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*: 元・[[近畿日本鉄道|近鉄]][[近鉄南大阪線|南大阪線]]・[[近鉄吉野線|吉野線]]の[[特急形車両|特急車]][[近鉄16000系電車|16000系]]で、2016年4月時点で2両[[編成 (鉄道)|編成]]2本が在籍する。[[列車便所|トイレ]]の閉鎖と[[ワンマン運転|ワンマン]]化改造が行なわれた以外はほぼ近鉄時代のまま使われている。[[1997年]](平成9年)に2編成、[[2002年]](平成14年)に1編成の計3編成を譲受した。そのうち第3編成 (16003F) は[[鉄道車両の座席#リクライニングシート(自在腰掛)|リクライニングシート]]でその他は[[鉄道車両の座席#回転式クロスシート(回転腰掛)|回転シート]]である。 |
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*: 2014年夏に大井川本線で[[国鉄C11形蒸気機関車227号機|C11 227]]による「[[ |
*: 2014年夏に大井川本線で[[国鉄C11形蒸気機関車227号機|C11 227]]による「[[きかんしゃトーマス号]]」が運転されることを受け、同年[[4月26日]]に16003Fがきかんしゃトーマス号PR[[ラッピング列車|ラッピング電車]]となって登場した。2015年のトーマスラッピング電車は同年[[6月6日]]から運転している。ラッピングの内容は2015年バージョンとなり前年度とは少し異なっている。使用車両は前年同様16003F。 |
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*: 16003Fは検査切れ後1年ほど[[休車]]扱いになっていたため2017年には「きかんしゃトーマス号」PRラッピング電車が走らない状態になっていた。その後、16003Fは同年4月に検査を受けて復帰。その際に、[[車内放送]]で日本語と英語の両方の案内をするようになり、[[運賃表示器]]も[[液晶ディスプレイ|LCD]]に変更され、英語表示もされるようになった。 |
*: 16003Fは検査切れ後1年ほど[[休車]]扱いになっていたため2017年には「きかんしゃトーマス号」PRラッピング電車が走らない状態になっていた。その後、16003Fは同年4月に検査を受けて復帰。その際に、[[車内放送]]で日本語と英語の両方の案内をするようになり、[[運賃表示器]]も[[液晶ディスプレイ|LCD]]に変更され、英語表示もされるようになった。 |
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*: 2018年[[10月17日]]に[[抜里駅]] - 家山駅間で倒木による架線支障により架線柱が倒れて16003Fが大破。翌2019年3月に修理が完了し、運用を再開した。その際、クーラーなどの部品を16003Fに移植した16002Fは休車となっている。 |
*: 2018年[[10月17日]]に[[抜里駅]] - 家山駅間で倒木による架線支障により架線柱が倒れて16003Fが大破。翌2019年3月に修理が完了し、運用を再開した。その際、クーラーなどの部品を16003Fに移植した16002Fは休車となっている。 |
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***: 過去には[[お召し列車]]も牽引していた。廃車後は[[熊本県]]内の個人の手によって保存されていた。2001年[[6月24日]]に入線。動態復元の上、2003年[[7月19日]]に営業運転を開始した。 |
***: 過去には[[お召し列車]]も牽引していた。廃車後は[[熊本県]]内の個人の手によって保存されていた。2001年[[6月24日]]に入線。動態復元の上、2003年[[7月19日]]に営業運転を開始した。 |
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*** C11形 [[国鉄C11形蒸気機関車227号機|C11 227]] |
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***: [[1975年]](昭和50年)[[11月22日]]に入線。動態復元の上、1976年[[7月9日]]に営業運転を開始した。日本での本線用復活SL第1号機である。1998年夏に、『[[アンパンマン]]』の登場キャラクター「[[アンパンマンの登場人物一覧#その他の友人|SLマン]]」を模した赤い塗装となり、2012年・2013年夏には大井川鐵道のキャラクター「SLくん」を模した青色車体塗装<ref>{{Cite tweet|author=大井川鐵道株式会社【公式】|user=daitetsusl|number=694717300595900416|title=「SLくん」|date=2016-02-02|accessdate=2019-12-09}}</ref>、2014年夏には『[[きかんしゃトーマス]]』の意匠を施して「[[ |
***: [[1975年]](昭和50年)[[11月22日]]に入線。動態復元の上、1976年[[7月9日]]に営業運転を開始した。日本での本線用復活SL第1号機である。1998年夏に、『[[アンパンマン]]』の登場キャラクター「[[アンパンマンの登場人物一覧#その他の友人|SLマン]]」を模した赤い塗装となり、2012年・2013年夏には大井川鐵道のキャラクター「SLくん」を模した青色車体塗装<ref>{{Cite tweet|author=大井川鐵道株式会社【公式】|user=daitetsusl|number=694717300595900416|title=「SLくん」|date=2016-02-02|accessdate=2019-12-09}}</ref>、2014年夏には『[[きかんしゃトーマス]]』の意匠を施して「[[きかんしゃトーマス号]]」として運転された。きかんしゃトーマス号は[[10月12日]]の貸切運転で2014年度の運転を終了。同月19日には黒色の元の姿に戻り、運用を再開した。同列車は、以降も毎年夏季限定で運転されている。 |
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**: [[太平洋戦争]]時の軍事供出によって[[タイ王国|タイ]]へ渡った出征機関車のうちの1両で、大井川鐵道が所有している唯一の[[テンダー機関車|テンダー機]]。日本国内での最終配置は[[北海道]]の[[苗穂運転所|苗穂機関区]]で、[[1941年]](昭和16年)[[12月18日]]付の廃車。[[タイ国有鉄道|タイ国鉄]]では735号となる。[[1979年]](昭和54年)に日本へ戻り、同年[[6月29日]]に入線。動態復元の上、[[1980年]](昭和55年)[[1月29日]]に営業運転を開始した。ボイラー老朽化のため、2003年[[12月17日]]付で休車となったが、2007年に[[部品取り#鉄道車両の場合|部品取り]]機C12 208のボイラーを転用の上、タイ国鉄当時の姿に改装され、同年[[10月7日]]に営業運転再開。2010年9月中旬までこの姿で運用されたが、同月中に再度日本国鉄時代の塗装に戻され、2011年1月29日に営業運転を再開した。2015年夏には『きかんしゃトーマス』の登場キャラクター「[[ジェームス (きかんしゃトーマス)|ジェームス]]」の意匠を施して「[[ |
**: [[太平洋戦争]]時の軍事供出によって[[タイ王国|タイ]]へ渡った出征機関車のうちの1両で、大井川鐵道が所有している唯一の[[テンダー機関車|テンダー機]]。日本国内での最終配置は[[北海道]]の[[苗穂運転所|苗穂機関区]]で、[[1941年]](昭和16年)[[12月18日]]付の廃車。[[タイ国有鉄道|タイ国鉄]]では735号となる。[[1979年]](昭和54年)に日本へ戻り、同年[[6月29日]]に入線。動態復元の上、[[1980年]](昭和55年)[[1月29日]]に営業運転を開始した。ボイラー老朽化のため、2003年[[12月17日]]付で休車となったが、2007年に[[部品取り#鉄道車両の場合|部品取り]]機C12 208のボイラーを転用の上、タイ国鉄当時の姿に改装され、同年[[10月7日]]に営業運転再開。2010年9月中旬までこの姿で運用されたが、同月中に再度日本国鉄時代の塗装に戻され、2011年1月29日に営業運転を再開した。2015年夏には『きかんしゃトーマス』の登場キャラクター「[[ジェームス (きかんしゃトーマス)|ジェームス]]」の意匠を施して「[[きかんしゃトーマス号|きかんしゃジェームス号]]」として運転された。同列車は、以降も毎年夏季限定で運転されている。 |
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2021年11月16日 (火) 09:13時点における版
新金谷駅(本社所在地) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 大鉄、大鐵 |
本社所在地 |
日本 〒428-8503 静岡県島田市金谷東二丁目1112番地の2 (新金谷駅[1]) 北緯34度49分34.26秒 東経138度8分13.20秒 / 北緯34.8261833度 東経138.1370000度座標: 北緯34度49分34.26秒 東経138度8分13.20秒 / 北緯34.8261833度 東経138.1370000度 |
設立 | 1925年(大正14年)3月10日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 1080001013422 |
事業内容 | 旅客鉄道事業 |
代表者 | 代表取締役社長 鈴木 肇[2] |
資本金 |
1億円 (2018年3月31日現在[3]) |
売上高 |
16億7649万3000円 (2018年3月期[3]) |
営業利益 |
1億310万円 (2018年3月期[3]) |
純利益 |
2億1756万5000円 (2018年3月期[3]) |
純資産 |
35億9782万6000円 (2018年3月期[3]) |
総資産 |
45億7198万8000円 (2018年3月期[3]) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
エクリプス日高 100 % (2019年3月31日現在[4]) |
外部リンク | http://www.oigawa-railway.co.jp/ |
大井川鐵道株式会社(おおいがわてつどう)は、静岡県島田市に本拠を置き、大井川流域を基盤とする鉄道事業を主たる業務とする陸運業や観光業[5]を営む企業である。大井川本線と井川線の2つの鉄道路線を運営している[2]。略称は大鉄・大鐵(だいてつ)。
概要
運営する鉄道路線のうち、大井川本線は蒸気機関車 (SL) の動態保存、「南アルプスあぷとライン」の愛称がある井川線は現在日本唯一のアプト式ラック鉄道として知られる。他に2015年(平成27年)まで寸又峡線の路線バス事業を手がけていたが、こちらは子会社の大鉄アドバンスに移管されている。
元々は大井川鉄道という会社名であったが、2000年(平成12年)10月1日に子会社の大鉄技術サービスを存続会社とする形で合併し、翌2日に大井川鐵道と商号を改称した。
1976年(昭和51年)に日本で初めてSLの動態保存を始めた鉄道で、現在でもほぼ毎日運転されている。また、SLの保存運転を行っている縁から、1977年(昭和52年)12月19日にスイスのブリエンツ・ロートホルン鉄道と姉妹鉄道提携を結んでいる。1996年(平成8年)8月10日に本社所在地の金谷町(現・島田市)がブリエンツ村と姉妹都市提携を結んだのも、この縁によるものである。1986年(昭和61年)1月25日には台湾の阿里山森林鉄道とも姉妹鉄道提携を結んでいる。
大井川本線で運行されるSL列車(かわね路号)に旧型客車を使用していることや沿線の風景から、第二次世界大戦の戦前・戦中に時代設定されているドラマや映画のロケーション撮影でよく使用される(沿線で撮影が行われた作品は「大井川鐵道大井川本線#大井川鉄道沿線でロケが行われた作品」を参照)。
なお、井川線は当初からSLが運用されてはいなかったが、イベント列車として千頭駅 - 川根両国駅間に並行していた側線[注 1] で走行したことがある[注 2]。
大井川鐵道の鉄道事業収入は、沿線人口の減少などから、2010年代にはその9割をSLを目的とする観光客から得る構造となっている[7]。定期券利用は収入ベースで1割以下、乗客数で約2割である[8]。しかし、東日本大震災発生後には団体バスツアー客などが減少し続けていることから2011(平成23)年度から2期連続で最終赤字を計上している[9]。加えて、2013年(平成25年)8月に施行された貸切バス走行距離規制強化により、首都圏から沿線自治体のうち島田市北部および川根本町の距離が、規制強化後の走行距離制限値(1日当たり670キロメートル)を僅かに上回ることになり、首都圏の大部分からの日帰りバスツアーが不可能となり[10]、これが要因となって同年4 - 12月期の団体ツアー客は前年同期より46 %減少し、収益をさらに悪化させていた[11]。
このため、大井川鐵道は2014年(平成26年)2月3日に当時の社長伊藤秀生が記者会見を開き、経営合理化の一環としてのダイヤ改正を同年3月26日に実施することを明らかにした[7][11]。この中で、大井川本線では改正前[注 3]において1日14往復設定されている電車を「全線運転8往復と金谷 - 家山間区間運転1往復」に削減、また井川線では改正前[注 3]において全線運転4往復ならびに区間運転3往復(うち1往復は季節運転)設定されているところを「全線運転4往復+区間運転(1本)」に削減する、一方で大井川本線におけるSL急行の運転に関しては改正後も現行通りとする、と発表した[11][注 4]。この記者会見に先立ち伊藤社長は会見当日の午前に島田市役所を訪れ、沿線自治体である島田市と川根本町の両首長に対して存続について[11]や、経営支援策を検討する協議会の設置を要請[7]。これに対し島田市と川根本町は、静岡県などにも参加を呼び掛けて早期に協議会設置にこぎ着ける方針を示した[9]。なお、このダイヤ改正で2014年度に約2,300万円のコスト削減を見込むも「劇的な改善効果はない」(伊藤秀生社長談)として、前記の島田市と川根本町に対して補助金拠出や固定資産税減免などを要請する見通しと報じられた[9]。
その後、2015年5月になって、地域経済活性化支援機構の支援の下、静岡銀行とエクリプス日高[注 5] による再生計画が決定した[14]。これによると、エクリプス日高が名古屋鉄道が所有する株式の譲渡および第三者割当増資により大井川鐵道株式の約90 %を所有し、主要銀行から金融債権放棄を受けた上で再建にあたることになる。
2015年8月31日より名鉄グループを外れ、エクリプス日高の支援下で経営再建をスタートさせた[15][16]。2017年(平成29年)6月16日にはエクリプス日高の完全子会社となった[17]。
2019年(平成31年)4月、静岡市にツアーセンターを開設し、2020年(令和2年)には1月2日にフジドリームエアラインズなどと協力して、富士山静岡空港発着の遊覧飛行と奥大井湖上駅訪問などを組み合わせた「富士山周遊フライトツアー」を開始[5]。同年には中部電力およびJTBの協力を得て通常は非公開の施設(井川ダム内部など)を見学できるツアー[18]を予定したり、沿線にある川根温泉ホテル宿泊と組み合わせた鉄道・バス2日間フリーきっぷを発売[19]したりするなど、観光利用を重視した経営努力を続けている。
企業以外の大鉄沿線振興の協力者としては、NPO法人クロスメディアしまだ(島田市)が「UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川」を毎年3月ごろに開催し、芸術家の現地滞在と作品展示による集客を行っている[8][20]。観光客向け事業については「#イベント」の節も参照。
2020年11月12日、島田市とともに複合施設「KADODE OOIGAWA」を開業し、併せて隣接する大井川本線に新駅「門出駅」を開業するとともに、「五和(ごか)駅」を「合格駅」に改称した[21][22]。
沿革
各鉄道線の沿革については「大井川本線」、「井川線」の各項を参照のこと。
- 1925年(大正14年)3月10日 - 資本金300万円で静岡市に創立。金谷町に出張所を開設。
- 1927年(昭和2年)6月10日 - 金谷駅 - 横岡駅間で鉄道営業開始。
- 1928年(昭和3年)
- 1929年(昭和4年)5月 - 資本金450万円に増資。
- 1930年(昭和5年)3月 - 乗合自動車「島田線」の営業免許を取得。
- 1931年(昭和6年)12月1日 - 大井川本線(金谷駅 - 千頭駅間)が全線開通。
- 1932年(昭和7年)4月 - 乗合自動車「家山線」の営業を開始。
- 1934年(昭和9年)12月 - 乗合自動車「掛川線」の営業認可。
- 1946年(昭和21年)7月 - 大井川鉄道労働組合を結成。
- 1949年(昭和24年)
- 1951年(昭和26年)7月 - 資本金を4,500万円に増資。
- 1952年(昭和27年)7月 - 「大代線」乗合自動車の営業運転を開始。
- 1953年(昭和28年)8月 - 資本金を8,000万円に増資。
- 1956年(昭和31年)
- 6月 - 乗合自動車「東山線」の営業を開始。
- 12月 - 乗合自動車「井川線」の営業を開始。
- 1958年(昭和33年)
- 4月 - 乗合自動車「粟本線」の営業を開始。
- 8月 - 資本金を1億500万円に増資。掛川貸切自動車営業所、井川自動車営業所を開設。乗合自動車「横岡 - 島田線」「中川根線」「塩上線」「菊川線」「神谷城線」の営業を開始。
- 12月 - 家山自動車営業所を開設。
- 1959年(昭和34年)
- 1960年(昭和35年)
- 6月 - 島田自動車営業所を開設。
- 7月 - 乗合自動車「笹間線」の営業を開始。
- 1962年(昭和37年)10月 - 資本金を1億5,750万円に増資。
- 1963年(昭和38年)
- 1964年(昭和39年)
- 1966年(昭和41年)9月 - 静岡鉄道との相互乗入れにより乗合自動車「島田家山線」を開設[24]。
鉄道路線
以下の2路線を経営している。各路線の運行形態などはそれぞれの項目を参照。
大井川本線と井川線とは建築限界が極端に異なり、共通するのは軌間だけである。千頭駅を境に大井川本線と井川線の運行ダイヤは分断されている。この分断は運賃にもみられ、同じ事業者でありながら、大井川本線と井川線相互間を乗車する場合でもそれぞれの運賃額を合算して算出する。乗車券は原則として通し購入可能だが、千頭駅で再購入する場合と同額となる。
乗車券は基本的には硬券で発売され、軟券、補充券も用意されている。多種多様な企画乗車券の設定があり、そちらの利用が多い。また、静岡県内および特定の駅(東京駅、名古屋駅など)との間には連絡乗車券も発売されており、大井川鐵道で購入した乗車券で大井川鐵道からJR線へ、JRで購入した乗車券でJR線から大井川鐵道へ乗り継いで行くことが可能である[25]。
未成線
大井川鐵道にはかつて以下の鉄道計画が存在したが実現することはなかった(未成線)。
車両
電車
現在在籍している電車はすべて他社から譲渡を受けたものであり、電化以来一度も自社発注電車の導入実績がない。電化されている大井川本線でのみ運用されている。
電化当初は日本国有鉄道(国鉄)の払下げ車両と西武鉄道からの譲受車両のみで構成されていたが、次第に様々な鉄道から車両を譲受していくようになる。以前はクリーム色と赤色(一部車両は青色)の独自の車体色へと塗り替えていたが、最近では譲受車両に動態保存の意味も込めているため、譲受元の車体色のままで運用されている。現在の在籍車両は以下のとおり。なお、電力事情の関係で高性能車の加速性能はいずれも吊り掛け車並みに下げられている。
現有車両
- 7200系
- 元・十和田観光電鉄のモハ7204・モハ7305である。東京急行電鉄7200形デハ7211・デハ7259を、十和田観光電鉄が譲り受けた際に両運転台化・ワンマン化改造したものである。2012年(平成24年)の十和田観光電鉄線廃線後、車庫で保管されていたものを2014年6月に譲受[26]。同月20日に入線した。導入にあたっては車両費1,000万円、輸送費900万円、改造費6,100万円で合計8,000万円の支出となった[26]。運行開始時期は同年冬を予定していたが[26]、整備と各種申請が遅れ、営業運転は翌2015年2月23日からとなった[27]。
- 両運転台のため単行(1両)での運転も可能だが、当初は2両編成で運転していた。2016年(平成28年)9月には金谷駅 - 新金谷駅間の限定運用ながら単行で営業運転を開始している。
- また、7204の修理の関係で2018年(平成30年)には、7305が単行で金谷駅 - 千頭駅間を運行することもあった。同年12月、7204の修理完了後は、以前千頭方だった同車が金谷方に変更されて運転している。
- 片側3ドア車だが、中央のドアは有人駅(営業時間中のみ)停車時のみ使用され、それ以外の場合では締切扱いとなる。
- 16000系
- 元・近鉄南大阪線・吉野線の特急車16000系で、2016年4月時点で2両編成2本が在籍する。トイレの閉鎖とワンマン化改造が行なわれた以外はほぼ近鉄時代のまま使われている。1997年(平成9年)に2編成、2002年(平成14年)に1編成の計3編成を譲受した。そのうち第3編成 (16003F) はリクライニングシートでその他は回転シートである。
- 2014年夏に大井川本線でC11 227による「きかんしゃトーマス号」が運転されることを受け、同年4月26日に16003Fがきかんしゃトーマス号PRラッピング電車となって登場した。2015年のトーマスラッピング電車は同年6月6日から運転している。ラッピングの内容は2015年バージョンとなり前年度とは少し異なっている。使用車両は前年同様16003F。
- 16003Fは検査切れ後1年ほど休車扱いになっていたため2017年には「きかんしゃトーマス号」PRラッピング電車が走らない状態になっていた。その後、16003Fは同年4月に検査を受けて復帰。その際に、車内放送で日本語と英語の両方の案内をするようになり、運賃表示器もLCDに変更され、英語表示もされるようになった。
- 2018年10月17日に抜里駅 - 家山駅間で倒木による架線支障により架線柱が倒れて16003Fが大破。翌2019年3月に修理が完了し、運用を再開した。その際、クーラーなどの部品を16003Fに移植した16002Fは休車となっている。
- 16001Fは2014年9月ごろから運用を外れて新金谷車両区に留置されていたが、十和田観光電鉄から譲り受けた7200系に置き換えられ、2015年1月に廃車となり、新金谷駅構外側線(大代川側線)で解体された[28]。
- 16002Fは前述のとおり、部品を移植したため休車となっているが、南海電気鉄道より譲渡された後述の6000系の導入で廃車となる予定。
- 21000系
- 元・南海電気鉄道高野線の大運転(急行)用車両21000系である。夏期の増発や特急車の検査時代走などで特急「臨時こうや号」運用へ充当する必要から、最後まで扉間に転換クロスシートが残されていた第1・第2編成の先頭車4両を譲り受けた。入線に当たってはワンマン化改造のほか、21001・21003の連結面側のパンタグラフの撤去も行われている。
- 21003Fのうち、21003は2013年にクーラーが故障して2シーズン非冷房車扱いになっていたが、2015年6月に一畑電車で廃車となった車両からクーラーを調達し、載せ替えている。
- 21001Fと21003Fは2017年2月26日の南海ツアーで併結運転が行われた。以前にも、多客時に併結運転が行われたことはあるが、その時は21003Fが川根本町の観光PR塗装になっていたため、グリーンの南海塗装同士の併結は営業列車としては初めてだった。
- 21003Fは2017年に、撤去されていた連結面側のパンタグラフの再設置を実施した。
- 21001Fは2017年3月に16003Fと交代する形で休車扱いとなったが、2018年4月の検査出場で運用を再開した。この際21003F同様に連結面側のパンダグラフの再設置が行われ、21002の車端部に設置されていた清涼飲料水の自動販売機が撤去されてロングシートに戻されている。また16003F同様、車内放送で日本語と英語の案内をするようになり、運賃表示器もLCDに変更され、英語表示もされるようになった。
- 2018年6月には21002の種別表示板が南海時代の丸板に変更され、21001も同年7月に丸板に変更された。
導入予定の車両
過去の車両
- 電車
- モハ200形 201・202
- 元・鳳来寺鉄道モハ10形 10・豊川鉄道モハ10形 13→国鉄モハ10形 10・13。
- モハ300形・モハ310形
- モハ300形 301・302
- 元・鉄道省デハ33500形 33509・33510→鉄道省モハ1形 1035・1036→三信鉄道デ300形 デハ307・308→国鉄デ301形 クデハ307・308。
- モハ300形 303
- 元・豊川鉄道モハ30形 モハ32→国鉄モハ1611。
- モハ300形 304
- 元・武蔵野鉄道デハ5550形 5551→モハ231形 231。
- モハ300形 305・306
- 元・富士身延鉄道モハ110形 113・110→国鉄モハ93形 93009・93006→国鉄モハ1200形 1208・1205。
- モハ300形 307
- 元・西武鉄道(初代)モハ550形 558→西武鉄道モハ151形 159。
- モハ300形 308
- 元・南武鉄道モハ150形 153→国鉄モハ2000形 2002。
- モハ300形 309
- 元・愛知電気鉄道デハ3300形 3302→名古屋鉄道モ3300形 3302の車体とモハ302の主要機器を組み合わせて新製扱いとしたもの。当初はモハ302(2代目)として竣工。
- モハ310形 310
- 元・名古屋鉄道モ3800形 3805。
- モハ300形 311
- 元・鉄道省モハ50形 50020→国鉄クモハ11形 11424→西武鉄道クモハ371形 374。1998年(平成10年)11月23日をもって運用を終了。同年12月に廃車となった。
- モハ300形 312・313
- 元・西武鉄道クモハ351形 366・362。モハ312は下記クハ512とペアを組み、312系の第1編成 (312F) として、モハ313は下記クハ513とペアを組み、312系の第2編成 (313F) として使用された。312Fは2002年10月18日付で廃車となり、のちには解体された。2007年(平成19年)5月時点では313Fが千頭駅構内に留置されていたが、2015年5月に大代川側線へ移動。2016年7月に廃車・解体された。
- モハ300形 301・302
- クハ500形
- クハ500形 501
- 元・武蔵野鉄道サハ121形 121→西武鉄道クハ1201形 1209→大井川鉄道クハ30形 クハ31。
- クハ500形 502
- 元・宮城電気鉄道モハ601形 602→国鉄モハ2310形 2310。
- クハ500形 503・506
- 元・三信鉄道デ301形 デハ304・305→国鉄デ301形 デハ304・305→国鉄デ301形 クデハ304・305→国鉄クハ5803・5804。
- クハ500形 504
- 元・武蔵野鉄道サハ5650形 5651→モハ231形 234。
- クハ500形 505
- 元・富士身延鉄道クハユニ300形 303→国鉄クハユニ95形 95004→国鉄クハユニ7200形 7203。のちにSL急行用の客車・ナハフ500形 505となった。
- クハ500形 507
- 元・西武鉄道(初代)モハ550形 559→西武鉄道モハ151形 160。
- クハ500形 508
- 元・愛知電気鉄道サハ2040形 2045→名古屋鉄道モ3350形 3359の車体とモハ201の機器を組み合わせてモハ201の改造名義で竣工。
- クハ500形 501
- クハ510形
- クハ510形 510
- 元・名古屋鉄道ク2800形 2805。1986年に大改造によりオープン客車のクハ861となったのち、1999年(平成11年)3月31日付で廃車。長らく千頭駅構内に留置されていたが、2011年(平成23年)5月時点では、大代川側線の末端部に留置されていた。2016年7月に解体された。
- クハ510形 511
- 元・鉄道省モハ50形 50017→国鉄クモハ11形 11421→西武鉄道クモハ371形 371。1998年11月23日をもって運用を終了。同年12月に廃車となった。
- クハ510形 512・513
- 元・西武鉄道クモハ351形 365・361。クハ512はモハ312とペアを組み、312Fとして使用され、クハ513はモハ313とペアを組み、313Fとして使用された。
- モハ1000形 1001
- 元・伊豆箱根鉄道モハ1000形 1001。1991年(平成3年)に入線。クハ2000形 2001とペアを組んで使用されたが、1998年11月5日に脱線事故を起こしたことを機として、1999年6月15日付で廃車となった。
- モハ1100形 1105
- 元・岳南鉄道モハ1100形 1105。汽車製造が試作したスキンステンレス車の1105だけが移籍してきた。1996年3月30日付で廃車。その後は倉庫代用として千頭駅構内に留置されていたが、2015年5月に大代川側線へ移動。2016年6月に解体された。
- モハ1900形 1906
- 元・小田急電鉄デハ1900形 1906。6000系の牽引用として1両のみ譲渡された。入線に際し、連結面側の貫通路が閉鎖されている。1996年3月30日付で廃車。
- クハ2000形 2001
- 元・伊豆箱根鉄道モハ1000形 1002。電装解除の上でモハ1001とペアを組んで使用された。1999年6月15日付で廃車。
- クハ2800形 2822・2829
- 自社発注車。
- 元・名鉄ク2800形 2822・2829。1998年12月までに引退、廃車。
- モハ3000形 3001・3002・3004・3005
- サハ3000形 3003
- 元・小田急電鉄の特急車サハ3000形 3003。1992年3月31日付で廃車。
- モハ3800形 3822・3829
- 元・名鉄モ3800形 3822・3829。1998年12月までに引退、廃車。
- モハ6010形 6011
- 元・北陸鉄道クモハ6010形 6011。旧形車両の機器流用によるアルミ車で同系のクハ6061とペアを組み、「しらさぎ」という愛称を持っていた。モハ1001と連結して運用されていた1998年11月5日に脱線事故を起こしたものの、修理され2001年(平成13年)まで使用。2002年10月18日付で廃車となった。2005年(平成17年)からはクハ6061とともにゆかりの地である、山中温泉の「道の駅山中温泉 ゆけむり健康村」で保存されている。
- クハ6050形
- クハ6050形 6051
- 元・北陸鉄道クハ6051形 6051。北陸鉄道では加南線でクモハ6001とペアを組んで「くたに」という愛称を与えられて運行された。大井川鉄道での愛称は「あかいし」。1996年3月30日付で廃車。
- クハ6050形 6052
- 元・北陸鉄道クモハ6001形 6001→大井川鉄道モハ6001形 6001。上記クハ6051とペアを組む電動車で、北陸鉄道初の高性能車であった。大井川では架線電圧の昇圧改造が機器の関係で困難であったことから当初より電装解除されてクハ扱いで使用され、1978年(昭和53年)に正式にクハとされた。1996年3月30日付で廃車。
- クハ6050形 6051
- クハ6060形 6061
- 元・北陸鉄道クハ6060形 6061。上記モハ6010とペアを組む旧形車両の機器流用によるアルミ車。2002年10月18日付で廃車。その後の処遇はモハ6011と同様。
- 420系
- 3000系(2代)
- 元・京阪本線の特急車3000系(初代)。京阪電気鉄道時代「テレビカー」という愛称で親しまれていたが、テレビはワンマン化改造時に撤去されている。ワンマン化改造によって料金箱を取り付けるに際し、乗務員室後部、助士席側の座席がロングシートに改造されている。軌間の違いにより京阪より譲り受けたのは車体のみで、台車は元・営団地下鉄(現・東京メトロ)5000系のものである。また連結器高さが他車に合わせて改造されている。正面に行き先板が取り付けられ、京阪特有の「鳩マーク」が長年隠された状態になっていたが、2012年9月下旬に千頭方3507の行き先板が外され、18年ぶりに鳩マークが復活した。老朽化と検査切れに伴い2014年2月限りで運用を終了することとなり、「さようなら3000系」ツアーが同年1月18・26日、2月8・9日に行われたが、それに際し3507の車体側面上部に「テレビカー」の文字を復活、さらに金谷方3008の正面の鳩マークも京阪からの行燈タイプの貸出しにより復活させた。このツアーでは往路が家山駅に停車したが、復路は側面の行先表示幕を「ワンマン」から「特急」に変え、千頭 → 新金谷間をノンストップで走る大鉄初の「特急」運転を行った。2014年2月14日、金谷17時4分発、新金谷17時8分着の列車をもって運用を終了した。その後、同年3月21日から30日まで千頭駅で催された春の大鉄祭りでは「電車体験教室」用に使用された。2017年11月時点では大代川側線に留置されていたが、金谷方3008が2018年4月に解体された。
- 2018年5月現在、千頭方3507は新金谷車両区の検修庫横に留置されている。
- モハ200形 201・202
- 気動車
廃車一覧
年 | 記号番号 |
---|---|
1956年 | キハ11、キハ51・52、キハ54・55 |
1959年 | キハニ101 |
1967年 | モハ202、(モハ201→クハ508) |
1970年 | モハ302 |
1972年 | モハ303・304、(モハ301→3829、モハ308→3822、クハ502→2829、クハ504→2822) |
1974年 | クハ501・503 |
1978年 | モハ305・306、クハ506 |
1980年 | モハ307、クハ507・508 |
1984年 | ナハフ505 |
1986年 | モハ309 |
1992年 | モハ310、モハ3001・3002・3004・3005、サハ3003 |
1996年 | モハ1105、モハ1906、クハ6051・6052 |
1997年 | モハ3822、クハ2822 |
1998年 | モハ311、モハ511、モハ3829、クハ2829 |
1999年 | モハ1001、クハ2001、クハ861 |
- ( )は改造名義
- 2002年以降廃車モハ312・313、クハ512・513、420系、3000系(2代)、モハ6011、クハ6061、16000系 (16001F)
電気機関車・ディーゼル機関車
現有車両
- 大井川本線用
- 井川線用
過去の車両
- 大井川本線用
- 井川線用
蒸気機関車
現有車両
- 大井川本線用
- C10形 C10 8
- C11形
- C56形 C56 44
- 太平洋戦争時の軍事供出によってタイへ渡った出征機関車のうちの1両で、大井川鐵道が所有している唯一のテンダー機。日本国内での最終配置は北海道の苗穂機関区で、1941年(昭和16年)12月18日付の廃車。タイ国鉄では735号となる。1979年(昭和54年)に日本へ戻り、同年6月29日に入線。動態復元の上、1980年(昭和55年)1月29日に営業運転を開始した。ボイラー老朽化のため、2003年12月17日付で休車となったが、2007年に部品取り機C12 208のボイラーを転用の上、タイ国鉄当時の姿に改装され、同年10月7日に営業運転再開。2010年9月中旬までこの姿で運用されたが、同月中に再度日本国鉄時代の塗装に戻され、2011年1月29日に営業運転を再開した。2015年夏には『きかんしゃトーマス』の登場キャラクター「ジェームス」の意匠を施して「きかんしゃジェームス号」として運転された。同列車は、以降も毎年夏季限定で運転されている。
-
C11 190
-
C11 227
-
きかんしゃトーマス号
-
C56 44
-
疾走するタイ国鉄色C56 44。2008年3月
過去の車両
- 大井川本線用
- 5
- 元・伊賀鉄道5。1922年(大正11年)オーレンシュタイン・ウント・コッペル-アルトゥール・コッペル社製。軸配置Cの30 t級タンク機。
- 6
- 元・伊賀鉄道6。1923年(大正12年)オーレンシュタイン・ウント・コッペル-アルトゥール・コッペル社製。軸配置Cの27 t級タンク機。
- 15
- 自社発注機。1929年(昭和4年)日立製作所製。軸配置1C1の45.5 t級タンク機。1950年(昭和25年)、大阪窯業セメント近江長岡工場へ売却。
- 16
- 自社発注機。1931年川崎車輌製。軸配置1C1の48 t級タンク機。1950年、大阪窯業セメント近江長岡工場へ売却。
- C11形 C11 312
- C12形 C12 1
- 国鉄C12形蒸気機関車と同一設計の自社発注機。1935年(昭和10年)日本車輌製造製。のちに片上鉄道へ移籍しC12-202となる。
- C12形 C12 164
- 1973年(昭和48年)9月24日に入線(国鉄から本川根町〈現・川根本町〉に貸与)。同年10月から千頭駅構内で静態保存展示されていたが、のちに動態復元工事を受け、C11 227の予備機となり、まれに運用された。検査切れのため、1984年(昭和59年)5月から休車となったが、1987年(昭和62年)2月に日本ナショナルトラストが募金で購入。再度動態復元工事を受け、同年7月25日に臨時SL急行「トラストトレイン」として営業運転を再開した。しかし、ATS取付費用の捻出ができなかったことから、2005年4月23日のトラストトレインをもって運用を終了。翌24日から休車となった。同年6月より費用確保のための募金活動を行ったが所定の金額に達せず、その後の検査でボイラーの不具合が発見されたことから、日本ナショナルトラストは募金協力者に対して運転再開を断念する旨の通知を行った。車体の塗装を整備した上で、2011年に設置された新金谷駅構内の転車台での展示機として活用していたが、2016年9月に客車3両(スハフ43 2・3、オハニ36 7)とともに再度日本ナショナルトラストに寄託され、動態復元に向けた調査に入っている[34]。
- 5
- その他
- 1号「いずも」
- 1921年(大正10年)にオーレンシュタイン・ウント・コッペルで製造され、一畑軽便鉄道(現・一畑電気鉄道)が1922年に4両目の機関車として導入した、12.8 tで車軸配置0-6-0(ホワイト式)のタンク機である。一畑軽便鉄道が一畑電気鉄道に社名変更した上で、1928年(昭和3年)に電化された後の1929年に廃車となり、七尾セメント(その後、磐城セメント七尾工場を経て住友セメント七尾工場)に売却され[35]、同社1号機として専用線の貨物列車の入れ替えや牽引に使用されていた。
- 用途廃止後は倉庫内で放置されていたが、1974年(昭和49年)に分解状態で発見され、プレスアイゼンバーンの松本謙一・前里孝が購入した上で動態復元され[36]、1977年8月14日に入線。保存を委託された。大井川鉄道では、一畑軽便鉄道にちなんで「いずも」という愛称が一般公募により命名され[36]、同年10月7日より千頭駅 - 川根両国駅間を往復するミニSL列車(この列車自体は1970年〈昭和45年〉11月からの運転)に使用された。1983年(昭和58年)には井川線規格に適合させるために煙突と運転台の屋根を切り詰める改造が行われ[36]、1984年には井川線の客車を牽引して井川駅まで乗り入れた[37]。当時は井川湖の湖畔で遊覧運転をする計画があったという[37] が、実現には至っていない。
- 1989年(平成元年)11月26日をもって前述のミニSL列車が運転終了。その後は七尾工場時代のスタイルに復元された上で、新金谷駅前の「プラザロコ」にて静態保存されている[38]。
- 1275形 1275
- 2100形 2109
- 9600形 49616
- C12形 C12 208
- 1号「いずも」
客車
現有車両
- 大井川本線用
- 井川線用
2018年2月26日に後述の元・「SLやまぐち号」の12系客車(レトロ客車)の譲受が決定した際、「今後の整備状況によっては(旧型客車を)休車、廃車とする可能性があります」と説明している[39][40]。
導入予定の車両
- 大井川本線用
- 12系(スハフ12形 702、オハ12形 701 - 703、オハフ13形 701)
- 2018年2月26日に西日本旅客鉄道(JR西日本)より譲受すると発表。元は「SLやまぐち号」のレトロ客車で、旧型客車の負荷分散の目的で譲受が決まった。なお、同日時点では営業運転開始時期は未定としている[39][40]。同年2月28日にオハフ13 701「展望車風客車」とオハ12 701「欧風客車」の2両の、翌3月1日にオハ12 702「昭和風客車」とスハフ12 702「明治風客車」、オハ12 703「大正風客車」の3両の載線作業が行われた[41]。
- しばらくは新金谷車両区に留置されていたが、2018年10月には、大代川側線に作られた新車庫へ移動した。その後、2020年秋ごろには千頭駅へ移動したが、2021年現在は大代川側線に留置されている。
- 14系(スハフ14形 502・557、オハ14形 511・535)
- SL急行で使用されている旧型客車に掛かる負担を分散させるとともに、同列車用の客車の品質向上を図るため、2016年6月に北海道旅客鉄道(JR北海道)より元・急行「はまなす」用のスハフ14 502・557、オハ14 511・535の4両を譲り受けた[42][43]。同年6月9日にスハフ14 502・557の2両の、同月11日にオハ14 511・535の2両の載線作業が大代川側線で行われ[44]、2017年6月に運用を開始する予定[42]であったが、2018年3月の時点では稼働開始時期は未定となっている[45]。2018年3月時点では、前述の12系の留置場所確保のために、千頭駅構内で疎開留置されていた[46]。
- 2018年10月には、大代川側線に作られた新車庫へ移動した。
- 12系(スハフ12形 702、オハ12形 701 - 703、オハフ13形 701)
過去の車両
- 大井川本線用
- 井川線用
貨車
現有車両
『鉄道統計年報』によると、2017年3月31日時点で、有蓋車4両、無蓋車17両、ホッパ車2両、特殊車1両が在籍している。
過去の車両
- 大井川本線用
- 井川線用
- cワフ0形 2・3
- 鋼製有蓋緩急車。2014年4月9日付で廃車。
- cシキ300形 302
- 大物車。1972年10月10日付で廃車。
- cワフ0形 2・3
関連企業
- 大鉄アドバンス - 「大鉄バス」の名称で乗合バス事業を、「大鉄観光バス」の名称で貸切バス事業を、「大鉄タクシー」の名称でタクシー事業を、「大鉄観光サービス」の名称で旅行業を行っている。
- 掛川大鉄タクシー - 静岡県掛川市におけるタクシー事業。
- 南アルプス産業 - 駅弁の製造・販売会社。2014年、東海軒にすべての事業を譲渡して解散。
- 大鉄メディアクリエイト
大鉄アドバンス
大鉄アドバンス(だいてつアドバンス)はバス事業やタクシー事業を中心とする大井川鐵道の子会社である。
以前は大井川鐵道本体で大井川本線の沿線に路線バス事業を展開していたが、2014年12月時点では寸又峡線と閑蔵線の2路線のみとなっていた。大井川本線と接続するダイヤになっており、観光客利用が多い場合には続行便なども設定される。寸又峡線1路線のみの時期もあったが、2012年4月28日より、井川線に並行する形で閑蔵線の運行を開始した。
その後、2015年1月から両路線とも関連会社の大鉄アドバンスに移管され、大井川鐵道本体はバス事業から撤退した[50]。
バス路線
- 寸又峡線
-
- 午前の下り、午後の上りの各1本は、もりのいずみにも停車。始発便は、学校の休校日は運休。下り最終便はデマンド運行。千頭駅から寸又峡温泉までの所要時間は40 - 45分。
- 閑蔵線
-
- 2012年4月28日運行開始。井川線よりかなり短い30分で千頭駅と閑蔵駅前を結ぶ。1日3往復(11月の土休日は4往復)。運賃も井川線より安い。
このほか、かつては静岡井川線を静岡鉄道バスと、静岡浜松線を遠州鉄道バス・静岡鉄道バスと共同運行していた。また掛川市内にも路線を有していたが、こちらは1988年に掛川バスサービスに全路線を譲渡して撤退している。他にも旧榛原郡金谷町内にも路線を有していたが、こちらも2004年に撤退し、金谷町自主運行バスをへて現在は島田市自主運行バスが代替している。
イベント
きかんしゃトーマス号
2011年の東日本大震災による観光需要の低下や2012年の関越道高速ツアーバス事故に伴う高速バス規制の強化[注 6]などの影響でSL急行の利用者が激減して経営再建問題が浮上した2014年より、期間限定で『きかんしゃトーマス』に登場する機関車「トーマス」や、その他のキャラクターの意匠を施したSLの運行および展示を行っている(Day out with Thomas)[51]。また、2015年度より、クリスマス期間の運行も開始した[51]。
姉妹鉄道
脚注
注釈
- ^ かつて沿線に存在した製材所などの引込線があった側線で、「リバーサイド線」の愛称がのちに付けられていた。のちに千頭駅周辺の道路拡幅工事に伴い廃止されている。
- ^ のちに井川駅 - 堂平駅間でSL牽引による遊覧列車(ミニSL列車)の計画が持ち上がり、井川線規格の車両限界に合わせてキャブ(運転室)と煙突を切り詰めた「いずも号」と客車が入線したことがあるが、実現には至らなかった。
- ^ a b 2013年10月19日改正施行ダイヤ[12]
- ^ ダイヤ改正後の井川線における運転本数に関しては、2014年2月19日時点において、大井川鐵道Webサイト上では「ただいま調整しております」としていたが[13]、『中日新聞』では既に「上下線で現行1日各4本と一部折り返しを、各3本と一部折り返しに減らす」と報じていた[11]。
- ^ 北海道日高郡新ひだか町に本社を置き、同町内で「静内エクリプスホテル」を経営。外部リンク参照。
- ^ バス運転手の運転距離制限が強化されたことで、都内からのバスツアーを運転手1人乗務で催行する場合において、SL乗車を行程に組み込むことが難しくなった。
出典
- ^ 大井川鐵道・ロケーションサービス(2020年2月24日閲覧)
- ^ a b 概要・沿革 - 大井川鐵道(2020年2月24日閲覧)
- ^ a b c d e f 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
- ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会
- ^ a b 「大井川鉄道 ツアー快走、魅力満載 5年で席数6倍/富士山遊覧やダム見学、地元企業とコラボ進む」『日本経済新聞』朝刊2020年1月18日(静岡経済面)2020年2月16日閲覧
- ^ 全国登山鉄道‰(パーミル)会 - 南海電気鉄道(2020年2月24日閲覧)
- ^ a b c 「静岡)電車の運行本数を大幅削減 大井川鉄道」『朝日新聞』2014年2月4日。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。2014年2月19日閲覧。 ※記事全文の閲覧は要会員登録。
- ^ a b 「大井川鉄道、再生軌道に/トーマス・観光両輪 家族客・外国人ら注目」『日本経済新聞』朝刊2019年6月29日(静岡経済面)2020年2月24日閲覧
- ^ a b c 「大井川鉄道、本線運行4割減。3月26日から」『日本経済新聞』2014年2月3日。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。2014年2月19日閲覧。
- ^ 「バス新制度、走行距離制限、日帰りツアーにも影響」『静岡新聞』静岡新聞社、2013年8月4日。オリジナルの2013年8月8日時点におけるアーカイブ。2021年8月10日閲覧。
- ^ a b c d e 「大井川鉄道、電車の本数削減」『中日新聞』2014年2月4日。オリジナルの2014年2月19日時点におけるアーカイブ。2014年2月19日閲覧。 。
- ^ “平成25年10月19日改訂時刻表”. 大井川鐵道. 2013年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月19日閲覧。
- ^ “平成26年3月26日時刻改正に伴う列車運転本数について”. 大井川鐵道トピックス. 大井川鐵道 (2014年2月7日). 2014年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月12日閲覧。
- ^ “大井川鐵道、北海道企業の参画で経営再建へ”. レスポンス (2015年5月30日). 2015年6月7日閲覧。
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参考文献
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- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '91年版』交通新聞社、1991年
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- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '96年版』交通新聞社、1996年
- 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 東日本編』JTBパブリッシング、2001年
- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '00年版』交通新聞社、2000年
- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '03年版』交通新聞社、2003年
- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表 '04年版』交通新聞社、2004年
- 白川淳『現役蒸気機関車のすべて』JTBバブリッシング、2005年
- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表2018』交通新聞社、2018年
- ジェイ・アール・アール『私鉄車両編成表2020』交通新聞社、2020年
外部リンク
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