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盤寿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

盤寿ばんじゅとは、数え年[1]の81歳のこと。

将棋盤のマス目が「九」×「九」=「八十一」になることから。

盤寿を迎えることのできた棋士

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盤寿を迎えることができた棋士を下表に示す。

現役で盤寿を迎えた棋士は、近代将棋史上ではまだ存在しない。2021年時点までの現役最年長記録は加藤一二三で、数えの78歳(盤寿の3年前、満77歳6ヶ月。丸田祐三も数え78歳まで指したが引退時満77歳0ヶ月だった)。参考ながら、囲碁には橋本宇太郎杉内雅男など、数えの81歳を現役で迎えた棋士が複数存在する。

近代将棋以前では、小野五平十二世名人が盤寿の時点で名人であった。もっとも当時は、いったん名人を襲位すると生涯名人であったが、87歳の時に次期名人予定者の関根金次郎(十三世名人)と指した公式棋譜が残っており、関根が花を持たせた感があるとはいえ小野が勝っている[2]

なお、実力制の最初の名人である木村義雄十四世名人は、盤寿の翌年、満81歳の将棋の日(11月17日)に死去している。

棋士
番号
棋士名 生年月日 盤寿 現年齢
(満)
引退年 没年月日 享年
(満)
小野五平十二世名人 183111091831年11月9日 1911年 1921年1月29日 89
土居市太郎名誉名人 188711201887年11月20日 1967年 1949年 1973年2月28日 85
1 金易二郎名誉九段 189010101890年10月10日 1970年 1947年 1980年6月23日 89
6 中井捨吉八段 189208281892年8月28日 1972年 1952年 1981年8月20日 88
8 志沢春吉八段 189901031899年1月3日 1979年 1950年 1985年1月12日 86
3 金子金五郎九段 190201061902年1月6日 1982年 1950年 1990年1月6日 88
21 永沢勝雄八段 190404131904年4月13日 1984年 1946年 1985年2月22日 80
5 萩原淳九段 190410111904年10月11日 1984年 1964年 1987年12月14日 83
2 木村義雄十四世名人 190502211905年2月21日 1985年 1952年 1986年11月17日 81
16 奥野基芳八段 190511271905年11月27日 1985年 1949年 1985年2月13日 79
4 渡辺東一九段 190512251905年12月25日 1985年 1949年 1985年5月27日 79
10 坂口允彦九段 190812101908年12月10日 1988年 1985年 1990年1月18日 81
33 吉田六彦七段 191003011910年3月1日 1990年 1956年 1991年10月7日 81
14 加藤治郎九段 191006011910年6月1日 1990年 1949年 1996年11月3日 86
17 小堀清一九段 191202101912年2月10日 1992年 1987年 1996年2月2日 83
24 北楯修哉九段 191211151912年11月15日 1992年 1951年 1997年1月31日 84
29 板谷四郎九段 191306101913年6月10日 1993年 1959年 1995年9月29日 82
48 佐藤豊六段 191407051914年7月5日 1994年 1956年 2001年5月16日 86
28 山中和正八段 191412151914年12月15日 1994年 1986年 1994年12月15日 80
43 丸田祐三九段 191903201919年3月30日 1999年 1996年 2015年2月17日 95
31 高柳敏夫名誉九段 192002201920年2月20日 2000年 1963年 2006年9月5日 86
32 廣津久雄九段 192302261923年2月26日 2003年 1988年 2008年4月16日 85
35 原田泰夫九段 192303011923年3月1日 2003年 1982年 2004年7月11日 81
52 西本馨七段 192308101923年8月10日 2003年 1973年 2012年1月14日 88
42 加藤博二九段 192309151923年9月15日 2003年 1990年 2013年9月15日 90
46 五十嵐豊一九段 192409271924年9月27日 2004年 1988年 2008年8月30日 83
56 浅沼一七段 192412181924年12月18日 2004年 1958年 2011年8月10日 86
71 大村和久八段 192802181928年2月18日 2008年 1975年 2023年1月7日 94
61 関根茂九段 192911051929年11月5日 2009年 2002年 2017年2月22日 87
65 宮坂幸雄九段 192911301929年11月30日 2009年 95歳 1999年
80 木村嘉孝七段 193103261931年3月26日 2011年 1991年 2019年2月28日 87
57 二上達也九段 193201021932年1月2日 2012年 1990年 2016年11月1日 84
70 賀集正三七段 193202121932年2月12日 2012年 1970年 2017年9月6日 85
75 吉田利勝八段 193307031933年7月3日 2013年 1992年 2021年5月23日 87
67 長谷部久雄九段 193307171933年7月17日 2013年 1993年 2017年12月27日 84
69 関屋喜代作八段 193312151933年12月15日 2013年 1994年 2015年12月5日 81
73 剱持松二九段 193407211934年7月21日 2014年 2000年 2016年1月7日 81
60 北村昌男九段 193410301934年10月30日 2014年 1994年 2023年7月9日 88
82 木村義徳九段 193505021935年12月18日 2015年 1991年 2021年6月29日 86
66 有吉道夫九段 193505151935年5月15日 2015年 2010年 2022年9月27日 87
79 佐伯昌優九段 193608041936年8月4日 2016年 88歳 2002年
91 田辺一郎七段 193808011938年8月1日 2018年 86歳 1999年
98 若松政和八段 193908101939年8月10日 2019年 85歳 2000年
77 内藤國雄九段 193911151939年11月15日 2019年 85歳 2015年
64 加藤一二三九段 194001011940年1月1日 2020年 84歳 2017年
107 安恵照剛八段 194103221941年3月22日 2021年 83歳 2001年
90 桜井昇九段 194105101941年5月10日 2021年 83歳 2007年
60 西村一義九段 194112141941年12月14日 2021年 83歳 2006年

(2024年の年明け時点まで)

「81」に因んで

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日本将棋連盟創立81周年記念事業
2005年日本将棋連盟の創立81年を記念し、様々な記念事業が行われた。通常とは異なる様式の記念免状[3]を一般のアマチュア向けに、通常の免状と同額で発行したのも、その一つである。通常の免状においては連盟会長のほか、竜王および名人の銘が入ることになっているが、この特別免状はタイトル所持者、永世称号者、1000勝棋士の中から選択できることになっていた。

脚注

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  1. ^ 日本将棋連盟では、満年齢ではなく数え年で81歳になった棋士を表彰している。2003年表彰2009年表彰
  2. ^ 月刊将棋世界2012年2月号、西條耕一「読み物 江戸の名人」
  3. ^ 日本将棋連盟創立81周年記念事業

関連項目

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