新幹線E956形電車
新幹線E956形電車 | |
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新幹線E956形電車(仙台駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 東日本旅客鉄道 |
製造所 | |
製造年 | 2019年 |
製造数 | 1編成10両 |
投入先 | 東北・北海道新幹線 |
主要諸元 | |
編成 | 10両(全車電動車) |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 交流25,000V / 50Hz(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 360km/h |
設計最高速度 | 405km/h[1] |
最高速度 | 400km/h |
起動加速度 | 1.71km/h/s[1] |
車両重量 | 496t(軸重12.4t)[1] |
主電動機 | MT945形三相かご形誘導電動機[1] |
主電動機出力 | 380kW[1] |
歯車比 | 81/33=2.45[1] |
制御装置 | CI917形[1] |
新幹線E956形電車(しんかんせんE956がたでんしゃ)は、2019年に登場した、東日本旅客鉄道(JR東日本)の新幹線高速試験車。
愛称は「ALFA-X」(アルファエックス)で「Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation」(鉄道実験における最先端の活動を行うための先進的な試験室)に由来する[2]。
概要
[編集]北海道新幹線札幌開業を視野に360km/h営業運転が可能な営業車両の開発を目的とし、2019年5月から2022年3月にかけて、400km/h走行なども含めた様々な試験を実施する。同年5月10日夜から試験を開始するにあたり、2019年5月9日に新幹線総合車両センターにて報道公開された[3]。
1 - 6号車は川崎重工業、7 - 10号車は日立製作所で製造された[4](10号車の先頭車の意匠はJR東日本と日立製作所が共同で取得している[5])。2018年12月12日に1号車の車体が川崎重工業兵庫工場で公開され[6]、2019年2月8日には10号車の車体が日立製作所笠戸事業所で公開された[4]。先端部分の「鼻」の長さが1号車は約16メートル、10号車は約22メートルあり、両端を異なる形状にしてトンネル進入時の車体への圧力などの違いを分析する[7]。中間車の2 - 9号車のうち、3・7号車は他の車両と比べて窓が小さく、5号車には客室の窓が設けられていない。これらの車両では、窓の大きさや有無による車両構造・客室内環境等の評価が行われる。8号車は客室を2つに分けた車両となり、客室環境の比較評価が行われる。走行時は先頭車・中間車の各車両に測定器等が搭載される[8]。
2020年10月27日には、報道関係者を対象にした試乗会が行われた[10]。
編成
[編集]← 東京 新潟・新青森・新函館北斗・札幌 →
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
形式 | E956 (M1c) |
E956 (M1) |
E956 (M2) |
E956 (M2) |
E956 (M1) |
E956 (M1) |
E956 (M2) |
E956 (M2s) |
E956 (M1s) |
E956 (M2c) |
S13編成番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
クラス級別 | 普通車 | グランクラス | グリーン車 | 普通車 | ||||||
定員 | 30 | 105 | 85 | 100 | 59 | 100 | 85 | 36 | 55 | 15 |
集電設備 | [◇ 1] | [◇ 2] | [◇ 3] | [◇ 4] | [◇ 3] | [◇ 2] | [◇ 1] |
集電設備の備考
-
E956-10
(10号車) -
E956-9
(9号車)【グリーン車予定】 -
E956-8
(8号車)【グランクラス予定】 -
E956-7
(7号車) -
E956-6
(6号車) -
E956-5
(5号車)【試験会議室】 -
E956-4
(4号車) -
E956-3
(3号車) -
E956-2
(2号車) -
E956-1
(1号車)
試験走行反対運動
[編集]沿線の宮城県栗原市では、試験走行の車両の通過時間帯が深夜から早朝となるため、試験走行に反対する運動が起こった。その後、栗原市議会には、ALFA-Xの深夜走行の中止を求める意見書が提出され、2019年(令和元年)10月3日の本会議で採択が行われたが反対多数で否決されている[11]。
実証実験
[編集]2021年(令和3年)1月28日、JR東日本とNTTドコモは、2020年(令和2年)10月 - 12月に、東北新幹線仙台駅 - 新青森駅間にて、時速360 km/hで走行した上で第5世代移動通信方式(以下、5G)の無線通信の実証実験を実施したことを発表した[12]。5Gでは、ドップラー効果や線路周辺の遮蔽物の影響を受けることで、通信品質が不安定になるという課題があり、NTTドコモによって、2017年(平成29年)より実証実験が進められた[12]。実証実験には、3GPP国際標準仕様に準拠した装置が用いられ、結果として、5Gでの高速通信が良好であったほか、4Kや8Kによる高精細の映像を、5Gを活用の上で安定して伝送できたとしている[12]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 第56回鉄道サイバネ・シンポジウム論文集 「JR東日本殿E956形式新幹線試験電車用主回路機器の概要」
- ^ 次世代新幹線の実現に向けた試験車両の新造について (PDF) - 東日本旅客鉄道、2017年7月4日閲覧)。
- ^ [1]-マイナビニュース、2019年5月9日閲覧
- ^ a b “新幹線試験車両を公開 日立笠戸”. 山口新聞. (2019年2月9日) 2019年2月13日閲覧。
- ^ 知的財産情報 (PDF) - 東日本旅客鉄道、2019年2月8日閲覧。
- ^ “JR東日本E956形「ALFA-X」の構体が公開される”. railf 鉄道ニュース (2018年12月12日). 2019年2月13日閲覧。
- ^ “長い「鼻」の新幹線公開 JR東日本、試験車両”. 産経新聞. (2019年2月8日) 2019年2月8日閲覧。
- ^ [2]-マイナビニュース、2019年5月9日閲覧より
- ^ 第56回鉄道サイバネ・シンポジウム論文集 「E956形新幹線試験電車用補助電源装置」(白木 直樹ほか)
- ^ 次世代新幹線 走行試験公開 最高時速360キロで営業運転目指す - 日本放送協会(NHK NEWS WEB)2020年10月28日 5時23分
- ^ “次世代新幹線の深夜試験走行 中止求める意見書否決 宮城・栗原市議会”. 河北新報 (2019年10月4日). 2019年10月6日閲覧。
- ^ a b c 『時速360kmで走行するALFA-Xで5G通信に成功 ~高速鉄道における快適なモバイル通信環境と付加価値の高い移動空間をめざして~』(PDF)(プレスリリース)NTTドコモ、東日本旅客鉄道、2021年1月28日。オリジナルの2021年1月28日時点におけるアーカイブ 。2021年1月30日閲覧。
関連項目
[編集]- 試験車
- JR東日本の新幹線高速試験電車
- 新幹線952形・953形電車 (STAR21)
- 新幹線E954形電車 (Fastech 360 S)
- 新幹線E955形電車 (Fastech 360 Z)
- 劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X ー 作中において本車両がシンカリオンとして登場する。
外部リンク
[編集]- 三菱電機『三菱電機技報』2020年1月号
- カラートピックス「E956形式新幹線高速試験電車向け主変換装置」p.12
- 一般論文「E956形式次世代新幹線高速試験電車向け補助電源装置」「E956形式次世代新幹線高速試験電車向け空調装置」pp.59 - 60
- 東洋電機製造『東洋電機技報』第143号(2021年)
- 「東日本旅客鉄道株式会社E956形式新幹線高速試験電車(新幹線専用車)用補助電源装置」(インターネットアーカイブ)
- 東芝『東芝レビュー』2020年3月
- 東日本旅客鉄道株式会社
- ウィキメディア・コモンズには、新幹線E956形電車に関するカテゴリがあります。