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リトルアマポーラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リトルアマポーラ
欧字表記 Little Amapola[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2005年1月24日[1]
死没 2022年6月3日(17歳没)[2]
登録日 2007年4月25日
抹消日 2010年12月10日
アグネスタキオン[1]
リトルハーモニー[1]
母の父 コマンダーインチーフ[1]
生国 日本の旗 日本北海道白老郡[1]
生産者 社台コーポレーション白老ファーム[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 長浜博之栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牝馬(2008年)[1]
生涯成績 22戦5勝[1]
獲得賞金 2億3298万2000円[1]
勝ち鞍
GI エリザベス女王杯 2008年
JpnIII クイーンカップ 2008年
GIII 愛知杯 2009年
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リトルアマポーラ(欧字名:Little Amapola2005年1月24日 - 2022年6月3日)は、日本競走馬繁殖牝馬[1]

2008年のエリザベス女王杯(GI)、クイーンカップ(JpnIII)に優勝し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出された。その他の勝ち鞍に、2009年の愛知杯

馬名の由来は、英語スペイン語を組み合わせた言葉で「小さなひなげしの花」。

経歴

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2歳

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2007年12月8日ミルコ・デムーロを鞍上に迎えた新馬戦でディープインパクトの半妹ヴェルザンディらを破り初勝利を飾る。2戦目では武幸四郎に乗り替わり、17頭中9番人気となったが最後の直線で外から豪快に差し切り2勝目を挙げた。

3歳

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年明けの緒戦は京成杯。22年ぶりの牝馬制覇に挑むが道中馬込みに揉まれマイネルチャールズの4着に終わる。その後、クイーンカップに出走。馬体重が大幅に減っていたがここでは1番人気に推され、その期待に応えるように3勝目を挙げ重賞初制覇を果たした。

レース後は桜花賞に向けて調整され、レース当日には馬体重も戻りトールポピーに次ぐ2番人気に支持される。レースではやや出遅れたため位置取りがやや後方になってしまい、出走馬最速の上がり3ハロン34秒3の脚で猛然と追い込んでくるも届かずレジネッタの5着に敗れた。

その後、優駿牝馬では前走での最速の上がりが評価されて1番人気に支持されたが、伸びない大外を回らされたこともあって、トールポピーの7着に敗れ、レース後はリフレッシュ放牧に出された。しかし、放牧先では春の激戦の影響もあって体調を崩し、調整が大幅に遅れることになった。そのため、秋はトライアルを使わず直行で秋華賞から始動したが、ブラックエンブレムの6着に敗れた。

エリザベス女王杯優勝時

エリザベス女王杯ではクリストフ・ルメールを鞍上に迎えて挑み、道中は前目に付け最後の直線の入口で先頭に立つと、カワカミプリンセスベッラレイアの追撃を振り切りGI初制覇を飾った。鞍上が武幸四郎に変わってからは後方からレースを進め大外を回すというスタイルであったが、これを先行させて勝たせたルメールの騎乗は、それまで後方一辺倒であったハーツクライを先行させて勝った2005年の有馬記念の再現と評されている。

カワカミプリンセスベッラレイア等の古馬相手に勝利した事が評価され、同年のJRA賞で、並み居る3歳牝馬クラシックホース3頭を抑え、最優秀3歳牝馬を受賞した[3]

4歳

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愛知杯

4歳となった2009年は鞍上に福永祐一を新たに迎えマイラーズカップから始動。好位からレースを進めたが、直線で伸びあぐねて7着に敗れた。その後、5月17日ヴィクトリアマイルでは好位からレースを進めたが、直線で伸び切れず6着に終わった。その後、6月21日マーメイドステークスでは中団から最後の直線で追い込んでくるものの逃げるコスモプラチナを捕らえることができず3着に敗れた。

休養を挟んで10月18日府中牝馬ステークスでは好位追走も伸び切れず5着に敗れた。連覇がかかったエリザベス女王杯ではクリストフ・スミヨンを鞍上に迎え4番人気で出走。道中3番手でレースを進めたが、直線で伸び切れず7着に敗れた。12月19日の第47回愛知杯に出走、スタートから好位置をキープし、最後の直線で逃げ粘るブラボーデイジーを交わして1着入線し、1年ぶりの勝利を挙げた。

5歳

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5歳となった2010年2月6日小倉大賞典に1番人気で出走。道中先団でレースを進めたが、直線で失速してしまい13着と大敗した。続く3月13日中京記念では5着に敗れた。続く4月17日のマイラーズカップでは中団待機もまったく伸びず18着と殿負けに終わった。5月29日金鯱賞では好位を追走するも伸びを欠き6着に敗れた。6月20日のマーメイドステークスでは中団追走も直線では伸びず11着と大敗した。

夏の休養を挟み、10月17日の府中牝馬ステークスに出走し、最速の上がりを記録したが、人気通りの7着に敗れた。11月14日のエリザベス女王杯では好位を追走するが直線でアパパネとの追い比べに敗れ4着だった。12月4日鳴尾記念では道中3番手を追走するが直線で失速し11着と大敗した。そして12月10日付けで登録抹消され、現役を引退した[4]

引退後

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引退後は社台コーポレーション白老ファーム繁殖牝馬となる。その後、2021年より小泉牧場に移動した[5]が、2022年6月3日に死亡した[6]。17歳没。優駿メモリアルパークに墓標がある[6]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.comの情報[7]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2007.12.08 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 12 8 11 008.30(3人) 01着 R1:39.2(34.6) -0.1 0M.デムーロ 54 (アウロラプラネット) 474
0000.12.23 阪神 2歳500万下 芝1600m(重) 17 2 3 016.90(9人) 01着 R1:35.7(34.3) -0.3 0武幸四郎 54 (ミッキーチアフル) 472
2008.01.20 中山 京成杯 JpnIII 芝2000m(良) 16 7 13 004.60(2人) 04着 R2:03.1(36.4) -0.2 0武幸四郎 54 マイネルチャールズ 470
0000.02.23 東京 クイーンC JpnIII 芝1600m(良) 16 3 6 002.90(1人) 01着 R1:35.5(34.4) -0.2 0武幸四郎 54 (ライムキャンディ) 458
0000.04.13 阪神 桜花賞 JpnI 芝1600m(良) 17 5 9 003.80(2人) 05着 R1:34.6(34.3) -0.2 0武幸四郎 55 レジネッタ 466
0000.05.25 東京 優駿牝馬 JpnI 芝2400m(稍) 18 8 18 003.90(1人) 07着 R2:29.3(35.4) -0.5 0武幸四郎 55 トールポピー 460
0000.10.19 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 4 7 013.90(6人) 06着 R1:58.7(34.3) -0.3 0武幸四郎 55 ブラックエンブレム 470
0000.11.16 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 8 16 013.20(4人) 01着 R2:12.1(34.4) -0.2 0C.ルメール 54 カワカミプリンセス 474
2009.04.18 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 10 1 1 012.40(4人) 07着 R1:34.3(33.6) -0.4 0福永祐一 56 スーパーホーネット 470
0000.05.17 東京 ヴィクトリアM GI 芝1600m(良) 18 7 13 007.50(3人) 06着 R1:33.9(34.6) -1.5 0福永祐一 55 ウオッカ 468
0000.06.21 阪神 マーメイドS GIII 芝2000m(良) 16 8 16 005.40(2人) 03着 R2:00.6(34.8) -0.4 0福永祐一 56.5 コスモプラチナ 474
0000.10.18 東京 府中牝馬S GIII 芝1800m(良) 18 7 15 004.70(2人) 05着 R1:45.4(35.3) -0.8 0内田博幸 55 ムードインディゴ 474
0000.11.15 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 3 5 012.40(4人) 07着 R2:14.9(34.0) -1.3 0C.スミヨン 56 クィーンスプマンテ 472
0000.12.19 中京 愛知杯 GIII 芝2000m(良) 18 3 6 007.40(4人) 01着 R1:59.7(34.6) -0.0 0中館英二 56.5 ブラボーデイジー 478
2010.02.06 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 15 1 1 003.70(1人) 13着 R1:48.8(38.3) -1.8 0中館英二 56 オースミスパーク 480
0000.03.13 中京 中京記念 GIII 芝2000m(良) 18 1 1 013.10(7人) 05着 R2:02.3(35.4) -0.3 0中館英二 56 シャドウゲイト 478
0000.04.17 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 18 2 3 049.7(11人) 18着 R1:35.0(35.7) -2.1 0中館英二 55 リーチザクラウン 480
0000.05.29 京都 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 14 1 1 025.20(9人) 06着 R2:00.3(34.4) -0.8 0福永祐一 55 アーネストリー 478
0000.06.20 阪神 マーメイドS GIII 芝2000m(良) 16 5 10 012.90(6人) 11着 R2:00.7(35.9) -1.2 0福永祐一 55 ブライティアパルス 476
0000.10.17 東京 府中牝馬S GIII 芝1800m(良) 17 5 9 012.90(7人) 07着 R1:46.8(33.0) -0.4 0勝浦正樹 55 テイエムオーロラ 472
0000.11.14 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 8 17 022.30(7人) 04着 R2:13.5(35.5) -1.0 0福永祐一 56 スノーフェアリー 474
0000.12.04 阪神 鳴尾記念 GIII 芝1800m(良) 12 6 7 022.60(8人) 11着 R1:45.9(35.0) -1.0 0幸英明 55 ルーラーシップ 472

繁殖成績

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馬名 誕生年 毛色 馬主 厩舎 戦績
初仔 エバーハーモニー 2012年 黒鹿毛 キングカメハメハ (有)社台レースホース 栗東・藤岡健一
園田・新子雅司
→栗東・藤岡健一
→栗東・長浜博之
19戦2勝(引退)
2番仔 クィーンアマポーラ 2013年 青鹿毛 栗東・藤岡健一 3戦0勝(引退・繁殖)
3番仔 エジステンツァ 2014年
鹿毛 栗東・藤岡健一
美浦田中博康
船橋張田京
38戦5勝(引退)
4番仔 ラカージェ 2015年 黒鹿毛 ノヴェリスト (株)G1レーシング 美浦・大竹正博 3戦1勝(引退)
5番仔 モルビデッツァ 2016年 鹿毛 ハービンジャー (有)サンデーレーシング 美浦・古賀慎明 死亡(デビュー前)
6番仔 スーザフォン 2017年 栗毛 エピファネイア 吉田和子
→佐野篤志
栗東・武英智
西脇・田村彰啓
11戦1勝(引退)
7番仔 ルティレ 2018年 鹿毛 モーリス (株)G1レーシング
→(有)市川牧場
美浦・田中博康
北海道・小野望
21戦2勝(引退・繁殖)
8番仔 リトルポピー 2019年 芦毛 クロフネ (有)サンデーレーシング 美浦・奥村武 15戦1勝(引退)
9番仔 グランデアマポーラ 2020年 黒鹿毛 ヘニーヒューズ (有)社台レースホース 美浦・鹿戸雄一 4戦0勝(引退)
10番仔 ムメ 2021年 黒鹿毛 イスラボニータ 村田博司
→酒井孝敏
美浦・上原博之
名古屋・塚田隆男
11戦3勝(現役)
11番仔 カシオペア 2022年 栗毛 ビッグアーサー 中辻明 美浦・上原佑紀 1戦0勝(現役)

・2024年10月6日現在

血統表

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リトルアマポーラ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

アグネスタキオン
1998 栗毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アグネスフローラ
1987 鹿毛
*ロイヤルスキー
Royal Ski
Raja Baba
Coz o'Nijinsky
アグネスレディー *リマンド
イコマエイカン

リトルハーモニー
1995 鹿毛
*コマンダーインチーフ
Commander in Chief
1990 鹿毛
*ダンシングブレーヴ
Dancing Brave
Lyphard
Navajo Princess
Slightly Dangerous Roberto
Where You Lead
母の母
ルイジアナピット
1985 鹿毛
*ヴァリィフォージュ
Valley Forge
Petingo
Border Bounty
ミユキカマダ *ダイアトム
ヤヨイカマダ
母系(F-No.) コランディア系(FN:9-e) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [8]
  2. ^ [9]
  3. ^ [10][8]
  4. ^ [8]

脚注

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注釈

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出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p リトルアマポーラ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月12日閲覧。
  2. ^ 優駿メモリアルパークの馬碑(墓碑)記載
  3. ^ 牝馬三冠競走未勝利の最優秀3歳牝馬はモデルスポート以来30年ぶり8頭目で、2023年現在最後
  4. ^ リトルアマポーラが引退、繁殖へ | 競馬実況web | ラジオNIKKEI”. keiba.radionikkei.jp. 2022年2月10日閲覧。
  5. ^ リトルアマポーラ(JPN) - 血統書サービス、2022年9月1日閲覧。
  6. ^ a b リトルアマポーラ | 馬・牧場・施設検索 - 競走馬のふるさと案内所、2022年9月22日閲覧。
  7. ^ リトルアマポーラ 競走馬データ”. netkeiba.com. 2019年3月2日閲覧。
  8. ^ a b c 血統情報:5代血統表|リトルアマポーラ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2017年2月23日閲覧。
  9. ^ リトルアマポーラの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年9月12日閲覧。
  10. ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2017年2月23日閲覧。

外部リンク

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