ザウバー・C31
カテゴリー | F1 | ||||||||||
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コンストラクター | ザウバー | ||||||||||
デザイナー | ジェームス・キー | ||||||||||
先代 | ザウバー・C30 | ||||||||||
後継 | ザウバー・C32 | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
エンジン | フェラーリTipo056 | ||||||||||
タイヤ | ピレリ | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム | ザウバーF1チーム | ||||||||||
ドライバー |
小林可夢偉 セルジオ・ペレス | ||||||||||
出走時期 | 2012年 | ||||||||||
コンストラクターズタイトル | 0 | ||||||||||
ドライバーズタイトル | 0 | ||||||||||
通算獲得ポイント | 126 | ||||||||||
初戦 | 2012年オーストラリアGP | ||||||||||
最終戦 | 2012年ブラジルGP | ||||||||||
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ザウバー・C31 (Sauber C31) は、ザウバーが2012年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。
概要
[編集]C31のノーズは段差部分が目立つ無骨なデザインであるが、段差の後ろ(ノーズコーンとモノコックの境目)に細いスリットがある。2008年のフェラーリ・F2008の様な、ノーズ下面から空気を引き抜くベント(排気口)という見方もある[1]。
エンジン・KERS・ギアボックスなどのリアエンドの構成は、引き続きフェラーリから供給を受ける。リアサスペンションもフェラーリに合わせてプルロッド式に変更された。
サイドポッドの排気管の後ろには溝があり、排気はスロープに沿ってディフューザー方向に流れる。開幕前にはレッドブルも似たようなコンセプトに変更した[2]。コアンダ効果を応用したこのエキゾーストシステムは、この年のトレンドとなり、最終的には大半のチームが採用している。
リアウィングの支持部分は、下段プレートをスワンネック式ステーで吊り下げる方式に変更した。この太いステーはダウンフォースの荷重を支えると同時に、サスペンションアームのマウントも兼ねている。
前年のC30はタイヤマネージメントに優れる長所を持つ反面、タイヤを素早くウォームアップできず予選で苦戦した。C31ではこれらの両立が開発課題となっている[3][4]。
2012年シーズン
[編集]C31は2012年2月のヘレステストで初公開されたが、その場でテクニカルディレクターのジェームス・キーの離脱が発表された[5](のちにトロ・ロッソへ移籍)。チームのコメントでは、今後は各部門の責任者が開発を行うとしている[5]。プレシーズンテストでは他チームに警戒を抱かせる、印象的なペースを披露した[6]。
(※以下の成績表記についてはBMWザウバー時代 (2006-2009) を除く)
開幕戦オーストラリアGPをダブル入賞でスタートすると、第2戦マレーシアGPではセルジオ・ペレスが過去最高順位となる2位を獲得(ペレス自身も初表彰台)。続く第3戦中国GPでは小林可夢偉 が初めてのファステストラップを記録した(小林自身も初ファステストラップ)。
その後も、ペレスは第6戦モナコGPでファステストラップを記録し、さらに第7戦カナダGPでは決勝3位、第13戦イタリアGPでは決勝2位を記録した。一方、小林も第12戦ベルギーGPで予選2位、第15戦日本GPでは予選3位・決勝3位を記録した。
チームとしては初めてシーズン複数回の表彰台を記録し、コンストラクターズ部門では2001年の4位に次ぐ6位という成績を収めた。
C31に対する評価は高く、「ザウバーだったらミハエルは今年3勝はできた[7]」(フェルナンド・アロンソ)、「もしザウバーかロータスに乗れば、アロンソは軽々と2012年タイトルを持っていくだろう[8]」(ネルソン・ピケJr.)といったコメントも聞かれた。C31は路面が滑らかで、高速コーナーをもつサーキットを得意としたが、路面がバンピーで滑りやすいコースは苦手とした。また、チームの戦略ミスやドライバーのミスでポイントを失うこともあった。メーカー系ワークスチームのメルセデスを抜いてコンストラクターズ5位になることを目指したが、日本GP以降は失速してチャンスを逃した。
スペック
[編集]シャシー
[編集]- シャシー カーボンファイバー製モノコック
- フロントサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプッシュロッド式(ザックス・レース・エンジニアリング)
- リアサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプルロッド式(ザックス・レース・エンジニアリング)
- ブレーキ ブレンボ 6ピストン・ブレーキキャリパー カーボンファイバー製ブレーキパッドおよびディスク
- トランスミッション フェラーリ 7速クイックシフト・カーボンギアボックス 縦置き カーボンファイバー製クラッチ
- シャシー電子機器 MES
- KERS フェラーリ
- ステアリングホイール ザウバーF1チーム
- タイヤ ピレリ P Zero
- ホイール O・Z
エンジン
[編集]- エンジン フェラーリ 056
- 排気量 2,398 cc
- 型式 自然吸気 V8エンジン
- バンク角 90°
- エンジンブロック 砂型鋳造アルミニウム製
- ボア径 98 mm
- バルブ数 32
- バルブ駆動 ニューマチック
- 噴射および点火 電子制御
- 重量 95 kg以上
サイズ
[編集]- 全長 5,195 mm
- 全幅 1,800 mm
- 全高 1,000 mm
- フロントトレッド 1,495 mm
- リアトレッド 1,410 mm
- 重量 640 kg(ドライバーを含む、空タンク時)
記録
[編集]年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ポイント | ランキング |
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AUS |
MAL |
CHN |
BHR |
ESP |
MON |
CAN |
EUR |
GBR |
GER |
HUN |
BEL |
ITA |
SIN |
JPN |
KOR |
IND |
ABU |
USA |
BRA | |||||
2012 | 14 | 小林 | 6 | Ret | 10 | 13 | 5 | Ret | 9 | Ret | 11 | 4 | 18 | 13 | 9 | 13 | 3 | Ret | 14 | 6 | 14 | 9 | 126 | 6位 |
15 | ペレス | 8 | 2 | 11 | 11 | Ret | 11 | 3 | 9 | Ret | 6 | 14 | Ret | 2 | 10 | Ret | 11 | Ret | 15 | 11 | Ret |
脚注
[編集]- ^ “Sauber C31 - vented chassis/nosecone”. Formula1.com. (2012年2月20日) 2012年3月10日閲覧。
- ^ “レッドブルに模倣されて光栄とザウバー”. ESPN F1. (2012年3月12日) 2012年3月13日閲覧。
- ^ “ザウバーC31はタイヤに優しく、暖まりやすい車に”. オートスポーツweb. (2012年2月7日) 2012年3月10日閲覧。
- ^ 米家峰起 (2012年3月6日). “【F1】大接戦の予感。小林可夢偉が語る新シーズン展望。”. web sportiva 2012年3月10日閲覧。
- ^ a b “ザウバー、ジェームス・キーの辞職を発表”. F1 Gate.com. (2012年2月4日) 2012年3月9日閲覧。
- ^ “バトン、ザウバーは"コンペティティブ"”. ESPN F1. (2012年3月5日) 2012年3月13日閲覧。
- ^ アロンソ「ザウバーだったらシューマッハは3勝できた」 - Topnews(2012年11月1日)2012年12月18日閲覧。
- ^ アロンソがザウバーに乗ったら王者だったとピケJr. - Topnews(2012年11月24日)2012年12月18日閲覧。