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宇部新川駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宇部新川駅[* 1]
駅舎(2021年3月)
うべしんかわ
Ube-Shinkawa
琴芝 (1.1 km)
(1.8 km) 居能
地図
所在地 山口県宇部市上町一丁目7番7号
北緯33度57分30.13秒 東経131度14分32.92秒 / 北緯33.9583694度 東経131.2424778度 / 33.9583694; 131.2424778座標: 北緯33度57分30.13秒 東経131度14分32.92秒 / 北緯33.9583694度 東経131.2424778度 / 33.9583694; 131.2424778
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 宇部線
小野田線直通含む)
キロ程 27.1 km(新山口起点)
電報略号 ウシ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線[2]
乗車人員
-統計年度-
665人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1914年大正3年)1月9日[* 2][1]
備考 直営駅
みどりの券売機プラス設置駅
  1. ^ 1943年昭和18年)から1964年(昭和39年)までは宇部駅[1]
  2. ^ 1923年(大正12年)8月1日に現在地に移転[1]
テンプレートを表示
駅全景(2016年8月)。手前が新山口方面。

宇部新川駅(うべしんかわえき)は、山口県宇部市上町一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)宇部線[2]

概要

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宇部市の中心市街地に位置し、市を代表する駅である[2]

線路名称上は宇部線単独駅であるが、運転系統上は小野田線の列車も当駅を発着する(実際の小野田線の起点は隣の居能駅である)。

1914年(大正3年)に宇部軽便鉄道の駅として開業。当初は現在の宇部中央バス停付近に所在したが、1923年(大正12年)の助田停留場 - 宇部新川駅間の線路付け替えおよび床波駅までの路線延伸に伴い、現在地に移転した。

歴史

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初代駅舎(1914年)

駅舎改築構想

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1948年(昭和23年)の駅舎改築から30年が経過した1978年(昭和53年)6月、地元商店街側から駅前整備に合わせた駅舎改築の陳情が出され、周囲の国鉄所有地や市有地も立体的に活用して「宇部市の表玄関にふさわしい民衆駅」として再開発する構想が浮上[6]。同年11月に当時宇部市長であった二木秀夫が学識経験者や宇部商工会議所など地元代表、国鉄と市らで構成する「宇部新川駅舎改築対策協議会」を設置した[6]

1980年(昭和55年)10月2日、宇部市から国鉄に対して駅舎改築事業の決定と予算化を要望したが、国鉄再建法の先行きが不透明であったこともあり、国鉄側は「地元で魅力のある駅舎構造となるよう検討する必要がある」と回答した[7]。これを受け協議会で駅舎に合築する商業施設の規模など具体案の作成を進め、駅ビルの規模は1万から1万5千平方メートル程度(当時の蒲田駅東口ビル・後のグランデュオ蒲田東館に相当する規模)とする計画を取りまとめた[6]

一方、国鉄では赤字経営が課題となっており、より大規模な建て替えによるテナントの家賃収入増と採算性向上を目指し、日本長期信用銀行に委託して新たな案を作成[6]。1982年(昭和57年)5月、新たな駅ビルの規模を当時の広島駅ビル(後のひろしま駅ビル ASSE)に相当する5 - 7階建て、総面積2万3千平方メートルとし、1階に駅施設、2階以上に商業施設を配置する案を地元に提示した[6]

この計画に対し、宇部市も3億6千万円の国鉄利用債引き受けを予算計上して地元の合意形成を図ることにしたが、駅周辺の一部の商店街から「既存の商店街がさびれる」「採算が合うのか」など慎重論が出され調整が難航[6]。当時計画されていたサンパークおのだなど郊外地域への商業施設進出を念頭に「(宇部市商圏の)吸引力を高めるため思い切った考え方が必要」と推進論を唱える商店街もあったが、駅舎改築対策協議会は同年7月を最後に開かれなくなり、改築構想は実現をみなかった[6]

国鉄分割民営化後、1993年(平成5年)に宇部市やJR西日本など関係者による宇部新川駅前広場基本計画策定協議会が発足、1994年(平成6年)3月に宇部新川駅前広場基本計画が策定され、宇部市はこの中で先行整備が位置づけられた南北自由通路を駅舎と一体整備するようJR西日本に要望したが、JR側は「利用客の減少等から駅舎の改築は困難」とし、具体的な計画は進まなかった[8]

駅構造

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ホーム(2017年4月)

単式・島式の複合型2面3線のホームを持つ地上駅である。JR西日本の直営駅であり、みどりの券売機プラスが設置されている。ほかに側線もあり、当駅を発着する電車の留置に使用される。

単式ホームである1番のりばに面した南側に木造駅舎があり、島式の3・4番のりばへ跨線橋で連絡している。駅舎内にはセブンイレブンキヨスクがあったが2024年に閉店した。また、かつてはみどりの窓口が設置されていたが、2021年(令和3年)1月31日をもって営業終了し、前述のみどりの券売機プラスへ置き換えられた[5]

駅舎は国鉄が実施した宇部線の改良事業の一環として1948年(昭和23年)8月に完成したもので、設計上は将来の高架化に対応して半高架構造となっている[4]

のりば

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のりば 路線 方向 行先
1 宇部線 下り 居能宇部方面
小野田線 - 居能・雀田小野田方面
3・4 宇部線 上り 新山口方面
下り 居能・宇部方面
小野田線 - 居能・雀田・小野田方面

利用状況

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1日の平均乗車人員は以下の通りである[9]UBE(旧宇部興産)宇部本社の最寄駅でもあり、国鉄時代の1961年(昭和36年)時点では、広島鉄道管理局管内の駅として広島駅下関駅に次ぐ3位である1日約2万人の乗降客が当駅を利用し、うち定期客が7割以上を占めていた[10]

乗車人員推移
年度 1日平均人数
1999 1,706
2000 1,579
2001 1,480
2002 1,305
2003 1,290
2004 1,300
2005 1,321
2006 1,277
2007 1,249
2008 1,167
2009 1,090
2010 1,043
2011 1,029
2012 963
2013 947
2014 883
2015 903
2016 889
2017 900
2018 887
2019 828
2020 601
2021 608
2022 665

駅周辺

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当駅から隣の琴芝駅にかけての一帯は宇部市の中心市街地となっており、駅前にはビジネスホテルやオフィスビルなどが立地している。ただし宇部市役所へは琴芝駅のほうがやや近い。駅北側(若松町)へは改札口・自由通路がなく、駅正面から約150m西側にある島通踏切を横断する必要があり、駅周辺としての賑わいには乏しい。

UBEの本社地区(小串地区)の最寄り駅であり、宇部興産時代は社員の多くが当駅を利用して通勤していたため、駅とUBEの間にある商業地は大変賑わっていた。現在では車社会化が進み、郊外に大型商業施設が多数進出したことなどから、かつての賑わいは失われている。そのため宇部市では「宇部市にぎわいエコまち計画」などにおいて「宇部新川駅周辺地区」を重点整備地区の1つに位置付けている[11]

金融機関
ホテル
公共施設、公園等

バス路線

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宇部新川駅バスセンター

駅前のバスターミナル(宇部新川駅バスセンター)は宇部市交通局(宇部市営バス)の運行拠点となっており、バス待機用のスペースがあるほか、待合室や案内所も設けられている。船鉄バス、高速バス「福岡・山口ライナー」も駅前バスターミナルに乗り入れている。このうち、福岡・山口ライナーは2009年6月から乗り入れを開始している。また、6番のりば(現・5番乗り場に相当)は駅前ロータリー内ではなく、駅前の市道(宇部新川恩田線)上に設置されていたが、2018年10月よりロータリー内に移設され、宇部新川駅前を通るバスは全て、バスターミナルロータリー内に乗り入れるようになった。

宇部市では、市制施行90周年、第66回国民体育大会の開催など多数の行事が行われる2011年を「イベントイヤー」と位置づけ、イベントイヤーに向けた基盤整備として宇部新川駅前広場のバスシェルター整備を計画し[12]、事業費3,700万円をかけて2011年9月に完成した[13]

宇部新川駅バス停とは別に、駅の南東約300メートルの場所に市内各所からのバスが集中する宇部中央バス停がある。

のりば 方面
1 新山口駅阿知須駅前宇部興産中央病院、ときわ公園、萩原、あすとぴあ
2 フジグラン、めぐりーな、市街地循環線、山口宇部空港、丸山公園
3 ひらき台、工学部前、十文字、木田、八幡宮方面
4 小羽山、中山観音、宇部中央・市役所前・宇部駅
5 木田、宇部駅、黒石、際波台、船木、沖の山
6 小野田駅厚狭駅
7 高速バス(福岡・山口ライナー)
8 おりば専用(降車場)

登場作品

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隣の駅

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西日本旅客鉄道(JR西日本)
宇部線
琴芝駅 - 宇部新川駅 - 居能駅
小野田線(当駅 - 居能駅間は宇部線)
宇部新川駅 - 居能駅

かつて存在した路線

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日本国有鉄道
宇部線(旧線)
(琴芝駅 -) 宇部駅(現・宇部新川駅) - 藤曲駅
小野田線貨物支線
宇部港駅 - 宇部駅(現・宇部新川駅)
  • 国有化以前には、当駅と藤曲駅の間に助田停留場が、宇部港駅と当駅の間に上町停留場があった。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、291-292頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b c 『週刊 JR全駅・全車両基地』 49号 福山駅・宇部新川駅・忠海駅ほか80駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月28日、26頁。 
  3. ^ a b c d e f g h 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「山口線・美祢線・宇部線・小野田線・岩徳線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第7号、朝日新聞出版、2009年8月23日、23頁。 
  4. ^ a b 服部脩「宇部・小野田地區の整備について」『交通技術』第7巻第8号、交通協力会、1952年8月、6-8頁、2023年8月28日閲覧 
  5. ^ a b c “市内2駅のみどりの窓口、「券売機プラス」に置き換え”. 宇部日報. (2021年3月13日) 
  6. ^ a b c d e f g 「中に浮く7階駅ビル案 国鉄提示:地元商店街の決断待ち 慎重論・推進論『採算疑問』『思い切って』:宇部新川駅改築問題」『宇部時報』第11818号、宇部時報社、1983年3月25日、1面。2024年3月26日閲覧。
  7. ^ 「陳情成果 路線延長明るい見通し 山陽自動車道:三全総見直しで組み入れか:新川駅改築は遅れそう 豪州大使館『姉妹縁組に交流基金約す』」『宇部時報』第11383号、宇部時報社、1980年10月3日、1面。2023年10月19日閲覧。
  8. ^ 平成10年9月定例会(第3回)09月10日-03号」『宇部市議会会議録』議事録、1998年9月10日、124-128頁。2023年11月5日閲覧。
  9. ^ 山口県統計年鑑 - 山口県
  10. ^ 村岡寛「管理所めぐり 宇部・小野田線管理所」『国有鉄道』第19巻第140号、交通協力会、1961年2月、30-32頁。 
  11. ^ 中心市街地の整備 宇部新川駅周辺のまちづくり”. 宇部市役所. 2023年1月8日閲覧。
  12. ^ 平成23年度当初予算の概要 主な市制施行90周年イベントイヤー関連事業調書 (PDF) [リンク切れ]
  13. ^ JR宇部新川駅、バスシェルター完成”. 宇部日報 (2011年9月28日). 2021年5月16日閲覧。 2017年12月20日時点のアーカイブ
  14. ^ 山崎毅朗「シン・エヴァの「聖地巡礼」 庵野さん地元にファン殺到」『朝日新聞デジタル』2021年3月22日。2021年3月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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