たぬきさん大当り
たぬきさん大当り | |
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The Raccon Get Lucky | |
監督 | ジョージ・M・リード、熊川正雄(「演出」名義) |
製作 | 山本早苗(「企画」) |
出演者 |
富士山竜 沢彰謙 轟謙二 福地悟郎 山本緑 田中知子 三升家小勝 |
音楽 | 服部公一 |
撮影 | 佐倉紀行 |
製作会社 | 東映動画 |
配給 | 東映 |
公開 | 1959年7月7日 |
上映時間 | 15分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『たぬきさん大当り』(たぬきさんおおあたり)は、1959年に制作された東映動画製作の短編アニメーションである。15分。
概要
[編集]東映動画の設立目的の一つに、「海外輸出」があった。人種や言語の壁から実写では難しい作品輸出をアニメーションで実現しようという目論見である。そのため、当時アメリカから映画研究に来て日本滞在中の映画青年ジョージ・M・リードを東映動画に迎え、戦前からのベテランアニメーター熊川正雄と組ませて演出に当たらせた。なぜ狸を主人公にしたかというと、アメリカでは「ラクーン(アライグマ)」として通用するからだという。
内容は貧乏なたぬきさんが、制作当時流行のマンボコンテストで偶然から優勝するというもの。日本文化に対するリードの理解が浅かったこともあり、ストーリーはかなり珍妙な仕上がりになっている。また、作画レベルも同時期の短編作品の中では低いものだった。
1967年(昭和42年)、本作が公開されたのを最後に、企画者の山本早苗はチルドレンズ・コーナーを引退する。
ストーリー
[編集]人間社会に住むたぬきさんは目下失業中の身、家賃も滞納中で、大家に催促された狸は一念発起して仕事につこうとするも、気弱な性格が災いしてうまくいかない。すっかり気落ちしたたぬきさんが街を歩いていると、公会堂でマンボコンテストが開かれていた。気晴らしにと、群集に紛れて只入りするたぬきさん。ところが席には蟻のたかったチョコレートが置いてあり、気づかずその上に座ってしまったたぬきさんは、お尻を蟻に嫌というほど噛まれ、思わず飛び上がってもがきながら舞台にまで上ってしまう。だがその動きがマンボのリズムとよく合っていたため、観客から好評を得てコンテストで1等となり、賞金10万円をもらった。狸は家賃を払えて大喜び、その上コンテストの司会者から、今後もダンスパーティーに出るよう頼まれる。狸はようやく職にありつけ、本来の明るさを取り戻した。
キャスト
[編集]スタッフ
[編集]- 製作:東映動画
- 企画:山本早苗
- 構成:ジョージ・M・リード
- 演出:ジョージ・M・リード、熊川正雄
- 原画:熊川正雄
- 動画:山室正男
- 背景:六郷僚一
- 撮影:佐倉紀行
- 音楽:服部公一
- 録音:森武
- 進行:山本寛己
公開ほか
[編集]- 一般公開は制作直後の1959年7月7日に東映系で上映。同時上映は美空ひばり主演の『お染久松 そよ風日傘』(監督:沢島忠)と、薄田研二・中原ひとみ主演の『父と娘』(原作:壺井栄、監督:小石栄一)の2本[1]。
- それから8年後、1967年3月19日公開の『東映こどもまつり』でリバイバルされた。同時上映は新作長編アニメ『少年ジャックと魔法使い』・『サイボーグ009怪獣戦争』、ピー・プロダクション制作の特撮実写ドラマ『マグマ大使』の3本だった。
- この間、NET(現:テレビ朝日)系列で放送された東映動画作品放送番組『ピーコック劇場』の1965年1月11日放送分で、『小人と青虫』(日本動画社制作、1950年)との2本立てでテレビ放映もされている。
参考文献
[編集]- 「日本アニメーション映画史」(洋泉社)136頁・258頁 1978年
- 「悔いなきわが映画人生 岡田茂」(財界研究所)2001年
なお「日本アニメーション映画史」の方は、本作が1959年に上映された事は記載されてない。
脚注
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関連項目
[編集]外部リンク
[編集]NET(現:テレビ朝日) 「大丸ピーコック劇場」前半枠(1965年1月11日) | ||
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