バランシーンステークス
バランシーンステークス(Balanchine Stakes)は、1994年のカルティエ賞最優秀3歳牝馬を受賞したバランシーンを記念して行なわれている競馬の競走である。
バランシーンの馬主であったドバイ王族によって創設されたドバイの競走と、バランシーンが勝ったアイルランドダービーを開催するアイルランドのカラ競馬場で行われる競走がある。
本項ではその両方を概説する。
ドバイ・バランシーンステークス
[編集]バランシーンステークス Balanchine Stakes | |
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主催者 | ドバイレーシングクラブ |
競馬場 | メイダン競馬場 |
距離 | 芝1800m |
格付け | G2 |
賞金 |
1着賞金12万ドル 賞金総額20万ドル |
出走条件 | サラブレッド北半球産4歳以上牝馬、南半球産3歳以上牝馬 |
負担重量 | ハンデキャップ |
バランシーンステークス (Balanchine Stakes)[1] はドバイレーシングクラブがメイダン競馬場の芝1800メートルで施行する競馬の国際競走である[2]。
2004年に創設され、2009年にG3に格付けされた。2013年現在の格付けはG2。
ドバイレーシングカーニバルに指定されている。
歴史
[編集]- 2004年 - 準重賞競走として創設。
- 2005年 - ムーンダズルが優勝し、UAE調教馬以外の外国馬が初勝利。
- 2009年 - G3に昇格。
- 2011年 - G2に昇格。
歴代優勝馬
[編集]※馬齢は北半球の基準で表記。
回 | 施行日 | 調教国・優勝馬 | 日本語読み | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 |
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第1回 | 2004年3月11日 | Gonfilia | ゴンフィリア | 牝4 | 1:48.70 | L.デットーリ | S.ビン・スルール |
第2回 | 2005年2月25日 | Moon Dazzle | ムーンダズル | 牝4 | 1:49.80 | J.ジェローディス | M.デ・コック |
第3回 | 2006年2月24日 | Irridescence | イリデセンス | 牝5 | 1:52.17 | W.マーウィング | M.デ・コック |
第4回 | 2007年2月23日 | Royal Alchemist | ロイヤルアルケミスト | 牝5 | 1:49.13 | K.マカヴォイ | I.モハメド |
第5回 | 2008年2月23日 | Sun Classique | サンクラシーク | 牝5 | 1:52.23 | K.シーア | M.デ・コック |
第6回 | 2009年2月20日 | My Central | マイセントラル | 牝5 | 1:51.09 | J.ムルタ | H.ブラウン |
第7回 | 2010年2月25日 | Deem | ディーム | 牝5 | 1:53.93 | O.ペリエ | J.バートン |
第8回 | 2011年2月18日 | River Jetez | リヴァーイェツェツ | 牝8 | 1:48.79 | C.スミヨン | M.デ・コック |
第9回 | 2012年2月17日 | Mahbooba | マーブーバ | 牝5 | 1:50.27 | C.スミヨン | M.デ・コック |
第10回 | 2013年2月21日 | Sajjhaa | サッジャー | 牝6 | 1:48:58 | S.デ・ソウザ | S.ビン・スルール |
第11回 | 2014年2月20日 | L'Amour De Ma Vie | ラムードゥマヴィ | 牝5 | 1:50.55 | M.ギュイヨン | M.P.ブロント |
第12回[3] | 2015年2月19日 | Cladocera | クラドセラ | 牝4 | 1:50.74 | C.スミヨン | A.ドゥ・ロワイエ=デュプレ |
第13回[4] | 2016年3月3日 | Very Special | ベリースペシャル | 牝4 | 1:48.85 | J.ドイル | S.ビン・スルール |
第14回[5] | 2017年2月16日 | Opal Tiara | オパールティアラ | 牝4 | 1:49.72 | O.マーフィー | M.シャノン |
第15回[6] | 2018年2月17日 | Promising Run | プロミッシングラン | 牝5 | 1:49.79 | P.コスグレイヴ | S.ビン・スルール |
第16回[7] | 2019年2月14日 | Poetic Charm | ポエティックチャーム | 牝4 | 1:49.60 | W.ビュイック | C.アップルビー |
第17回[8] | 2020年2月13日 | Magic Lily | マジックリリー | 牝5 | 1:47.65 | W.ビュイック | C.アップルビー |
第18回[9] | 2021年2月18日 | Summer Romance | サマーロマンス | 牝4 | 1:48.47 | J.ドイル | C.アップルビー |
第19回 | 2022年2月4日 | Creative flair | クリエイティブフレア | 牝4 | 1:47.99 | W.ビュイック | C.アップルビー |
第20回[10] | 2023年2月24日 | With The Moonlight | ウィズザムーンライト | 牝4 | 1:49.47 | W.ビュイック | C.アップルビー |
第21回[11] | 2024年2月23日 | English Rose | イングリッシュローズ | 牝4 | 1:47.64 | M.バルザローナ | C.アップルビー |
日本調教馬の成績
[編集]関連項目
[編集]- ケープヴェルディステークス
- アルファヒディフォート
- ジェベルハッタ - 本競走と同じ距離で施行される競走。
- ドバイターフ - 本競走と同じ距離で施行される競走。
アイルランド・バランシーンステークス
[編集]バランシーンステークス Balanchine Stakes | |
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競馬場 | アイルランド・カラ競馬場 |
距離 | 芝6ハロン(約1207メートル) |
格付け | G2 |
賞金 |
1着賞金34125ユーロ(2011年現在) 賞金総額52500ユーロ |
出走条件 | 2歳牝馬 |
負担重量 |
9ストーン0ポンド(約57.2キロ) グループレース優勝馬は3ポンド(約1.4キロ)加増。 |
概要
[編集]2005年に、バランシーンの名を冠した2歳牝馬の準重賞「バランシーンステークス(Balanchine Stakes)」としてカラ競馬場で創設された。創設当初は7ハロンで行われた。
この後、何度か距離や競走名の変更があったが、2011年にG3格付けを得た。2019年よりG2に昇格する[12]。
2013年現在、カラ競馬場の「アイルランドダービー・フェスティバル開催」の最終日に行なわれている。
スポンサーの変遷にともなって、開催上は「バリオーガンスタッドステークス」や「グランジコンスタッドステークス」と表記されることもあるが、IFHA(国際競馬統括機関連盟)の取り決めでは、これらは全て「バランシーンステークス」と記録されることになっている。(スポンサーと競走名について節参照)
沿革
[編集]- 1994年 - バランシーンがアイルランドダービーに優勝。
- 2005年 - 準重賞(LR)バランシーンステークス(Balanchine Stakes)創設。カラ競馬場7ハロン[13]。
- 2007年 - 6ハロンに短縮。競走名をサオアールステークス(Saoire Stakes)に改称。サオアールは2005年のアイルランド1000ギニーの優勝馬。
- 2009年 - バランシーンステークスに改称。バリオーガンスタッド(Ballygallon Stud)がスポンサーとなり、バリオーガンスタッドステークスとも呼称される(スポンサーと競走名について節参照)。
- 2011年 - G3格付。グランジコンスタッド(Grangecon Stud)がスポンサーとなり、グランジコンスタッドステークスとも呼称される(スポンサーと競走名について節参照)。
- 2019年 - G2昇格。
スポンサーと競走名について
[編集]日本と違い、各地の競売場や競馬会が独自の財源で競馬を主催する国々では、競馬場、開催、競走ごとに賞金などを出資するスポンサーがつく。これにより競走の名称には、多くの場合スポンサー名が冠されたり、時にはスポンサー名自体が競走名となる。スポンサー契約は短い場合には1年(1回)限りであるので、同じ競走でも毎年スポンサーが変わり、毎年競走名が変わるということがある。
これは後年に記録を参照する場合に不便であるため、実際の開催時に公称される競走名と、血統書などに記録される競走名が使い分けられることがある。
本競走もその一例で、Blue Square社がスポンサー時期は「Blue Square Balanchine Stakes」というのが開催時の名称である。通常、血統書や成績書の記録には単に「Balanchine Stakes」と表記される。2009年にバリオーガンスタッドがスポンサーになった時には、開催上は「バリオーガンスタッドステークス(Ballygallon Stud Stakes)」として施行されるが、記録としては「バランシーンステークス(Balanchine Stakes)」となる。2013年現在はグランジコンスタッドがスポンサーで、グランジコンスタッドステークス(Grangecon Stud Stakes)として行われるが、記録は「バランシーンステークス(Balanchine Stakes)」となる[14]。JRAでは同競走を“グランジコンスタッドステークス (G2、通称バランシーンステークス)”と紹介している[15]。
歴代優勝馬
[編集]年 | 格付 | 距離 | メートル換算 | 優勝馬 | 備考 |
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2005 | LR | 7f | 1408 | Sahara Princess | |
2006 | LR | 7f | 1408 | Gaudeamus | |
2007 | LR | 6f | 1207 | Listen | |
2008 | LR | 6f | 1207 | Shimah | |
2009 | LR | 6f | 1207 | Long Lashes | 別名バリオーガンスタッドS(Ballygallon Stud S) |
2010 | LR | 6f | 1207 | Seeharn | |
2011 | G3 | 6f | 1207 | Experience | 別名グランジコンスタッドS(Grangecon Stud S) |
2012 | G3 | 6f | 1207 | Sendmylovetorose | |
2013 | G3 | 6f | 1207 | Bye Bye Birdie | |
2014[16] | G3 | 6f | 1207 | I Am Beautiful | |
2015[17] | G3 | 6f | 1207 | Most Beautiful | |
2016[18] | G3 | 6f | 1207 | Roly Poly | |
2017[19] | G3 | 6f | 1207 | Clemmie | |
2018[20] | G3 | 6f | 1207 | So Perfect | |
2019[21] | G2 | 6f | 1207 | Albigna | |
2020 | G2 | 6f | 1207 | Aloha Star | |
2021 | G2 | 6f | 1207 | Velocidad | |
2022[22] | G2 | 6f | 1207 | Statuette | |
2023[23] | G2 | 6f | 1207 | Matrika | |
2024[24] | G2 | 6f | 1207 | Truly Enchanting |
関連項目
[編集]- モイグレアスタッドステークス - アイルランドの2歳牝馬G1競走。
参考文献・出典
[編集]基本的な情報
[編集]- 各競走についての包括的な情報源は以下のとおりです。
- ドバイバランシーンS
出典・注釈
[編集]- ^ 正式な競走名は「ステークス」がつかない、単なる「バランシーン(Balanchine)」となっている。国際セリ名簿2013 アラブ首長国連邦の競走一覧参照。しかし単に「バランシーン」だけでは競走名とは判別し難いので、一般に“ステークス”を付してそれとわかるように表記するのが通例である。
- ^ ドバイレーシング公式サイト バランシーンステークス2013年11月7日閲覧。
- ^ 2015年レース結果 - レーシングポスト 2015年2月28日閲覧
- ^ 2016年レース結果 - racingpost 2016年3月11日閲覧
- ^ 2017年レース結果 - レーシングポスト 2017年2月17日閲覧
- ^ 2018年レース結果 - racingpost 2018年2月18日閲覧
- ^ “2019年バランシーンS”. racingpost.com (2019年2月14日). 2019年2月16日閲覧。
- ^ “2020年バランシーンS”. racingpost.com (2020年2月13日). 2020年2月15日閲覧。
- ^ “2021年バランシーンS”. racingpost.com (2021年2月18日). 2021年2月19日閲覧。
- ^ “2023年バランシーンS”. racingpost.com (2023年2月24日). 2023年2月25日閲覧。
- ^ “2024年バランシーンS”. racingpost.com (2024年2月23日). 2024年2月24日閲覧。
- ^ “イタリアの最後のG1競走が消滅(欧州)”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2019年2月7日). 2019年2月8日閲覧。
- ^ RTEスポーツ社ニュースサイト 2007年6月14日付“バランシンステークスの新スポンサーが決まる”2013年11月7日付
- ^ IFHA公式サイト バランシーンステークス2013年11月7日閲覧。
- ^ JRAジャパンカップ出走予定外国馬プロフィール サラリンクス“カラ競馬場では毎年6月、グランジコンスタッドステークス(G2、通称バランシーンステークス)が行われています。”
- ^ 2014年レース結果 - racingpost、2014年7月11日閲覧
- ^ 2015年レース結果 - レーシングポスト、2015年7月1日閲覧
- ^ 2016年レース結果 - レーシングポスト、2016年6月27日閲覧
- ^ 2017年レース結果 - レーシングポスト、2017年7月3日閲覧
- ^ 2018年レース結果 - レーシングポスト、2018年7月2日閲覧
- ^ “2019年レース結果”. racingpost (2019年6月28日). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “2022年バランシーンステークス”. racingpost (2022年6月26日). 2022年6月27日閲覧。
- ^ 2023年バランシーンステークスレーシングポスト、2023年7月2日閲覧
- ^ 2024年バランシーンステークスレーシングポスト、2024年6月29日配信・閲覧