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アントロデムス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アントロデムス
生息年代: 150 Ma
ホロタイプ
地質時代
ジュラ紀後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
階級なし : カルノサウルス類 Carnosauria
階級なし : アロサウリア Allosauria
: アロサウルス科 Allosauridae
: アントロデムス Antrodemus
学名
Antrodemus
Leidy1873
シノニム

アントロデムスAntrodemus)はアメリカ、コロラド州ミドルパーク英語版にあるモリソン累層ジュラ系上部、キンメリッジ階-チトン階の地層から発見された疑わしい獣脚類の属の一つである。 1種Antrodemus valensのみがこの属に含まれるが、1870年にジョセフ・ライディが最初に記載、命名した際はポエキロプレウロンPoekilopleuron)属の種としていた。

最初に記載された化石は1869年にフェルディナンド・ヴァンデヴィア・ヘイデンが既に他の人の手にあったものを入手したもので、コロラド州、グランビー近郊のおそらくはモリソン層の堆積岩から発見されたものであろう。地元の人はこの化石を"石化したウマの蹄"だと思っていた。ヘイデンは化石をライディに送り、ライディはこれを半分に割れた尾椎であると認識し、ヨーロッパの恐竜の属ポエキロプレウロンの1種としてPoicilopleuron [sic] valensとした[1]。 ライディは後にこれを独自の属アントロデムスへと移した[2]

1920年、チャールズ・W・ギルモアはライディがアントロデムスと称した尾椎はアロサウルスのものであると認識され、優先権に基づいてアロサウルスはこの古い名前であるアントロデムスとされるべきであるとの結論に達した[3]。 アントロデムスはこうして50年に渡り聞きなれた名前として受け入れられることとなった。この状況はジェームズ・マドセンがクリーブランドロイド発掘地英語版英語: Cleveland Lloyd Dinosaur Quarry)で発掘されたアロサウルスの標本について発表し、アントロデムスの名は情報に乏しく種を識別する特徴も発掘地に関する情報も無い(例えばアントロデムスの骨にはどこの累層で発見されたか不明である)化石に基づいており、アロサウルスの名を使用すべきであると結論するまで続いた[4]。 後続の研究者にもこの考えは受け入れられ、アントロデムスは疑問名と考えられている[5][6]

脚注

[編集]
  1. ^ Leidy, Joseph (1870). “Remarks on Poicilopleuron valens, Clidastes intermedius, Leiodon proriger, Baptemys wyomingensis, and Emys stevensonianus”. Proceedings of the Academy of Natural Sciences, Philadelphia 22: 3–4. 
  2. ^ Leidy, Joseph (1873). “Contribution to the extinct vertebrate fauna of the western territories”. Report of the U.S. Geological Survey of the Territories I: 14–358. 
  3. ^ Gilmore, Charles W. (1920). “Osteology of the carnivorous dinosauria in the United States National Museum, with special reference to the genera Antrodemus (Allosaurus) and Ceratosaurus”. Bulletin of the United States National Museum 110: 1–159. 
  4. ^ Madsen, James H., Jr. (1993) [1976]. Allosaurus fragilis: A Revised Osteology. Utah Geological Survey Bulletin 109 (2nd ed.). Salt Lake City: Utah Geological Survey 
  5. ^ Paul, G.S. and Carpenter, K. (2010). "Case 3506: Allosaurus Marsh, 1877 (Dinosauria, Theropoda): proposed conservation of usage by designation of a neotype for its type species Allosaurus fragilis Marsh, 1877." Bulletin of Zoological Nomenclature, 67(1): 53-56. [1]
  6. ^ Rauhut, Oliver W. M. (2011). “Theropod dinosaurs from the Late Jurassic of Tendaguru (Tanzania)”. Special Papers in Palaeontology 86: 195–239. doi:10.1111/j.1475-4983.2011.01084.x.