コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

PFU

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パナファコムから転送)
株式会社PFU
PFU Limited
PFU本社
(写真は「PFU」のロゴの下に「a Fujitsu Company」が表記されているが、リコー子会社化以降は「a RICOH Company」に変更されている)
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
929-1192
石川県かほく市宇野気ヌ98-2
設立 1962年5月
(ウノケ電子工業株式会社)
業種 電気機器
法人番号 6220001017593 ウィキデータを編集
事業内容 システムインテグレーター
代表者 代表取締役社長 村上 清治
資本金 150億円
売上高 連結:1,336億3,400万円
(2022年3月期)
営業利益 連結:55億9,000万円
(2022年3月期)
純利益 連結:45億0,900万円
(2022年3月期)
従業員数 連結:4,383名
(2022年4月現在)
決算期 3月31日
主要株主

株式会社リコー80%

富士通株式会社 20%
主要子会社 #主要関係会社参照
関係する人物 細野昭雄
外部リンク https://www.pfu.ricoh.com/
特記事項:古河三水会の会員会社である。
テンプレートを表示

株式会社PFU(ピーエフユー、英文社名、PFU Limited)は、石川県かほく市に本社を置く、日本コンピュータ関連メーカー・システムインテグレーター。以前は、富士通の完全子会社であったが、2022年9月1日付でリコー傘下となった。

PFUは世界の業務用イメージスキャナのシェアで50%以上の高いシェアを誇る[1]。特にハードウェアに関しては、PFU以前から富士通のオフコンKシリーズ)・パソコンFACOM 9450シリーズ)・ミニコン(A-30など)開発に大きく関与しており、PFUとなってからは富士通のオープン系サーバDS/90、Sファミリ、PRIMEPOWER)の共同開発などを手掛け、富士通とのオープンサーバビジネス分野において協力関係にあった。

社名の由来

[編集]

「PFU」は、松下電器産業(現: パナソニック・2005年3月迄大株主)のブランド「パナソニック」のP、富士通ないしFACOM(富士通のかつてのコンピュータブランド)のF、ウノケ電子工業・ユーザック電子工業・USAC(内田洋行の情報システムブランド Unoke Standard Automatic Computerの略)のU、を並べたものである(P.F.U.=Pana-Facom-Usac)[2]

沿革

[編集]

旧ウノケ電子工業→ユーザック電子工業

[編集]
  • 1960年11月 - 深江溢郎が出資し、当時の石川県河北郡宇ノ気町ウノケ電子工業設立[2]
  • 1961年11月 - 初の自社開発コンピュータ「USAC5010」が完成[3]
  • 1962年5月 - 株式会社に移行し、内田洋行と販売提携。
  • 1969年 - ユーザック電子工業に社名変更[2]
  • 1972年 - 富士通とユーザック電子工業が技術提携。当初は日本電気(NEC)との提携を考えていたが、NECに断られたため、富士通との提携に舵を切った経緯がある[4]
  • 1982年 - ユーザック電子工業、ビジネスパソコンとして「USACカマラード」を発売[5]。富士通にも「FACOM K-10」シリーズとしてOEM供給された。

旧パナファコム

[編集]
パナファコム時代のトレードマーク

PFU

[編集]
  • 1987年 - ユーザック電子工業とパナファコムが合併し、PFU設立[2]
  • 2010年
    • 1月29日 - 富士通が株式交換による完全子会社化を公表。
    • 4月1日 - 富士通の完全子会社化。
  • 2014年10月 - 東京地区事業所を横浜本社へ集約。
  • 2022年9月1日 - 富士通が保有していた全株式の80%をリコーへ譲渡されたことに伴い、リコーの子会社となる[6]
  • 2023年
    • 4月6日 - イメージスキャナーの現行全製品を「FUJITSU」ブランドから「RICOH」ブランドへ変更[7]
    • 5月25日 - 「RICOH」ブランドの15.6インチ有機ELポータブルタッチディスプレイ「RICOH Light Monitor」を「PFUダイレクト」にて発売[8]

主力製品・事業

[編集]
ScanSnap S1300で書籍(プリウスPHV(ZVW35) 2011年11月版カタログ)を破壊的スキャンによりデジタルデータ化している様子。
  • ハードウェア
    • イメージスキャナ - 業務向けのfi/SPシリーズや、一般消費者/SOHO向けのScanSnapシリーズ。1982年に開発を開始、2001年に富士通のスキャナ事業が移管され現在の形になった。また、2020年には創業60周年を記念して、ScanSnap(iX1500)がかほく市のふるさと納税の返礼品として選ばれている[9]
        詳細は「富士通のイメージスキャナ一覧」を参照
    • 情報KIOSK端末
    • エンベデッド製品 - COM Express準拠のSOMや組込向けなど産業機器向けコンピュータ
    • Happy Hacking Keyboard - 省スペースかつ多彩なカスタマイズ設定が可能なPC用キーボードで、1996年に発売されたPFUの主力商品のひとつ[10]。UNIXユーザ向けに最適化したキーレイアウトをコンセプトとしている。2019年には、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞している[11]
    • サーバ、ストレージ、スキャナ - 過去に笠島工場でFMVのタワー型モデルの最終組み立てを行っていたが、現在富士通との合弁会社である富士通ITプロダクツへ移管された。
    • 1980年代に16ビットMPU MN-1610を搭載したパーソナルコンピュータ PANAFACOM C-180 を発売[12]。標準モデル C-180A、日本語モデル C-180K、グラフィックモデル C-180G、それぞれに容量5MBのハードディスクを内蔵した C-180DA、C-180DK、C-180DG があり[13]、日本語モデルでは16ドットビットマップ漢字フォント、グラフィックモデルではストロークフォント漢字により表示された[14]。提供されるBASICでは並列処理がサポートされ、また実行形式を生成してから実行する方式となっている[15]
  • ソフトウェア
    • XML関連プロダクト
    • XMLによるソリューション
    • Linuxサポートサービス - 富士通とは独立した活動も行っている。Linuxビジネスは、オープン系サーバでのUnixベースプラットフォームの基盤研究・開発で得たノウハウを強みとしている。
  • アウトソーシング

主要事業所

[編集]

主要関係会社

[編集]

国内グループ企業(完全子会社)

[編集]
  • PFU ITサービス株式会社
  • PFUテクノワイズ株式会社
  • PFUライフエージェンシー株式会社
  • PFUクオリティサービス株式会社

国内グループ企業(関連会社)

[編集]
  • 株式会社コスモサミット

国外グループ企業(子会社)

[編集]
  • PFU上海計算機有限公司(100%出資)
  • 上海必優信息系統有限公司(PFU上海100%出資)
  • 江蘇南通必優信息系統有限公司(PFU上海100%出資)
  • PFU America, Inc.(100%出資)
  • Fujitsu Computer Products of America, Inc.(100%出資)
  • PFU Canada Inc.
  • PFU(EMEA) Limited(100%出資)
  • PFU Hong Kong Limited
  • PFU Asia Pacific Pte. Ltd.(90%出資)

脚注

[編集]
  1. ^ No. 1 Market share in the world in document scanner for professional use” (English). Fujitsu. 2021年3月2日閲覧。 “The data is based on the market share of document scanners.The market share data for Japan and North America is based on the records of 2016 collected by KEYPOINT INTELLIGENCE (Info Trends)for 6 segments of document scanners excluding Mobile/Micro scanners. Collected records are mainly about document scanners with a speed of more than 8ppm.The market share data for Europe is based on the records of 2016 collected by InfoSource in Western Europe (including Turkey and Greece). Collected records are about the document scanners with a speed of more than 15ppm and a price of higher than $500.”
  2. ^ a b c d e “【特集】PFU「ProDeSセンター」見学記~年間9万台のスキャナや、KIOSK端末などを開発製造”. PC Watch. (2014年2月1日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/633377.html 2020年10月18日閲覧。 
  3. ^ ここに誕生! USAC3010 - 内田洋行
  4. ^ 「オフコンの決定版」の地位を確立 USAC720、USAC820 - 内田洋行
  5. ^ ユーザーに可愛がられたオフコン USACカマラード - 内田洋行
  6. ^ 株式会社PFUの株主構成の変更について”. 株式会社PFU (2022年4月28日). 2023年11月26日閲覧。
  7. ^ PFUのスキャナー全商品をリコーブランドで販売開始』(プレスリリース)株式会社PFU、2023年4月6日https://www.pfu.ricoh.com/news/2023/news230406-2.html2023年11月26日閲覧 
  8. ^ 世界最軽量の15.6inch 有機ELポータブルタッチディスプレイ「RICOH Light Monitor」、PFUから新発売』(プレスリリース)株式会社PFU、2023年5月25日https://www.pfu.ricoh.com/news/2023/news230525.html2023年11月26日閲覧 
  9. ^ “PFU製スキャナ「ScanSnap iX1500」が石川県かほく市のふるさと納税返礼品に”. PC Watch. (2020年10月2日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/1280400.html 2020年10月18日閲覧。 
  10. ^ “着実に進化した新型HHKB「HYBRID」 オタク視点でねっとりとレビュー”. ITmedia. (2020年2月14日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/14/news037.html 2020年10月18日閲覧。 
  11. ^ キーボード(ハッピーハッキングキーボード) - グッドデザイン賞公式サイト
  12. ^ ASCII 1983年6月号, p. 153-168.
  13. ^ ASCII 1983年6月号, p. 156.
  14. ^ ASCII 1983年6月号, p. 159.
  15. ^ ASCII 1983年6月号, p. 163.

参考文献

[編集]
  • 「ASCII 1983年6月号」第7巻第6号、株式会社アスキー出版、1983年6月1日。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]