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「かがみの孤城」の版間の差分

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| タイトル = かがみの孤城
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『'''かがみの孤城'''』(かがみのこじょう、{{lang-en-short|THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR}}{{R|ndl|ndlonline|cinii}}{{Efn2|英訳版でのタイトルは ''{{en|Lonely Castle in the Mirror}}'' となっている<ref>{{Cite book|author=Mizuki Tsujimura|translator=Philip Gabriel|title=Lonely Castle in the Mirror|language=en|date=2022-09-08|publisher=[[ペンギン・ブックス|Penguin Books]]|location=[[ロンドン|London]]|asin=1529176662|oclc=1349321810|ncid=BC12150508|isbn=978-1529176667}}</ref>。}})は、[[辻村深月]]による[[日本]]の[[小説]]<ref name="ndl">{{Cite web|url=https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028127587-00|title=かがみの孤城 = THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR (ポプラ社): 2017|書誌詳細|accessdate=2020-10-28|website=[[国立国会図書館]]サーチ|publisher=国立国会図書館}}</ref>。20175月より[[ポプラ社]]から刊行された{{R|ndl}}<ref name="ndlonline">{{Cite web|url=https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I028127587-00|title=かがみの孤城 = THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR|Bibliographic Record|accessdate=2020-10-28|website=国立国会図館オンライン|publisher=国立国会図書館}}</ref><ref name="cinii">{{Cite web|url=https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB23637121|title=かがみの孤城|website=[[CiNii]] 図書|publisher=[[国立情報学研究所]]|accessdate=2022-11-17}}</ref>。20213月時点で累計発行部数は100万部を突破しており、2018年には本屋大賞も受賞している<ref>{{Cite press release|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000031579.html|title=待望の文庫化!2018年本屋大賞受賞作『かがみの孤城』が累計100万部を突破!作者の辻村深月さんからのメッセージ動画も到着!|publisher=ポプラ社|date=2021-03-19|accessdate=2021-03-19}}</ref>。
『'''かがみの孤城'''』(かがみのこじょう、{{lang-en-short|THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR}}{{R|ndl|cinii}}{{Efn2|英訳版でのタイトルは ''{{en|Lonely Castle in the Mirror}}'' となっている<ref>{{Cite book|author=Mizuki Tsujimura|translator=Philip Gabriel|title=Lonely Castle in the Mirror|language=en|date=2022-09-08|publisher=[[ペンギン・ブックス|Penguin Books]]|location=[[ロンドン|London]]|asin=1529176662|oclc=1349321810|ncid=BC12150508|isbn=978-1529176667}}</ref>。}})は、[[辻村深月]]による[[日本]]の[[小説]]<ref name="ndl">{{Cite web|和書|url=https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I028127587|title=かがみの孤城|accessdate=2024-08-14|website=[[国立国会図書館|NDL]]サーチ|publisher=国立国会図書館}}</ref>。『[[asta|asta*]]』[[2013]][[11]]号から[[2014年]][[10月]]号にかけて連載され、大幅な加筆修正を施した上で<ref>単行本末尾、556頁の注記より。</ref>、[[2017年]][[5月]]に[[ポプラ社]]より刊行された{{R|ndl}}<ref name="cinii">{{Cite web|書|url=https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB23637121|title=かがみの孤城|website=[[CiNii]] 図書|publisher=[[国立情報学研究所]]|accessdate=2022-11-17}}</ref>。202310月時点で累計発行部数は200万部を突破しており<ref name="realsound_1473163">{{Cite news|url=https://realsound.jp/book/2023/10/post-1473163.html|title=辻村深月『かがみの孤城』オーディオブック大賞2023文芸部門・準大賞を受賞|newspaper=[[リアルサウンド]] ブック|publisher=blueprint|date=2023-10-27|accessdate=2024-01-29}}</ref>、2018年には[[本屋大賞]]も受賞している<ref name="prtimes_000000269.000031579">{{Cite press release|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000031579.html|title=待望の文庫化!2018年本屋大賞受賞作『かがみの孤城』が累計100万部を突破!作者の辻村深月さんからのメッセージ動画も到着!|publisher=ポプラ社|date=2021-03-19|accessdate=2021-03-19}}</ref>{{Efn2|なお、本屋大賞の受賞は史上最多得票数(2021年3月時点)によるものであった{{R|prtimes_000000269.000031579}}。}}


当初は「かがみの城」というタイトルにする予定だったものの、担当編集者が提案した「敵に囲まれて身動きが取れなくなっている城」を意味する「孤城」を名付けたという<ref name=":0">{{Cite web|title=2018年本屋大賞、辻村深月さんの『かがみの孤城』に決定|url=https://www.oricon.co.jp/news/2109276/full/|website=ORICON NEWS|publisher=[[オリコン|oricon ME]]|date=2018-04-10|accessdate=2020-10-28}}</ref>。
当初は「かがみの城」というタイトルにする予定だったものの、担当編集者が提案した「敵に囲まれて身動きが取れなくなっている城」を意味する「孤城」を名付けたという<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=2018年本屋大賞、辻村深月さんの『かがみの孤城』に決定|url=https://www.oricon.co.jp/news/2109276/full/|website=ORICON NEWS|publisher=[[オリコン|oricon ME]]|date=2018-04-10|accessdate=2020-10-28}}</ref>。


作者の辻村深月は、本作が誰かの「城」のような居場所になればいいという思いを込めながら書いたと述べている<ref>{{Cite web|title=第6回ブクログ大賞[2018]小説部門受賞作品は辻村深月『かがみの孤城』に決定!|url=https://booklog.jp/award/2018/winner/book|publisher=[[ブクログ]]|accessdate=2020-10-28}}</ref>。また、自身に[[いじめ]]や[[不登校]]の経験はないものの、学校に特段の楽しさを感じていたわけでもなく、そのことが学校を舞台にした小説を書く原動力になったと思う、とも述べている<ref>{{Cite web|url=https://eiga.com/news/20230128/9/|title=「かがみの孤城」と藤子・F・不二雄作品に共通する原恵一監督の演出に、辻村深月「ものすごく感動!」|website=映画.com|publisher=エイガ・ドット・コム|date=2023-01-28|accessdate=2023-02-08}}</ref>。
作者の辻村深月は、本作が誰かの「城」のような居場所になればいいという思いを込めながら書いたと述べている<ref>{{Cite web|和書|title=第6回ブクログ大賞[2018]小説部門受賞作品は辻村深月『かがみの孤城』に決定!|url=https://booklog.jp/award/2018/winner/book|publisher=[[ブクログ]]|accessdate=2020-10-28}}</ref>。また、自身に[[いじめ]]や[[不登校]]の経験はないものの、学校に特段の楽しさを感じていたわけでもなく、そのことが学校を舞台にした小説を書く原動力になったと思う、とも述べている<ref>{{Cite web|和書|url=https://eiga.com/news/20230128/9/|title=「かがみの孤城」と藤子・F・不二雄作品に共通する原恵一監督の演出に、辻村深月「ものすごく感動!」|website=映画.com|publisher=エイガ・ドット・コム|date=2023-01-28|accessdate=2023-02-08}}</ref>。


本作の[[オーディオブック]]も出されている<ref name="audiobook.jp">{{Cite web|title=かがみの孤城|url=https://pages.audiobook.jp/special/kagami/index.html|website=[[audiobook.jp]]|publisher=[[オトバンク]]|accessdate=2023-01-30}}</ref>ほか、『[[ウルトラジャンプ]]』([[集英社]])にて2019年7月号から2022年3月号までコミカライズ版が連載された<ref name="natalie20190614">{{Cite web|url=https://natalie.mu/comic/news/335556|title=辻村深月の本屋大賞受賞作を武富智が描く、「かがみの孤城」がUJで始動|website=[[ナタリー (ニュースサイト)|コミックナタリー]]|publisher=ナターシャ|date=2019-06-14|accessdate=2022-02-19}}</ref><ref name="uj202203">{{Cite web|url=https://ultra.shueisha.co.jp/nowonsale/nowonsale-4530/|title=2022年3月号|website=ウルトラジャンプ|publisher=集英社|accessdate=2022-02-19}}</ref>。作画担当は武富智{{R|natalie20190614}}。
本作の[[オーディオブック]]も出されている<ref name="audiobook.jp">{{Cite web|和書|title=かがみの孤城|url=https://pages.audiobook.jp/special/kagami/index.html|website=[[audiobook.jp]]|publisher=[[オトバンク]]|accessdate=2023-01-30}}</ref>ほか、『[[ウルトラジャンプ]]』([[集英社]])にて2019年7月号から2022年3月号までコミカライズ版が連載された<ref name="natalie20190614">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/335556|title=辻村深月の本屋大賞受賞作を武富智が描く、「かがみの孤城」がUJで始動|website=[[ナタリー (ニュースサイト)|コミックナタリー]]|publisher=ナターシャ|date=2019-06-14|accessdate=2022-02-19}}</ref><ref name="uj202203">{{Cite web|和書|url=https://ultra.shueisha.co.jp/nowonsale/nowonsale-4530/|title=2022年3月号|website=ウルトラジャンプ|publisher=集英社|accessdate=2022-02-19}}</ref>。作画担当は武富智{{R|natalie20190614}}。

2020年、本作を原作とした舞台の公演が[[成井豊]]の脚本・演出で行われた{{R|enterstage_015253}}。


2022年2月には劇場アニメ化が発表され<ref name="natalie466921">{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/466921|title=辻村深月の小説「かがみの孤城」劇場アニメに、2022年冬に公開|newspaper=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-02-24|accessdate=2022-02-28}}</ref>、同年12月23日に公開された<ref name="cinemacafe80014">{{Cite news|url=https://www.cinemacafe.net/article/2022/07/28/80014.html|title=當真あみが主人公役!オオカミさまの声は誰?『かがみの孤城』特報映像公開|newspaper=[[シネマカフェ|cinemacafe.net]]|publisher=[[イード (企業)|イード]]|date=2022-07-28|accessdate=2023-01-12}}</ref>。
2022年2月には劇場アニメ化が発表され<ref name="natalie466921">{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/466921|title=辻村深月の小説「かがみの孤城」劇場アニメに、2022年冬に公開|newspaper=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-02-24|accessdate=2022-02-28}}</ref>、同年12月23日に公開された<ref name="cinemacafe80014">{{Cite news|url=https://www.cinemacafe.net/article/2022/07/28/80014.html|title=當真あみが主人公役!オオカミさまの声は誰?『かがみの孤城』特報映像公開|newspaper=[[シネマカフェ|cinemacafe.net]]|publisher=[[イード (企業)|イード]]|date=2022-07-28|accessdate=2023-01-12}}</ref>。


== あらすじ ==
== あらすじ ==
同級生から受けた仕打ちが原因で[[不登校]]が続き、子供育成支援教室([[フリースクール]])にも通えずに部屋に引き籠もる生活を続けていた主人公の中学1年生の女の子・'''こころ'''が、5月のある日、自室の鏡が光り、その向こうの'''オオカミさま'''という狼面をつけた謎の少女が仕切る孤城で、自分と似た境遇持つ中学生'''リオン''''''フウカ''''''スバル''''''マサムネ''''''ウレシノ''''''アキ'''と出会い、彼らとともに冒険していく{{R|:0}}<ref>{{Cite news|title=本屋大賞に辻村さん「かがみの孤城」 海外は少部数作品|url=https://www.asahi.com/articles/ASL4B51JCL4BUCVL016.html|newspaper=[[朝日新聞デジタル]]|publisher=[[朝日新聞社]]|author=宮田裕介|date=2018-04-10|accessdate=2020-10-28}}</ref><ref>{{Cite web|title=【書評】書評家・西野智紀が読む『かがみの孤城』辻村深月著 生きてさえいれば奇跡は起きる|url=https://www.sankei.com/article/20171015-FAYVUZO5SNPU3OV7UYAAD6ZZQE/|website=産経ニュース|publisher=[[産経デジタル]]|date=2017-10-15|accessdate=2020-10-28}}</ref>。
2005年、中学1年生の女の子・安西こころは、同級生から受けた[[いじめ]]が原因で[[不登校]]が続き、子供育成支援教室([[フリースクール]])にも通えずにに引き籠もる生活を続けていた5月のある日、自室の鏡が光り、吸い込まれたこころは、その向こうのオオカミさまという狼面をつけた謎の少女が仕切る絶海の孤城で、自分と似た問題抱える中学生リオン、フウカ、スバル、マサムネ、ウレシノ、アキと出会{{R|:0}}<ref>{{Cite news|title=本屋大賞に辻村さん「かがみの孤城」 海外は少部数作品|url=https://www.asahi.com/articles/ASL4B51JCL4BUCVL016.html|newspaper=[[朝日新聞デジタル]]|publisher=[[朝日新聞社]]|author=宮田裕介|date=2018-04-10|accessdate=2020-10-28}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【書評】書評家・西野智紀が読む『かがみの孤城』辻村深月著 生きてさえいれば奇跡は起きる|url=https://www.sankei.com/article/20171015-FAYVUZO5SNPU3OV7UYAAD6ZZQE/|website=産経ニュース|publisher=[[産経デジタル]]|date=2017-10-15|accessdate=2020-10-28}}</ref>。


オオカミさまはこの孤城の中にある「願いの鍵」を見つけられた1人だけが願いの部屋へ入ることができ、どんな願いでも叶えられるという。ただし、孤城にはルールがあり、午前9時から午後5時までは来て良いようになっているが、午後5時以降に孤城に1人でもいると、その日に城内にいた者は[[連帯責任]]で[[オオカミ|狼]]に喰われる。そして、誰かが願いを叶え、この城から出た時点で全員の記憶が消えるという。そのルール内でこころたちは、鍵を見つけたものはみんに知らせ、みんで願いを話し合っからじ引きかジャンケンで願いを叶える者を決めようと協力する
子供たちを「[[赤ずきん]]」と呼ぶオオカミさまはこの孤城の中に隠された「願いの鍵」を見つけられた1人だけが願いの部屋へ入ることができ、どんな願いでも叶えられると説明する。ただし、孤城にはルールがあり、日本時間の午前9時から午後5時までは鏡を通って現実世界から来て良いが、午後5時以降に孤城に1人でも残っていると、その日に城内にいた者は[[連帯責任]]で[[オオカミ|狼]]に喰われる。そして、誰かが願いを叶え、この城から出た時点で全員の記憶が消えるという。鍵を探す以外には特に何も起こらない城内でこころは、いじめどしないマイペースな中学生たちと穏やかな友人関係築いく。


ある時、アキが自分の中学校の制服を着てたことで、リオンを除く全員が同じ雪科第五中の生徒だったことが判明、マサムネは1月の始業式リオン以外のみんなで会おう決めるが、当日学校に行くと全員と会えず、マサムネは自分たちが[[パラレルワールド]]の住人同士だった告げる。
ある時、アキがこころと同じ制服を着て城に来たことで、リオンを除く全員が同じ雪科第五中の生徒であることが判明する。リオンも同じ中学に通うはずだったが母親に厄介払いとして[[ハワイ州|ハワイ]]にサッカー留学させられているのだ。マサムネは三学期の始業式に、リオン以外のみんなに1日だけでいいから学校で会いたい申し出たが、当日学校に行くと会えず、お互いの在籍すら確認できなかった。マサムネは自分たちが[[パラレルワールド]]の住人同士だから、現実の世界で会えないのだ推理するが、オオカミさまは違うと答える。


こころは仲違いしていたクラスメイトの東条萌と和解する。萌の家で童話『[[狼と七匹の子山羊|7匹の子山羊]]』という山羊が狼に襲われる絵本を見たこころは、鍵の在り処のヒントが「赤ずきん」ではなく「7人」という人数だと気づいた。だが同じ頃、家庭内の問題から精神的に帰宅できなくなったアキが、5時を過ぎても城に残っていたために、ルール違反で狼に喰われた。こころの部屋の鏡は砕け、同じ日に城にいたリオン、フウカ、ウレシノ、マサムネ、スバルも連帯責任で狼に喰われる。こころは鏡の割れ残りの部分をくぐって城ヘ向かう。『7匹の子山羊』の絵本では、6匹目までは狼に喰われる。7匹目の子山羊の隠れ場所が鍵の在り処だと突き止めたこころは、アキのルール違反を「なかったこと」にするよう願い、仲間たちを取り戻した。
その後、3月の最後になり、生きる意味を見出せなくなったアキが5時を過ぎても城に残っていたため、城に来ていたアキ、リオン、フウカ、ウレシノ、マサムネ、スバルが狼に喰われる。5人は喰われる直前まで鏡の外側にいるこころに助けを求め、狼が来た時に、こころの部屋の鏡は下の3分の1を残し、割れる。こころは中学校で唯一の友達・'''東条萌'''の家に急いで行き、『[[狼と七匹の子山羊|7匹の子山羊]]』の絵本{{Efn2|映画では原画のレプリカになっている。}}を借りて、孤城へ鏡から這って入る。そこから、1人ずつが見つけたバツ印をなぞり、それぞれの記憶の断片を見る{{Efn2|映画ではバツ印がまとめて宙に浮かび、一斉に他6人の記憶を見ている。}}。そしてそれぞれが違う時代を生きていたこと、自分が7匹目の子山羊だということを自覚し、大時計の中の「願いの鍵」を手で取り、みんなが戻ってくるように願い、戻ってきた他の5人と共に願いの部屋の中のアキを引っ張り出す{{Efn2|映画では大時計は天井の近くにあり、こころが叫んだことによって光の階段が現れ、それで願いの鍵を取る。}}。


そしてその後各自荷物まとめている間に、オオカミさまがリオンの死んだ姉・'''ミオ'''だということが判明する。皆がフルネームをえ、鏡から帰る中、リオンはオオカミさま感謝の言葉を伝え、自分だけは孤城で過ごした記憶を残して欲しいと頼む。オオカミさまは善処するといい、狼面を外し、リオンに微笑みかけると、リオンは鏡から元の時代へ戻った。
願いが叶い一同が現実世界に戻る支度る間に、オオカミさまがリオンの死んだ姉・ミオだということが判明する。皆がフルネームを合い、鏡をくぐって帰る中、リオンはオオカミさまである懐かしい姉に感謝と別れの言葉を伝え、孤城で過ごした記憶を残して欲しいと頼む。オオカミさまは善処するといい、狼面を外し、リオンに微笑みかけると、リオンは鏡から元の世界へ戻った。


現実世界の7人はパラレルワールドの住人ではなく、実はそれぞれ異なる年代に生まれていたのだ(詳細は[[#みんなの今|後述]])。先に生まれたアキは[[フリースクール]]のカウンセラーとなり、後に成長したこころたちに寄り添うことになる。
現代(リオンとこころの現在である2006年)に戻り、こころは学校へ行く決心をする。学校へ行くと、転校生である'''水守理音'''(リオン)に声をかけられる。一方時は少し遡り、子供育成支援教室の'''喜多嶋先生'''(成長したアキ)の記憶に戻る。喜多嶋は、初対面のこころに、大人になってと心の中で呼びかけながら鏡をふと見る。そこには、中学生時代の自分と目の前のこころが並んで座っているように映っていた。

2006年、孤城の記憶を失ったまま、新学年から学校へ通う決心をして登校したこころは、校門前で転校生である水守理音(リオン)に声をかけられ一緒に歩く。


== 登場人物 ==
== 登場人物 ==
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; こころ / 安西 こころ(あんざい こころ)
; こころ / 安西 こころ(あんざい こころ)
: 声 - [[花守ゆみり]]{{R|audiobook.jp}} / [[當真あみ]]{{R|cinemacafe80014}}
: 声 - [[花守ゆみり]]{{R|audiobook.jp}} / [[當真あみ]]{{R|cinemacafe80014}}
: 物語の[[主人公]]。中学1年生。おとなしく内気な性格でこれといった取り柄がなく、自分に自信が持てないでいた。物語序盤は[[いじめ]]に遭ったこともあり、物事を[[悲観主義|ネガティブ]]に考え、悩むことも多かったが、城のメンバーとの交流を経て徐々に変わっていく。4月、同じクラスの中心女子の真田美織を中心とするいじめに遭い、[[不登校]]になった。[[フリースクール]]に通うことを決心するものの、ストレス性の反応から初日の朝に腹痛を起こすが、理解のない母親には信じてもらえなかった{{R|tnp230203}}。そのまま部屋に閉じこもり、閉塞感と焦燥感を募らせていたところ、自室の鏡が光り、その向こうの城に招かれるが、恐怖のあまり初日は逃げ出した。物語終盤でピンチに陥った仲間を助けるために奮闘し、6人のうちある1人のメンバーを説得する。好きな食べ物は三色[[そぼろ]]御飯と母が作る皮から手作りの[[餃子]]。両親が共働きのため、お米は毎日研いでいる様子。恋愛が苦手で、ウレシノが自分に好意を寄せていると知った時には内心引いていた。
: 本作の[[主人公]]。中学1年生。おとなしく内気な性格でこれといった取り柄がなく、自分に自信が持てないでいた。物語序盤は[[いじめ]]に遭ったこともあり、物事を[[悲観主義|ネガティブ]]に考え、悩むことも多かったが、城のメンバーとの交流を経て徐々に変わっていく。4月、同じクラスの中心女子の真田美織を中心とするいじめに遭い、[[不登校]]になった。[[フリースクール]]に通うことを決心するものの、ストレス性の反応から初日の朝に腹痛を起こすが、理解のない母親には信じてもらえなかった{{R|tnp230203}}。そのまま部屋に閉じこもり、閉塞感と焦燥感を募らせていたところ、自室の鏡が光り、その向こうの城に招かれるが、恐怖のあまり初日は逃げ出した。物語終盤でピンチに陥った仲間を助けるために奮闘し、6人のうちある1人のメンバーを説得する。好きな食べ物は三色[[そぼろ]]御飯と母が作る皮から手作りの[[餃子]]。両親が共働きのため、お米は毎日研いでいる様子。恋愛が苦手で、ウレシノが自分に好意を寄せていると知った時には内心引いていた。
; リオン / 水守 理音(みずもり りおん)
: 声 - [[島﨑信長|島崎信長]]{{R|audiobook.jp}} / [[北村匠海]]{{R|ORICON0920}}([[矢島晶子]]〈少年時代〉{{R|natalie497423}})
: 中学1年生。芸能人並みのイケメンで明るく気さくで一癖あるこころたち城のメンバーにも平等に話しかけられるため、メンバーであることを不思議に思われている。穏やかで仲間思いな性格だが、怒らせると怖く、ウレシノがメンバーに暴言を吐いた際には「そんな言い方ないだろ」と咎めるなど、言うべきことはしっかり言う。趣味と特技はサッカー。本人は雪科第五中に通いたかったが、母親に厄介払いとしてハワイへ無理矢理[[留学]]させられており、日本人である城のメンバーと過ごす時間を大切に思っている。6歳の時に姉のミオを亡くしている。学校の関係で城には夕方からやってくる。メンバーにクリスマスパーティーの提案をし、母親が作ったケーキを持参した。城で過ごす中であることに気付くが、他のメンバーには言わずに胸に秘めている。中学2年生になった時に日本へ帰国し、雪科第五中に転校して、こころに真っ先に声をかける。
; アキ / 井上 晶子(いのうえ あきこ)
; アキ / 井上 晶子(いのうえ あきこ)
: 声 - [[伊藤かな恵]]{{R|audiobook.jp}} / [[吉柳咲良]]{{R|ORICON0920}}
: 声 - [[伊藤かな恵]]{{R|audiobook.jp}} / [[吉柳咲良]]{{R|ORICON0920}}
: 中学3年生。明るく、快活そうで、背が高い。気が強く、思ったことは遠慮なく口にするため、彼女の発言がもとで険悪ムードになることもある。また、突拍子もない行動に出た結果、メンバーが迷惑することもあるため、スバルは「問題児ってかんじだよぁ」と冗談交じりでつぶやいたこともある。しかし、メンバーのお姉さん的な存在で初対面のこころに真っ先に話しかけ、こころとフウカをお茶に誘い、紅茶と可愛いナプキンを用意するなど、女子らしい気遣いもできる一面もある。髪を染めたスバルに他のメンバーがドン引きしている中、彼と「学校の先生に怒られない?」などと平然と会話していた。
: 中学3年生。明るく、快活そうで、背が高い。気が強く、思ったことは遠慮なく口にするため、彼女の発言がもとで険悪ムードになることもある。また、突拍子もない行動に出た結果、メンバーが迷惑することもあるため、スバルは「問題児ってかんじだよぁ」と冗談交じりでつぶやいたこともある。しかし、メンバーのお姉さん的な存在で初対面のこころに真っ先に話しかけ、こころとフウカをお茶に誘い、紅茶と可愛いナプキンを用意するなど、女子らしい気遣いもできる一面もある。髪を染めたスバルに他のメンバーがドン引きしている中、彼と「学校の先生に怒られない?」などと平然と会話していた。
: だが、バスケットボール部で後輩に反省会などで半ば強制的に行動させていたため、後から陰口を言われるようになり、不登校になる。物語中盤、偶然学校の制服を着て城に現れ、このことがメンバーの共通点を知る重要な手がかりとなる。義父から[[性的暴行]]を受けそうにな{{R|tbsradio}}、5時を過ぎても城に残っていたため、こころ以外の5人と共に狼に喰われる。
: だが、バレーボール部で後輩に反省会などで半ば強制的に行動させていたため、後から陰口を言われるようになり、不登校になる。物語中盤、偶然学校の制服を着て城に現れ、このことがメンバーの共通点を知る重要な手がかりとなる。義父から[[性的暴行]]を受けそうになった{{R|tbsradio}}ことで帰宅を拒み、5時を過ぎても城に残っていたため、こころ以外の5人と共に狼に喰われる。
:; 喜多嶋先生 / 喜多嶋 晶子(きたじま あきこ)
:; 喜多嶋先生 / 喜多嶋 晶子(きたじま あきこ)
:: 声 - [[豊口めぐみ]]{{R|audiobook.jp}} / [[宮﨑あおい]]{{R|ORICON0920}}
:: 声 - [[豊口めぐみ]]{{R|audiobook.jp}} / [[宮﨑あおい]]{{R|ORICON0920}}
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; スバル / 長久 昴(ながひさ すばる)
; スバル / 長久 昴(ながひさ すばる)
: 声 - [[西山宏太朗]]{{R|audiobook.jp}} / [[板垣李光人]]{{R|ORICON0920}}
: 声 - [[西山宏太朗]]{{R|audiobook.jp}} / [[板垣李光人]]{{R|ORICON0920}}
: 中学3年生。背が高く、色白で[[雀卵斑|そばかす]]顔の男子。こころからは『[[ハリー・ポッターシリーズ|ハリー・ポッター]]』の[[ロン・ウィーズリー|ロン]]似の男子と称されている。紳士的で優しいが、物語中盤で髪を金髪にし、皆を驚かせる。両親と離れ、兄と共に祖父母の家で暮らしている。自身の名前をとても気に入っている。マサムネと仲が良く、彼が持ち込んだゲームでよく一緒に遊んでいる。最初のころ、ずっと城に来ていなかったこころを温かく迎え入れた。「[[イケメン]]」の意味がわからず、マサムネがリオンのことを陰で「イケメン」と言っていたのを聞いて悪口なのかと彼に尋ねていた。
: 中学3年生。背が高く、色白で[[雀卵斑|そばかす]]顔の男子。こころからは『[[ハリー・ポッターシリーズ|ハリー・ポッター]]』の[[ロン・ウィーズリー|ロン]]似の男子と称されている。現実世界の時系列では最年長。紳士的で優しいが、物語中盤で髪を金髪にし、皆を驚かせる。両親と離れ、兄と共に祖父母の家で暮らしている。父がつけてくれた自身の名前をとても気に入っている。マサムネと仲が良く、彼が持ち込んだゲームでよく一緒に遊んでいる。最初のころ、ずっと城に来ていなかったこころを温かく迎え入れた。「[[イケメン]]」の意味がわからず、マサムネがリオンのことを陰で「イケメン」と言っていたのを聞いて悪口なのかと彼に尋ねていた。
; マサムネ / 政宗 青澄(まさむね あーす)
; マサムネ / 政宗 青澄(まさむね あーす)
: 声 - [[小林裕介]]{{R|audiobook.jp}} / [[高山みなみ]]{{R|ORICON0920}}
: 声 - [[小林裕介]]{{R|audiobook.jp}} / [[高山みなみ]]{{R|ORICON0920}}
: 中学2年生。生意気で理屈っぽい性格で口が悪いため、他人と衝突しやすい。根っからのゲーム[[おたく]]で愛着心が人一倍強い。自身が持っているゲームの性能の良さをしょっちゅう自慢し、愛着心の強さゆえにゲームに対する理解がないメンバーや基礎知識に乏しいメンバーにあきれ、時には[[喧嘩|ケンカ]]になることもある。公立中学には通わせないという両親の方針もあり、中学校には通わずに学習塾に通っている。頭は良く、全国模試の順位はいいらしい。しかし、ゲーム作成者の友達などと嘘をつく機会が多くなり、学校でホラマサと呼ばれていじめられるようになったため、不登校になっている。物語中盤、バーに重要なお願いする。
: 中学2年生。生意気で理屈っぽい性格で口が悪いため、他人と衝突しやすい。根っからのゲーム[[おたく]]で愛着心が人一倍強い。自身が持っているゲームの性能の良さをしょっちゅう自慢し、愛着心の強さゆえにゲームに対する理解がないメンバーや基礎知識に乏しいメンバーにあきれ、時には[[喧嘩|ケンカ]]になることもある。公立中学には通わせないという両親の方針もあり、中学校には通わずに学習塾に通っている。頭は良く、全国模試の順位はいいらしい。しかし、ゲーム作成者の友達などと嘘をつく機会が多くなり、学校でホラマサと呼ばれていじめられるようになったため、不登校になっている。物語中盤、リオ以外のみんに1日だけでいいから学校で会うことをお願いする。
; フウカ / 長谷川 風歌(はせがわ ふうか)
; フウカ / 長谷川 風歌(はせがわ ふうか)
: 声 - [[大和田仁美]]{{R|audiobook.jp}} / [[横溝菜帆]]{{R|ORICON0920}}
: 声 - [[大和田仁美]]{{R|audiobook.jp}} / [[横溝菜帆]]{{R|ORICON0920}}
: 中学2年生。眼鏡をかけていて、[[声優]]のように声が高い。ピアノが上手で小さいころから習っていたが、[[コンクール]]でランキング圏外になるなど伸び悩んでいた。母親がピアノばかりに力を入れているため、学校に行っても勉強が追いつかず他の子と話も合わなくなるうえに、指使いの練習をよくしていることから、その仕草を真似されたり陰口を言われたりしたため、不登校になった。
: 中学2年生。眼鏡をかけていて、[[声優]]のように声が高い。ピアノが上手で小さいころから習っていたが、[[コンクール]]でランキング圏外になるなど伸び悩んでいた。母親がピアノばかりに力を入れているため、学校に行っても勉強が追いつかず他の子と話も合わなくなるうえに、指使いの練習をよくしていることから、その仕草を真似されたり陰口を言われたりしたため、不登校になった。
; リオン / 水守 理音(みずもり りおん)
: 声 - [[島﨑信長|島崎信長]]{{R|audiobook.jp}} / [[北村匠海]]{{R|ORICON0920}}([[矢島晶子]]〈少年時代〉{{R|natalie497423}})
: 中学1年生。芸能人並みのイケメンで明るく気さくで一癖あるこころたち城のメンバーにも平等に話しかけられるため、メンバーであることを不思議に思われている。穏やかで仲間思いな性格だが、怒らせると怖い。ウレシノがメンバーに暴言を吐いた際には「そんな言い方ないだろ」と咎めるなど、言うべきことはしっかり言う。趣味と特技はサッカー。ハワイへ[[留学]]しているが、本人は日本の公立中学へ行きたかったため、日本人である城のメンバーと過ごす時間を大切に思っている。6歳の時に姉のミオを亡くしている。学校の関係で城には夕方からやってくる。メンバーにクリスマスパーティーの提案をし、母親が作ったケーキを持参した。城で過ごす中であることに気付くが、他のメンバーには言わずに胸に秘めている。中学2年生になったときに日本へ帰国し、雪科第五中に転校して、こころに真っ先に声をかける。
; ウレシノ / 嬉野 遥(うれしの はるか)
; ウレシノ / 嬉野 遥(うれしの はるか)
: 声 - [[堀江瞬]]{{R|audiobook.jp}} / [[梶裕貴]]{{R|ORICON0920}}
: 声 - [[堀江瞬]]{{R|audiobook.jp}} / [[梶裕貴]]{{R|ORICON0920}}
: 中学1年生。小太りの男子。食べることが好きらしく、城に招かれて早々に食べ物はないかと気にしており、こころが林檎を持ってきた際には大喜びしている。恋愛気質で惚れっぽ、城に来て1週間ほどでアキに告白して振られた。その後、こころが林檎の皮をいていたことをきっかけに、恋愛対象はこころに移った。しまいにはウレシノがこころの部屋に行こうとしたところ、フウカが怒って止めたため、恋愛対象がフウカに移る。そのため、女子からは内心呆れられており、男子からはからかわれている。また、ずれた発言が多い。フウカの誕生日プレゼントには花束を渡した。からかわれたりバカにされたりすることが多く、本人は内心傷ついている。
: 中学1年生。小太りの男子。食べることが好きらしく、城に招かれて早々に食べ物はないかと気にしており、こころが林檎を持ってきた際には大喜びしている。恋愛気質で惚れっぽいが、自分に素直なだけであり、城に来て1週間ほどでアキに告白して振られた後、こころが林檎の皮をいていたことをきっかけに、恋愛対象はこころに移り、しまいにはウレシノがこころの部屋に行こうとしたところ、フウカが怒って止めたため、恋愛対象がフウカに移る。そのため、女子からは内心呆れられており、男子からはからかわれている。また、ずれた発言が多い。フウカの誕生日プレゼントには花束を渡した。からかわれたりバカにされたりすることが多く、本人は内心傷ついており、今まで溜め込んでた不満をぶちまけたこともあ。家は裕福らしく同級生に食事を奢るなどしているが、実際は金づる程度にしか思われていなかった
; オオカミさま
; オオカミさま
: 声 - [[東山奈央]]{{R|audiobook.jp}} / [[芦田愛菜]]{{R|natalie498660}}
: 声 - [[東山奈央]]{{R|audiobook.jp}} / [[芦田愛菜]]{{R|natalie498660}}
: [[オオカミ|狼]]の仮面をつけた少女。城の案内人。いつも人形が着るようなかわいいドレスを着ている。常に[[傲慢|尊大]]な口調で話し、城に招かれて早々に逃げ出したこころや帰ろうとしたスバルに説教するなど、上から目線の態度であるため、こころは内心「ずいぶん横柄なお世話係だ」と思った。こころたちに城でのルールや過ごし方などの説明をする。メンバーとは常に一緒にいるわけではないが、呼べばすぐに現れ、呼んでもいないのに突然現れることもある。意味深な発言でメンバーを翻弄している。ものは食べるらしく、クリスマスパーティーの際にリオンが持ってきたケーキを受け取り、「分けてもらえるなら持ち帰らせてもらおう」と言っていた。物語終盤、彼女の正体がリオンの死んだ姉・ミオであったことが判明する。
: [[オオカミ|狼]]の仮面をつけた少女。城の案内人。いつも人形が着るようなかわいいドレスを着ている。常に[[傲慢|尊大]]な口調で話し、城に招かれて早々に逃げ出したこころや帰ろうとしたスバルに説教するなど、上から目線の態度であるため、こころは内心「ずいぶん横柄なお世話係だ」と思った。こころたちに城でのルールや過ごし方などの説明をする。メンバーとは常に一緒にいるわけではないが、呼べばすぐに現れ、呼んでもいないのに突然現れることもある。意味深な発言でメンバーを翻弄している。ものは食べるらしく、クリスマスパーティーの際にリオンが持ってきたケーキを受け取り、「分けてもらえるなら持ち帰らせてもらおう」と言っていた。物語終盤、彼女の正体がリオンの死んだ姉・ミオであったことが判明する{{R|realsound_1568618}}
:; ミオ / 水守 実生(みずもり みお)
:; ミオ / 水守 実生(みずもり みお)
:: 声 - [[美山加恋]]{{R|natalie497423}}
:: 声 - [[美山加恋]]{{R|natalie497423}}
:: リオンの姉で、リオンが6歳の時に亡くなっているが、オオカミさまとして現れる。
:: リオンの姉リオンが6歳の時に亡くなっているが、オオカミさまとして現れる。病気がなければ雪科第五中に通うはずだった。命日は3月30日
; こころの母
; こころの母
: 声 - [[田澤茉純]]{{R|audiobook.jp}} / [[麻生久美子]]{{R|ORICON0920}}
: 声 - [[田澤茉純]]{{R|audiobook.jp}} / [[麻生久美子]]{{R|ORICON0920}}
: こころの本心が分からず悩みながらも、フリースクールの先生の支えも得ながら温かく寄り添い、理解者になっていく{{R|tnp230203}}。
: こころの本心が分からず悩みながらも、フリースクールの先生の支えも得ながら温かく寄り添い、理解者になっていく{{R|tnp230203}}。舞台版では名前が「望美(のぞみ)」になっている
; 伊田(いだ)先生
; 伊田(いだ)先生
: 声 - [[髙木朋弥]]{{R|audiobook.jp}} / [[藤森慎吾]]{{R|natalie500308}}
: 声 - [[髙木朋弥]]{{R|audiobook.jp}} / [[藤森慎吾]]{{R|natalie500308}}
: こころの[[学級担任|担任教師]]。生徒思いに見えるが実際は事なかれ主義者でこころのいじめに対する理解もなく当事者同士の話し合いを優先して真剣に向き合っていない。
: こころの[[学級担任|担任教師]]。
; 養護の先生
; 養護の先生
: 声 - [[滝沢カレン]]{{R|natalie500308}}
: 声 - [[滝沢カレン]]{{R|natalie500308}}
; 東条 萌(とうじょう もえ)
; 東条 萌(とうじょう もえ)
: 声 - [[千本木彩花]]{{R|audiobook.jp}} / [[池端杏慈]]{{R|natalie497423}}
: 声 - [[千本木彩花]]{{R|audiobook.jp}} / [[池端杏慈]]{{R|natalie497423}}
: こころの中学校での唯一の友達。こころ以外の6人が狼に喰われた際、『[[狼と七匹の子山羊|7匹の子山羊]]』の絵本をこころに貸す。
: こころの中学校での唯一の友達。父親が大学で児童文学を教えているため、転校が多い。こころと和解した後にこころ以外の6人が狼に喰われた際、『[[狼と七匹の子山羊|7匹の子山羊]]』の絵本{{Efn2|映画では原画のレプリカになっている。}}をこころに貸す。
; 真田 美織(さなだ みおり)
; 真田 美織(さなだ みおり)
: 声 - [[幸村恵理]]{{R|audiobook.jp}} / 吉村文香{{R|natalie497423}}
: 声 - [[幸村恵理]]{{R|audiobook.jp}} / 吉村文香{{R|natalie497423}}
: こころの同級生、他の生徒と共にこころをいじめ
: こころの同級生。表向きは明るく社交的だが本心は自己中心的かつ傍若無人な性格で他の女子生徒と共にこころを一方的にいじめて不登校に追い込んだ張本人
; こころの父
; こころの父
: 声 - [[亀山雄慈]]{{R|audiobook.jp}} / [[比嘉良介]]
: 声 - [[亀山雄慈]]{{R|audiobook.jp}} / [[比嘉良介]]
120行目: 128行目:
: 声 - [[喜多田悠]]{{R|audiobook.jp}}
: 声 - [[喜多田悠]]{{R|audiobook.jp}}
; フウカの母
; フウカの母
: 声 - 瀬戸歩{{R|audiobook.jp}} / [[酒井玲]]<ref name="inspion">{{Cite web|url=https://inspion.co.jp/agc/門馬勝貴、優希麻梨子、酒井玲|劇場アニメ「か/|title=門馬勝貴、優希麻梨子、酒井玲|劇場アニメ「かがみの狐城」|publisher=[[INSPIONエージェンシー|INSPION AGENCY]]|date=2023-01|accessdate=2023-02-13}}</ref>
: 声 - 瀬戸歩{{R|audiobook.jp}} / [[酒井玲]]<ref name="inspion">{{Cite web|和書|url=https://inspion.co.jp/agc/門馬勝貴、優希麻梨子、酒井玲|劇場アニメ「か/|title=門馬勝貴、優希麻梨子、酒井玲|劇場アニメ「かがみの狐城」|publisher=[[INSPIONエージェンシー|INSPION AGENCY]]|date=2023-01|accessdate=2023-02-13}}</ref>
; アキの義父
; アキの義父
: 声 - [[団長安田]]
: 声 - [[団長安田]]
136行目: 144行目:
: 声 - [[河邑ミク]]
: 声 - [[河邑ミク]]
; 喜多嶋の同僚
; 喜多嶋の同僚
: 声 - [[岩田絵里奈]]([[日本テレビ放送網|日本テレビ]][[アナウンサー]])
: 声 - [[岩田絵里奈]]
; 池田 仲太(いけだ ちゅうた)
; 池田 仲太(いけだ ちゅうた)
: 声 - 佐竹祐哉
: 声 - 佐竹祐哉
: こころが小学生の時の同級生で、小学6年生の時はこころと友達だった。真田美織の[[恋人]]。
: こころが小学生の時の同級生で、小学6年生の時はこころと友達だった。真田美織の[[恋人]](後に破局した模様)
; 鮫島先生 / 鮫島 百合子(さめじま ゆりこ)
; 鮫島先生 / 鮫島 百合子(さめじま ゆりこ)
: 声 - 進藤亜由美{{R|audiobook.jp}}
: 声 - 進藤亜由美{{R|audiobook.jp}}

=== みんなの今 ===
孤城に招かれた7人が実際に生活していた年代(城が閉じた時点)と中学校での学年は以下の通りである。なお、年代が7年ごとずれているのに1999年の生徒がいないのは、オオカミさまの正体であるミオの命日が同年3月30日だからである。

{|class="sortable wikitable" style="font-size:small"
|+みんなの今
!略称!!年代!!学年
|-
| スバル || 1985年 ||rowspan="2"|3年
|-
| アキ || 1992年
|-
| こころ ||rowspan="2"|2006年 ||rowspan="2"|1年
|-
| リオン
|-
| マサムネ || 2013年 ||rowspan="2"|2年
|-
| フウカ || 2020年
|-
| ウレシノ || 2027年 || 1年
|}


== 書誌情報 ==
== 書誌情報 ==
157行目: 187行目:


=== 漫画 ===
=== 漫画 ===
* 辻村深月(原作) / 武富智(作画) 『かがみの孤城』 [[集英社]]〈[[ヤングジャンプコミックス]]〉、全5巻
* 辻村深月(原作) / 武富智(作画) 『かがみの孤城』 [[集英社]]〈[[ヤングジャンプ コミックス]]〉、全5巻
*# 2019年12月19日発売<ref>{{Cite web |url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891450-3 |title=かがみの孤城 1 |publisher=集英社 |accessdate=2021-03-19}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-891450-3}}
*# 2019年12月19日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891450-3 |title=かがみの孤城 1 |publisher=集英社 |accessdate=2021-03-19}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-891450-3}}
*# 2020年7月17日発売<ref>{{Cite web |url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891612-5 |title=かがみの孤城 2 |publisher=集英社 |accessdate=2021-03-19}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-891612-5}}
*# 2020年7月17日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891612-5 |title=かがみの孤城 2 |publisher=集英社 |accessdate=2021-03-19}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-891612-5}}
*# 2021年2月19日発売<ref>{{Cite web |url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891782-5 |title=かがみの孤城 3 |publisher=集英社 |accessdate=2021-03-19}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-891782-5}}
*# 2021年2月19日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-891782-5 |title=かがみの孤城 3 |publisher=集英社 |accessdate=2021-03-19}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-891782-5}}
*# 2021年9月17日発売<ref>{{Cite web |url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-892101-3 |title=かがみの孤城 4 |publisher=集英社 |accessdate=2021-09-17}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-892101-3}}
*# 2021年9月17日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-892101-3 |title=かがみの孤城 4 |publisher=集英社 |accessdate=2021-09-17}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-892101-3}}
*# 2022年5月18日発売<ref>{{Cite web |url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-892305-5 |title=かがみの孤城 5 |publisher=集英社 |accessdate=2022-05-18}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-892305-5}}
*# 2022年5月18日発売<ref>{{Cite web|和書|url=https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-892305-5 |title=かがみの孤城 5 |publisher=集英社 |accessdate=2022-05-18}}</ref>、{{ISBN2|978-4-08-892305-5}}

== オーディオブック ==
2019年11月20日に[[オーディオブック]]配信サービス「[[audiobook.jp]]」から配信開始{{R|audiobook.jp}}。「audiobook.jp」を運営する[[オトバンク]]が2019年12月に[[Siri]]での読み上げに対応したのを記念しユーザーに「年末年始に聴きたいオーディオブックランキングベスト3」を聞いたところ、本作が1位に選ばれている<ref>{{Cite web|和書|title=audiobook、「Hey Siri」で本の読み上げが可能|url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1226989.html|website=[[Impress Watch|AV Watch]]|publisher=[[インプレス]]|author=中林暁|date=2019-12-26|accessdate=2021-04-18}}</ref>。


== 受賞 ==
== 受賞 ==
本作は、2018年第15回[[本屋大賞]]を受賞した他複数の賞受賞ている<ref name=":2">{{Cite news|title=本屋大辻村深月さん「かがみの孤城」|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29218380Q8A410C1CR8000/|newspaper=[[日本経済聞|日経新聞]]|publisher=[[日本経済新聞|日経新聞社]]|date=2018-04-10|accessdate=2020-10-28}}</ref>。
本作は、2018年第15回[[本屋大賞]]を受賞するなど9冠達成<ref name="prtimes_000000379.000031579">{{Cite press release|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000379.000031579.html|title=【W受で堂々9冠!】辻村深月かがみの孤城』BOOK OF THE YEAR2021文庫部門1位獲得! 児童文庫版のビジュアルも公開!|publisher=ポプラ社|date=2021-12-06|accessdate=2024-07-30}}</ref>他、複数の賞を受賞している
{|class="wikitable"
{|class="sortable wikitable" style="font-size:small"
|+辻村深月の『かがみの孤城』受賞歴
|+辻村深月の『かがみの孤城』受賞歴
!年
!年
!賞の名前
!賞の名前
!順位
!順位
!出典
!参照サイト等
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|2017年
|rowspan="5"|2017年
|2017年啓文堂書店文芸書大賞
|2017年啓文堂書店文芸書大賞
|大賞
|'''大賞'''
|rowspan="2"|{{R|prtimes_000000379.000031579}}
|<ref>{{Cite web|title=2017年 文芸書大賞が決まりました|url=http://www.keibundo.co.jp/award/prize/detail/2017_9.html|publisher=[[京王書籍販売|啓文堂書店]]|accessdate=2022-10-25|archiveurl=https://web.archive.org/web/20190407140526/http://www.keibundo.co.jp/award/prize/detail/2017_9.html|archivedate=2019-04-07 }}</ref>
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|『[[ダ・ヴィンチ (雑誌)|ダ・ヴィンチ]]』BOOK OF THE YEAR2017(小説部門)
|2017年
|'''1位'''
|雑誌『[[ダ・ヴィンチ (雑誌)|ダ・ヴィンチ]]』のBOOK OF THE YEAR特集・小説ランキング部門
|1位
|<ref>{{Cite web|title=高橋一生が表紙に!『ダ・ヴィンチ』「BOOK OF THE YEAR2017」発表! 小説部門1位は『かがみの孤城』に決定! 『3月のライオン』羽海野チカが三冠!|url=https://ddnavi.com/news/420122/a/|website=[[ダ・ヴィンチ (雑誌)|ダ・ヴィンチ]]Web|publisher=[[KADOKAWA]]|date=2017-12-05|accessdate=2022-10-25}}</ref>
|-
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|[[このミステリーがすごい!#2018年|このミステリーがすごい!2018年]]国内賞
|2017年
|[[このミステリーがすごい!|このミステリーがすごい!]]2018年国内賞
|8位
|8位
|<ref>{{Cite web|title=2018年本屋大賞受賞『かがみの孤城』がベストセラーランキング1位|url=https://www.bookbang.jp/article/551286|website=Book Bang -ブックバン-|date=2018-04-21|accessdate=2020-10-28}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://books.rakuten.co.jp/e-book/article/published/5a20abc0076bae7866615c1d.html|title=【国内編】読書のプロが選んだ「このミステリーがすごい!2018年版」(宝島社)発表!|accessdate=2020-10-28|website=楽天Kobo電子書籍ストア}}</ref>
|<ref>{{Cite web|和書|title=2018年本屋大賞受賞『かがみの孤城』がベストセラーランキング1位|url=https://www.bookbang.jp/article/551286|website=Book Bang -ブックバン-|date=2018-04-21|accessdate=2020-10-28}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://books.rakuten.co.jp/e-book/article/published/5a20abc0076bae7866615c1d.html|title=【国内編】読書のプロが選んだ「このミステリーがすごい!2018年版」(宝島社)発表!|accessdate=2020-10-28|website=楽天Kobo電子書籍ストア}}</ref>
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|『[[王様のブランチ]]』の「ブランチBOOK大賞2017」
|2017年
|'''大賞'''
|TBS系列『[[王様のブランチ]]』の「ブランチBOOK大賞2017」
|{{R|prtimes_000000379.000031579}}
|大賞
|<ref>{{Cite web|title=王様のブランチ|url=http://www.tbs.co.jp/brunch/|publisher=[[TBSテレビ]]|accessdate=2020-10-28}}</ref><ref>{{Cite web|title=TBS系列『王様のブランチ』「ブランチブック大賞2017」を『かがみの孤城』が受賞しました!|url=https://www.poplar.co.jp/topics/43716.html|publisher=ポプラ社|accessdate=2020-10-28}}</ref>
|-
|-
|[[キノベス!#第15回 2018年|キノベス!第15回 2018年]]
|2017年
|[[キノベス!|キノベス!]]2018
|4位
|4位
|<ref>{{Cite web|url= https://www.kinokuniya.co.jp/c/kinobest2018/|title= 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする 「キノベス!2018」|publisher=[[紀伊國屋書店]]|accessdate=2022-10-25}}</ref>
|<ref>{{Cite web|和書|url= https://www.kinokuniya.co.jp/c/kinobest2018/|title= 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめする 「キノベス!2018」|publisher=[[紀伊國屋書店]]|accessdate=2022-10-25}}</ref>
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|-
|2018年
|rowspan="5"|2018年
|第11回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)
|第11回神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)
|大賞
|'''大賞'''
|rowspan="6"|{{R|prtimes_000000379.000031579}}
|<ref>{{Cite web|title= 神奈川学校図書館員大賞(KO本)|url=https://kastanet.pen-kanagawa.ed.jp/topics/kobon_11kai.html|website=神奈川県学校図書館員研究会公式ホームページ |accessdate=2022-10-25 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20201031113819/https://kastanet.pen-kanagawa.ed.jp/topics/kobon_11kai.html |archivedate= 2020-10-31 }}</ref>
|-
|-
|埼玉の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017
|2018年
|'''1位'''
|埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017
|1位
|<ref>{{Cite web|title=イチオシ本 2017 |url=https://shelf2011.net/htdocs/?page_id=185 |website=埼玉県高校図書館フェスティバル|accessdate=2022-10-25 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20190407140523/https://shelf2011.net/htdocs/?page_id=185 |archivedate= 2019-04-07 }}</ref>
|-
|-
|2018年
|熊本県学校図書館大賞2017
|熊本県学校図書館大賞2017
|大賞
|'''大賞'''
|<ref>{{Cite web|title=「学校図書館大賞2017」決定!|url=https://ws.higo.ed.jp/kmtcts/blogs/blog_entries/view/41/8832a119f1963945b6c53c11d81316c4?frame_id=72|publisher=熊本県高等学校教育研究会図書館部会|date=2018-02-26|accessdate=2020-10-28}}</ref>
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|-
|2018年
|第15回本屋大賞
|第15回本屋大賞
|1位
|'''1位'''
|{{R|:2}}
|-
|-
|第6回[[ブクログ#ブクログ大賞|ブクログ大賞]](小説部門)
|2018年
|'''大賞'''
|第6回[[ブクログ#ブクログ大賞|ブクログ大賞]]・小説部門
|-
|大賞
|2021年
|<ref>{{Cite web|title=第6回ブクログ大賞[2018]|url=https://booklog.jp/award/2018|publisher=ブクログ|accessdate=2020-10-28}}</ref>
|『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR2021(文庫部門)
|'''1位'''
|-
|2023年
|オーディオブック大賞2023文芸部門
|準大賞
|{{R|realsound_1473163}}
|}
|}

== オーディオブック ==
2019年11月20日に[[オーディオブック]]配信サービス『[[audiobook.jp]]』から配信開始{{R|audiobook.jp}}。audiobook.jpは2019年12月に[[Siri]]での読み上げに対応したのを記念しユーザーに「年末年始に聴きたいオーディオブックランキングベスト3」を聞いたところ、本作が1位に選ばれている<ref>{{Cite web|title=audiobook、「Hey Siri」で本の読み上げが可能|url=https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1226989.html|website=[[Impress Watch|AV Watch]]|publisher=[[インプレス]]|author=中林暁|date=2019-12-26|accessdate=2021-04-18}}</ref>。


== 舞台 ==
== 舞台 ==
2020年、本作を原作とした舞台が公演された<ref>{{Cite web|url=https://enterstage.jp/news/2020/08/015253.html|title=『かがみの孤城』開幕!生駒里奈、劇場を味方につけ繊細な“こころ”を舞台上に解き放つ|website=エンタ・ステージ|publisher=ナノ・アソシエーション|date=2020-08-29|accessdate=2022-04-22}}</ref>。2022年に『辻村深月シアター』として、著者の同じ『[[ぼくのメジャースプーン]]』と共に舞台化された<ref>{{Cite web|url=https://spice.eplus.jp/articles/301031|title=辻村深月シアター 舞台『かがみの孤城』『ぼくのメジャースプーン』キービジュアルが公開 コメントも到着|website=SPICE|publisher=[[イープラス|e+]]|date=2022-04-01|accessdate=2022-04-22}}</ref>。脚本・演出は[[成井豊]]、企画・製作・主催は[[ナッポスユナイテッド]]。音楽は[[For Tracy Hyde]]<ref>{{Cite web|title=舞台「かがみの孤城」音楽リスト|url=https://napposunited.com/news/2020/0908-862|website=株式会社ナッポスユナイテッド|access-date=2022-09-01}}</ref>。
2020年、本作を原作とした舞台が公演された<ref name="enterstage_015253">{{Cite web|和書|url=https://enterstage.jp/news/2020/08/015253.html|title=『かがみの孤城』開幕!生駒里奈、劇場を味方につけ繊細な“こころ”を舞台上に解き放つ|website=エンタ・ステージ|publisher=ナノ・アソシエーション|date=2020-08-29|accessdate=2022-04-22}}</ref>。2022年に『辻村深月シアター』として、著者の同じ『[[ぼくのメジャースプーン]]』と共に舞台化された<ref>{{Cite web|和書|url=https://spice.eplus.jp/articles/301031|title=辻村深月シアター 舞台『かがみの孤城』『ぼくのメジャースプーン』キービジュアルが公開 コメントも到着|website=SPICE|publisher=[[イープラス|e+]]|date=2022-04-01|accessdate=2022-04-22}}</ref>。脚本・演出は[[成井豊]]、企画・製作・主催は[[ナッポスユナイテッド]]。音楽は[[For Tracy Hyde]]<ref>{{Cite web|和書|title=舞台「かがみの孤城」音楽リスト|url=https://napposunited.com/news/2020/0908-862|website=株式会社ナッポスユナイテッド|access-date=2022-09-01}}</ref>。


=== 2020年版 ===
=== 2020年版 ===
236行目: 262行目:
:* 【愛知】2020年9月22日、[[刈谷市総合文化センター|刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール]]
:* 【愛知】2020年9月22日、[[刈谷市総合文化センター|刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール]]
;出演者
;出演者
:* [[生駒里奈]]
:* 安西こころ - [[生駒里奈]]
:* [[溝口琢矢]]
:* リオン - [[溝口琢矢]]
:* 野田裕貴([[梅棒]])
:* スバル - 野田裕貴([[梅棒]])
:* マサムネ - [[山本沙羅 (女優)|山本沙羅]]{{Efn2|当初は[[木津つばさ]]が演じる予定であったが[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス]]に感染したため降板となる{{R|enterstage_015253}}。}}
:* [[山本沙羅 (女優)|山本沙羅]]
:* [[前田航基]]
:* ウレシノ - [[前田航基]]
:* [[原田樹里]]
:* 喜多嶋先生 - [[原田樹里]]
:* [[河内美里]]
:* フウカ - [[河内美里]]
:* [[渡邊安理]]
:* 安西望美 - [[渡邊安理]]
:* [[多田直人]]
:* 伊田先生 - [[多田直人]]
:* [[木村玲衣]]
:* 東条萌 - [[木村玲衣]]
:* [[石森美咲]]
:* ミオ - [[石森美咲]]
:* 稲田ひかる
:* アキ - 稲田ひかる
:* [[澤田美紀]]
:* 真田美織 - [[澤田美紀]]


=== 2022年版 ===
=== 2022年版 ===
;公演日程
;公演日程
:* 【東京】2022年5月26日 - 29日、[[サンシャイン劇場]](『ぼくのメジャースプーン』は5月25日 - 28日)
:* 【東京】2022年5月26日 - 29日、[[サンシャイン劇場]](『ぼくのメジャースプーン』は5月25日 - 28日)
:** 当初は2022年5月21日からの予定だったが、公演関係者から[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス]]の陽性反応が確認され日程が変更された<ref>{{Cite web|url=https://natalie.mu/stage/news/479177|title=「感無量です」成井豊が感慨、「辻村深月シアター」開幕|website=ステージナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-05-27|accessdate=2022-06-17}}</ref>。
:** 当初は2022年5月21日からの予定だったが、公演関係者から[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス]]の陽性反応が確認され日程が変更された<ref>{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/stage/news/479177|title=「感無量です」成井豊が感慨、「辻村深月シアター」開幕|website=ステージナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-05-27|accessdate=2022-06-17}}</ref>。
:* 【新潟】2022年6月4日、[[新潟市民芸術文化会館|りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館]]
:* 【新潟】2022年6月4日、[[新潟市民芸術文化会館|りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館]]
;出演者
;出演者
:* [[田野優花]]
:* こころ - [[田野優花]]
:* [[池岡亮介]]
:* リオン - [[池岡亮介]]
:* [[原田樹里]]([[演劇集団キャラメルボックス|キャラメルボックス]])
:* 喜多嶋先生 - [[原田樹里]]([[演劇集団キャラメルボックス|キャラメルボックス]])
:* [[野田裕貴]]([[梅棒]])
:* スバル - [[野田裕貴]]([[梅棒]])
:* [[相楽伊織]]
:* フウカ - [[相楽伊織]]
:* 稲田ひかる
:* アキ - 稲田ひかる
:* [[田中亨]]
:* マサムネ - [[田中亨]]
:* 松崎浩太郎
:* ウレシノ - 松崎浩太郎
:* [[石森美咲]](キャラメルボックス)
:* ミオ - [[石森美咲]](キャラメルボックス)
:* [[森めぐみ]](キャラメルボックス)
:* 望美 - [[森めぐみ]](キャラメルボックス)
:* 和田みなみ
:* 東条萌 - 和田みなみ
:* [[澤田美紀]](イッツフォーリーズ)
:* 真田美織 - [[澤田美紀]]([[ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズ|イッツフォーリーズ]]
:* [[岡田達也]](キャラメルボックス)
:* 伊田先生 - [[岡田達也]](キャラメルボックス)


== 劇場アニメ ==
== 劇場アニメ ==
282行目: 308行目:
| 製作総指揮 =
| 製作総指揮 =
| ナレーター =
| ナレーター =
| 出演者 = [[當真あみ]]<br>[[北村匠海]]<br>[[吉柳咲良]]<br>[[板垣李光人]]<br>[[横溝菜帆]]<br>[[高山みなみ]]<br>[[梶裕貴]]<br>[[麻生久美子]]<br>[[宮﨑あおい]]<br>[[芦田愛菜]]<br>[[藤森慎吾]]<br>[[滝沢カレン]]<br>[[矢島晶子]]<br>[[美山加恋]]<br>[[池端杏慈]]<br>吉村文香<br>[[比嘉良介]]<br>[[水神のりこ]]<br>[[酒井玲]]<br>[[団長安田]]<br>[[有賀由樹子]]<br>[[野川雅史]]<br>優希麻梨子<br>門馬勝貴<br>[[キンタロー]]<br>[[河邑ミク]]<br>[[岩田絵里奈]]<br>佐竹祐哉
| 出演者 = [[當真あみ]]<br>[[北村匠海]]<br>[[吉柳咲良]]<br>[[板垣李光人]]<br>[[横溝菜帆]]<br>[[高山みなみ]]<br>[[梶裕貴]]<br>[[宮﨑あおい]]<br>[[芦田愛菜]]
| 音楽 = [[富貴晴美]]
| 音楽 = [[富貴晴美]]
| 主題歌 = [[優里]]「メリーゴーランド」
| 主題歌 = [[優里]]「[[メリーゴーランド (優里の曲)|メリーゴーランド]]
| 撮影 = 青嶋俊明<br />宮脇洋平
| 撮影 = 青嶋俊明<br />宮脇洋平
| 編集 = [[西山茂 (編集技師)|西山茂]]
| 編集 = [[西山茂 (編集技師)|西山茂]]
295行目: 321行目:
| 言語 = [[日本語]]
| 言語 = [[日本語]]
| 製作費 =
| 製作費 =
| 興行収入 = 10.9億円<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.eiren.org/toukei/img/eiren_kosyu/data_2023.pdf|title=2023年(令和5年)興行収入10億円以上番組|accessdate=2024-02-02|date=2024-01-30|format=PDF|publisher=[[日本映画製作者連盟]]}}</ref>
| 興行収入 =
| 配給収入 =
| 配給収入 =
| 前作 =
| 前作 =
| 次作 =
| 次作 =
}}
}}
[[2022年]][[12月23日]]に公開{{R|cinemacafe80014}}。監督は『[[クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲]]』『[[河童のクゥと夏休み]]』などの[[原恵一]]{{R|eiga.com20220721}}、脚本は『[[百日紅 〜Miss HOKUSAI〜]]』などの[[丸尾みほ]]{{R|cinemacafe80014}}、キャラクターデザインと総作画監督は『[[劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人]]』などの[[佐々木啓悟]]{{R|cinemacafe80014}}、ビジュアルコンセプトと孤城デザインは『[[攻殻機動隊 SAC_2045]]』などの[[イリヤ・クブシノブ]]{{R|cinemacafe80014}}、音楽は『[[そして、バトンは渡された]]』などの[[富貴晴美]]が務め{{R|cinemacafe80014}}、制作は『[[あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。]]』『[[心が叫びたがってるんだ。]]』などの[[A-1 Pictures]]が手がけた{{R|eiga.com20220721}}。キャッチコピーは「君を、ひとりにはしない。」「きっと、“人生の宝物”になる。」。
[[2022年]][[12月23日]]に公開{{R|cinemacafe80014}}。監督は『[[クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲]]』『[[河童のクゥと夏休み]]』などの[[原恵一]]{{R|eiga.com20220721}}、脚本は『[[百日紅 〜Miss HOKUSAI〜]]』などの[[丸尾みほ]]{{R|cinemacafe80014}}、キャラクターデザインと総作画監督は『[[劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人]]』などの[[佐々木啓悟]]{{R|cinemacafe80014}}、ビジュアルコンセプトと孤城デザインは『[[攻殻機動隊 SAC_2045]]』などの[[イリヤ・クブシノブ]]{{R|cinemacafe80014}}、音楽は『[[そして、バトンは渡された#映画|そして、バトンは渡された]]』などの[[富貴晴美]]が務め{{R|cinemacafe80014}}、制作は『[[あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。]]』『[[心が叫びたがってるんだ。]]』などの[[A-1 Pictures]]が手がけた{{R|eiga.com20220721}}。[[キャッチコピー]]は「君を、ひとりにはしない。」「きっと、“人生の宝物”になる。」。


第52回[[ロッテルダム国際映画祭]]のLimelight部門に邦画アニメで史上初の正式出品となり、現地時間[[2023年]]2月2日に上映された<ref>{{Cite web|title=映画『かがみの孤城』邦画アニメ初快挙、ロッテルダム国際映画祭正式出品&原監督登壇|url=https://www.crank-in.net/news/122138/1|website=クランクイン!|publisher=[[ブロードメディア]]|page=1|access-date=2023-02-05|date=2023-02-04}}</ref>。
第52回[[ロッテルダム国際映画祭]]のLimelight部門に邦画アニメで史上初の正式出品となり、現地時間[[2023年]]2月2日に上映された<ref name="crank-in_122138">{{Cite web|和書|title=映画『かがみの孤城』邦画アニメ初快挙、ロッテルダム国際映画祭正式出品&原監督登壇|url=https://www.crank-in.net/news/122138/1|website=クランクイン!|publisher=[[ブロードメディア]]|page=1|access-date=2023-02-05|date=2023-02-04}}</ref>。

[[第46回日本アカデミー賞]][[日本アカデミー賞アニメーション作品賞|優秀アニメーション作品賞]]を受賞<ref name="realsound_1276852">{{Cite web|和書|url=https://realsound.jp/movie/2023/03/post-1276852.html|title=大ヒット作が並ぶ第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞 5作品を振り返る|website=[[リアルサウンド|Real Sound]]映画部|publisher=株式会社blueprint|author=のざわよしのり|date=2023-03-10|accessdate=2024-01-31}}</ref>。


=== 製作 ===
=== 製作 ===
{{節スタブ|date=2023年1月5日 (木) 09:09 (UTC)}}
{{節スタブ|date=2023年1月5日 (木) 09:09 (UTC)}}
原の実写初監督作品『[[はじまりのみち]]』のプロデューサーでもあった松竹の[[新垣弘隆]]が、本作のアニメ映画化を原に打診{{R|interview}}。原は、同じく中学生を主人公とした『[[カラフル (2010年の映画)|カラフル]]』を以前に手がけたこともあり、オファーを受けるか迷い、旧知の仲であった[[プロダクション・アイジー|Production I.G]]の[[石川光久]]に相談したところ、「絶対にやったほうがいい」という後押しを受けて、オファーを受諾した<ref name="interview">{{Cite interview|和書|subject=原恵一|subjectlink=原恵一|title=『かがみの孤城』原恵一監督インタビュー 「居場所がないのは当たり前」と教えてあげたい|work=CINEMAS+|publisher=[[ギークピクチュアズ]]|url=https://cinema.ne.jp/article/detail/50681/|interviewer=ヒナタカ|access-date=2023-01-05|date=2022-12-22}}</ref><ref name=":3">劇場用プログラム 原恵一インタビューより</ref>。
原の実写初監督作品『[[はじまりのみち]]』のプロデューサーでもあった[[松竹]]の[[新垣弘隆]]が、本作の[[アニメーション映画|アニメ映画]]化を原に打診{{R|interview}}。原は、同じく中学生を主人公とした『[[カラフル (2010年の映画)|カラフル]]』を以前に手がけたこともあり、オファーを受けるか迷い、旧知の仲であった[[プロダクション・アイジー|Production I.G]]の[[石川光久]]に相談したところ、「絶対にやったほうがいい」という後押しを受けて、オファーを受諾した<ref name="interview">{{Cite interview|和書|subject=原恵一|subjectlink=原恵一|title=『かがみの孤城』原恵一監督インタビュー 「居場所がないのは当たり前」と教えてあげたい|work=CINEMAS+|publisher=[[ギークピクチュアズ]]|url=https://cinema.ne.jp/article/detail/50681/|interviewer=ヒナタカ|access-date=2023-01-05|date=2022-12-22}}</ref><ref name=":3">劇場版パンフレット 原恵一インタビューより</ref>。


原作は文庫本で上下巻に分かれるほどボリュームがあるが、原作の良さを引き出しつつ、映画の尺に収めるため、主人公こころの心情を中心に描き、悩める少女がヒロインになっていく物語として脚本をまとめ上げた{{R|interview|:3}}<ref name="interview2">{{Cite interview|和書|subject=原恵一|title=映画『かがみの孤城』邦画アニメ初快挙、ロッテルダム国際映画祭正式出品&原監督登壇|url=https://www.crank-in.net/news/122138/2|work=クランクイン!|publisher=ブロードメディア|page=2|access-date=2023-02-06|date=2023-02-04}}</ref>。一方で、[[高山みなみ]]が声優を務めるマサムネが[[名探偵コナン]]{{Efn2|出典中では「某名探偵」とのみ表記{{R|interview2}}。}}の「真実はいつも一つ!」という決め台詞を発するというパロディを盛り込み{{R|interview2}}、また、このパロディの台詞に対する他のキャラの返答や作中に登場するオルゴールが伏線になっているなど、映画オリジナルの演出も取り入れられている<ref>{{Cite web|title=『かがみの孤城』監督のオリジナル演出が光る“謎を解く鍵”とは?|url=https://www.cinemacafe.net/article/2022/12/31/82766.html|website=cinemacafe.net|publisher=イード|access-date=2023-01-12|date=2022-12-31}}</ref>。
原作は文庫本で上下巻に分かれるほどボリュームがあるが、原作の良さを引き出しつつ、映画の尺に収めるため、主人公こころの心情を中心に描き、悩める少女がヒロインになっていく物語として脚本をまとめ上げた{{R|interview|:3}}<ref name="interview2">{{Cite interview|和書|subject=原恵一|title=映画『かがみの孤城』邦画アニメ初快挙、ロッテルダム国際映画祭正式出品&原監督登壇|url=https://www.crank-in.net/news/122138/2|work=クランクイン!|publisher=ブロードメディア|page=2|access-date=2023-02-06|date=2023-02-04}}</ref>。一方で、[[高山みなみ]]が声優を務めるマサムネが[[江戸川コナン]]{{Efn2|出典中では「某名探偵」とのみ表記{{R|interview2}}。}}の「真実はいつも一つ!」という決め台詞{{Efn2|『[[名探偵コナン]]』での表記は「真実はいつもひとつ!!」である<ref>{{Cite web|和書|title=連載作品 名探偵コナン|url=https://websunday.net/work/720/|website=少年サンデー公式サイト WEBサンデー|publisher=[[小学館]]|accessdate=2023-08-05}}</ref>。}}を発するという[[パロディ]]を盛り込み{{R|interview2}}、また、このパロディの台詞に対する他のキャラの返答や作中に登場する[[オルゴール]]が伏線になっているなど、映画オリジナルの演出も取り入れられている<ref>{{Cite web|和書|title=『かがみの孤城』監督のオリジナル演出が光る“謎を解く鍵”とは?|url=https://www.cinemacafe.net/article/2022/12/31/82766.html|website=cinemacafe.net|publisher=イード|access-date=2023-01-12|date=2022-12-31}}</ref>{{Efn2|担当声優を意識したパロディには他に、こころと母親がフリースクールに入るシーンで、子どもたちの声の中に、リオンの少年期を演じている矢島晶子がかつて演じていた[[野原しんのすけ]]の「これ、オラのだぞ!」というセリフが隠されている<ref name="realsound_1568618">{{Cite news|url=https://realsound.jp/movie/2024/02/post-1568618_2.html|title=『かがみの孤城』で考えるフィクションの役割 童話的な“オオカミの恐怖”が持つ意味とは|page=2|newspaper=リアルサウンド 映画部|publisher=blueprint|author=すなくじら|date=2024-02-09|accessdate=2024-02-27}}</ref>。}}


なお、[[アフレコ]]について、通常[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメ]]のアフレコは複数人が同時に行うことが多いのに対し、作では的確な指示を出す目的や若い[[声優]]への配慮から個別に[[録音|レコーディング]]を行なった<ref>{{Cite interview|和書|subject=原恵一|url=https://bezzy.jp/2022/12/15905/3/|title=物語の先に“救済”を──映画『かがみの孤城』原恵一監督が語る作品に込めた想い|work=Bezzy|publisher=[[THECOO]]|page=3|interviewer=[[庄村聡泰]]|cointerviewers=雨宮透貴|editor=宇田川 佳奈枝|date=2022-12-25|accessdate=2023-02-13}}</ref>。
なお、[[アフレコ]]について、通常[[アニメ (日本のアニメーション作品)|アニメ]]のアフレコは複数人が同時に行うことが多いのに対し、作では的確な指示を出す目的や若い[[声優]]への配慮から個別に[[録音|レコーディング]]を行なった<ref>{{Cite interview|和書|subject=原恵一|url=https://bezzy.jp/2022/12/15905/3/|title=物語の先に“救済”を──映画『かがみの孤城』原恵一監督が語る作品に込めた想い|work=Bezzy|publisher=[[THECOO]]|page=3|interviewer=[[庄村聡泰]]|cointerviewers=雨宮透貴|editor=宇田川 佳奈枝|date=2022-12-25|accessdate=2023-02-13}}</ref>。


=== キャスト ===
=== キャスト ===
* こころ - [[當真あみ]]{{R|cinemacafe80014}}
* 安西こころ - [[當真あみ]]{{R|cinemacafe80014}}
* リオン - [[北村匠海]]<ref name="ORICON0920">{{Cite web|url=https://www.oricon.co.jp/news/2249686/full/|title=アニメ『かがみの孤城』追加キャストに北村匠海・宮崎あおい・高山みなみ・梶裕貴ら|website=ORICON NEWS|publisher=ORICON|date=2022-09-20|accessdate=2022-09-20}}</ref>
* リオン - [[北村匠海]]<ref name="ORICON0920">{{Cite web|和書|url=https://www.oricon.co.jp/news/2249686/full/|title=アニメ『かがみの孤城』追加キャストに北村匠海・宮崎あおい・高山みなみ・梶裕貴ら|website=ORICON NEWS|publisher=ORICON|date=2022-09-20|accessdate=2022-09-20}}</ref>
* アキ - [[吉柳咲良]]{{R|ORICON0920}}
* アキ - [[吉柳咲良]]{{R|ORICON0920}}
* スバル - [[板垣李光人]]{{R|ORICON0920}}
* スバル - [[板垣李光人]]{{R|ORICON0920}}
322行目: 350行目:
* こころの母 - [[麻生久美子]]{{R|ORICON0920}}
* こころの母 - [[麻生久美子]]{{R|ORICON0920}}
* 喜多嶋先生 - [[宮﨑あおい]]{{R|ORICON0920}}
* 喜多嶋先生 - [[宮﨑あおい]]{{R|ORICON0920}}
* オオカミさま - [[芦田愛菜]]<ref name="natalie498660">{{Cite web|url=https://natalie.mu/comic/news/498660|title=劇場アニメ「かがみの孤城」物語の鍵握るオオカミさま役として芦田愛菜が出演|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-10-24|accessdate=2022-10-24}}</ref>
* オオカミさま - [[芦田愛菜]]<ref name="natalie498660">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/498660|title=劇場アニメ「かがみの孤城」物語の鍵握るオオカミさま役として芦田愛菜が出演|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-10-24|accessdate=2022-10-24}}</ref>
* 伊田先生 - [[藤森慎吾]]<ref name="natalie500308">{{Cite web|url=https://natalie.mu/comic/news/500308|title=劇場アニメ「かがみの孤城」藤森慎吾が主人公の担任教師、滝沢カレンが養護の先生役|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-11-06|accessdate=2022-11-15}}</ref>
* 伊田先生 - [[藤森慎吾]]<ref name="natalie500308">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/500308|title=劇場アニメ「かがみの孤城」藤森慎吾が主人公の担任教師、滝沢カレンが養護の先生役|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-11-06|accessdate=2022-11-15}}</ref>
* 養護の先生 - [[滝沢カレン]]{{R|natalie500308}}
* 養護の先生 - [[滝沢カレン]]{{R|natalie500308}}
* リオン(少年) - [[矢島晶子]]{{R|natalie497423}}
* リオン(少年) - [[矢島晶子]]{{R|natalie497423}}
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=== スタッフ ===
=== スタッフ ===
* 原作 - 辻村深月『かがみの孤城』([[ポプラ社]]刊){{R|natalie466921}}
* 原作 - 辻村深月『かがみの孤城』([[ポプラ社]]刊){{R|natalie466921}}
* 監督 - [[原恵一]]<ref name="eiga.com20220721">{{Cite web|url=https://eiga.com/news/20220721/1/|title=劇場アニメ「かがみの孤城」監督は原恵一、アニメ制作はA-1 Pictures 超特報で主人公の声初披露|website=映画.com|publisher=エイガ・ドット・コム|date=2022-07-21|accessdate=2023-01-12}}</ref>
* 監督 - [[原恵一]]<ref name="eiga.com20220721">{{Cite web|和書|url=https://eiga.com/news/20220721/1/|title=劇場アニメ「かがみの孤城」監督は原恵一、アニメ制作はA-1 Pictures 超特報で主人公の声初披露|website=映画.com|publisher=エイガ・ドット・コム|date=2022-07-21|accessdate=2023-01-12}}</ref>
* 脚本 - [[丸尾みほ]]{{R|cinemacafe80014}}
* 脚本 - [[丸尾みほ]]{{R|cinemacafe80014}}
* キャラクターデザイン・総作画監督 - [[佐々木啓悟]]{{R|cinemacafe80014}}
* キャラクターデザイン・総作画監督 - [[佐々木啓悟]]{{R|cinemacafe80014}}
* ビジュアルコンセプト・孤城デザイン - [[イリヤ・クブシノブ]]{{R|cinemacafe80014}}
* ビジュアルコンセプト・孤城デザイン - [[イリヤ・クブシノブ]]{{R|cinemacafe80014}}
* 音楽 - [[富貴晴美]]{{R|cinemacafe80014}}
* 音楽 - [[富貴晴美]]{{R|cinemacafe80014}}
* 主題歌 - [[優里]]「メリーゴーランド」([[ソニー・ミュージックエンタテインメント (日本)#ソニ・ミュジックレーベルズ|ソニー・ミュージックレーベルズ]])<ref name="natalie497423">{{Cite web|url=https://natalie.mu/comic/news/497423|title=劇場アニメ「かがみの孤城」主題歌は優里に決定、矢島晶子・美山加恋らの出演も|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-10-14|accessdate=2022-10-14}}</ref>
* 主題歌 - [[優里]]「[[メリーゴーランド (優里の曲)|メリランド]]」([[ソニー・ミュージックレーベルズ]])<ref name="natalie497423">{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/497423|title=劇場アニメ「かがみの孤城」主題歌は優里に決定、矢島晶子・美山加恋らの出演も|website=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-10-14|accessdate=2022-10-14}}</ref>
* 製作 - 髙𣘺敏弘、沢桂一、[[岩上敦宏]]、宮本典博、千葉均、[[石川光久]]、茅野洋、只野正弘、加藤智啓、中嶋裕之、小櫻顕、[[廣瀬健一]]
* 製作 - 髙𣘺敏弘、沢桂一、[[岩上敦宏]]、宮本典博、千葉均、[[石川光久]]、茅野洋、只野正弘、加藤智啓、中嶋裕之、小櫻顕、[[廣瀬健一]]
* エグゼクティブプロデューサー - 吉田繁暁、飯沼伸之
* エグゼクティブプロデューサー - 吉田繁暁、飯沼伸之
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* アシスタントプロデューサー - 小布施顕介
* アシスタントプロデューサー - 小布施顕介
* 制作 - [[A-1 Pictures]]{{R|eiga.com20220721}}
* 制作 - [[A-1 Pictures]]{{R|eiga.com20220721}}
* 配給 - [[松竹]]{{R|natalie466921}}
* 企画・製作幹事 - [[松竹]]、[[日本テレビ放送網]]
* 配給 - 松竹{{R|natalie466921}}


=== 興行 ===
=== 興行 ===
全国307館で上映され、公開後オープニング3日間の興収は1億4643万7130円を記録<ref>{{Cite news|title=2022年最後の動員ランキングが示す「新しい映画興行」の現実|url=https://realsound.jp/movie/2022/12/post-1225347.html|newspaper=[[リアルサウンド]] 映画部|publisher=blueprint|author=宇野維正|access-date=2023-02-02|date=2022-12-29}}</ref>。2022年12月24日と翌25日の2日間の映画動員ランキング([[興行通信社]]調べ)で初登場6位となり<ref>{{Cite web|title=『THE FIRST SLAM DUNK』が4週連続で1位!4位に『ブラックナイトパレード』、6位に『かがみの孤城』など3作品が初登場(2022年12月24日-12月25日)|work=CINEMAランキング通信|url=http://www.kogyotsushin.com/archives/topics/t8/202212/26155236.php|publisher=[[興行通信社]]|access-date=2023-02-02|date=2022-12-26}}</ref>、以降6週連続でランクインを記録<ref name="branc">{{Cite web|title=数を減らす劇場単独アニメ…『かがみの孤城』ヒットはその風向きを変えられるか?|url=https://branc.jp/article/2023/02/14/321.html|website=Branc(ブラン)-Brand New Creativity-|publisher=イード|author=タロイモ|access-date=2023-03-01|date=2023-02-22}}</ref>。2023年2月17日時点で累計興行収入10億円を突破した<ref>{{Cite tweet|author=映画『かがみの孤城』公式|user=kagami_eiga|number=1626451374119522305|title=感涙・共感・絶賛の嵐! 10億円突破|date=2023-02-17|accessdate=2023-02-17}}</ref>。また、[[Filmarks]]の初日満足度ランキングでは第1位を獲得している<ref>{{Cite web|title=【発表】映画『かがみの孤城』初日満足度ランキング1位獲得|work=FILMAGA(フィルマガ)|url=https://filmaga.filmarks.com/articles/213131/|website=[[filmarks]]|access-date=2023-02-02|date=2022-12-26|publisher=株式会社つみき}}</ref>。
全国307館で上映され、公開後オープニング3日間の興収は1億4643万7130円を記録<ref>{{Cite news|title=2022年最後の動員ランキングが示す「新しい映画興行」の現実|url=https://realsound.jp/movie/2022/12/post-1225347.html|newspaper=[[リアルサウンド]] 映画部|publisher=blueprint|author=宇野維正|access-date=2023-02-02|date=2022-12-29}}</ref>。2022年12月24日と翌25日の2日間の映画動員ランキング([[興行通信社]]調べ)で初登場6位となり<ref>{{Cite web|和書|title=『THE FIRST SLAM DUNK』が4週連続で1位!4位に『ブラックナイトパレード』、6位に『かがみの孤城』など3作品が初登場(2022年12月24日-12月25日)|work=CINEMAランキング通信|url=http://www.kogyotsushin.com/archives/topics/t8/202212/26155236.php|publisher=[[興行通信社]]|access-date=2023-02-02|date=2022-12-26}}</ref>、以降6週連続でランクインを記録<ref name="branc">{{Cite web|和書|title=数を減らす劇場単独アニメ…『かがみの孤城』ヒットはその風向きを変えられるか?|url=https://branc.jp/article/2023/02/14/321.html|website=Branc(ブラン)-Brand New Creativity-|publisher=イード|author=タロイモ|access-date=2023-03-01|date=2023-02-22}}</ref>。2023年2月17日時点で累計興行収入10億円を突破した<ref>{{Cite news|url=https://mantan-web.jp/article/20230217dog00m200032000c.html|title=かがみの孤城興収10億円突破 81万人動員|newspaper=[[MANTANWEB]]|publisher=MANTAN|date=2023-02-17|accessdate=2023-10-02}}</ref>。また、[[Filmarks]]の初日満足度ランキングでは第1位を獲得している<ref>{{Cite web|和書|title=【発表】映画『かがみの孤城』初日満足度ランキング1位獲得|work=FILMAGA(フィルマガ)|url=https://filmaga.filmarks.com/articles/213131/|website=[[filmarks]]|access-date=2023-02-02|date=2022-12-26|publisher=株式会社つみき}}</ref>。


公開時の来場者特典として原作者の辻村と監督の原のアイデアによる、登場人物の「その後の風景」を描いたポストカード(執筆はキャラクターデザインの佐々木啓悟)6種類が配布され<ref>{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/504802|title=「かがみの孤城」その後のシーンが描かれたポストカードが入場者プレゼントに|newspaper=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-12-13|accessdate=2023-02-08}}</ref><ref name="mc230119">{{Cite news|url=https://anime.eiga.com/news/117793/|title=「かがみの孤城」1月20日から本編後に特典映像上映 登場人物の“その後の風景”を描く|newspaper=アニメハック|publisher=映画.com|agency=エイガ・ドット・コム|date=2023-01-19|accessdate=2023-02-08}}</ref>、2023年1月20日からはそれらのイラストが本編の後に「スペシャル映像」として上映された{{R|mc230119}}。さらに、来場者特典の第2・3弾として「ここだけの風景」を描いたポストカードが、1月20日から2週連続で追加配布され<ref>{{Cite web|title=大ヒット御礼!2週連続 追加入場者プレゼント決定!|url=https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/news/230108info/|website=映画『かがみの孤城』公式サイト|access-date=2023-02-17|date=2023-01-08}}</ref>、第4弾として2月23日から「スペシャルイラストカード」が配布された{{R|branc}}。
公開時の来場者特典として原作者の辻村と監督の原のアイデアによる、登場人物の「その後の風景」を描いたポストカード(執筆はキャラクターデザインの佐々木啓悟)6種類が配布され<ref>{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/504802|title=「かがみの孤城」その後のシーンが描かれたポストカードが入場者プレゼントに|newspaper=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2022-12-13|accessdate=2023-02-08}}</ref><ref name="mc230119">{{Cite news|url=https://anime.eiga.com/news/117793/|title=「かがみの孤城」1月20日から本編後に特典映像上映 登場人物の“その後の風景”を描く|newspaper=アニメハック|publisher=映画.com|agency=エイガ・ドット・コム|date=2023-01-19|accessdate=2023-02-08}}</ref>、2023年1月20日からはそれらのイラストが本編の後に「スペシャル映像」として上映された{{R|mc230119}}。さらに、来場者特典の第2・3弾として「ここだけの風景」を描いたポストカードが、1月20日から2週連続で追加配布され<ref>{{Cite web|和書|title=大ヒット御礼!2週連続 追加入場者プレゼント決定!|url=https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/news/230108info/|website=映画『かがみの孤城』公式サイト|access-date=2023-02-17|date=2023-01-08}}</ref>、第4弾として2月23日から「スペシャルイラストカード」が配布された{{R|branc}}。

2023年3月27日には、本作と同じ辻村原作による実写映画『[[ハケンアニメ! (映画)|ハケンアニメ!]]』とのコラボトークイベントが開催され、同作の監督[[吉野耕平]]や本作の監督の原、また両作品に出演した声優の梶、原作の辻村が登壇、作品の感想やアフレコ現場の様子などが語られた<ref>{{Cite news|url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1679965936|title=アニメ映画『かがみの孤城』×実写映画『ハケンアニメ!』コラボトークイベントの公式レポートが到着! 両作品の監督、声優・梶裕貴さん、原作者・辻村深月先生が登壇|newspaper=[[アニメイトタイムズ]]|publisher=[[アニメイト]]|date=2023-03-28|accessdate=2023-04-03}}</ref>。また、3月30日には、作中で城が閉じる日付が「3月30日」とされていることにちなみ、[[丸の内ピカデリー]]で「『かがみの孤城』閉城の日」と銘打ったイベントが実施されて監督の原と主演の當真が登壇し、Twitterで募集した人気シーンベスト3の発表や、原から當真への「修了証書」の授与などが行われた<ref>{{Cite news|url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1680232333|title=アニメ映画『かがみの孤城』、3月30日開催の當真あみさん、原恵一監督が登壇したフィナーレイベント「『かがみの孤城』閉城の日」より公式レポートが公開!|newspaper=アニメイトタイムズ|publisher=アニメイト|date=2023-03-31|accessdate=2023-04-02}}</ref>。

2023年5月26日からは、本作が[[アヌシー国際アニメーション映画祭]](6月11日 - 17日)のコンペティション部門に正式出品されることを記念して、本編に加えてスペシャル映像「かがみの孤城の前と後」が上映される特別上映が実施される他、通常上映でも入場者特典として、フィルム風しおりが、ドルビーシネマでもA3サイズのクリアポスターがプレゼントされる<ref name="natalie_522680">{{Cite web|和書|title=「かがみの孤城」アヌシー映画祭に正式出品、日本ではスペシャル映像付きで特別上映|url=https://natalie.mu/eiga/news/522680|publisher=ナターシャ|website=映画ナタリー|date=2023-04-28|access-date=2023-05-11}}</ref>。

==== 日本国外 ====
{|class="wikitable sortable" style="font-size:small;text-align:left"
|-
!国・地域
!公開日
!配給
!題名
!出典
|-
|{{HKG}}
|2023年3月30日
|Neofilms
|rowspan="2"|{{lang|zh|鏡之孤城}}
|<ref>{{Cite news|url=https://www.animenewsnetwork.com/news/2023-03-13/neofilms-posts-chinese-subtitled-trailer-for-lonely-castle-in-the-mirror-anime-film/.195891|title=Neofilms Posts Chinese-Subtitled Trailer for Lonely Castle in the Mirror Anime Film|newspaper=News|publisher=[[Anime News Network]]|author=Rafael Antonio Pineda|date=2023-03-13|accessdate=2023-04-03}}</ref>
|-
|{{TWN}}
|2023年3月31日
|
|<ref name="releaseinfo">{{Cite web|url=https://www.imdb.com/title/tt22868842/releaseinfo/|title=Lonely Castle in the Mirror(Release info)|website=[[IMDb]]|publisher=[[Amazon.com]]|date=2023|accessdate=2024-02-10}}</ref>
|-
|{{KOR}}
|2023年4月12日
|{{lang|ko|워터홀컴퍼니}}
|{{lang|ko|거울 속 외딴 성}}
|<ref>{{Cite web|url=https://kstar.kbs.co.kr/list_view.html?idx=254038|title=판타지 애니메이션 '거울 속 외딴 성' 4월 개봉... "열쇠를 찾으면, 소원을들어주지”|website=[[韓国放送公社|KBS NEWS]]|date=2023-03-22|access-date=2023-03-23}}</ref>
|-
|{{CHN}}
|2023年6月9日
|第25回上海国際映画祭
|{{lang|zh|镜之孤城}}
|<ref>{{Cite news|url=https://eiga.com/news/20230608/17/|title=第25回上海国際映画祭で上映される日本映画は? 「こんにちは、母さん」「658km、陽子の旅」が長編コンペ入り|newspaper=映画.com|publisher=株式会社エイガ・ドット・コム|date=2023-06-08|accessdate=2024-02-11}}</ref>
|-
|{{PHL}}
|2023年6月21日
|Pioneer Films
|rowspan="3"|{{lang|en|Lonely Castle in the Mirror}}
|rowspan="5"|{{R|releaseinfo}}<ref name="companycredits">{{Cite web|url=https://www.imdb.com/title/tt22868842/companycredits/|title=Lonely Castle in the Mirror(Company credits)|website=[[IMDb]]|publisher=[[Amazon.com]]|date=2023|accessdate=2024-02-10}}</ref>
|-
|rowspan="2"|{{USA}}
|2023年6月21日(字幕)
|rowspan="2"|[[GKIDS]]
|-
|2023年6月22日(吹替)
|-
|{{VNM}}
|2023年6月30日
|Lotte Entertainment
|{{lang|vi|Cô Thành Trong Gương}}
|-
|{{FRA}}
|2023年9月6日
|[[ユーロズーム]]
|{{lang|fr|Le château solitaire dans le miroir}}
|-
|{{THA}}
|2023年10月19日
|
|
|rowspan="4"|{{R|releaseinfo}}
|-
|{{FIN}}
|2023年11月10日
|
|
|-
|{{SWE}}
|2024年1月12日
|
|{{lang|sv|Det ensamma slottet i spegeln}}
|-
|{{ESP}}
|2024年4月5日
|
|{{lang|es|El castillo a través del espejo}}
|}


=== 評価 ===
=== 評価 ===
公開から約1か月が経過した2023年2月3日の『[[東京新聞]]』は、実際に不登校を経験した観客が自分の体験と重ね合わせて共感・評価する反応を示しているという内容を、監督の原のインタビューも交えて報じた<ref name="tnp230203">{{Cite interview|和書|subject=原恵一|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/228968|title=「不登校でも大丈夫」…辻村深月さん原作映画「かがみの孤城」に込めた思いを原恵一監督が語った|work=[[東京新聞]]|publisher=[[中日新聞東京本社]]|interviewer=川上義則|date=2023-02-03|accessdate=2023-02-08}}</ref>。原はコメントの中で、自身に不登校の経験はないものの「気持ちはわかる」と話し、不登校となった人には「少し前向きに受け止めてほしい」、また映画を見た人には「(不登校の人に)以前と少し違った接し方をしてほしい」という意見を述べた{{R|tnp230203}}。
公開から約1か月が経過した2023年2月3日の『[[東京新聞]]』は、実際に不登校を経験した観客が自分の体験と重ね合わせて共感・評価する反応を示しているという内容を、監督の原のインタビューも交えて報じた<ref name="tnp230203">{{Cite interview|和書|subject=原恵一|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/228968|title=「不登校でも大丈夫」…辻村深月さん原作映画「かがみの孤城」に込めた思いを原恵一監督が語った|work=[[東京新聞]]|publisher=[[中日新聞東京本社]]|interviewer=川上義則|date=2023-02-03|accessdate=2023-02-08}}</ref>。原はコメントの中で、自身に不登校の経験はないものの「気持ちはわかる」と話し、不登校となった人には「少し前向きに受け止めてほしい」、また映画を見た人には「(不登校の人に)以前と少し違った接し方をしてほしい」という意見を述べた{{R|tnp230203}}。


ラジオDJ・映画評論家としても活動する[[RHYMESTER]]の[[宇多丸]]は、自身がパーソナリティを務める『[[アフター6ジャンクション]]』(2023年1月6日放送分)で本作を批評。「子どもたちのために作られた映画であると同時に、大人にとっても大切な作品になりうるよう、丁寧に誠実に作られている」というリスナーの投稿を紹介し、自身も「傷ついた魂に届けようとしている作品というのは、そうそうないのではないか? その志に、私は本当に打たれますし。観れば観るほど丁寧に作られた、上質な作品だと思います。」と評価した<ref name="tbsradio">{{Cite web|title=宇多丸『かがみの孤城』を語る!【映画評書き起こし 2023.1.6放送】|work=トピックス|url=https://www.tbsradio.jp/articles/64507|website=[[TBSラジオ]]|access-date=2023-02-12|date=2023-01-12}}</ref>。
ラジオDJ・映画評論家としても活動する[[RHYMESTER]]の[[宇多丸]]は、自身がパーソナリティを務める『[[アフター6ジャンクション]]』(2023年1月6日放送分)で本作を批評。「子どもたちのために作られた映画であると同時に、大人にとっても大切な作品になりうるよう、丁寧に誠実に作られている」というリスナーの投稿を紹介し、自身も「傷ついた魂に届けようとしている作品というのは、そうそうないのではないか? その志に、私は本当に打たれますし。観れば観るほど丁寧に作られた、上質な作品だと思います。」と評価した<ref name="tbsradio">{{Cite web|和書|title=宇多丸『かがみの孤城』を語る!【映画評書き起こし 2023.1.6放送】|url=https://www.tbsradio.jp/articles/64507|website=[[TBSラジオ]]|access-date=2023-02-12|date=2023-01-12}}</ref>。


『[[映画芸術]]』元編集部の石井達也は『[[リアルサウンド]]』で、本作の予告編で最後に出る「きっと“人生の宝物”になる」の一文について、鑑賞後だと決して誇張ではないと述べ、原の人間の悪意を見事に演出する手法により、いじめを受けたこころが感じる恐怖や怒りがリアルに感じられると評している<ref>{{Cite news|url=https://realsound.jp/movie/2022/12/post-1219047.html|title=『かがみの孤城』“伏線回収”で片付けたくない怒涛のラスト 積み重ねた人生の先にあるもの|newspaper=リアルサウンド 映画部|publisher=blueprint|author=石井達也|page=1|date=2022-12-23|accessdate=2023-02-13}}</ref>。
『[[映画芸術]]』元編集部の石井達也は『[[リアルサウンド]]』で、本作の予告編で最後に出る「きっと“人生の宝物”になる」の一文について、鑑賞後だと決して誇張ではないと述べ、原の人間の悪意を見事に演出する手法により、いじめを受けたこころが感じる恐怖や怒りがリアルに感じられると評している<ref>{{Cite news|url=https://realsound.jp/movie/2022/12/post-1219047.html|title=『かがみの孤城』“伏線回収”で片付けたくない怒涛のラスト 積み重ねた人生の先にあるもの|newspaper=リアルサウンド 映画部|publisher=blueprint|author=石井達也|page=1|date=2022-12-23|accessdate=2023-02-13}}</ref>。

[[ハライチ]]の[[岩井勇気]]は、作中のイジメ問題が解決されないまま終わる描写に対して現実味を感じた他、イジメなどによって実生活が順調でない子供たちが集められたにもかかわらず、孤城の7人の中にもある種の力関係ができてしまうところに感心したと語り、登場人物の心情や態度の変化などに注目しながら複数回に渡って鑑賞することを推奨している{{R|skyperfectv}}。


=== 受賞・ノミネート ===
=== 受賞・ノミネート ===
394行目: 505行目:
| かがみの孤城
| かがみの孤城
| {{won}}
| {{won}}
| {{R|realsound_1276852}}
| <ref>{{Cite web|title=「SLAM DUNK」「ONE PIECE」「すずめの戸締まり」など日本アカデミー賞優秀賞発表|url=https://natalie.mu/comic/news/509955|publisher=ナターシャ|website=[[ナタリー (ニュースサイト)|コミックナタリー]]|date=2023-01-23|access-date=2023-01-30}}</ref>
|-
| 第52回[[ロッテルダム国際映画祭]]
| Limelight部門
| かがみの孤城
| {{nom}}
| {{R|crank-in_122138}}
|-
| 第49回{{仮リンク|シアトル国際映画祭|en|Seattle International Film Festival}}
| Futurewave 審査員特別賞
| 原恵一
| {{won}}
| <ref>{{Cite web|和書|url=https://www.imdb.com/event/ev0000600/2023/1|title=Seattle International Film Festival - 2023 Awards|website=[[IMDb]]|publisher=[[Amazon.com]]|date=2023|accessdate=2024-02-10}}</ref>
|-
| 第47回[[アヌシー国際アニメーション映画祭]]
| コンペティション部門
| かがみの孤城
| {{nom}}
| {{R|natalie_522680}}<ref>{{Cite web|url=https://www.annecyfestival.com/the-festival/awards|title=Awards2023|publisher=[[アヌシー国際アニメーション映画祭]]|language=en|accessdate=2023-06-24}}</ref>
|-
| 第2回[[新潟国際アニメーション映画祭]]
| 蕗谷虹児賞
| 丸尾みほ
| {{won}}
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| 第31回[[シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭]]
| ANIMOVIE(長編部門)特別賞
| かがみの孤城
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| <ref>{{Cite news|url=http://animationbusiness.info/archives/15737|title=独シュトゥットガルトで「かがみの孤城」長編部門特別賞を受賞|newspaper=アニメーションビジネス・ジャーナル|date=2024-04-29|accessdate=2024-04-30}}</ref>
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=== テレビ放送 ===
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2024年11月2日 (土) 23:20時点における最新版

かがみの孤城
小説
著者 辻村深月
出版社 ポプラ社
掲載誌 asta*
レーベル ポプラ文庫(文庫版)
キミノベル(児童書版)
発売日 ハードカバー版:2017年5月11日
文庫版:2021年3月5日
児童書版:2022年3月16日
連載期間 2013年11月号 - 2014年10月
巻数 ハードカバー版:全1巻
文庫版:全2巻
児童書版:全2巻
漫画
原作・原案など 辻村深月
作画 武富智
出版社 集英社
掲載誌 ウルトラジャンプ
レーベル ヤングジャンプ コミックス・ウルトラ
発表号 2019年7月号 - 2022年3月号
発表期間 2019年6月19日[1] - 2022年2月19日[2]
巻数 全5巻
話数 全29話
映画
原作 辻村深月
監督 原恵一
脚本 丸尾みほ
キャラクターデザイン 佐々木啓悟
音楽 富貴晴美
制作 A-1 Pictures
配給 松竹
封切日 2022年12月23日
上映時間 116分
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

かがみの孤城』(かがみのこじょう、: THE SOLITARY CASTLE IN THE MIRROR[3][4][注 1])は、辻村深月による日本小説[3]。『asta*2013年11月号から2014年10月号にかけて連載され、大幅な加筆修正を施した上で[6]2017年5月ポプラ社より刊行された[3][4]。2023年10月時点で累計発行部数は200万部を突破しており[7]、2018年には本屋大賞も受賞している[8][注 2]

当初は「かがみの城」というタイトルにする予定だったものの、担当編集者が提案した「敵に囲まれて身動きが取れなくなっている城」を意味する「孤城」を名付けたという[9]

作者の辻村深月は、本作が誰かの「城」のような居場所になればいいという思いを込めながら書いたと述べている[10]。また、自身にいじめ不登校の経験はないものの、学校に特段の楽しさを感じていたわけでもなく、そのことが学校を舞台にした小説を書く原動力になったと思う、とも述べている[11]

本作のオーディオブックも出されている[12]ほか、『ウルトラジャンプ』(集英社)にて2019年7月号から2022年3月号までコミカライズ版が連載された[1][2]。作画担当は武富智[1]

2020年、本作を原作とした舞台の公演が成井豊の脚本・演出で行われた[13]

2022年2月には劇場アニメ化が発表され[14]、同年12月23日に公開された[15]

あらすじ

[編集]

2005年、中学1年生の女の子・安西こころは、同級生から受けたいじめが原因で不登校が続き、子供育成支援教室(フリースクール)にも通えずに家に引き籠もる生活を続けていた。5月のある日、自室の鏡が光り、吸い込まれたこころは、その向こうのオオカミさまという狼面をつけた謎の少女が仕切る絶海の孤城で、自分と似た問題を抱える中学生リオン、フウカ、スバル、マサムネ、ウレシノ、アキと出会う[9][16][17]

子供たちを「赤ずきん」と呼ぶオオカミさまは、この孤城の中に隠された「願いの鍵」を見つけられた1人だけが願いの部屋へ入ることができ、どんな願いでも叶えられると説明する。ただし、孤城にはルールがあり、日本時間の午前9時から午後5時までは鏡を通って現実世界から来て良いが、午後5時以降に孤城に1人でも残っていると、その日に城内にいた者は連帯責任に喰われる。そして、誰かが願いを叶え、この城から出た時点で全員の記憶が消えるという。鍵を探す以外には特に何も起こらない城内でこころは、いじめなどしないマイペースな中学生たちと穏やかな友人関係を築いていく。

ある時、アキがこころと同じ制服を着て城に来たことで、リオンを除く全員が同じ雪科第五中の生徒であることが判明する。リオンも同じ中学に通うはずだったが、母親に厄介払いとしてハワイにサッカー留学させられているのだ。マサムネは三学期の始業式に、リオン以外のみんなに1日だけでいいから学校で会いたいと申し出たが、当日学校に行くと誰とも会えず、お互いの在籍すら確認できなかった。マサムネは、自分たちがパラレルワールドの住人同士だから、現実の世界で会えないのだと推理するが、オオカミさまは違うと答える。

こころは仲違いしていたクラスメイトの東条萌と和解する。萌の家で童話『7匹の子山羊』という山羊が狼に襲われる絵本を見たこころは、鍵の在り処のヒントが「赤ずきん」ではなく「7人」という人数だと気づいた。だが同じ頃、家庭内の問題から精神的に帰宅できなくなったアキが、5時を過ぎても城に残っていたために、ルール違反で狼に喰われた。こころの部屋の鏡は砕け、同じ日に城にいたリオン、フウカ、ウレシノ、マサムネ、スバルも連帯責任で狼に喰われる。こころは鏡の割れ残りの部分をくぐって城ヘ向かう。『7匹の子山羊』の絵本では、6匹目までは狼に喰われる。7匹目の子山羊の隠れ場所が鍵の在り処だと突き止めたこころは、アキのルール違反を「なかったこと」にするよう願い、仲間たちを取り戻した。

願いが叶い、一同が現実世界に戻る支度をする間に、オオカミさまがリオンの死んだ姉・ミオだということが判明する。皆がフルネームを教え合い、鏡をくぐって帰る中、リオンはオオカミさまである懐かしい姉に感謝と別れの言葉を伝え、孤城で過ごした記憶を残して欲しいと頼む。オオカミさまは善処するといい、狼面を外し、リオンに微笑みかけると、リオンは鏡から元の世界へ戻った。

現実世界の7人はパラレルワールドの住人ではなく、実はそれぞれ異なる年代に生まれていたのだ(詳細は後述)。先に生まれたアキはフリースクールのカウンセラーとなり、後に成長したこころたちに寄り添うことになる。

2006年、孤城の記憶を失ったまま、新学年から学校へ通う決心をして登校したこころは、校門前で転校生である水守理音(リオン)に声をかけられ一緒に歩く。

登場人物

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声の項はオーディオブック版 / 劇場版を示し、ミオ、養護の先生、アキの義父、スバルの祖母、スバルの祖父、マサムネの母、マサムネの父、ウレシノの母、ピアノ教室の先生、喜多嶋の同僚、池田仲太は劇場版のみを示す。また、リオンの父と鮫島はオーディオブック版のみを示す。

こころ / 安西 こころ(あんざい こころ)
声 - 花守ゆみり[12] / 當真あみ[15]
本作の主人公。中学1年生。おとなしく内気な性格でこれといった取り柄がなく、自分に自信が持てないでいた。物語序盤はいじめに遭ったこともあり、物事をネガティブに考え、悩むことも多かったが、城のメンバーとの交流を経て徐々に変わっていく。4月、同じクラスの中心女子の真田美織を中心とするいじめに遭い、不登校になった。フリースクールに通うことを決心するものの、ストレス性の反応から初日の朝に腹痛を起こすが、理解のない母親には信じてもらえなかった[18]。そのまま部屋に閉じこもり、閉塞感と焦燥感を募らせていたところ、自室の鏡が光り、その向こうの城に招かれるが、恐怖のあまり初日は逃げ出した。物語終盤でピンチに陥った仲間を助けるために奮闘し、6人のうちある1人のメンバーを説得する。好きな食べ物は三色そぼろ御飯と母が作る皮から手作りの餃子。両親が共働きのため、お米は毎日研いでいる様子。恋愛が苦手で、ウレシノが自分に好意を寄せていると知った時には内心引いていた。
リオン / 水守 理音(みずもり りおん)
声 - 島崎信長[12] / 北村匠海[19]矢島晶子〈少年時代〉[20]
中学1年生。芸能人並みのイケメンで明るく気さくで一癖あるこころたち城のメンバーにも平等に話しかけられるため、メンバーであることを不思議に思われている。穏やかで仲間思いな性格だが、怒らせると怖く、ウレシノがメンバーに暴言を吐いた際には「そんな言い方ないだろ」と咎めるなど、言うべきことはしっかり言う。趣味と特技はサッカー。本人は雪科第五中に通いたかったが、母親に厄介払いとしてハワイへ無理矢理留学させられており、日本人である城のメンバーと過ごす時間を大切に思っている。6歳の時に姉のミオを亡くしている。学校の関係で城には夕方からやってくる。メンバーにクリスマスパーティーの提案をし、母親が作ったケーキを持参した。城で過ごす中であることに気付くが、他のメンバーには言わずに胸に秘めている。中学2年生になった時に日本へ帰国し、雪科第五中に転校して、こころに真っ先に声をかける。
アキ / 井上 晶子(いのうえ あきこ)
声 - 伊藤かな恵[12] / 吉柳咲良[19]
中学3年生。明るく、快活そうで、背が高い。気が強く、思ったことは遠慮なく口にするため、彼女の発言がもとで険悪ムードになることもある。また、突拍子もない行動に出た結果、メンバーが迷惑することもあるため、スバルは「問題児ってかんじだよなぁ」と冗談交じりでつぶやいたこともある。しかし、メンバーのお姉さん的な存在で初対面のこころに真っ先に話しかけ、こころとフウカをお茶に誘い、紅茶と可愛いナプキンを用意するなど、女子らしい気遣いもできる一面もある。髪を染めたスバルに他のメンバーがドン引きしている中、彼と「学校の先生に怒られない?」などと平然と会話していた。
だが、バレーボール部で後輩に反省会などで半ば強制的に行動させていたため、後から陰口を言われるようになり、不登校になる。物語中盤、偶然学校の制服を着て城に現れ、このことがメンバーの共通点を知る重要な手がかりとなる。義父から性的暴行を受けそうになった[21]ことで帰宅を拒み、5時を過ぎても城に残っていたため、こころ以外の5人と共に狼に喰われる。
喜多嶋先生 / 喜多嶋 晶子(きたじま あきこ)
声 - 豊口めぐみ[12] / 宮﨑あおい[19]
こころを優しく見守るフリースクールの先生で、アキの成長した姿。後の夫となる知り合いの医師・喜多嶋の患者であるミオに勉強を教えていた。
スバル / 長久 昴(ながひさ すばる)
声 - 西山宏太朗[12] / 板垣李光人[19]
中学3年生。背が高く、色白でそばかす顔の男子。こころからは『ハリー・ポッター』のロン似の男子と称されている。現実世界の時系列では最年長。紳士的で優しいが、物語中盤で髪を金髪にし、皆を驚かせる。両親と離れ、兄と共に祖父母の家で暮らしている。父がつけてくれた自身の名前をとても気に入っている。マサムネと仲が良く、彼が持ち込んだゲームでよく一緒に遊んでいる。最初のころ、ずっと城に来ていなかったこころを温かく迎え入れた。「イケメン」の意味がわからず、マサムネがリオンのことを陰で「イケメン」と言っていたのを聞いて悪口なのかと彼に尋ねていた。
マサムネ / 政宗 青澄(まさむね あーす)
声 - 小林裕介[12] / 高山みなみ[19]
中学2年生。生意気で理屈っぽい性格で口が悪いため、他人と衝突しやすい。根っからのゲームおたくで愛着心が人一倍強い。自身が持っているゲームの性能の良さをしょっちゅう自慢し、愛着心の強さゆえにゲームに対する理解がないメンバーや基礎知識に乏しいメンバーにあきれ、時にはケンカになることもある。公立中学には通わせないという両親の方針もあり、中学校には通わずに学習塾に通っている。頭は良く、全国模試の順位はいいらしい。しかし、ゲーム作成者の友達などと嘘をつく機会が多くなり、学校で「ホラマサ」と呼ばれていじめられるようになったため、不登校になっている。物語中盤、リオン以外のみんなに1日だけでいいから学校で会うことをお願いする。
フウカ / 長谷川 風歌(はせがわ ふうか)
声 - 大和田仁美[12] / 横溝菜帆[19]
中学2年生。眼鏡をかけていて、声優のように声が高い。ピアノが上手で小さいころから習っていたが、コンクールでランキング圏外になるなど伸び悩んでいた。母親がピアノばかりに力を入れているため、学校に行っても勉強が追いつかず他の子と話も合わなくなるうえに、指使いの練習をよくしていることから、その仕草を真似されたり陰口を言われたりしたため、不登校になった。
ウレシノ / 嬉野 遥(うれしの はるか)
声 - 堀江瞬[12] / 梶裕貴[19]
中学1年生。小太りの男子。食べることが好きらしく、城に招かれて早々に食べ物はないかと気にしており、こころが林檎を持ってきた際には大喜びしている。恋愛気質で惚れっぽいが、自分に素直なだけであり、城に来て1週間ほどでアキに告白して振られた後、こころが林檎の皮を剥いていたことをきっかけに、恋愛対象はこころに移り、しまいにはウレシノがこころの部屋に行こうとしたところ、フウカが怒って止めたため、恋愛対象がフウカに移る。そのため、女子からは内心呆れられており、男子からはからかわれている。また、ずれた発言が多い。フウカの誕生日プレゼントには花束を渡した。からかわれたりバカにされたりすることが多く、本人は内心傷ついており、今まで溜め込んでいた不満をぶちまけたこともある。家は裕福らしく同級生に食事を奢るなどしているが、実際は金づる程度にしか思われていなかった。
オオカミさま
声 - 東山奈央[12] / 芦田愛菜[22]
の仮面をつけた少女。城の案内人。いつも人形が着るようなかわいいドレスを着ている。常に尊大な口調で話し、城に招かれて早々に逃げ出したこころや帰ろうとしたスバルに説教するなど、上から目線の態度であるため、こころは内心「ずいぶん横柄なお世話係だ」と思った。こころたちに城でのルールや過ごし方などの説明をする。メンバーとは常に一緒にいるわけではないが、呼べばすぐに現れ、呼んでもいないのに突然現れることもある。意味深な発言でメンバーを翻弄している。ものは食べるらしく、クリスマスパーティーの際にリオンが持ってきたケーキを受け取り、「分けてもらえるなら持ち帰らせてもらおう」と言っていた。物語終盤、彼女の正体がリオンの死んだ姉・ミオであったことが判明する[23]
ミオ / 水守 実生(みずもり みお)
声 - 美山加恋[20]
リオンの姉。リオンが6歳の時に亡くなっているが、オオカミさまとして現れる。病気がなければ雪科第五中に通うはずだった。命日は3月30日。
こころの母
声 - 田澤茉純[12] / 麻生久美子[19]
こころの本心が分からず悩みながらも、フリースクールの先生の支えも得ながら温かく寄り添い、理解者になっていく[18]。舞台版では名前が「望美(のぞみ)」になっている。
伊田(いだ)先生
声 - 髙木朋弥[12] / 藤森慎吾[24]
こころの担任教師。生徒思いに見えるが実際は事なかれ主義者でこころのいじめに対する理解もなく当事者同士の話し合いを優先して真剣に向き合っていない。
養護の先生
声 - 滝沢カレン[24]
東条 萌(とうじょう もえ)
声 - 千本木彩花[12] / 池端杏慈[20]
こころの中学校での唯一の友達。父親が大学で児童文学を教えているため、転校が多い。こころと和解した後にこころ以外の6人が狼に喰われた際、『7匹の子山羊』の絵本[注 3]をこころに貸す。
真田 美織(さなだ みおり)
声 - 幸村恵理[12] / 吉村文香[20]
こころの同級生。表向きは明るく社交的だが、本心は自己中心的かつ傍若無人な性格で他の女子生徒と共にこころを一方的にいじめて不登校に追い込んだ張本人。
こころの父
声 - 亀山雄慈[12] / 比嘉良介
リオンの母
声 - 小田果林[12] / 水神のりこ
リオンの父
声 - 喜多田悠[12]
フウカの母
声 - 瀬戸歩[12] / 酒井玲[25]
アキの義父
声 - 団長安田
スバルの祖母
声 - 有賀由樹子
スバルの祖父
声 - 野川雅史
マサムネの母
声 - 優希麻梨子[25]
マサムネの父
声 - 門馬勝貴[25]
ウレシノの母
声 - キンタロー
ピアノ教室の先生
声 - 河邑ミク
喜多嶋の同僚
声 - 岩田絵里奈
池田 仲太(いけだ ちゅうた)
声 - 佐竹祐哉
こころが小学生の時の同級生で、小学6年生の時はこころと友達だった。真田美織の恋人(後に破局した模様)。
鮫島先生 / 鮫島 百合子(さめじま ゆりこ)
声 - 進藤亜由美[12]

みんなの今

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孤城に招かれた7人が実際に生活していた年代(城が閉じた時点)と中学校での学年は以下の通りである。なお、年代が7年ごとずれているのに1999年の生徒がいないのは、オオカミさまの正体であるミオの命日が同年3月30日だからである。

みんなの今
略称 年代 学年
スバル 1985年 3年
アキ 1992年
こころ 2006年 1年
リオン
マサムネ 2013年 2年
フウカ 2020年
ウレシノ 2027年 1年

書誌情報

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小説

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ハードカバー版
  • 辻村深月 『かがみの孤城』 ポプラ社、2017年5月11日発売、ISBN 978-4-591-15332-1
文庫版
児童書版

漫画

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オーディオブック

[編集]

2019年11月20日にオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」から配信開始[12]。「audiobook.jp」を運営するオトバンクが2019年12月にSiriでの読み上げに対応したのを記念しユーザーに「年末年始に聴きたいオーディオブックランキングベスト3」を聞いたところ、本作が1位に選ばれている[31]

受賞

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本作は、2018年の第15回本屋大賞を受賞するなど、9冠を達成した[32]他、複数の賞を受賞している。

辻村深月の『かがみの孤城』受賞歴
賞の名前 順位 出典
2017年 2017年啓文堂書店文芸書大賞 大賞 [32]
ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR2017(小説部門) 1位
このミステリーがすごい!2018年国内賞 8位 [33][34]
王様のブランチ』の「ブランチBOOK大賞2017」 大賞 [32]
キノベス!第15回 2018年 4位 [35]
2018年 第11回神奈川県学校図書館員大賞(KO本大賞) 大賞 [32]
埼玉の高校図書館司書が選んだイチオシ本2017 1位
熊本県学校図書館大賞2017 大賞
第15回本屋大賞 1位
第6回ブクログ大賞(小説部門) 大賞
2021年 『ダ・ヴィンチ』BOOK OF THE YEAR2021(文庫部門) 1位
2023年 オーディオブック大賞2023文芸部門 準大賞 [7]

舞台

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2020年、本作を原作とした舞台が公演された[13]。2022年に『辻村深月シアター』として、著者の同じ『ぼくのメジャースプーン』と共に舞台化された[36]。脚本・演出は成井豊、企画・製作・主催はナッポスユナイテッド。音楽はFor Tracy Hyde[37]

2020年版

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公演日程
出演者

2022年版

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公演日程
出演者

劇場アニメ

[編集]
かがみの孤城
監督 原恵一
脚本 丸尾みほ
原作 辻村深月
出演者 當真あみ
北村匠海
吉柳咲良
板垣李光人
横溝菜帆
高山みなみ
梶裕貴
宮﨑あおい
芦田愛菜
音楽 富貴晴美
主題歌 優里メリーゴーランド
撮影 青嶋俊明
宮脇洋平
編集 西山茂
制作会社 A-1 Pictures
製作会社 「かがみの孤城」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2022年12月23日
上映時間 116分[39][40][41][42]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 10.9億円[43]
テンプレートを表示

2022年12月23日に公開[15]。監督は『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』などの原恵一[44]、脚本は『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』などの丸尾みほ[15]、キャラクターデザインと総作画監督は『劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人』などの佐々木啓悟[15]、ビジュアルコンセプトと孤城デザインは『攻殻機動隊 SAC_2045』などのイリヤ・クブシノブ[15]、音楽は『そして、バトンは渡された』などの富貴晴美が務め[15]、制作は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』などのA-1 Picturesが手がけた[44]キャッチコピーは「君を、ひとりにはしない。」「きっと、“人生の宝物”になる。」。

第52回ロッテルダム国際映画祭のLimelight部門に邦画アニメで史上初の正式出品となり、現地時間2023年2月2日に上映された[45]

第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞[46]

製作

[編集]

原の実写初監督作品『はじまりのみち』のプロデューサーでもあった松竹新垣弘隆が、本作のアニメ映画化を原に打診[47]。原は、同じく中学生を主人公とした『カラフル』を以前に手がけたこともあり、オファーを受けるか迷い、旧知の仲であったProduction I.G石川光久に相談したところ、「絶対にやったほうがいい」という後押しを受けて、オファーを受諾した[47][48]

原作は文庫本で上下巻に分かれるほどボリュームがあるが、原作の良さを引き出しつつ、映画の尺に収めるため、主人公こころの心情を中心に描き、悩める少女がヒロインになっていく物語として脚本をまとめ上げた[47][48][49]。一方で、高山みなみが声優を務めるマサムネが江戸川コナン[注 5]の「真実はいつも一つ!」という決め台詞[注 6]を発するというパロディを盛り込み[49]、また、このパロディの台詞に対する他のキャラの返答や作中に登場するオルゴールが伏線になっているなど、映画オリジナルの演出も取り入れられている[51][注 7]

なお、アフレコについて、通常アニメのアフレコは複数人が同時に行うことが多いのに対し、本作では的確な指示を出す目的や若い声優への配慮から個別にレコーディングを行なった[52]

キャスト

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スタッフ

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興行

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全国307館で上映され、公開後オープニング3日間の興収は1億4643万7130円を記録[53]。2022年12月24日と翌25日の2日間の映画動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場6位となり[54]、以降6週連続でランクインを記録[55]。2023年2月17日時点で累計興行収入10億円を突破した[56]。また、Filmarksの初日満足度ランキングでは第1位を獲得している[57]

公開時の来場者特典として原作者の辻村と監督の原のアイデアによる、登場人物の「その後の風景」を描いたポストカード(執筆はキャラクターデザインの佐々木啓悟)6種類が配布され[58][59]、2023年1月20日からはそれらのイラストが本編の後に「スペシャル映像」として上映された[59]。さらに、来場者特典の第2・3弾として「ここだけの風景」を描いたポストカードが、1月20日から2週連続で追加配布され[60]、第4弾として2月23日から「スペシャルイラストカード」が配布された[55]

2023年3月27日には、本作と同じ辻村原作による実写映画『ハケンアニメ!』とのコラボトークイベントが開催され、同作の監督吉野耕平や本作の監督の原、また両作品に出演した声優の梶、原作の辻村が登壇、作品の感想やアフレコ現場の様子などが語られた[61]。また、3月30日には、作中で城が閉じる日付が「3月30日」とされていることにちなみ、丸の内ピカデリーで「『かがみの孤城』閉城の日」と銘打ったイベントが実施されて監督の原と主演の當真が登壇し、Twitterで募集した人気シーンベスト3の発表や、原から當真への「修了証書」の授与などが行われた[62]

2023年5月26日からは、本作がアヌシー国際アニメーション映画祭(6月11日 - 17日)のコンペティション部門に正式出品されることを記念して、本編に加えてスペシャル映像「かがみの孤城の前と後」が上映される特別上映が実施される他、通常上映でも入場者特典として、フィルム風しおりが、ドルビーシネマでもA3サイズのクリアポスターがプレゼントされる[63]

日本国外

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国・地域 公開日 配給 題名 出典
香港の旗 香港 2023年3月30日 Neofilms 鏡之孤城 [64]
中華民国の旗 台湾 2023年3月31日 [65]
大韓民国の旗 韓国 2023年4月12日 워터홀컴퍼니 거울 속 외딴 성 [66]
中華人民共和国の旗 中国 2023年6月9日 第25回上海国際映画祭 镜之孤城 [67]
フィリピンの旗 フィリピン 2023年6月21日 Pioneer Films Lonely Castle in the Mirror [65][68]
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 2023年6月21日(字幕) GKIDS
2023年6月22日(吹替)
 ベトナム 2023年6月30日 Lotte Entertainment Cô Thành Trong Gương
フランスの旗 フランス 2023年9月6日 ユーロズーム Le château solitaire dans le miroir
タイ王国の旗 タイ 2023年10月19日 [65]
 フィンランド 2023年11月10日
 スウェーデン 2024年1月12日 Det ensamma slottet i spegeln
スペインの旗 スペイン 2024年4月5日 El castillo a través del espejo

評価

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公開から約1か月が経過した2023年2月3日の『東京新聞』は、実際に不登校を経験した観客が自分の体験と重ね合わせて共感・評価する反応を示しているという内容を、監督の原のインタビューも交えて報じた[18]。原はコメントの中で、自身に不登校の経験はないものの「気持ちはわかる」と話し、不登校となった人には「少し前向きに受け止めてほしい」、また映画を見た人には「(不登校の人に)以前と少し違った接し方をしてほしい」という意見を述べた[18]

ラジオDJ・映画評論家としても活動するRHYMESTER宇多丸は、自身がパーソナリティを務める『アフター6ジャンクション』(2023年1月6日放送分)で本作を批評。「子どもたちのために作られた映画であると同時に、大人にとっても大切な作品になりうるよう、丁寧に誠実に作られている」というリスナーの投稿を紹介し、自身も「傷ついた魂に届けようとしている作品というのは、そうそうないのではないか? その志に、私は本当に打たれますし。観れば観るほど丁寧に作られた、上質な作品だと思います。」と評価した[21]

映画芸術』元編集部の石井達也は『リアルサウンド』で、本作の予告編で最後に出る「きっと“人生の宝物”になる」の一文について、鑑賞後だと決して誇張ではないと述べ、原の人間の悪意を見事に演出する手法により、いじめを受けたこころが感じる恐怖や怒りがリアルに感じられると評している[69]

ハライチ岩井勇気は、作中のイジメ問題が解決されないまま終わる描写に対して現実味を感じた他、イジメなどによって実生活が順調でない子供たちが集められたにもかかわらず、孤城の7人の中にもある種の力関係ができてしまうところに感心したと語り、登場人物の心情や態度の変化などに注目しながら複数回に渡って鑑賞することを推奨している[70]

受賞・ノミネート

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部門 対象 結果 出典
第46回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞 かがみの孤城 受賞 [46]
第52回ロッテルダム国際映画祭 Limelight部門 かがみの孤城 ノミネート [45]
第49回シアトル国際映画祭英語版 Futurewave 審査員特別賞 原恵一 受賞 [71]
第47回アヌシー国際アニメーション映画祭 コンペティション部門 かがみの孤城 ノミネート [63][72]
第2回新潟国際アニメーション映画祭 蕗谷虹児賞 丸尾みほ 受賞 [73]
第31回シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭 ANIMOVIE(長編部門)特別賞 かがみの孤城 受賞 [74]

テレビ放送

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テレビ局 番組名(放送枠名) 放送日 放送時間 (JST) 放送分数 世帯視聴率 個人視聴率 備考
1 WOWOWシネマ 2023年8月5日[70] 20:00 - 22:00 120分 WOWOWでの初回放送
2 WOWOWプライム 2023年8月6日[70] 11:30 - 13:30
3 2023年8月8日[70] 20:00 - 22:00
4 WOWOWシネマ 2023年8月13日[70] 12:00 - 14:00
5 2023年8月28日[70] 16:00 - 18:00
6 日本テレビ 金曜ロードショー 2024年2月9日[75] 21:00 - 23:09 129分 6.6%[76] 4.5%[76] 地上波初放送。放送枠15分拡大。

脚注

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注釈

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  1. ^ 英訳版でのタイトルは Lonely Castle in the Mirror となっている[5]
  2. ^ なお、本屋大賞の受賞は史上最多得票数(2021年3月時点)によるものであった[8]
  3. ^ 映画では原画のレプリカになっている。
  4. ^ 当初は木津つばさが演じる予定であったが新型コロナウイルスに感染したため降板となる[13]
  5. ^ 出典中では「某名探偵」とのみ表記[49]
  6. ^ 名探偵コナン』での表記は「真実はいつもひとつ!!」である[50]
  7. ^ 担当声優を意識したパロディには他に、こころと母親がフリースクールに入るシーンで、子どもたちの声の中に、リオンの少年期を演じている矢島晶子がかつて演じていた野原しんのすけの「これ、オラのだぞ!」というセリフが隠されている[23]

出典

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  5. ^ Mizuki Tsujimura Philip Gabriel訳 (2022-09-08) (英語). Lonely Castle in the Mirror. London: Penguin Books. ASIN 1529176662. ISBN 978-1529176667. NCID BC12150508. OCLC 1349321810 
  6. ^ 単行本末尾、556頁の注記より。
  7. ^ a b “辻村深月『かがみの孤城』オーディオブック大賞2023文芸部門・準大賞を受賞”. リアルサウンド ブック (blueprint). (2023年10月27日). https://realsound.jp/book/2023/10/post-1473163.html 2024年1月29日閲覧。 
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外部リンク

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