コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブラックエンブレム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブラックエンブレム
2008年4月13日 阪神競馬場
欧字表記 Black Emblem
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 2005年1月22日(19歳)
登録日 2007年
抹消日 2009年8月14日[1]
ウォーエンブレム
ヴァンドノワール
母の父 ヘクタープロテクター
生国 日本の旗 日本北海道安平町
生産者 ノーザンファーム
馬主 田原邦男
調教師 小島茂之美浦北
競走成績
生涯成績 10戦4勝
(うち海外1戦0勝)
獲得賞金 1億6434万3000円
勝ち鞍 JpnI秋華賞(2008年)
JpnIIIフラワーカップ(2008年)
テンプレートを表示

ブラックエンブレム (Black Emblem) は日本競走馬である。主な勝ち鞍は2008年秋華賞フラワーカップ

馬名の由来

[編集]

馬名は母馬・ヴァンドノワール(黒ワインの意)のノワール(黒)からのブラック+父の馬名の一部からとった「エンブレム」。また、2006年にレース中に死亡した半姉・ロイヤールハントの死を悼み「黒紋章」の意味である。

経歴

[編集]

2歳(2007年)

[編集]

2007年札幌競馬場でデビュー戦を迎えることになり7月頃に札幌競馬場の厩舎に入厩した。そして札幌競馬開幕週の8月12日の新馬戦でデビューしたがレースはサブジェクトに敗れ、5番人気の8着だった。レース後は放牧に出され、10月頃に美浦トレーニングセンターへ入厩した。11月4日に放牧明け初戦の未勝利戦を迎え4番人気でレースを制し、デビュー2戦目で初勝利を挙げた。次走は阪神ジュベナイルフィリーズへの出走登録を行ったが当時1勝馬のため抽選対象となり、16頭中6頭が出走可能となる抽選に漏れ除外された。そのため同じ週に行われる自己条件の葉牡丹賞(500万下)へ出走することになり、6番人気で3着に入った。レース後は山元トレーニングセンターへ放牧に出された。

3歳(2008年)

[編集]
第13回秋華賞 (2008年10月19日)

2月14日に美浦トレーニングセンターに帰厩し、3月1日のきんせんか賞(500万下)で実戦復帰を果たした。レースでは1番人気の支持に応えて4馬身差で快勝し、オープン馬となった。続く重賞初挑戦となったフラワーカップでも1番人気に支持され好スタートを決めそのまま逃げ切り、重賞初勝利を挙げた。この勝利は厩舎及び馬主にとっても重賞初勝利となった。次走は桜花賞に出走登録を行いレースが行われる前週の4月4日に栗東トレーニングセンターへ入厩して調整され本番に向かったが、見せ場なく10着に敗れた。続く優駿牝馬では4着だった。

秋初戦のローズステークスでは道悪が響き15着と大敗し、つづく10月19日の第13回秋華賞では単勝11番人気にとどまったが、人気になったレジネッタトールポピーエフティマイアが馬群に沈む中、最内からスルスルと抜け出し、大外後方から突っ込んできたムードインディゴを振り切りJpnI初制覇を飾った。なおこのレースは、2着のムードインディゴが単勝8番人気、3着が同16番人気のプロヴィナージュで3連単は1098万2020円というGI史上最高(当時)配当となっている[2]

4歳(2009年)

[編集]

4歳となった2009年アラブ首長国連邦ドバイへ遠征することとなった。1月21日関西国際空港からドバイに向け出発、2月5日ケープヴェルディステークス(G3・ナドアルシバ競馬場)出走に向けて調整されていたが、1月28日に鼻出血を発症したことが分かった。このため、初戦に予定していたケープヴェルディステークス出走を断念することになった[3]。微量の鼻出血が見られたことで、規定により20日間、レースに出走できなくなった。その後、2月20日バランシーンステークス (G3) に目標を切り替えたが、本番のレース中に鼻出血を発症し大差の最下位に終わった[3]。帰国後は慢性化した鼻出血を投薬で抑制しながらクイーンステークスでの復帰を目標に調整を進めていたが、8月12日のダートコースでの追い切り後に鼻出血を再発[3]。これにより、現役続行を断念し8月14日付で競走馬登録が抹消され[3][4]、生まれ故郷のノーザンファームにて繁殖牝馬となる[3][4]

競走成績

[編集]
年月日 競馬場 競走名


オッズ (人気) 着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2007. 8. 12 札幌 2歳新馬 12 7 10 08.9 0(5人) 08着 藤岡佑介 54 芝1800m(良) 1:51.7 (35.5) -1.2 サブジェクト
11. 4 東京 2歳未勝利 15 3 5 07.9 0(4人) 01着 佐藤哲三 54 芝1600m(良) 1:36.5 (34.5) -0.0 (エールドクラージュ)
12. 1 中山 葉牡丹賞 500万下 10 4 4 17.2 0(6人) 03着 柴山雄一 54 芝2000m(良) 2:03.5 (34.6) -0.3 ミステリアスライト
2008. 3. 1 中山 きんせんか賞 500万下 16 1 1 02.2 0(1人) 01着 松岡正海 54 芝1600m(良) 1:35.1 (36.5) -0.7 (ミサトバレー)
3. 22 中山 フラワーC JpnIII 16 1 1 02.0 0(1人) 01着 松岡正海 54 芝1800m(良) 1:49.5 (36.1) -0.0 レッドアゲート
4. 13 阪神 桜花賞 JpnI 18 8 16 10.8 0(4人) 10着 松岡正海 55 芝1600m(良) 1:35.1 (35.0) -0.7 レジネッタ
5. 25 東京 優駿牝馬 JpnI 18 4 7 12.9 0(6人) 04着 松岡正海 55 芝2400m(稍) 2:29.1 (35.8) -0.3 トールポピー
9. 21 阪神 ローズS JpnII 18 4 7 07.2 0(4人) 15着 岩田康誠 54 芝1800m(重) 1:49.4 (37.9) -2.1 マイネレーツェル
10. 19 京都 秋華賞 JpnI 18 2 4 29.9 (11人) 01着 岩田康誠 55 芝2000m(良) 1:58.4 (34.6) -0.1 ムードインディゴ
2009. 2. 20 ナドアルシバ バランシーンS G3 9 3 3 発売なし 09着 M.キネーン 57 芝1777m(良) 2:32.09 41.0 My Central

繁殖成績

[編集]

2番仔のブライトエンブレムが2014年の札幌2歳ステークスで優勝し、産駒の重賞初制覇[5]。6番仔のウィクトーリアが2019年のフローラステークスを優勝している。

馬名 生年 毛色 馬主 厩舎 戦績
初仔 テスタメント 2011年 鹿毛 ディープインパクト 田原邦男 美浦・小島茂之 26戦3勝(引退)
2番仔 ブライトエンブレム 2012年 鹿毛 ネオユニヴァース (有)シルクレーシング 14戦2勝(引退)
3番仔 アストラエンブレム 2013年 鹿毛 ダイワメジャー 44戦8勝(引退)
4番仔 オーロラエンブレム 2014年 鹿毛 ディープインパクト 8戦0勝(引退・繁殖)
5番仔 マルーンエンブレム 2015年 栗毛 オルフェーヴル 15戦2勝(引退・繁殖)
6番仔 ウィクトーリア 2016年 鹿毛 ヴィクトワールピサ 7戦3勝(引退・繁殖)
7番仔 アトリビュート 2017年 鹿毛 ディープインパクト 栗東高野友和 21戦2勝(引退・繁殖)
(流産) 2018年 ブラックタイド
8番仔 ブラックノワール 2019年 鹿毛 キタサンブラック (有)シルクレーシング 栗東・藤原英昭 10戦1勝(引退)
(不受胎) 2020年 リアルスティール
9番仔 クイーンズクラウン 2021年 鹿毛 キズナ (有)シルクレーシング 栗東・宮田敬介 3戦0勝(引退)
10番仔 ダブルイーグル 2022年 黒鹿毛 ロードカナロア 美浦・国枝栄 デビュー前
11番仔 ブラックエンブレムの2023 2023年 栗毛 ドレフォン デビュー前
  • 2024年10月5日現在

血統表

[編集]
ブラックエンブレム血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

*ウォーエンブレム
War Emblem
1999 青鹿毛
父の父
Our Emblem
1991 黒鹿毛
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Personal Ensign Private Account
Grecian Banner
父の母
Sweetest Lady
1990 鹿毛
Lord at War General
Luna de Miel
Sweetest Roman The Pruner
I Also

ヴァンドノワール
1996
青毛
*ヘクタープロテクター
Hector Protector
1988 栗毛
Woodman Mr.Prospector
*プレイメイト
Korveya Riverman
Konafa
母の母
*プリンセスデリーデ
Princesse d'Elide
1981 鹿毛
Vaguely Noble *ヴィエナ
Noble Lassie
Flashy Sir Ivor
Sovereign
母系(F-No.) プリンセスデリーデ系(FN:3-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Mr. Prospector 3×4、Numbered Account=プレイメイト 5×4、Damascus 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [6]
  2. ^ [6]
  3. ^ [7][6]
  4. ^ [6]

近親

[編集]

祖母のプリンセスデリーデが牝系を広げており、いとこに京都大賞典京都記念の勝ち馬ナリタセンチュリーエンプレス杯勝ち馬のニシノナースコールらがいる。

脚注

[編集]
  1. ^ ブラックエンブレム、繁殖生活へ”. ラジオNIKKEI. 2022年5月22日閲覧。
  2. ^ 『優駿』2008年12月号、日本中央競馬会、92-93頁
  3. ^ a b c d e また鼻出血…「万策尽きた」ブラックエンブレム引退”. スポニチ (2009年8月13日). 2019年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月20日閲覧。
  4. ^ a b ブラックエンブレム号が競走馬登録抹消”. JRA (2009年8月20日). 2009年8月20日閲覧。
  5. ^ ブライトエンブレムが大外から豪快に差し切り、デビュー2連勝で重賞V!/札幌2歳S”. netkeiba.com (2014年9月6日). 2014年9月8日閲覧。
  6. ^ a b c d ブラックエンブレムの血統表”. netkeiba.com. 2017年3月25日閲覧。
  7. ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2017年3月25日閲覧。

外部リンク

[編集]