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火と汐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
火と汐
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出オール讀物1967年11月
出版元 文藝春秋
挿絵 生沢朗
刊本情報
収録 『火と汐』
出版元 文藝春秋
出版年月日 1968年7月1日
装画 三井永一
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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火と汐』(ひとしお)は松本清張推理小説。『オール讀物1967年11月号に掲載され(掲載時の挿絵は生沢朗)、1968年7月に中短編集『火と汐』収録の表題作として、文藝春秋(ポケット文春)から刊行された。

1996年2009年にそれぞれ単発でテレビドラマ化されている。

あらすじ

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目黒に住む33歳の劇作家・曾根晋吉は、芝村美弥子と、秘密で京都に宿泊していた。金属会社に勤める美弥子の夫は、神奈川県油壺三宅島を往復するヨットレースに参戦しており、8月17日の夫の油壺到着までに、美弥子は京都から油壺に戻る算段になっていた。8月16日の夜、晋吉は美弥子と、ホテルの屋上から、大文字焼を見物していたが、その最中、晋吉の気づかぬ間に、人混みの中で美弥子が消失する。彼女のスーツケースは部屋に残されたままであった。

秘密の旅行ゆえ、事情を告げるわけにもいかず、困惑したまま晋吉は東京へ戻った。8月18日の新聞記事に晋吉は驚く。美弥子の夫・芝村の乗るヨットが、油壺に帰着する途中、三浦半島沖合で、ワイルドジャイブを起こし、同乗者の上田伍郎が死亡したという。美弥子のことを言えぬまま、入院した芝村に見舞いの電話をかける晋吉。ところが、美弥子の死体が晋吉の自宅近くで発見され、芝村と顔見知りだった晋吉は、警察参考人として呼ばれてしまう。

エピソード

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  • 本作の速記を務めた福岡隆は「『オール讀物』に発表した当時は、時間切れでラストの解決篇が十分書き込めなかった関係から、単行本にするときに数十枚も書き加えている。これが(1968年)五月末から六月初めにかけてで、私の最後の仕事となっただけに愛着が深い」と述べている[1]
  • 西村京太郎の推理小説『赤い帆船』(1973年刊行)には、本作のトリックの内容に関する言及がある。

テレビドラマ

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1996年版

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松本清張スペシャル
火と汐
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『火と汐』
企画 遠藤龍之介(フジテレビ)
脚本 金子成人
監督 松尾昭典
出演者 神田正輝ほか
製作
プロデューサー 名島徹(レオナ)
小坂一雄(レオナ)
林悦子(霧企画)
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1996年9月13日
放送時間21:00 - 22:52
放送枠金曜エンタテイメント
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松本清張スペシャル・火と汐』のタイトルで、1996年9月13日フジテレビ系列の「金曜エンタテイメント」枠にて放映された。視聴率19.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ
フジテレビ系列 金曜エンタテイメント
前番組 番組名 次番組
怖い女シリーズ4
愛という名の牢獄
(1996.8.23)
松本清張スペシャル
火と汐
(1996.9.13)

2009年版

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松本清張生誕100年記念スペシャルドラマ
火と汐
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『火と汐』
脚本 田中晶子
演出 竹之下寛次
出演者 寺尾聰
渡部篤郎ほか
製作
プロデューサー 浅野敦也(ドリマックス・テレビジョン)
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2009年12月21日
放送時間21:00 - 23:04
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松本清張生誕100年記念スペシャルドラマ・火と汐』のタイトルで、2009年12月21日(松本清張の生誕日)にTBS系列にて放映された。視聴率は15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。原作と異なり、前半から、刑事側の視点を中心としたストーリー構成となっている。

キャスト
スタッフ

出典

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  1. ^ 福岡隆『人間・松本清張』(1968年、大光社)第三十一話。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版

外部リンク

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