ブラックエンブレム
ブラックエンブレム | |
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2008年4月13日 阪神競馬場 | |
欧字表記 | Black Emblem |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 黒鹿毛 |
生誕 | 2005年1月22日(19歳) |
登録日 | 2007年 |
抹消日 | 2009年8月14日[1] |
父 | ウォーエンブレム |
母 | ヴァンドノワール |
母の父 | ヘクタープロテクター |
生国 | 日本(北海道安平町) |
生産者 | ノーザンファーム |
馬主 | 田原邦男 |
調教師 | 小島茂之(美浦北) |
競走成績 | |
生涯成績 |
10戦4勝 (うち海外1戦0勝) |
獲得賞金 | 1億6434万3000円 |
勝ち鞍 |
JpnI:秋華賞(2008年) JpnIII:フラワーカップ(2008年) |
ブラックエンブレム (Black Emblem) は日本の競走馬である。主な勝ち鞍は2008年の秋華賞、フラワーカップ。
馬名の由来
[編集]馬名は母馬・ヴァンドノワール(黒ワインの意)のノワール(黒)からのブラック+父の馬名の一部からとった「エンブレム」。また、2006年にレース中に死亡した半姉・ロイヤールハントの死を悼み「黒紋章」の意味である。
経歴
[編集]2歳(2007年)
[編集]2007年、札幌競馬場でデビュー戦を迎えることになり7月頃に札幌競馬場の厩舎に入厩した。そして札幌競馬開幕週の8月12日の新馬戦でデビューしたがレースはサブジェクトに敗れ、5番人気の8着だった。レース後は放牧に出され、10月頃に美浦トレーニングセンターへ入厩した。11月4日に放牧明け初戦の未勝利戦を迎え4番人気でレースを制し、デビュー2戦目で初勝利を挙げた。次走は阪神ジュベナイルフィリーズへの出走登録を行ったが当時1勝馬のため抽選対象となり、16頭中6頭が出走可能となる抽選に漏れ除外された。そのため同じ週に行われる自己条件の葉牡丹賞(500万下)へ出走することになり、6番人気で3着に入った。レース後は山元トレーニングセンターへ放牧に出された。
3歳(2008年)
[編集]2月14日に美浦トレーニングセンターに帰厩し、3月1日のきんせんか賞(500万下)で実戦復帰を果たした。レースでは1番人気の支持に応えて4馬身差で快勝し、オープン馬となった。続く重賞初挑戦となったフラワーカップでも1番人気に支持され好スタートを決めそのまま逃げ切り、重賞初勝利を挙げた。この勝利は厩舎及び馬主にとっても重賞初勝利となった。次走は桜花賞に出走登録を行いレースが行われる前週の4月4日に栗東トレーニングセンターへ入厩して調整され本番に向かったが、見せ場なく10着に敗れた。続く優駿牝馬では4着だった。
秋初戦のローズステークスでは道悪が響き15着と大敗し、つづく10月19日の第13回秋華賞では単勝11番人気にとどまったが、人気になったレジネッタ、トールポピー、エフティマイアが馬群に沈む中、最内からスルスルと抜け出し、大外後方から突っ込んできたムードインディゴを振り切りJpnI初制覇を飾った。なおこのレースは、2着のムードインディゴが単勝8番人気、3着が同16番人気のプロヴィナージュで3連単は1098万2020円というGI史上最高(当時)配当となっている[2]。
4歳(2009年)
[編集]4歳となった2009年はアラブ首長国連邦・ドバイへ遠征することとなった。1月21日に関西国際空港からドバイに向け出発、2月5日のケープヴェルディステークス(G3・ナドアルシバ競馬場)出走に向けて調整されていたが、1月28日に鼻出血を発症したことが分かった。このため、初戦に予定していたケープヴェルディステークス出走を断念することになった[3]。微量の鼻出血が見られたことで、規定により20日間、レースに出走できなくなった。その後、2月20日のバランシーンステークス (G3) に目標を切り替えたが、本番のレース中に鼻出血を発症し大差の最下位に終わった[3]。帰国後は慢性化した鼻出血を投薬で抑制しながらクイーンステークスでの復帰を目標に調整を進めていたが、8月12日のダートコースでの追い切り後に鼻出血を再発[3]。これにより、現役続行を断念し8月14日付で競走馬登録が抹消され[3][4]、生まれ故郷のノーザンファームにて繁殖牝馬となる[3][4]。
競走成績
[編集]年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ | (人気) | 着順 | 騎手 | 斤量 [kg] |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | ||
2007. | 8. | 12 | 札幌 | 2歳新馬 | 12 | 7 | 10 | 8.9 | (5人) | 8着 | 藤岡佑介 | 54 | 芝1800m(良) | 1:51.7 (35.5) | 1.2 | サブジェクト | |
11. | 4 | 東京 | 2歳未勝利 | 15 | 3 | 5 | 7.9 | (4人) | 1着 | 佐藤哲三 | 54 | 芝1600m(良) | 1:36.5 (34.5) | 0.0 | (エールドクラージュ) | ||
12. | 1 | 中山 | 葉牡丹賞 | 500万下 | 10 | 4 | 4 | 17.2 | (6人) | 3着 | 柴山雄一 | 54 | 芝2000m(良) | 2:03.5 (34.6) | 0.3 | ミステリアスライト | |
2008. | 3. | 1 | 中山 | きんせんか賞 | 500万下 | 16 | 1 | 1 | 2.2 | (1人) | 1着 | 松岡正海 | 54 | 芝1600m(良) | 1:35.1 (36.5) | -0.7 | (ミサトバレー) |
3. | 22 | 中山 | フラワーC | JpnIII | 16 | 1 | 1 | 2.0 | (1人) | 1着 | 松岡正海 | 54 | 芝1800m(良) | 1:49.5 (36.1) | 0.0 | (レッドアゲート) | |
4. | 13 | 阪神 | 桜花賞 | JpnI | 18 | 8 | 16 | 10.8 | (4人) | 10着 | 松岡正海 | 55 | 芝1600m(良) | 1:35.1 (35.0) | 0.7 | レジネッタ | |
5. | 25 | 東京 | 優駿牝馬 | JpnI | 18 | 4 | 7 | 12.9 | (6人) | 4着 | 松岡正海 | 55 | 芝2400m(稍) | 2:29.1 (35.8) | 0.3 | トールポピー | |
9. | 21 | 阪神 | ローズS | JpnII | 18 | 4 | 7 | 7.2 | (4人) | 15着 | 岩田康誠 | 54 | 芝1800m(重) | 1:49.4 (37.9) | 2.1 | マイネレーツェル | |
10. | 19 | 京都 | 秋華賞 | JpnI | 18 | 2 | 4 | 29.9 | (11人) | 1着 | 岩田康誠 | 55 | 芝2000m(良) | 1:58.4 (34.6) | -0.1 | (ムードインディゴ) | |
2009. | 2. | 20 | ナドアルシバ | バランシーンS | G3 | 9 | 3 | 3 | 発売なし | 9着 | M.キネーン | 57 | 芝1777m(良) | 2:32.09 | 41.0 | My Central |
繁殖成績
[編集]2番仔のブライトエンブレムが2014年の札幌2歳ステークスで優勝し、産駒の重賞初制覇[5]。6番仔のウィクトーリアが2019年のフローラステークスを優勝している。
馬名 | 生年 | 毛色 | 性 | 父 | 馬主 | 厩舎 | 戦績 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初仔 | テスタメント | 2011年 | 鹿毛 | 牡 | ディープインパクト | 田原邦男 | 美浦・小島茂之 | 26戦3勝(引退) |
2番仔 | ブライトエンブレム | 2012年 | 鹿毛 | 牡 | ネオユニヴァース | (有)シルクレーシング | 14戦2勝(引退) | |
3番仔 | アストラエンブレム | 2013年 | 鹿毛 | 騸 | ダイワメジャー | 44戦8勝(引退) | ||
4番仔 | オーロラエンブレム | 2014年 | 鹿毛 | 牝 | ディープインパクト | 8戦0勝(引退・繁殖) | ||
5番仔 | マルーンエンブレム | 2015年 | 栗毛 | 牝 | オルフェーヴル | 15戦2勝(引退・繁殖) | ||
6番仔 | ウィクトーリア | 2016年 | 鹿毛 | 牝 | ヴィクトワールピサ | 7戦3勝(引退・繁殖) | ||
7番仔 | アトリビュート | 2017年 | 鹿毛 | 牝 | ディープインパクト | 栗東・高野友和 | 21戦2勝(引退・繁殖) | |
(流産) | 2018年 | ブラックタイド | ||||||
8番仔 | ブラックノワール | 2019年 | 鹿毛 | 牡 | キタサンブラック | (有)シルクレーシング | 栗東・藤原英昭 | 10戦1勝(引退) |
(不受胎) | 2020年 | リアルスティール | ||||||
9番仔 | クイーンズクラウン | 2021年 | 鹿毛 | 牝 | キズナ | (有)シルクレーシング | 栗東・宮田敬介 | 3戦0勝(引退) |
10番仔 | ダブルイーグル | 2022年 | 黒鹿毛 | 牡 | ロードカナロア | 美浦・国枝栄 | デビュー前 | |
11番仔 | ブラックエンブレムの2023 | 2023年 | 栗毛 | 牡 | ドレフォン | デビュー前 |
- 2024年10月5日現在
血統表
[編集]ブラックエンブレムの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父 *ウォーエンブレム War Emblem 1999 青鹿毛 |
父の父 Our Emblem1991 黒鹿毛 |
Mr.Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
Personal Ensign | Private Account | |||
Grecian Banner | ||||
父の母 Sweetest Lady1990 鹿毛 |
Lord at War | General | ||
Luna de Miel | ||||
Sweetest Roman | The Pruner | |||
I Also | ||||
母 ヴァンドノワール 1996 青毛 |
*ヘクタープロテクター Hector Protector 1988 栗毛 |
Woodman | Mr.Prospector | |
*プレイメイト | ||||
Korveya | Riverman | |||
Konafa | ||||
母の母 *プリンセスデリーデPrincesse d'Elide 1981 鹿毛 |
Vaguely Noble | *ヴィエナ | ||
Noble Lassie | ||||
Flashy | Sir Ivor | |||
Sovereign | ||||
母系(F-No.) | プリンセスデリーデ系(FN:3-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Mr. Prospector 3×4、Numbered Account=プレイメイト 5×4、Damascus 5×5 | [§ 4] | ||
出典 |
近親
[編集]祖母のプリンセスデリーデが牝系を広げており、いとこに京都大賞典・京都記念の勝ち馬ナリタセンチュリーやエンプレス杯勝ち馬のニシノナースコールらがいる。
脚注
[編集]- ^ “ブラックエンブレム、繁殖生活へ”. ラジオNIKKEI. 2022年5月22日閲覧。
- ^ 『優駿』2008年12月号、日本中央競馬会、92-93頁
- ^ a b c d e “また鼻出血…「万策尽きた」ブラックエンブレム引退”. スポニチ (2009年8月13日). 2019年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月20日閲覧。
- ^ a b “ブラックエンブレム号が競走馬登録抹消”. JRA (2009年8月20日). 2009年8月20日閲覧。
- ^ “ブライトエンブレムが大外から豪快に差し切り、デビュー2連勝で重賞V!/札幌2歳S”. netkeiba.com (2014年9月6日). 2014年9月8日閲覧。
- ^ a b c d “ブラックエンブレムの血統表”. netkeiba.com. 2017年3月25日閲覧。
- ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2017年3月25日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- ブラックエンブレム - 競走馬のふるさと案内所