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1982年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1982年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
ミルウォーキー・ブルワーズ 3
カリフォルニア・エンゼルス 2
シリーズ情報
試合日程 10月5日–10日
観客動員 5試合合計:28万4691人
1試合平均:05万6938人
MVP フレッド・リン(CAL)
殿堂表彰者 ポール・モリター(MIL内野手)
テッド・シモンズ(MIL捕手)
ドン・サットン(MIL投手)
ロビン・ヨーント(MIL内野手)
ロッド・カルー(CAL内野手)
レジー・ジャクソン(CAL外野手)
チーム情報
ミルウォーキー・ブルワーズ(MIL)
シリーズ出場 シリーズ開始14年目で初
GM ハリー・ダルトン
監督 ハービー・キーン
シーズン成績 95勝67敗・勝率.586
東地区優勝

カリフォルニア・エンゼルス(CAL)
シリーズ出場 3年ぶり2回目
GM バジー・バベシ
監督 ジーン・モーク
シーズン成績 93勝69敗・勝率.574
西地区優勝

 < 1981
ALCS
1982

1983 > 

 < 1981
NLCS
1982

1983 > 
ワールドシリーズ

1982年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月5日に開幕した。アメリカンリーグの第14回リーグチャンピオンシップシリーズ(14th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から10日にかけて計5試合が開催された。その結果、ミルウォーキー・ブルワーズ東地区)がカリフォルニア・エンゼルス西地区)を3勝2敗で下し、球団創設14年目で初のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

今シリーズは、1961年以降のエクスパンションによって創設された球団どうしが対戦するポストシーズン史上初のシリーズである[1]。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、6勝6敗の五分だった[2]。5戦3勝制のシリーズにおいて初戦から2連敗のあと3連勝で逆転したのは、今回のブルワーズがリーグ優勝決定戦史上初であり、ポストシーズン全体でも2球団目である[注 1][3]シリーズMVPには、5試合で打率.611・1本塁打・5打点OPS 1.539という成績を残したエンゼルスのフレッド・リンが選出された。ブルワーズは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者セントルイス・カージナルスに3勝4敗で敗れ、初優勝を逃した。

試合結果

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1982年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月5日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月05日(火) 第1戦 ミルウォーキー・ブルワーズ 3-8 カリフォルニア・エンゼルス アナハイム・スタジアム
10月06日(水) 第2戦 ミルウォーキー・ブルワーズ 2-4 カリフォルニア・エンゼルス
10月07日(木) 移動日
10月08日(金) 第3戦 カリフォルニア・エンゼルス 3-5 ミルウォーキー・ブルワーズ ミルウォーキー・
カウンティ・スタジアム
10月09日(土) 第4戦 カリフォルニア・エンゼルス 5-9 ミルウォーキー・ブルワーズ
10月10日(日) 第5戦 カリフォルニア・エンゼルス 3-4 ミルウォーキー・ブルワーズ
優勝:ミルウォーキー・ブルワーズ(3勝2敗 / 球団創設14年目で初)

第1戦 10月5日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
エンゼルスのドン・ベイラーが2安打1犠飛で計5打点を挙げる(1分)
エンゼルス先発投手トミー・ジョンは9回5奪三振で完投勝利(2分32秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ミルウォーキー・ブルワーズ 0 2 1 0 0 0 0 0 0 3 7 2
カリフォルニア・エンゼルス 1 0 4 2 1 0 0 0 X 8 10 0
  1. 勝利トミー・ジョン(1勝)  
  2. 敗戦マイク・コールドウェル(1敗)  
  3. 本塁打
    MIL:ゴーマン・トーマス1号2ラン
    CAL:フレッド・リン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ラリー・バーネット
    [塁審]一塁: ビル・カンケル、二塁: リッチ・ガルシア、三塁: スティーブ・パレルモ
    [外審]左翼: ドン・デンキンガー、右翼: アル・クラーク
  5. 昼間試合 試合時間: 2時間31分 観客: 6万4406人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ミルウォーキー・ブルワーズ カリフォルニア・エンゼルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 P・モリター 1 B・ダウニング
2 R・ヨーント 2 D・デシンセイ
3 C・クーパー 3 B・グリッチ
4 T・シモンズ 4 DH D・ベイラー
5 G・トーマス 5 R・ジャクソン
6 B・オグリビー 6 F・リン
7 DH D・マネー 7 R・カルー
8 C・ムーア 8 T・フォーリ
9 J・ガントナー 9 B・ブーン
先発投手 投球 先発投手 投球
M・コールドウェル T・ジョン

第2戦 10月6日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
3回裏、レジー・ジャクソンのソロ本塁打でエンゼルスが3点差に突き放す(1分)
5回表、ポール・モリターのランニング本塁打でブルワーズが2点差に詰め寄る(56秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ミルウォーキー・ブルワーズ 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 5 0
カリフォルニア・エンゼルス 0 2 1 1 0 0 0 0 X 4 6 0
  1. 勝利ブルース・キーソン(1勝)  
  2. 敗戦ピート・ブコビッチ(1敗)  
  3. 本塁打
    MIL:ポール・モリター1号2ラン
    CAL:レジー・ジャクソン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ビル・カンケル
    [塁審]一塁: リッチ・ガルシア、二塁: スティーブ・パレルモ、三塁: ドン・デンキンガー
    [外審]左翼: アル・クラーク、右翼: ラリー・バーネット
  5. 昼間試合 試合時間: 2時間6分 観客: 6万4179人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ミルウォーキー・ブルワーズ カリフォルニア・エンゼルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 P・モリター 1 B・ダウニング
2 R・ヨーント 2 R・カルー
3 C・クーパー 3 R・ジャクソン
4 T・シモンズ 4 F・リン
5 B・オグリビー 5 DH D・ベイラー
6 G・トーマス 6 D・デシンセイ
7 DH R・ハウエル 7 B・グリッチ
8 C・ムーア 8 T・フォーリ
9 J・ガントナー 9 B・ブーン
先発投手 投球 先発投手 投球
P・ブコビッチ B・キーソン

第3戦 10月8日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
7回裏、ポール・モリターの2点本塁打でブルワーズが5点差に突き放す(1分3秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カリフォルニア・エンゼルス 0 0 0 0 0 0 0 3 0 3 8 0
ミルウォーキー・ブルワーズ 0 0 0 3 0 0 2 0 X 5 6 0
  1. 勝利ドン・サットン(1勝)  
  2. セーブピート・ラッド(1S)  
  3. 敗戦ジェフ・ザーン(1敗)  
  4. 本塁打
    CAL:ボブ・ブーン1号ソロ
    MIL:ポール・モリター2号2ラン
  5. 審判
    [球審]リッチ・ガルシア
    [塁審]一塁: スティーブ・パレルモ、二塁: ドン・デンキンガー、三塁: アル・クラーク
    [外審]左翼: ラリー・バーネット、右翼: ビル・カンケル
  6. 昼間試合 試合時間: 2時間31分 観客: 5万135人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カリフォルニア・エンゼルス ミルウォーキー・ブルワーズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ダウニング 1 P・モリター
2 R・カルー 2 R・ヨーント
3 R・ジャクソン 3 C・クーパー
4 F・リン 4 T・シモンズ
5 DH D・ベイラー 5 G・トーマス
6 D・デシンセイ 6 B・オグリビー
7 B・グリッチ 7 DH D・マネー
8 T・フォーリ 8 C・ムーア
9 B・ブーン 9 J・ガントナー
先発投手 投球 先発投手 投球
G・ザーン D・サットン

第4戦 10月9日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
8回表、ドン・ベイラーの満塁本塁打でエンゼルスが2点差に迫る(1分8秒)
ブルワーズのマーク・ブロハードが、8回裏の2点本塁打を含む3安打で3打点を挙げる(3分8秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カリフォルニア・エンゼルス 0 0 0 0 0 1 0 4 0 5 5 3
ミルウォーキー・ブルワーズ 0 3 0 3 0 1 0 2 X 9 9 2
  1. 勝利ムース・ハース(1勝)  
  2. セーブジム・スレイトン(1S)  
  3. 敗戦トミー・ジョン(1勝1敗)  
  4. 本塁打
    CAL:ドン・ベイラー1号満塁
    MIL:マーク・ブロハード1号2ラン
  5. 審判
    [球審]スティーブ・パレルモ
    [塁審]一塁: ドン・デンキンガー、二塁: アル・クラーク、三塁: ラリー・バーネット
    [外審]左翼: リッチ・ガルシア、右翼: ビル・カンケル
  6. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後3時45分 試合時間: 3時間10分 観客: 5万1003人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カリフォルニア・エンゼルス ミルウォーキー・ブルワーズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ダウニング 1 P・モリター
2 R・カルー 2 R・ヨーント
3 R・ジャクソン 3 C・クーパー
4 F・リン 4 T・シモンズ
5 DH D・ベイラー 5 G・トーマス
6 D・デシンセイ 6 DH D・マネー
7 B・グリッチ 7 M・ブロハード
8 T・フォーリ 8 C・ムーア
9 B・ブーン 9 J・ガントナー
先発投手 投球 先発投手 投球
T・ジョン M・ハース

第5戦 10月10日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
4回裏、ベン・オグリビーのソロ本塁打でブルワーズが1点差に詰め寄る(54秒)
5回表、フレッド・リンの右前打で一塁走者レジー・ジャクソンが三塁進塁を狙うも、右翼手チャーリー・ムーアの送球でアウトに(58秒)
7回裏二死満塁、セシル・クーパーの左前打で2走者が還りブルワーズが一挙に逆転(1分9秒)
8回表、ドン・ベイラーの飛球を中堅手マーシャル・エドワーズがフェンスにぶつかりながら捕球(1分1秒)
9回表、ピート・ラッドがロッド・カルーを遊ゴロに打ち取り試合終了、ブルワーズのリーグ優勝が決定(50秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カリフォルニア・エンゼルス 1 0 1 1 0 0 0 0 0 3 11 1
ミルウォーキー・ブルワーズ 1 0 0 1 0 0 2 0 X 4 6 4
  1. 勝利ボブ・マクルーア(1勝)  
  2. セーブピート・ラッド(2S)  
  3. 敗戦ルイス・サンチェス(1敗)  
  4. 本塁打
    MIL:ベン・オグリビー1号ソロ
  5. 審判
    [球審]ドン・デンキンガー
    [塁審]一塁: アル・クラーク、二塁: ラリー・バーネット、三塁: ビル・カンケル
    [外審]左翼: リッチ・ガルシア、右翼: スティーブ・パレルモ
  6. 昼間試合 試合時間: 3時間1分 観客: 5万4968人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カリフォルニア・エンゼルス ミルウォーキー・ブルワーズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ダウニング 1 P・モリター
2 R・カルー 2 R・ヨーント
3 R・ジャクソン 3 C・クーパー
4 F・リン 4 T・シモンズ
5 DH D・ベイラー 5 B・オグリビー
6 D・デシンセイ 6 G・トーマス
7 B・グリッチ 7 DH D・マネー
8 T・フォーリ 8 C・ムーア
9 B・ブーン 9 J・ガントナー
先発投手 投球 先発投手 投球
B・キーソン P・ブコビッチ

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 1981年は、選手会が6月12日から7月31日にかけてストライキを実施したため、レギュラーシーズンがスト前・スト後の2シーズン制となり、東西両地区で前期・後期優勝球団による年間王者決定戦(地区シリーズ)が組まれた。ナショナルリーグ西地区年間王者決定戦において、ロサンゼルス・ドジャースヒューストン・アストロズに対し、2連敗からの3連勝を達成している。
    リーグ優勝決定戦は1985年から7戦4勝制に変更された。5戦3勝制のリーグ優勝決定戦で2連敗3連勝は、16年間・計32シリーズのうち今回のブルワーズと、1984年ナショナルリーグサンディエゴ・パドレスのみである。

出典

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  1. ^ 出野哲也[編著] 『メジャー・リーグ球団史 ナショナル&アメリカン・リーグ30球団の全歴史』 言視舎、2018年、ISBN 978-4-86565-119-5、269頁。
  2. ^ "1982 Milwaukee Brewers Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年2月13日閲覧。
  3. ^ "The 9 Times MLB Teams Came Back From 0-2 Deficits In Best-Of-5 Series," CBS New York, October 11, 2017. 2021年2月23日閲覧。

外部リンク

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