駆ける男
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駆ける男 | |
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作者 | 松本清張 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『オール讀物』 1973年1月号 |
出版元 | 文藝春秋 |
刊本情報 | |
刊行 | 『馬を売る女』 |
出版元 | 文藝春秋 |
出版年月日 | 1977年9月30日 |
装幀 | 竹内宏一 |
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『駆ける男』(かけるおとこ)は、松本清張の短編小説。『オール讀物』1973年1月号に掲載され、1977年9月に短編集『馬を売る女』収録の1作として、文藝春秋より刊行された。
1980年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
[編集]瀬戸内海に面した名勝地の丘に聳える「亀子ホテル」。高貴な方も宿泊した由緒あるホテルで、4階の特別室には、皇族が御宿泊になった際の調度がそのままに残されていた。また、丘の下にはホテルと同じ経営の料理屋「蓬莱閣」があり、ホテルとは急傾斜の渡り廊下で結ばれていた。
北陸地方の成金・村川雄爾は、若い後妻の英子を連れて特別室に宿泊した。雄爾は心臓が少し弱く、身体を大事にしていた。夕食を取るため、丘の下の蓬莱閣へ降りた2人。しかし食事のあと、蓬莱閣の女中頭・鎌田栄子を見た雄爾は、「あいつが、居た…」と放心したように云い、脱兎のごとく走り出した。急傾斜の渡り廊下を飛ぶように駆け上がる雄爾。「駆ける男」はそのまま心臓麻痺で死亡した。
一方、客の留守を見計らい、こっそり特別室に潜入する男があった。蒐集狂の山井善五郎は、全国各地のホテルの「高貴の間」に侵入し、ゆかりの備品を頂戴してコレクションにするのが趣味であった。桐の鍍金飾りを剥がし首尾よく目的を達した善五郎だったが、床の上に奇妙な物が転がっているのを目にする。
エピソード
[編集]- 著者は本作の手控えのメモを「愛知県蒲郡のGホテルは丘陵上の本館から麓の料理店までトンネル式の長い廊下で連結してある。相当な急斜面。下から上へ歩いて上る(エレベーターがない)。息切れがする」と記している[1]。
関連項目
[編集]- 蒲郡クラシックホテル(旧「蒲郡ホテル」)…「亀子ホテル」のモデル[2]。
- ヨヒンビン…催淫作用を持つ。
- ハシリドコロ…別名「キチガイイモ」。
テレビドラマ
[編集]松本清張の駆ける男 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『駆ける男』 |
脚本 | 池田雄一 |
演出 | 水川淳三 |
出演者 | 浜木綿子ほか |
製作 | |
プロデューサー |
堀内孝三 吉津正 |
制作 | テレビ朝日 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1980年7月19日 |
放送時間 | 21:00 - 21:54 |
放送枠 | 傑作推理劇場 |
特記事項: 監修:野村芳太郎 |
この節の加筆が望まれています。 |
「松本清張の駆ける男」。1980年7月19日、テレビ朝日系の「傑作推理劇場」第1作として「土曜ワイド劇場」枠にて放映。
2024年3月29日に発売されたDVD『傑作推理劇場ベストセレクション Vol.1<HDリマスター版>』として初ソフト化された[3]。
- キャスト
- 村川英子:浜木綿子
- 村川雄爾:田中明夫
- 刑事:山城新伍
- 長谷直美、松橋登、下塚誠、今成友見、北原まなか、日高澄子、渡辺紀行、加島潤、志馬琢哉、城戸卓、羽生昭彦、岡本忠孝、今井健太郎、高城淳一、常田富士男
- スタッフ
テレビ朝日系列 傑作推理劇場 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
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松本清張の駆ける男
(1980.7.19) |
脚注・出典
[編集]- ^ 「創作ヒント・ノート」(『小説新潮』1980年2-3月号掲載、『作家の手帖』(1981年、文藝春秋)に収録)
- ^ 著者による『着想ばなし』(『松本清張全集 第56巻』(1984年、文藝春秋)付属の月報に掲載)参照。
- ^ “Amazon|傑作推理劇場ベストセレクション Vol.1<HDリマスター版>【ベストフィールド創立20周年記念企画 第12弾 昭和の名作ライブラリー 第131集】 [DVD] -TVドラマ”. Amazon.co.jp. 2024年4月4日閲覧。