結城郡
表示
結城郡(ゆうきぐん)は、上古、天富命が穀の木を栽培した地と伝えられる下総国(茨城県)の郡、現在の結城郡は以下の1町よりなる。
- 八千代町(やちよまち)
人口20,305人、面積58.99km²、人口密度344人/km²。(2024年12月1日、推計人口)
古代
[編集]『古語拾遺』によれば、神武東征において橿原宮を造営した天富命が、阿波国に続いて房総を開拓し、穀の木の生育した当地は「結城郡」と言われた。古代より、ふさ(麻)やゆう(コウゾ属の繊維)の産地として「総の国」のゆうきと呼ばれ、令制国の下総国に属した。
明治維新後
[編集]郡域
[編集]当初の郡域は以下の通り。のちに編入された郡域については、岡田郡・豊田郡の項目を参照。
近代以降の沿革
[編集]- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。●は村内に寺社領が、○は寺社除地(領主から年貢免除の特権を与えられた土地)が存在。下記のほか新宿新田(幕府領)が存在したが、記載されていない。(1町51村)
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領 | 11村 | 徳右衛門新田、善左衛門新田、大戸村新田、長左衛門新田、成田新田、兵庫新田、善右衛門新田、●尾崎村、尾崎村新田(尾崎新田)、水口村、●恩名村、恩名村新田(尾崎村新田と合わせて1村として扱われる) |
旗本領 | 1村 | 松本村 | |
一橋徳川家 | 1村 | 塩本村 | |
幕府領・旗本領 | 5村 | ●○鹿窪村、●上山川村、●大木村(大木町)、大山新田、七五三場村 | |
幕府領・一橋徳川家 | 5村 | ○田間村、矢畑村、佐野村、●東茂呂村、北南茂呂村 | |
藩領 | 下総結城藩 | 13村 | ●○結城本郷(結城町)、大谷瀬村、●小田林村、五助村、小森村、小森新田、久保田村、中村、中村新田、●林村、作ノ谷村、上成村、武井村(武井宿) |
下野壬生藩 | 8村 | 山王村、古宿新田、●新宿村、○大町新田、芳賀崎村、●水海道村、●浜野辺村、江口新田 | |
幕府領・藩領 | 幕府領・下野壬生藩 | 3村 | ●今宿村、●糟礼村(粕礼新田を含む)、瀬戸井村 |
幕府・旗本・下野壬生藩 | 2村 | ●菅ノ谷村、●平塚村 | |
その他 | 寺社領 | 1村 | 結城寺村 |
- 慶応4年6月27日(1868年8月15日) - 結城藩領以外の全域と、結城藩領のうち林村、作ノ谷村、上成村、武井村が常陸知県事の管轄となる。
- 明治初年に小森新田が小森村へ、中村新田が中村へそれぞれ編入。水口村から水口新田が分立。(1町50村)
- 明治2年2月9日(1869年3月21日) - 常陸知県事の管轄地域に若森県を設置。
- 明治4年
- 1873年(明治6年)6月15日 - 印旛県が木更津県と統合して千葉県が発足。
- 1875年(明治8年)5月7日 - 千葉県管下の下総国のうち利根川以北の区域が茨城県に移管。
- 1878年(明治11年)
- 1881年(明治14年) - 江口新田が江口村に改称。
- 1882年(明治15年) - 大山新田が大山村に改称。
- 1885年(明治18年) - 結城寺村が上山川村に編入。(1町48村)
- 1886年(明治19年) - 作野谷村が結城町に編入。(1町47村)
町村制以降の沿革
[編集]- 1889年(明治22年)
- 1896年(明治29年)
- 1897年(明治30年)8月24日 - 石下村が町制施行して石下町となる。(3町24村)
- 1923年(大正12年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 1926年(大正15年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 1935年(昭和10年)時点での当郡の面積は259.69平方km、人口は109,114人(男53,890人・女55,224人)[1]。
- 1954年(昭和29年)
- 1955年(昭和30年)1月1日(1町3村)
- 1955年2月11日 - 名崎村・猿島郡幸島村・八俣村が合併して猿島郡三和村(現・古河市)が発足し、郡より離脱。(1町2村)
- 1972年(昭和47年)2月1日 - 八千代村が町制施行して八千代町となる。(2町1村)
- 2006年(平成18年)1月1日(1町)
- 千代川村が下妻市に編入。
- 石下町が水海道市に編入。水海道市は即日改称して常総市となる。
変遷表
[編集]自治体の変遷
明治22年4月1日 | 明治22年 - 明治29年 | 明治30年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和64年 | 平成1年 - 現在 | 現在 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
結城町 | 結城町 | 結城町 | 結城町 | 昭和29年3月15日 市制 |
結城市 | 結城市 | 結城市 | ||
絹川村 | 絹川村 | 絹川村 | 昭和29年3月14日 結城町に編入 | ||||||
山川村 | 山川村 | 山川村 | 山川村 | 昭和29年3月15日 結城町に編入 市制 | |||||
江川村 | 江川村 | 江川村 | 江川村 | ||||||
上山川村 | 上山川村 | 上山川村 | 上山川村 | ||||||
中結城村 | 中結城村 | 中結城村 | 中結城村 | 昭和30年1月1日 八千代村 |
昭和47年2月1日 町制 |
八千代町 | 八千代町 | ||
下結城村 | 下結城村 | 下結城村 | 下結城村 | ||||||
岡田郡 安静村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
安静村 | 安静村 | ||||||
豊田郡 西豊田村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
西豊田村 | 西豊田村 | ||||||
真壁郡 川西村 |
川西村 | 川西村 | 川西村 | ||||||
豊田郡 豊加美村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
豊加美村 | 豊加美村 | 昭和29年6月1日 真壁郡 下妻町に編入 市制 |
下妻市 | 下妻市 | 下妻市 | ||
豊田郡 総上村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
総上村 | 総上村 | ||||||
岡田郡 大形村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
大形村 | 大形村 | 昭和30年1月1日 千代川村 |
平成18年1月1日 下妻市に編入 | ||||
豊田郡 蚕飼村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
蚕飼村 | 蚕飼村 | ||||||
豊田郡 宗道村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
宗道村 | 宗道村 | ||||||
豊田郡 玉村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
玉村 | 玉村 | 昭和29年10月10日 宗道村に編入 | |||||
昭和29年10月10日 石下町 |
石下町 | 平成18年1月1日 水海道市に編入 改称 |
常総市 | ||||||
豊田郡 石下村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
明治30年8月24日 町制 |
石下町 | ||||||
豊田郡 豊田村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
豊田村 | 豊田村 | ||||||
岡田郡 岡田村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
岡田村 | 岡田村 | ||||||
岡田郡 飯沼村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
飯沼村 | 飯沼村 | ||||||
豊田郡 水海道町 |
明治29年4月1日 結城郡 |
水海道町 | 水海道町 | 昭和29年7月10日 市制 |
水海道市 | 平成18年1月1日 改称 常総市 | |||
豊田郡 大生村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
大生村 | 大生村 | 昭和29年7月10日 水海道町に編入 市制 | |||||
豊田郡 五箇村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
五箇村 | 五箇村 | ||||||
豊田郡 三妻村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
三妻村 | 三妻村 | ||||||
岡田郡 豊岡村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
豊岡村 | 豊岡村 | ||||||
岡田郡 菅原村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
菅原村 | 菅原村 | ||||||
岡田郡 大花羽村 |
明治29年4月1日 結城郡 |
大花羽村 | 大花羽村 | ||||||
名崎村 | 名崎村 | 名崎村 | 名崎村 | 昭和30年2月11日 猿島郡 三和村 |
昭和44年1月1日 町制 |
平成17年9月12日 古河市の一部 |
古河市 |
行政
[編集]- 結城・豊田・岡田郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治11年(1878年)12月2日 | |||
明治29年(1896年)3月31日 | 岡田郡・豊田郡との合併により旧・結城郡廃止 |
- 結城郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治29年(1896年)4月1日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 8 茨城県、角川書店、1983年12月1日。ISBN 4040010809。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
[編集]先代 ------ |
行政区の変遷 - 1896年 |
次代 結城郡(第2次) |
先代 結城郡(第1次)・豊田郡・岡田郡 |
行政区の変遷 1896年 - (第2次・統合後) |
次代 (現存) |