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1957年イギリスグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イギリス 1957年イギリスグランプリ
レース詳細
1957年F1世界選手権全8戦の第5戦
日程 1957年7月20日
正式名称 X RAC British Grand Prix
XVII Grand Prix d'Europe
開催地 エイントリー・モーターレーシング・サーキット
イギリスの旗 イギリス(イングランドの旗 イングランド) エイントリー
コース 恒久的レース施設
コース長 4.828 km (3.000 mi)
レース距離 90周 434.52 km (270.00 mi)
決勝日天候 曇(ドライ)
ポールポジション
ドライバー ヴァンウォール
タイム 2:00.2
ファステストラップ
ドライバー イギリス スターリング・モス ヴァンウォール
タイム 1:59.2
決勝順位
優勝 ヴァンウォール
2位 フェラーリ
3位 フェラーリ

1957年イギリスグランプリ (1957 British Grand Prix) は、1957年のF1世界選手権第5戦として、1957年7月20日エイントリー・モーターレーシング・サーキットで開催された。

当レースには「ヨーロッパグランプリ」の冠がかけられた[1]

レース概要

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トニー・ブルックススターリング・モスのドライブでヴァンウォールが初優勝を達成した(スタート前のVW5
マセラティワークス勢は全車リタイアに終わった(250F

トニー・ブルックススターリング・モスが車両を共有して母国レースを制した。ブルックスとヴァンウォール、そしてイギリス車にとっても初の快挙となった。車両を共有して優勝したのは前年のアルゼンチンGPルイジ・ムッソファン・マヌエル・ファンジオ)以来3回目で、かつ最後[2]となった。

レース序盤はモスがリードしたが、イグニッションの不調でピットインするとジャン・ベーラがトップに立つ。ヴァンウォールはル・マン24時間レースの怪我が完治していないブルックスをピットインさせ、モスと交代して9位から追い上げにかかる。70周目に首位のベーラがクラッチを壊してリタイアするとモスが首位を奪い返し、そのまま優勝した。イギリスGPでイギリス人がイギリスのマシンに乗って優勝という快挙にヴァンウォールのチーム代表トニー・ヴァンダーヴェルをはじめ、サーキットに訪れた大観衆はユニオンジャックの国旗を振って熱狂した[3]

エントリーリスト

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No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ イタリアの旗 オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
4 フランスの旗 ジャン・ベーラ
6 アメリカ合衆国の旗 ハリー・シェル
8 アルゼンチンの旗 カルロス・メンディテギー
10 イギリスの旗 マイク・ホーソーン イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 801 フェラーリ DS50 2.5L V8 E
12 イギリスの旗 ピーター・コリンズ
14 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ
16 フランスの旗 モーリス・トランティニアン
18 イギリスの旗 スターリング・モス イギリスの旗 ヴァンダーヴェル・プロダクツ・リミテッド ヴァンウォール VW5 ヴァンウォール 254 2.5L L4 P
20 イギリスの旗 トニー・ブルックス
22 イギリスの旗 スチュアート・ルイス=エヴァンズ
24 イギリスの旗 ジャック・フェアーマン イギリスの旗 オーウェン・レーシング・オーガニゼーション BRM P25 BRM P25 2.5L L4 D
26 イギリスの旗 レス・レストン
28 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
30 イギリスの旗 ホレース・グールド イギリスの旗 H.H. グールド マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
32 イギリスの旗 アイヴァー・ビューブ イギリスの旗 ギルビー・エンジニアリング マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 D
34 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム イギリスの旗 クーパー・カー・カンパニー クーパー T43 クライマックス FPF 2.0L L4 D
36 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ
38 イギリスの旗 ボブ・ジェラード イギリスの旗 ボブ・ジェラード クーパー T44 ブリストル BS2 2.2L L6 D
ソース:[4]

結果

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予選

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順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 18 イギリスの旗 スターリング・モス ヴァンウォール 2:00.2
2 4 フランスの旗 ジャン・ベーラ マセラティ 2:00.4 + 0.2
3 20 イギリスの旗 トニー・ブルックス ヴァンウォール 2:00.4 + 0.2
4 2 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ マセラティ 2:00.6 + 0.4
5 10 イギリスの旗 マイク・ホーソーン フェラーリ 2:01.2 + 1.0
6 22 イギリスの旗 スチュアート・ルイス=エヴァンズ ヴァンウォール 2:01.2 + 1.0
7 6 アメリカ合衆国の旗 ハリー・シェル マセラティ 2:01.4 + 1.2
8 12 イギリスの旗 ピーター・コリンズ フェラーリ 2:01.8 + 1.6
9 16 フランスの旗 モーリス・トランティニアン フェラーリ 2:03.2 + 3.0
10 14 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ フェラーリ 2:03.4 + 3.2
11 8 アルゼンチンの旗 カルロス・メンディテギー マセラティ 2:05.4 + 5.2
12 26 イギリスの旗 レス・レストン BRM 2:05.6 + 5.4
13 34 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 2:07.0 + 6.8
14 36 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ クーパー-クライマックス 2:07.0 + 6.8
15 30 イギリスの旗 ホレース・グールド マセラティ 2:07.4 + 7.2
16 24 イギリスの旗 ジャック・フェアーマン BRM 2:08.6 + 8.4
17 28 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ マセラティ 2:12.6 + 12.4
18 38 イギリスの旗 ボブ・ジェラード クーパー-ブリストル 2:12.6 + 12.4
19 32 イギリスの旗 アイヴァー・ビューブ マセラティ 2:15.4 + 15.2
ソース:[5]

決勝

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順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 20 イギリスの旗 トニー・ブルックス
イギリスの旗 スターリング・モス
ヴァンウォール 90 3:06:37.8 3 4
5 1
2 14 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ フェラーリ 90 +25.6 10 6
3 10 イギリスの旗 マイク・ホーソーン フェラーリ 90 +42.8 5 4
4 16 フランスの旗 モーリス・トランティニアン
イギリスの旗 ピーター・コリンズ
フェラーリ 88 +2 Laps 9 3 2
0 2
5 36 イギリスの旗 ロイ・サルヴァドーリ クーパー-クライマックス 85 +5 Laps 15 2
6 38 イギリスの旗 ボブ・ジェラード クーパー-ブリストル 82 +8 Laps 18
7 22 イギリスの旗 スチュアート・ルイス=エヴァンズ ヴァンウォール 82 +8 Laps 6
8 32 イギリスの旗 アイヴァー・ビューブ マセラティ 71 +19 Laps 19
Ret 34 オーストラリアの旗 ジャック・ブラバム クーパー-クライマックス 74 クラッチ 13
Ret 4 フランスの旗 ジャン・ベーラ マセラティ 69 クラッチ 2
Ret 12 イギリスの旗 ピーター・コリンズ フェラーリ 53 水漏れ 8
Ret 18 イギリスの旗 スターリング・モス
イギリスの旗 トニー・ブルックス
ヴァンウォール 51 エンジン 1
Ret 2 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ マセラティ 49 エンジン 4
Ret 24 イギリスの旗 ジャック・フェアーマン BRM 46 エンジン 16
Ret 26 イギリスの旗 レス・レストン BRM 44 エンジン 12
Ret 6 アメリカ合衆国の旗 ハリー・シェル マセラティ 39 水ポンプ 7
Ret 8 アルゼンチンの旗 カルロス・メンディテギー マセラティ 35 トランスミッション 11
Ret 28 スウェーデンの旗 ヨアキム・ボニエ マセラティ 18 ギアボックス 17
DNS 30 イギリスの旗 ホレース・グールド マセラティ 予選でアクシデント 14
ソース:[6][7]
追記
  • ^1ファステストラップの1点を含む
  • ^2 – トランティニアンとコリンズは車両を共有して4位に入賞したが、コリンズは十分な周回数を走っていないと判断されたため、トランティニアンに3点が与えられた

注記

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第5戦終了時点のランキング

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ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ 25
1 2 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ 13
3 3 イギリスの旗 トニー・ブルックス 10
2 4 アメリカ合衆国の旗 サム・ハンクス 8
1 5 アメリカ合衆国の旗 ジム・ラスマン 7
  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注

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  1. ^ 当時は毎年各国の持ち回りにより、その年の最も権威のあるレースに対して「ヨーロッパGP」の冠がかけられていた。
  2. ^ 1958年から車両共有は禁止された
  3. ^ (林信次 1999, p. 37)
  4. ^ France 1957 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年1月19日閲覧。
  5. ^ Britain 1957 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年1月20日閲覧。
  6. ^ 1957 British Grand Prix”. formula1.com. 18 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。9 August 2015閲覧。
  7. ^ Grand Prix Results: British GP, 1957”. GrandPrix.com. 17 October 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。9 August 2015閲覧。

参照文献

[編集]
  • デニス・ジェンキンソン 1957. The 10th British Grand Prix. Motor Sport. XXXIII/8 (August 1957), p. 420-421, 424
  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク

[編集]
前戦
1957年フランスグランプリ
FIA F1世界選手権
1957年シーズン
次戦
1957年ドイツグランプリ
前回開催
1956年イギリスグランプリ
イギリスの旗 イギリスグランプリ 次回開催
1958年イギリスグランプリ
前回開催
1955年モナコグランプリ
欧州連合の旗 ヨーロッパグランプリ
(冠大会時代)
次回開催
1958年ベルギーグランプリ