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「大相撲平成28年1月場所」の版間の差分

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== 優勝争い ==
== 優勝争い ==
前場所優勝の横綱[[日馬富士公平|日馬富士]]は2日目に金星を配給し、横綱[[鶴竜力三郎|鶴竜]]も3日目に金星を配給して、それぞれ1敗。日本出身力士では最も番付の高かった大関[[稀勢の里寛|稀勢の里]]は初日に土が付いて黒星発進となった。他の大関陣も[[照ノ富士春雄|照ノ富士]]と[[豪栄道豪太郎|豪栄道]]はともに3日目で初黒星となったが、休場明けの[[琴奨菊和弘|琴奨菊]]だけは大関陣でただ一人全勝を守り、同じく全勝の横綱[[白鵬翔|白鵬]]と並走する展開となった。7日目に平幕の[[安晃|髙安]]が敗れた後はこの2人だけが連勝を続けた。
前場所優勝の横綱[[日馬富士公平|日馬富士]]は2日目に金星を配給し、横綱[[鶴竜力三郎|鶴竜]]も3日目に金星を配給して、それぞれ1敗。日本出身力士では最も番付の高かった大関[[稀勢の里寛|稀勢の里]]は初日に土が付いて黒星発進となった。他の大関陣も[[照ノ富士春雄|照ノ富士]]と[[豪栄道豪太郎|豪栄道]]はともに3日目で初黒星となったが、休場明けの[[琴奨菊和弘|琴奨菊]]だけは大関陣でただ一人全勝を守り、同じく全勝の横綱[[白鵬翔|白鵬]]と並走する展開となった。7日目に平幕の[[安晃|髙安]]が敗れた後はこの2人だけが連勝を続けた。


2人だけとなった全勝力士は11日目に直接対決となり、押し出しで琴奨菊が勝利。[[福岡県]][[柳川市]]出身の琴奨菊が単独トップとなったことで、日本出身力士の10年ぶりの優勝が次第に現実味を帯びてきた。2日目に金星を配給した後は勝ち続けていた1敗の日馬富士も12日目に琴奨菊と対戦して敗れたことで、この時点で自力優勝の可能性がある力士は琴奨菊だけになった。琴奨菊は9日目に鶴竜にも勝っているため、[[大相撲平成3年1月場所|平成3年1月場所]]の[[霧島一博|霧島]]以来となる3日連続の横綱戦勝利となった。琴奨菊は翌13日目に2敗の平幕[[豊ノ島大樹|豊ノ島]]に敗れて1敗に後退し白鵬と並んだが、白鵬は14日目と千秋楽に連敗し、一方の琴奨菊は連勝で14勝1敗とし、自身初めての幕内最高優勝を果たすとともに、日本出身力士としては10年ぶりの優勝となった。優勝次点は12勝3敗の横綱日馬富士、白鵬、平幕豊ノ島の3人だった。また、大関の地位での優勝は、それぞれ横綱昇進場所であった日馬富士([[大相撲平成24年9月場所|平成24年9月場所]])、鶴竜([[大相撲平成26年3月場所|平成26年3月場所]])以来である。
2人だけとなった全勝力士は11日目に直接対決となり、押し出しで琴奨菊が勝利。[[福岡県]][[柳川市]]出身の琴奨菊が単独トップとなったことで、日本出身力士の10年ぶりの優勝が次第に現実味を帯びてきた。2日目に金星を配給した後は勝ち続けていた1敗の日馬富士も12日目に琴奨菊と対戦して敗れたことで、この時点で自力優勝の可能性がある力士は琴奨菊だけになった。琴奨菊は9日目に鶴竜にも勝っているため、[[大相撲平成3年1月場所|平成3年1月場所]]の[[霧島一博|霧島]]以来となる3日連続の横綱戦勝利となった。琴奨菊は翌13日目に2敗の平幕[[豊ノ島大樹|豊ノ島]]に敗れて1敗に後退し白鵬と並んだが、白鵬は14日目と千秋楽に連敗し、一方の琴奨菊は連勝で14勝1敗とし、自身初めての幕内最高優勝を果たすとともに、日本出身力士としては10年ぶりの優勝となった。優勝次点は12勝3敗の横綱日馬富士、白鵬、平幕豊ノ島の3人だった。また、大関の地位での優勝は、それぞれ横綱昇進場所であった日馬富士([[大相撲平成24年9月場所|平成24年9月場所]])、鶴竜([[大相撲平成26年3月場所|平成26年3月場所]])以来である。

2020年6月23日 (火) 01:15時点における版

大相撲平成28年1月場所(おおずもうへいせい28ねん1がつばしょ)は、2016年1月10日から1月24日まで両国国技館で開催された大相撲本場所

幕内最高優勝大関琴奨菊和弘(14勝1敗・初優勝)。

場所前の話題など

  • この場所は、2015年11月20日に当時現職理事長だった北の湖親方(元横綱・北の湖)が死去し、同年12月18日に八角親方(元横綱・北勝海)が後任の理事長に就任して新体制となった日本相撲協会の下で興行される初めての本場所となった[1]
  • 平成18年1月場所で当時の大関・栃東が優勝して以来、日本出身力士の優勝が無くなってからこの場所で10年となり、大関稀勢の里ら日本出身の上位力士に10年ぶりの優勝が期待された[2]

番付・星取表

成績 結果 番付 西 成績 結果
日馬富士 12勝3敗 横綱 白鵬 12勝3敗
鶴竜 10勝5敗 横綱
稀勢の里 9勝6敗 大関 照ノ富士 3勝3敗9休
琴奨菊 14勝1敗 優勝 大関 豪栄道 4勝11敗
栃煌山 7勝8敗 関脇 嘉風 8勝7敗
5勝10敗 小結 栃ノ心 6勝9敗
安美錦 6勝8敗1休 前頭1 松鳳山 5勝10敗
宝富士 8勝7敗 前頭2 碧山 7勝8敗
逸ノ城 2勝13敗 前頭3 魁聖 5勝10敗
旭秀鵬 7勝8敗 前頭4 琴勇輝 9勝6敗
大砂嵐 0勝0敗15休 前頭5 蒼国来 8勝7敗
德勝龍 4勝11敗 前頭6 隠岐の海 10勝5敗
豊ノ島 12勝3敗 殊勲賞 前頭7 玉鷲 5勝10敗
妙義龍 8勝7敗 前頭8 髙安 11勝4敗
佐田の海 7勝8敗 前頭9 臥牙丸 7勝8敗
千代鳳 5勝7敗3休 前頭10 御嶽海 5勝8敗2休
遠藤 1勝6敗8休 前頭11 阿夢露 7勝8敗
千代大龍 8勝7敗 前頭12 正代 10勝5敗 敢闘賞
豪風 10勝5敗 前頭13 貴ノ岩 9勝6敗
常幸龍 2勝4敗9休 前頭14 豊響 8勝7敗
誉富士 4勝11敗 前頭15 北太樹 7勝8敗
4勝11敗 前頭16

優勝争い

前場所優勝の横綱日馬富士は2日目に金星を配給し、横綱鶴竜も3日目に金星を配給して、それぞれ1敗。日本出身力士では最も番付の高かった大関稀勢の里は初日に土が付いて黒星発進となった。他の大関陣も照ノ富士豪栄道はともに3日目で初黒星となったが、休場明けの琴奨菊だけは大関陣でただ一人全勝を守り、同じく全勝の横綱白鵬と並走する展開となった。7日目に平幕の髙安が敗れた後はこの2人だけが連勝を続けた。

2人だけとなった全勝力士は11日目に直接対決となり、押し出しで琴奨菊が勝利。福岡県柳川市出身の琴奨菊が単独トップとなったことで、日本出身力士の10年ぶりの優勝が次第に現実味を帯びてきた。2日目に金星を配給した後は勝ち続けていた1敗の日馬富士も12日目に琴奨菊と対戦して敗れたことで、この時点で自力優勝の可能性がある力士は琴奨菊だけになった。琴奨菊は9日目に鶴竜にも勝っているため、平成3年1月場所霧島以来となる3日連続の横綱戦勝利となった。琴奨菊は翌13日目に2敗の平幕豊ノ島に敗れて1敗に後退し白鵬と並んだが、白鵬は14日目と千秋楽に連敗し、一方の琴奨菊は連勝で14勝1敗とし、自身初めての幕内最高優勝を果たすとともに、日本出身力士としては10年ぶりの優勝となった。優勝次点は12勝3敗の横綱日馬富士、白鵬、平幕豊ノ島の3人だった。また、大関の地位での優勝は、それぞれ横綱昇進場所であった日馬富士(平成24年9月場所)、鶴竜(平成26年3月場所)以来である。

三賞は、殊勲賞にはこの場所優勝した琴奨菊に唯一の黒星を付けて自身も優勝次点の豊ノ島が、敢闘賞には新入幕で10勝を挙げた正代が、それぞれ受賞した。技能賞は該当者がいなかった。

各段優勝・三賞

タイトル 四股名 地位 回数 成績 部屋 出身 備考
幕内最高優勝 琴奨菊和弘 東大関2枚目 初優勝 14勝01敗 佐渡ヶ嶽部屋 福岡県柳川市
三賞 殊勲賞 豊ノ島大樹 東前頭7枚目 44場所ぶり03度目 12勝03敗 時津風部屋 高知県宿毛市
敢闘賞 正代直也 西前頭12枚目 初受賞 10勝05敗 時津風部屋 熊本県宇土市
技能賞 該当者なし
十両優勝 英乃海拓也 西十両2枚目 初優勝 11勝04敗 木瀬部屋 東京都江戸川区
幕下優勝 栃丸正典 東幕下13枚目 初優勝 06勝01敗 春日野部屋 東京都練馬区 栃飛龍幸也宇良和輝照強翔輝濱口航洋
大翔岩慎一朗虎太郎正道貴源治賢が優勝同点。
三段目優勝 千代の海明太郎 東三段目9枚目 初優勝 7戦全勝 九重部屋 高知県幡多郡黒潮町
序二段優勝 魁渡頌胆 東序二段64枚目 初優勝 7戦全勝 浅香山部屋 新潟県佐渡市 千代嵐慶喜が優勝同点。
序ノ口優勝 琴鎌谷将且 東序ノ口20枚目 初優勝 7戦全勝 佐渡ヶ嶽部屋 千葉県松戸市

トピック

  • この場所は、2015年11月23日付で北の湖部屋を山響親方(元幕内・巌雄)が継承し、山響部屋が発足してから初の本場所となった[3]
  • この場所の新入幕力士のうちの1人であるは、高田川親方(元関脇・安芸乃島)が2009年8月に高田川部屋を継承して以降で初めての幕内力士となった[4]
  • この場所は休場した関取(後に再出場した者を含む)が10人となり、平成17年7月場所以来、約11年ぶりの多さになった[5]
  • この場所3日目の横綱鶴竜戦に勝った安美錦は、新入幕から93場所目での金星獲得となり、寺尾(89場所)の記録を抜いて史上1位となった[6]
  • この場所5日目の幕内取組(NHKテレビ生中継)において、2016年1月2日3日第92回箱根駅伝競走で往路・総合共に大会2連覇を達成した、青山学院大学陸上競技部・長距離ブロック監督の原晋が、特別ゲストとして初出演する[7]
  • この場所8日目の大関稀勢の里と大関琴奨菊の取組は幕内通算58回目の対戦で、史上最多記録(武蔵丸貴ノ浪の58回)に並んだ[8]
  • この場所10日目に横綱白鵬が10勝目を挙げたことで横綱としての2桁白星が通算50場所目となり、北の湖(49場所)の記録を抜いて史上1位となった[9]
  • この場所12日目に元幕内の幕下大道が現役を引退し、年寄・小野川を襲名した[10]
  • この場所13日目に元幕内の三段目土佐豊が現役を引退し、年寄・安治川を襲名した[11]
  • この場所後に日本相撲協会の役員候補選挙が実施され、新しい協会内部理事10人と副理事3人の候補者が決定した[12]

脚注

  1. ^ “八角新理事長「力士に感謝」初本場所に安堵の表情”. 日刊スポーツ. (2016年1月10日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1590511.html 2016年7月31日閲覧。 
  2. ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2016年1月号(初場所展望号) 70頁
  3. ^ “山響親方が北の湖部屋を継承 山響部屋に名称も変更”. 日刊スポーツ. (2015年12月1日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1573492.html 2016年7月31日閲覧。 
  4. ^ “新入幕輝、高田川部屋初の幕内力士に親方も期待の檄”. 日刊スポーツ. (2015年12月24日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1583335.html 2016年7月31日閲覧。 
  5. ^ “十両千代丸も休場 右膝半月板損傷 2桁の10人に”. 産経ニュース. (2016年1月20日). http://www.sankei.com/sports/news/160120/spo1601200015-n1.html 2016年7月31日閲覧。 
  6. ^ “安美錦、鶴竜撃破し“金星記録”貴乃花、武蔵丸…”. 日刊スポーツ. (2016年1月12日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1591339.html 2016年8月11日閲覧。 
  7. ^ 大相撲初場所 五日目▽ゲスト原晋さん(news系動画ライブラリ・2016年1月14日)
  8. ^ “琴奨菊がライバル稀勢の里をパワーで圧倒 中日給金”. 日刊スポーツ. (2016年1月18日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1593636.html 2016年8月11日閲覧。 
  9. ^ “白鵬、横綱2桁勝利は50場所 単独最多”. 毎日新聞. (2016年1月20日). http://mainichi.jp/articles/20160120/k00/00m/050/098000c 2016年8月11日閲覧。 
  10. ^ “元前頭の大道引退 年寄小野川襲名「悔いはない」”. 日刊スポーツ. (2016年1月22日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1595224.html 2016年7月31日閲覧。 
  11. ^ “土佐豊が引退 けがから復帰も…年寄「安治川」に”. 日刊スポーツ. (2016年1月22日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1595364.html 2016年7月31日閲覧。 
  12. ^ “高島親方が理事選落選 現職の伊勢ケ浜親方が当選”. 日刊スポーツ. (2016年1月29日). http://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1598124.html 2016年7月31日閲覧。 
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