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ウメノファイバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウメノファイバー
1999年4月11日 阪神競馬場
欧字表記 Umeno Fiber
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1996年5月5日[1]
死没 2021年9月12日(25歳没)[2]
サクラユタカオー
ウメノローザ
母の父 ノーザンディクテイター
生国 日本の旗 日本北海道新冠町
生産者 斉藤安行[1]
馬主 梅崎敏則[1]
調教師 相沢郁美浦[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀4歳牝馬(1999年)
生涯成績 16戦4勝[1]
獲得賞金 2億3899万2000円[1]
IC 110L(1999年)[3]
勝ち鞍
GI 優駿牝馬 1999年
GII 京王杯3歳S 1998年
GIII クイーンC 1999年
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ウメノファイバー (: Umeno Fiber)は日本競走馬繁殖牝馬。おもな勝鞍は、優駿牝馬京王杯3歳ステークスクイーンカップ1999年JRA賞最優秀4歳牝馬(部門名は当時)。東京競馬場を得意とした。

以下、馬齢は旧表記(数え年)とする。

経歴

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3歳

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1998年7月函館競馬場でデビュー。2戦目となる折り返しの新馬戦で初勝利を挙げた。函館3歳ステークスでは、追い込んで4着に入線。素質の片鱗を見せた。 札幌3歳ステークスを経て、京王杯3歳ステークスに出走。大外から鮮やかに差し切り重賞初制覇を果たした。続く阪神3歳牝馬ステークスを6着として、3歳シーズンを終える。

4歳

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4歳初戦のクイーンカップでは、レッドチリペッパーが断然の人気を集めたが、上がり3ハロン34秒6の末脚で同馬をクビ差抑えて勝利する。この後、桜花賞に直行するが、プリモディーネの6着に敗れた。次走の優駿牝馬では血統的に距離が長いと判断され、7番人気にとどまった。レースでは後方で脚をため、直線で抜け出したトゥザヴィクトリーを大外から強襲、ハナ差とらえて優勝した。

その後は、ぶっつけで秋華賞に出走。12番人気のブゼンキャンドルが制する波乱の展開だったが4着に食い込んだ。次走のジャパンカップは強豪がひしめく中では厳しく12着に大敗した。

5歳

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古馬となってからは、京王杯スプリングカップの4着が唯一の掲示板入りだった。東京競馬場でのレースでは穴人気を集めるなどファンの期待は依然として高かったが、優駿牝馬で見せた末脚がよみがえることはなく、2000年の阪神牝馬特別の6着を最後に現役を引退した。

引退後

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競走馬引退後は生まれ故郷の斉藤安行牧場(YSスタッド)、その施設と事業を継承したハクレイファームで繁殖牝馬として暮らしていた。しかし、ウメノファイバー自身の産駒に重賞を勝利するような産駒は現れなかった。

2019年をもって繁殖を引退し、のちの2021年9月21日に老衰により死亡した[2]。25歳没。

競走成績

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以下の内容はnetkeiba.comの情報[4]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1998.07.12 函館 3歳新馬 芝1200m(良) 10 5 5 012.10(5人) 07着 R1:13.6(38.2) -1.3 0山本康志 53 エイシンコールマン 412
0000.07.26 函館 3歳新馬 芝1000m(良) 8 8 8 018.80(5人) 01着 R0:59.1(35.6) -0.3 0山本康志 53 (クリムゾンクローバ) 412
0000.08.02 函館 函館3歳S GIII 芝1200m(良) 16 4 7 090.7(15人) 04着 R1:11.7(36.7) -0.6 0山本康志 53 リザーブユアハート 412
0000.09.26 札幌 札幌3歳S GIII 芝1800m(良) 14 8 13 044.30(8人) 07着 R1:51.7(38.1) -1.4 0山本康志 53 マイネルプラチナム 418
0000.11.14 東京 京王杯3歳S GII 芝1400m(良) 9 8 9 018.50(6人) 01着 R1:22.8(35.4) -0.1 0蛯名正義 53 ロサード 416
0000.12.06 阪神 阪神3歳牝馬S GI 芝1600m(稍) 13 3 3 013.10(8人) 06着 R1:38.9(39.1) -1.9 0柴田善臣 53 スティンガー 414
1999.02.21 東京 クイーンC GIII 芝1600m(良) 16 1 2 007.70(2人) 01着 R1:36.6(34.6) -0.1 0蛯名正義 54 レッドチリペッパー 420
0000.04.11 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 6 11 021.80(8人) 06着 R1:36.3(36.9) -0.8 0蛯名正義 55 プリモディーネ 416
0000.05.30 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 18 8 16 016.90(7人) 01着 R2:26.9(34.6) -0.0 0蛯名正義 55 トゥザヴィクトリー 428
0000.10.24 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 5 10 008.50(4人) 04着 R1:59.5(36.6) -0.2 0蛯名正義 55 ブゼンキャンドル 444
0000.11.28 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 14 2 2 020.60(8人) 12着 R2:28.1(37.7) -2.6 0蛯名正義 53 スペシャルウィーク 446
2000.05.14 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 18 7 14 084.8(12人) 04着 R1:21.3(34.1) -0.3 0佐藤哲三 56 スティンガー 446
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 7 13 010.10(8人) 12着 R1:34.7(34.9) -0.8 0後藤浩輝 56 フェアリーキングプローン 440
0000.10.15 東京 府中牝馬S GIII 芝1800m(良) 13 7 11 007.80(4人) 11着 R1:49.8(34.7) -1.5 0佐藤哲三 56 トゥザヴィクトリー 454
0000.11.12 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 17 4 8 014.90(5人) 12着 R2:14.1(34.2) -1.3 0O.ペリエ 56 ファレノプシス 450
0000.12.17 阪神 阪神牝馬特別 GII 芝1600m(良) 14 1 1 033.8(10人) 06着 R1:34.9(35.3) -1.1 0佐藤哲三 56 トゥザヴィクトリー 450

優駿牝馬をはじめ重賞3勝を挙げる活躍をしたが、1番人気での出走は現役中1度もなかった。

繁殖成績

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初仔レディーダービーが、ヴェルデグリーン(2013年オールカマー、2014年アメリカジョッキークラブカップ)、グリューネグリーン(2022年京都2歳ステークス)の2頭の重賞勝ち馬を産んでいる。

馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績 出典
初仔 レディーダービー 2002年 栗毛 スペシャルウィーク 美浦・相沢郁 佐藤友子 12戦0勝(引退・繁殖牝馬) [5]
2番仔 フィルドール 2003年 栗毛 アグネスタキオン (有)キャロットファーム 4戦0勝(引退・繁殖牝馬) [6]
3番仔 コウメイグリーン 2004年 鹿毛 フレンチデピュティ 美浦・相沢郁
笠松・加藤幸保
→美浦・相沢郁
斎藤光政 24戦2勝(引退) [7]
(流産) 2005年 フジキセキ
4番仔 ジョイチャイルド 2006年 鹿毛 シンボリクリスエス 美浦・相沢郁
水沢村上昌幸
星野壽市
→川原輝雄
27戦4勝(引退・繁殖牝馬) [8]
5番仔 アンフィルージュ 2007年 栗毛 アグネスタキオン 栗東藤岡健一 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン 14戦3勝(引退・繁殖牝馬) [9]
6番仔 クリールダイナー 2008年 鹿毛 ロックオブジブラルタル 美浦・相沢郁 横山修二 5戦0勝(引退・繁殖牝馬) [10]
7番仔 ノーブリー 2009年 鹿毛 アドマイヤムーン 栗東・藤岡健一
→栗東・奥村豊
金沢・佐藤茂
ニットー商事(株)
→占部恵太
33戦2勝(引退) [11]
(流産) 2010年 アルカセット
(不受胎) 2011年 ディープスカイ
8番仔 ヒャッカノサキガケ 2012年 鹿毛 アドマイヤムーン 美浦・尾関知人
愛知・安部弘一
高知・川野勇馬
→高知・宗石大
(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
→酒井孝敏
13戦0勝(引退) [12]
9番仔 タマワイドベガ 2013年 鹿毛 エンパイアメーカー 美浦・相沢郁 玉井鶴枝 2戦0勝(引退・繁殖) [13]
(不受胎) 2014年 キンシャサノキセキ
10番仔 ティアマト 2015年 黒鹿毛 ヴァーミリアン 美浦・相沢郁
→金沢・川添明弘
浦和・川村守男
→高知・田中譲二
→高知・宗石大
佐賀・石川浩文
(有)ミルファーム
→(同)JPN技研
76戦5勝(引退) [14]
11番仔 グレルグリーン 2016年 黒鹿毛 美浦・相沢郁 斎藤光政 31戦1勝(引退) [15]
12番仔 ウチノファイバー 2017年 栗毛 トゥザワールド 美浦・星野忍
→愛知・川西毅
内田玄祥 4戦0勝(引退・繁殖) [16]
(種付けせず) 2018年
13番仔 ビヨンドザタイム 2019年 栗毛 ダイワメジャー 美浦・金成貴史 (株)レッドマジック 13戦1勝(現役) [17]

※成績は2024年2月27日現在

血統表

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ウメノファイバー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 テスコボーイ系

サクラユタカオー
1982 栗毛
父の父
*テスコボーイ
Tesco Boy
1963 黒鹿毛
Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Suncourt Hyperion
Inquisition
父の母
アンジェリカ
1970 黒鹿毛
*ネヴァービート
Never Beat
Never Say Die
Bride Elect
スターハイネス *ユアハイネス
スターロツチ

ウメノローザ
1986 鹿毛
* ノーザンディクテイター
Northern Dictator
1974 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Dictates Bold Ruler
Punctilious
母の母
ウメノシルバー
1979 芦毛
*シルバーシャーク
Silver Shark
Buisson Ardent
Palsaka
ストロングベビー *セダン Sedan
マリアンナ
母系(F-No.) フラストレート系(FN:1-b) [§ 2]
5代内の近親交配 Nasrullah 4・5×5、Nearco 5×5 [§ 3]
出典
  1. ^ [18]
  2. ^ [19][18]
  3. ^ [18]

母のウメノローザは、グランドチャンピオン2000を制する[20]など大井競馬場で活躍。母を管理した大井競馬の調教師・石田貞雄によれば、その産駒の多くは小柄であったため、本馬を含めた牝馬の産駒については、芝コースで走らせるべく中央競馬へ送ることになったという[20]

近親には京王杯スプリングカップなどを制したウインラディウスセントライト記念を制したサンデーウェルなどがいる。5代母は1947年皐月賞・優駿牝馬を制し東京優駿(日本ダービー)も2着、繁殖牝馬としても成功を収めたトキツカゼである。さらに牝系を遡ると、小岩井農場の基礎輸入牝馬の一頭であるフラストレートにたどり着く。

脚注

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  1. ^ a b c d e f ウメノファイバー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年9月13日閲覧。
  2. ^ a b “ウメノファイバーが死亡、25歳 1999年オークスを蛯名正義騎手の手綱で制覇”. netkeiba.com (株式会社ネットドリーマーズ). (2021年9月12日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=192742 2021年9月13日閲覧。 
  3. ^ 優駿』、日本中央競馬会、2000年2月、43頁。 
  4. ^ ウメノファイバー”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年6月19日閲覧。
  5. ^ レディーダービー | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  6. ^ フィルドール | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  7. ^ コウメイグリーン | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  8. ^ ジョイチャイルド | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  9. ^ アンフィルージュ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  10. ^ クリールダイナー | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  11. ^ ノーブリー | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  12. ^ ヒャッカノサキガケ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  13. ^ タマワイドベガ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年7月9日閲覧。
  14. ^ ティアマト”. JBISサーチ. 2021年3月7日閲覧。
  15. ^ グレルグリーン | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2021年3月7日閲覧。
  16. ^ ウチノファイバー”. JBISサーチ. 2021年3月7日閲覧。
  17. ^ ビヨンドザタイム”. JBISサーチ. 2022年3月11日閲覧。
  18. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ウメノファイバー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年7月27日閲覧。
  19. ^ 『優駿』1999年4月号、日本中央競馬会、137頁
  20. ^ a b ダート競馬トピックス”. ラジオたんぱ競馬実況ホームページ. ラジオたんぱ (1999年6月17日). 2003年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月28日閲覧。

外部リンク

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