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「ストップ!! ひばりくん!」の版間の差分

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『'''ストップ!! ひばりくん!'''』は、[[江口寿史]]による日本の漫画作品。母との死別をきっかけとして[[ヤクザ]]の大空組に世話になる事となった高校生・坂本耕作と、事実を知らなければ美少女としか見えない大空組の長男・大空ひばりを中心とした日常生活を描いた[[ラブコメディ]]である。『[[週刊少年ジャンプ]]』(WJ、[[集英社]])誌上において[[1981年]](昭和56年)45号から [[1983年]](昭和58年)51号まで多くの休載を挟みながら連載され、長期の中断を経て27年越しで完結した<ref name=" pen201508">[[Pen (雑誌)|Pen]]2015年 8/1 号 [いま読みたい、日本のマンガ] 2015/7/15発売</ref>。[[1983年]]には[[東映動画]]によりアニメ化もされた江口の代表作の一つである。
『'''ストップ!! ひばりくん!'''』は、[[江口寿史]]による[[日本]]の[[漫画]]作品で。


江口の意図は、ヒロインを「[[女装]]した男の子」にする事によってギャグとし、ちゃかす事によって、当時少年誌で全盛を誇っていたラブコメのアンチテーゼとなりうるギャグ漫画を制作することにあった<ref>江口寿史「文庫版あとがき」『[[「エイジ」]]』発行:ホーム社・発売:集英社〈ホーム社漫画文庫〉2004年2月23日初版発行 ISBN 9784834272918、277頁</ref><ref>印南敦史「新 家の履歴書」『週刊文春 2007年12月13日号』114頁</ref><ref name="ejwp308">「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』308頁</ref><ref name="rwg">「リアルワインガイドインタヴュー」『リアルワインガイド VOL.19』115頁</ref>{{R|Asahi7}}。
女性的な美少年([[トランスジェンダー]])を主人公に据えた、[[LGBT]]志向の草分け的[[ラブコメディ]]。長期の中断を経て、27年越しで完結した<ref name=" pen201508">[[Pen (雑誌)|Pen]]2015年 8/1 号 [いま読みたい、日本のマンガ] 2015/7/15発売</ref>。


大空ひばりは2000年代の「[[男の娘]]」ブームの始点であるとされている。
== 概要 ==
『[[週刊少年ジャンプ]]』(WJ、[[集英社]])誌上において[[1981年]](昭和56年)45号から [[1983年]](昭和58年)51号まで多くの休載を挟みながら連載。休載の多さにより約2年強の連載期間ながら、全49話と1年分にも満たない。『[[ひのまる劇場]]』の次に当たる江口3作目となる連載作品であり、江口が『WJ』で連載した最後の作品。また江口が連載を放棄してそのまま未完となっている最初の作品であった<ref>斎藤宣彦+横井周子「江口寿史全漫画単行本解題」『[総集編]江口寿史』186頁</ref>。単行本は[[ジャンプ・コミックス]](JC)より全4巻。[[1983年]]には[[東映動画]]により[[アニメ]]化もされた江口の代表作の一つであり、後に完全版・文庫版・廉価版と様々な形で再版されている(詳細は[[#書誌情報]]参照)。また2005年には『江口寿史 JUMP WORKS』の1巻としてCD-ROMの付録などを付けた総集編が発売されている。

本作は、母との死別をきっかけとして[[ヤクザ]]の大空組に世話になる事となった[[高校生]] '''坂本耕作'''と、事実を知らなければ[[美少女]]としか見えない大空組の[[長男]] '''大空ひばり'''を中心とした日常生活を描く。当時、少年誌で[[ラブコメディ]]が全盛を誇っている事を憂いた江口がラブコメの[[ヒロイン]]を「[[女装]]した男の子」にする事によってギャグとし、ちゃかす事によってラブコメのアンチテーゼとして描いた[[ギャグ漫画]]<ref>江口寿史「文庫版あとがき」『[[「エイジ」]]』発行:ホーム社・発売:集英社〈ホーム社漫画文庫〉2004年2月23日初版発行 ISBN 9784834272918、277頁<br />
印南敦史「新 家の履歴書」『週刊文春 2007年12月13日号』114頁</ref><ref name="ejwp308">「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』308頁</ref><ref name="rwg">「リアルワインガイドインタヴュー」『リアルワインガイド VOL.19』115頁</ref>{{R|Asahi7}}で、タイトルは[[関谷ひさし]]の『[[ストップ!にいちゃん]]』に由来する<ref>[[やまだないと]]×えぐちひさし「「時間ですよ」みたいな漫画が描きたい」『[総集編]江口寿史』156頁</ref>。

当初は[[おかま|オカマ]]キャラを前面に出したギャグ漫画として考えていたが、ひばりくんを可愛く描けば描く程ギャグとなる事に気付き<ref name="rwg" />、出来る限りの可愛さでひばりくんを描くようになる<ref>江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』94・95頁</ref>{{R|Asahi7}}。こうした「オカマの面白さ」を扱った作品として、後に「BREAK DOWN」<ref>江口寿史「BREAK DOWN」『[[江口寿史の爆発ディナーショー]]』[[双葉社]] 1991年7月1日 ISBN 4575281123、69 - 72頁</ref> 等を描いている。


== 作品背景 ==
== 作品背景 ==
=== 連載までの経緯 ===
=== 連載までの経緯 ===
本作は『[[ひのまる劇場]]』の次に当たる江口3作目となる連載作品である。
江口が『ひのまる劇場』を連載際していた当時は、少年誌でラブコメディが流行していた。江口は元々[[あだち充]]や[[柳沢きみお]]の作品を好いていたものの、これらの作品の二番煎じといえるほど程度が低い作品が連載されていることに不満を抱いていた<ref name="Asahi7">{{Cite interview|interviewer=宮代栄一|title=語る 人生の贈りもの ひばりくん連載 絵に凝りすぎて 江口寿史 7|publication-date=2021-07-27|program=朝日新聞}}</ref>。そこで、江口は「惚れた美少女が実は男で、主人公が困ってしまう」という漫画を描こうと考え、ヒロインをかわいく描けば描くほど周囲がパニックに陥り、物語が動くとだろうと見込む{{R|Asahi7}}。
{{要出典範囲|連載前の設定では、ギャグの要素として、ひばりが無駄毛(江口の弁によれば、ひばりが髭を剃るシーンを入れようとしたとのこと)の処理をするシーンを端々で描く予定だったと雑誌のインタビュー内で語っている。しかしそのアイデアは編集サイドから断固拒絶され、非常に悔しかった記憶があるという。|date=2021年7月}}
また、連載当時江口は『[[イラストレーション (雑誌)|イラストレーション]]』という雑誌を読んでいたが、イラストの手法は躍動感のあるギャグ漫画には不向きだったため、扉絵で同誌から学んだ手法などを試していた{{R|Asahi8}}。


江口が『ひのまる劇場』を連載際していた当時は、少年誌でラブコメディが流行していた。江口は元々[[あだち充]]や[[柳沢きみお]]の作品を好いていたものの、これらの作品の二番煎じといえるほど程度が低い作品が連載されていることに不満を抱いていた<ref name="Asahi7">{{Cite interview|interviewer=宮代栄一|title=語る 人生の贈りもの ひばりくん連載 絵に凝りすぎて 江口寿史 7|publication-date=2021-07-27|program=朝日新聞}}</ref>。そこで、江口は「惚れた美少女が実は男で、主人公が困ってしまう」という漫画を描こうと考え、ヒロインをかわいく描けば描くほど周囲がパニックに陥り、物語が動くとだろうと見込む{{R|Asahi7}}。女装への認知度は低かった当時であったが、連載開始にあたり障害となったものはなかった{{R|otonyan_v2}}。主人公の名前だけは変えてくれと言われ、「美空ひばり」であったものが「大空ひばり」になったという{{R|otonyan_v2}}{{efn2|{{要出典範囲|また、連載前の設定では、ギャグの要素として、ひばりが無駄毛(江口の弁によれば、ひばりが髭を剃るシーンを入れようとしたとのこと)の処理をするシーンを端々で描く予定だったと雑誌のインタビュー内で語っている。しかしそのアイデアは編集サイドから断固拒絶され、非常に悔しかった記憶があるという。|date=2021年7月}}}}。タイトルは[[関谷ひさし]]の『[[ストップ!にいちゃん]]』に由来する<ref>[[やまだないと]]×えぐちひさし「「時間ですよ」みたいな漫画が描きたい」『[総集編]江口寿史』156頁</ref>。また、連載当時江口は『[[イラストレーション (雑誌)|イラストレーション]]』という雑誌を読んでいたが、イラストの手法は躍動感のあるギャグ漫画には不向きだったため、扉絵で同誌から学んだ手法などを試していた{{R|Asahi8}}。ひばりの容姿服装についてはファッション誌『[[エムシーシスター]]』を参考にしていた{{R|otonyan_v2}}。
===連載打ち切りへ===
可愛く描きすぎたことによって、「ひばりくん」というキャラクターが超人的存在として一人歩きを始め、情けない行動を取らせられなくなり行き詰まるようになる{{R|ejwp308|Asahi7}}。また可愛く描く事を含めた絵へのこだわりが[[アシスタント (漫画)|アシスタント]]の使用を困難にして原稿の完成が遅れ、1話を1週間で完成させる事ができなくなっていった{{Refnest|group="注"|江口は2021年の朝日新聞とのインタビューの中で、1本(話を)描くのに10日かかったとも話している{{R|Asahi7}}。}}<ref>「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』集英社インターナショナル、310頁</ref>。江口は隔週での連載を希望するが、[[西村繁男]]が編集長を務める当時の編集部には受け入れられず<ref name="rwg" />、その結果、落稿や休載が目立つようになっていく<ref name="Asahi8">{{Cite interview|interviewer=宮代栄一|title=語る 人生の贈りもの 絵に向く関心 技磨いて扉絵に 江口寿史 8|publication-date=2021-07-28|program=朝日新聞}}</ref>。このことは劇中にも表れており、序盤で唐突に本編とは何の関係も無い話を描いてページを埋めていた{{Refnest|group="注"|例として、製作中に「[[都市伝説一覧#生物|白いワニ]]」に襲われる錯覚を起こす{{R|Asahi8}}、無意味なギャグを入れる、アシスタントに奇抜なアイデアを出すなどし、最後にはアシスタントや担当に「早く本編を書け!」と突っ込まれてようやく本編が始まるなどの描写があった。また実際に「締切を守れ」「漫画を描くのが遅い」「原稿が真っ白」という自虐的な会話も見られた。加えて連載後期では本編途中にも関係のない話を書く回が増えており、製作の行き詰りを物語っている。}}。


=== 連載打ち切りへ ===
[[ジャンプ・コミックス]]版の最後に収録された「メイキング・オブ・ひばりくん!」<ref group="注">連載時は「パニック・イン・寿スタジオ!」というサブタイトルだった。</ref>では、終始一貫して江口が締切を守れない言い訳ともとれる内容<ref group="注">この頃になると'''締切前日の地点で原稿はおろかネームすら仕上がっていない'''事が語られている。</ref> が描かれており、最後には製作現場が崩壊した挙句、お粗末な原稿の仕上がりを詫びる担当と怒り心頭の編集長の傍らで「いきのいいネタを探しに千葉の勝浦に行く」と江口が逃げ出している<ref>江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』92頁</ref>。実際に、江口が連載を投げ出し、締め切り日に逃亡した事から、編集部も[[打ち切り]]という形で連載終了を決定した{{R|Asahi8}}。
当初はオカマキャラを前面に出したギャグ漫画として考えていたが、ひばりくんを可愛く描けば描く程ギャグとなる事に気付き<ref name="rwg" />、出来る限りの可愛さでひばりくんを描くようになる<ref>江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』94・95頁</ref>{{R|Asahi7}}。その反面、可愛く描きすぎたことによって、「ひばりくん」というキャラクターが超人的存在として一人歩きを始め、情けない行動を取らせられなくなり行き詰まるようになる{{R|ejwp308|Asahi7}}。また可愛く描く事を含めた絵へのこだわりがアシスタントの使用を困難にして原稿の完成が遅れ、1話を1週間で完成させる事ができなくなっていった{{Refnest|group="注"|江口は2021年の朝日新聞とのインタビューの中で、1本(話を)描くのに10日かかったとも話している{{R|Asahi7}}。}}<ref>「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』集英社インターナショナル、310頁</ref>。江口は隔週での連載を希望するが、[[西村繁男]]が編集長を務める当時の編集部には受け入れられず<ref name="rwg" />、その結果、落稿や休載が目立つようになっていく<ref name="Asahi8">{{Cite interview|interviewer=宮代栄一|title=語る 人生の贈りもの 絵に向く関心 技磨いて扉絵に 江口寿史 8|publication-date=2021-07-28|program=朝日新聞}}</ref>。このことは劇中にも表れており、序盤で唐突に本編とは何の関係も無い話を描いてページを埋めていた{{Refnest|group="注"|例として、製作中に「[[都市伝説一覧#生物|白いワニ]]」に襲われる錯覚を起こす{{R|Asahi8}}、無意味なギャグを入れる、アシスタントに奇抜なアイデアを出すなどし、最後にはアシスタントや担当に「早く本編を書け!」と突っ込まれてようやく本編が始まるなどの描写があった。また実際に「締切を守れ」「漫画を描くのが遅い」「原稿が真っ白」という自虐的な会話も見られた。加えて連載後期では本編途中にも関係のない話を書く回が増えており、製作の行き詰りを物語っている。}}。


[[ジャンプ・コミックス]]版の最後に収録された「メイキング・オブ・ひばりくん!」<ref group="注">連載時は「パニック・イン・寿スタジオ!」というサブタイトルだった。</ref>では、終始一貫して江口が締切を守れない言い訳ともとれる内容<ref group="注">この頃になると締切前日の地点で原稿はおろかネームすら仕上がっていない事が語られている。</ref> が描かれており、最後には製作現場が崩壊した挙句、お粗末な原稿の仕上がりを詫びる担当と怒り心頭の編集長の傍らで「いきのいいネタを探しに千葉の勝浦に行く」と江口が逃げ出している<ref>江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』92頁</ref>。実際に、江口が連載を投げ出し、締め切り日に逃亡した事から、編集部も[[打ち切り]]という形で連載終了を決定した{{R|Asahi8}}。本作は江口が『WJ』で連載した最後の作品となっている(2020年時点)。
[[2020年]]7月放送の『[[漫道コバヤシ]]』に出演した際にも、本人の口から当時の経緯の一部が語られた。毎週締め切りに追われ、遂には翌日まで5ページを仕上げなければ間に合わない状況に追い込まれた。到底無理と判断した本人は仕事場から逃走し、締め切り時間が過ぎるまでホテルに潜伏してやり過ごした。翌日「もう終ったな」と覚悟の上で自宅に戻ると、[[西村繁男]]編集長自らの電話があり「おう、出てこいや」と編集部への出頭を要求。そして会議室で話し合いが持たれた。本人は改めて週刊連載の限界を訴え、隔週もしくは月刊連載への変更を要望する。同時期にTVアニメも放送中のデリケートな時期であったが、厳格で知られる西村編集長はそれを許さず「うちでは面倒見きれないので、それなら余所でやってくれ」と突き放し、連載打ち切りの降板が決まった。

[[2020年]]7月放送の『[[漫道コバヤシ]]』に出演した際にも、本人の口から当時の経緯の一部が語られた。毎週締め切りに追われ、遂には翌日まで5ページを仕上げなければ間に合わない状況に追い込まれた。到底無理と判断した本人は仕事場から逃走し、締め切り時間が過ぎるまでホテルに潜伏してやり過ごした。翌日「もう終ったな」と覚悟の上で自宅に戻ると、西村編集長自らの電話があり「おう、出てこいや」と編集部への出頭を要求。そして会議室で話し合いが持たれた。本人は改めて週刊連載の限界を訴え、隔週もしくは月刊連載への変更を要望する。同時期にTVアニメも放送中のデリケートな時期であったが、厳格で知られる西村編集長はそれを許さず「うちでは面倒見きれないので、それなら余所でやってくれ」と突き放し、連載打ち切りの降板が決まった。


また、2021年7月の朝日新聞とのインタビューの中でも、同様の経緯が語られており、その際、最終回となった原稿はネームができていたものの、締め切りまで約1日しかなかったことが明かされた{{R|Asahi8}}。
また、2021年7月の朝日新聞とのインタビューの中でも、同様の経緯が語られており、その際、最終回となった原稿はネームができていたものの、締め切りまで約1日しかなかったことが明かされた{{R|Asahi8}}。
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{{main|江口寿史#遅筆・放棄|打ち切り#作者の都合}}
{{main|江口寿史#遅筆・放棄|打ち切り#作者の都合}}


===完結まで===
=== 完結まで ===
[[1983年]]以来、本作は未完のままの状態であり、連載末期の分も長らく単行本未収録の状態(後記)が続いていた。2007年のインタビューで、江口は他の作品の続編への意欲を示したが、本作の続編執筆に関しては「ひばりくんは難しいけど」と否定的な発言をした<ref name="rwg" />。
[[1983年]]以来、本作は未完のままの状態であり、連載末期の分も長らく単行本未収録の状態(後記)が続いていた。本作は江口が連載を放棄してそのまま未完となった最初の作品とみなされていた<ref>斎藤宣彦+横井周子「江口寿史全漫画単行本解題」『[総集編]江口寿史』186頁</ref>。2005年、『SIGHT』 Vol.23に「2005年のひばりくん」が掲載された<ref>「江口寿史インタヴュー」『SIGHT Vol.23』ロッキング・オン〈[[ROCKIN'ON JAPAN|ロッキング・オン・ジャパン]]増刊〉73頁</ref>。2007年のインタビューで、江口は他の作品の続編への意欲を示したが、本作の続編執筆に関しては「ひばりくんは難しいけど」と否定的な発言をした<ref name="rwg" />。 2007年、『週刊少年ジャンプ』時代の江口作品をまとめた総集編『江口寿史 JUMP WORKS』の第1巻、『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』の表紙用に新たにひばりが描き下ろされた


[[2010年]][[2月27日]]に発売された「ストップ!! ひばりくん!コンプリート・エディション」の最終巻(第3巻)では、ラスト5ページが加筆された最終話の完全版が収録された<ref name="nata">{{cite news|title = 先ちゃん27年越しで最終話描く。「ひばりくん」完結|url =http://natalie.mu/comic/news/28357|publisher=[[ナタリー (ニュースサイト)|コミックナタリー]]|date = 2010年2月27日| accessdate = 2010年2月27日}}</ref>。これにより未完であった本作が27年越しで完結した<ref name="nata"/>。ただしこれは未完部分だったオチを完全にしたものであって、物語全体が完走した訳ではなかった。後年『[[漫道コバヤシ]]』に出演した際のコメントによると、「あくまで本作はギャグコメディであり、坂本耕作と大空ひばりの結末は当初から全く考えていない。ストップ!! ひばりくん!の世界観で二人を描けるのは高校卒業まで。それ以降を描くとしたら別の物語(設定)になるだろうな」と回想している
再開を望む読者の声は多く、江口は彼らに向けて何らかの意思表示をする必要を感じていた{{R|otonyan_v2}}。2009年より、加筆修正と再編集を加えた『ストップ!! ひばりくん! コンプリート・エディション』が刊行を開始、表紙を江口が描き下ろした<ref name="nata"/>。そして、[[2010年]][[2月27日]]に発売されたコンプリート・エディション最終巻(第3巻)では、ラスト5ページが加筆された最終話の完全版が収録された<ref name="nata">{{cite news|title = 先ちゃん27年越しで最終話描く。「ひばりくん」完結|url =http://natalie.mu/comic/news/28357|publisher=[[ナタリー (ニュースサイト)|コミックナタリー]]|date = 2010年2月27日| accessdate = 2010年2月27日}}</ref>。これにより未完であった本作が27年越しで完結した<ref name="nata"/>。ただしこれは未完部分だったオチを完全にしたものであって、物語全体が完走した訳ではなかった。


完結を受けて「男の娘」専門誌『おと★娘』に江口のインタビュー記事が掲載された{{R|otonyan_v2}}。江口は続編について問われ、「続編を描くとしたら、突っ込んで描かないといけない感じがするんですよね」としつつ、次のようなアイデアを語っている{{R|otonyan_v2}}。
この間に以下の描き下ろしイラスト・表紙が発表された。
*「2005年のひばりくん」が『SIGHT』 Vol.23に掲載された<ref>「江口寿史インタヴュー」『SIGHT Vol.23』ロッキング・オン〈[[ROCKIN'ON JAPAN|ロッキング・オン・ジャパン]]増刊〉73頁</ref>。
*2007年、『週刊少年ジャンプ』時代の江口作品をまとめた総集編『江口寿史 JUMP WORKS』の第1巻、『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』の表紙用に新たにひばりが描き下ろされた。
*2009年より、加筆修正と再編集を加えた「ストップ!! ひばりくん!コンプリート・エディション」が刊行を開始、表紙を江口が描き下ろした<ref name="nata"/>。


{{Quotation|19歳くらいの大学生になるのかなあ。お父さんが死んだシーン、遺影から始まるのかな、と思っているんです。心臓発作がたびたび起こっていたんで。<br/>
=== 単行本未収録部分 ===
多分、耕作くんが主人公で、ひばりくんと一緒に住んでいるかもしれない。自然な流れとして、つぐみさんがサブさんと一緒になって、サブさんが大空組の跡目を継いで……。{{Interp|……|notooltip=1|和文=1}}<br/>
最初に発行されたジャンプ・コミックス(JC)版の単行本には最後の4話が未収録であった。1991年に発売された[[完全版コミックス|完全版]]は、JC版に未収録だった4話のうち3話を収録したものの、連載最後の回は収録しなかった。最終回の収録は1999年の短編集『江口寿史の犬の日記、くさいはなし、その他の短篇』([[ベストセラーズ|KKベストセラーズ]])が最初となる。その後2004年に発行された文庫版(ホーム社)はこの最終回も含んでおり、一応の全編収録となった。なお「コンプリート・エディション」第2巻(2009年)に単行本未収録の「Jの告白」のエピソードが初掲載された。
それから、今度は耕作くんの気持ちのほうが焦点になってきて、“ほんとに男同士でも愛し合えるのか?”と。愛し合えると僕は思うんですけれど、そんなふうにしていくと面白い感じがするんです。|江口寿史{{R|otonyan_v2}}}}

ただし、JC版の時点で、コマ割りに手を加える、『ジャンプ』掲載時の2話を1話にまとめ直すなど、大きく手を加えている話が多々あるため、未収録のページが存在する。


江口としては本編の続きをそのまま描くつもりはなく、描くにしても『ストップ!! ひばりくん!』というタイトルではないとしている{{R|otonyan_v2}}。後年『漫道コバヤシ』に出演した際も、「あくまで本作はギャグコメディであり、坂本耕作と大空ひばりの結末は当初から全く考えていない。ストップ!! ひばりくん!の世界観で二人を描けるのは高校卒業まで。それ以降を描くとしたら別の物語(設定)になるだろうな」と語っている。


== あらすじ ==
== あらすじ ==
母を亡くし天涯孤独の身となった少年耕作は、遺言に従い、母の古い友人・大空いばりの家に身を寄せる事になる。しかし事もあろうに大空家は「関東極道連盟・関東大空組」、つまり弱小団体とはいえ[[暴力団]]であり、いばりはその組長だった。
母を亡くし天涯孤独の身となった少年耕作は、遺言に従い、母の古い友人・大空いばりの家に身を寄せる事になる。しかし事もあろうに大空家は「関東極道連盟・関東大空組」、つまり弱小団体とはいえ暴力団であり、いばりはその組長だった。


身の危険を感じて逃げようとする耕作の前にとびきりの美少女が現れ、にっこりと微笑みかける。彼女に一目惚れしてしまった耕作は大空家で生活する決心をしたが、それが運の尽きだった。つばめ・つぐみ・すずめと美人ぞろいの大空家の姉妹の中で、耕作が最初に会った一番の美少女・ひばりは実は男だった。
身の危険を感じて逃げようとする耕作の前にとびきりの美少女が現れ、にっこりと微笑みかける。彼女に一目惚れしてしまった耕作は大空家で生活する決心をしたが、それが運の尽きだった。つばめ・つぐみ・すずめと美人ぞろいの大空家の姉妹の中で、耕作が最初に会った一番の美少女・ひばりは実は男だった。
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== 主な登場人物 ==
== 主な登場人物 ==
=== 大空組関係者 ===
=== 大空組関係者 ===
; 大空 ひばりおおぞら ひばり
; {{読み仮名|大空 ひばり|おおぞら ひばり}}
: 本作の[[主人公]]。耕作が大空家に越してきた直後から猛アタックをかける。[[男の娘|一見美少女にしか見えないが]]大空家の「長男」であり、ひばりが男の子であることは家族や一部関係者以外には知られていない。知力体力とも抜群の優等生で、成績は常にトップ、才色兼備の学園の[[アイドル]]として生活を送っている。なお、自身が男だという自覚は一応ある模様<ref group="注">ボクシング部の合宿で理絵から一緒にお風呂に入ろうと誘われた際、恥じらいながら断るシーンがある。なお、理絵が近眼である事が分かると、何のためらいも無く理絵と風呂に入っている。</ref>。
: 本作の主人公。耕作が大空家に越してきた直後から猛アタックをかける。[[男の娘|一見美少女にしか見えないが]]大空家の「長男」であり、ひばりが男の子であることは家族や一部関係者以外には知られていない。知力体力とも抜群の優等生で、成績は常にトップ、才色兼備の学園のアイドルとして生活を送っている。なお、自身が男だという自覚は一応ある模様<ref group="注">ボクシング部の合宿で理絵から一緒にお風呂に入ろうと誘われた際、恥じらいながら断るシーンがある。なお、理絵が近眼である事が分かると、何のためらいも無く理絵と風呂に入っている。</ref>。
; 坂本 耕作さかもと こうさく
; {{読み仮名|坂本 耕作|さかもと こうさく}}
: 本作におけるもう一人の主人公であり[[語り部]]。成り行きで大空家の一員として生活することになる。アブノーマルなひばりのアタックに苦悩する、根は優しく一本気で純情な[[九州男児]]([[熊本県]]出身)。強くなるためボクシングに入部し、マネージャーの可愛理絵が好きになる。お酒に弱く酒癖が悪く、その勢いでひばりの正体をばらそうとした事もある。ひばりを男の子とは知りつつも、次第に、ひばりを意識するようになる自分に戸惑うようになる。
: 本作におけるもう一人の主人公であり語り部。成り行きで大空家の一員として生活することになる。アブノーマルなひばりのアタックに苦悩する、根は優しく一本気で純情な[[九州男児]]([[熊本県]]出身)。強くなるためボクシングに入部し、マネージャーの可愛理絵が好きになる。お酒に弱く酒癖が悪く、その勢いでひばりの正体をばらそうとした事もある。ひばりを男の子とは知りつつも、次第に、ひばりを意識するようになる自分に戸惑うようになる。
; 大空 いばり
; {{読み仮名|大空 いばり|おおぞら いばり}}
: 関東大空組組長にして大空四姉妹(?)の父親。組の唯一の跡取りであるはずのひばりの奇行に日々心労が絶えない。かつて耕作の母に惚れていたが、結婚相手が[[マタギ]]と知って「自分は所詮ヤクザ。[[堅気]]のマタギ<ref group="注">[[駄洒落]]になっている。</ref> には敵わない」と身を退き、彼女の死後孤児となった耕作を引き取る。心臓に持病があり、興奮し過ぎたり強いショックを受けると発作を起こし倒れるが、その都度怪しい薬([[鎮静剤]]ではなく[[覚醒剤]][[自白剤]]など)を打たれ、奇行を起こすがいつの間にか回復している場面が多い<ref group="注">アニメ版では、幻覚を伴う発作で、しばらくすると元に戻るように変えられている。</ref>。猫舌。
: 関東大空組組長にして大空四姉妹(?)の父親。組の唯一の跡取りであるはずのひばりの奇行に日々心労が絶えない。かつて耕作の母に惚れていたが、結婚相手が[[マタギ]]と知って「自分は所詮ヤクザ。堅気のマタギには敵わない」と身を退き、彼女の死後孤児となった耕作を引き取る。心臓に持病があり、興奮し過ぎたり強いショックを受けると発作を起こし倒れるが、その都度怪しい薬(鎮静剤ではなく覚醒剤や自白剤など)を打たれ、奇行を起こすがいつの間にか回復している場面が多い<ref group="注">アニメ版では、幻覚を伴う発作で、しばらくすると元に戻るように変えられている。</ref>。猫舌。
: 自白剤を間違えて打たれた時に『[[クックロビン]]』の殺害をほのめかしている(※『[[パタリロ!]]』からのアンサーギャグ)。
; 大空 つぐみ
; {{読み仮名|大空 つぐみ|おおぞら つぐみ}}
: 大空家長女。美人。駆け出しのイラストレーターで、早くに母親を亡くしている妹弟たちの母親代わりとして世話をしている。大空組と敵対する海牛組の組長の息子と恋に落ち、両家から猛反対され駆け落しようとするが、相手が実家を恐れ待ち合わせ場所に来ずに逃げ出した上、親が勧めた他の女性と結婚してしまい、失恋してしまう。
: 大空家長女。美人。駆け出しのイラストレーターで、早くに母親を亡くしている妹弟たちの母親代わりとして世話をしている。大空組と敵対する海牛組の組長の息子と恋に落ち、両家から猛反対され駆け落しようとするが、相手が実家を恐れ待ち合わせ場所に来ずに逃げ出した上、親が勧めた他の女性と結婚してしまい、失恋してしまう。
; 大空 つばめ
; {{読み仮名|大空 つばめ|おおぞら つばめ}}
: 大空家次女で、ひばりの2歳年上の美人。ヘアスタイルと目の色以外はひばりと瓜二つだが、男子生徒にもてている様子はない。ひばりが女の子として学校に通うのを苦々しく思っているが、男だと知れると自分も迷惑を被るので、身体検査などでひばりの正体がバレそうになると、変装して身代わりをしている。
: 大空家次女で、ひばりの2歳年上の美人。ヘアスタイルと目の色以外はひばりと瓜二つだが、男子生徒にもてている様子はない。ひばりが女の子として学校に通うのを苦々しく思っているが、男だと知れると自分も迷惑を被るので、身体検査などでひばりの正体がバレそうになると、変装して身代わりをしている。
; 大空 すずめ
; {{読み仮名|大空 すずめ|おおぞら すずめ}}
: 大空家三女。おませな小学生。[[ヒラメ]]顔の男を見ると泣き出す。いばりが発作を起こすと怖がって泣き、いばりは死んだら地獄に落ちると思っている。
: 大空家三女。おませな小学生。ヒラメ顔の男を見ると泣き出す。いばりが発作を起こすと怖がって泣き、いばりは死んだら地獄に落ちると思っている。
; サブ
; サブ
: 関東大空組若頭。つぐみに惚れている。非常な男気の持ち主で、つぐみにも想いを打ち明けず、無骨ながら見守っている。
: 関東大空組若頭。つぐみに惚れている。非常な男気の持ち主で、つぐみにも想いを打ち明けず、無骨ながら見守っている。
; 政二せいじ
; {{読み仮名|政二|せいじ}}
: 関東大空組組員。強面だが気が小さく喧嘩も弱い。耕作及び大空家の世話係として行動。朝、奇抜な格好で耕作を目覚めさせ、驚かす事を生き甲斐にしている。
: 関東大空組組員。強面だが気が小さく喧嘩も弱い。耕作及び大空家の世話係として行動。朝、奇抜な格好で耕作を目覚めさせ、驚かす事を生き甲斐にしている。
; ひばりの母
; ひばりの母
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=== その他 ===
=== その他 ===
; 椎名 まことしいな まこと
; {{読み仮名|椎名 まこと|しいな まこと}}
: 耕作とひばりのクラスメイトで、ひばりに惚れている(ひばりが男だとは知らない)。そのため耕作に何かと因縁をつけてくる。ボクシング部に所属しており、当初は耕作よりも強かったが、徐々に差を詰められるようになっている。最後には耕作とサシの漢の対決を挑んだ。
: 耕作とひばりのクラスメイトで、ひばりに惚れている(ひばりが男だとは知らない)。そのため耕作に何かと因縁をつけてくる。ボクシング部に所属しており、当初は耕作よりも強かったが、徐々に差を詰められるようになっている。最後には耕作とサシの漢の対決を挑んだ。
: 家の中でも靴を履いたまま生活しており(この嗜好は父譲り)、母親からは「畳の上に靴で上がるな」と怒られている。
: 家の中でも靴を履いたまま生活しており(この嗜好は父譲り)、母親からは「畳の上に靴で上がるな」と怒られている。
; 可愛 理絵かわい りえ
; {{読み仮名|可愛 理絵|かわい りえ}}
: 耕作と椎名が所属するボクシング部の美人マネージャー。耕作が一目惚れをするが、理絵自身は椎名に恋心を抱いている。しかしボクシング部の合宿で椎名が理絵に対し全く興味を持っていない事実を知り、合宿後より部活動に姿を見せなくなった。ませた弟がいる。
: 耕作と椎名が所属するボクシング部の美人マネージャー。耕作が一目惚れをするが、理絵自身は椎名に恋心を抱いている。しかしボクシング部の合宿で椎名が理絵に対し全く興味を持っていない事実を知り、合宿後より部活動に姿を見せなくなった。ませた弟がいる。
; 梶 みつをかじ みつを
; {{読み仮名|梶 みつを|かじ みつを}}
: つばめの同級生で、つばめに強引に迫ってくる暑苦しい男(その行動はほとんど[[ストーカー]])。ボクシング部キャプテン。2人の弟と妹<ref group="注">弟の名前はみつあき・みつみね、妹の名前はみつ子。</ref>がいるが、全員同じ顔をしている。ペットのチャッピィ(犬)も同じ顔。卒業後もOBを名乗り、事あるごとに顔を出す。登場の際には勢いよく右手の掌を見せる癖がある。
: つばめの同級生で、つばめに強引に迫ってくる暑苦しい男(その行動はほとんどストーカー)。ボクシング部キャプテン。2人の弟と妹<ref group="注">弟の名前はみつあき・みつみね、妹の名前はみつ子。</ref>がいるが、全員同じ顔をしている。ペットのチャッピィ(犬)も同じ顔。卒業後もOBを名乗り、事あるごとに顔を出す。登場の際には勢いよく右手の掌を見せる癖がある。
; 花園 かおりはなぞの かおり
; {{読み仮名|花園 かおり|はなぞの かおり}}
: 耕作やひばりのクラスメイト。ひばりが学園中の注目と人気を集めていることを妬み、3人の仲間とともに、何かとひばりにイジワルを仕掛けてくる。本人いわく陰険さには自信あり。一時ひばりを男だと疑っていたが、ひばりに変装したつばめが彼女の前で胸を見せた事でその疑惑を捨てる。
: 耕作やひばりのクラスメイト。ひばりが学園中の注目と人気を集めていることを妬み、3人の仲間とともに、何かとひばりにイジワルを仕掛けてくる。本人いわく陰険さには自信あり。一時ひばりを男だと疑っていたが、ひばりに変装したつばめが彼女の前で胸を見せた事でその疑惑を捨てる。
; 犬井 犬子いぬい けんこ
; {{読み仮名|犬井 犬子|いぬい けんこ}}
: 耕作やひばりのクラスメイトで、花園かおりの取り巻きの一人。アニメ版では「花子」という名前になっていて、政二との淡いラブロマンスがあったりしている。
: 耕作やひばりのクラスメイトで、花園かおりの取り巻きの一人。アニメ版では「花子」という名前になっていて、政二との淡いラブロマンスがあったりしている。
; 鳳 ジュンおおとり ジュン
; {{読み仮名|鳳 ジュン|おおとり ジュン}}
: 女子バレー部の美人キャプテンで、女生徒たちから憧れを抱かれている。実は同性愛者で、ひばりに惚れている。宝塚系な母とハードゲイな3人の兄がいる。
: 女子バレー部の美人キャプテンで、女生徒たちから憧れを抱かれている。実は同性愛者で、ひばりに惚れている。宝塚系な母とハードゲイな3人の兄がいる。
; 呉井寺 やすあきくれいじ やすあき
; {{読み仮名|呉井寺 やすあき|くれいじ やすあき}}
: 呉井寺会親分のひとり息子。通称ヤックン。太っていて頭が大きく、唇が厚く、歯が数本抜けている。[[香川伸行|ドカベン香川]]に似ていて、[[山下清|裸の大将]]風のしゃべり方をする。親分に甘やかされ、言動はお茶目な坊やだが、実は28歳。ひばりとの結婚を希望しており、親分が手先に耕作を脅迫させるが、これを知ったひばりが軽機関銃を携えて自宅に乗り込み威嚇射撃で逆襲、「耕作に手を出したら許さない」と釘を刺す。
: 呉井寺会親分のひとり息子。通称ヤックン。太っていて頭が大きく、唇が厚く、歯が数本抜けている。[[香川伸行|ドカベン香川]]に似ていて、[[山下清|裸の大将]]風のしゃべり方をする。親分に甘やかされ、言動はお茶目な坊やだが、実は28歳。ひばりとの結婚を希望しており、親分が手先に耕作を脅迫させるが、これを知ったひばりが軽機関銃を携えて自宅に乗り込み威嚇射撃で逆襲、「耕作に手を出したら許さない」と釘を刺す。
; 本田 拓人([[ホンダ・タクト|ほんだ たくと]])
; {{読み仮名|本田 拓人|ほんだ たくと}}
: 耕作やひばりのクラスメイト。その美貌で、数多くの女の子を[[ナンパ]]で落とすことを生き甲斐とし、高校に入学してから998.5人(「ナンパする気が無くたまたま目があっただけの5歳の幼女」は「0.5人」と計上)ナンパしたと豪語している。ナンパの際にはなぜか目つきや前髪がコロコロ変わる。1000人目のターゲットとしてひばりを狙うも、ひばりが全く興味を示さず、本田は人生初のナンパ失敗を味わうこととなる。
: 耕作やひばりのクラスメイト。その美貌で、数多くの女の子をナンパで落とすことを生き甲斐とし、高校に入学してから998.5人(「ナンパする気が無くたまたま目があっただけの5歳の幼女」は「0.5人」と計上)ナンパしたと豪語している。ナンパの際にはなぜか目つきや前髪がコロコロ変わる。1000人目のターゲットとしてひばりを狙うも、ひばりが全く興味を示さず、本田は人生初のナンパ失敗を味わうこととなる。
: ひばりを狙い続けるが尽く失敗に終わり、最後には本田とひばりが付き合っているかのような学校新聞を捏造する。その身勝手な行動からひばりの反感を買い、ひばりは仕返しとして耕作と更にいちゃつくようになる。
: ひばりを狙い続けるが尽く失敗に終わり、最後には本田とひばりが付き合っているかのような学校新聞を捏造する。その身勝手な行動からひばりの反感を買い、ひばりは仕返しとして耕作と更にいちゃつくようになる。
: 初登場時、耕作から「しかし同じクラスに君みたいなのがいたとは知らなかった」という指摘を受けた際に「なにしろ作者がいい加減だからね」という愚痴をこぼしている。
: 初登場時、耕作から「しかし同じクラスに君みたいなのがいたとは知らなかった」という指摘を受けた際に「なにしろ作者がいい加減だからね」という愚痴をこぼしている。
;鈴木銭馬([[スズキ・ジェンマ|すずき じぇんま]])、山羽佐利庵([[ヤマハ・サリアン|やまは さりあん]])
; {{読み仮名|鈴木銭馬|すずき じぇんま}}{{読み仮名|山羽佐利庵|やまは さりあん}}
:本田とともに、若葉学園[[スケコマシ]]トリオ。3人は呼ばれていないにも関わらず大空組の年忌兼クリスマスパーティーに出席した。山羽の父は坊主をしており、大空家の年忌も務めたが、組長を除きクリスマスパーティしかする気のない大空組を見限り、途中から仕事を放り出し、勝手にクリスマスパーティを始めてしまった。
: 本田とともに、若葉学園スケコマシトリオ。3人は呼ばれていないにも関わらず大空組の年忌兼クリスマスパーティーに出席した。山羽の父は坊主をしており、大空家の年忌も務めたが、組長を除きクリスマスパーティしかする気のない大空組を見限り、途中から仕事を放り出し、勝手にクリスマスパーティを始めてしまった。
; 岩咲 ひろみ
; {{読み仮名|岩咲 ひろみ|いわさき ひろみ}}
: ひばりと耕作の担任教師。任侠映画にはまっている。
: ひばりと耕作の担任教師。任侠映画にはまっている。
; 天地先生
; {{読み仮名|天地先生|あまちせんせい}}
: 暑苦しい体育教師。岩咲先生のことが好き。
: 暑苦しい体育教師。岩咲先生のことが好き。
; 高円寺 さゆりこうえんじ さゆり
; {{読み仮名|高円寺 さゆり|こうえんじ さゆり}}
: 豪邸に住む、わがままなお嬢様。椎名の中学時代の後輩。黒龍高校ボクシング部員に絡まれていたのを助けてくれた耕作に惚れて、身辺を探偵を使って探っているうちにひばりの秘密を知る。耕作よりも1学年下だが強引に同じクラスに転入し、「私はオカマじゃない。こんな異常な環境からあなたを救いたい」と自分の[[乳房]]に着衣越しに触れさせたりとこれまた強引にアタックする。活字でしか解らないギャグを吐く事がある。「『薬師丸ひろ子に似ている』とよく言われる」が口癖。
: 豪邸に住む、わがままなお嬢様。椎名の中学時代の後輩。黒龍高校ボクシング部員に絡まれていたのを助けてくれた耕作に惚れて、身辺を探偵を使って探っているうちにひばりの秘密を知る。耕作よりも1学年下だが強引に同じクラスに転入し、「私はオカマじゃない。こんな異常な環境からあなたを救いたい」と自分の乳房に着衣越しに触れさせたりとこれまた強引にアタックする。活字でしか解らないギャグを吐く事がある。「『薬師丸ひろ子に似ている』とよく言われる」が口癖。
: アニメでは若葉学園への転入はなく、再度不良に絡まれた際に助けてくれた梶みつをに気持ちが移り、耕作への想いをあっさりと忘れる。
: アニメでは若葉学園への転入はなく、再度不良に絡まれた際に助けてくれた梶みつをに気持ちが移り、耕作への想いをあっさりと忘れる。
; 白智 小五郎しらとも こごろう
; {{読み仮名|白智 小五郎|しらとも こごろう}}
: 高円寺さゆりに雇われた探偵。ひばりの秘密を探り、さゆりに報告する。『ひのまる劇場』の初期の主人公。
: 高円寺さゆりに雇われた探偵。ひばりの秘密を探り、さゆりに報告する。『ひのまる劇場』の初期の主人公。
; 理事長(ジョー明石)
; {{読み仮名|理事長|りじちょう}}
: 若葉学園の理事長。若い頃は「いばり」と台風三人組と呼ばれた極道者。ひばりが男だという事も知っているが、その事を指摘した白智小五郎に対し、「個人の趣味の問題」と相手にしていない。お風呂好き。
: 本名はジョー明石。若葉学園の理事長。若い頃は「いばり」と台風三人組と呼ばれた極道者。ひばりが男だという事も知っているが、その事を指摘した白智小五郎に対し、「個人の趣味の問題」と相手にしていない。お風呂好き。
; 江口"Candy"寿史えぐち キャンディ ひさし
; {{読み仮名|江口"Candy"寿史|えぐち キャンディ ひさし}}
: 本作の作者である江口寿史本人。通称「先ちゃん」。サングラスを着用した天然パーマに肥満体質が目立つ男性だが、作者曰く「本物はこんなに太っていない」とのこと。本編のあちこちで顔を出し注釈を入れることもあるが、基本的にはページを埋めるための無意味なギャグや白いワニに襲われる錯覚を起こす事が多い。結局は本編の妨害をしていることがほとんどであることから担当からツッコミを入れられたり暴行を受けるオチがつく事がほとんど。
: 本作の作者である江口寿史本人。通称「先ちゃん」。サングラスを着用した天然パーマに肥満体質が目立つ男性だが、作者曰く「本物はこんなに太っていない」とのこと。本編のあちこちで顔を出し注釈を入れることもあるが、基本的にはページを埋めるための無意味なギャグや白いワニに襲われる錯覚を起こす事が多い。結局は本編の妨害をしていることがほとんどであることから担当からツッコミを入れられたり暴行を受けるオチがつく事がほとんど。
: 締切を守れなかったため江口本人が坊主頭になった際も、彼も同じく坊主頭になっていた。
: 締切を守れなかったため江口本人が坊主頭になった際も、彼も同じく坊主頭になっていた。
: JC版最終回では都合上、主役になっている。
: JC版最終回では都合上、主役になっている。
; 河野"ハニーチェリー"哲郎こうの ハニーチェリー てつろう
; {{読み仮名|河野"ハニーチェリー"哲郎|こうの ハニーチェリー てつろう}}
: 江口のアシスタント。趣味はロックバンドのようで、時折佐野元春の「Happy Man」を口ずさむ。基本的にツッコミ役。暇が多いらしく、どこでも寝られるという特技を持つ。
: 江口のアシスタント。趣味はロックバンドのようで、時折佐野元春の「Happy Man」を口ずさむ。基本的にツッコミ役。暇が多いらしく、どこでも寝られるという特技を持つ。
; [[高橋俊昌|高橋"トド"俊昌]]たかはし トド としまさ、[[奥脇三雄|奥脇 三雄]]おくわき みつお、中平 信なかひら まこと
; {{読み仮名|[[高橋俊昌|高橋"トド"俊昌]]|たかはし トド としまさ}}{{読み仮名|[[奥脇三雄|奥脇 三雄]]|おくわき みつお}}{{読み仮名|中平 信|なかひら まこと}}
: 歴代の江口の担当達。締切を守れない江口に振り回されてばかりで、かなり苦労している模様。
: 歴代の江口の担当達。締切を守れない江口に振り回されてばかりで、かなり苦労している模様。
: 中平以前の担当は、過労や精神的ショック等が災いし全員死去していると明かされている<ref group="注">あくまで劇中の設定であり作者及び今作の制作現場が原因とする死者は出ていない。</ref>
: 中平以前の担当は、過労や精神的ショック等が災いし全員死去し設定になってい
; 白いワニ
; 白いワニ
: 未完成の「白い原稿」を象徴する存在で、作者・江口の周囲に幻覚のように現れ、彼を苦しめる。アニメ版においては、大空いばりの精神状態が憤った際にテーマ曲と共に出現する。
: 未完成の「白い原稿」を象徴する存在で、作者・江口の周囲に幻覚のように現れ、彼を苦しめる。アニメ版においては、大空いばりの精神状態が憤った際にテーマ曲と共に出現する。


== テレビアニメ ==
== テレビアニメ ==
{{出典の明記|date=2021年8月|section=1}}
[[1983年]][[5月20日]]から[[1984年]][[1月27日]]まで、フジテレビで金曜日19:00 - 19:30枠に於いて放送された。全35話。元々原作のストックが少なかった為、すぐに原作のエピソードを使い切ってしまい、後半は他の江口作品のストーリーを転用したり、アニメ側のスタッフが作ったオリジナルストーリーを制作している。また原作よりもラブコメテイストが強めに描かれている。2003年、全話収録のDVDボックスセットが発売された。エンディングの楽曲『コンガラ・コネクション』のギターは、当時まだ無名だった[[布袋寅泰]]がスタジオ・ミュージシャンとして演奏している。またアニメ内での舞台は[[東映動画]]がある[[練馬区]]の模様で、電柱に練馬区の住所表示がある他[[大泉学園駅]](劇中では「学園駅」と表記)らしい駅舎が登場している。
[[1983年]][[5月20日]]から[[1984年]][[1月27日]]まで、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]で金曜日19:00 - 19:30枠に於いて放送された。全35話。元々原作のストックが少なかった為、すぐに原作のエピソードを使い切ってしまい、後半は他の江口作品のストーリーを転用したり、アニメ側のスタッフが作ったオリジナルストーリーを制作している。また原作よりもラブコメテイストが強めに描かれている。2003年、全話収録のDVDボックスセットが発売された。なお、アニメ内で描かれる電柱には練馬区(東映動画の所在地)の住所表示がある。


=== 声の出演 ===
=== 声の出演 ===
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* 大空 つばめ - [[色川京子]]
* 大空 つばめ - [[色川京子]]
* 大空 すずめ - [[鈴木富子]]
* 大空 すずめ - [[鈴木富子]]
*若頭 サブ - [[若本規夫|若本紀昭]]
* 若頭 サブ - [[若本規夫|若本紀昭]]
*子分 政二 - [[西尾徳]]
* 子分 政二 - [[西尾徳]]
*椎名 まこと - [[森功至]]
* 椎名 まこと - [[森功至]]
*春江(耕作の母) - [[池田昌子]]
* 春江耕作の母 - [[池田昌子]]
*龍作(耕作の父) - [[塩屋浩三]]
* 龍作耕作の父 - [[塩屋浩三]]
*岩咲 ひろみ - [[川島千代子]]
* 岩咲 ひろみ - [[川島千代子]]
*素張田 辰五郎(通称 - スパルタの辰) - [[大塚周夫]](第2話登場)
* 素張田 辰五郎(通称スパルタの辰) - [[大塚周夫]](第2話登場)
*花園 かおり - [[中野聖子]]
* 花園 かおり - [[中野聖子]]
*花子 - [[上村典子]]
* 花子 - [[上村典子]]
*みちこ(花園かおりの取り巻きでポニーテールの女性) - [[高木ゆう子]]
* みちこ(花園かおりの取り巻きでポニーテールの女性) - [[高木ゆう子]]
*ナオコ(花園かおりの取り巻きでショートカットの女性) - 島津博美
* ナオコ(花園かおりの取り巻きでショートカットの女性) - 島津博美
*番長 - [[佐藤正治 (声優)|佐藤正治]](第3話登場)
* 番長 - [[佐藤正治 (声優)|佐藤正治]](第3話登場)
*梶 光男 - 塩屋浩三
* 梶 光男 - 塩屋浩三
*可愛 理絵 - [[鶴ひろみ]](第4話&第5話登場)
* 可愛 理絵 - [[鶴ひろみ]](第4話&第5話登場)
*海牛 文太(海牛組組長の息子) - [[塩沢兼人]](第6話登場)
* 海牛 文太海牛組組長の息子 - [[塩沢兼人]](第6話登場)
*文太の父(海牛組組長) - [[雨森雅司]](第6話登場)
* 文太の父海牛組組長 - [[雨森雅司]](第6話登場)
*素張田 小辰(素張田 辰五郎の息子) - [[古川登志夫]](第7話登場)
* 素張田 小辰素張田 辰五郎の息子 - [[古川登志夫]](第7話登場)
*片桐(すずめの友達) - [[坂本千夏]](第8話登場)
* 片桐すずめの友達 - [[坂本千夏]](第8話登場)
*板垣 大助(耕作の親友) - [[三ツ矢雄二]](第10話登場)
* 板垣 大助耕作の親友 - [[三ツ矢雄二]](第10話登場)
*天地先生 - [[田中秀幸 (声優)|田中秀幸]](第13話登場)
* 天地先生 - [[田中秀幸 (声優)|田中秀幸]](第13話登場)
*ウルトラ親分 - [[田中康郎]](第13話登場)
* ウルトラ親分 - [[田中康郎]](第13話登場)
*仮面親分 - [[田中亮一]](第13話登場)
* 仮面親分 - [[田中亮一]](第13話登場)
*則巻親分 - 佐藤正治(第13話登場)
* 則巻親分 - 佐藤正治(第13話登場)
*呉井寺親分 - [[青野武]](第13話登場)
* 呉井寺親分 - [[青野武]](第13話登場)
*呉井寺 やすあき(通称:ヤックン) - 矢代駿(第13話登場)
* 呉井寺 やすあき(通称ヤックン) - 矢代駿(第13話登場)
*本田 進 - [[田中和実]](第14話登場)
* 本田 進 - [[田中和実]](第14話登場)
*鈴木 兵介 - [[広森新吾]](第14話登場)
* 鈴木 兵介 - [[広森新吾]](第14話登場)
*山羽 珍庵 - [[小滝進]](第14話登場)
* 山羽 珍庵 - [[小滝進]](第14話登場)
*高倉 裕次郎 - [[龍田直樹]](第16話登場)
* 高倉 裕次郎 - [[龍田直樹]](第16話登場)
*龍作 - [[郷里大輔]](第17話登場)
* 龍作 - [[郷里大輔]](第17話登場)
*大曽根 - [[矢田耕司]](第17話登場)
* 大曽根 - [[矢田耕司]](第17話登場)
*パンサー横畑 - 中野聖子(第21話登場)
* パンサー横畑 - 中野聖子(第21話登場)
*ジャイアントリッパー - 上村典子(第21話登場)
* ジャイアントリッパー - 上村典子(第21話登場)
*珍間 おかし - 雨森雅司(第21話登場)
* 珍間 おかし - 雨森雅司(第21話登場)
*鳳ジュン - [[三田ゆう子]](第22話登場)
* 鳳ジュン - [[三田ゆう子]](第22話登場)
*ジュンの母 - [[京田尚子]](第22話登場)
* ジュンの母 - [[京田尚子]](第22話登場)
*一刀斎 - [[塩屋浩三]](第23話登場)
* 一刀斎 - [[塩屋浩三]](第23話登場)
*ジャンケン強盗 - [[大竹宏]](第23話登場)
* ジャンケン強盗 - [[大竹宏]](第23話登場)
*青田刑事 - [[はせさん治]](第24話登場)
* 青田刑事 - [[はせさん治]](第24話登場)
*黒田刑事 - 青野武(第24話登場)
* 黒田刑事 - 青野武(第24話登場)
*雪代 - [[雨宮一美]](第24話登場)
* 雪代 - [[雨宮一美]](第24話登場)
*玉城 - [[蟹江栄司]](第24話登場)
* 玉城 - [[蟹江栄司]](第24話登場)
*老婆 - [[鈴木れい子]](第24話登場)
* 老婆 - [[鈴木れい子]](第24話登場)
*川鼻 広 - [[塩沢兼人]](第25話登場)
* 川鼻 広 - [[塩沢兼人]](第25話登場)
*リバヒィ - [[山本百合子]](第25話登場)
* リバヒィ - [[山本百合子]](第25話登場)
*酋長 - 田中廉郎(第25話登場)
* 酋長 - 田中廉郎(第25話登場)
*ジェロニモ - 佐藤正治(第26話登場)
* ジェロニモ - 佐藤正治(第26話登場)
*仁吉 - 大竹宏(第26話登場)
* 仁吉 - 大竹宏(第26話登場)
*虎造 - [[青森伸]](第26話登場)
* 虎造 - [[青森伸]](第26話登場)
*文子 - [[武藤礼子]](第27話登場)
* 文子 - [[武藤礼子]](第27話登場)
*森田 健作 - 塩沢兼人(第28話登場)
* 森田 健作 - 塩沢兼人(第28話登場)
*鈴木 すし丸(影の大番長) - 龍田直樹(第28話登場)
* 鈴木 すし丸影の大番長 - 龍田直樹(第28話登場)
*高円寺 さゆり - 山本百合子(第29話登場)
* 高円寺 さゆり - 山本百合子(第29話登場)
*白智 小五郎 - [[宮内幸平]](第29話登場)
* 白智 小五郎 - [[宮内幸平]](第29話登場)
*金田 金助 - [[滝口順平]](第30話登場)
* 金田 金助 - [[滝口順平]](第30話登場)
*執事 - はせさん治(第30話登場)
* 執事 - はせさん治(第30話登場)
*ハンセン石松 - 佐藤正治(第32話登場)
* ハンセン石松 - 佐藤正治(第32話登場)
*看護婦 - [[頓宮恭子]](第34話登場)
* 看護婦 - [[頓宮恭子]](第34話登場)
*梶の母 - [[つかせのりこ]](第34話登場)
* 梶の母 - [[つかせのりこ]](第34話登場)


=== スタッフ ===
=== スタッフ ===
* 企画岡正([[フジテレビジョン|フジテレビ]])、横山賢二([[東映動画]])
* 企画 - 岡正(フジテレビ)、横山賢二([[東映動画]])
* 原作江口寿史
* 原作 - 江口寿史
* 音楽西村耕次
* 音楽 - 西村耕次
* キャラクターデザイン[[兼森義則]]
* キャラクターデザイン - [[兼森義則]]
* 美術デザイン[[椋尾篁]]、[[窪田忠雄]]
* 美術デザイン - [[椋尾篁]]、[[窪田忠雄]]
* シリーズディレクター久岡敬史
* シリーズディレクター - 久岡敬史
* プロデューサー大野清
* プロデューサー - 大野清
* 製作担当佐々木章
* 製作担当 - 佐々木章
* 特殊効果岡田良明、中島正之、石橋康全、北村喜久子、熊井芳貴
* 特殊効果 - 岡田良明、中島正之、石橋康全、北村喜久子、熊井芳貴
* 撮影[[白井久男]]、菅谷英夫、佐野禎史、佐藤隆郎
* 撮影 - [[白井久男]]、菅谷英夫、佐野禎史、佐藤隆郎
* 編集吉川泰弘
* 編集 - 吉川泰弘
* 録音池上信照
* 録音 - 池上信照
* 効果[[原田サウンド|原田千昭]]
* 効果 - [[原田サウンド|原田千昭]]
* 選曲白井多美雄
* 選曲 - 白井多美雄
* キャスティング協力[[青二プロダクション]]
* キャスティング協力 - [[青二プロダクション]]
* 演出助手堀川和政、江幡宏之、松沢正一
* 演出助手 - 堀川和政、江幡宏之、松沢正一
* 製作進行鈴木元、森田正男
* 製作進行 - 鈴木元、森田正男
* オーディオディレクター[[本田保則]]
* オーディオディレクター - [[本田保則]]
* 記録池田紀代子
* 記録 - 池田紀代子
* 現像[[東映化学工業|東映化学]]
* 現像 - [[東映化学工業|東映化学]]
* 制作フジテレビ、東映動画
* 制作 - フジテレビ、東映動画


=== 主題歌 ===
=== 主題歌 ===
;オープニングテーマ ‐ 『ストップ!! ひばりくん!
; オープニングテーマストップ!! ひばりくん!
:作詞[[伊藤アキラ]] / 作曲・編曲[[小林泉美 (歌手)|小林泉美]] / 歌雪野ゆき
: 作詞 - [[伊藤アキラ]] / 作曲・編曲 - [[小林泉美 (歌手)|小林泉美]] / 歌 - 雪野ゆき
;エンディングテーマ - 『コンガラ・コネクション
; エンディングテーマコンガラ・コネクション
:作詞伊藤アキラ / 作曲・編曲小林泉美 / 歌星野アイ
: 作詞 - 伊藤アキラ / 作曲・編曲 - 小林泉美 / 歌 - 星野アイ


上記2曲を収録したEPレコードは、[[キャニオン・レコード]](現在の[[ポニーキャニオン]])から発売された。2曲とも後にCD化されている。
上記2曲を収録したEPレコードは、[[キャニオン・レコード]](現在の[[ポニーキャニオン]])から発売された。2曲とも後にCD化されている。オープニングテーマは[[大杉久美子]]によるカヴァーバージョンが存在する。なお、「コンガラ・コネクション」のギターは、当時まだ無名だった[[布袋寅泰]]がスタジオ・ミュージシャンとして演奏している。
なお、オープニングテーマは[[大杉久美子]]による[[カヴァー]]バージョンが存在する。


=== 各話リスト ===
=== 各話リスト ===
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=== 放送局 ===
=== 放送局 ===
{{出典の明記|date=2018年12月|section=1}}
キー局・制作局であるフジテレビではローカルセールス枠で放送されたことから、フジテレビ系列の[[基幹局]]でも[[テレビ西日本]]<ref>テレビ西日本の金曜日19:00 - 19:30枠では、1983年9月まで『[[アーノルド坊やは人気者]]』(海外作品。[[CBCテレビ|CBC]]・[[東北新社]]配給)。10月からは『別冊・[[笑っていいとも!増刊号]]』を放送。</ref> など放送されなかった局や、[[東海テレビ放送|東海テレビ]]<ref>東海テレビの金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作『[[家族対抗チャンスクイズ]]』を放送。</ref>、[[関西テレビ放送|関西テレビ]]<ref>関西テレビの金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作『[[阪急ドラマシリーズ]]』を放送(フジテレビでも別枠で放送)。</ref> 等時差ネットした局があった。また、[[テレビ新広島]]<ref>テレビ新広島の金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作・[[中国電力]][[一社提供]]『[[クイズクロス5]]』を放送。</ref> では本放送終了後の1984年7月より放送が開始されたが、小学校・中学校の夏休み期間中の特別編成による集中放送であった。
キー局・制作局であるフジテレビではローカルセールス枠で放送されたことから、フジテレビ系列の[[基幹局]]でも[[テレビ西日本]]<ref>テレビ西日本の金曜日19:00 - 19:30枠では、1983年9月まで『[[アーノルド坊やは人気者]]』(海外作品。[[CBCテレビ|CBC]]・[[東北新社]]配給)。10月からは『別冊・[[笑っていいとも!増刊号]]』を放送。</ref> など放送されなかった局や、[[東海テレビ放送|東海テレビ]]<ref>東海テレビの金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作『[[家族対抗チャンスクイズ]]』を放送。</ref>、[[関西テレビ放送|関西テレビ]]<ref>関西テレビの金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作『[[阪急ドラマシリーズ]]』を放送(フジテレビでも別枠で放送)。</ref> 等時差ネットした局があった。また、[[テレビ新広島]]<ref>テレビ新広島の金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作・[[中国電力]][[一社提供]]『[[クイズクロス5]]』を放送。</ref> では本放送終了後の1984年7月より放送が開始されたが、小学校・中学校の夏休み期間中の特別編成による集中放送であった。


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* [[テレビ熊本]]:月曜 17:00 - 17:30
* [[テレビ熊本]]:月曜 17:00 - 17:30


== その他 ==
=== DVD ===
* ストップ!! ひばりくん! DVDコレクション I(2003年2月26日、ユニバーサルミュージック)<ref>[https://tower.jp/item/958658/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97!!%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A%E3%81%8F%E3%82%93!DVD%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-I%EF%BC%9C%E9%80%9A%E5%B8%B8%E7%89%88%EF%BC%9E DVDコレクション I(TOWER RECORDS)]</ref>
* 後日談で、江口がとある[[ゲイバー]]に連れて行かれたとき、江口の傍にいたホステスが、江口が「ひばりくん」を描いていたことを知ると突然泣き出し、「私は『ひばりくん』を読んで"この道"に入ったんです」と言われたらしい。当然江口本人はそんなつもりでひばりくんを描いたわけではなかったと語っている。
* ストップ!! ひばりくん! DVDコレクション II(2003年2月26日、ユニバーサルミュージック)<ref>[https://tower.jp/item/966100/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97!!%E3%81%B2%E3%81%B0%E3%82%8A%E3%81%8F%E3%82%93!DVD%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3II DVDコレクション II(TOWER RECORDS)]</ref>
* 前述の通り、ラブコメのアンチテーゼとして書かれた本作であるが、結局本作の流れを継いだのは『[[きまぐれオレンジ☆ロード|きまぐれオレンジロード]]』などのポップなラブコメとなっている。[[来栖美憂]]はその点を「皮肉な流れ」としている。
* ストップ!! ひばりくん! DVD-BOX デジタルリマスター版(2014年9月26日、ベストフィールド){{R|tc-ent}}
* TVアニメでひばりを演じた[[間嶋里美]]と耕作を演じた[[古谷徹]]は、その後、実生活でも夫婦になっている。

*[[火浦功]]による小説『[[未来放浪ガルディーン]]』の主人公の一人は「大空ひばり」がモデルになっている。
== 反響 ==
*大空いばりは自白剤を間違えて打たれた時に『[[クックロビン]]』の殺害をほのめかしている(※『[[パタリロ!]]』からのアンサーギャグ)。
=== 売り上げ ===
{{節スタブ|1=<nowiki/>
* 発行部数
* 視聴率
}}
テレビアニメの放映当時、家庭用ビデオデッキはまだそれほど普及しておらず、家庭内には厳しいチャンネル争いがあるのが一般であった。本作テレビアニメの裏番組には『[[ドラえもん (1979年のテレビアニメ)|ドラえもん]]』があり、1983年10月からは『[[銀河漂流バイファム]]』の放送が開始され、同じ時間帯に『ひばりくん』『ドラえもん』『バイファム』が並ぶ状況となった。ライターの早川清一朗は、当時の状況を振り返って、「時代の最先端を行くジェンダー論を取り込んだアニメと『ドラえもん』。果たして子を持つ親はどちらを見せたがるかと言えば、それは『ドラえもん』になってしまいます。」と述べている<ref>{{Cite web |author=早川清一朗 |date=2020-05-20 |url=https://news.infoseek.co.jp/article/magmix_28173/ |title=裏番組が強すぎたアニメ『ストップ!! ひばりくん!』「男の娘」に少年たちは衝撃 |accessdate=2021-08-10}}</ref>。『ドラえもん』のために本作テレビアニメは視聴者獲得で苦戦することになった<ref name="tc-ent">[https://www.tc-ent.co.jp//products/detail/BFTD-0105 想い出のアニメライブラリー 第26集 ストップ!! ひばりくん! DVD-BOX デジタルリマスター版。TCエンタテインメント株式会社]</ref>。

=== 批評 ===
精神科医の[[斎藤環]]は、本作は「女性的な外見と男性的な内面を対比させることで」大空ひばりとの「目まぐるしい日常」を実現しているものであるとし、異性装のキャラクターたちによる「服装倒錯の連続」として捉えることができると解説している<ref>{{cite book|author=Saitō, Tamaki|author-link=斎藤環|translator1=Vincent, J. Keith|translator2=Lawson, Dawn|title=Beautiful Fighting Girl|chapter=A Genealogy of the Beautiful Fighting Girl|publisher=[[ミネソタ大学ツインシティー校|ミネソタ大学出版局]]|date=2011-03-16|isbn=978-0-8166-5450-5|page=110}}</ref><ref>{{cite book|author=Denison, Rayna|title=Anime: A Critical Introduction|chapter=Anime, Video and the Shōjo and Shōnen Genres|publisher=Bloomsbury Academic|date=2015-12-03|isbn=978-1-84788-479-4}}</ref>。マンガ評論家の[[中野晴行]]は、大空ひばりが(本当は)少年であり、かつヤクザの跡取りでもあるという複合した設定が、本作をユニークで傑出したギャグマンガにしていると評し、この成功はまた、少女たちを単にかわいく描くだけでなく、いい味を持たせ、色気も醸し出せる江口の能力によるところが大きいとしている{{R|daimokuroku}}。(一般に)ひばりの繊細な描き方は、ギャグマンガであることを読者が忘れてしまうほど魅力的だとされている{{R|asagei}}。ライターの島田一志は、80年代の空気感を見事に切り取りつつ、年月を経ても古びない時代を超越したクールな絵と評している{{R|shimada}}。

{{Quote box
| quote = 私はその時小学生、ちょうどオシャレにこだわりだした頃で、Tシャツ1枚買うのにも母を連れ回したりしていたのですが、その頃のオシャレの参考は、テレビや雑誌でも他の誰でもなく“ひばりくん”でした。
| source = —[[YUKI (歌手)|Yuki]]{{R|gendai44-45}}
| align = right
| width = 20%
}}
雑誌『Cyzo』に寄稿した漫画評論家のJyamaoは、本作ではその全体的に軽快・ポップな文体のために、わいせつまたは不道徳な女装が生じておらず、テレビアニメがゴールデンタイムに放映できたのもそのためであろうと推測している{{R|cyzo}}。Jyamaoは、女装を伴うギャグと比べ、ヤクザの組員を取り巻くギャグは性質が極端であると指摘し、今日では薬物ネタを含む一部のギャグはユーモアとは受け取られないだろうと述べている{{R|cyzo}}。マンガ解説者の[[新保信長|南信長]]は、高いファッションセンスを持つキャラクターを描いたパイオニアとして、本作の江口を賞賛している。南は、本作が少年漫画のファッションを「シンボル」から「アクセサリー」へと事実上変化させたと評している{{R|gendai44-45}}。江口の細部へのこだわりも賞賛しており、例えばある回で耕作が[[コンバース・オールスター|チャック・テイラー・オールスターズ]]を履いている点を挙げている{{R|gendai44-45}}。

=== 影響 ===
『[[ガーディアン]]』紙は[[ジャパン・ソサエティー]]の美術展を紹介した記事において、江口が『[[すすめ!!パイレーツ]]』や本作の創作を通じ、実質的に[[J-POP]]現象全体への道を開いたとしている{{R|jpop}}。中学時代に本作を読んだ『[[テガミバチ]]』の作者・[[浅田弘幸]]は、本作の新しいセンスに憧れ、絵にも影響を受けた{{R|gokui}}。[[火浦功]]による小説『[[未来放浪ガルディーン]]』の主人公の一人は「大空ひばり」がモデルになっている<ref name="vol1p295t296">{{Cite book|和書|title=未来放浪ガルディーン① 大熱血。|isbn=4-04-162702-8|author=[[火浦功]]|chapter=大無謀対談ー"ガルディーン"のつくりかた|coauthors=[[出渕裕]]、[[ゆうきまさみ]]|publisher=[[角川書店]]|series=[[角川文庫]]|date=1986-08-25|edition=11版|pages=295-296}}</ref>。[[幾夜大黒堂]]『[[境界のないセカイ]]』は18歳になると「性別の選択」が可能になる世界を描いた漫画作品であるが、幾夜は第1巻の内田啓子編を本作や『[[プラナス・ガール]]』のフォーマットに準じて描いたと述べている{{R|ikuya}}。

島田一志は2020年の論稿において、大空ひばりが異性装者やゲイに対する差別や偏見を排除し、80年代の人々の認識を変えた原動力のひとつになったのではないかと述べている{{R|shimada}}。江口も何人かの読者が本作に影響され女装を始めたと報告している{{R|qj}}。島田は、ギャグであるはずのひばりの女装が、実際は「あなたの好きなように生きればいい」というマイノリティへのメッセージになっており、読者に対し「マイノリティであることは悪いことではなく“個性”」という感覚を秘かに植えつけた可能性を指摘している{{R|shimada}}。

江口本人は本作のような「オカマの面白さ」を扱った作品として、後に「BREAK DOWN」<ref>江口寿史「BREAK DOWN」『[[江口寿史の爆発ディナーショー]]』[[双葉社]] 1991年7月1日 ISBN 4575281123、69 - 72頁</ref>等を描いている。

=== 男の娘の系譜における大空ひばり ===
おたく文化史研究家・吉本たいまつによれば、本作はその後の「男の娘」ブームの直接の先祖であるとされている。吉本は、江口が男女の描画コードを明示的に転倒させることでギャグを生み出している一方、そこにおいて「性別を越境する妖しい魅力」をも作り出していたと分析する。男性キャラクターに対して女性の描画コードを使い、受け手の認識を混乱させる試みは、吉本によれば[[手塚治虫]]の『[[リボンの騎士]]』にまで遡るとされ、本作では『リボンの騎士』より明確に「男の子でもかわいければ恋愛・性の対象にしてもよい」という視点が打ち出されているとされている。吉本は、描画コードの転倒は、その後も漫画表現の中に根付いて継続していったとし、[[奥浩哉]]『[[変 (漫画)|HEN]]』、[[小野敏洋]]『[[バーコードファイター]]』(ともに1992年)をその例として挙げている{{R|taimatsu}}。

「オトコの娘年表」(『おと★娘』VOL.7)の構成を担当した来栖美憂は、「オトコの娘文化」の始点はどこかと論じることから始めている。それによれば、[[江戸川乱歩]]の[[少年探偵団#小林少年|小林少年]]、[[横山光輝]]『[[伊賀の影丸]]』の影丸の女装の頃には、一部に熱狂的なファンがついていたという。そこへ「大きな一石を投じ」ることになったのが本作であるとし、「ひばりくんの可愛さは衝撃的であり、彼が近代女装美少年文化の始点という評価に異を唱える者はまずいないだろう」と断じている{{R|otonyan_v7}}。一方で来栖は、『オトコノコ倶楽部vol.1』において本作を「女装系漫画のルーツ」とみなす認識に異を唱えている。ラブコメのアンチテーゼとして書かれた本作であるが、結局本作の流れを継いだのは『[[きまぐれオレンジ☆ロード]]』などのポップなラブコメであった。系譜を作り得なかった本作は、その意味において「ルーツ」とまでは言えないと述べている<ref>[https://web.archive.org/web/20110208171542/http://josotsusin.jp/contents/content/53 女装通信 - 女装少年の系譜/第一回【メジャー漫画・2000年編】(『オトコノコ倶楽部vol.1』のコンテンツより)](2011年2月8日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>。『おと★娘』における来栖の分析では、本作の流れは一旦少女漫画に受け継がれつつ、『バーコードファイター』で多くの児童の価値観を再び揺るがしたとされている{{R|otonyan_v7}}。

漫画評論を行っている[[永山薫]]もまた、現在の男の娘漫画に直結する先駆的作品として本作を挙げている。家族が嘘をついて耕作をからかっているだけという可能性を指摘しつつ、「実は男の子なんだけど、本当は女の子かもしれない」という想像の余地を読者に残す本作の手法は、後の[[松本トモキ]]『プラナス・ガール』(2009年)に継承されたとしている{{R|nagayama}}。

一方、あしやまひろこは2015年の、本作を「男の娘作品」の古典として挙げた論稿において、大空ひばりには「男の娘」の本質の一部が欠けていたと分析している。あしやまはひばりを『プラナス・ガール』の主人公・藍川絆と比較し、「容姿と行動で男の主人公を翻弄する小悪魔」という点では通じるものがあるとしつつ、両者には決定的な違いがあると論じた{{R|ashiyama}}。すなわち、大空ひばりは、主人公と家族以外の世間には女性として紹介され、かつ認知されている。また性同一性障害やオカマとして扱われる一面もあり、ポジションはギャグキャラクターである。対して藍川絆は、常に女装で生活していながら、性自認は一貫して男性であり、にもかかわらず学園中からアイドルとして扱われているのである{{R|ashiyama}}(この点には永山も注意を与えている{{R|nagayama}})。あしやまは『プラナス・ガール』では男の娘の可愛さが性別の範疇を超越するものとして表現されていると評し、両者の対比の中に80年代から現代に至るまでのパラダイムシフトを見出せるとしている{{R|ashiyama}}。

『プラナス・ガール』などの後、男の娘ブームは収束に向かった{{Refnest|「男の娘ブーム自体は全体として収束して、いまは低空飛行で安定」{{R|ido}}。「2015年現在、二次元表現における「男の娘」ブームは、終わりを告げたように思える」{{R|taimatsu}}。}}。『オトコノコ倶楽部』の創刊者で、『オトコノコ時代』の編集長であった井戸隆明は、ブームの頃に面白いコンテンツがあまり出てこなかったことを衰退の原因の一つに挙げている{{R|ido}}。その上で、本作を次のように評価している。

{{Quotation|絶対的にかわいい、小悪魔的な男の娘というのは『ひばりくん』を超えるものはもうないんじゃないかと。ただ、あれを描ける時代というのもあったと思います。ニューハーフブームはあったにしても、ひばりくんの実態がはっきりとはわからないんですよ。それに翻弄されるというのがギャグマンガとして成り立ったのは時代性でしょうね。いま同じようなことをやってもたぶん成立しない。|『オトコノコ時代』編集長・井戸隆明{{R|ido}}}}

井戸は、今後も大きな波は再びやってこないだろうと予測し、男の娘的なもののメルクマールといえるものは、結局、本作や『バーコードファイター』になるだろうとしている{{R|ido}}。


== 書誌情報 ==
== 書誌情報 ==
6度にわたって刊行されている。
過去5度にわたって刊行されている。ホーム社刊行の文庫版で一応の全編完全収録となり、『ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション3』に最終話が加筆掲載された。(前出)
最初に発行されたジャンプ・コミックス(JC)版の単行本には最後の4話が未収録であった。1991年に発売された[[完全版コミックス|完全版]]は、JC版に未収録だった4話のうち3話を収録したものの、連載最後の回は収録しなかった。最終回の収録は1999年の短編集『江口寿史の犬の日記、くさいはなし、その他の短篇』([[ベストセラーズ|KKベストセラーズ]])が最初となる。その後2004年に発行された文庫版(ホーム社)はこの最終回も含んでおり、一応の全編収録となった。
『ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション3』に最終話が加筆掲載された(前出)。なお第2巻(2009年)に単行本未収録の「Jの告白」のエピソードが初掲載された。

ただし、JC版の時点で、コマ割りに手を加える、『ジャンプ』掲載時の2話を1話にまとめ直すなど、大きく手を加えている話が多々あるため、未収録のページが存在する。


* ストップ!! ひばりくん!
* ストップ!! ひばりくん!
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* 江口寿史の犬の日記、くさいはなし、その他の短篇([[ベストセラーズ|KKベストセラーズ]]) - 1999年2月5日初版発行 ISBN 4-58-419553-6
* 江口寿史の犬の日記、くさいはなし、その他の短篇([[ベストセラーズ|KKベストセラーズ]]) - 1999年2月5日初版発行 ISBN 4-58-419553-6
* 江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!(発行:集英社インターナショナル・発売:集英社) - 2005年8月24日初版発行 ISBN 978-4-79-762001-6
* 江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!(発行:集英社インターナショナル・発売:集英社) - 2005年8月24日初版発行 ISBN 978-4-79-762001-6

== 参考文献 ==
* 「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』集英社インターナショナル、308 - 311頁
* 江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』[[ロッキング・オン]]2005年3月29日、ISBN 9784860520472、66 - 109頁
* 「リアルワインガイドインタヴュー」『リアルワインガイド VOL.19』寿スタジオ、2007年10月15日発行、114 - 117頁
* 印南敦史「新 家の履歴書」『週刊文春 2007年12月13日号』[[文藝春秋]]、112 - 115頁
* 『[総集編]江口寿史』[[河出書房新社]]〈KAWADE夢ムック文藝別冊〉2003年1月31日、ISBN 4309976433


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
{{reflist}}
{{reflist|2|refs=
<ref name="otonyan_v2">[[#otonyan_v2|来栖美憂(聞き手)「『ストップ!! ひばりくん!』ついに完結!! 江口寿史スペシャルインタビュー」、『おと★娘』VOL.2、99-102頁。]]</ref>
<ref name="otonyan_v7">[[#otonyan_v7|「おと☆娘特製 オトコの娘年表」、『おと★娘』VOL.7、103-105頁。]]</ref>
<ref name="ikuya">[[#eureka_201509|幾夜大黒堂インタビュー「境目と境界の漸近線 - 『境界のないセカイ』の向こう側」、『ユリイカ』2015年9月号。]]</ref>
<ref name="nagayama">[[#eureka_201509|永山薫「大きな声ではいえないオトコノコ漫画の秘密」、『ユリイカ』2015年9月号。]]</ref>
<ref name="ashiyama">[[#eureka_201509|あしやまひろこ「女装と男の娘の容姿と身体」、『ユリイカ』2015年9月号。]]</ref>
<ref name="ido">[[#eureka_201509|井戸隆明インタビュー「“オトコノコ”はどこにいる」、『ユリイカ』2015年9月号。]]</ref>
<ref name="taimatsu">[[#eureka_201509|吉本たいまつ「ショタ・女装少年・男の娘 二次元表現における「男の娘」の変遷」、『ユリイカ』2015年9月号、210-224頁。]]</ref>
<ref name="qj">[[#qj|「ハロルド作石×江口寿史 - FEATURES.1 マンガ最前線」、『Quick Japan』Vol.59。]]</ref>
<ref name="gendai44-45">[[#gendai|南信長「〈ファッションリーダー〉としての江口寿史」、『現代マンガの冒険者たち』、44-45頁。]]</ref>
<ref name="asagei">{{cite web|url=http://www.asagei.com/excerpt/15006|title=我が青春の週刊少年ジャンプ(3)江口にとっては極限状態も楽しい思い出|publisher=[[徳間書店]]|work=Asagei Plus|date=2013-08-16|accessdate=2016-04-25}}</ref>
<ref name="daimokuroku">{{cite web|author=[[中野晴行]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20121209003943/http://www.daimokuroku.com/?index=somme&date=20120608|url=http://www.daimokuroku.com/?index=somme&date=20120608|title=第101回 元祖「男の娘」? あべこべの笑いを超えたミラクルワールド 江口寿史『ストップ!!ひばりくん!完全版』|publisher=eBook Initiative Japan|date=2012-06-08|archivedate=2012-12-09|accessdate=2016-04-25}}</ref>
<ref name="cyzo">{{cite web|url=http://www.cyzo.com/2016/03/post_27235_entry.html|title=過激発言連発!! 打ち切り&発禁になった伝説の女装男子マンガ『ストップ!! ひばりくん!』『おカマ白書』|publisher=Cyzo|date=2016-03-25|accessdate=2016-04-25}}</ref>
<ref name="jpop">{{cite web|url=https://www.theguardian.com/technology/gamesblog/2009/mar/30/nintendo|title=Going Krazy in New York: anime, manga and the language of videogames|work=[[ガーディアン]]|date=2009-03-30|accessdate=2016-04-24}}</ref>
<ref name="gokui">{{cite web|url=http://jumpsq.shueisha.co.jp/contents/manganogokui11/interview1.html|title=ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」浅田弘幸先生&濱岡幸真先生《1》浅田先生、「少年漫画」のルーツ|publisher=[[集英社]]|accessdate=2016-04-26}}</ref>
<ref name="shimada">{{Cite web |author=島田一志 |date=2020-11-27 |url=https://realsound.jp/book/2020/11/post-662030.html |title=『ストップ!! ひばりくん!』なぜ時代を超えて愛される? 江口寿史が投げかけたメッセージ |accessdate=2021-08-10}}</ref>
}}

== 参考文献 ==
* 「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』集英社インターナショナル、308 - 311頁
* 江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』[[ロッキング・オン]]2005年3月29日、ISBN 9784860520472、66 - 109頁
* 「リアルワインガイドインタヴュー」『リアルワインガイド VOL.19』寿スタジオ、2007年10月15日発行、114 - 117頁
* 印南敦史「新 家の履歴書」『週刊文春 2007年12月13日号』[[文藝春秋]]、112 - 115頁
* 『[総集編]江口寿史』[[河出書房新社]]〈KAWADE夢ムック文藝別冊〉2003年1月31日、ISBN 4309976433
* {{Cite book |和書 |title=おと★娘 |volume=VOL.2 |series=ミリオンムック |publisher=[[ミリオン出版]] |date=2011-01-25 |isbn=978-4813064190 |url= |ref=otonyan_v2}}
* {{Cite book |和書 |title=おと★娘 |volume=VOL.7 |series=ミリオンムック |publisher=ミリオン出版 |date=2012-04-26 |isbn=978-4813065944 |url= |ref=otonyan_v7}}
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== 関連項目 ==
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2021年8月26日 (木) 02:44時点における版

ストップ!! ひばりくん!

ジャンル ラブコメディ少年漫画ギャグ漫画
漫画
作者 江口寿史
出版社 集英社
その他の出版社
双葉社完全版・FB)、ホーム社(HMB)
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス(JC)
双葉文庫(FB)
ホーム社漫画文庫(HMB)
集英社ジャンプリミックス(SJR)
発表期間 1981年45号 - 1983年51号
巻数 4巻(JC・SJR)
3巻(完全版
2巻(FB・HMB)
アニメ
シリーズディレクター 久岡敬史
キャラクターデザイン 兼森義則
音楽 西村耕次
アニメーション制作 東映動画
製作 フジテレビ、東映
放送局 フジテレビほか
放送期間 1983年5月20日 - 1984年1月27日
話数 全35話
テンプレート - ノート

ストップ!! ひばりくん!』は、江口寿史による日本の漫画作品。母との死別をきっかけとしてヤクザの大空組に世話になる事となった高校生・坂本耕作と、事実を知らなければ美少女としか見えない大空組の長男・大空ひばりを中心とした日常生活を描いたラブコメディである。『週刊少年ジャンプ』(WJ、集英社)誌上において1981年(昭和56年)45号から 1983年(昭和58年)51号まで多くの休載を挟みながら連載され、長期の中断を経て27年越しで完結した[1]1983年には東映動画によりアニメ化もされた江口の代表作の一つである。

江口の意図は、ヒロインを「女装した男の子」にする事によってギャグとし、ちゃかす事によって、当時少年誌で全盛を誇っていたラブコメのアンチテーゼとなりうるギャグ漫画を制作することにあった[2][3][4][5][6]

大空ひばりは2000年代の「男の娘」ブームの始点であるとされている。

作品背景

連載までの経緯

本作は『ひのまる劇場』の次に当たる江口3作目となる連載作品である。

江口が『ひのまる劇場』を連載際していた当時は、少年誌でラブコメディが流行していた。江口は元々あだち充柳沢きみおの作品を好いていたものの、これらの作品の二番煎じといえるほど程度が低い作品が連載されていることに不満を抱いていた[6]。そこで、江口は「惚れた美少女が実は男で、主人公が困ってしまう」という漫画を描こうと考え、ヒロインをかわいく描けば描くほど周囲がパニックに陥り、物語が動くとだろうと見込む[6]。女装への認知度は低かった当時であったが、連載開始にあたり障害となったものはなかった[7]。主人公の名前だけは変えてくれと言われ、「美空ひばり」であったものが「大空ひばり」になったという[7][注 1]。タイトルは関谷ひさしの『ストップ!にいちゃん』に由来する[8]。また、連載当時江口は『イラストレーション』という雑誌を読んでいたが、イラストの手法は躍動感のあるギャグ漫画には不向きだったため、扉絵で同誌から学んだ手法などを試していた[9]。ひばりの容姿服装についてはファッション誌『エムシーシスター』を参考にしていた[7]

連載打ち切りへ

当初はオカマキャラを前面に出したギャグ漫画として考えていたが、ひばりくんを可愛く描けば描く程ギャグとなる事に気付き[5]、出来る限りの可愛さでひばりくんを描くようになる[10][6]。その反面、可愛く描きすぎたことによって、「ひばりくん」というキャラクターが超人的存在として一人歩きを始め、情けない行動を取らせられなくなり行き詰まるようになる[4][6]。また可愛く描く事を含めた絵へのこだわりがアシスタントの使用を困難にして原稿の完成が遅れ、1話を1週間で完成させる事ができなくなっていった[注 2][11]。江口は隔週での連載を希望するが、西村繁男が編集長を務める当時の編集部には受け入れられず[5]、その結果、落稿や休載が目立つようになっていく[9]。このことは劇中にも表れており、序盤で唐突に本編とは何の関係も無い話を描いてページを埋めていた[注 3]

ジャンプ・コミックス版の最後に収録された「メイキング・オブ・ひばりくん!」[注 4]では、終始一貫して江口が締切を守れない言い訳ともとれる内容[注 5] が描かれており、最後には製作現場が崩壊した挙句、お粗末な原稿の仕上がりを詫びる担当と怒り心頭の編集長の傍らで「いきのいいネタを探しに千葉の勝浦に行く」と江口が逃げ出している[12]。実際に、江口が連載を投げ出し、締め切り日に逃亡した事から、編集部も打ち切りという形で連載終了を決定した[9]。本作は江口が『WJ』で連載した最後の作品となっている(2020年時点)。

2020年7月放送の『漫道コバヤシ』に出演した際にも、本人の口から当時の経緯の一部が語られた。毎週締め切りに追われ、遂には翌日まで5ページを仕上げなければ間に合わない状況に追い込まれた。到底無理と判断した本人は仕事場から逃走し、締め切り時間が過ぎるまでホテルに潜伏してやり過ごした。翌日「もう終ったな」と覚悟の上で自宅に戻ると、西村編集長自らの電話があり「おう、出てこいや」と編集部への出頭を要求。そして会議室で話し合いが持たれた。本人は改めて週刊連載の限界を訴え、隔週もしくは月刊連載への変更を要望する。同時期にTVアニメも放送中のデリケートな時期であったが、厳格で知られる西村編集長はそれを許さず「うちでは面倒見きれないので、それなら余所でやってくれ」と突き放し、連載打ち切りの降板が決まった。

また、2021年7月の朝日新聞とのインタビューの中でも、同様の経緯が語られており、その際、最終回となった原稿はネームができていたものの、締め切りまで約1日しかなかったことが明かされた[9]

完結まで

1983年以来、本作は未完のままの状態であり、連載末期の分も長らく単行本未収録の状態(後記)が続いていた。本作は江口が連載を放棄してそのまま未完となった最初の作品とみなされていた[13]。2005年、『SIGHT』 Vol.23に「2005年のひばりくん」が掲載された[14]。2007年のインタビューで、江口は他の作品の続編への意欲を示したが、本作の続編執筆に関しては「ひばりくんは難しいけど」と否定的な発言をした[5]。 2007年、『週刊少年ジャンプ』時代の江口作品をまとめた総集編『江口寿史 JUMP WORKS』の第1巻、『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』の表紙用に新たにひばりが描き下ろされた。

再開を望む読者の声は多く、江口は彼らに向けて何らかの意思表示をする必要を感じていた[7]。2009年より、加筆修正と再編集を加えた『ストップ!! ひばりくん! コンプリート・エディション』が刊行を開始、表紙を江口が描き下ろした[15]。そして、2010年2月27日に発売された『コンプリート・エディション』最終巻(第3巻)では、ラスト5ページが加筆された最終話の完全版が収録された[15]。これにより未完であった本作が27年越しで完結した[15]。ただしこれは未完部分だったオチを完全にしたものであって、物語全体が完走した訳ではなかった。

完結を受けて「男の娘」専門誌『おと★娘』に江口のインタビュー記事が掲載された[7]。江口は続編について問われ、「続編を描くとしたら、突っ込んで描かないといけない感じがするんですよね」としつつ、次のようなアイデアを語っている[7]

19歳くらいの大学生になるのかなあ。お父さんが死んだシーン、遺影から始まるのかな、と思っているんです。心臓発作がたびたび起こっていたんで。

多分、耕作くんが主人公で、ひばりくんと一緒に住んでいるかもしれない。自然な流れとして、つぐみさんがサブさんと一緒になって、サブさんが大空組の跡目を継いで……。〔……〕

それから、今度は耕作くんの気持ちのほうが焦点になってきて、“ほんとに男同士でも愛し合えるのか?”と。愛し合えると僕は思うんですけれど、そんなふうにしていくと面白い感じがするんです。 — 江口寿史[7]

江口としては本編の続きをそのまま描くつもりはなく、描くにしても『ストップ!! ひばりくん!』というタイトルではないとしている[7]。後年『漫道コバヤシ』に出演した際も、「あくまで本作はギャグコメディであり、坂本耕作と大空ひばりの結末は当初から全く考えていない。ストップ!! ひばりくん!の世界観で二人を描けるのは高校卒業まで。それ以降を描くとしたら別の物語(設定)になるだろうな」と語っている。

あらすじ

母を亡くし天涯孤独の身となった少年耕作は、遺言に従い、母の古い友人・大空いばりの家に身を寄せる事になる。しかし事もあろうに大空家は「関東極道連盟・関東大空組」、つまり弱小団体とはいえ暴力団であり、いばりはその組長だった。

身の危険を感じて逃げようとする耕作の前にとびきりの美少女が現れ、にっこりと微笑みかける。彼女に一目惚れしてしまった耕作は大空家で生活する決心をしたが、それが運の尽きだった。つばめ・つぐみ・すずめと美人ぞろいの大空家の姉妹の中で、耕作が最初に会った一番の美少女・ひばりは実は男だった。

ひばりは学校では女で通しており、ごく一部の者以外はその秘密を知らない。その上ひばりは耕作を好きになったそぶりを見せ、積極的にアタックしてくる。ひばりの引き起こす騒動に巻き込まれて耕作の気の休まる暇もない日々が続く。

ひばりの秘密に気づいた高円寺さゆりが口外しない代償として、耕作に自分とデートするよう要求した結果、他の者に目撃され、翌日学校で噂になるところでストーリーは一旦終わっている[注 6]

主な登場人物

大空組関係者

大空 ひばりおおぞら ひばり
本作の主人公。耕作が大空家に越してきた直後から猛アタックをかける。一見美少女にしか見えないが大空家の「長男」であり、ひばりが男の子であることは家族や一部関係者以外には知られていない。知力体力とも抜群の優等生で、成績は常にトップ、才色兼備の学園のアイドルとして生活を送っている。なお、自身が男だという自覚は一応ある模様[注 7]
坂本 耕作さかもと こうさく
本作におけるもう一人の主人公であり語り部。成り行きで大空家の一員として生活することになる。アブノーマルなひばりのアタックに苦悩する、根は優しく一本気で純情な九州男児熊本県出身)。強くなるためボクシングに入部し、マネージャーの可愛理絵が好きになる。お酒に弱く酒癖が悪く、その勢いでひばりの正体をばらそうとした事もある。ひばりを男の子とは知りつつも、次第に、ひばりを意識するようになる自分に戸惑うようになる。
大空 いばりおおぞら いばり
関東大空組組長にして大空四姉妹(?)の父親。組の唯一の跡取りであるはずのひばりの奇行に日々心労が絶えない。かつて耕作の母に惚れていたが、結婚相手がマタギと知って「自分は所詮ヤクザ。堅気のマタギには敵わない」と身を退き、彼女の死後孤児となった耕作を引き取る。心臓に持病があり、興奮し過ぎたり強いショックを受けると発作を起こし倒れるが、その都度怪しい薬(鎮静剤ではなく覚醒剤や自白剤など)を打たれ、奇行を起こすがいつの間にか回復している場面が多い[注 8]。猫舌。
自白剤を間違えて打たれた時に『クックロビン』の殺害をほのめかしている(※『パタリロ!』からのアンサーギャグ)。
大空 つぐみおおぞら つぐみ
大空家長女。美人。駆け出しのイラストレーターで、早くに母親を亡くしている妹弟たちの母親代わりとして世話をしている。大空組と敵対する海牛組の組長の息子と恋に落ち、両家から猛反対され駆け落しようとするが、相手が実家を恐れ待ち合わせ場所に来ずに逃げ出した上、親が勧めた他の女性と結婚してしまい、失恋してしまう。
大空 つばめおおぞら つばめ
大空家次女で、ひばりの2歳年上の美人。ヘアスタイルと目の色以外はひばりと瓜二つだが、男子生徒にもてている様子はない。ひばりが女の子として学校に通うのを苦々しく思っているが、男だと知れると自分も迷惑を被るので、身体検査などでひばりの正体がバレそうになると、変装して身代わりをしている。
大空 すずめおおぞら すずめ
大空家三女。おませな小学生。ヒラメ顔の男を見ると泣き出す。いばりが発作を起こすと怖がって泣き、いばりは死んだら地獄に落ちると思っている。
サブ
関東大空組若頭。つぐみに惚れている。非常な男気の持ち主で、つぐみにも想いを打ち明けず、無骨ながら見守っている。
政二せいじ
関東大空組組員。強面だが気が小さく喧嘩も弱い。耕作及び大空家の世話係として行動。朝、奇抜な格好で耕作を目覚めさせ、驚かす事を生き甲斐にしている。
ひばりの母
関東大空組先代組長の一人娘でつぐみに似ている。いばりを婿に取る。いばりに耕作の母・春江の写真をおさめるアルバムを贈るなど、心優しい女性。すずめを生んでからまもなく他界する。

その他

椎名 まことしいな まこと
耕作とひばりのクラスメイトで、ひばりに惚れている(ひばりが男だとは知らない)。そのため耕作に何かと因縁をつけてくる。ボクシング部に所属しており、当初は耕作よりも強かったが、徐々に差を詰められるようになっている。最後には耕作とサシの漢の対決を挑んだ。
家の中でも靴を履いたまま生活しており(この嗜好は父譲り)、母親からは「畳の上に靴で上がるな」と怒られている。
可愛 理絵かわい りえ
耕作と椎名が所属するボクシング部の美人マネージャー。耕作が一目惚れをするが、理絵自身は椎名に恋心を抱いている。しかしボクシング部の合宿で椎名が理絵に対し全く興味を持っていない事実を知り、合宿後より部活動に姿を見せなくなった。ませた弟がいる。
梶 みつをかじ みつを
つばめの同級生で、つばめに強引に迫ってくる暑苦しい男(その行動はほとんどストーカー)。ボクシング部キャプテン。2人の弟と妹[注 9]がいるが、全員同じ顔をしている。ペットのチャッピィ(犬)も同じ顔。卒業後もOBを名乗り、事あるごとに顔を出す。登場の際には勢いよく右手の掌を見せる癖がある。
花園 かおりはなぞの かおり
耕作やひばりのクラスメイト。ひばりが学園中の注目と人気を集めていることを妬み、3人の仲間とともに、何かとひばりにイジワルを仕掛けてくる。本人いわく陰険さには自信あり。一時ひばりを男だと疑っていたが、ひばりに変装したつばめが彼女の前で胸を見せた事でその疑惑を捨てる。
犬井 犬子いぬい けんこ
耕作やひばりのクラスメイトで、花園かおりの取り巻きの一人。アニメ版では「花子」という名前になっていて、政二との淡いラブロマンスがあったりしている。
鳳 ジュンおおとり ジュン
女子バレー部の美人キャプテンで、女生徒たちから憧れを抱かれている。実は同性愛者で、ひばりに惚れている。宝塚系な母とハードゲイな3人の兄がいる。
呉井寺 やすあきくれいじ やすあき
呉井寺会親分のひとり息子。通称ヤックン。太っていて頭が大きく、唇が厚く、歯が数本抜けている。ドカベン香川に似ていて、裸の大将風のしゃべり方をする。親分に甘やかされ、言動はお茶目な坊やだが、実は28歳。ひばりとの結婚を希望しており、親分が手先に耕作を脅迫させるが、これを知ったひばりが軽機関銃を携えて自宅に乗り込み威嚇射撃で逆襲、「耕作に手を出したら許さない」と釘を刺す。
本田 拓人ほんだ たくと
耕作やひばりのクラスメイト。その美貌で、数多くの女の子をナンパで落とすことを生き甲斐とし、高校に入学してから998.5人(「ナンパする気が無くたまたま目があっただけの5歳の幼女」は「0.5人」と計上)ナンパしたと豪語している。ナンパの際にはなぜか目つきや前髪がコロコロ変わる。1000人目のターゲットとしてひばりを狙うも、ひばりが全く興味を示さず、本田は人生初のナンパ失敗を味わうこととなる。
ひばりを狙い続けるが尽く失敗に終わり、最後には本田とひばりが付き合っているかのような学校新聞を捏造する。その身勝手な行動からひばりの反感を買い、ひばりは仕返しとして耕作と更にいちゃつくようになる。
初登場時、耕作から「しかし同じクラスに君みたいなのがいたとは知らなかった」という指摘を受けた際に「なにしろ作者がいい加減だからね」という愚痴をこぼしている。
鈴木銭馬すずき じぇんま山羽佐利庵やまは さりあん
本田とともに、若葉学園スケコマシトリオ。3人は呼ばれていないにも関わらず大空組の年忌兼クリスマスパーティーに出席した。山羽の父は坊主をしており、大空家の年忌も務めたが、組長を除きクリスマスパーティしかする気のない大空組を見限り、途中から仕事を放り出し、勝手にクリスマスパーティを始めてしまった。
岩咲 ひろみいわさき ひろみ
ひばりと耕作の担任教師。任侠映画にはまっている。
天地先生あまちせんせい
暑苦しい体育教師。岩咲先生のことが好き。
高円寺 さゆりこうえんじ さゆり
豪邸に住む、わがままなお嬢様。椎名の中学時代の後輩。黒龍高校ボクシング部員に絡まれていたのを助けてくれた耕作に惚れて、身辺を探偵を使って探っているうちにひばりの秘密を知る。耕作よりも1学年下だが強引に同じクラスに転入し、「私はオカマじゃない。こんな異常な環境からあなたを救いたい」と自分の乳房に着衣越しに触れさせたりとこれまた強引にアタックする。活字でしか解らないギャグを吐く事がある。「『薬師丸ひろ子に似ている』とよく言われる」が口癖。
アニメでは若葉学園への転入はなく、再度不良に絡まれた際に助けてくれた梶みつをに気持ちが移り、耕作への想いをあっさりと忘れる。
白智 小五郎しらとも こごろう
高円寺さゆりに雇われた探偵。ひばりの秘密を探り、さゆりに報告する。『ひのまる劇場』の初期の主人公。
理事長りじちょう
本名はジョー明石。若葉学園の理事長。若い頃は「いばり」と台風三人組と呼ばれた極道者。ひばりが男だという事も知っているが、その事を指摘した白智小五郎に対し、「個人の趣味の問題」と相手にしていない。お風呂好き。
江口"Candy"寿史えぐち キャンディ ひさし
本作の作者である江口寿史本人。通称「先ちゃん」。サングラスを着用した天然パーマに肥満体質が目立つ男性だが、作者曰く「本物はこんなに太っていない」とのこと。本編のあちこちで顔を出し注釈を入れることもあるが、基本的にはページを埋めるための無意味なギャグや白いワニに襲われる錯覚を起こす事が多い。結局は本編の妨害をしていることがほとんどであることから担当からツッコミを入れられたり暴行を受けるオチがつく事がほとんど。
締切を守れなかったため江口本人が坊主頭になった際も、彼も同じく坊主頭になっていた。
JC版最終回では都合上、主役になっている。
河野"ハニーチェリー"哲郎こうの ハニーチェリー てつろう
江口のアシスタント。趣味はロックバンドのようで、時折佐野元春の「Happy Man」を口ずさむ。基本的にツッコミ役。暇が多いらしく、どこでも寝られるという特技を持つ。
高橋"トド"俊昌たかはし トド としまさ奥脇 三雄おくわき みつお中平 信なかひら まこと
歴代の江口の担当達。締切を守れない江口に振り回されてばかりで、かなり苦労している模様。
中平以前の担当は、過労や精神的ショック等が災いし全員死去した設定になっている。
白いワニ
未完成の「白い原稿」を象徴する存在で、作者・江口の周囲に幻覚のように現れ、彼を苦しめる。アニメ版においては、大空いばりの精神状態が憤った際にテーマ曲と共に出現する。

テレビアニメ

1983年5月20日から1984年1月27日まで、フジテレビで金曜日19:00 - 19:30枠に於いて放送された。全35話。元々原作のストックが少なかった為、すぐに原作のエピソードを使い切ってしまい、後半は他の江口作品のストーリーを転用したり、アニメ側のスタッフが作ったオリジナルストーリーを制作している。また原作よりもラブコメテイストが強めに描かれている。2003年、全話収録のDVDボックスセットが発売された。なお、アニメ内で描かれる電柱には練馬区(東映動画の所在地)の住所表示がある。

声の出演

  • 大空 ひばり - 間嶋里美
  • 坂本 耕作 - 古谷徹
  • 大空 いばり - 八奈見乗児
  • 大空 つぐみ - 平野文
  • 大空 つばめ - 色川京子
  • 大空 すずめ - 鈴木富子
  • 若頭 サブ - 若本紀昭
  • 子分 政二 - 西尾徳
  • 椎名 まこと - 森功至
  • 春江(耕作の母) - 池田昌子
  • 龍作(耕作の父) - 塩屋浩三
  • 岩咲 ひろみ - 川島千代子
  • 素張田 辰五郎(通称・スパルタの辰) - 大塚周夫(第2話登場)
  • 花園 かおり - 中野聖子
  • 花子 - 上村典子
  • みちこ(花園かおりの取り巻きでポニーテールの女性) - 高木ゆう子
  • ナオコ(花園かおりの取り巻きでショートカットの女性) - 島津博美
  • 番長 - 佐藤正治(第3話登場)
  • 梶 光男 - 塩屋浩三
  • 可愛 理絵 - 鶴ひろみ(第4話&第5話登場)
  • 海牛 文太(海牛組組長の息子) - 塩沢兼人(第6話登場)
  • 文太の父(海牛組組長) - 雨森雅司(第6話登場)
  • 素張田 小辰(素張田 辰五郎の息子) - 古川登志夫(第7話登場)
  • 片桐(すずめの友達) - 坂本千夏(第8話登場)
  • 板垣 大助(耕作の親友) - 三ツ矢雄二(第10話登場)
  • 天地先生 - 田中秀幸(第13話登場)
  • ウルトラ親分 - 田中康郎(第13話登場)
  • 仮面親分 - 田中亮一(第13話登場)
  • 則巻親分 - 佐藤正治(第13話登場)
  • 呉井寺親分 - 青野武(第13話登場)
  • 呉井寺 やすあき(通称・ヤックン) - 矢代駿(第13話登場)
  • 本田 進 - 田中和実(第14話登場)
  • 鈴木 兵介 - 広森新吾(第14話登場)
  • 山羽 珍庵 - 小滝進(第14話登場)
  • 高倉 裕次郎 - 龍田直樹(第16話登場)
  • 龍作 - 郷里大輔(第17話登場)
  • 大曽根 - 矢田耕司(第17話登場)
  • パンサー横畑 - 中野聖子(第21話登場)
  • ジャイアントリッパー - 上村典子(第21話登場)
  • 珍間 おかし - 雨森雅司(第21話登場)
  • 鳳ジュン - 三田ゆう子(第22話登場)
  • ジュンの母 - 京田尚子(第22話登場)
  • 一刀斎 - 塩屋浩三(第23話登場)
  • ジャンケン強盗 - 大竹宏(第23話登場)
  • 青田刑事 - はせさん治(第24話登場)
  • 黒田刑事 - 青野武(第24話登場)
  • 雪代 - 雨宮一美(第24話登場)
  • 玉城 - 蟹江栄司(第24話登場)
  • 老婆 - 鈴木れい子(第24話登場)
  • 川鼻 広 - 塩沢兼人(第25話登場)
  • リバヒィ - 山本百合子(第25話登場)
  • 酋長 - 田中廉郎(第25話登場)
  • ジェロニモ - 佐藤正治(第26話登場)
  • 仁吉 - 大竹宏(第26話登場)
  • 虎造 - 青森伸(第26話登場)
  • 文子 - 武藤礼子(第27話登場)
  • 森田 健作 - 塩沢兼人(第28話登場)
  • 鈴木 すし丸(影の大番長) - 龍田直樹(第28話登場)
  • 高円寺 さゆり - 山本百合子(第29話登場)
  • 白智 小五郎 - 宮内幸平(第29話登場)
  • 金田 金助 - 滝口順平(第30話登場)
  • 執事 - はせさん治(第30話登場)
  • ハンセン石松 - 佐藤正治(第32話登場)
  • 看護婦 - 頓宮恭子(第34話登場)
  • 梶の母 - つかせのりこ(第34話登場)

スタッフ

  • 企画 - 岡正(フジテレビ)、横山賢二(東映動画
  • 原作 - 江口寿史
  • 音楽 - 西村耕次
  • キャラクターデザイン - 兼森義則
  • 美術デザイン - 椋尾篁窪田忠雄
  • シリーズディレクター - 久岡敬史
  • プロデューサー - 大野清
  • 製作担当 - 佐々木章
  • 特殊効果 - 岡田良明、中島正之、石橋康全、北村喜久子、熊井芳貴
  • 撮影 - 白井久男、菅谷英夫、佐野禎史、佐藤隆郎
  • 編集 - 吉川泰弘
  • 録音 - 池上信照
  • 効果 - 原田千昭
  • 選曲 - 白井多美雄
  • キャスティング協力 - 青二プロダクション
  • 演出助手 - 堀川和政、江幡宏之、松沢正一
  • 製作進行 - 鈴木元、森田正男
  • オーディオディレクター - 本田保則
  • 記録 - 池田紀代子
  • 現像 - 東映化学
  • 制作 - フジテレビ、東映動画

主題歌

オープニングテーマ「ストップ!! ひばりくん!」
作詞 - 伊藤アキラ / 作曲・編曲 - 小林泉美 / 歌 - 雪野ゆき
エンディングテーマ「コンガラ・コネクション」
作詞 - 伊藤アキラ / 作曲・編曲 - 小林泉美 / 歌 - 星野アイ

上記2曲を収録したEPレコードは、キャニオン・レコード(現在のポニーキャニオン)から発売された。2曲とも後にCD化されている。オープニングテーマは大杉久美子によるカヴァーバージョンが存在する。なお、「コンガラ・コネクション」のギターは、当時まだ無名だった布袋寅泰がスタジオ・ミュージシャンとして演奏している。

各話リスト

話数 初回放送日 サブタイトル 脚本 (絵コンテ)
演出
作画監督 美術
1 1983年
5月20日
彼女!?はアイドル! 柳川茂 (今沢哲男)
久岡敬史
伊東誠 椋尾篁
2 5月27日 特訓!スパルタの辰 浅野佑美 (笹川ひろし)
池田裕之
兼森義則 窪田忠雄
3 6月3日 ばれた!?みられた!? 土屋斗紀雄 川尻善昭 富沢和雄 椋尾篁
4 6月10日 リングサイドの恋 戸田博史 石黒育 松本清 窪田忠雄
5 6月17日 失恋は夏ミカンの味? 柳川茂 山吉康夫 河村信道
6 6月24日 ああ!!ロミオとジュリエット 筒井ともみ (笹川ひろし)
高山秀樹
八島善孝
7 7月1日 吹けよ風!小辰の逆襲!! 浅野佑美 今沢哲男 香西隆男 鹿野良行
8 7月8日 身代わりデート作戦 戸田博史 池田裕之
9 7月15日 すずめのボーイフレンド 柳川茂 高山秀樹 梅津泰臣 窪田忠雄
10 7月22日 愛のレッスンA・B・C 首藤剛志 石黒育 松本清 鹿野良行
11 7月29日 海辺のパニック! 土屋斗紀雄 山吉康夫 河村信道 窪田忠雄
12 8月5日 青春はきもだめし! 浅野佑美 高山秀樹 横山健次 鹿野良行
13 8月12日 ひばり大勝負入ります!! 戸田博史 今沢哲男 香西隆男 河野尋美
14 8月19日 ドキ!ドキ!三角関係 柳川茂 久岡敬史 兼森義則 窪田忠雄
15 8月26日 政二さんの熱い一日 土屋斗紀雄 池田裕之 梅津泰臣 鹿野良行
16 9月2日 つぐみのセカンドラブ! 戸田博史 今沢哲男 香西隆男 窪田忠雄
17 9月9日 ㊙父さんのロマンアルバム! 筒井ともみ (福島和美)
久岡敬史
伊東誠 鹿野良行
18 9月16日 いちゃついて!ラブラブラブ 柳川茂 山吉康夫 河村信道 伊藤豊
19 9月23日 探せ!マフィアの花嫁 戸田博史 (笹川ひろし)
新田義方
西城隆詞 鹿野良行
20 10月7日 おひかえなすって!家庭訪問 土屋斗紀雄 久岡敬史 兼森義則 伊藤豊
21 10月14日 女子プロレス!理絵VSひばり 柳川茂 池田裕之 今沢恵子 鹿野良行
22 10月21日 うるわし!学園タカラヅカ 戸田博史 (笹川ひろし)
新田義方
西城隆詞 窪田忠雄
23 10月28日 本日開店!くりから探偵物語 柳川茂 笠井由勝 伊東誠 鹿野良行
24 11月4日 恐ろしか!!南の島の怪奇事件 戸田博史 山吉康夫 河村信道 伊藤豊
25 11月11日 ヤシの木陰で恋じゃらホイ!! 久岡敬史 兼森義則 鹿野良行
26 11月18日 お祭りこわい!野球もこわい!! 土屋斗紀雄 新田義方 西城隆詞 伊藤豊
27 11月25日 いばりの純愛一曲線!? 柳川茂 池田裕之 今沢恵子 鹿野良行
28 12月2日 悪い子団がやってきた! 戸田博史 江幡宏之 水村十司 窪田忠雄
29 12月9日 ひろ子そっくり!恋の爆弾娘!! 新田義方 西城隆詞 鹿野良行
30 12月16日 怪盗マウスキッドに御用心!! 柳川茂 山吉康夫 河村信道 伊藤豊
31 12月23日 みんな呼んでメリー誕生日!! 久岡敬史 兼森義則 鹿野良行
32 1984年
1月6日
おとぎSF!?枕の源氏ひばり絵巻 戸田博史 池田裕之 今沢恵子 窪田忠雄
33 1月13日 大混線!!ひばりが耕作・耕作がひばり 新田義方 西城隆詞 鹿野良行
34 1月20日 ゴッホン!昭和の沖田くん!! 柳川茂 久岡敬史 兼森義則 峰村るみ子
35 1月27日 超人ひばり?!時をかける!! 土屋斗紀雄 山吉康夫 河村信道 鹿野良行

放送局

キー局・制作局であるフジテレビではローカルセールス枠で放送されたことから、フジテレビ系列の基幹局でもテレビ西日本[16] など放送されなかった局や、東海テレビ[17]関西テレビ[18] 等時差ネットした局があった。また、テレビ新広島[19] では本放送終了後の1984年7月より放送が開始されたが、小学校・中学校の夏休み期間中の特別編成による集中放送であった。

テレビ新広島を除く放送日時は個別に出典が掲示されているものを除き、1983年9月中旬 - 10月上旬時点のものとする[20]

DVD

  • ストップ!! ひばりくん! DVDコレクション I(2003年2月26日、ユニバーサルミュージック)[26]
  • ストップ!! ひばりくん! DVDコレクション II(2003年2月26日、ユニバーサルミュージック)[27]
  • ストップ!! ひばりくん! DVD-BOX デジタルリマスター版(2014年9月26日、ベストフィールド)[28]

反響

売り上げ

テレビアニメの放映当時、家庭用ビデオデッキはまだそれほど普及しておらず、家庭内には厳しいチャンネル争いがあるのが一般であった。本作テレビアニメの裏番組には『ドラえもん』があり、1983年10月からは『銀河漂流バイファム』の放送が開始され、同じ時間帯に『ひばりくん』『ドラえもん』『バイファム』が並ぶ状況となった。ライターの早川清一朗は、当時の状況を振り返って、「時代の最先端を行くジェンダー論を取り込んだアニメと『ドラえもん』。果たして子を持つ親はどちらを見せたがるかと言えば、それは『ドラえもん』になってしまいます。」と述べている[29]。『ドラえもん』のために本作テレビアニメは視聴者獲得で苦戦することになった[28]

批評

精神科医の斎藤環は、本作は「女性的な外見と男性的な内面を対比させることで」大空ひばりとの「目まぐるしい日常」を実現しているものであるとし、異性装のキャラクターたちによる「服装倒錯の連続」として捉えることができると解説している[30][31]。マンガ評論家の中野晴行は、大空ひばりが(本当は)少年であり、かつヤクザの跡取りでもあるという複合した設定が、本作をユニークで傑出したギャグマンガにしていると評し、この成功はまた、少女たちを単にかわいく描くだけでなく、いい味を持たせ、色気も醸し出せる江口の能力によるところが大きいとしている[32]。(一般に)ひばりの繊細な描き方は、ギャグマンガであることを読者が忘れてしまうほど魅力的だとされている[33]。ライターの島田一志は、80年代の空気感を見事に切り取りつつ、年月を経ても古びない時代を超越したクールな絵と評している[34]

私はその時小学生、ちょうどオシャレにこだわりだした頃で、Tシャツ1枚買うのにも母を連れ回したりしていたのですが、その頃のオシャレの参考は、テレビや雑誌でも他の誰でもなく“ひばりくん”でした。
Yuki[35]

雑誌『Cyzo』に寄稿した漫画評論家のJyamaoは、本作ではその全体的に軽快・ポップな文体のために、わいせつまたは不道徳な女装が生じておらず、テレビアニメがゴールデンタイムに放映できたのもそのためであろうと推測している[36]。Jyamaoは、女装を伴うギャグと比べ、ヤクザの組員を取り巻くギャグは性質が極端であると指摘し、今日では薬物ネタを含む一部のギャグはユーモアとは受け取られないだろうと述べている[36]。マンガ解説者の南信長は、高いファッションセンスを持つキャラクターを描いたパイオニアとして、本作の江口を賞賛している。南は、本作が少年漫画のファッションを「シンボル」から「アクセサリー」へと事実上変化させたと評している[35]。江口の細部へのこだわりも賞賛しており、例えばある回で耕作がチャック・テイラー・オールスターズを履いている点を挙げている[35]

影響

ガーディアン』紙はジャパン・ソサエティーの美術展を紹介した記事において、江口が『すすめ!!パイレーツ』や本作の創作を通じ、実質的にJ-POP現象全体への道を開いたとしている[37]。中学時代に本作を読んだ『テガミバチ』の作者・浅田弘幸は、本作の新しいセンスに憧れ、絵にも影響を受けた[38]火浦功による小説『未来放浪ガルディーン』の主人公の一人は「大空ひばり」がモデルになっている[39]幾夜大黒堂境界のないセカイ』は18歳になると「性別の選択」が可能になる世界を描いた漫画作品であるが、幾夜は第1巻の内田啓子編を本作や『プラナス・ガール』のフォーマットに準じて描いたと述べている[40]

島田一志は2020年の論稿において、大空ひばりが異性装者やゲイに対する差別や偏見を排除し、80年代の人々の認識を変えた原動力のひとつになったのではないかと述べている[34]。江口も何人かの読者が本作に影響され女装を始めたと報告している[41]。島田は、ギャグであるはずのひばりの女装が、実際は「あなたの好きなように生きればいい」というマイノリティへのメッセージになっており、読者に対し「マイノリティであることは悪いことではなく“個性”」という感覚を秘かに植えつけた可能性を指摘している[34]

江口本人は本作のような「オカマの面白さ」を扱った作品として、後に「BREAK DOWN」[42]等を描いている。

男の娘の系譜における大空ひばり

おたく文化史研究家・吉本たいまつによれば、本作はその後の「男の娘」ブームの直接の先祖であるとされている。吉本は、江口が男女の描画コードを明示的に転倒させることでギャグを生み出している一方、そこにおいて「性別を越境する妖しい魅力」をも作り出していたと分析する。男性キャラクターに対して女性の描画コードを使い、受け手の認識を混乱させる試みは、吉本によれば手塚治虫の『リボンの騎士』にまで遡るとされ、本作では『リボンの騎士』より明確に「男の子でもかわいければ恋愛・性の対象にしてもよい」という視点が打ち出されているとされている。吉本は、描画コードの転倒は、その後も漫画表現の中に根付いて継続していったとし、奥浩哉HEN』、小野敏洋バーコードファイター』(ともに1992年)をその例として挙げている[43]

「オトコの娘年表」(『おと★娘』VOL.7)の構成を担当した来栖美憂は、「オトコの娘文化」の始点はどこかと論じることから始めている。それによれば、江戸川乱歩小林少年横山光輝伊賀の影丸』の影丸の女装の頃には、一部に熱狂的なファンがついていたという。そこへ「大きな一石を投じ」ることになったのが本作であるとし、「ひばりくんの可愛さは衝撃的であり、彼が近代女装美少年文化の始点という評価に異を唱える者はまずいないだろう」と断じている[44]。一方で来栖は、『オトコノコ倶楽部vol.1』において本作を「女装系漫画のルーツ」とみなす認識に異を唱えている。ラブコメのアンチテーゼとして書かれた本作であるが、結局本作の流れを継いだのは『きまぐれオレンジ☆ロード』などのポップなラブコメであった。系譜を作り得なかった本作は、その意味において「ルーツ」とまでは言えないと述べている[45]。『おと★娘』における来栖の分析では、本作の流れは一旦少女漫画に受け継がれつつ、『バーコードファイター』で多くの児童の価値観を再び揺るがしたとされている[44]

漫画評論を行っている永山薫もまた、現在の男の娘漫画に直結する先駆的作品として本作を挙げている。家族が嘘をついて耕作をからかっているだけという可能性を指摘しつつ、「実は男の子なんだけど、本当は女の子かもしれない」という想像の余地を読者に残す本作の手法は、後の松本トモキ『プラナス・ガール』(2009年)に継承されたとしている[46]

一方、あしやまひろこは2015年の、本作を「男の娘作品」の古典として挙げた論稿において、大空ひばりには「男の娘」の本質の一部が欠けていたと分析している。あしやまはひばりを『プラナス・ガール』の主人公・藍川絆と比較し、「容姿と行動で男の主人公を翻弄する小悪魔」という点では通じるものがあるとしつつ、両者には決定的な違いがあると論じた[47]。すなわち、大空ひばりは、主人公と家族以外の世間には女性として紹介され、かつ認知されている。また性同一性障害やオカマとして扱われる一面もあり、ポジションはギャグキャラクターである。対して藍川絆は、常に女装で生活していながら、性自認は一貫して男性であり、にもかかわらず学園中からアイドルとして扱われているのである[47](この点には永山も注意を与えている[46])。あしやまは『プラナス・ガール』では男の娘の可愛さが性別の範疇を超越するものとして表現されていると評し、両者の対比の中に80年代から現代に至るまでのパラダイムシフトを見出せるとしている[47]

『プラナス・ガール』などの後、男の娘ブームは収束に向かった[49]。『オトコノコ倶楽部』の創刊者で、『オトコノコ時代』の編集長であった井戸隆明は、ブームの頃に面白いコンテンツがあまり出てこなかったことを衰退の原因の一つに挙げている[48]。その上で、本作を次のように評価している。

絶対的にかわいい、小悪魔的な男の娘というのは『ひばりくん』を超えるものはもうないんじゃないかと。ただ、あれを描ける時代というのもあったと思います。ニューハーフブームはあったにしても、ひばりくんの実態がはっきりとはわからないんですよ。それに翻弄されるというのがギャグマンガとして成り立ったのは時代性でしょうね。いま同じようなことをやってもたぶん成立しない。 — 『オトコノコ時代』編集長・井戸隆明[48]

井戸は、今後も大きな波は再びやってこないだろうと予測し、男の娘的なもののメルクマールといえるものは、結局、本作や『バーコードファイター』になるだろうとしている[48]

書誌情報

6度にわたって刊行されている。 最初に発行されたジャンプ・コミックス(JC)版の単行本には最後の4話が未収録であった。1991年に発売された完全版は、JC版に未収録だった4話のうち3話を収録したものの、連載最後の回は収録しなかった。最終回の収録は1999年の短編集『江口寿史の犬の日記、くさいはなし、その他の短篇』(KKベストセラーズ)が最初となる。その後2004年に発行された文庫版(ホーム社)はこの最終回も含んでおり、一応の全編収録となった。 『ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション3』に最終話が加筆掲載された(前出)。なお第2巻(2009年)に単行本未収録の「Jの告白」のエピソードが初掲載された。

ただし、JC版の時点で、コマ割りに手を加える、『ジャンプ』掲載時の2話を1話にまとめ直すなど、大きく手を加えている話が多々あるため、未収録のページが存在する。

脚注

注釈

  1. ^ また、連載前の設定では、ギャグの要素として、ひばりが無駄毛(江口の弁によれば、ひばりが髭を剃るシーンを入れようとしたとのこと)の処理をするシーンを端々で描く予定だったと雑誌のインタビュー内で語っている。しかしそのアイデアは編集サイドから断固拒絶され、非常に悔しかった記憶があるという。[要出典]
  2. ^ 江口は2021年の朝日新聞とのインタビューの中で、1本(話を)描くのに10日かかったとも話している[6]
  3. ^ 例として、製作中に「白いワニ」に襲われる錯覚を起こす[9]、無意味なギャグを入れる、アシスタントに奇抜なアイデアを出すなどし、最後にはアシスタントや担当に「早く本編を書け!」と突っ込まれてようやく本編が始まるなどの描写があった。また実際に「締切を守れ」「漫画を描くのが遅い」「原稿が真っ白」という自虐的な会話も見られた。加えて連載後期では本編途中にも関係のない話を書く回が増えており、製作の行き詰りを物語っている。
  4. ^ 連載時は「パニック・イン・寿スタジオ!」というサブタイトルだった。
  5. ^ この頃になると締切前日の地点で原稿はおろかネームすら仕上がっていない事が語られている。
  6. ^ この次に「メイキング・オブ―」が続き打ち切り。
  7. ^ ボクシング部の合宿で理絵から一緒にお風呂に入ろうと誘われた際、恥じらいながら断るシーンがある。なお、理絵が近眼である事が分かると、何のためらいも無く理絵と風呂に入っている。
  8. ^ アニメ版では、幻覚を伴う発作で、しばらくすると元に戻るように変えられている。
  9. ^ 弟の名前はみつあき・みつみね、妹の名前はみつ子。

出典

  1. ^ Pen2015年 8/1 号 [いま読みたい、日本のマンガ] 2015/7/15発売
  2. ^ 江口寿史「文庫版あとがき」『「エイジ」』発行:ホーム社・発売:集英社〈ホーム社漫画文庫〉2004年2月23日初版発行 ISBN 9784834272918、277頁
  3. ^ 印南敦史「新 家の履歴書」『週刊文春 2007年12月13日号』114頁
  4. ^ a b 「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』308頁
  5. ^ a b c d 「リアルワインガイドインタヴュー」『リアルワインガイド VOL.19』115頁
  6. ^ a b c d e f "語る 人生の贈りもの ひばりくん連載 絵に凝りすぎて 江口寿史 7" (Interview). Interviewed by 宮代栄一. 27 July 2021. {{cite interview}}: 不明な引数|program=は無視されます。 (説明)
  7. ^ a b c d e f g h 来栖美憂(聞き手)「『ストップ!! ひばりくん!』ついに完結!! 江口寿史スペシャルインタビュー」、『おと★娘』VOL.2、99-102頁。
  8. ^ やまだないと×えぐちひさし「「時間ですよ」みたいな漫画が描きたい」『[総集編]江口寿史』156頁
  9. ^ a b c d e "語る 人生の贈りもの 絵に向く関心 技磨いて扉絵に 江口寿史 8" (Interview). Interviewed by 宮代栄一. 28 July 2021. {{cite interview}}: 不明な引数|program=は無視されます。 (説明)
  10. ^ 江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』94・95頁
  11. ^ 「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』集英社インターナショナル、310頁
  12. ^ 江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』92頁
  13. ^ 斎藤宣彦+横井周子「江口寿史全漫画単行本解題」『[総集編]江口寿史』186頁
  14. ^ 「江口寿史インタヴュー」『SIGHT Vol.23』ロッキング・オン〈ロッキング・オン・ジャパン増刊〉73頁
  15. ^ a b c “先ちゃん27年越しで最終話描く。「ひばりくん」完結”. コミックナタリー. (2010年2月27日). http://natalie.mu/comic/news/28357 2010年2月27日閲覧。 
  16. ^ テレビ西日本の金曜日19:00 - 19:30枠では、1983年9月まで『アーノルド坊やは人気者』(海外作品。CBC東北新社配給)。10月からは『別冊・笑っていいとも!増刊号』を放送。
  17. ^ 東海テレビの金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作『家族対抗チャンスクイズ』を放送。
  18. ^ 関西テレビの金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作『阪急ドラマシリーズ』を放送(フジテレビでも別枠で放送)。
  19. ^ テレビ新広島の金曜日19:00 - 19:30枠では、自社制作・中国電力一社提供クイズクロス5』を放送。
  20. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1983年10月号、徳間書店、98 - 99頁。 
  21. ^ 福島民報』1983年6月10日 - 1984年2月17日付朝刊、テレビ欄。
  22. ^ 『福島民報』1983年5月29日 - 1984年1月29日付朝刊、テレビ欄。
  23. ^ 北國新聞』1984年9月27日付朝刊、テレビ欄。
  24. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1984年3月号、徳間書店、116頁。 
  25. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1984年3月号、徳間書店、117頁。 
  26. ^ DVDコレクション I(TOWER RECORDS)
  27. ^ DVDコレクション II(TOWER RECORDS)
  28. ^ a b 想い出のアニメライブラリー 第26集 ストップ!! ひばりくん! DVD-BOX デジタルリマスター版。TCエンタテインメント株式会社
  29. ^ 早川清一朗 (2020年5月20日). “裏番組が強すぎたアニメ『ストップ!! ひばりくん!』「男の娘」に少年たちは衝撃”. 2021年8月10日閲覧。
  30. ^ Saitō, Tamaki (2011-03-16). “A Genealogy of the Beautiful Fighting Girl”. Beautiful Fighting Girl. ミネソタ大学出版局. p. 110. ISBN 978-0-8166-5450-5 
  31. ^ Denison, Rayna (2015-12-03). “Anime, Video and the Shōjo and Shōnen Genres”. Anime: A Critical Introduction. Bloomsbury Academic. ISBN 978-1-84788-479-4 
  32. ^ 中野晴行 (2012年6月8日). “第101回 元祖「男の娘」? あべこべの笑いを超えたミラクルワールド 江口寿史『ストップ!!ひばりくん!完全版』”. eBook Initiative Japan. 2012年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月25日閲覧。
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  34. ^ a b c 島田一志 (2020年11月27日). “『ストップ!! ひばりくん!』なぜ時代を超えて愛される? 江口寿史が投げかけたメッセージ”. 2021年8月10日閲覧。
  35. ^ a b c 南信長「〈ファッションリーダー〉としての江口寿史」、『現代マンガの冒険者たち』、44-45頁。
  36. ^ a b 過激発言連発!! 打ち切り&発禁になった伝説の女装男子マンガ『ストップ!! ひばりくん!』『おカマ白書』”. Cyzo (2016年3月25日). 2016年4月25日閲覧。
  37. ^ Going Krazy in New York: anime, manga and the language of videogames”. ガーディアン (2009年3月30日). 2016年4月24日閲覧。
  38. ^ ジャンプSQ.若手作家が聞く「マンガの極意!」浅田弘幸先生&濱岡幸真先生《1》浅田先生、「少年漫画」のルーツ”. 集英社. 2016年4月26日閲覧。
  39. ^ 火浦功出渕裕ゆうきまさみ「大無謀対談ー"ガルディーン"のつくりかた」『未来放浪ガルディーン① 大熱血。』(11版)角川書店角川文庫〉、1986年8月25日、295-296頁。ISBN 4-04-162702-8 
  40. ^ 幾夜大黒堂インタビュー「境目と境界の漸近線 - 『境界のないセカイ』の向こう側」、『ユリイカ』2015年9月号。
  41. ^ 「ハロルド作石×江口寿史 - FEATURES.1 マンガ最前線」、『Quick Japan』Vol.59。
  42. ^ 江口寿史「BREAK DOWN」『江口寿史の爆発ディナーショー双葉社 1991年7月1日 ISBN 4575281123、69 - 72頁
  43. ^ a b 吉本たいまつ「ショタ・女装少年・男の娘 二次元表現における「男の娘」の変遷」、『ユリイカ』2015年9月号、210-224頁。
  44. ^ a b 「おと☆娘特製 オトコの娘年表」、『おと★娘』VOL.7、103-105頁。
  45. ^ 女装通信 - 女装少年の系譜/第一回【メジャー漫画・2000年編】(『オトコノコ倶楽部vol.1』のコンテンツより)(2011年2月8日時点のアーカイブ
  46. ^ a b 永山薫「大きな声ではいえないオトコノコ漫画の秘密」、『ユリイカ』2015年9月号。
  47. ^ a b c あしやまひろこ「女装と男の娘の容姿と身体」、『ユリイカ』2015年9月号。
  48. ^ a b c d 井戸隆明インタビュー「“オトコノコ”はどこにいる」、『ユリイカ』2015年9月号。
  49. ^ 「男の娘ブーム自体は全体として収束して、いまは低空飛行で安定」[48]。「2015年現在、二次元表現における「男の娘」ブームは、終わりを告げたように思える」[43]

参考文献

  • 「江口寿史先生インタビュー」『江口寿史 JUMP WORKS 1 ストップ!! ひばりくん!』集英社インターナショナル、308 - 311頁
  • 江口寿史「マンガで子供のやわらかい頭をかきまわしたい」『マンガの道 - 私はなぜマンガ家になったのか』ロッキング・オン2005年3月29日、ISBN 9784860520472、66 - 109頁
  • 「リアルワインガイドインタヴュー」『リアルワインガイド VOL.19』寿スタジオ、2007年10月15日発行、114 - 117頁
  • 印南敦史「新 家の履歴書」『週刊文春 2007年12月13日号』文藝春秋、112 - 115頁
  • 『[総集編]江口寿史』河出書房新社〈KAWADE夢ムック文藝別冊〉2003年1月31日、ISBN 4309976433
  • 『おと★娘』 VOL.2、ミリオン出版〈ミリオンムック〉、2011年1月25日。ISBN 978-4813064190 
  • 『おと★娘』 VOL.7、ミリオン出版〈ミリオンムック〉、2012年4月26日。ISBN 978-4813065944 
  • ユリイカ』2015年9月号 特集=男の娘 —“かわいい”ボクたちの現在—、青土社、2015年8月27日、ISBN 978-4791702947 
  • Quick Japan』第59巻、太田出版、2005年3月15日、ISBN 978-4872339383 
  • 南信長『現代マンガの冒険者たち』NTT出版、2008年5月15日。ISBN 978-4757141773 

関連項目

フジテレビ 金曜19:00~19:30枠
前番組 番組名 次番組
ぼくパタリロ!
(1983. 4/ 8 - 5/13)
土曜日19:30枠から移動 →
ストップ!! ひばりくん!
(1983. 5/20 - 1984. 1/27)
みゆき
(1984. 2/ 3 - 4/13)
木曜日19:30枠から移動 →