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2019年2月19日 (火) 08:40時点における版
君の名は。 | |
---|---|
Your Name. | |
監督 | 新海誠 |
脚本 | 新海誠 |
原作 | 新海誠 |
製作 |
川村元気 武井克弘 伊藤耕一郎 |
製作総指揮 | 古澤佳寛 |
出演者 |
神木隆之介 上白石萌音 長澤まさみ 市原悦子 |
音楽 | RADWIMPS[1] |
主題歌 |
RADWIMPS[2] 「前前前世」 「スパークル」 「夢灯籠」 「なんでもないや」 |
編集 | 新海誠 |
制作会社 | コミックス・ウェーブ・フィルム |
製作会社 | 「君の名は。」製作委員会 |
配給 |
東宝 傳影互動 新映影片 華夏電影 Purple Plan ファニメーション Anime Limited Eurozoom Selecta Visión Media Castle M Pictures Madman Entertainment Nexo Digital / Dynit Encore Films Pioneer Films JaiKon Cambodia TriArt Film Cinema Mondo Arthaus Camera Film Cinepolis Başka Sinema Истари комикс Diamond Films Universum Film |
公開 |
2016年8月26日 2016年10月21日 2016年11月3日 2016年11月10日 2016年11月11日 2016年11月24日 2016年12月1日 2016年12月2日 2016年12月7日 2016年12月8日 2016年12月14日 2016年12月28日 2017年1月4日 2017年1月13日 2017年1月23日 2017年2月23日 2017年4月7日 2017年4月12日 2017年4月21日 2017年4月28日 2017年5月4日 2017年8月4日 2017年8月25日 2017年9月7日 2017年9月9日 2017年9月21日 2017年9月22日 2017年9月26日 2017年9月28日 2017年10月5日 2017年10月19日 2017年11月2日 2018年1月11日 |
上映時間 | 107分[注 1] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 |
250.3億円 (2017年8月6日時点[6]) $357,986,087 |
『君の名は。』(きみのなは。英: Your Name.)は、2016年に公開された新海誠監督による日本の長編アニメーション映画[7]である。
概要
前作『言の葉の庭』から3年ぶりとなる、新海の6作目の劇場用アニメーション映画。東京に暮らす少年・瀧(たき)と飛騨の山奥で暮らす少女・三葉(みつは)の身に起きた「入れ替わり」という謎の現象と、1200年ぶりに地球に接近するという架空の彗星「ティアマト彗星」をめぐる出来事を描く。新海作品としては初めて製作委員会方式を取っており、前作は東宝映像事業部配給、全国23館だったのに対し、本作では東宝が配給を担当し全国約300館という大規模な興行となった[8]。
2015年12月にYouTube上に特報動画が公開され、2016年8月の公開と、主演に神木隆之介、上白石萌音が起用されることが発表された[9]。翌年4月5日には予告編が公開され、劇中音楽すべてをRADWIMPSが制作することと、公開日は8月26日であることが発表された[10]。
本作は2016年8月26日(金)の公開後は、途中1週のみ『デスノート Light up the NEW world』に1位を奪われたものの13週目までに渡って12回、週末動員数1位を獲得[11]。2017年7月には日本国内の興行収入250.3億円となったことが発表され、日本における歴代興行収入ランキングでは『千と千尋の神隠し』、『タイタニック』、『アナと雪の女王』に次ぐ第4位(日本映画では第2位)となった。世界での興行収入は3.55億ドルにも及び、千と千尋の2.75億ドルを超えて日本映画の歴代1位となった。
2016年12月9日には劇場パンフレットの第2弾が発売された[12]。2017年1月13日からは2週間限定でIMAX版が、1月28日からは英語歌詞・英語字幕版が、2月18日からは日本語字幕版がそれぞれ上映開始された。
公開を2か月後に控えた6月18日には、映画公開に先駆けて『小説 君の名は。』が発売。小説が映画の公開より先に発売されるのは新海作品としては初めてであった。出版社の作品紹介文では「原作小説」とされているが[13]、脚本の完成後、映画の制作も終盤になってから執筆されたもので[14]新海自身は「小説版」「映画のノベライズ」「どちらが原作なのかと問われると微妙なところ」と、そのあとがきで書いている[15]。映画と小説とで物語上の大きな差異はない[16]。映画公開(8月26日)前にすでに50万部、9月20日時点で102.9万部[17]、11月20日までに119.7万部となり2016年の文庫部門1位(オリコン調べ)を獲得した[18]。
12月には小説や公式ビジュアルガイドを含む関連書籍7冊の売り上げは計250万部を突破した[19]。
ストーリー
──ずっと何かを⋯⋯誰かを、探している。
ある朝、東京に住む2人の男女が、それぞれのマンションで目を覚ます。彼らが頬に手を当ててみると、なぜか涙を流していた。2人が見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。物語は、2人が高校生時代に体験した出来事を回想しつつ、電車に乗って出勤する場面から始まる。
東京の四ツ谷[注 2]に暮らす男子高校生・立花瀧は、ある朝、目を覚ますと岐阜県飛騨[23]地方の山奥にある糸守町[注 3]に住む女子高生・宮水三葉になっており、逆に三葉は瀧になっていた。2人とも「奇妙な夢」だと思いながら、知らない誰かの一日を過ごす。
翌朝、無事に元の身体に戻った2人は入れ替わったことをほとんど忘れていたが、その後も週に2、3回の頻度でたびたび「入れ替わり」が起きたことと周囲の反応から、それがただの夢ではなく実在の誰かと入れ替わっていることに気づく。性別も暮らす環境もまったく異なる瀧と三葉の入れ替わりには困難もあったが、お互い不定期の入れ替わりを楽しみつつ次第に打ち解けていく。
しかし、その入れ替わりは突然途絶え、なんの音沙汰も無くなってしまった三葉を心配した瀧は、記憶をもとに描き起こした糸守の風景スケッチだけを頼りに飛騨へ向かう。瀧の様子を不審に思い、心配していた友人・藤井司とバイト先の先輩・奥寺ミキもそれに同行する。しかし、ようやく辿り着いた糸守町は、3年前に隕石(ティアマト彗星の破片)が直撃したことで消滅しており、三葉やその家族、友人も含め住民500人以上が死亡していたことが判明する。
瀧は、以前三葉と入れ替わっている時に口噛み酒を奉納した記憶を思い出し、山上にある宮水神社の御神体へと一人で向かう。そしてその御神体が実在していたことで「入れ替わり」が自分の妄想ではなく、2人の入れ替わりには3年の時間のズレがあったことを確信する。瀧はもう一度入れ替わりが起きることを願いながら、3年前に奉納された三葉の口噛み酒を飲む。
目覚めると隕石落下の日の朝の三葉の身体に入っていた瀧は、三葉の友人である勅使河原克彦、名取早耶香の2人とともに、住民を避難させるために変電所を爆破し町一帯を停電させ、町内放送を電波ジャックして避難を呼びかけるという作戦を画策する。しかし、その計画の要である三葉の父(町長)・俊樹を説得しようとするが、妄言だと一蹴される。
避難計画は順調に進まず、三葉本人なら町長を説得できると思った瀧(身体は三葉)は、三葉(身体は瀧)に会うため御神体がある山を登る。その途中で、瀧は当時中学生だった3年前、見知らぬ女子高生に声を掛けられたことを思い出す。その女子は、瀧に会うためにはるばる東京へやって来た、三葉であった。三葉の自分に対する想いに初めて気づいた瀧は、涙を流しながらも、山を登り続ける。
山の頂上に辿り着いた瀧は、三葉の名前を叫びながら、御神体の外縁を走り回る。2人が生きている世界には3年の時間差があったため、時を超えて聞こえる声を頼りに互いの姿を探すも、声だけで姿は見えなかった。しかし黄昏(糸守ではカタワレ時[注 4]と呼ばれている)が訪れると互いの姿が見え、入れ替わりが元に戻り、初めて2人は時を超えて、直接会話することができた。
カタワレ時の終盤、瀧は互いの名前を忘れないようにするため、三葉の手のひらに自分の名前を記す。しかし三葉が瀧の手のひらに文字を書き入れようとした瞬間、カタワレ時は終わってしまい、2人はそれぞれ元いた世界へ引き離されてしまう。
三葉は、瀧から住民を助ける計画を引き継ぎ下山する。勅使河原と計画通りに町を停電させ、早耶香が避難指示の放送を流すが、その電波ジャックも町役場にバレて阻止され、避難は進まない。改めて父親を説得するために町役場へ向かう三葉だったが、途中の坂で転倒してしまい、心が折れそうになってしまう。いつの間にか瀧の名前を忘れてしまっていた三葉は、名前を思い出すために、ふと手のひらを見る。だがそこに記されていたのは名前ではなく、瀧からの「想い」だった。その言葉に励まされた三葉は前を向いて、再び町役場へと走り出す。そしてその後、ティアマト彗星の破片が糸守町に落下する。
月日は流れ、瀧が「入れ替わり」という不思議な出来事に遭ってから5年後、「偶然にも住民が避難訓練をしており、奇跡的に死者が一人も出なかった」糸守町への隕石衝突から、8年後へと舞台は移る。瀧は就活の毎日、三葉たちは東京で暮らしていた。たまに町中でお互いの気配を感じることはあったが、もはや入れ替わりのことは忘れており、ただ「漠然と『誰か』を探している」という、切実な思いだけが残っていた。
さらに月日が流れたある春の日、たまたま並走する別々の電車の車窓からお互いを見つけた2人は、それぞれ次の駅で降り[注 5]、お互いの下車駅に向かって走り出す。ようやく住宅地の神社の階段で再会した三葉と瀧は、涙を流しながら互いの名前を尋ねる。
──君の名前は、と。
登場人物
- 以下は、公式サイトやパンフレットなどに基づく記述。
- 立花 瀧(たちばな たき)
- 声 - 神木隆之介
- 本作の主人公。東京の都心に住む男子高校生。2016年の時点で東京都立神宮高校の2年生で、実は三葉より3歳年下。誕生日は12月1日である[24]。
- 霞ヶ関勤務の父と2人暮らしのようで、新海は「母親は数年前に離婚したんだと思っています」と述べている[25]。家からは東京タワーが見える。絵を描くことが得意で、建築や美術に興味を持っている。
- 日々友人たちと楽しく過ごし、イタリアンレストラン「IL GIARDINO DELLE PAROLE」[注 6]でウェイターのアルバイトをしており、同じバイト先の先輩・奥寺ミキへひそかに好意を寄せている。
- 宮水三葉と入れ替わった日は起床後に毎回彼女の胸を揉んでおり、その様子を起こしに来た妹の四葉に見られていたため、カタワレ時に入れ替わりが解けて直接二人が出会った際には、三葉に文句を言われていた。
- 外伝小説では三葉になっている時に炊事当番として、レストランの料理を簡略化したものを振舞っている。
- 宮水 三葉(みやみず みつは)
- 声 - 上白石萌音
- 本作のもう一人の主人公。山深い田舎町の岐阜県糸守町に住む女子高生。2013年の時点で岐阜県立糸守高校の2年生で、実は瀧より3歳年上。誕生日は12月1日である[24]。17歳[注 7]。好きな動物はハリネズミ[注 8]。
- 妹とともに宮水神社の巫女を務める。母親の二葉はすでに病死、町長である父・俊樹は家を出ており、祖母の一葉、小学生の妹の四葉と3人で暮らしている。
- 家系の神社や父の選挙運動、田舎の生活などに嫌気がさしており、東京での華やかな暮らしに憧れている。
- 立花瀧との入れ替わりでは、彼が勝手に自身の体を触ったり、風呂に入ったりすることを禁止している。
- 宮水 四葉(みやみず よつは)
- 声 - 谷花音[26]
- 三葉の妹。しっかりした性格で、2013年の時点で小学4年生の9歳[注 7]。祖母や姉と一緒に神社の家業を手伝う。終盤では高校生として成長した姿で、ワンカットだけ登場。
- 宮水 一葉(みやみず ひとは)
- 声 - 市原悦子[26]
- 三葉と四葉の祖母で宮水神社の宮司。2013年の時点で82歳[注 7]。
- 娘の二葉が亡くなり婿養子の俊樹が家を出たあと、孫の三葉と四葉を育てながら、宮水神社の歴史と伝統を教えている。
- 宮水 俊樹(みやみず としき)
- 声 - てらそままさき
- 三葉と四葉の父で婿養子。2013年の時点で54歳。民俗学者、宮水神社神職を経て、糸守町の町長となる。
- ENDロールでは「宮水 トシキ」と片仮名でクレジットされている。
- 外伝小説では、旧姓「溝口 俊樹」と記述されている。
- 宮水 二葉(みやみず ふたば)
- 声 - 大原さやか
- 三葉と四葉の母であり、一葉の一人娘でもある。瀧が見た三葉の回想シーンのみの登場で、劇中ではすでに病気のため故人となっている。夫の俊樹より12歳年下。
- 勅使河原 克彦(てしがわら かつひこ)
- 声 - 成田凌[26]
- 三葉の同級生。2013年の時点で17歳[注 7]。三葉に好意を持っている。あだ名は「テッシー」。地元の建設会社・勅使河原建設の社長の息子。月刊『ムー』の愛読者で、オカルト好きの機械オタク。郷里への愛憎は半々で[注 9]、自身の立場から現状改善への具体策に着手し[注 10]、瀧(身体は三葉)の共感を得た。
- 2021年12月には東京で早耶香と近々結婚する話をしていた。
- 勅使河原と早耶香は、新海の『小説 言の葉の庭』第7話に登場する、相澤祥子の中学時代の友人、勅使河原と早耶香から名前が取られている[27][注 11]。
- 名取 早耶香(なとり さやか)
- 声 - 悠木碧[26]
- 三葉の同級生で、親友。2013年の時点で17歳[注 7]。穏やかな性格で、勅使河原に好意を寄せている。あだ名は「サヤちん」。2021年12月には勅使河原と近々結婚する話をしていた。小説版によると家が「母子姉妹三連続で町内放送担当」で、本人も学校の放送部に所属。町役場に勤める姉も劇中に一瞬だけ登場する[28]。劇場公開時は、瀧らが古川図書館で調べた『糸守町彗星災害 犠牲者 名簿目録類』に誤って「沙耶香」と書かれていたが、映像ソフト化の際に修正された(制作途中のキャラクター設定画では「沙耶香」という表記が使われていた[29])。
- 勅使河原と早耶香は、新海の『小説 言の葉の庭』第7話に登場する、相澤祥子の中学時代の友人、勅使河原と早耶香から名前が取られている[27][注 11]。
- ユキちゃん先生[注 12]
- 声 - 花澤香菜
- 三葉の通う高校の古典教師。新海の前作『言の葉の庭』のヒロインで古典教師の雪野百香里本人である[30]。
- 本作で「ユキちゃん先生」が登場する2013年9月の時点で『言の葉の庭』の雪野百香里は東京在住であった[31]が、なぜその彼女が本作で糸守にいるのかについては、パンフレットでは「観る人の想像次第」とされている[30]。
- 彼女が授業を行うシーンでは『言の葉の庭』と同様に万葉集(巻十 2240番歌)が引用されていて、本作のキーワードの一つとなっている。
- 奥寺 ミキ(おくでら ミキ)
- 声 - 長澤まさみ[26]
- 瀧のアルバイト先の先輩。美人でオシャレな女子大生で、同アルバイトで働く多くの男子から大人気。
- 2021年に久々に瀧と会った際には婚約指輪をはめており、近々結婚することを瀧に話していた。新海は「あくまでも裏設定ですが、司は奥寺先輩と婚約したのだと思っています。」と述べている[25]。
- 原作小説では、2021年時点でアパレルメーカーの千葉支店に勤務していることが記述されている。
- 藤井 司(ふじい つかさ)
- 声 - 島﨑信長[26]
- 瀧の同級生。クールな性格で、瀧と同じく建築に興味がある。瀧・高木と同じレストランでアルバイトをしている。2021年10月の時点では左手薬指に指輪をしており[25]、新海は「あくまでも裏設定ですが、司は奥寺先輩と婚約したのだと思っています」と述べている[25]。
- なお終盤に一瞬だけ登場する、花屋で働いている青年は司ではなく三葉の元同級生で、公式ビジュアルガイドでも都会で暮らす糸守の出身者の一人として紹介されている。
- 高木 真太(たかぎ しんた)
- 声 - 石川界人[26]
- 瀧の同級生。大柄でサッパリした人物で、見た目は体育会系。瀧と同じく建築に興味がある。瀧・司と同じレストランでアルバイトをしている。
- 瀧の父
- 声 - 井上和彦
- 霞ヶ関に勤め、瀧と家事を分担しながら、マンションでふたり暮らしをしている[32]。
- 勅使河原の父
- 声 - 茶風林
- 勅使河原建設の社長。三葉の父親とは懇意の間柄であり、町長選挙運動期間には彼を全面的にバックアップしている[注 13][32]。
- 勅使河原の母
- 声 - かとう有花[注 14]
- その他、神宮高校の男子生徒・糸守町の消防団員役でRADWIMPSの桑原彰、武田祐介が出演している。
- 瀧・奥寺・司たちが糸守へ向かう途中に立ち寄ったラーメン屋の主人[注 15]、三葉の同級生の松本・花・桜[注 16]は登場シーンが多いにもかかわらず、ENDロールにキャラクター名はクレジットされていない。
スタッフ
監督 原作 脚本 絵コンテ |
新海誠 |
キャラクターデザイン | 田中将賀、安藤雅司 |
音楽 | RADWIMPS |
企画 プロデュース |
川村元気 |
エグゼクティブプロデューサー | 古澤佳寛 |
製作 | 市川南、川口典孝、大竹圭二 |
作画監督 | 安藤雅司、井上鋭、土屋堅一、廣田俊輔、黄瀬和哉 |
演出 | 居村健治 |
原画 | 稲村武志、濱洲英喜、本間晃、井上鋭、土屋堅一、廣田俊輔、田中敦子、賀川愛、箕輪博子、西村貴世、岩崎たいすけ、岸野美智、小林直樹、田澤潮、高士亜衣、古川尚哉、中村悟、松尾真理子、竹内旭、松永絵美、龍輪直征、水野良亮、河原奈緒子、土屋亮介、松村祐香、大橋実、荒木裕、渡辺裕二、齋藤直子、山本早苗、竹内一義 太田衣美、千葉崇洋、末冨慎治、竹縄利名、福田さちこ、春日広子、小西紗希、奥野治男、五反孝幸、下妻日紗子 松本憲生、沖浦啓之、橋本敬史 |
オープニング作画監督 | 田中将賀 |
オープニング原画 | 錦織敦史、谷口淳一郎、岩崎たいすけ、滝本祥子、大舘康二、落合瞳、田中将賀 |
回想シーン演出 原画 撮影 |
四宮義俊 |
特効彩色 | 皆川真紀、室岡侑奈、島田美菜子、松田大介、MATEUSZ URBANOWICZ |
3DCG | 吉野耕平、金子哲、竹内良貴 |
脚本協力 | 加納新太 |
プロップ設定 | 岩崎たいすけ |
巫女舞創作 振付 |
中村壱太郎 |
動画検査 | 玉腰悦子、真野鈴子、大村まゆみ、手島晶子、大橋実 |
動画 | 中込利恵、秋田雅子、林佳枝、松浦結、松田祐実、松岡理恵子 鈴木香理、黒田亜理沙、深沢純怜、山本晃弘、土岐弥生、槇田喜代子、東誠子、富沢恵子、村松さつき、矢地久子、藤森まや、大谷久美子、椎名律子、長命幸佳、玉置雅代、安東雅代、古木優、田名部節也、宮川かおり、田中立子、熱田幸永、芝崎みゆき、佐藤恭子、掘祐津、榎本柊斗、中嶋智子、水野良亮、松村裕香、真野鈴子、大村まゆみ、手島晶子、大橋実、玉腰悦子 谷平久美子、山浦由加里、小山正清、大谷茜、齋藤彩圭、村橋亮佑、本田康明、山本芽以、岩切君枝、辻仁子、小川麻衣、甲斐順子、藤中友里、赤坂莉奈、大口茜、坂詰かよ、劉慈英、韓松熙、徐允珠、河承希、金珉愛、朴蘭姫、金貞蘭、金貞順、鄭玄貞、Hwang Sun hee、Jo Jee Young、Ku Gyunh Yok、Hu Kyung Hee、Song Tae Kwang、Kim Sin Sung、黄順可、安美京、LEE BOREUM、富田美穂子、水口貴善、小谷瞳美、下平夕子、戸井田宙、根本奈実、岸井沙織、吉村千秋、池田遥、合田良太、山口啓文、福富絢子、陸井優花、澤井駿、森慶彦、小保方千奈、渡辺真紗子、飯盛夏子、川口理佳、千葉大輔、与澤桂子、北郷由美子、須崎かおる、関夏実、張相美、仙波里至、山口なつみ、菅原菜津美、田崎茜、國分瑞生、栁澤彼方、原科大樹、大山神、田中壱樹、藤原舞似子、徳田靖、市村友美佳、和田凜花、高野陽司、豊田創、山本彩加、大曽根唯、堀内正康、櫻井加乃子、和泉晃耶、橋本穂高、岡野結、中原奈緒美、奥舞、佐藤加奈、太田慎之介、中川三由紀、衛藤千広、清原寮、裵容吾、金福心、金成范、張智程 |
美術監督 | 丹治匠、馬島亮子、渡邉丞 |
美術設定 | 高橋武之 |
美術設定協力 | 滝口比呂志 |
美術背景 | 廣澤晃、瀧野薫、泉谷かおり、MATEUSZ URBANOWICZ、友澤優帆、小原まりこ 宇佐美レオナルド健、中島健太、斉藤未来、上田瑞香、中村瑛利子、本田敏恵、島田美菜子、渡邉丞、馬島亮子、丹治匠 後藤俊彦、松田大介、里見篤、室岡侑奈、松本吉勝、長澤順子、中右智博、黒澤成江、侯荻、森川みず穂、小畑嶺二、上遠野祥子、増山修、木下晋輔、加藤綾乃、小山真和、妹尾想、石島朋佳、西口早智子、金哲圭、申国真 |
色彩設計 | 三木陽子 |
色指定検査 | 仲條貴子 |
色指定補佐 | 忽那亜美、久力志保、関根里枝子 日比野仁、渡辺康子、佐藤加奈子、大野千紘、川上優子、村田寧々 |
デジタルペイント | 野口幸恵、高谷知恵、原田裕作、田中英里那、倉田咲、黒瀬友哉、永延春樹、飯島理恵、早川恵美、斉藤あや子、及川眞由美、橋本千春、鴨井さつき、山崎あかね、西田みのり、圓次美和、角下瑞絵、石倉璃久、松田悠樹、井浦祥子、牛山裕美、利根川友紀、相澤里佳、福田友理恵、安藤佳奈恵、佐藤恭子、田村貴子、星川麻美、宮原奈緒子、南龍介、小栁寿志、畑中章行、横瀬貴幸、中原香織、田中悠詩、末繁明佳、青木優佳、安藤のぞみ、入江千尋、小山知子、小松亜理沙、鈴木咲絵、武田仁基、比嘉あきの、藤原道乃、堀内菜央、森脇弘史、木下美佳、橋本侑香里、村瀨瞳美、角美智子、沼田千晶、都丸陽子、近藤直登、岩崎静夏、塚田和也、大枝優斗、渡辺郁也、大田薫、中野夏帆、千葉涼香、池田優華、蘒原絢子、若井あゆ、岸下真紀、玉木千春、角智美、渡邊絵梨、松浦友紀、佐藤博美、佐藤はじめ、戸澤友紀、高橋聖美、杉山智恵、中原あゆみ、内海太輔、加藤笑子、丸山香、加藤友美、浦大器、文聖惠、安榮愛、鄭惠羅、辛賢貞、崔秀庚、田殷珠、金銀姬、李硏珠、韓明善、Kim Hee Jung、Seok Young Suk、Gang Nam E、Lee Yoo Kyoung、Oh Jin Hee、Kang Hee Kyoung、權五淑、權美羅、朴ユリ、李寶藍、李珍姬、金美正、金旼正 |
撮影チーフ | 福澤瞳 |
撮影 | 三木陽子、李周美、藤田賢治、津田涼介、八木昌彦、岩井和也、新海誠 |
撮影協力 | 江藤慎一郎、宋守貞、岡淑子、江上玲、土屋康次、衛藤直毅、高瀬勝、田中英里那 |
テクスチャー | 市川愛理、小野麻美、清水由香、三木陽子、落合千春 |
3DCGチーフ | 竹内良貴 |
3DCG | 宮原眞、河合完治、山元隼一 |
音響監督 整音 |
山田陽 |
音響効果 | 森川永子 |
効果助手 | 林佑樹 |
録音 | 八巻大樹 |
録音助手 | 椎葉ひかる |
音響制作 | サウンドチーム・ドンファン |
方言監修 | かとう有花 |
キャスティング | 増田悟司、大口星子、有馬加奈子 |
アフレコスタジオ | studio Don Juan |
ダビングステージ | 東宝スタジオ |
東宝スタジオコーディネート | 西野尾貞明、立川千秋 |
スタジオエンジニア | 竹島直登 |
スタジオアシスタント | 佐野優介 |
テクニカルサポート | 菊地秀穂、越真一郎 |
音楽プロデューサー | 成川沙世子 |
音楽ミキサー | 菅井正剛、澤本哲朗、Tom Lord-Alge、長谷川巧 |
音楽ディレクター | 山口一樹 |
ストリングス協力 | 徳澤青弦 |
音楽エディター | 金貞陽一郎 |
アーティストリレーションズ | 田島護、渡辺雅敏、越智惠、網嶋容子、桂川賢一、佐藤夕香 |
音楽協力 | 藤沢囃子保存会、深澤恵梨香 |
編集 | 新海誠 |
デジタルラボ | IMAGICA |
オンライン編集 | 増永純一 |
カラーマネジメント | 由良俊樹 |
デジタルシネママスタリング | 新谷彩、浅井恵衣 |
ラボコーディネーター | 河野紅美子 |
編集ラボマネージャー | 小川輝、水谷真理 |
制作プロデューサー | 酒井雄一 |
制作進行 | 岡村慎治、遠藤陽平、植田祐、堀雄太、LEOW LEE WON |
アニメーション制作協力 | アンサー・スタジオ |
制作プロデューサー | 木曽由香里、剱持耕平 |
制作デスク | 中目貴史 |
制作進行 | 吉信慶太、富岡隆大 |
制作協力 | Production I.G、スタジオカラー、TROYCA CLIP+BISON,LLC、スタジオシャムロック、シャフト、アニメTORO TORO、オープロダクション、マッドハウス、ゴンゾ、中村プロダクション、オレンジアニメーション、HANJIN、マア・モピックス、すたじおかぐら、テレコム・アニメーションフィルム、ライジングフォース、和風アニメーション、ゼクシズ、スタジオ・マーク、M.S.C、スタジオギムレット、アニタス神戸、アングル、イングレッサ、キャンディーボックス、作楽クリエイト、ラインファーム、オフィスフウ、D-COLORS、T2studio、スタジオ・タージ、ライトフット、DR MOVIE、Alpaca Pictures、ファインカラーズ、スタジオエル、マウス、デファー、プロダクション・アイ、クリープ、インスパイアード、TYOアニメーションズ 東宝ミュージック、ちゅらサウンド、サウンドインスタジオ、ユニークブレイン、三交社 |
取材協力 | 井上史也、吾妻あや子、松本窓、平田組紐、シェアードテラス、須賀神社、国立新美術館、森ビル |
協力 | 栄光ゼミナール、大塚商会、学研プラス 月刊ムー編集部、すかいらーく、東京スクール・オブ・ビジネス、福美人、ヤマダ電機、meiji 明治、YUNIKA VISION、Z会、東宝スタジオ、東宝スタジオサービス、togen、東宝ポストプロダクションセンター、ZENRIN、Mapion |
宣伝プロデューサー | 豊澤康弘、弭間友子、水木雄太 |
宣伝 | 秋山智美、下森翠、飯島清香、幕内一男、福地雄士、中内麻友、篠原麻由子、松成憲二、西村公佑、橋本尚香、川口唯子 |
宣伝デザイン監修 | 落合千春、市川愛理 |
オフィシャルライター | 渡辺水央 |
予告編ディレクター | 依田伸隆 |
予告編制作進行 | 髙根英一郎、岩﨑友佳 |
グラフィック制作 | BALCOLONY. |
公式サイト制作 | BALCOLONY. & TRIBALCON. |
メイキング制作 | ナカマオフィス |
書籍編集 | 関口靖彦 |
出版 宣伝協力 |
吉良浩一、今井理紗、長山俊輔、遠藤美希、井坂皆美、石井千香子 |
海外担当 | 菊地裕介、竹田晃洋、中澤小枝、町田瑠衣 |
商品化担当 | 田中敬子 |
助成 | 文化庁文化芸術振興費補助金 |
スペシャルサンクス | 岩井俊二、三坂知絵子、松下慶子、石井朋彦、阿部良弘、白鳥貴子、岡島隆敏、宗宮一輝、加藤友宜、水野昌、國枝信吾、倉田泰輔 |
プロデューサー | 武井克弘、伊藤耕一郎 |
制作 | コミックス・ウェーブ・フィルム |
「君の名は。」製作委員会 | 共同製作 井上伸一郎、弓矢政法、畠中達郎、善木準二、坂本健 東宝 山内章弘、上田太地、小野田光、鎌田周平、大島孝幸、藤田雅規、大浦俊将、高橋敦司 コミックス・ウェーブ・フィルム 角南一城、小川智弘、武田真理子 KADOKAWA 堀内大示、菊池剛、工藤大丈、菊島憲文 ジェイアール東日本企画 相原勉、土生宏匡、飯岡浩司 アミューズ 千葉伸大、遠藤日登思、久保美夏 voque ting 塚原聡 ローソンHMVエンタテイメント 盛谷尚也、長田史郎、春田英彦、広瀬春奈、湯田健太郎 |
制作
本作の着想は、新海が東日本大震災発生後の2011年7月に宮城県名取市閖上へ訪れたことで得た[33]。「ここは自分の町だったかもしれない。もしも自分が閖上の住人だったなら」という、立場が入れ替わる映画を作ろうと思ったという[33]。新海がこの訪問時に描いた日和山のスケッチは展覧会などで展示されている[33]。
キャッチコピーは「まだ会ったことのない君を、探している」。この、遠く離れた土地に暮らす、まだ出会う前の少年と少女というモチーフは、新海誠が2014年に手掛けたZ会のCM「クロスロード」から着想を得たもので[34]、さらに2つの日本の古典、小野小町の和歌「思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを」(古今和歌集)と、男児を「姫君」として女児を「若君」として育てる『とりかへばや物語』を設定に取り込んだ[34]。また、1950年代のメロドラマ『君の名は』や男女入れ替わりをモチーフとする大林宣彦監督の映画『転校生』などをリスペクトしながらドラマを作った[35][36][37]。しかし『転校生』で描かれたジェンダーの捉え方は今の時代に合っていないと考え、男女入れ替わりをジェンダーを描く装置にしないと決めた[38][39]。
誰もが楽しめる「ど真ん中」のエンターテインメント[40][41]、とりわけ10代から20代前半の人に向けた作品[41]を目指して作られた。新海は、観客を励ますような、見終わったあとに気持ちよく劇場を出てもらえる作品を作りたくなったところに、ちょうど東宝の話が決まったといい[42]、自身だけでなくキャラクターデザインの田中将賀、作画監督の安藤雅司、音楽のRADWIMPS、主演の神木隆之介についても「本当に、絶妙なタイミングによってつくらせてもらえた映画」と語っている[14]。
クレジットにおいて新海は原作・脚本・絵コンテ・編集と表記されているが、制作において自身が果たした主な役割は絵コンテと編集[43]、特にビデオコンテだと語っている[44]。脚本は新海だけでなく川村元気をはじめとする東宝のチームとの協同だが[44]、絵コンテと、それを元に仮で声も効果音も音楽もつけた100分強のビデオコンテは新海が一人で作り上げた[44]。これまでの作品でも新海は絵コンテとビデオコンテを並行して作成しており[45]、この時点ですでに編集に近いことをやっているともいえるが[43]、従来 Photoshop、After Effects、Audition の3つのソフトを併用して作成していたものを今回は Storyboard Pro で最初からビデオコンテを作るようにし、これによって映画の時間軸をすべてコントロールできたという[45]。劇中の音楽すべてを担当したRADWIMPSとのやりとりも、ビデオコンテで進められた[43]。
本作でキャラクターデザインを担当した田中は、新海の「クロスロード」でもキャラクターデザインと作画監督を担当しており、個人的にも新海と交友があって本作でもキャラクターデザイン・作画監督をオファーされたが、先に『心が叫びたがってるんだ。』の企画が始動していたため都合がつかず、それでもという新海からの要望でキャラクターデザインのみを引き受けるかたちとなった[46]。当初は現場で使うキャラクター設定表まで田中が描く予定だったが[47]、作画監督に安藤が決まったこともあり、現場でキャラクターを動かすためのデザインは安藤が手掛けたほうがよいとの判断で[46]、設定表からは安藤が担当することとなった[47]。瀧と三葉が入れ替わっているときの表情・仕草などは安藤のキャラクター設定表で描かれた[47]。スタッフロールのキャラクターデザインでは田中と安藤の両名がクレジットされている[48]理由はこれによる[46]。なお、本編の作画監督はできなかったものの田中はオープニングの作画監督を務めており、田中がデザインしたキャラクターをもとに安藤が描いたキャラクター設定表をもとに田中がオープニングの作画監督をするのは「すごくへんてこな感じ」だったと語っている[49]。
制作期間は約2年であった[14]。主な経緯は以下の通り。
- 2014年
- 2015年
- 2016年
公開
映画祭・プレミア上映
上映日 | 映画祭・イベント名 | 国・地域 | 備考 |
---|---|---|---|
2016年7月3日 | Anime Expo 2016[51] | アメリカ合衆国・ロサンゼルス | ワールドプレミアとして上映。 |
2016年7月7日 | 完成披露試写会 | 日本・東京 | TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、新海監督と出演者が七夕にちなみ浴衣姿で登壇した[52]。 |
2016年9月22日・24日 | 第64回サン・セバスティアン国際映画祭[53] | スペイン・サン・セバスティアン | ディストリビューターはSelecta Visión。 |
2016年10月9日・12日・15日 | 第21回釜山国際映画祭[54] | 韓国・釜山(プサン) | ガラプレゼンテーション部門にて上映。 |
2016年10月14日・15日・16日 | 第60回ロンドン映画祭[55] | イギリス・ロンドン | オフィシャル・コンペティションのノミネート作品として上映。 |
2016年10月22日 | Scotland Loves Anime[56] | イギリス・スコットランド | |
2016年10月23日 | 第18回プチョン国際アニメーション映画祭 | 韓国・富川(プチョン) | 長編コンペティション部門の優秀賞と観客賞を受賞[57]。 |
2016年10月27日 | 第29回東京国際映画祭 | 日本・東京 | Japan Now部門にて上映。 |
2016年11月6日 | Discovery Film Festival 2016 | イギリス・スコットランド | |
2016年11月13日 | 第36回ハワイ国際映画祭[58] | アメリカ合衆国・ハワイ | |
2016年11月20日 | 第27回ストックホルム国際映画祭 | スウェーデン・ストックホルム | |
2016年11月26日・27日 | 第31回マール・デル・プラタ国際映画祭[59] | アルゼンチン・マル・デル・プラタ | ディストリビューターはファニメーション。 |
2016年12月3日・4日 | Expo Japan MX[60] | メキシコ・メキシコシティ | 日本物産展における特別上映。ディストリビューターはArcade Media。 |
2016年12月9日・14日 | 第13回ドバイ国際映画祭[61] | アラブ首長国連邦・ドバイ | |
2017年2月25日 | ニューヨーク国際子ども映画祭[62] | アメリカ合衆国・ニューヨーク | オープニング・スポットライト作品として上映。 |
2017年2月25日・27日 | 第36回ブリュッセル・アニメーション映画祭 | ベルギー・ブリュッセル | 観客賞(最優秀長編アニメーション賞)を受賞。 |
2017年3月24日・25日 | 第20回ホラント・アニメーション映画祭 | オランダ・ホラント | |
2017年4月2日 | Season Film Festival 2017 | フィンランド・ヘルシンキ | |
2017年4月28日 | Animocje International Animated Films Festival 2017 | ポーランド・ブィドゴシュチュ | |
2017年4月30日 | Napoli COMICON 2017 | イタリア・ナポリ | |
2017年7月30日・8月3日・7日・14日・18日 | 第32回星空の映画祭 | 日本・長野県 | |
2017年9月4日 | Japan Film Festival of San Francisco | アメリカ合衆国・サンフランシスコ | |
2017年9月26日・30日 | Viborg Animation Festival 2017 | デンマーク・ヴィボー | |
2017年10月28日・11月2日・3日 | Leiden International Film Festival 2017 | オランダ・ライデン |
全国公開
2016年8月26日、全国301スクリーンで公開が開始された[63]。2D上映のみであるが、一部劇場では聴覚障害者を対象とした日本語字幕付き上映も実施された[64]。公開に先立ち、7月2日より前売券が全国の劇場で発売。全国先着3万名には、新たに公開されたキービジュアルが大きく描かれたクリアファイルが付属する特別前売券が販売された[65]。都内の上映劇場では、上映から1か月近く経過しても依然として全上映回が満席に近い状態が続いたため、9月24日以降は946席の大型劇場を持つTOHOシネマズ日劇でも上映された[66]。
2017年5月のゴールデンウィークごろにかけては日本各地の映画館で上映が続いていたが、5月5日に数十館で上映が終了、翌週5月12日にもさらに数十館が終了し、15館にまで激減した。その後も週毎に次第に数を減らしていき、6月10日以降は豊島区の「池袋シネマ・ロサ」、川崎市の「チネチッタ」、佐久市の「アムシネマ」、名古屋市の「イオンシネマ名古屋茶屋」、徳島市の「ufotable CINEMA」の5館のみとなった。7月前半には「アムシネマ」、「イオンシネマ名古屋茶屋」が終了。7月末には「池袋シネマ・ロサ」、「ufotable CINEMA」も終了したが、宝塚市の「宝塚シネ・ピピア」が2週間限定で上映を開始、柏市の「キネ旬シアター」も上映を開始した。
2016年8月の公開日から上映を続けていた最後の映画館「チネチッタ」では、最終週には音響を増強した「Live Zound」上映を復活させ、最大スクリーンでの上映を行い、8月11日をもって351日間にも及ぶロングラン上映を終了した。これについては新海誠もTwitterで言及した。その翌日からは、世田谷区の「下高井戸シネマ」が2週間限定で、尼崎市の「塚口サンサン劇場」が1週間限定で新たに上映を開始した。日本国内の映画館における通常上映は、365日目(公開から364日後)の2017年8月25日、「キネ旬シアター」および「下高井戸シネマ」での上映をもって全て終了した。
興行成績
興行収入は公開後2日間で7.7億円と、その時点で前作の推定総額1.5億円を遥かに上回った[67]。8月26日金曜日の初日を合わせた3日間では、動員96万人、興行収入12.8億円を記録した[68]。公開から9月22日までの28日間の興行収入が100億円を突破し、日本のアニメーション監督では宮崎駿に続く2人目の達成となった[69]。また、10月3日までの39日間での動員が1000万人を突破した[70]。14週目には興行収入194億円を突破し、193億円の『もののけ姫』を超え[71]、また15週目には興行収入199億円を突破し、196億円の『ハウルの動く城』を超えたため、日本映画歴代2位となった[72][73]。最終興行収入は250.3億円と、日本国内で公開された映画としては、歴代4位の記録となった。
動員数 (万人) |
興行収入 (億円) |
備考 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
週末 | 累計 | 週末 | 累計 | |||
1週目の週末 (2016年8月27日・28日)[68] | 1位 | 68.8 | 96.0 | 9.3 | 12.8 | |
2週目の週末 (9月3日・4日)[74] | 86.7 | 299.5 | 11.6 | 38.7 | ||
3週目の週末 (9月10日・11日)[75] | 85.2 | 481.4 | 11.4 | 62.9 | ||
4週目の週末 (9月17日・18日)[76] | 80.0 | 698.0 | 10.8 | 91.0 | 累計動員数および累計興行収入は、9月19日までのもの。 | |
5週目の週末 (9月24日・25日)[77] | 63.7 | 854.5 | 8.6 | 111.7 | ||
6週目の週末 (10月1日・2日)[78] | 65.4 | 989.4 | 7.9 | 128.6 | ||
7週目の週末 (10月8日・9日)[79] | 51.3 | 1119.6 | 7.0 | 145.6 | 累計動員数および累計興行収入は、10月10日までのもの。 | |
8週目の週末 (10月15日・16日)[80] | 34.7 | 1184.3 | 4.7 | 154.1 | ||
9週目の週末 (10月22日・23日)[81] | 35.9 | 1260.9 | 4.8 | 164.1 | ||
10週目の週末 (10月29日・30日)[82] | 2位 | 28.6 | 1320.4 | 3.8 | 171.9 | 週末動員数1位は『デスノート Light up the NEW world』。 |
11週目の週末 (11月5日・6日)[83] | 1位 | 21.8 | 1381.3 | 3.0 | 179.7 | |
12週目の週末 (11月12日・13日)[84] | 19.0 | 1420.9 | 2.6 | 184.9 | ||
13週目の週末 (11月19日・20日)[11] | 19.1 | 1458.8 | 2.5 | 189.8 | ||
14週目の週末 (11月26日・27日)[85] | 2位 | 15.7 | 1498.6 | 2.1 | 194.9 | 週末動員数1位は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。 |
15週目の週末 (12月3日・4日)[86] | 18.4 | 1535.3 | 2.5 | 199.6 | ||
16週目の週末 (12月10日・11日)[87] | 5位 | 1578.3 | 205.1 | |||
17週目の週末 (12月17日・18日)[88] | 6位 | 1607.9 | 208.9 | |||
18週目の週末 (12月24日・25日)[89] | 7位 | 1640.8 | 213.3 | |||
19週目の週末 (12月31日・2017年1月1日)[90] | 3位 | 年末年始のため計測できず。 | ||||
20週目の週末 (1月7日・8日)[91] | 1768.5 | 229.2 | 累計動員数および累計興行収入は、1月9日までのもの。 | |||
21週目の週末 (1月14日・15日)[92] | 2位 | 12.5 | 1790.9 | 1.7 | 232.3 | 週末動員数1位は『本能寺ホテル』。 |
22週目の週末 (1月21日・22日)[93] | 1位 | 12.4 | 1815.3 | 1.7 | 235.6 | |
23週目の週末 (1月28日・29日)[94] | 3位 | 1835.2 | 238.3 | |||
24週目の週末 (2月4日・5日)[95] | 4位 | 1851.7 | 240.4 | |||
25週目の週末 (2月11日・12日)[96] | 6位 | 1863.8 | 242.0 | |||
26週目の週末 (2月18日・19日)[97] | 8位 | 1874.6 | 243.4 | |||
27週目の週末 (2月25日・26日)[98] | 7位 | 1884.2 | 244.6 | |||
28週目の週末 (3月4日・5日)[99] | 9位 | 1892.5 | 245.7 | |||
29週目の週末 (3月11日・12日)[100] | 10位 | 1898.8 | 246.5 | |||
30週目の週末 (3月18日・19日)[101] | - | 247.4 | 累計興行収入は、3月20日までのもの。 | |||
31週目の週末 (3月25日・26日)[102] | - | 247.8 | ||||
32週目の週末 (4月1日・2日)[103] | - | 248.3 | ||||
33週目の週末 (4月8日・9日)[104] | - | 248.7 | ||||
34週目の週末 (4月15日・16日)[105] | - | 248.9 | ||||
35週目の週末 (4月22日・23日)[106] | - | 249.1 | ||||
36週目の週末 (4月29日・30日)[107] | - | 249.2 | ||||
37週目の週末 (5月6日・7日)[108] | - | 249.4 | ||||
38週目の週末 (5月13日・14日)[109] | - | 249.4 | ||||
39週目の週末 (5月20日・21日)[110] | - | 249.4 | ||||
40週目の週末 (5月27日・28日)[111] | - | 249.4 | ||||
41週目の週末 (6月3日・4日)[112] | - | 249.4 | ||||
42週目の週末 (6月10日・11日)[113] | - | 249.4 | ||||
43週目の週末 (6月17日・18日)[114] | - | 249.4 | ||||
44週目の週末 (6月24日・25日)[115] | - | 249.4 | ||||
45週目の週末 (7月1日・2日)[116] | - | 249.4 | ||||
46週目の週末 (7月8日・9日)[117] | - | 249.4 | ||||
47週目の週末 (7月15日・16日)[118] | - | 249.4 | ||||
48週目の週末 (7月22日・23日)[119] | - | 250.3 | ||||
49週目の週末 (7月29日・30日)[120] | - | 250.3 | ||||
50週目の週末 (8月5日・6日)[6] | - | 250.3 | ||||
最終 | - | 1928.0 | 250.3 | 最終的な累計動員数は1928万人とされる[121]。 |
世界興行
本作は、世界125の国と地域で海外配給が決定していると報じられている[122]。2017年1月18日時点で、全世界での興行収入合計が2億8,100万ドルに達し、『千と千尋の神隠し』の2億7,500万ドルを抜いて、日本映画として史上最高となったことが伝えられた[123]。
国・地域 | 公開日 | 配給 | 題名 | 参照 |
---|---|---|---|---|
台湾 | 2016年10月21日 | 傳影互動 | 你的名字 | [124] |
シンガポール | 2016年11月3日 | Purple Plan | [125] | |
タイ | 2016年11月10日 | M Pictures | หลับตาฝัน ถึงชื่อเธอ[注 17] | [126][127] |
香港 (中国) | 2016年11月11日 | 新映影片 | 你的名字。 | [128] |
マカオ (中国) | ||||
イギリス | 2016年11月24日 | Anime Limited | Your Name. | [129][130] |
アイルランド | ||||
オーストラリア | Madman Entertainment | [131] | ||
ニュージーランド | 2016年12月1日 | |||
中国 | 2016年12月2日 | 華夏電影 | 你的名字。 | [132] |
インドネシア | 2016年12月7日 | Encore Films | Your Name. | [133] |
マレーシア | 2016年12月8日 | Purple Plan | 你的名字 | [134] |
フィリピン | 2016年12月14日 | Pioneer Films | Your Name. | [135] |
フランス | 2016年12月28日 | Eurozoom | [136] | |
韓国 | 2017年1月4日 | Media Castle | 너의 이름은. | [137][138][139] |
ベトナム | 2017年1月13日 | Encore Films | Your Name. – Tên cậu là gì? | |
イタリア | 2017年1月23日 | Nexo Digital / Dynit | Your Name. | [140] |
カンボジア | 2017年2月23日 | JaiKon Cambodia | បិទភ្នែកសុបិន នឹកដល់ឈ្មោះអ្នក[注 17] | |
アメリカ合衆国 | 2017年4月7日 | ファニメーション | Your Name. | |
カナダ | ||||
スペイン | Selecta Visión | [141] | ||
スウェーデン | 2017年4月12日 | TriArt Film | ||
フィンランド | 2017年4月21日 | Cinema Mondo | ||
ノルウェー | 2017年4月28日 | Arthaus | ||
デンマーク | 2017年5月4日 | Camera Film | ||
メキシコ | 2017年8月4日 | Cinepolis | Tu nombre | |
トルコ | 2017年8月25日 | Başka Sinema | Senin Adın | |
ロシア | 2017年9月7日 | Истари комикс | Твоё имя | [142][143] |
ベラルーシ | ||||
カザフスタン | ||||
パラグアイ | 2017年9月9日 | |||
ボリビア | 2017年9月21日 | |||
エクアドル | 2017年9月22日 | |||
コロンビア | 2017年9月26日 | |||
チリ | 2017年9月28日 | Diamond Films | ||
ブラジル | 2017年10月5日 | |||
アルゼンチン | ||||
ペルー | ||||
ウクライナ | 2017年10月19日 | Истари комикс | Твоє iмя | [142][144] |
オランダ | 2017年11月2日 | |||
ドイツ | 2018年1月11日 | Universum Film |
アジア
- 台湾
- 2016年10月21日公開。これに先立ち、10月14日から16日までの3日間、先行上映会が行われた[145]。
- 公開1週目の週末興行ランキングで第1位を獲得[146]。また、10月31日にはそれまで日本映画歴代首位だった『リング』の台北での興行収入1億6200万台湾ドルを超え、歴代日本映画興行収入第1位を達成[147]。最終興収は2億5000万台湾ドルを超えた[148]。
- タイ
- 2016年11月10日公開。10月6日公開予定だったが11月10日に延期された[要出典]。週末4日間で約7000万円の興行収入で、週末興行ランキング1位を獲得[149]。その後、興行収入は4,000万バーツを超え、これまで最高だった『STAND BY ME ドラえもん』の3,956万バーツを抜いて日本映画の興行収入第1位となっている[150]。
- 香港 (中国)
- 2016年11月11日公開。週末3日間で約8600万円の興行収入で、週末興行ランキング1位を獲得[149]。さらに12月4日時点で2,500万香港ドルを超え、『STAND BY ME ドラえもん』の4600万香港ドルに次いで日本のアニメ映画の香港での興行収入第2位となった[151]。
- 中国
- 2016年12月2日公開。公開日は「君の名は。」の公式ウェイボーで公表された[132]。日本公開からわずか3か月余という異例の早期公開に至った背景には、韓国のTHAAD配備を巡る中韓関係のかげりによる反動や、頭打ちの中国映画市場を促進させる思惑など、諸々の政治的事情があるとの見方もある[152][153]。また、中国で公開される外国映画は、政治的な理由や青少年への教育上の配慮という理由で部分的にカットされることがあるが、日本的な神社にまつわるシーンや下着が見えるシーンを含め、本作はノーカット上映されている[154]。
- 日本映画史上最大規模の約7千スクリーン(延べ6万7823スクリーン)で上映[155][152]。公開3日間の累計興行収入は2.8億元(約42億5500万円)で、これまで最高だった『STAND BY ME ドラえもん』の2.3億元を上回り、日本映画の新記録を達成した[156]。週末興行ランキング1位を獲得[155]。その後、興行収入総額ベースでも『STAND BY ME ドラえもん』の5.3億元を抜き、日本映画の新記録を達成している[157]。その後、2017年明けの時点で5.6億元に達し、2016年に爆発的ヒットした中国アニメ「大魚海棠」をも抜いて、2Dアニメとしては、中国で公開された作品の記録を更新した[158]。
- 2017年2月2日に国内上映は終了し、最終興収は5億7662万4000元(約95億円)となった[159]。
- 韓国
- 初日の興収は約10億ウォン(約1億円)で、13万8000人を動員し、『ハウルの動く城』以来13年ぶりの快挙となる初日の興行収入・観客動員数で1位デビューを果たした[160][161]。公開5日目で観客数100万人[162]、公開11日目で観客数200万人を突破した[163]。1月22日現地点で観客数302万人を記録し、『ハウルの動く城』の301万人を超え、韓国で公開された歴代日本映画の観客数第1位を達成した[164][165]。最終観客数は367万人。
ヨーロッパ・アメリカ
- アイルランドおよび イギリス
- 2016年11月18日公開。17館で上映され、週末興行収入で初登場29位[166](11月18日 - 20日、£21,910[167])。11月24日には一夜限り[166]で104館での上映が行われ、日本アニメとしては過去最多のスクリーン数により、日本アニメの1日間の興行収入の新記録となる €127,350を達成した[168]。2週目の週末興行収入は15位(11月25日 - 27日、23館)[166]。
- フランス
- 2016年12月28日よりフランス国内120館で上映[169]。2016年度劇場興行収入ランキングは163位[170]。
- イタリア
- 上映期間は1月23日から25日まで[171]と、2月9日から14日まで[172]。
- アメリカ合衆国
- 米国配給権を持つファニメーションは、アカデミー賞のノミネート条件(ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上の期間有料で公開)を満たすために2016年12月2日から一週間のみロサンゼルスの映画館Laemmle Music Hallで公開する予定であると報じられ[173]、限定公開されたが、ノミネート自体は逃した[174]。
- 全米公開は「Your name.」という題で、現地時間2017年4月7日からとなる。また一部劇場では、これに合わせてRADWIMPS・野田洋次郎が新たに英語に書き下ろした主題歌4曲を収録する英語主題歌版が上映されることも決定している(それに先駆け、日本でも一部劇場で1月28日より2週間限定で字幕付きの英語主題歌版が公開される)[175]。4月8日の封切り週末の興行収入は、290館の上映で約164万ドル(1億8000万円)で13位となった[176]。2017年の最終興行収入は501万7246ドル(約5億6000万円)で、同年に公開されたアニメ映画の興収1位となった[177]。
評価
- イギリス
- 以下の雑誌でいずれも星5の最高評価を得ている。
- ガーディアン - 「目がくらむほどの“体いれかわりロマンス”。新海誠監督は日本アニメ界の新たなキングであるという評価を確立した。」[178]
- エンパイア - 「新海誠。この名前に慣れておくべきである。このクレイジーな世の中に少しでも正義があるなら、今後 数年の間に、日本アニメ界の偉人である宮崎駿と同等の評価を彼は得るだろう。」[179]
- デイリー・テレグラフ - 「笑ってしまうほど美しい」[180]
- アメリカ
- indieWire誌のデーヴィッド・アーリッヒが「新海誠のアニメはオスカー騒ぎを起こすに値するほど衝撃的である」と語っており、「B」と評価している[181]。
- COMICBOOK誌のミーガン・ピーターズが「そこのけピクサー、来年のオスカーは強敵がいる」と語っている[182]。
- 映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには80件のレビューがあり、批評家支持率は98パーセント、平均点は10点満点で8.2点となっている[183]。
- Metacriticには25件のレビューがあり、加重平均値は79/100となっている[184]。
- ル・モンド - 「類い稀なすれ違いの物語を通して思春期の若者の心を描写。見逃せない」。評価 星4(星5満点)[187]。
- カイエ・デュ・シネマ - 「これまで知られていなかったシネアストにやっと正統的な認知をもたらす」。評価 星5(星5満点)。
- 香港
- 評価 星4.5(星5満点)[188]。
音楽
新海は、本作の音楽をRADWIMPSへ依頼したことについて、自身の公式サイトで「実現の可能性を考えもせずRADWIMPSが好きだと答えました」と明かした。「新たな挑戦を求めていた」RADWIMPSがこれに応じ、劇伴を含む全音楽を手がける運びとなった[23]。「曲を聴いた上で作りたいシーンがいくつかある」という新海の要望を受け、RADWIMPSは制作初期から作品に携わり、新曲「前前前世」(ぜんぜんぜんせ)を含む20曲以上を作り上げた[1]。同曲も含め、採用された主題歌は以下の4曲。
- 「夢灯籠」 - オープニング
- 「前前前世 (movie ver.)」
- 「スパークル (movie ver.)」
- 「なんでもないや (movie edit. + movie ver.)」 - ラストシーンおよびエンディング(CDでは2曲に分かれている)
これらの主題歌と劇伴22曲を収録したアルバム『君の名は。』は、2016年8月24日にEMI RECORDSから発売された[189]。発売初週に5.8万枚、2週目に3.9万枚を売り上げ、オリコン週間アルバムランキングで2週連続1位を獲得した[190]。2016年11月23日に発売されたRADWIMPSのアルバム『人間開花』には、「前前前世 (original ver.)」と「スパークル (original ver.)」の2曲が収録され、また初回限定版に付録のDVDには『君の名は。』映画本編に新規カットを加えて構成された「スパークル (original ver.)」のPVが収録されている。 2017年1月には、同年4月に始まる全米公開に合わせて新たに英語に書き下ろされた主題歌4曲を『君の名は。English edition』として1月27日にデジタル版配信、2月22日にCD発売が決定した。また、これら4曲を含む「Your Name.版」として、『Your name.(deluxe edition / Original Motion Picture Soundtrack)』がUS盤で3月10日に発売されることも決定した[175]。
作品の舞台(聖地)
公開後、モデルとなった場所にファンが訪れる、いわゆる「聖地巡礼」が話題となり、各地でそれに合わせた取り組みが行われている。本作の製作委員会も「聖地」の近隣住民から騒音等の苦情があることを発表し、ファンに節度ある行動を求めている[191][192]。2016年ユーキャン新語・流行語大賞では、「聖地巡礼」がトップテンに選出された[193]。同受賞趣旨では、本作における聖地巡礼の流行が話題となったことに言及されている[194]。
岐阜県(飛騨地方)
- 本作の主要な舞台となる「糸守町」は飛騨地方に位置する架空の土地であるが、公開前から新海は「飛騨地方をイメージに据えた」と公言しており、公開当初から岐阜県飛騨市とのタイアップによるプロモーション活動が行われた[195]。
- 飛騨市観光協会では巡礼コースの紹介を公式サイトで行っている[196]。また、飛騨市古川町では、40もの商店にて、映画の半券で特典のあるクーポン機能を実施していたほか、映画に実名で登場する同市の宮川タクシーや、同市神岡町の濃飛タクシーは聖地巡礼コースを販売している[197]。
- 飛騨市では2016年12月提出の補正予算において、商工観光部によるタイアップ事業(濃飛バスの高速バスへのラッピング、巡礼地マップの制作、今後の上映会開催)や、教育委員会による企画展開催(長野県小海町にて2016年に開催されたものを誘致)の費用を計上した[198]。
- 長野県の小海町高原美術館に続き、飛騨市美術館にて、2017年1月7日から2月19日までの期間、映画の企画書や絵コンテ、設定資料などが出品された、「『君の名は。』展」が開催された[199]。
- 本編中で瀧達が糸守について調べた図書館のモデルとなった飛騨市図書館[196][200]では撮影禁止ではなく、カウンターで許可を得た上でほかの利用者の顔が識別できないように撮影してほしいと呼びかけ聖地巡礼に理解を求めた[201]。
- 本編中には「中部電力糸守変電所」が登場するが、中部電力は「そのような施設は実在せず、フィクションとして楽しんでほしい」という趣旨の声明を発表している[202]。
- 飛騨地方には映画館がないため「聖地」とされる飛騨地方の住民は地方から出なければ本作を見ることができない。これを受け、2016年11月6日には飛騨市文化交流センターにて飛騨市では初めての上映が行われる運びとなった。この上映会は定員の都合で鑑賞出来なかった市民が多かったために同年12月11日にも開催された[203][204]。
- JR東海は、本作の1シーン(飛騨古川駅)の絵柄を使用したコラボTOICAを予約限定で販売。2017年1月30日より予約を開始し、同年4月中旬より配送が開始された[205][206][207][208]。
長野県
- 新海は、自身の中での糸守湖の最初期のイメージを自身の出身地である長野県小海町の松原湖と大月湖である、とツイッターで述べている[209]。
- 松原湖近くの小海町高原美術館にて、2016年10月23日から12月25日までの期間、映画の企画書や絵コンテ、設定資料などが出品された、「『君の名は。』展」と称する企画展が行われた[209]。
東京都
- 映画のキービジュアルや本編ラストシーンで三葉と瀧が再会するシーンでは、東京都新宿区の須賀神社の参道にある石段が登場し(本編でも傍らの石柱に「須賀神社」の文字が見える[210])、多数のファンが訪れ[211]、階段で写真を撮る人の行列が10-20人と並ぶ程であった[20]。
- 本編中では四ツ谷駅(瀧の自宅最寄駅)、千駄ヶ谷駅(大人になった三葉が再会時に下車した駅)、代々木駅(三葉が中学生の瀧を見つけた駅、大人になった瀧が三葉を一瞬見かける駅)、新宿駅(瀧の高校最寄駅、大人になった瀧が再会時に下車した駅)、北参道駅(大人になった三葉の自宅最寄駅)が登場する。また、信濃町駅前の歩道橋や明治神宮外苑の聖徳記念絵画館、西武新宿駅前の大型街頭ビジョン、新宿警察署裏交差点なども登場する[212]。新海の過去作品でも度々登場するNTTドコモ代々木ビル(ドコモタワー)は、本作でも東京の風景の一つとして描かれている[213]。
- 本編中で瀧がアルバイトをしているレストラン「IL GIARDINO DELLE PAROLE」(イタリア語で「言の葉の庭」を意味する)は、新宿にあるレストラン「カフェ ラ・ボエム 新宿御苑」がモデルとなっている[214]。
- 瀧が通学している神宮高等学校は、新宿駅が最寄の東京都立新宿高等学校がモデルとされている(但し、外観のみ)。
秋田県
- 本編中で三葉が列車に乗るシーンで、ほんの一瞬だけ登場する駅舎の三角屋根や周囲の風景、単線のカーブの様子が秋田内陸縦貫鉄道の前田南駅に酷似していると話題になり[215]、秋田内陸縦貫鉄道では2016年10月7日から11月6日までの期間、急行「もりよし」の下り1本を同駅に臨時停車させたほか、駅の待合室内に訪問者向けのノートを設置した[216]。
著作権侵害の被害
個人による著作権侵害
ツイッターにて、本作の本編映像が違法にアップロードされた外部サイトへのリンクが拡散されており、製作委員会は従来の広報用アカウントとは異なる注意喚起用のアカウントを新たに開設した。このような動画へのリンクをつぶやいたアカウントに対して「このURLは違法にアップロードされた動画へのリンクです。即刻、当該ツイートを削除してください」と警告を行っている。東宝がツイッター上でこうした取り組みをするのは初めてのこと[217]。
2016年11月4日には、ファイル共有ソフトを用いて本作をインターネット上に無断で公開したとして、著作権法違反の疑いで神奈川県藤沢市の54歳の男性が書類送検された[218]。11月24日にも、同様の行為で沖縄県那覇市の36歳の男性が書類送検された[219]。
「Everfilter」問題
2016年12月3日、「TopBuzz Japan」を名乗る組織がスマートフォン向け写真加工アプリ・Webコンテンツ[220]「Everfilter」を公開した。このコンテンツは、スマートフォンで撮影した風景画像を簡単にアニメ風に加工できるというもので、アプリはApp StoreやGoogle Playにて無料で世界各地に公開されていた[221]。同アプリ説明には「君の名は」などと書かれ、本作の映像や音楽を用いたPR動画も公開されていた。しかし、本作や『秒速5センチメートル』に出てくる背景美術が同コンテンツでそのまま使用されているのではないかとの指摘が相次いだところ、運営元は4日に公式ツイッターアカウントで著作権侵害を認めて謝罪[222]、6日には全てのコンテンツの公開を中止した[223][224]。
受賞・ノミネート
賞 | ノミネート対象 | 結果 | |
---|---|---|---|
第20回文化庁メディア芸術祭[225] | アニメーション部門 大賞 | 君の名は。 | 受賞 |
第34回ゴールデングロス賞[226] | 日本映画部門 最優秀・金賞 | 君の名は。 | 受賞 |
日本映画部門 全興連ビックリ賞 | 君の名は。 | 受賞 | |
第40回日本アカデミー賞[227][228] | 優秀アニメーション作品賞 | 君の名は。 | 受賞 |
優秀監督賞 | 新海誠 | 受賞 | |
最優秀脚本賞 | 新海誠 | 受賞 | |
最優秀音楽賞 | RADWIMPS | 受賞 | |
話題賞(作品部門) | 君の名は。 | 受賞 | |
第59回ブルーリボン賞[229][230] | 作品賞 | 君の名は。 | ノミネート |
監督賞 | 新海誠 | ノミネート | |
特別賞 | 君の名は。 | 受賞 | |
第71回毎日映画コンクール[231] | アニメーション映画賞 | 君の名は。 | 受賞 |
TSUTAYA×Filmarks映画ファン賞日本映画部門 | 君の名は。 | 受賞 | |
音楽賞 | RADWIMPS | ノミネート | |
第41回報知映画賞[232] | 特別賞 | 君の名は。 | 受賞 |
作品賞・邦画 | 君の名は。 | ノミネート | |
監督賞 | 新海誠 | ノミネート | |
第29回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞[233] | 作品賞 | 君の名は。 | ノミネート |
監督賞 | 新海誠 | 受賞 | |
石原裕次郎賞 | 君の名は。 | ノミネート | |
第26回東京スポーツ映画大賞[234] | 監督賞 | 新海誠 | ノミネート |
第40回山路ふみ子映画賞[235] | 山路ふみ子文化賞 | 新海誠 | 受賞 |
第19回シナリオ作家協会 菊島隆三賞[236] | 菊島隆三賞 | 君の名は。 (新海誠) | ノミネート |
第21回新藤兼人賞[237] | プロデューサー賞 | 川口典孝 | 受賞 |
2017年エランドール賞[238] | プロデューサー賞(田中友幸基金賞)奨励賞 | 川口典孝 | 受賞 |
第12回渡辺晋賞[239] | 特別賞 | 川村元気 | 受賞 |
第36回藤本賞[240] | 藤本賞 | 新海誠 川口典孝 古澤佳寛 川村元気 |
受賞 |
第26回日本映画批評家大賞[241] | アニメ部門 監督賞 | 新海誠 | 受賞 |
東京アニメアワードフェスティバル 2017[242] | アニメ オブ ザ イヤー部門 監督・演出賞 | 新海誠 | 受賞 |
第29回東京国際映画祭[243] | ARIGATO賞 | 新海誠 | 受賞 |
第58回日本レコード大賞[244] | 特別賞 | RADWIMPS | 受賞 |
第90回キネマ旬報ベスト・テン[245] | 読者選出日本映画ベスト・テン | 君の名は。 | 4位 |
第38回ヨコハマ映画祭[246] | 日本映画ベストテン | 君の名は。 | 10位 |
FILMARKS AWARDS 2016[247] | 総合ベストテン | 君の名は。 | 1位 |
邦画編ベストテン | 君の名は。 | 1位 | |
ぴあ映画生活ユーザー大賞2016[248] | 2016年映画ベスト10 | 君の名は。 | 2位 |
SUGOI JAPAN Award 2017[249] | エンタメ小説部門 | 小説 君の名は。 | 1位 |
みんなが選んだカドフェス杯2016 | 総合部門 | 小説 君の名は。 | 1位 |
2016年に公開・上映されたアニメ作品(アニメ!アニメ!) | 劇場・イベント上映部門 | 君の名は。 | 1位 |
VFX-JAPANアワード2017[250] | 劇場公開アニメーション映画部門 最優秀賞 | 君の名は。 | 受賞 |
2016年ユーキャン新語・流行語大賞[251] | 候補語 | 君の名は。 | ノミネート |
2016年ヒット商品番付(SMBCコンサルティング)[252] | 東大関 | 君の名は。 | 受賞 |
2016年ヒット商品番付(日経MJ)[253] | 西横綱 | 君の名は。 | 受賞 |
2016年ヒット番付(日経エンタテインメント!)[254] | 東横綱 | 君の名は。 | 受賞 |
ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2016(日経エンタテインメント!)[255] | グランプリ | 新海誠 | 受賞 |
デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'16/第22回AMDアワード[256] | 優秀賞 | 君の名は。 | 受賞 |
ベストチーム・オブ・ザ・イヤー 2016[257] | 優秀賞 | 君の名は。チーム | 受賞 |
ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017[258] | 大賞 | 弭間友子 | 受賞 |
第7回ロケーションジャパン大賞[259] | 特別賞(支持率部門) | 君の名は。×岐阜県飛驒市 | 受賞 |
第9回CDショップ大賞2017[260] | 入賞 | 君の名は。 (RADWIMPS) | 受賞 |
第10回日本ブルーレイ大賞[261] | グランプリ | 君の名は。 | 受賞 |
カテゴリー部門 アニメ賞(邦画) | 君の名は。 | 受賞 | |
Yahoo!検索大賞2016[262] | 映画部門賞 | 君の名は。 | 受賞 |
YouTube Rewind 2016[263] | トップトレンド動画(日本) | 君の名は。予告 | 1位 |
第21回日本インターネット映画大賞 | 日本映画部門 作品賞(ベストテン) | 君の名は。 | 3位 |
日本映画部門 音楽賞 | 君の名は。 (RADWIMPS) | 受賞 | |
第11回声優アワード[264] | シナジー賞 | 君の名は。 | 受賞 |
主演男優賞 | 神木隆之介 | 受賞 | |
主演女優賞 | 上白石萌音 | 受賞 | |
ニュータイプアニメアワード 2015-2016[265] | 作品賞(劇場上映部門) | 君の名は。 | 1位 |
主題歌賞 | 前前前世 (RADWIMPS) | 2位 | |
サウンド賞(劇伴) | 君の名は。 (RADWIMPS) | 2位 | |
監督賞 | 新海誠 | 3位 | |
第1回アニものづくりアワード[266] | 総合グランプリ | サントリー天然水×君の名は。 | 受賞 |
アニメーションCM部門 金賞 | サントリー天然水×君の名は。 | 受賞 | |
コンテンツコラボ部門 銀賞 | サントリー天然水×君の名は。 | 受賞 |
日本アカデミー賞での優秀監督賞、最優秀脚本賞受賞はアニメ作品としては史上初となる[267]。
賞 | ノミネート対象 | 結果 | |
---|---|---|---|
第44回アニー賞[268][269] | 長編インディペンデント作品賞 | 君の名は。 | ノミネート |
監督賞 | 新海誠 | ノミネート | |
第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭[270][271] | アニメーション部門 最優秀長編作品賞 | 君の名は。 | 受賞 |
第60回BFIロンドン映画祭[271] | 公式コンペティション | 君の名は。 | ノミネート |
第36回ブリュッセル・アニメーション映画祭[272] | 観客賞(最優秀長編アニメーション賞) | 君の名は。 | 受賞 |
第18回プチョン国際アニメーション映画祭[273] | 長編コンペティション部門 優秀賞 | 君の名は。 | 受賞 |
長編コンペティション部門 観客賞 | 君の名は。 | 受賞 | |
第22回エンパイア賞 | 最優秀アニメーション賞 | 君の名は。 | ノミネート |
第21回サテライト賞[274] | 最優秀アニメ映画賞 | 君の名は。 | ノミネート |
第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞[275] | アニメ映画賞 | 君の名は。 | 受賞 |
第13回女性映画批評家協会賞[276] | BEST ANIMATED FEMALE | 君の名は。 | ノミネート |
第14回国際シネフィル協会賞 | アニメーション賞 | 君の名は。 | ノミネート |
第11回アジア・フィルム・アワード[277] | 脚本賞 | 新海誠 | ノミネート |
CARTOON ON THE BAY PULCINELLA AWARDS 2017[278] | 最優秀監督賞 | 新海誠 | 受賞 |
最優秀脚本賞 | 新海誠 | 受賞 | |
スタジオオブザイヤー | コミックス・ウェーブ・フィルム | 受賞 | |
Japan Expo Awards 2017[279] | アニメ部門 Darumaアニメ大賞 | 君の名は。 | 受賞 |
アニメ部門 脚本Daruma賞 | 君の名は。 | 受賞 | |
アニメ部門 制作Daruma賞 | 君の名は。 | 受賞 | |
アニメ部門 サウンドトラックDaruma賞 | 君の名は。 | 受賞 | |
アニメ部門 映画/OVA Daruma賞(一般投票) | 君の名は。 | 受賞 | |
Crunchyrollアニメアワード | アニメ映画賞 | 君の名は。 | 受賞 |
BBC選出2016年ベスト映画トップ10[280] | ベスト映画トップ10 | 君の名は。 | 10位 |
そのほか、第89回アカデミー賞長編アニメ映画賞にエントリーされたが、本選ノミネートはされなかった[281]。
メディアミックス
君の名は。 -Your Name.- | |
---|---|
ジャンル | 青春、ファンタジー |
小説:君の名は。(角川文庫) | |
著者 | 新海誠 |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 角川文庫 |
巻数 | 単巻 |
小説:君の名は。(角川つばさ文庫) | |
著者 | 新海誠 |
イラスト | ちーこ |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | 角川つばさ文庫 |
巻数 | 単巻 |
小説:君の名は。 Another Side: Earthbound | |
著者 | 加納新太 |
イラスト | 田中将賀(カバー) 朝日川日和(口絵・本文) |
出版社 | KADOKAWA |
レーベル | スニーカー文庫 |
巻数 | 単巻 |
漫画:君の名は。 | |
原作・原案など | 新海誠 |
作画 | 琴音らんまる |
出版社 | KADOKAWA メディアファクトリー |
掲載誌 | 月刊コミックアライブ |
レーベル | MFコミックスアライブシリーズ |
巻数 | 全3巻 |
漫画:君の名は。 Another Side: Earthbound | |
原作・原案など | 新海誠(原案) 加納新太(原作) |
作画 | 中村ジュンヤ |
出版社 | Cygames(連載誌) KADOKAWA メディアファクトリー(単行本) |
掲載誌 | サイコミ |
レーベル | MFコミックスアライブシリーズ |
発表期間 | 2017年7月25日 - |
巻数 | 既刊1巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル |
ポータル | 文学 |
小説
- 『小説 君の名は。』(角川文庫)
- 映画の公開より2か月早く発売された小説版。著者は新海誠。出版社の作品紹介文では「原作小説」とされているが[13]、脚本の完成後、映画の制作も終盤になってから執筆されたもので[14]新海自身は「小説版」「映画のノベライズ」「どちらが原作なのかと問われると微妙なところ」と、そのあとがきで書いている[15]。映画と大きな差異はない[16]が、瀧と三葉の1人称で語られるため二人とも不在であるシーンについては記述がない。2016年6月18日発売。また、2018年8月28日から原作小説をオーディオブック化したAudible版が配信されている。朗読は朴璐美が担当しており、方言監修には映画と同じくかとう有花が起用されている[282]。ISBN 978-4-04-102622-9
- 2016年10月20日に累積売上部数が100万部を突破したことが明らかとなった[283]。2016年推定売上部数文庫部門年間1位(オリコン調べ)[18]。2016年12月、世界22ヵ国にて刊行が決定した[284]。
- 『君の名は。』(角川つばさ文庫)
- 角川文庫版にふりがなをつけ、子どもにも読みやすいようにした児童文庫。著者は新海誠。挿絵はちーこ。2016年8月15日発売。ISBN 978-4-04-631641-7。
- 『君の名は。 Another Side: Earthbound』(角川スニーカー文庫)
- 外伝小説。瀧、勅使河原、四葉、俊樹(町長)の視点から描いた短編4話。著者は加納新太。カバーイラストは田中将賀。口絵・本文イラストは朝日川日和。2016年8月1日発売。また、2018年12月6日より原作小説をオーディオブック化したAudible版が配信されている。朗読は第一話から第三話までを上白石萌音が、第四話を大原さやかが担当している[282]。ISBN 978-4-04-104659-3。
漫画
- 『君の名は。』(アライブコミックス)
- 雑誌『月刊コミックアライブ』で連載されたコミカライズ版。作画は琴音らんまる[285]。一部の登場人物の設定変更や漫画オリジナルのエピソードも若干あるが、全体のストーリーは映画と変わらない。
- 1巻 2016年8月23日発売、ISBN 978-4-04-068509-0
- 2巻 2016年12月23日発売、ISBN 978-4-04-068591-5
- 3巻 2017年4月22日発売、ISBN 978-4-04-069170-1
- 『君の名は。 Another Side: Earthbound』
- 無料マンガ配信サービス『サイコミ』(Cygames)で連載されている外伝小説のコミカライズ。作画は中村ジュンヤ[286]。
- 1巻 2018年2月23日発売、ISBN 978-4-04-069649-2
映像ソフト
発売形態
2017年7月26日に、Blu-rayは「コレクターズ・エディション」、「スペシャル・エディション」、「スタンダード・エディション」の3形態、DVDは「スタンダード・エディション」のみ1形態の、全4形態で発売された[287]。
形態 | 品番 | 本編ディスク | 特典ディスク | 封入特典 | |
---|---|---|---|---|---|
Blu-ray | コレクターズ・エディション | TBR27260D | 4K Ultra HD Blu-ray Blu-ray 計2枚 |
Blu-ray 計3枚 | 縮刷版台本 ブックレット(100ページ) ミニキャラシール |
スペシャル・エディション | TBR27261D | Blu-ray 1枚 | Blu-ray 計2枚 | ブックレット(100ページ) ミニキャラシール | |
スタンダード・エディション | TBR27262D | Blu-ray 1枚 | なし | ミニキャラシール | |
DVD | スタンダード・エディション | TDV27263D | DVD 1枚 | なし | ミニキャラシール |
また、先着予約特典として、キャストとRADWIMPSのお気に入りのシーンからセレクトされた全34種の特製フィルムしおりのうち、1種がランダムで付属した。
映像特典内容
収録ディスク | 収録内容 | 収録時間 | 収録形態 |
---|---|---|---|
本編ディスク | 映画公開記念特番「新海誠・日本中がこの才能に恋をする。」 英語主題歌版本編 プロモーション映像集(特報・予告・TVスポットなど) 新海誠監督フィルモグラフィ |
本編107分+特典46分 | コレクターズ・エディション スペシャル・エディション スタンダード・エディション |
特典ディスク1 | ビデオコンテ 「君の名は。」メイキングドキュメンタリー |
188分 | コレクターズ・エディション スペシャル・エディション |
特典ディスク2 | ビジュアルコメンタリー(神木隆之介・上白石萌音・RADWIMPS) 未使用音声クリップ ノンテロップ・オープニング サントリー天然水 CM スパークル [original ver.] -Your name. Music Video edition- |
124分 | コレクターズ・エディション スペシャル・エディション |
特典ディスク3 | 「君の名は。」の物語〜現代の物語の役割〜 新海誠監督講演映像 イベント記録映像集 |
204分 | コレクターズ・エディション |
チャート成績
発売初週にBlu-rayは、「スタンダード・エディション」が20.2万枚、「コレクターズ・エディション」が12.6万枚、「スペシャル・エディション」が9.4万枚売り上げ、8月7日付週間Blu-ray総合ランキングで1〜3位を独占した。 また、DVDの「スタンダード・エディション」も21.6万枚売り上げ、8月7日付週間DVD総合ランキングで1位を獲得した。
週間Blu-ray総合ランキング | 週間DVD総合ランキング | |||
---|---|---|---|---|
コレクターズ・ エディション |
スペシャル・ エディション |
スタンダード・ エディション |
スタンダード・ エディション | |
1週目 (7月24日-30日集計、8月7日付)[288] | 2位 | 3位 | 1位 | 1位 |
2週目 (7月31日-8月6日集計、8月14日付)[289] | 8位 | 7位 | 2位 | 1位 |
3週目 (8月7日-13日集計、8月21日付)[290] | 6位 | 5位 | 2位 | 1位 |
4週目 (8月14日-20日集計、8月28日付)[291] | 11位 | 10位 | 2位 | 1位 |
また、TSUTAYA店舗におけるレンタル回数での初月実績(4週間集計)において、日本映画ジャンル歴代1位を記録[292]、週間レンタルランキングでは、10週連続で1位を獲得した[293]。TSUTAYA2017年間ランキング(全国TSUTAYA調べ)では、レンタル・セルともに総合1位を獲得した[294]。
テレビ放送
- 2017年11月4日、WOWOWシネマにてテレビ初放送された[295]。当日は「『君の名は。』TV初放送!新海誠監督の世界」と題し、新海誠監督へのインタビューを中心とした特別番組「『君の名は。』と新海誠が描く世界」、過去作『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』の放送も行われた。
- 2018年1月3日、テレビ朝日系列にて21:00 - 23:07(JST)に地上波初放送された[296]。上白石萌音がPRナレーションを担当し、エンディングでは新海誠監督自ら編集した特別なエンドロールが流された。平均視聴率は17.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)[297]。総合視聴率は26.3%で「映画」ジャンル過去最高を記録した(2016年10月以降の統計)[298]。
放送地域 | 放送局 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|
日本全域 | WOWOWシネマ | 2017年11月4日 土曜 20:00 - 22:00 | BS放送 | |
WOWOWプライム | 2017年11月5日 日曜 12:30 - 14:00 | |||
関東広域圏 | テレビ朝日 | 2018年1月3日 水曜 21:00 - 23:07 | テレビ朝日系列 | |
北海道 | 北海道テレビ | |||
青森県 | 青森朝日放送 | |||
岩手県 | 岩手朝日テレビ | |||
宮城県 | 東日本放送 | |||
秋田県 | 秋田朝日放送 | |||
山形県 | 山形テレビ | |||
福島県 | 福島放送 | |||
新潟県 | 新潟テレビ21 | |||
長野県 | 長野朝日放送 | |||
静岡県 | 静岡朝日テレビ | |||
石川県 | 北陸朝日放送 | |||
中京広域圏 | メ〜テレ | |||
近畿広域圏 | 朝日放送 | |||
広島県 | 広島ホームテレビ | |||
山口県 | 山口朝日放送 | |||
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送 | |||
愛媛県 | 愛媛朝日テレビ | |||
福岡県 | 九州朝日放送 | |||
長崎県 | 長崎文化放送 | |||
熊本県 | 熊本朝日放送 | |||
大分県 | 大分朝日放送 | |||
鹿児島県 | 鹿児島放送 | |||
沖縄県 | 琉球朝日放送 | |||
高知県 | 高知放送 | 2018年1月7日 日曜 13:30 - 15:40 | 日本テレビ系列 | |
宮崎県 | テレビ宮崎 | 2018年1月8日 月曜 21:00 - 23:10 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
鳥取県・島根県 | 山陰放送 | 2018年1月10日 水曜 19:50 - 21:57 | TBS系列 | |
富山県 | 北日本放送 | 2018年1月13日 土曜 13:15 - 15:25 | 日本テレビ系列 | |
福井県 | 福井放送 | 2018年1月13日 土曜 14:25 - 16:35 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
脚注
注釈
- ^ 新海は107分と述べている[3]。一方、映画情報や映画館のWebサイトでは106分とする記述もみられる[4][5]。
- ^ 映画の設定上、瀧の家は新宿区若葉にある[21]。ただし、加納新太による外伝小説では千代田区六番町となっている[22]。
- ^ 飛騨地方という設定ではあるが完全に架空の町で、実在の町をモデルにはしていない。
- ^ この言葉はあくまで本作における造語であり、実際に方言として使われている地域はない。なお、この言葉は黄昏の別称である「彼は誰(かはたれ)時」(ユキちゃん先生曰く「糸守には多くの万葉言葉が残っている」)と、ティアマト彗星の「片割れ」を掛けた言葉遊びだと言える。カタワレ時の表記において、小説版やスピンオフ作品のAnother Side-earthbound で片割れ時と表記されることもあるのはこのためである。
- ^ 中央線(快速)に乗る瀧は新宿駅、中央・総武線(各駅停車)に乗る三葉は千駄ケ谷駅がそれぞれ次駅であった。
- ^ 前作『言の葉の庭』のイタリア語版タイトル
- ^ a b c d e 作中中盤の糸守町の犠牲者名簿より
- ^ 三葉はハリネズミグッズを集めており、劇中でも筆箱やスマホケース、カバンのストラップや奥寺ミキへの刺繡など、いたるところでハリネズミが散見される。なお、大人になった三葉の部屋や玄関先にも、ハリネズミのぬいぐるみが見られる。
- ^ 外伝小説のコミカライズ版では、「美しい記憶だけ残して、全部壊してしまいたくなる」と述べている。
- ^ 町にカフェが無いことを嘆く三葉と早耶香のために、カフェを作り始めた。
- ^ a b ファンからの指摘に新海監督は「テッシーとサヤちんの造形は、おっしゃる通り拙作『小説 言の葉の庭』7話からの発想でした。『君の名は。』と『言の葉の庭』の間に大きなジャンプがあるとのご意見もよくいただきますが、僕としては『小説 言の葉の庭』がその間をつないでいます。」とTwitterで発言している。shinkaimakotoのツイート(771731688812519424)
- ^ DVDとBlu-rayの視覚障害者向けのナレーションでは「古典の先生」と紹介されている。
- ^ 息子の勅使河原克彦は「腐敗の臭いがする」と苦言を呈している
- ^ 方言監修を兼任
- ^ 元は糸守出身で、瀧を廃墟と化した糸守町へ案内したり、御神体への山道へ送るなど、劇中において重要な役割を果たしている。
- ^ 劇中で名前は出ないが、DVD・Blu-rayで「字幕設定」を「日本語字幕」に設定して鑑賞すると名前が確認できる。松本のみ原作小説で名前が記されている。ちなみに、レストランでバイトをしている三葉(身体は瀧)に「ピザに爪楊枝が刺さっている。」と、自作自演のクレームをつけるヤクザ風の男は「山本」である。他にレストランの従業員の名前も確認できる。
- ^ a b 日本語に訳すと「目を閉じてあなたの名前の夢を見る 」となり、原題「君の名は。」とは題意が異なる。
出典
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- ^ “【オリコン】『君の名は。』BD作品初、3週連続で3作同時TOP10”. ORICON NEWS. (2017年8月16日) 2017年8月25日閲覧。
- ^ “【オリコン】『君の名は。』DVD、ポニョ以来8年ぶり4週連続1位 アニメ映画好調続く”. ORICON NEWS. (2017年8月23日) 2017年8月25日閲覧。
- ^ “『君の名は。』15年ぶり記録更新!TSUTAYA初月レンタル邦画歴代1位”. シネマトゥデイ. (2017年9月6日) 2017年10月18日閲覧。
- ^ “『君の名は。』V10!矢口史靖監督新作が2位に浮上”. シネマトゥデイ. (2017年10月3日) 2017年10月6日閲覧。
- ^ “TSUTAYA 2017年間ランキング”. TSUTAYA. (2017年12月14日) 2018年1月22日閲覧。
- ^ “「君の名は。」WOWOWでテレビ初放送、新海誠の過去作や特別番組も”. 映画ナタリー. (2017年9月16日) 2017年12月8日閲覧。
- ^ “「君の名は。」1月3日に地上波初放送、新海誠が「リアルタイム感を楽しんで」”. 映画ナタリー. (2017年12月7日) 2017年12月8日閲覧。
- ^ “地上波初放送「君の名は。」高視聴率17.4%!「シン・ゴジラ」超え”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2018年1月4日) 2018年1月4日閲覧。
- ^ “『君の名は。』総合視聴率26.3%で映画ジャンル過去最高記録”. mynavi. (2018年1月12日) 2018年1月22日閲覧。
- ^ “地上波初放送で『君の名は。』現象 視聴率は17.4%”. ORICON NEWS. (2018年1月4日) 2018年1月22日閲覧。
参考文献
- 新海誠『小説 君の名は。』角川書店〈角川文庫〉、2016年6月18日。ISBN 978-4-04-102622-9。
- 加納新太『君の名は。AnotherSide:Earthbound』角川書店〈角川スニーカー文庫〉、2016年8月1日。ISBN 978-4-04-104659-3。
- 新海誠(監督)、東宝(監修)、コミックス・ウェーブ・フィルム(監修) 著、角川書店 編『新海誠監督作品 君の名は。公式ビジュアルガイド』KADOKAWA、2016年8月27日。ISBN 978-4-04-104780-4。
- 株式会社東宝ステラ 編『新海誠監督作品 君の名は。(パンフレット)』東宝株式会社映像事業部、2016年8月26日。
- 株式会社東宝ステラ 編『新海誠監督作品 君の名は。 Pamphlet vol.2 Collection of interviews』東宝株式会社映像事業部、2016年12月9日。
外部リンク
- 公式サイト
- 君の名は。 - 東宝による映画紹介ページ
- 君の名は。 - テレビ朝日 - ウェイバックマシン(2018年1月3日アーカイブ分)
- 君の名は。 (@kiminona_movie) - X(旧Twitter)
- 英字の公式サイト
- ロシア語の公式サイト
- 劇場長編アニメーション『君の名は。』 - 新海の個人サイト内のページ
- 新海誠の本 - 映画『君の名は。』公開記念 新海誠書籍特設サイト
- 君の名は。 - allcinema
- 君の名は。 - KINENOTE
- 君の名は。 - IMDb
- 君の名は。 - アニメニューズネットワークの百科事典
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