コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マイク・トラウト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。緑同三 (会話 | 投稿記録) による 2016年10月7日 (金) 13:51個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (経歴)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

マイク・トラウト
Mike Trout
ロサンゼルス・エンゼルス #27
2011年
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州ヴァインランド
生年月日 (1991-08-07) 1991年8月7日(33歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2009年 ドラフト1巡目(全体25位)でロサンゼルス・エンゼルスから指名
初出場 2011年7月8日
年俸 $16,083,333(2016年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マイケル・ネルソン・トラウトMichael Nelson Trout, 1991年8月7日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州ヴァインランド出身のプロ野球選手外野手)。現在は、MLBロサンゼルス・エンゼルスに所属している。

経歴

2009年のMLBドラフトロサンゼルス・エンゼルスから1巡目(全体25位)に指名を受け入団[2]

2010年はAとA+級で合計131試合に出場し、打率.341・10本塁打・56盗塁を記録。フューチャーズ・ゲームのアメリカ代表に選出される。

2011年のシーズン開幕前、ESPN選定の有望株ランキングTOP100と、MLB公式サイト選定の有望株ランキングTOP50の両方で1位に選ばれた[3][4]。開幕時はAA級でプレーしていたが、7月8日シアトル・マリナーズ戦で19歳11カ月という若さでメジャーデビュー。10代でのデビューはアリゾナ・ダイヤモンドバックスジャスティン・アップトン以来となった[5]。AAでは91試合で打率.326・11本塁打だったが、メジャーでは40試合で打率.220・5本塁打と結果を残せなかった。オフにベースボール・アメリカが選定するマイナーリーグ年間最優秀選手賞を受賞[6]

2012年はAAAで開幕を迎えるが、ボビー・アブレイユの解雇に伴い、4月28日にメジャー昇格。最初の2試合はヒット無しに終わるが、5月に打率.324・5本塁打・16打点・8盗塁、6月に打率.372・3本塁打・16打点・14盗塁を記録し、2ヶ月連続で月間新人MVPを受賞。7月には打率.392・10本塁打・23打点・9盗塁とさらに上の成績を残し、リーグ史上初となる月間MVPと月間新人MVPの同時受賞。 7月10日オールスターゲームにはアメリカン・リーグ最年少で出場。初打席となる代打でヒットを放ち、この試合両チームで唯一となる盗塁も記録した。 8月にも月間新人MVPに選出されるが、月間打率は3割を下回った。

9月30日テキサス・レンジャーズ戦でダルビッシュ有から30号本塁打を放ち、史上最年少、史上初の新人での「30-30」(シーズン30本塁打&30盗塁)を達成。10月1日のマリナーズ戦で4得点を記録し、ブラディミール・ゲレーロが持っていたシーズン得点数の球団記録を更新。10月3日のシーズン最終戦で盗塁を試みるも失敗し、達成すればア・リーグ史上初となる「30-50」には僅かに1盗塁足りずに終わった。 終盤の失速で首位打者は逃したものの、49盗塁で盗塁王を獲得。打率.326・30本塁打・83打点・OPS.963と打撃でも大活躍した。さらに守備でも本塁打阻止4回・センター守備防御点23とトップクラスの数値を記録した[7]11月12日に満票でアメリカンリーグ新人王に選出された[8]。総合指標のWARでは1900年以降のア・リーグでは歴代13位、過去20年ではバリー・ボンズ2001年2002年に記録した11.6に次いで3番目に高い10.7を記録(Baseball-Reference調べ)。この数値は三冠王ミゲル・カブレラを大きく上回っており、トラウトをMVPに推す声も多かった(もしMVPを受賞していれば、フレッド・リンイチロー以来の史上3人目の新人王とMVPの同時受賞となった。)が、MVPの投票では1位票が6票、2位票が21票、3位票が1票に留まり、1位票を22票、2位票を6票獲得したカブレラに及ばず次点に終わった。セイバーメトリクスでの傑出度よりも三冠王のインパクトとプレーオフ進出の有無が影響したという見方が強い[9]

6月27日のボルチモア・オリオールズ戦の1回裏でホームランキャッチをするトラウト(2012年)


2013年、5月21日のマリナーズ戦で、サイクル安打を達成した。21歳9ヶ月16日での達成はリーグ史上最年少記録で、チームでは2006年のショーン・フィギンズ以来7度目(6人目)の快挙。最終打席に本塁打を放っての達成だった。また、試合後に一部メディアで「サイクルヒットは幻だったのでは?」との疑惑が上がっている。問題のシーンは、この日最初のヒットとなる内野安打を放った3回の打席。ファーストへ放ったゴロはベースカバーに入ったピッチャーのアーロン・ハラングとの競争で際どいタイミングとなったが、判定はセーフ。結果的にはこの内野安打が、サイクルヒットの皮切りとなった。この判定に疑問を呈したのは、米Yahoo!Sportsのデビッド・ブラウン記者。リプレイをスローモーションで見ると、ハラングの方が僅かに早く足がベースに着いていると指摘している。だが、2010年にアーマンド・ガララーガの完全試合を幻にしてしまったジム・ジョイス審判の誤審と違い、今回のケースのように、幸せになる人の方が多いのであれば、誤審もある程度は見て見ぬふりをされるといわれ、大きな問題になっていない[10]。 成績は、惜しくも2年連続「30-30」の達成は叶わなかったが、打率.323、27本塁打、97打点、OPS.988と昨年と同様の優れたパフォーマンスを見せ、盗塁に関してはやや数が減ったが33個で盗塁成功率82.5%と高い成功率を維持した。四球もリーグ1位の110四球を記録して、三振でも昨年に記録した139三振に対して136三振と、昨年よりも出場試合数が多い中で打席でのアプローチの改善がされた。オフに2年連続のシルバースラッガー賞を受賞した。


2014年2月26日にエンゼルスと100万ドルの1年契約に合意した[11]。3月28日にエンゼルスと総額1億4450万ドルの6年契約に合意した[12]。6月は打率.361、7本塁打、21打点、5盗塁(失敗なし)、OPS1.230などの活躍により、自身2回目の月間MVPを受賞した。7月15日のオールスターゲームでは3打数2安打(二塁打・三塁打各1本)、2打点の活躍でMVPを受賞した。8月27日のフロリダ・マーリンズ戦では、2年ぶり自身2度目となるシーズン30本塁打に到達。 最終的に本塁打は36本でリーグ3位タイ、打点は111で打点王となったが、打率は.287、三振も184(マーク・トランボと並んで球団タイ記録)と大きく悪化する結果となった。自身のキャリアで初めてのポストシーズンに臨んだが、ロイヤルズとのディビジョンシリーズで打率.083と大不振に陥り、エンゼルスが3連敗で敗退した一因となった。それでもチームを地区優勝に導く原動力としての活躍が認められ2012年から引き続いて3年連続のシルバースラッガー賞、そして自身初のア・リーグMVP、ハンク・アーロン賞を受賞した。MVP投票では全米野球記者協会会員30人の1位票を独占して選ばれたもので、また史上5番目の若さでの受賞となった[13]


2015年は、前半戦を打率.312、26本塁打、55打点、OPS1.019という好成績により7月14日に行われたオールスターゲームに4年連続の出場を果たす。そして同じくオールスターに出場しナ・リーグの先発投手として登板したザック・グレインキーから先頭打者本塁打を放ち、3打数1安打(本塁打1本)で2年連続のMVPを獲得し、史上初の二年連続のMVPを受賞した選手となった[14]。後半戦は、8月の月間成績が打率.218、1本塁打、7打点と絶不調の時期が影響して前半戦に比べやや打撃成績が落ちたが、9月17日の対ミネソタ・ツインズ戦にて3打数2安打2本塁打5打点の結果を残し、[15]この日の2本塁打でシーズン38号とし、前年の自己記録 (36本) を更新した恰好となった。そして同月9月22日の対ヒューストン・アストロズ戦で本塁打を記録した[16]が、これはトラウトにとって2015年シーズン40本目のアーチであり、自身初のシーズン40本塁打以上を記録したことになった。チームは最終戦のテキサス・レンジャーズ戦で敗戦し、自身二度目のポストシーズン進出は叶わなかった。シーズン成績は打率.299と惜しくも三割を超えることができなかったが、出塁率は.402とリーグ2位の高出塁率を記録して本塁打も41本と数を昨年よりも増やし、長打率.590・OPS.991のリーグ1位という高水準を誇った。打点に関しては敬遠数14というリーグ3位タイの数字の他、勝負されない場面が多かったために100打点の大台に乗せることはできずに90打点にとどまった。実際にトラウトがチャンスに弱かった為に打点が伸びなかったわけではないという事は、得点圏で.352・OPS1.201と非常によく打ち、30四球に対して26三振に留めている事からも裏付けられる[17]。得点はリーグ3位の104得点で2012年から4年連続100得点をマークし、守備でも昨年のマイナスのセンター守備防御点-9から+5へと改善がなされた。[18]

2016年も前半戦から安定した成績で、リーグ4位の打率.322、本塁打も18本記録し、ファン投票で5年連続のオールスターに選出された。最終的なシーズン成績は、29本塁打と惜しくも3年連続となる30本塁打を逃したが、4年ぶりとなる30盗塁を記録。その他にも得点、四球、出塁率の三部門でリーグ1位に輝き、例年に劣らぬ活躍を見せつけた。

選手としての特徴

バッターボックスで構えるトラウト(2011年)
打撃

アベレージ、パワー、選球眼のすべてにおいて際立った能力を持つ。

2012年がリーグ2位、2013年がリーグ3位。マイナーリーグでも2009年~2012年の4年間で、通算打率.342という成績を誇る。

高い長打力も持ち合わせ、デビュー当初からコンスタントに25~30本塁打を放っており、二塁打と三塁打の本数も常にリーグ10位以内に入っている。2014年では、36本塁打でリーグ3位タイ、2015年には41本塁打のリーグ3位タイの成績を残し、スラッガーとしての片鱗を見せている。

右打ちながら、2012年の対左投手の打率は.267だった。しかし、2013年に.309まで上昇させ、左投手を苦にすることもなくなった。また、チャンスにも強く、得点圏打率は2012年から2年連続で.324という数値だった。2013年の110四球はリーグ1位と、抜群の選球眼を誇る。打率の高さも相まって出塁率も非常に高い。一方、四球を選ぶためカウントが膨らむことも多く、三振はやや多い。1打席あたりの球数は、2011年以外は4.0を超えており、2014年は両リーグ1位の4.45であった。

走塁

2012年、レギュラー定着1年目のシーズンでいきなり盗塁王に輝くスピードの持ち主。二塁ベース、三塁ベースへの滑り込みは基本的にヘッドスライディング

ただ単に盗塁が多いだけでなく、8割以上の成功率で盗塁を決める技術を併せ持ち、その走塁技術の高さは、「ベースボール・アメリカ」誌実施の監督アンケートでは「もっとも足の速い選手」「もっともベースランニングのいい選手」の走塁に関する2部門でア・リーグ1位に輝いた(2014年夏実施分)引用エラー: <ref> タグ内の引数が無効です事からもうかがえる。

しかしながら2014年は16盗塁、2015年に至っては11盗塁で盗塁成功率が61.1%と年々数が減少して盗塁技術にも不安が見られており、相手バッテリーから警戒されている面やトラウト自身の怪我のリスクを考えての盗塁試行数の減少が影響している。

守備

レギュラー1年目の2012年には、ホームランキャッチを4度もするといった守備範囲の広さを見せて守備防御点+23を記録するなどの高い守備能力を誇っていた。

しかし、続く2013年と2014年にセンター守備防御点は二年連続で-9を記録し、2012年のような突出したパフォーマンスはできていない。それでも2015年は+5と改善の兆しを見せている。

一方で、アームレーティングに関して当初からマイナスを記録し、スカウトから「肩はfringe-average(やや平均未満)」と評されるなど肩があまり強くない[19]

詳細情報

年度別打撃成績 (MLB)

















































O
P
S
2011 LAA 40 135 123 20 27 6 0 5 48 16 4 0 0 1 9 0 2 30 2 .220 .281 .390 .672
2012 139 639 559 129 182 27 8 30 315 83 49 5 0 7 67 4 6 139 7 .326 .399 .564 .963
2013 157 716 589 109 190 39 9 27 328 97 33 7 0 8 110 10 9 136 8 .323 .432 .557 .989
2014 157 705 602 115 173 39 9 36 338 111 16 2 0 10 83 6 10 184 6 .287 .377 .561 .939
2015 159 682 575 104 172 32 6 41 339 90 11 7 0 5 92 14 10 158 11 .299 .402 .590 .991
2016 159 681 549 123 173 32 5 29 302 100 30 7 0 5 116 12 11 137 5 .315 .441 .550 .991
通算:6年 811 3558 2997 600 917 175 37 168 1670 497 143 28 0 36 477 46 48 784 39 .306 .405 .557 .963
  • 2016年度シーズン終了時。
  • 太字はリーグ1位。

獲得タイトル・表彰・記録

背番号

  • 27 (2011年 - )

脚注

  1. ^ Mike Trout Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2016年6月19日閲覧。
  2. ^ Wentworth, Bridget(2009-06-09). Millville's Mike Trout picked 25th overall by Los Angeles Angels of Anaheim in Major League Baseball draft. NJ.com(英語). 2011年7月26日閲覧
  3. ^ Law, Keith(2011-02-01). Ranking the top prospects (Nos. 1-25). ESPN(英語). 2011年7月26日閲覧
  4. ^ Mayo, Jonathan(2011-01-24). Breaking down the Top 50 Prospects list. MLB.com(英語). 2011年7月26日閲覧
  5. ^ Garretson, Jordan(2011-07-08). Trout makes highly anticipated Majors debut. angels.com(英語). 2011年7月26日閲覧
  6. ^ Cooper, J.J. (September 7, 2011). “2011 Minor League Player Of The Year Mike Trout”. Baseball America(英語). http://www.baseballamerica.com/today/minors/awards/player-of-the-year/2011/2612308.html 2012年10月5日閲覧。 
  7. ^ Mike Trout 2012 season in review” (英語). MLB.com (October 4, 2012). 2012年10月5日閲覧。
  8. ^ “新人王トラウト&ハーパーWBC選出へ”. 日刊スポーツ. (2012年11月15日). http://iw2.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20121115-1047086.html 2012年12月31日閲覧。 
  9. ^ Miguel Cabrera wins MVP over Mike Trout - ESPN
  10. ^ [1]
  11. ^ Alden Gonzalez (February 26, 2014). “Trout gets pre-arbitration-record $1M”. MLB.com. February 27, 2014閲覧。
  12. ^ Alden Gonzalez (March 28, 2014). “Angels sign Trout through 2020 for $144.5M”. MLB.com. March 29, 2014閲覧。
  13. ^ “カーショー&トラウトがメジャーMVP”. 日刊スポーツ. (2014年11月15日). http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20141115-1396411.html 2014年12月31日閲覧。 
  14. ^ “球宴、ア・リーグ3連勝 トラウトが2年連続MVP”. 産経ニュース. (2015年7月15日). http://www.sankei.com/sports/news/150715/spo1507150024-n1.html 2015年10月9日閲覧。 
  15. ^ September 17, 2015 LAA VS MIN - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年9月18日閲覧。
  16. ^ September 22, 2015 LAA VS HOU - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月4日閲覧。
  17. ^ Mike Trout 2015 Batting Splits - Bases Occupied - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月24日閲覧。
  18. ^ Baseball Statistics and Analysis” (英語). Baseball Statistics and Analysis (October 9, 2015). 2015年10月9日閲覧。
  19. ^ “Fishing for Trout, other prospects in Northeast”. ESPN. (2009年5月10日). http://insider.espn.go.com/blog/keith-law/insider/post?id=650 2015年7月28日閲覧。 
  20. ^ 同一年にシーズンMVPも同時受賞したのは、ウィリー・マッコビー(1969)、スティーブ・ガービー(1974)、ロジャー・クレメンス(1986)、カル・リプケン・ジュニア(1991)に次いで5人目

関連項目

外部リンク

');