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1996年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1996年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
ニューヨーク・ヤンキース 4
ボルチモア・オリオールズ 1
シリーズ情報
試合日程 10月9日–13日
観客動員 5試合合計:26万1254人
1試合平均:05万2251人
MVP バーニー・ウィリアムス(NYY)
ALDS NYY 3–1 TEX
BAL 3–1 CLE
殿堂表彰者 ジョー・トーリ(NYY監督)
ウェイド・ボッグス(NYY内野手)
デレク・ジーター(NYY内野手)
ティム・レインズ(NYY外野手)
マリアノ・リベラ(NYY投手)
パット・ギリック(BAL GM)
ロベルト・アロマー(BAL内野手)
エディ・マレー(BAL指名打者)
マイク・ムッシーナ(BAL投手)
カル・リプケン・ジュニア(BAL内野手)
チーム情報
ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 15年ぶり6回目
GM ボブ・ワトソン
監督 ジョー・トーリ
シーズン成績 92勝70敗・勝率.568
東地区優勝

ボルチモア・オリオールズ(BAL)
シリーズ出場 13年ぶり8回目
GM パット・ギリック
監督 デービー・ジョンソン
シーズン成績 88勝74敗・勝率.543
東地区2位=ワイルドカード

 < 1995
ALCS
1996

1997 > 

 < 1995
NLCS
1996

1997 > 
ワールドシリーズ

1996年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月1日に開幕した。アメリカンリーグの第27回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 27th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、9日から13日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース東地区)がボルチモア・オリオールズ(同)を4勝1敗で下し、15年ぶり34回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

両球団がポストシーズンで対戦するのはこれが初めて。地区2位以下の最高勝率球団にポストシーズン出場権を与えるワイルドカード制度が1994年から導入されたことにより、地区優勝をしていない球団のリーグ優勝決定戦進出や、リーグ優勝決定戦での同地区球団対決が今回初めて実現した[1]。この年のレギュラーシーズンでは両球団は13試合対戦し、ヤンキースが10勝3敗と勝ち越していた[2]。今シリーズの第1戦、8回裏にヤンキースのデレク・ジーターが右方向へ飛球を打ち上げたところ、右翼手トニー・タラスコの上から観客がグラブを出して捕球した。右翼線審リッチ・ガルシアが観客による守備妨害を認めず本塁打と判定したためヤンキースは同点に追いつき、のちにサヨナラ勝利を収めたことから、この観客――12歳の少年ジェフリー・マイアー――はヤンキースのファンから "英雄" として持て囃された[3]シリーズMVPには、その第1戦で延長11回裏にサヨナラ本塁打を放つなど、5試合で打率.474・2本塁打・6打点OPS 1.531という成績を残したヤンキースのバーニー・ウィリアムスが選出された。このあとヤンキースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者アトランタ・ブレーブスを4勝2敗で下し、18年ぶり23度目の優勝を成し遂げた。

試合結果

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1996年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月9日に開幕し、5日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月09日(水) 第1戦 ボルチモア・オリオールズ 4-5x ニューヨーク・ヤンキース ヤンキー・スタジアム
10月10日(木) 第2戦 ボルチモア・オリオールズ 5-3 ニューヨーク・ヤンキース
10月11日(金) 第3戦 ニューヨーク・ヤンキース 5-2 ボルチモア・オリオールズ オリオール・パーク・
アット・カムデン・ヤーズ
10月12日(土) 第4戦 ニューヨーク・ヤンキース 8-4 ボルチモア・オリオールズ
10月13日(日) 第5戦 ニューヨーク・ヤンキース 6-4 ボルチモア・オリオールズ
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(4勝1敗 / 15年ぶり34度目)

第1戦 10月9日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
8回裏、デレク・ジーターのソロ本塁打でヤンキースが同点に追いつく。オリオールズ側は観客による守備妨害を主張するも認められず(4分35秒)
ヤンキースの4番手投手マリアノ・リベラが延長10回表・11回表の2イニングを無失点に封じる(59秒)
11回裏、先頭打者バーニー・ウィリアムスの本塁打でヤンキースがサヨナラ勝利(39秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R H E
ボルチモア・オリオールズ 0 1 1 1 0 1 0 0 0 0 0 4 11 1
ニューヨーク・ヤンキース 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 1x 5 11 0
  1. 勝利マリアノ・リベラ(1勝)  
  2. 敗戦ランディ・マイヤーズ(1敗)  
  3. 本塁打
    BAL:ブレイディ・アンダーソン1号ソロ、ラファエル・パルメイロ1号ソロ
    NYY:デレク・ジーター1号ソロ、バーニー・ウィリアムス1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ラリー・バーネット
    [塁審]一塁: デイル・スコット、二塁: マイク・ライリー、三塁: ダン・モリソン
    [外審]左翼: ロッキー・ロー、右翼: リッチ・ガルシア
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後4時8分 試合時間: 4時間23分 観客: 5万6495人 気温: 66°F(18.9°C)
    詳細: MLB.com / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボルチモア・オリオールズ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・アンダーソン 1 T・レインズ
2 T・ジール 2 W・ボッグス
3 R・アロマー 3 B・ウィリアムス
4 R・パルメイロ 4 T・マルティネス
5 B・ボニーヤ 5 DH C・フィルダー
6 C・リプケンJr. 6 P・オニール
7 DH E・マレー 7 M・ダンカン
8 B・サーホフ 8 J・レイリッツ
9 M・ペアレント 9 D・ジーター
先発投手 投球 先発投手 投球
S・エリクソン A・ペティット

第2戦 10月10日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
7回表、ラファエル・パルメイロの2点本塁打でオリオールズが勝ち越し(1分13秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ボルチモア・オリオールズ 0 0 2 0 0 0 2 1 0 5 10 0
ニューヨーク・ヤンキース 2 0 0 0 0 0 1 0 0 3 11 1
  1. 勝利デビッド・ウェルズ(勝)  
  2. セーブアーマンド・ベニテス(1S)  
  3. 敗戦ジェフ・ネルソン(1敗)  
  4. 本塁打
    BAL:トッド・ジール1号2ラン、ラファエル・パルメイロ1号2ラン
  5. 審判
    [球審]デイル・スコット
    [塁審]一塁: マイク・ライリー、二塁: ダン・モリソン、三塁: ロッキー・ロー
    [外審]左翼: リッチ・ガルシア、右翼: ラリー・バーネット
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後3時7分 試合時間: 4時間13分 観客: 5万8432人 気温: 58°F(14.4°C)
    詳細: MLB.com / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ボルチモア・オリオールズ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・アンダーソン 1 D・ジーター
2 T・ジール 2 T・レインズ
3 R・アロマー 3 B・ウィリアムス
4 R・パルメイロ 4 DH C・フィルダー
5 B・ボニーヤ 5 T・マルティネス
6 C・リプケンJr. 6 M・ダンカン
7 DH E・マレー 7 P・オニール
8 B・サーホフ 8 C・ヘイズ
9 C・ホイルズ 9 J・ジラルディ
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ウェルズ D・コーン

第3戦 10月11日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
8回表、ヤンキース打線が4安打に敵失も絡めて4点を奪い逆転(2分29秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 1 0 0 0 4 0 5 8 0
ボルチモア・オリオールズ 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 3 2
  1. 勝利ジミー・キー(1勝)  
  2. セーブジョン・ウェッテランド(1S)  
  3. 敗戦マイク・ムッシーナ(1敗)  
  4. 本塁打
    NYY:セシル・フィルダー1号2ラン
    BAL:トッド・ジール2号2ラン
  5. 審判
    [球審]マイク・ライリー
    [塁審]一塁: ダン・モリソン、二塁: ロッキー・ロー、三塁: リッチ・ガルシア
    [外審]左翼: ラリー・バーネット、右翼: デイル・スコット
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時7分 試合時間: 2時間50分 観客: 4万8635人 気温: 57°F(13.9°C)
    詳細: MLB.com / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ボルチモア・オリオールズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 T・レインズ 1 B・アンダーソン
2 D・ジーター 2 T・ジール
3 B・ウィリアムス 3 R・アロマー
4 T・マルティネス 4 R・パルメイロ
5 DH C・フィルダー 5 B・ボニーヤ
6 D・ストロベリー 6 C・リプケンJr.
7 M・ダンカン 7 DH E・マレー
8 C・ヘイズ 8 B・サーホフ
9 J・ジラルディ 9 C・ホイルズ
先発投手 投球 先発投手 投球
J・キー M・ムッシーナ

第4戦 10月12日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回表、バーニー・ウィリアムスの2点本塁打でヤンキースが先制(1分2秒)
ヤンキースのダリル・ストロベリーが2回表にソロ本塁打、8回表に2点本塁打を放ち3打点を挙げる(2分11秒)
2回裏、オリオールズのカル・リプケン・ジュニアが放った中前へ抜けそうな打球を、遊撃手デレク・ジーターがダイビングキャッチし遊ゴロに(55秒)
4回表、ポール・オニールの2点本塁打でヤンキースがリードを3点に広げる(55秒)
ヤンキースの4番手投手マリアノ・リベラが7回裏・8回裏の2イニングを無失点に封じる(2分29秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 2 1 0 2 0 0 0 3 0 8 9 0
ボルチモア・オリオールズ 1 0 1 2 0 0 0 0 0 4 11 0
  1. 勝利デビッド・ウェザース(1勝)  
  2. 敗戦ロッキー・コッピンガー(1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:バーニー・ウィリアムス2号2ラン、ダリル・ストロベリー1号ソロ・2号2ラン、ポール・オニール1号ソロ
    BAL:クリス・ホイルズ1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ダン・モリソン
    [塁審]一塁: ロッキー・ロー、二塁: リッチ・ガルシア、三塁: ラリー・バーネット
    [外審]左翼: デイル・スコット、右翼: マイク・ライリー
  5. 夜間試合 試合時間: 3時間45分 観客: 4万8974人 気温: 65°F(18.3°C)
    詳細: MLB.com / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ボルチモア・オリオールズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ジーター 1 B・アンダーソン
2 W・ボッグス 2 T・ジール
3 B・ウィリアムス 3 R・アロマー
4 T・マルティネス 4 R・パルメイロ
5 DH C・フィルダー 5 B・ボニーヤ
6 D・ストロベリー 6 C・リプケンJr.
7 P・オニール 7 DH P・インカビリア
8 M・ダンカン 8 M・デベロー
9 J・ジラルディ 9 C・ホイルズ
先発投手 投球 先発投手 投球
K・ロジャース R・コッピンガー

第5戦 10月13日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
3回表、セシル・フィルダーとダリル・ストロベリーの2者連続本塁打でヤンキースが4点を追加(2分13秒)
9回裏、ジョン・ウェッテランドがカル・リプケン・ジュニアを遊ゴロに打ち取り試合終了、ヤンキースのリーグ優勝が決定(2分27秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 6 0 0 0 0 0 0 6 11 0
ボルチモア・オリオールズ 0 0 0 0 0 1 0 1 2 4 4 1
  1. 勝利アンディ・ペティット(1勝)  
  2. 敗戦スコット・エリクソン(1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:ジム・レイリッツ1号ソロ、セシル・フィルダー2号3ラン、ダリル・ストロベリー3号ソロ
    BAL:トッド・ジール3号ソロ、エディ・マレー1号ソロ、ボビー・ボニーヤ1号2ラン
  4. 審判
    [球審]ロッキー・ロー
    [塁審]一塁: リッチ・ガルシア、二塁: ラリー・バーネット、三塁: デイル・スコット
    [外審]左翼: マイク・ライリー、右翼: ダン・モリソン
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後4時7分 試合時間: 2時間57分 観客: 4万8718人 気温: 77°F(25°C)
    詳細: MLB.com / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース ボルチモア・オリオールズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ジーター 1 B・アンダーソン
2 W・ボッグス 2 T・ジール
3 B・ウィリアムス 3 R・アロマー
4 T・マルティネス 4 R・パルメイロ
5 DH C・フィルダー 5 B・ボニーヤ
6 D・ストロベリー 6 C・リプケンJr.
7 P・オニール 7 DH E・マレー
8 J・レイリッツ 8 B・サーホフ
9 L・ソーホー 9 M・ペアレント
先発投手 投球 先発投手 投球
A・ペティット S・エリクソン

脚注

[編集]
  1. ^ Associated Press, "Orioles, Yankees Back At It," The Spokesman-Review, October 8, 1996. 2021年5月3日閲覧。
  2. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年5月3日閲覧。
  3. ^ Ravi Nessman, "Hometown Abuzz Over Yankee ‘Hero’," Associated Press News, October 11, 1996. 2021年5月3日閲覧。

外部リンク

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