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右玉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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右玉(みぎぎょく、: Right hand King)は、将棋の戦法の一つ[1]居飛車でありながら、玉将もまた右側に配置する作戦。

概要

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相手が居飛車で組んできた場合、玉を左に囲うと相手の攻撃を正面から受けることになる。しかし玉が右にあれば相手の攻撃から遠く、攻撃の効果を小さくすることができる。「その他の右玉の例」のように左翼に囲いを構築した場合、玉も左翼に移すと考えて相手もそこに攻撃を行うことも多いため、その読みを崩す手は有効と言える。

一見「玉飛接近すべからず」という格言に反するようであるが、右玉は打ち込みの隙がなく、攻めることもできてバランスがよい。例えば相手が左翼から攻めてきた時に4五歩、2四歩と飛車角桂で相手の玉頭へカウンター攻撃を狙う。場合によっては左翼からの攻撃に対して飛車を振って備えることもできる。

タイトル戦では2016年に羽生善治王位戦七番勝負の第6局において角換わり戦の後手番で採用している[2]。そのときは下記に紹介する羽生式右玉とは異なって△7二玉6二金型に構えている。

右玉戦法の種類

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糸谷流右玉

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糸谷哲郎が考案した。対振り飛車(特に対ゴキゲン中飛車)に使用されており、玉自ら中央を守り、飛車は場合によっては左辺に用いて振り飛車の玉頭を攻める。古くは灘蓮照の採用例があるという。構えは先手番の場合▲4七銀~▲3七桂~▲3八金~▲4八玉~▲2九飛~▲5八金~▲7七桂~▲9七角型とする。

羽生式右玉

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角換わりの後手番において7二金6二玉型に構える戦法である。7二金型右玉とも呼ばれ、主に角換わり早操り銀に対して用いられる。2019年に羽生善治が採用し、好成績を残した。元々は将棋ソフトが愛用していた作戦としても知られていた。

セカステ右玉

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角換わり腰掛け銀で、先手番としたら▲5六銀~▲4七金~▲4八玉の形に構える右玉。将棋倶楽部24の強豪「SecondStage」が愛用していたため、こう呼ばれる。昭和年代では内藤国雄相掛かり飛車先交換型腰掛銀でよく採用していた。展開によって先手番ならば6筋に飛車を移動して反撃する。

右玉への対策

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対策の例として陽動振り飛車地下鉄飛車があり、阿久津主税菊水矢倉から銀冠に組み換えるのが有力であると述べている。神谷広志『マイナビ将棋BOOKS 誰も言わなかった右玉の破り方』(2019年)によると、角交換右玉には先手右玉への地下鉄飛車(△4三金左~△3二玉~△2二銀~△3三桂~△1二香型)、穴熊速攻(早めの▲3五歩△同歩▲4五桂)が、後手矢倉での右玉では▲4七銀型と▲4六銀型が、その他では強引に組む穴熊と超持久戦の穴熊(▲7九玉型左美濃→矢倉→穴熊ビッグ4)、菊水矢倉(角を▲5七に持って来てからミレニアム銀冠に移行しての持久戦、早めの△8五歩に▲5七銀~▲3七桂型)、急戦型(矢倉早囲い早繰り銀)、超急戦型(急戦矢倉)などの指し方を示している。

さらに下記の糸谷流に対する振り飛車では、先手の四間飛車中飛車を紹介。四間飛車では左銀を腰掛銀にして6筋からの歩交換からの速攻や、7筋に飛車を振っての攻め方、中飛車では5筋位取り中飛車で6筋歩交換や7筋や8筋に飛車を振っての戦い方を紹介している。

△持駒 角
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右図は、後手右玉に対して先手が中住まいに組み換えようとした角換わりの局面。それでも後手が△4四銀と指してくれば、▲2四歩△同歩▲同飛△3三桂▲2九飛で先手が戦いやすくなる。一例として、△5一玉と右玉を解消する指し方などがある。

脚注

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  1. ^ Kawasaki, Tomohide (2013). HIDETCHI Japanese-English SHOGI Dictionary. Nekomado. p. 94. ISBN 9784905225089 
  2. ^ 2016.9.12~13・王位戦七番勝負第6局(携帯中継・王位戦中継ブログほか)

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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