
祥子の姉。R新聞社の文化部記者で、評論家・作家など、知名人の間を絶えず廻っていた。28歳。
吉井
R新聞社の社会部記者。もじゃもじゃの髪をしている。殺人事件発生を契機に、祥子の調査に協力するようになる。
町田知枝
R新聞社で祥子の真向かいの机になった婦人記者。活発で賑やかなことを好む。
斎藤常子
バス事故現場近くの食堂の女中。頭の弱いところがある。
妹尾郁夫
欧米の思想書を翻訳する傍ら評論も書き、最近名声が高い。欧米流の態度を気取る。
鶴巻莞造
雑誌の表紙や挿絵・ポスターなどスタイル画の大家。
佐敷泊雲
生け花の大家。全国に千数百の支部と数十万の信者を持つ。
西脇満太郎
初老のQ病院小児科医長。

作品の舞台

[編集]

バス事故の起こった踏切の場所は作中ではぼかされている。また、山梨県の波高島駅周辺に事件の手がかりとなる人物が居る設定となっている。

映画

[編集]
黒い樹海
監督 原田治夫
脚本 長谷川公之
石松愛弘
製作 中泉雄光
出演者 叶順子
藤巻潤
音楽 大森盛太郎
撮影 小林節雄
配給 大映
公開 日本の旗 1960年12月14日
上映時間 86分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

1960年12月14日に公開。製作は大映東京、配給は大映

キャスト
スタッフ

テレビドラマ

[編集]

1962年版

[編集]

1962年10月4日10月5日NHKの「松本清張シリーズ・黒の組曲」の1作として2回にわたり放映。

キャスト
スタッフ

1986年版

[編集]
松本清張の黒い樹海
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『黒い樹海』
脚本 吉田剛
監督 池広一夫
出演者 中井貴惠
山本學
製作
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1986年1月4日
放送時間21:02 - 23:21
放送枠土曜ワイド劇場
テンプレートを表示

松本清張の黒い樹海」。1986年1月4日テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:02-23:21)にて放映。視聴率21.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

キャスト
スタッフ

1997年版

[編集]
松本清張スペシャル
黒い樹海
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『黒い樹海』
脚本 橋本綾
監督 野村孝
出演者 水野真紀
鶴見辰吾
エンディング 松田聖子あなたのその胸に
製作
プロデューサー 小坂一雄(レオナ)
高橋浩太郎(テレビ朝日)
塙淳一(テレビ朝日)
林悦子(霧企画)
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1997年11月29日
放送時間21:00 - 22:51
放送枠土曜ワイド劇場
テンプレートを表示

松本清張スペシャル・黒い樹海」。1997年11月29日テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:00-22:51)にて放映。視聴率20.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。バス事故の発生は石川県の設定。

キャスト
スタッフ

2005年版

[編集]
松本清張スペシャル
黒い樹海
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『黒い樹海』
脚本 水橋文美江
監督 平井秀樹
出演者 菊川怜
豊原功補
製作
プロデューサー 現王園佳正(フジテレビ)
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2005年10月21日
放送時間21:00 - 22:52
放送枠金曜エンタテイメント
テンプレートを表示

松本清張スペシャル・黒い樹海」。2005年10月21日フジテレビ系列の「金曜エンタテイメント」枠(21:00-22:52)にて放映。バス事故の発生は山梨県の設定。

キャスト
スタッフ

2016年版

[編集]
松本清張二夜連続ドラマスペシャル
第二夜
黒い樹海
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『黒い樹海』
脚本 寺田敏雄
演出 常廣丈太
出演者 北川景子
向井理
沢村一樹
小池栄子
麻生祐未
製作
制作 テレビ朝日
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2016年3月13日
2018年4月2日BS朝日再放送)
放送時間日曜21:00 - 23:10(130分)
月曜20:52 - 22:54(BS朝日再放送、122分)

特記事項:
20:58 - 21:00に『今夜のドラマスペシャル』を別途放送。
テンプレートを表示

松本清張ドラマスペシャル 黒い樹海[2]2016年3月13日(21:00-23:10)、テレビ朝日系列にて、松本清張二夜連続ドラマスペシャルの第二夜として放送された。視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)[3]。物語は長野県を中心に展開され[3]、設定は現代に置き換えられている[1]。主演は松本清張作品初出演の北川景子[4]。2016年1月から東京都内で撮影が行われた他、長野県大町市では現地で今年1番の大雪が降る中、ロケが敢行された[1]

2018年4月2日(20:52-22:54)、BS朝日にて再放送された。

2018年9月15日(土) 12:00 ~ 14:15、テレビ朝日にて再放送された。

没後30年特別企画『松本清張スペシャルドラマ一挙放送Week』として、2022年3月28日午後8時からBS朝日で再放送された[5]

キャスト
スタッフ

出典

[編集]
  1. ^ a b c d 北川景子、清張作品初挑戦 北アルプスの天気も結婚を祝福!?”. ORICON STYLE (2016年1月29日). 2016年1月29日閲覧。
  2. ^ “北川景子、アツアツ会見から極寒ロケへ!初の清張作品で新境地開拓”. SANSPO.COM (株式会社 産経デジタル). (2016年1月29日). https://www.sanspo.com/article/20160129-QXADX3VDCJIDJAHHZIH5J732CQ/ 2016年1月29日閲覧。 
  3. ^ a b テレ朝松本清張SPドラマは二夜とも平均視聴率11%”. Smartザテレビジョン (2016年3月14日). 2016年3月15日閲覧。
  4. ^ “北川景子:静の芝居に「難しさ感じた」 松本清張ドラマ初挑戦”. MANTANWEB. (2016年3月12日). https://mantan-web.jp/article/20160312dog00m200000000c.html 2016年3月15日閲覧。 
  5. ^ 「黒革の手帖」「疑惑」など名作三昧 没後30年特別企画・松本清張スペシャルドラマ一挙放送Week(BS朝日、25~30日)”. ZakZak. 2022年3月28日閲覧。
  6. ^ 北川景子(インタビュー)「北川景子、“静”の芝居で開花 清張作品で新たな一面」『テレビドガッチ』、2016年3月11日https://plus.tver.jp/news/38140/detail/2016年3月15日閲覧 
  7. ^ 小池栄子(インタビュー)「「黒い樹海」小池栄子『北川景子ちゃんに胸キュン』」『Smartザテレビジョン』、2016年3月9日https://thetv.jp/news/detail/73904/2016年3月12日閲覧 
  8. ^ 向井理(インタビュー)「「黒い樹海」で向井理『シリアスな作品は久しぶり』」『Smartザテレビジョン』、2016年3月11日https://thetv.jp/news/detail/74054/2016年3月12日閲覧 
  9. ^ a b スタッフが語る裏話 ドラマ『黒い樹海』、真意の読めない“黒い向井理”が炸裂”. 週刊女性PRIME. 主婦と生活社 (2016年3月12日). 2016年3月15日閲覧。
  10. ^ 沢村一樹(インタビュー)「「黒い樹海」沢村一樹『最後までドキドキさせますよ』」『Smartザテレビジョン』、2016年3月10日https://thetv.jp/news/detail/73918/2016年3月12日閲覧 
  11. ^ “北川景子:結婚後初ドラマは「新しい挑戦」 初の清張作品で“新境地”開拓へ”. MANTANWEB. (2016年1月29日). https://mantan-web.jp/article/20160128dog00m200026000c.html 2016年3月15日閲覧。 

外部リンク

[編集]
テレビ朝日系列 土曜ワイド劇場
前番組 番組名 次番組
新人歌手スキャンダル殺人事件
(原作:岡嶋二人
(1985年12月28日)
松本清張の黒い樹海
(1986年1月4日)
松本清張スペシャル
黒い樹海
(1997年11月29日)
私を信じて!嵐の夜少女は
本当に連続殺人を犯したのか?
(原案:江良至)
(1997年12月13日)
フジテレビ系列 金曜エンタテイメント
赤い霊柩車20
(2005年10月14日)
松本清張スペシャル
黒い樹海
(2005年10月21日)