酒寄進一
表示
人物情報 | |
---|---|
生誕 |
1958年1月22日(66歳) 日本・茨城県 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 上智大学大学院文学研究科 |
学問 | |
研究分野 |
ドイツ文化 児童文学 |
研究機関 | 和光大学 |
学位 | 文学修士 上智大学 |
主な受賞歴 | 日独交流150周年日独友好賞奨励賞 |
脚注 |
酒寄 進一(さかより しんいち、1958年1月22日[1]- )は、日本のドイツ文学者、翻訳家。和光大学表現学部教授[2]。児童文学、ファンタジーなどを中心に、ドイツ語の小説作品を数多く日本語に翻訳紹介している[3][4]。
経歴
[編集]茨城県生まれ[4][5]。全寮制の高等学校に学んでいたころからドイツ語を学び始めた[3]。当時から、J・R・R・トールキンの『指輪物語』や、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品などに親しんでいた[6]。上智大学を卒業後、ドイツに留学し、ケルン大学、ミュンスター大学に学んだ[5]。上智大学独文学専攻博士課程満期退学[7]し、新潟大学講師を経て、和光大学助教授[8]、のち教授に就任。
1991年、ジクリト・ホイク)『砂漠の宝』の翻訳が、第38回産経児童文化賞を受賞[9]。次いで2012年、フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』の翻訳が、本屋大賞の特別企画「翻訳小説部門」で大賞となった[4]。
編著書
[編集]翻訳
[編集]- テレビアニメ『ロミオの青い空』のもとになった作品
- 『ヘンゼルとグレーテル ベヒシュタイン童話』(L・ベヒシュタイン、坂本知恵子絵、福武書店) 1988
- 『わすれられた庭』(アンネゲルト・フックスフーバー、福武書店) 1988
- 『最後の惑星』(ユルゲン・ローデマン、新評論) 1989
- 『二度とそのことはいうな?』(バルバラ・ゲールツ、中釜浩一郎画、佑学社) 1989
- 『過去への扉をあけろ』(ハンス=ユルゲン・ペライ、佑学社) 1990
- 『砂漠の宝 あるいはサイードの物語』(ジクリト・ホイク、福武書店) 1990
- 『ちきゅうの子どもたち』(グードルン・パウゼヴァング、アンネゲルト・フックスフーバー絵、ほるぷ出版) 1990
- 『ボクの12月24日』(アヒム・ブレーガー、ギーセラ・カロウ絵、ほるぷ出版、くれよん文庫) 1990
- 『一九九九年に生まれて』(シャルロッテ・ケルナー、福武書店) 1992
- 『あか、あお、きいろ、色いろいろ 色であそぶ本』(クヴィエタ・パツォウスカー、ほるぷ出版) 1993
- 『ママのおむこさん』(クリスティーネ・ネストリンガー、偕成社) 1993
- 『壁の向こうのフリーデリケ』(ガブリエレ・M・ゲーベル、荒井良二絵、国土社) 1994
- 『コルチャック 私だけ助かるわけにはいかない!』(モニカ・ペルツ、ほるぷ出版) 1994
- 『セリョージャ、放浪のロシア』(ハンス=ユルゲン・ペライ、藤川秀之絵、佑学社) 1994
- 『蠅の乳しぼり』(ラフィク・シャミ、西村書店) 1995
- 『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル、ユーリア・グコーヴァ絵、西村書店) 1995
- 『あやつり人形ピッパ』(エーディト・ターベット、ユーリア・グコーヴァ絵、西村書店) 1996
- 『森のなかでみつけたよ』(ヴォルフラム・ヘーネル、アレックス・デ・ヴォルフ絵、ほるぷ出版) 1997
- 『砂糖菓子の男 ギリシアのむかしばなし』(アルニカ・エステル再話、ユーリア・グコーヴァ絵、西村書店) 1998
- 『あくまくん』(ハイケ&ヴォルフガング・ホールバイン、カロリーネ・ケーア絵、徳間書店) 2001
- 『ベルリン1933』(クラウス・コルドン、理論社) 2001
- 『ベルリン1919』(クラウス・コルドン、理論社) 2006
- 『ベルリン1945』(クラウス・コルドン、理論社) 2007
- 『影の縫製機』(ミヒャエル・エンデ、ビネッテ・シュレーダー絵、長崎出版) 2006
- 『三文オペラ』(ベルトルト・ブレヒト、長崎出版) 2007
- 『春のめざめ - 子どもたちの悲劇』(ヴェデキント、長崎出版) 2009、のち岩波文庫 2017
- 『赤毛のゾラ』(クルト・ヘルト、長崎出版) 2009、のち福音館文庫
- 『ジュゼッペとマリア』(クルト・ヘルト、長崎出版) 2009
- 『怒矮夫(ドワーフ)風雲録 闇の覇者』(丸楠早逸、ソフトバンククリエイティブ) 2009
- 『ジム・ボタンがやってきた』(ミヒャエル・エンデ原作、ベアーテ・デリング再話、長崎出版) 2010
- 『ジム・ボタンのたびだち』(ミヒャエル・エンデ原作、ベアーテ・デリング再話、長崎出版) 2010
- 『幸福はぼくを見つけてくれるかな?』(ペーター・フィッシュリ, ダヴィッド・ヴァイス アートワーク、フォイル) 2011
- 『この世の涯てまで、よろしく』(フレドゥン・キアンプール、東京創元社) 2011
- 『新訳メトロポリス』(テア・フォン・ハルボウ、中公文庫) 2011
- 『ロージーのモンスターたいじ』(フィリップ・ヴェヒター、ひさかたチャイルド) 2011
- 『せかいいっしゅうビッグラリー』(ヨッヘン・シュトゥーアマン作・絵、フレーベル館) 2012
- 『濡れた魚』(フォルカー・クッチャー、創元推理文庫) 2012
- 『ヒトラーに愛された女 真実のエヴァ・ブラウン』(ハイケ・B・ゲルテマーカー、東京創元社) 2012
- 『変身』(フランツ・カフカ、翻案、牧野良幸画、長崎出版) 2012
- 『過去への扉をあけろ』(ハンス = ユルゲン・ペライ、童話館出版) 2013
- 『死者の声なき声』(フォルカー・クッチャー、創元推理文庫) 2013
- 『日記は囁く』(イザベル・アベディ、東京創元社) 2013
- 『愛の裏側は闇』全3巻(ラフィク・シャミ、東京創元社) 2014
- 『ゴールドスティン』(フォルカー・クッチャー、創元推理文庫) 2014
- 『ゲルマニア』(ハラルト・ギルバース、集英社文庫) 2015
- 『漆黒の森』(ペトラ・ブッシュ、創元推理文庫) 2015
- 『人形遣い 事件分析官アーベル&クリスト』(ライナー・レフラー、創元推理文庫) 2015
- 『幽霊ピアニスト事件』(フレドゥン・キアンプール、創元推理文庫) 2015
- 『嵐の王 1 魔人の地』(カイ・マイヤー、遠山明子共訳、創元推理文庫) 2015
- 『嵐の王 2 第三の願い』(カイ・マイヤー、遠山明子共訳、創元推理文庫) 2016
- 『嵐の王 3 伝説の都』(カイ・マイヤー、遠山明子共訳、創元推理文庫) 2016
- 『古城ゲーム』(ウルズラ・ポツナンスキ、創元推理文庫) 2016
- 『囀る魚』(アンドレアス・セシェ、西村書店・東京出版編集部) 2016
- 『オーディンの末裔』(ハラルト・ギルバース、集英社文庫) 2016
- 『ファウスト』(ゲーテ原作、バルバラ・キンダーマン再話、クラウス・エンジカート絵、西村書店・東京出版編集部) 2016
- 『キオスク』(ローベルト・ゼーターラー、東宣出版、はじめて出逢う世界のおはなし オーストリア編) 2017
- 『静寂 ある殺人者の記録』(トーマス・ラープ、東京創元社) 2017
- 『デーミアン』(ヘルマン・ヘッセ、光文社古典新訳文庫) 2017
- 『モナ・リザ・ウイルス』上・下(ティボール・ローデ、小学館文庫) 2018
- 『終焉』(ハラルト・ギルバース、集英社文庫) 2018
- 『乗客ナンバー23の消失』(セバスチャン・フィツェック、文藝春秋) 2018、文春文庫 2021
- 『座席ナンバー7Aの恐怖』(セバスチャン・フィツェック、文藝春秋) 2019、文春文庫 2023
- 『ベルリン』全6冊(クラウス・コルドン、岩波少年文庫) 2020
- 『ほら吹き男爵の冒険』(光文社古典新訳文庫) 2020
- 『アルトゥロ・ウイの興隆 / コーカサスの白墨の輪』(ベルトルト・ブレヒト、東宣出版) 2020
- 『EXCELLENT 卓越した自分になるための9つの行動』(ドーリス・メルティン、遠山明子共訳、潮出版社) 2022
- 『終戦日記一九四五』(エーリヒ・ケストナー、岩波文庫) 2022
- 『ケストナーの戦争日記 1941-1945』(岩波書店)2024、完訳版・スヴェン・ハヌシェク編
- 『雨に打たれて アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集』(アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ、書肆侃侃房) 2022
- 『その昔、N市では カシュニッツ短編傑作選』(マリー・ルイーゼ・カシュニッツ、東京創元社) 2022
- 『十六の言葉』(ナヴァー・エブラーヒーミー、駒井組) 2023
- 『人間の彼方』(ユーリ・ツェー、東宣出版) 2023.11
- 『若きウェルテルの悩み』(ゲーテ、光文社古典新訳文庫) 2024.2
- 『独裁者の学校』(エーリヒ・ケストナー、岩波文庫) 2024.2
- 『ある晴れたXデイに カシュニッツ短編傑作選』(マリー・ルイーゼ・カシュニッツ、東京創元社) 2024.4
- 『セツアンの善人/三文オペラ』(ブレヒト、東宣出版) 2024.9
- 『牡猫ムルの人生観』(ホフマン、東京創元社) 2024.11
グリム童話
[編集]- 『くまおとこ グリムどうわより』(フェリクス・ホフマン画、福武書店) 1984
- 『ほしのぎんか グリム童話』(坂本知恵子画、福武書店) 1986
- 『しらゆきとべにばら グリム童話』(横田稔画、福武書店) 1987
- 『白雪と紅ばら グリム童話』(ロラン・トポール絵、西村書店) 1991
- 『ラプンツェル グリム童話』(マイケル・ヘイグ絵、西村書店) 1991
イリーナ・コルシュノフ
[編集]- 『緑の髪の小人バブッシェル』全3冊(イリーナ=コルシュノフ、堤直子絵、講談社、青い鳥文庫) 1987 - 1988
- 『大きくなりたい小さなペルツ』(イリーナ=コルシュノフ、ラインハルト=ミヒル絵、講談社) 1988
- 『小さなペルツ』(イリーナ=コルシュノフ、ラインハルト・ミヒル絵、講談社) 1988
- 『ちびドラゴンのおくりもの』(イリーナ・コルシュノフ、伊東寛絵、国土社) 1989
- 『マレンカ』(イリーナ・コルシュノフ、福武書店) 1991
- 『モジャクマくんのいえで』(イリーナ・コルシュノフ、ラインハルト=ミヒル絵、講談社) 1991
ラルフ・イーザウ
[編集]- 『ネシャン・サーガ1 ヨナタンと伝説の杖』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2000
- 『ネシャン・サーガ2 第七代裁き司の謎』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2001
- 『ネシャン・サーガ3 裁き司 最後の戦い』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2001
- 『盗まれた記憶の博物館』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2002
- 『暁の円卓』(ラルフ・イーザウ、長崎出版)
- 『パーラ 奇妙なことばの喪失』(ラルフ・イーザウ、佐竹美保絵、あすなろ書房) 2004
- 『見えざるピラミッド 赤き紋章の伝説』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2007
- 『銀の感覚』(ラルフ・イーザウ、長崎出版) 2008
- 『わらいかたをおしえてよ』(ラルフ・イーザウ、長崎出版) 2008
- 『ミラート年代記1 古の民シリリム』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2008
- 『ミラート年代記2 タリンの秘密』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2009
- 『ミラート年代記3 シルマオの聖水』(ラルフ・イーザウ、あすなろ書房) 2010
- 『緋色の楽譜』(ラルフ・イーザウ、東京創元社) 2011
「ファンタ―ジエン」
[編集]- 『ファンタージエン 秘密の図書館』(ラルフ・イーザウ、ソフトバンククリエイティブ) 2005
- 『ファンタージエン 忘れられた夢の都』(ペーター・フロイント、ソフトバンククリエイティブ) 2006
- 『ファンタージエン 夜の魂』(ウルリケ・シュヴァイケルト、ソフトバンククリエイティブ) 2007
アンドレアス・グルーバー
[編集]- 『夏を殺す少女』(アンドレアス・グルーバー、創元推理文庫) 2013
- 『黒のクイーン』(アンドレアス・グルーバー、創元推理文庫) 2014
- 『月の夜は暗く』(アンドレアス・グルーバー、創元推理文庫) 2016
- 『刺青の殺人者』(アンドレアス・グルーバー、創元推理文庫) 2017
アンドレアス・フェーア
[編集]- 『弁護士アイゼンベルク』(アンドレアス・フェーア、創元推理文庫) 2018
- 『突破口 弁護士アイゼンベルク』(アンドレアス・フェーア、創元推理文庫) 2020
- 『咆哮』(アンドレアス・フェーア、小学館文庫) 2021
- 『羊の頭』(アンドレアス・フェーア、小学館文庫) 2021
- 『聖週間』(アンドレアス・フェーア、小学館文庫) 2022
- 『急斜面』(アンドレアス・フェーア、小学館文庫) 2023
フェルディナント・フォン・シーラッハ
[編集]- 『犯罪』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2011、のち文庫
- 『罪悪』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2012、のち文庫
- 『コリーニ事件』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2013、のち文庫 2017
- 『カールの降誕祭(クリスマス)』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2015
- 『禁忌』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2015、のち文庫 2019
- 『テロ』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2016
- 『刑罰』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2019、のち文庫 2022
- 『珈琲と煙草』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2023
- 『神』(フェルディナント・フォン・シーラッハ、東京創元社) 2023 - 戯曲
ネレ・ノイハウス
[編集]- 『深い疵』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2012
- 『白雪姫には死んでもらう』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2013
- 『悪女は自殺しない』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2015
- 『死体は笑みを招く』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2016
- 『穢れた風』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2017
- 『悪しき狼』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2018
- 『生者と死者に告ぐ』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2019
- 『森の中に埋めた』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2020
- 『母の日に死んだ』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2021
- 『友情よここで終われ』(ネレ・ノイハウス、創元推理文庫) 2024
脚注
[編集]- ^ 『著作権台帳』
- ^ “総合文化学科 教員紹介 酒寄進一”. 和光大学. 2012年6月7日閲覧。
- ^ a b “やまねこ翻訳クラブ 資料室 酒寄進一さんインタビュー”. やまねこ翻訳クラブ (2002年). 2012年6月7日閲覧。
- ^ a b c “ドイツ文学翻訳家・酒寄進一さん 日本文学翻訳者よ結集せよ”. msn 産経ニュース (2012年5月21日). 2012年6月7日閲覧。
- ^ a b ロージーのモンスターたいじ - 紀伊国屋BookWeb
- ^ 酒寄進一 (2011年12月5日). “ドイツミステリへの招待状”. 2012年6月7日閲覧。
- ^ ベルリン1945 - 紀伊国屋書店BookWeb
- ^ “ネシャン・サーガ 作者・訳者紹介”. あすなろ書房. 2012年6月7日閲覧。
- ^ “「産経児童出版文化賞」過去の受賞作品をご紹介いたします”. 産經新聞. 2012年6月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 研究者情報 - 和光大学
- 酒寄研究室 - 和光大学
- 「フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』 ここだけの訳者あとがき」 - Webミステリーズ!