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三浦徳子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
亜伊林から転送)
三浦みうら 徳子よしこ
別名 亜伊林あいりん
生誕 1949年[注 1]
出身地 日本の旗 日本青森県弘前市
死没 2023年11月6日(75歳没[注 2]
学歴 明治学院大学卒業
ジャンル J-POP
職業 作詞家
活動期間 1977年 - 2023年
事務所 アップフロントグループ

三浦 徳子(みうら よしこ、1949年[注 1] - 2023年11月6日)は、日本作詞家。本名は高原 徳子(たかはら よしこ)[1]青森県弘前市出身。生前はアップフロントグループに所属していた。別名義に「亜伊林」(あいりん)がある[2]

1970年代後半から日本を代表する作詞家として活動し、1980年代における作詞家総売上枚数は松本隆売野雅勇秋元康に次ぐ4位、女性作詞家としては1位であった[3]。 兄は文芸評論家三浦雅士

経歴

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1949年、青森市で出生[4]。小学校3年までは青森県の大鰐町、それ以後は八戸市で育った。三浦が中学生のとき、兄の雅士が青森県立弘前高等学校に進学し下宿したため、同兄と一緒に育ったのはそれまでである。

青森県立弘前中央高等学校を卒業後[5]上京し、明治学院大学に入学。大学卒業後、コピーライターを経て、1977年に高田みづえのシングル「硝子坂」のB面「DÔMO DÔMO」にて作詞家デビュー(当時の名義は「みうらよしこ」)。1978年には石川ひとみのデビュー曲「右向け右」、および2作目の「くるみ割り人形」を手掛け、その年の日本歌謡大賞新人賞を受賞させた。翌1979年には岩崎宏美へ提供した「万華鏡」が日本レコード大賞金賞を獲得。同年に手掛けた松原みきの「真夜中のドア〜Stay With Me」は2020年頃からリバイバルヒットし、世界的な人気曲となった[6]。1980年には松田聖子のデビュー曲「裸足の季節」を手掛け、以降松田の5枚目のシングルまで専属で担当し、当時のオリコン連続1位記録の礎を担った。この他にも柏原芳恵早見優堀ちえみ工藤静香らの楽曲の作詞を多数手掛け、1970年代後半から1980年代にかけての女性アイドル歌手全盛時にヒットチャートを席捲した。また、沢田研二郷ひろみ田原俊彦少年隊などの男性アイドル歌手や、八神純子浜田省吾TUBEらのシンガーソングライターにも数々のヒット作品を提供していたほか、デリカスイトのイメージソングの作詞も担当。晩年はアップフロントグループに所属し、主にハロー!プロジェクト関連、および旧ジャニーズ(後のSTARTO ENTERTAINMENT)関連のアイドルグループの楽曲や、NHK Eテレ子供向け番組の楽曲の作詞を手掛けていた。

2023年11月6日午前1時21分、肺炎のため死去[7]。同月14日にアップフロント音楽出版が公表した[8][9]。75歳没[注 2]。後述するモーニング娘。の元メンバーだった佐藤優樹のシングル「Ding Dong/ロマンティックなんてガラじゃない」の通常盤Cに収録された「プラスティック・ジェネレーション」(2023年3月29日発売)が遺作となった[10]。同年、第65回日本レコード大賞特別功労賞を受賞した[11]

音楽性

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  • 作詞の特徴としては、メロディーが望む言葉をそのとき思いつくかどうかを重視し[12]、作詞家の仕事はやって来るものをガバッとつかむものでディレクターから直されたり、悩んだりすると魅力がなくなり、悩むとお客さんに見破られると語っている[13][14]。ただ「サビがうまくいかないと、納得するまで何度も書き直しますね」とも述べ[13]、作詞家の労働時間は、歩いているときも、同時に考えていることは考えているという[14]
  • 面倒なことを歌いたい人はいないという理由から意味もなく語彙を増やすことには否定的であり、語彙の量や質よりも、言葉と言葉の組み合わせによる新たな効果を重視するという[5]
  • 三浦の出世作である「みずいろの雨」については、八神純子は複数の作詞家に作詞を発注しており、いわゆる競作であった。三浦は曲を聴く前にすでに「みずいろの雨」というテーマを決めていた。みずいろは日本人が好む色であり、歌謡曲といえば雨と考えたからである。三浦は「曲を聞いたら、ちょうど『みずいろの雨』でよかったんです」と述べている。「みずいろ」をひらがなにしたのは、漢字にするとイメージが固まってしまうからであった。「くずれてしまえ」という命令形の歌詞について、三浦は、当時としては珍しいものであり、当時の八神純子が気の強い女の子であったから浮かんだ歌詞だったのだろうと語っている[13]

記録

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シングル売上TOP15
順位 タイトル アーティスト 作曲家 売上枚数
(万枚)
発売日
1 CAT'S EYE 杏里 小田裕一郎 82.0 1983年8月5日
2 風は秋色/Eighteen 松田聖子 小田裕一郎
平尾昌晃
79.7 1980年10月1日
3 チェリーブラッサム 松田聖子 財津和夫 67.5 1981年1月21日
4 青い珊瑚礁 松田聖子 小田裕一郎 60.3 1980年8月1日
5 みずいろの雨 八神純子 八神純子 58.8 1978年9月5日
6 夏の扉 松田聖子 財津和夫 56.9 1981年4月21日
7 パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜 八神純子 八神純子・Ray Kenned・Jack Conrad・David Foster 56.4 1980年7月21日
8 ZUTTO 永井真理子 藤井宏一 54.6 1990年10月24日
9 嵐の素顔 工藤静香 後藤次利 52.4 1989年5月3日
10 君に薔薇薔薇…という感じ 田原俊彦 筒美京平 36.5 1982年1月27日
11 ス・ト・リ・ッ・パ・ー 沢田研二 沢田研二 36.4 1981年9月21日
12 モニカ 吉川晃司 NOBODY 33.9 1984年2月1日
13 ZIG ZAG セブンティーン/Gジャンブルース シブがき隊 井上大輔 33.5 1982年10月28日
14 裸足の季節 松田聖子 小田裕一郎 28.3 1980年4月1日
15 万華鏡 岩崎宏美 馬飼野康二 27.8 1979年9月15日

「亜伊林」名義を含む[3]

作品

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あ行

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か行

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さ行

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た行

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な行

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は行

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ま行

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や行

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ら行

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わ行

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  • 鷲尾いさ子
    • リエゾン
    • 月が出ていても
    • もう一度メリークリスマス
    • 泳ぐひと
    • そして優しい夜が来る
    • 愛は眠らない
    • アポロの背中
    • 夜の天使(訳詞)
    • Lies -いつも昨日のつづき-(訳詞)
    • 終わりの始まり(訳詞)
  • 和田アキ子
    • 抱いてサンバナイト
    • つれづれ恋人
    • 逢いたいうちが華だから
  • 和田加奈子
    • 不確かなI LOVE YOU
    • SUNDAY BRUNCH
    • 梨の形をしたBlue
    • Be My J-Boy
    • めまい
    • 真昼のポーリーヌ
    • ゴシップ・グラマー-空っぽのガレージ-
  • 渡辺典子
    • 花の色
    • 野ばらのレクイエム
    • 華やかなピリオド
    • ここちε
    • TOKYOサバンナ
  • 渡辺真知子
    • メロディ
    • 別れのドレス
    • 一度だけヒロイン
  • 渡辺未央
    • 終わらない愛(松田ななと共作)
  • 渡辺美奈代
    • オフロでGO!(補作詞)

ジャニーズ事務所(現・STARTO ENTERTAINMENT)関連

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アニメソング

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NHK Eテレ関連

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  • 母と子のテレビ絵本
    • きつねのコンピューター
  • いないいないばあっ!
    • ワンワンパラダイス
    • 雲のレストラン
    • ぐるぐるクッキー
    • 旅がらすワン太郎
    • チーしちゃおう
    • ねばねば
    • のりもののりのり
    • ママから聞いたこと
    • バタンバタン
    • はしって ダアー!
    • ふゆがやってきたーっ!
    • ブンブン ブキューン!
    • モウフーッなきもち
    • ふしぎなふしぎ
    • 夕やけわっしょい!
    • はじめてはじめて
    • カエデの木のうた
    • ソラハアオイヨ
    • パチパチ パレードっ!
    • パッパ らっぱ
    • でっかいなあ!
    • ずーっといっしょ
    • フーッ、ちゃっぽんぽん
    • まる、まるっ
    • サンキュ!ワンワン399
    • ぐにゅぐにゅにょろにょろ
    • にじいろリボン
  • おかあさんといっしょ
    • ちょー ちっちゃいはなし
  • にほんごであそぼ
    • シェイクスピアのうた ~マクベス編~(亜伊林名義)
    • 五十三次ロケンロー
    • VIVA!をとめたち。(亜伊林名義)
    • TOBALI(亜伊林名義)

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 誕生日は非公開。
  2. ^ a b 数え年。満年齢では73歳没または74歳没。

出典

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  1. ^ "作詞家の三浦徳子さん死去「青い珊瑚礁」「お嫁サンバ」「嵐の素顔」". 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 14 November 2023. 2023年11月15日閲覧
  2. ^ ““マニア”しょこたん 聖子になる”. デイリースポーツonline. オリジナルの2006年12月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20061218191145/http://www.daily.co.jp/gossip/2006/12/11/0000189147.shtml 
  3. ^ a b 1980年代作詞家総売上で女性1位 三浦徳子さんが死去」『ORICON NEWS』2023年11月15日。2024年10月2日閲覧。
  4. ^ 作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997 DU BOOKS (2017/7/7) 239頁
  5. ^ a b 金田一秀穂×三浦徳子 アイドル歌謡の作詞術④ - 読むらじる。 - NHKラジオ らじる★らじる”. 2021年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月15日閲覧。
  6. ^ “リリースから40年の快挙!! Spotify15日連続世界1位の松原みき「真夜中のドア/Stay With Me」復刻盤商品化決定!”. PONYCANYON NEWS. (2020年12月25日). https://web.archive.org/web/20201225032255/https://news.ponycanyon.co.jp/2020/12/45682 2020年12月30日閲覧。 
  7. ^ "作詞家三浦徳子さん死去 「みずいろの雨」「青い珊瑚礁」「嵐の素顔」「モニカ」など多数のヒット作". Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. 14 November 2023. 2023年11月14日閲覧
  8. ^ 作詞家 三浦徳子に関するご報告”. アップフロントグループ (2023年11月14日). 2024年5月18日閲覧。
  9. ^ “「青い珊瑚礁」三浦徳子さん死去 肺炎のため 多数の名曲手がける”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2023年11月14日). https://www.daily.co.jp/gossip/2023/11/14/0017027706.shtml#google_vignette 2023年11月14日閲覧。 
  10. ^ Ding Dong/ロマンティックなんてガラじゃない 佐藤優樹 - アップフロントワークス
  11. ^ 第65回『輝く!日本レコード大賞』
  12. ^ 金田一秀穂×三浦徳子 アイドル歌謡の作詞術① - 読むらじる。 - NHKラジオ らじる★らじる”. 2021年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月15日閲覧。
  13. ^ a b c 金田一秀穂×三浦徳子 アイドル歌謡の作詞術② - 読むらじる。 - NHKラジオ らじる★らじる”. 2021年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月15日閲覧。
  14. ^ a b 金田一秀穂×三浦徳子 アイドル歌謡の作詞術③ - 読むらじる。 - NHKラジオ らじる★らじる”. 2021年4月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月15日閲覧。