「ゴジラ (架空の怪獣)」の版間の差分
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1954年公開の第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』では、作中に登場する[[古生物]]学者の山根恭平博士が「[[ジュラ紀]]から[[白亜紀]]にかけて生息していた海棲[[爬虫類]]から陸上獣類に進化しようとする中間型の[[生物]]{{efn|[[映画]]中で[[恐竜]]とは別に紹介される。}}の末裔が、[[ビキニ環礁]]の[[水素爆弾]]実験で安住の土地を追われ、出現したのではないのか」と説明する{{R|大ゴジラ32}}。しかし、以後の作品の多くでは「ビキニ環礁の水爆実験で飛散した[[放射能]]を浴びて変貌した」と説明される。また、「平成ゴジラシリーズ」ではゴジラの元となった[[恐竜]][[#ゴジラザウルス|ゴジラザウルス]]が登場する(詳細は後述)。 |
1954年公開の第1作『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』では、作中に登場する[[古生物]]学者の山根恭平博士が「[[ジュラ紀]]から[[白亜紀]]にかけて生息していた海棲[[爬虫類]]から陸上獣類に進化しようとする中間型の[[生物]]{{efn|[[映画]]中で[[恐竜]]とは別に紹介される。}}の末裔が、[[ビキニ環礁]]の[[水素爆弾]]実験で安住の土地を追われ、出現したのではないのか」と説明する{{R|大ゴジラ32}}。しかし、以後の作品の多くでは「ビキニ環礁の水爆実験で飛散した[[放射能]]を浴びて変貌した」と説明される。また、「平成ゴジラシリーズ」ではゴジラの元となった[[恐竜]][[ゴジラ (平成VSシリーズ)#ゴジラザウルス|ゴジラザウルス]]が登場する(詳細は後述)。 |
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「[[ゴジラ]]」の名は、物語上では大戸島(架空の島)の[[伝説]]の[[海神]]「'''呉爾羅'''」{{efn|映像ソフトの字幕では大戸島の伝承も「ゴジラ」の表記となっている。「呉爾羅」の当て字は、第1作の公開当時に東宝宣伝部によって作られた[[祝詞]]のなかにある{{R|超最新192}}。}}に由来する。[[身長]]は50メートル。この設定は、1975年公開の第15作『[[メカゴジラの逆襲]]』まで用いられた。 |
「[[ゴジラ]]」の名は、物語上では大戸島(架空の島)の[[伝説]]の[[海神]]「'''呉爾羅'''」{{efn|映像ソフトの字幕では大戸島の伝承も「ゴジラ」の表記となっている。「呉爾羅」の当て字は、第1作の公開当時に東宝宣伝部によって作られた[[祝詞]]のなかにある{{R|超最新192}}。}}に由来する。[[身長]]は50メートル。この設定は、1975年公開の第15作『[[メカゴジラの逆襲]]』まで用いられた。 |
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1984年公開の第16作『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』は第1作の直接的な続編として製作されたが、第1作当時と違って都会に高層ビルが多く建ったことを考慮し、ゴジラの身長は80メートルに変更された{{R|東宝特撮映画大全集209}}。1991年公開の第18作『[[ゴジラvsキングギドラ]]』では、「南方の孤島・ラゴス島に生息し続けていた恐竜ゴジラザウルスが、ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した」と設定され、同作後半にてこの事実が明らかになったあと、実験当時のラゴス島に生息していたゴジラザウルスは未来人によって[[ベーリング海]]へ移送され、ここまで語られたゴジラの存在自体が抹消される。その後、ベーリング海にて眠っていたゴジラザウルスは、[[放射性廃棄物]]や[[原子力潜水艦]]の核エネルギーを浴びて最強・最大である身長100メートルのゴジラに変貌する。以降は平成vsシリーズ最終作である1995年公開の第22作『[[ゴジラvsデストロイア]]』まで、そのゴジラが出現する{{R|Walker46}}。 |
1984年公開の第16作『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』は第1作の直接的な続編として製作されたが、第1作当時と違って都会に高層ビルが多く建ったことを考慮し、ゴジラの身長は80メートルに変更された{{R|東宝特撮映画大全集209}}。1991年公開の第18作『[[ゴジラvsキングギドラ]]』では、「南方の孤島・ラゴス島に生息し続けていた恐竜ゴジラザウルスが、ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した」と設定され、同作後半にてこの事実が明らかになったあと、実験当時のラゴス島に生息していたゴジラザウルスは未来人によって[[ベーリング海]]へ移送され、ここまで語られたゴジラの存在自体が抹消される。その後、ベーリング海にて眠っていたゴジラザウルスは、[[放射性廃棄物]]や[[原子力潜水艦]]の核エネルギーを浴びて最強・最大である身長100メートルのゴジラに変貌する。以降は平成vsシリーズ最終作である1995年公開の第22作『[[ゴジラvsデストロイア]]』まで、そのゴジラが出現する{{R|Walker46}}。 |
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1999年公開の第23作『[[ゴジラ2000 ミレニアム]]』から2004年公開の第28作『[[ゴジラ FINAL WARS]]』までの新世紀シリーズでは第1作を踏襲しつつも、[[メカゴジラ|3式機龍]]が登場する第26作『[[ゴジラ×メカゴジラ]]』と第27作『[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]]』が2部作となっていること以外、各作品が独立した設定となっている{{R|G6082|Walker46}}。ただし、1954年の第1作でゴジラが日本に上陸した設定は踏襲され、作中で日本国民にゴジラの存在が認知されていたという事実は共通している{{R|Walker46}}。『ゴジラ2000 ミレニアム』、第25作『[[ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃]]』、機龍二部作では第1作の初代ゴジラのあとに現れた別個体だが、第24作『[[ゴジラ×メガギラス G消滅作戦]]』では第1作の初代ゴジラが倒されずに生き延びたという設定である。また、『ゴジラ FINAL WARS』では第1作の出来事に多少触れてはいるが、時系列は近未来と設定されており、具体的な関連性は明確になっていない。身長は |
1999年公開の第23作『[[ゴジラ2000 ミレニアム]]』から2004年公開の第28作『[[ゴジラ FINAL WARS]]』までの新世紀シリーズでは第1作を踏襲しつつも、[[メカゴジラ|3式機龍]]が登場する第26作『[[ゴジラ×メカゴジラ]]』と第27作『[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]]』が2部作となっていること以外、各作品が独立した設定となっている{{R|G6082|Walker46}}。ただし、1954年の第1作でゴジラが日本に上陸した設定は踏襲され、作中で日本国民にゴジラの存在が認知されていたという事実は共通している{{R|Walker46}}。『ゴジラ2000 ミレニアム』、第25作『[[ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃]]』、機龍二部作では第1作の初代ゴジラのあとに現れた別個体だが、第24作『[[ゴジラ×メガギラス G消滅作戦]]』では第1作の初代ゴジラが倒されずに生き延びたという設定である。また、『ゴジラ FINAL WARS』では第1作の出来事に多少触れてはいるが、時系列は近未来と設定されており、具体的な関連性は明確になっていない。身長はvsシリーズから縮小され、『ゴジラ2000 ミレニアム』、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』、機龍二部作では55メートル、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では60メートルとなっているが、『ゴジラ FINAL WARS』ではふたたび100メートルとなっている。 |
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2016年公開の第29作『[[シン・ゴジラ]]』では身長118.5メートルのゴジラが、2017年公開の第30作から2018年公開の第32作までの[[GODZILLA (アニメ映画)|アニメ映画3部作『GODZILLA 怪獣惑星』『GODZILLA 決戦機動増殖都市』『GODZILLA 星を喰う者』]]では推定身長300メートルのゴジラがそれぞれ登場する。なお、『シン・ゴジラ』に登場するゴジラは、初代ゴジラの特徴や容姿、古代から生息していた生物が放射能を浴びたことで変異を遂げたこと、放射熱線を武器とするなどの要素は踏襲しながらも、それまでの作品とは違って過去作との関連性は無く第1作とは完全に独立しており、正体不明の巨大生物として登場するうえ、姿形も当初の水棲生物から陸棲生物への進化を遂げながら巨大化するなど、過去作には見られなかった要素が盛り込まれている。アニメ映画3部作に登場するゴジラも、過去作とのつながりは無く2030年に初めて現れた怪獣とされている。ただし、昭和版と同じくアニメ映画3部作に共通する設定として、ゴジラの名前は「大戸島の龍神・呉爾羅」から付けられている。 |
2016年公開の第29作『[[シン・ゴジラ]]』では身長118.5メートルのゴジラが、2017年公開の第30作から2018年公開の第32作までの[[GODZILLA (アニメ映画)|アニメ映画3部作『GODZILLA 怪獣惑星』『GODZILLA 決戦機動増殖都市』『GODZILLA 星を喰う者』]]では推定身長300メートルのゴジラがそれぞれ登場する。なお、『シン・ゴジラ』に登場するゴジラは、初代ゴジラの特徴や容姿、古代から生息していた生物が放射能を浴びたことで変異を遂げたこと、放射熱線を武器とするなどの要素は踏襲しながらも、それまでの作品とは違って過去作との関連性は無く第1作とは完全に独立しており、正体不明の巨大生物として登場するうえ、姿形も当初の水棲生物から陸棲生物への進化を遂げながら巨大化するなど、過去作には見られなかった要素が盛り込まれている。アニメ映画3部作に登場するゴジラも、過去作とのつながりは無く2030年に初めて現れた怪獣とされている。ただし、昭和版と同じくアニメ映画3部作に共通する設定として、ゴジラの名前は「大戸島の龍神・呉爾羅」から付けられている。 |
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|英字表記=GODZILLA{{R|全怪獣大図鑑180}} |
|英字表記=GODZILLA{{R|全怪獣大図鑑180}} |
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|別名=怪獣王{{refnest|group="出典"|{{R|東宝特撮映画大全集266|東宝全怪獣106|超常識158|全怪獣大図鑑180}}}}{{efn|書籍『ゴジラ画報 第3版』では'''新世紀怪獣王'''と記述している{{R|画報10}}。}} |
|別名=怪獣王{{refnest|group="出典"|{{R|東宝特撮映画大全集266|東宝全怪獣106|超常識158|全怪獣大図鑑180}}}}{{efn|書籍『ゴジラ画報 第3版』では'''新世紀怪獣王'''と記述している{{R|画報10}}。}} |
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|全高=55{{nbsp}}m{{refnest|group="出典"|name="MILLENIUM"|{{R|PAN2000|画報10|2000超全集8|東宝特撮映画大全集266|ALL274|東宝全怪獣106|大辞典5|G6082|超常識158|解体全書69 |
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|全長={{Plainlist| |
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* 122.5{{nbsp}}m{{refnest|group="出典"|name="MILLENIUM2"|{{R|PAN2000|画報10|V大図鑑M12|2000超全集8|東宝特撮映画大全集266|大辞典5}}}} |
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|体重=2万5千{{nbsp}}t{{R|group="出典"|MILLENIUM}} |
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|歩行速度=40{{nbsp}}km/h{{refnest|group="出典"|{{R|PAN2000|画報10|V大図鑑M12|2000超全集8|大辞典5}}}} |
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|出身地=不明{{R|ALL274}}{{efn|書籍『動画王特別編集ゴジラ大図鑑』では、「北海道納沙布岬」と記述している{{R|動画王大図鑑201}}。}} |
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|出現地=北海道・根室{{R|超常識158}}{{efn|書籍『ゴジラ画報 第3版』では、「初出現地:[[納沙布岬]]」と記述している{{R|画報10}}。}} |
|出現地=北海道・根室{{R|超常識158}}{{efn|書籍『ゴジラ画報 第3版』では、「初出現地:[[納沙布岬]]」と記述している{{R|画報10}}。}} |
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1954年に出現した初代ゴジラのあとに、日本にたびたび上陸しているゴジラ{{refnest|group="出典"|{{R|PAN2000|V大図鑑M12|2000超全集6|東宝特撮映画大全集266}}}}。口からオレンジ色の放射熱線を吐く{{R|2000超全集38|全怪獣大図鑑180}}。このときに背びれが熱線と同色に発光し、絡みついたケーブルを焼き切るほどの熱量を放つ。細胞内に強力な超再生能力を持つ'''[[#ゴジラ細胞|オルガナイザーG1]]'''という物質を含んでおり{{R|全怪獣大図鑑180}}、5時間もあれば細胞の傷や破損はすべて完治する。 |
1954年に出現した初代ゴジラのあとに、日本にたびたび上陸しているゴジラ{{refnest|group="出典"|{{R|PAN2000|V大図鑑M12|2000超全集6|東宝特撮映画大全集266}}}}。口からオレンジ色の放射熱線を吐く{{R|2000超全集38|全怪獣大図鑑180}}{{efn|書籍『動画王特別編集ゴジラ大図鑑』では、「赤色」と記述している{{R|動画王大図鑑201}}。}}。このときに背びれが熱線と同色に発光し、絡みついたケーブルを焼き切るほどの熱量を放つ。細胞内に強力な超再生能力を持つ'''[[#ゴジラ細胞|オルガナイザーG1]]'''という物質を含んでおり{{R|全怪獣大図鑑180}}、5時間もあれば細胞の傷や破損はすべて完治する。 |
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出現地点は[[納沙布岬]]→[[根室]]→[[東海村]]→東京湾→新宿{{R|PAN2000|2000超全集40}}。 |
出現地点は[[納沙布岬]]→[[根室]]→[[東海村]]→東京湾→新宿{{R|PAN2000|2000超全集40}}。 |
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==== 造形(2000) ==== |
==== 造形(2000) ==== |
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基本デザインは[[西川伸司]]によるもの{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9953|2000超全集42|ALL274|C大全154|ゴジラ画集73|西川16}}}}。全身の決定稿はなく、上半身のシルエットと頭部の決定デザインのみが描かれた{{R|2000超全集42}}{{efn|鈴木によれば、デザイン作業の途中で西川がポスター用のイラストを描くことになり、その絵が基本となったという{{R|東宝SFSE9914}}。}}。西川は、初代ゴジラをベースとしていた |
基本デザインは[[西川伸司]]によるもの{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9953|2000超全集42|ALL274|C大全154|ゴジラ画集73|西川16}}}}。全身の決定稿はなく、上半身のシルエットと頭部の決定デザインのみが描かれた{{R|2000超全集42}}{{efn|鈴木によれば、デザイン作業の途中で西川がポスター用のイラストを描くことになり、その絵が基本となったという{{R|東宝SFSE9914}}。}}。西川は、初代ゴジラをベースとしていたvsシリーズのゴジラとの差別化として、キンゴジやモスゴジを基にしている{{R|ALL274|西川16}}。初期案では、初代ゴジラをベースにしたものや、耳たぶがなく穴のみのものや、尻尾以外にも節の横線が首や足に加わったものや、背びれを立体的に表現したものや、銃身の首と撃鉄の背びれなど歩くビーム砲台とイメージした銃型のものなどが存在した{{R|ゴジラ画集73|西川18}}。本作品の企画以前には、[[酉澤安施]]による背びれが2列あるゴジラのデザイン案が存在していた{{refnest|group="出典"|{{R|V大図鑑M47|2000超全集42|酉澤98}}}}。原画はアナログ彩色によるものだが、部位や色調の変更はデジタルによるもののため、容易となっている{{R|ゴジラ画集73}}。咆哮時には首が動いた際に息遣いを感じさせ、首筋が広がるイメージとなっており、実際のスーツも最終的に首を5センチメートル延長している{{R|ゴジラ画集73}}。平成ゴジラは口の終端が首より前にあったが、それとの差別化として、顎の長さを変えず、顔全体を短くして頭部の印象を変えている{{R|ゴジラ画集73}}。首筋は[[キングコブラ]]のようにふくらみ{{R|東宝SFSE9914}}、口は大きく裂け、背びれも従来の倍以上もある鋭いものとなっており、アングルによっては、初代ゴジラなど過去のゴジラも想起させる微妙な造型となっている{{R|PAN2000PRO}}。恐竜を基にした顔に肉付けしていく方向性や、横方向にもトゲを出すものも背びれも検討された{{R|ゴジラ画集73}}。 |
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本作品では「怖いゴジラ」が一つのテーマであったが、特殊技術の鈴木健二は怖いだけのゴジラでは成立しないと思ったため、身近に感じる時もあれば怖い時もあるなど、いろいろな面を持ち合わせたさまざまなキャラクターを入れたゴジラとしているが、インパクトのある、凶暴なイメージの方向性のデザインで作ったという{{R|PAN2000鈴木}}。大きく口を開け、首は肩と一体になるように太く膨らませ、眼はどの方向から見てもゴジラに見つめられているような作り方となっている{{R|PAN2000鈴木}}。 |
本作品では「怖いゴジラ」が一つのテーマであったが、特殊技術の鈴木健二は怖いだけのゴジラでは成立しないと思ったため、身近に感じる時もあれば怖い時もあるなど、いろいろな面を持ち合わせたさまざまなキャラクターを入れたゴジラとしているが、インパクトのある、凶暴なイメージの方向性のデザインで作ったという{{R|PAN2000鈴木}}。大きく口を開け、首は肩と一体になるように太く膨らませ、眼はどの方向から見てもゴジラに見つめられているような作り方となっている{{R|PAN2000鈴木}}。 |
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ゴジラの着ぐるみ製作は、『[[ゴジラvsデストロイア]]』まで東宝内部で行われていたが、ミレニアムシリーズでは外部発注されており、『大怪獣総攻撃』以外の作品では[[若狭新一]]が代表を務める有限会社[[モンスターズ (製作会社)|モンスターズ]]が造形を担当した{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9968|2000超全集53|ALL274|C大全154|造型81|若狭145}}}}。若狭によれば、東宝プロデューサーの[[富山省吾]]は初代ゴジラを、特殊技術を担当した[[鈴木健二 (特撮監督)|鈴木健二]]は『キングコング対ゴジラ』のゴジラをそれぞれイメージしていたといい、両者の希望に沿うよう心がけたと述べている{{R|2000超全集39}}。一方、若狭自身は自身が愛好するキンゴジやモスゴジの雰囲気が入っていると述べている{{R|若狭145}}ほか、「平成ゴジラを感じさせない新しいゴジラ像」を要望されたことが一番難しかったと述懐している{{R|BOK111}}。検討用マケットは若狭と[[寒河江弘]]が手掛けた{{R|造型84}}。 |
ゴジラの着ぐるみ製作は、『[[ゴジラvsデストロイア]]』まで東宝内部で行われていたが、ミレニアムシリーズでは外部発注されており、『大怪獣総攻撃』以外の作品では[[若狭新一]]が代表を務める有限会社[[モンスターズ (製作会社)|モンスターズ]]が造形を担当した{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9968|2000超全集53|ALL274|C大全154|造型81|若狭145}}}}。若狭によれば、東宝プロデューサーの[[富山省吾]]は初代ゴジラを、特殊技術を担当した[[鈴木健二 (特撮監督)|鈴木健二]]は『キングコング対ゴジラ』のゴジラをそれぞれイメージしていたといい、両者の希望に沿うよう心がけたと述べている{{R|2000超全集39}}。一方、若狭自身は自身が愛好するキンゴジやモスゴジの雰囲気が入っていると述べている{{R|若狭145}}ほか、「平成ゴジラを感じさせない新しいゴジラ像」を要望されたことが一番難しかったと述懐している{{R|BOK111}}。検討用マケットは若狭と[[寒河江弘]]が手掛けた{{R|造型84}}。 |
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着ぐるみは海用とアップ用が製作された{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9968|2000超全集53|ALL274|C大全154}}}}。着ぐるみには背びれを外して中に入るものとなっている{{R|V大図鑑M35}}。また、頭部も喜多川の要望で、ゴジラの頭が自分の頭を動かすと動くようにしている{{R|V大図鑑M64}}。そのほか、スーツと同サイズの爆破用モデル{{efn|書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、弾着用と記述している{{R|C大全154}}。}}や上半身のマペット、右腕・右足・尾の部分モデルが用いられた{{R|東宝SFSE9936|2000超全集53}}。いずれもラジコン操作で頭部の可動や口の開閉が可能となっている{{R|2000超全集53}}。頭部メカはスーツアクターの喜多川務の要望により、動物の動作を再現できるようパーツごとに可動する仕様となった{{R|造型124}}。頭部は、内部フレームによりスーツアクターの首の動きに合わせて可動する構造となっていたが、アクションシーンでの安全性を考慮してフレームを外し、スーツアクターの頭にゴジラの頭部が直接乗るかたちとなった{{R|東宝SFSE9968}}{{efn|若狭は、『[[モスラ対ゴジラ]]』での作り方に近い構造であるといい、スーツアクターの危険度が一番少ないやり方であったと述べている{{R|東宝SFSE9968}}。}}。当初は、前傾姿勢とするために足に高下駄を入れることが検討されていたが、喜多川はスーツを改修することなく前傾姿勢を維持することができ、若狭は喜多川がスーツを着たことでゴジラが完成したと述べている{{R|2000超全集39}}。手の指は |
着ぐるみは海用とアップ用が製作された{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9968|2000超全集53|ALL274|C大全154}}}}。着ぐるみには背びれを外して中に入るものとなっている{{R|V大図鑑M35}}。また、頭部も喜多川の要望で、ゴジラの頭が自分の頭を動かすと動くようにしている{{R|V大図鑑M64}}。そのほか、スーツと同サイズの爆破用モデル{{efn|書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、弾着用と記述している{{R|C大全154}}。}}や上半身のマペット、右腕・右足・尾の部分モデルが用いられた{{R|東宝SFSE9936|2000超全集53}}。いずれもラジコン操作で頭部の可動や口の開閉が可能となっている{{R|2000超全集53}}。頭部メカはスーツアクターの喜多川務の要望により、動物の動作を再現できるようパーツごとに可動する仕様となった{{R|造型124}}。頭部は、内部フレームによりスーツアクターの首の動きに合わせて可動する構造となっていたが、アクションシーンでの安全性を考慮してフレームを外し、スーツアクターの頭にゴジラの頭部が直接乗るかたちとなった{{R|東宝SFSE9968}}{{efn|若狭は、『[[モスラ対ゴジラ]]』での作り方に近い構造であるといい、スーツアクターの危険度が一番少ないやり方であったと述べている{{R|東宝SFSE9968}}。}}。当初は、前傾姿勢とするために足に高下駄を入れることが検討されていたが、喜多川はスーツを改修することなく前傾姿勢を維持することができ、若狭は喜多川がスーツを着たことでゴジラが完成したと述べている{{R|2000超全集39}}。手の指はvsシリーズ時と異なり、中指と薬指を1本の指に入れているが、喜多川は小指に力が入らずNGを出してしまうことが多かったと述懐している{{R|東宝SFSE9965|造型124}}。海用は撮影時に足を外している{{R|C大全154}}。 |
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海用は表皮が弾着で痛んだ後、足や尾をカットして他の撮影などに使用された{{R|V大図鑑M28}}。 |
海用は表皮が弾着で痛んだ後、足や尾をカットして他の撮影などに使用された{{R|V大図鑑M28}}。 |
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ゴジラの腕にオルガが噛みつくシーンでは、噛んだ牙が外れないように、スーツに縫い付けている場合もある{{R|V大図鑑M28}}。オルガが口を開くシーンでは驚いたような仕草を見せており、従来のような超然としたイメージではなく、生物感を強調している{{R|東宝SFSE9914|2000超全集38}}。 |
ゴジラの腕にオルガが噛みつくシーンでは、噛んだ牙が外れないように、スーツに縫い付けている場合もある{{R|V大図鑑M28}}。オルガが口を開くシーンでは驚いたような仕草を見せており、従来のような超然としたイメージではなく、生物感を強調している{{R|東宝SFSE9914|2000超全集38}}。 |
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海中から現れるシーンはプールで撮影が行われたが、背びれが大きいことから |
海中から現れるシーンはプールで撮影が行われたが、背びれが大きいことからvsシリーズよりも深く掘られ、ゴジラが乗った金網製の台をクレーンで吊り上げるという手法がとられた{{R|東宝SFSE9965}}。喜多川は、中で[[レギュレータ (ダイビング)|レギュレータ]]を咥えて撮影に挑んだが、吊り上げられる際にレギュレータが外れてしまい、足も固定されている上に水を吸って重くなっているため、バランスを崩すと足が折れそうであったといい、本作品の撮影で最も恐怖を感じた場面であったと語っている{{R|東宝SFSE9965}}。 |
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海中を泳ぐシーンではゴジラを初めて[[コンピュータグラフィックス|フルCG]]で描いている{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9973|2000超全集62|東宝特撮映画大全集267}}}}。上陸シーンでも、ヘリで空撮した実景映像にスーツのゴジラを合成するなど、デジタル合成が多用されるようになった{{R|東宝特撮映画大全集267}}。冒頭の尾で薙ぎ払われる居酒屋は、実物大セットの映像にCGの尾を合成している{{R|東宝SFSE9960|2000超全集61}}。実物大セットは、黒幕を巻いた[[ユンボ]]のアームを尾に見立てて壊している{{R|東宝SFSE9960}}。 |
海中を泳ぐシーンではゴジラを初めて[[コンピュータグラフィックス|フルCG]]で描いている{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE9973|2000超全集62|東宝特撮映画大全集267}}}}。上陸シーンでも、ヘリで空撮した実景映像にスーツのゴジラを合成するなど、デジタル合成が多用されるようになった{{R|東宝特撮映画大全集267}}。冒頭の尾で薙ぎ払われる居酒屋は、実物大セットの映像にCGの尾を合成している{{R|東宝SFSE9960|2000超全集61}}。実物大セットは、黒幕を巻いた[[ユンボ]]のアームを尾に見立てて壊している{{R|東宝SFSE9960}}。 |
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* 怪獣王{{refnest|group="出典"|{{R|東宝全怪獣108|超常識162|全怪獣大図鑑182}}}} |
* 怪獣王{{refnest|group="出典"|{{R|東宝全怪獣108|超常識162|全怪獣大図鑑182}}}} |
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|全高=55{{nbsp}}m{{refnest|group="出典"|name="GIRA"|{{R|V大図鑑G11|GXM超全集10|動画王大図鑑10|東宝特撮映画大全集270|ALL282|東宝全怪獣108|大辞典6|G6082|超常識162|検定116}}{{R|全怪獣大図鑑182}}}} |
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* 122.5{{nbsp}}m{{refnest|group="出典"|name="GIRA2"|{{R|V大図鑑G11|GXM超全集10|東宝特撮映画大全集270|大辞典6}}}} |
* 122.5{{nbsp}}m{{refnest|group="出典"|name="GIRA2"|{{R|V大図鑑G11|GXM超全集10|東宝特撮映画大全集270|大辞典6}}}} |
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人間がゴジラの背に乗るというシークエンスは、『[[白鯨]]』や『[[ガメラ]]』のようになってしまうため、Gグラスパーの服装は放射能防護機能を兼ね備えたものという設定となった{{R|V大図鑑G60}}。 |
人間がゴジラの背に乗るというシークエンスは、『[[白鯨]]』や『[[ガメラ]]』のようになってしまうため、Gグラスパーの服装は放射能防護機能を兼ね備えたものという設定となった{{R|V大図鑑G60}}。 |
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大阪では、徹底的にゴジラと人間の戦いをやっており、奇岩島では、ゴジラがメガニューラにたかられて本当に嫌がっているということであり、戦いとは異なったものを表現しているという |
特殊技術の鈴木健二は、大阪では、徹底的にゴジラと人間の戦いをやっており、奇岩島では、ゴジラがメガニューラにたかられて本当に嫌がっているということであり、戦いとは異なったものを表現しているという{{R|V大図鑑G62}}。 |
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背ビレの発光は、前作で色をつけすぎたという鈴木の反省から、黄色いものとなった{{R|東宝SFSE0082}}。鈴木の意向により、単に光るだけでなく背ビレの形状を活かしたものとなったため、合成はマスクを手書きで抜いている{{R|東宝SFSE0082}}。 |
背ビレの発光は、前作で色をつけすぎたという鈴木の反省から、黄色いものとなった{{R|東宝SFSE0082}}。鈴木の意向により、単に光るだけでなく背ビレの形状を活かしたものとなったため、合成はマスクを手書きで抜いている{{R|東宝SFSE0082}}。 |
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グアム島沖で米原子力潜水艦を沈め、小笠原諸島の孫の手島を壊滅させると、静岡県[[焼津市]]焼津港に上陸し、付近一帯の人間を殺戮する{{R|東宝特撮映画大全集274|全怪獣大図鑑184}}。その後、[[箱根山]][[大涌谷]]で[[バラゴン|バラゴン(婆羅護吽)]]と遭遇、一蹴して東京へ向かう{{R|東宝特撮映画大全集274}}。横浜での戦いでは、防衛軍の陸上部隊と水上部隊、モスラ(最珠羅)、キングギドラ(魏怒羅)を相手に数的不利な戦いを強いられるが、圧倒的な戦闘能力ですべてをねじ伏せた{{R|全怪獣大図鑑184}}。 |
グアム島沖で米原子力潜水艦を沈め、小笠原諸島の孫の手島を壊滅させると、静岡県[[焼津市]]焼津港に上陸し、付近一帯の人間を殺戮する{{R|東宝特撮映画大全集274|全怪獣大図鑑184}}。その後、[[箱根山]][[大涌谷]]で[[バラゴン|バラゴン(婆羅護吽)]]と遭遇、一蹴して東京へ向かう{{R|東宝特撮映画大全集274}}。横浜での戦いでは、防衛軍の陸上部隊と水上部隊、モスラ(最珠羅)、キングギドラ(魏怒羅)を相手に数的不利な戦いを強いられるが、圧倒的な戦闘能力ですべてをねじ伏せた{{R|全怪獣大図鑑184}}。 |
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しかし、キングギドラを撃破した際に護国三聖獣の霊的エネルギーを浴びせられ、金縛りに遭って海底に沈む。さらには、主人公・立花由里の父である防衛軍の立花泰三准将が搭乗する特殊潜航艇「さつま」に口内へ飛び込まれ、先ほどのキングギドラとの戦闘時に負った肩の傷を体内から特殊削岩弾D-03を搭載した魚雷で攻撃され、大きな傷口を穿たれてしまう。それでもなおゴジラは浮上して由里たちに熱線を吐きかけようとするが、肩の傷口から熱線のエネルギーが放出され、絶叫して大出血しながら再び海底に沈む。最後は沈んだ直後に肩の傷口から脱出した立花准将の「さつま」に向けて再び熱線を吐こうとしたところ、そのエネルギーに体が耐えられずに暴発して消滅した。しかし、ラストシーンでは海底において鼓動を続けるゴジラの心臓が映し出され |
しかし、キングギドラを撃破した際に護国三聖獣の霊的エネルギーを浴びせられ、金縛りに遭って海底に沈む。さらには、主人公・立花由里の父である防衛軍の立花泰三准将が搭乗する特殊潜航艇「さつま」に口内へ飛び込まれ、先ほどのキングギドラとの戦闘時に負った肩の傷を体内から特殊削岩弾D-03を搭載した魚雷で攻撃され、大きな傷口を穿たれてしまう。それでもなおゴジラは浮上して由里たちに熱線を吐きかけようとするが、肩の傷口から熱線のエネルギーが放出され、絶叫して大出血しながら再び海底に沈む。最後は沈んだ直後に肩の傷口から脱出した立花准将の「さつま」に向けて再び熱線を吐こうとしたところ、そのエネルギーに体が耐えられずに暴発して消滅した。しかし、ラストシーンでは海底において鼓動を続けるゴジラの心臓が映し出された。 |
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立花泰三の回想によると、彼の幼少期にゴジラが東京を襲撃しており、そのときにはある科学者が作り出したとされる「[[東宝特撮映画の登場兵器#オキシジェン・デストロイヤー|未知の毒化合物]]」によって消滅している。また、その際には防衛軍が迎撃に当たったもののまったく通用せず、その事実が国民に露見すれば防衛軍そのものの不要論に繋がるという理由で、先述の事実は上層部の一部の人間以外には隠蔽され、表向きは「防衛軍の火力をもってゴジラを撃滅した」と発表された。 |
立花泰三の回想によると、彼の幼少期にゴジラが東京を襲撃しており、そのときにはある科学者が作り出したとされる「[[東宝特撮映画の登場兵器#オキシジェン・デストロイヤー|未知の毒化合物]]」によって消滅している。また、その際には防衛軍が迎撃に当たったもののまったく通用せず、その事実が国民に露見すれば防衛軍そのものの不要論に繋がるという理由で、先述の事実は上層部の一部の人間以外には隠蔽され、表向きは「防衛軍の火力をもってゴジラを撃滅した」と発表された。 |
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==== 制作(GMK) ==== |
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* 監督の[[金子修介]]は、史上最も凶暴・凶悪なゴジラをコンセプトとしている{{R|GMK超全集2}}。一方、放射能の描写については甘すぎると述べており、実際に放射線を発していると周囲の人間が皆死んでしまうため、ファンタジーとして割り切っている{{R|BOK64}}。 |
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監督の[[金子修介]]は、史上最も凶暴・凶悪なゴジラをコンセプトとしている{{R|GMK超全集2}}。監督を依頼された際には、製作の[[富山省吾]]に[[ゴジラ (初代)|初代ゴジラ]]のような凶暴凶悪なゴジラをやりたいと告げていた{{R|東宝SFSE0109}}。一方、ゴジラが[[第五福竜丸]]の母港であった焼津港に上陸したり、熱線による[[キノコ雲]]などで「核の象徴」としての要素を強調しつつ、ゴジラそのものを[[核兵器]]と同一視することは避けている{{R|東宝SFSE0110}}。放射能の描写については甘すぎると述べており、実際に放射線を発していると周囲の人間が皆死んでしまうため、ファンタジーとして割り切っている{{R|BOK64}}。 |
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* 放射熱線の描写では、特殊技術の神谷誠のこだわりにより、大砲のようなバースト現象が取り入れられている{{R|GMK超全集68}}。また、熱線の色も放射線を意識した青としている{{R|BOK64}}。 |
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金子は、平成ガメラシリーズを手掛けたことでゴジラとガメラのキャラクター性の違いをはっきり感じたといい、同シリーズでのガメラが古代文明の生物兵器であるというSF的な説明を行っていたのに対し、ゴジラは科学を越えた存在であると語っている{{R|東宝SFSE0110}}。戦争犠牲者の残留思念の集合体であるという設定は、金子が中学生のころに第1作を観て感じていたものだという{{R|東宝SFSE0110}}。 |
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ゴジラを悪役として描くため、怪獣との戦いで観客がゴジラを応援してしまうことを避けるため、怖さや残忍さが強調されている{{R|東宝SFSE0112}}。バラゴンとの戦いでは、金子は体格差のある怪獣同士の戦いをやりたかったといい、小さい方を勝たせずに勝負にならない戦いとすることで、容赦のないゴジラの残酷さを出している{{R|東宝SFSE0110}}。 |
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==== 造形(GMK) ==== |
==== 造形(GMK) ==== |
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通称'''GMKゴジラ'''{{refnest|group="出典"|{{Sfn|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=278}}{{R|C大全154|造型}}}}、'''GMKゴジ'''{{refnest|group="出典"|{{Sfn|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=232、286}}{{R|G60111}}}}。スーツアクターは[[吉田瑞穂 (スーツアクター)|吉田瑞穂]]{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集55|東宝特撮映画大全集275|C大全154}}}}。 |
通称'''GMKゴジラ'''{{refnest|group="出典"|{{Sfn|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=278}}{{R|C大全154|造型}}}}、'''GMKゴジ'''{{refnest|group="出典"|{{Sfn|オール東宝怪獣大図鑑|2014|p=232、286}}{{R|G60111}}}}。スーツアクターは[[吉田瑞穂 (スーツアクター)|吉田瑞穂]]{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0142|GMK超全集55|東宝特撮映画大全集275|C大全154}}}}。 |
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造形は金子の指名で[[品田冬樹]]が担当{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集44|ALL286|C大全154|造型88}}}}。具体的なデザイン画は存在せず、監督の[[金子修介]]らのアイディアをもとに品田によって検討用モデルから造形された{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集55|ALL286|造型88|造型118}}}}。これは、デザインと立体とのイメージのずれを解消するための措置であった{{R|GMK超全集55}}。品田は、初代ゴジラの検討用モデルと84ゴジラをイメージしたとされる{{R|GMK超全集55}}。プロポーションは前作とは打って変わって太めかつ頭部が大きい。耳も穴のみとなった{{R|ALL230}}。[[イグアノドン]]をイメージして手の親指が大きく造型された{{R|GMK超全集55}}。足の爪は、スーツアクターの安全性を考慮して地面につかない位置につけられており、当たっても爪が曲がるように設計されている{{R|造型90}}。背びれも、特徴的であったミレニアムゴジラのものではなく昭和ゴジラを意識したものとなり、原点回帰を意図している{{R|造型118}}{{efn|書籍『オール東宝怪獣大図鑑』では、「[[ヘラジカ]]のイメージ」と記述している{{R|ALL286}}。}}。初期案では四足歩行怪獣を相手とするため、恐竜型の前傾姿勢とする原型も存在しており、製作発表ではこちらのモデルが用いられていた{{R|GMK超全集55|ALL286}}。 |
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感情移入を拒絶する「悪の権化」を強調するため、眼は白目のみで黒目が存在しない{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集55|東宝特撮映画大全集273|ALL230|C大全154|超常識172|造型88}}}}。毛細血管を黒くすることで白目と黒目が逆転したような印象としている{{R|GMK超全集55}}。これは当初から予定されていたものではなく、造型の途中で発案されたものであった{{R|東宝SFSE0109}}。富山は、映像での映り方を考慮し、目全体を白くするのではなく、白目と黒目を逆転させることを提案した{{R|東宝SFSE0109}}{{efn|神谷は、『[[ゴジラvsビオランテ]]』で品田が手掛けた[[ビオランテ]]の目をイメージしたという{{R|東宝SFSE0112}}。}}。眼球は、特技監督の[[神谷誠]]からの提案により、デイシーンとナイトシーンで配色を変えている{{R|造型118}}。金子は、目を白くしたことで子供は怖がるだろうと想定していたが、あまり怖がられなかったと述べている{{R|東宝SFSE0110}}。 |
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着ぐるみはバラゴンとの体格差を表現するため、シリーズ最大となる頭頂高220センチメートルのものが作られた{{refnest|group="出典"|<ref>『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』劇場パンフレット{{要ページ番号|date=2018年1月}}。</ref>{{R|東宝SFSE0112|C大全154|造型90}}}}。足は、20センチメートルほどの発泡材を入れた高下駄構造となっている{{R|ALL286}}。重量は80キログラム以上となり、格闘戦の多い本作品ではスーツアクターへの負担が大きいものとなった{{R|GMK超全集55}}。スーツの大型化に伴い、スーツアクターも大柄な吉田が選ばれた{{R|C大全154}}。爪は発泡ウレタン、牙はFRPおよび歯科用レジン、舌はウレタンゴムを用いている{{R|造型118}}。頭部は肩の支柱のほか、ウレタンで周囲を固定していたが、演じているうちに汗を吸ったり火薬を用いたりしたことなどでウレタンが柔らかくなってしまい、吉田の自力では支えられなくなったため、品田によって首周りが強化された{{R|造型126}}。当初、品田はよく動くゴジラを制作したいと考えていたが、大型化したことにより重く動きづらいものとなり、ギミックも多かったため、吉田に苦役を強いるものになってしまったと述懐している{{R|東宝SFSE0141}}。 |
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メインとなるアップ用のほか、アクション用と海用も製作された{{R|東宝SFSE0141|造型90}}。いずれも首の可動と口の開閉ギミックを備えるが、アップ用ではそれらに加え、歯を剥いて鼻と眉間にしわが寄るようになっており、瞬きも瞼だけではなく眉の丘から動くものとなっている{{R|東宝SFSE0141}}。喉や胸を上下させるギミックも内蔵している{{R|東宝SFSE0141}}。アップ用の背びれは、熱線発射時に左右が開き、中央列が前後に可動するギミックが存在するが{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0141|ALL286|造型90}}}}{{efn|吉田によれば、胸部にも可動ギミックが入る予定であったが、実際のスーツではオミットされた{{R|造型126}}。}}、2カット程度しか使われていない{{R|造型118}}{{efn|品田は、動く背びれは重すぎてほとんど使えなかったと証言している{{R|東宝SFSE0141}}。}}。海用スーツは、水中撮影での感電を防ぐため、可動ギミックには電動ではなくエアシリンダーが用いられている{{R|東宝SFSE0141|ALL286}}。また、爆破用としてアトラクション用ミレニアムゴジラの頭部と背びれを差し替えたものも用いられた{{R|造型118}}。一方、『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』(1984年版)のサイボットゴジラを再び用いることも検討されていた{{R|ALL291}}。 |
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スーツ自体の色は茶色で、巨大感を出すためにブルーのライトを当てることで従来のゴジラの色を表現している{{R|造型118}}。 |
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民宿と魚市場を踏み潰すシーンには、昭和シリーズで用いられていた巨大な足だけの造形物が改修を経て用いられている{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0112|GMK超全集64|東宝特撮映画大全集275|C大全154|ALL286|造型90}}}}{{efn|神谷は、『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』(1984年版)のメイキング写真に写っていたことから同作品で制作されたものと認識していたが、後に[[川北紘一]]から[[円谷英二]]時代のものであることを教えられたという{{R|東宝SFSE0112}}。}}。上陸シーンでは、実物大の表皮の造形物が用いられた{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0141|GMK超全集64|東宝特撮映画大全集275}}}}。 |
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海中を泳ぐシーンや俯瞰での移動シーンは、フルCGで描写された{{R|東宝SFSE0144|GMK超全集68}}。ラストシーンでの心臓も3DCGで描写され、実際の心臓手術の映像を参考としている{{R|東宝SFSE0144|GMK超全集68}}。さつまが入る体内も3DCGによるもので、演出上暗くしているが、マリンスノーや魚雷発射時の気泡など細かく描写している{{R|東宝SFSE0144}}。 |
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==== 撮影・演出(GMK) ==== |
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造形は金子の指名で[[品田冬樹]]が担当{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集44|ALL286|C大全154|造型88}}}}。具体的なデザイン画は存在せず、監督の[[金子修介]]らのアイディアをもとに品田によって検討用モデルから造形された{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集55|ALL286|造型88|造型118}}}}。これは、デザインと立体とのイメージのずれを解消するための措置であった{{R|GMK超全集55}}。品田は、初代ゴジラの検討用モデルと84ゴジラをイメージしたとされる{{R|GMK超全集55}}。プロポーションは前作とは打って変わって太めかつ頭部が大きい。感情移入を拒絶する「悪の権化」を強調するため、眼は白目のみで黒目が存在しない{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集55|東宝特撮映画大全集273|ALL230|C大全154|超常識172|造型88}}}}{{efn|毛細血管を黒くすることで白目と黒目が逆転したような印象としている{{R|GMK超全集55}}。}}。耳も穴のみとなった{{R|ALL230}}。[[イグアノドン]]をイメージして手の親指が大きく造型された{{R|GMK超全集55}}。足の爪は、スーツアクターの安全性を考慮して地面につかない位置につけられており、当たっても爪が曲がるように設計されている{{R|造型90}}。背びれも、特徴的であったミレニアムゴジラのものではなく昭和ゴジラを意識したものとなり、原点回帰を意図している{{R|造型118}}{{efn|書籍『オール東宝怪獣大図鑑』では、「[[ヘラジカ]]のイメージ」と記述している{{R|ALL286}}。}}。初期案では四足歩行怪獣を相手とするため、恐竜型の前傾姿勢とする原型も存在しており、製作発表ではこちらのモデルが用いられていた{{R|GMK超全集55|ALL286}}。 |
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吉田は、撮影前に過去の作品を研究し、カメラテストではあえて従来のゴジラと違う動きを試みたが、モニターで確認すると明らかにゴジラの動きではなかったため、第1作のゴジラを基本とするかたちとした{{R|東宝SFSE0142}}。怪獣同士の戦いでは『[[キングコング対ゴジラ]]』での[[中島春雄]]の演技を、歩き方はvsシリーズでの[[薩摩剣八郎]]の演技をそれぞれ参考にしている{{R|東宝SFSE0142}}。また、吉田によれば、神谷は手の動きにこだわっていたといい、従来のゴジラは脇を閉めて手を内側に向けていたが、それでは動く際に赤ん坊のように見えてしまうため、本作品では手を下に向けている{{R|東宝SFSE0142}}。 |
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神谷によれば、スーツが大型化したことにより、仰角の撮影でスタジオの天井が映ってしまうことが一番の難点であったといい、オープンセットを用いたり、天井を合成で隠すなどしたほか、ゴジラのみセットの床ではなくスタジオの床に直接立たせることもあったと証言している{{R|東宝SFSE0112}}。 |
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着ぐるみはバラゴンとの体格差を表現するため、シリーズ最大となる頭頂高220センチメートルのものが作られた{{refnest|group="出典"|<ref>『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』劇場パンフレット{{要ページ番号|date=2018年1月}}。</ref>{{R|C大全154|造型90}}}}。足は、20センチメートルほどの発泡材を入れた高下駄構造となっている{{R|ALL286}}。重量は80キログラム以上となり、格闘戦の多い本作品ではスーツアクターへの負担が大きいものとなった{{R|GMK超全集55}}。スーツの大型化に伴い、スーツアクターも大柄な吉田が選ばれた{{R|C大全154}}。爪は発泡ウレタン、牙はFRPおよび歯科用レジン、舌はウレタンゴムを用いている{{R|造型118}}。頭部は肩の支柱のほか、ウレタンで周囲を固定していたが、演じているうちに汗を吸ったり火薬を用いたりしたことなどでウレタンが柔らかくなってしまい、吉田の自力では支えられなくなったため、品田によって首周りが強化された{{R|造型126}}。 |
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放射熱線の描写では、神谷のこだわりにより、大砲のようなバースト現象が取り入れられている{{R|東宝SFSE0112|GMK超全集68}}。神谷は、絵コンテでゴジラの背ビレが光ってから熱線を吐くまでの間に本編シーンが挟まれていたため、間を持たせる必要があったと述べている{{R|東宝SFSE0112}}。また、熱線の色も放射線を意識した青としている{{R|東宝SFSE0112|BOK64}}。 |
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メインとなるアップ用のほか、アクション用と海用も製作された{{R|造型90}}。アップ用の背びれは、熱線発射時に左右が開き、中央列が前後に可動するギミックが存在するが{{R|ALL286|造型90}}{{efn|吉田によれば、胸部にも可動ギミックが入る予定であったが、実際のスーツではオミットされた{{R|造型126}}。}}、2カット程度しか使われていない{{R|造型118}}。海用スーツは、水中撮影での感電を防ぐため、口の可動ギミックに電動ではなくエアシリンダーが用いられている{{R|ALL286}}。また、爆破用としてアトラクション用ミレニアムゴジラの頭部と背びれを差し替えたものも用いられた{{R|造型118}}。一方、『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』(1984年版)のサイボットゴジラを再び用いることも検討されていた{{R|ALL291}}。 |
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ゴジラが焼津で海中から姿を表すシーンでは、スーツやミニチュア、CGのほか、実物大表皮、グリーンバック撮影による本編素材、様々な水の映像素材など、多数の映像を組み合わせている{{R|東宝SFSE0112}}。神谷は、それぞれ大掛かりな撮影になったが、面白いカットになったと自負している{{R|東宝SFSE0112}}。 |
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スーツ自体の色は茶色で、巨大感を出すためにブルーのライトを当てることで従来のゴジラの色を表現している{{R|造型118}}。眼球は、特技監督の神谷誠からの提案により、デイシーンとナイトシーンで配色を変えている{{R|造型118}}。 |
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バラゴンとの戦いでは、当初吉田はゴジラとの体格差から軽く投げ飛ばす程度で考えていたが、バラゴン役の[[太田理愛]]の真剣さに影響され、ゴジラが体重をかけて叩きつけるなどの動きに改めた{{R|東宝SFSE0142}}。しかし、ゴジラが体を捻っているように見せるためには上半身を深く捻らなければならなかったのが辛かったといい、一方で全力を出しすぎるとバランスを崩して倒れてしまうこともあるなど、苦労した旨を語っている{{R|東宝SFSE0142}}。キングギドラとの戦いでは、スーツの動きが制約されるため生物的な動きにならず、ゴジラから噛みついたりするなどの戦い方となり、吉田は格闘と言えるほどのものにならず残念だったと述懐している{{R|東宝SFSE0142}}。 |
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民宿と魚市場を踏み潰すシーンには、昭和シリーズで用いられていた巨大な足だけの造形物が改修を経て用いられている{{refnest|group="出典"|{{R|GMK超全集64|東宝特撮映画大全集275|C大全154|ALL286|造型90}}}}。上陸シーンでは、実物大の表皮の造形物が用いられた{{R|GMK超全集64|東宝特撮映画大全集275}}。 |
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F-7Jとの戦闘シーンでは、ゴジラをブルーバックで撮影しているが、スーツの可動域では上を向くことができないため、合成により動かしている{{R|東宝SFSE0144}}。 |
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=== 機龍二部作 === |
=== 機龍二部作 === |
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; 『[[ゴジラ×メカゴジラ]]』 |
; 『[[ゴジラ×メカゴジラ]]』 |
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: 1999年、房総半島への上陸を経て千葉県館山市を中心に破壊して太平洋に姿を消した後、2003年に再出現して[[メカゴジラ#ミレニアムシリーズのメカゴジラ(3式機龍)|3式機龍]]と交戦する{{R|東宝特撮映画大全集機龍}}。 |
: 1999年、房総半島への上陸を経て千葉県館山市を中心に破壊して太平洋に姿を消した後、2003年に再出現して[[メカゴジラ#ミレニアムシリーズのメカゴジラ(3式機龍)|3式機龍]]と交戦する{{R|東宝特撮映画大全集機龍}}。 |
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: 最初は八景島に出現して機龍に攻撃されるが、その際に発した咆哮が初代ゴジラの[[デオキシリボ核酸|DNA]]に干渉した結果、機龍は一時オペレーション不能となり、暴走する。だが、機龍が暴走する前に攻撃を加えることなく海へ去る。その後、東京に上陸して品川周辺にて機龍との再戦に突入し、肉弾戦を繰り広げるが、尾を持たれて振り回されるなどして押され気味となり、最後は捨て身の機龍によるアブソリュート・ゼロで氷結させられる{{R|全怪獣大図鑑186}}。その結果、胸を大きく負傷して戦意を喪失し、太平洋へ去 |
: 最初は八景島に出現して機龍に攻撃されるが、その際に発した咆哮が初代ゴジラの[[デオキシリボ核酸|DNA]]に干渉した結果、機龍は一時オペレーション不能となり、暴走する。だが、機龍が暴走する前に攻撃を加えることなく海へ去る。その後、東京に上陸して品川周辺にて機龍との再戦に突入し、肉弾戦を繰り広げるが、尾を持たれて振り回されるなどして押され気味となり、最後は捨て身の機龍によるアブソリュート・ゼロで氷結させられる{{R|全怪獣大図鑑186}}。その結果、胸を大きく負傷して戦意を喪失し、太平洋へ去った。 |
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; 『[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]]』 |
; 『[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]]』 |
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: 出現地点は中央太平洋→グアム島沖→太平洋上→浦賀水道→東京タワー周辺→永田町→日本海溝{{R|GMMG超全集30}}。 |
: 出現地点は中央太平洋→グアム島沖→太平洋上→浦賀水道→東京タワー周辺→永田町→日本海溝{{R|GMMG超全集30}}。 |
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: 2004年、中央太平洋に1年間潜伏していたが、アメリカの原子力潜水艦を太平洋で襲撃した後、機龍の中枢構造に使用されている初代ゴジラの骨を求めて東京・品川埠頭に再上陸し、八王子を目指して進撃する{{R|全怪獣大図鑑188}}。胸部にはアブソリュート・ゼロによる傷跡が残っていることから、同個体と判明する{{refnest|group="出典"|{{R|東宝特撮映画大全集282|東宝全怪獣114|全怪獣大図鑑188}}}}。この傷が弱点となり、機龍から集中攻撃を受け |
: 2004年、中央太平洋に1年間潜伏していたが、アメリカの原子力潜水艦を太平洋で襲撃した後、機龍の中枢構造に使用されている初代ゴジラの骨を求めて東京・品川埠頭に再上陸し、八王子を目指して進撃する{{R|全怪獣大図鑑188}}。胸部にはアブソリュート・ゼロによる傷跡が残っていることから、同個体と判明する{{refnest|group="出典"|{{R|東宝特撮映画大全集282|東宝全怪獣114|全怪獣大図鑑188}}}}。この傷が弱点となり、機龍から集中攻撃を受けた{{R|全怪獣大図鑑188}}。港区から東京タワー近辺にて成虫モスラと戦い、鱗粉に苦められるものの足を引きちぎり、放射熱線でこれを倒す。その後、改良を経て再起動した機龍と国会議事堂周辺にて肉弾戦を繰り広げるが、スパイラル・クロウで体を貫かれてひるんだところを、幼虫モスラの糸で絡め取られて動けなくなり、戦意を喪失して倒れ込み、最終的には自我を持った機龍に抱えられ、ともに[[日本海溝]]に沈んでいった。こうして、ゴジラのDNAを使った兵器は今後開発不可能となったはずだったが、そのDNAデータは特生自衛隊特殊生物研究本部の貯蔵室になおも保存されていることが、ラストシーンで明かされた。 |
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==== 制作(機龍二部作) ==== |
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* 公式設定ではないものの、監督の手塚昌明や製作の富山省吾はこの個体を「初代ゴジラ(=機龍)の息子」と解釈していたという{{Sfn|島崎淳|友井健人|小林雄次|2003|pp=61, 70}}。 |
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公式設定ではないものの、監督の手塚昌明や製作の富山省吾はこの個体を「初代ゴジラ(=機龍)の息子」と解釈していた{{Sfn|島崎淳|友井健人|小林雄次|2003|pp=61, 70}}。 |
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脚本の[[三村渉]]は、生物的な匂いをゴジラに持たせたいと考え、人間を敵視して暴れるゴジラではなく、種と種の交信で惹かれ合う、という生物の本心のようなもので動いていると想定している{{R|3式機龍CP82}}{{efn|三村は、自身が過去に手掛けた『vsメカゴジラ』でのゴジラとベビーゴジラの関係と同じであると述べている{{R|3式機龍CP82}}。}}。 |
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『×メカゴジラ』でのゴジラは、初代ゴジラの骨を求めて出現しているが{{R|東宝SFSE0309}}、劇中では明言していない{{R|東宝SFSE0310}}。手塚は、あまり詳細を説明せず、なぜ出現したのかを観客に考えてもらいたかったと述べている{{R|東宝SFSE0310}}。『東京SOS』では、ラストシーンでDNAデータが残っていることを明かしており、ゴジラがこちらを探していたことも示唆している{{R|東宝SFSE0410}}。 |
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==== 造形(機龍二部作) ==== |
==== 造形(機龍二部作) ==== |
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; 機龍ゴジ{{refnest|group="出典"|{{R|宇宙船YB03|ALL292|G60111|U153}}}}(機龍ゴジラ{{R|C大全156|造型}}):[[ゴジラ×メカゴジラ]] |
; 機龍ゴジ{{refnest|group="出典"|{{R|宇宙船YB03|ALL292|G60111|U153}}}}(機龍ゴジラ{{R|C大全156|造型}}):[[ゴジラ×メカゴジラ]] |
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: 別名:'''釈ゴジ'''(主演の[[釈由美子]]から){{Sfn|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=232, 292}} |
: 別名:'''釈ゴジ'''(主演の[[釈由美子]]から){{Sfn|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=232, 292}} |
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: 造型はモンスターズが担当{{refnest|group="出典"|name="機龍造形"|{{R|機龍超全集49|C大全156|造型92}}}}。デザイン画は起こされず{{efn|西川伸司が頭部修正のラフデザインは描いている{{R|西川20}}。}}、若狭新一がミレニアムゴジラの写真を[[Adobe Photoshop]]で |
: 造型はモンスターズが担当{{refnest|group="出典"|name="機龍造形"|{{R|機龍超全集49|C大全156|造型92|3式機龍CP56}}}}。アップ用・アクション用の全身、顔のアップ用の上半身、下半身のみの4種類が作られた{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0333|3式機龍CP56|3式機龍CP65}}}}。デザイン画は起こされず{{efn|西川伸司が頭部修正のラフデザインは描いている{{R|西川20}}。}}、若狭新一がミレニアムゴジラの写真を[[Adobe Photoshop]]で部分修整した画像が決定デザインになっている{{R|ALL292|3式機龍CP56}}。当初、若狭は機龍とゴジラに龍虎をイメージし、ゴジラに哺乳類([[トラ]])のイメージが強かった2本の牙が突き出た粘土原型を製作したが、手塚の意向で不採用となった{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集49|ALL292|若狭189|3式機龍CP56}}}}。 |
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: スーツの |
: スーツの胴体はギラゴジ(ミレゴジ)の型を流用しており{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集49|ALL292|造型92|若狭192|3式機龍CP56}}}}、2体製作された{{R|造型94|若狭195}}。体の色はディープグリーンを黒に吹いて表現した濃いグレーで{{R|group="出典"|機龍造形}}、頭部や背びれは手塚からの要望でミレゴジより小さく{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集49|宇宙船YB03|C大全156|造型92|3式機龍CP56|3式機龍CP65|若狭192}}}}{{efn|監督の手塚は正面や斜めから広角や望遠を使って撮ることが多いため、現実のものより頭身がズレてくることから、昔のゴジラのバランスに近づけたいと要望し、頭部を小さくしたという{{R|3式機龍CP72|西川20}}。}}、背びれの色も特殊技術の[[菊地雄一]]からの依頼でメタリックレッドやパープルが消えて銀色に造形されており{{R|C大全156|3式機龍CP78}}、全体をシャープな雰囲気の男前にしている{{R|3式機龍CP78}}。眼球もサイズは同一だが、瞳が小さくなっている{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集49|造型92|3式機龍CP56}}}}{{efn|書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、ミレニアムよりも優しい顔立ちと評している{{R|C大全156}}。}}。喜多川によれば、1体目のスーツはミレゴジと同様にヘルメットを被ってゴジラの頭部とスーツアクターの頭が連動する構造となっていたが、2体目は首全体をファイバーで固定して肩で支える形となった{{R|造型124}}。2体のうち1体は、クライマックスシーン用に胸を負傷した状態に改修され、足も切断されている{{R|造型94|若狭202}}。スーツ内部には軽いウレタンが用いられ、軽量化されたギラゴジよりさらに軽い40キログラム台となった{{R|ALL292}}。喜多川は、『ミレニアム』のころよりも大幅に改善され動きやすくなったが、足の運びはあまり変わらず思うようにはいかなかったと述懐している{{R|東宝SFSE0340}}。 |
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: 喜多川の体型に合わせて作られたスーツは、腕を通す際には助監督たちに強く引っ張ってもらわないと入らなかったという{{R|3式機龍CP60}}。 |
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: 機龍にジャイアントスイングで振り回されるシーンや機龍に抱えられて飛ぶシーンでは、1/2モデルが用いられた{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集58|造型94|若狭196}}}}。ラストシーンでは、ダメージを受けた上半身のみのスーツが用いられた{{R|機龍超全集58|ALL292}}。また、1/2サイズの尾だけのモデルも製作され、中に釣り竿を入れてしならせている{{R|造型116}}。 |
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: アップショット用の頭部は、眉丘や目、口の開閉などがラジコンで操作される{{R|3式機龍CP16|3式機龍CP56}}。 |
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: その後、スーツは[[福岡市美術館]]で開催された『ゴジラ展 大怪獣、創造の軌跡』(2016年)のCMに使用された{{R|U153}}。 |
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: 機龍にジャイアントスイングで振り回されるシーンや機龍に抱えられて飛ぶシーンでは、1/2モデルが用いられた{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集58|造型94|若狭196|3式機龍CP56|3式機龍CP134}}}}。ラストシーンでは、ダメージを受けた上半身のみのスーツが用いられた{{refnest|group="出典"|{{R|機龍超全集58|ALL292|3式機龍CP56}}}}。また、1/2サイズの尾だけのモデルも製作され、中に釣り竿を入れてしならせている{{R|造型116}}。 |
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: その後、撮影用スーツは『ゴジラ パチスロウォーズ』(2007年)のPV、缶コーヒー[[FIRE (コーヒー)|FIRE]]のCM(2009年 - 2010年)、[[キリングループ|KIRIN]]の自販機のPOP、首都圏近郊の[[JR]]線の広告掲示、『G博 ゴジラ大阪に現る』(2014年){{R|3式機龍CP132}}、[[福岡市美術館]]で開催された『ゴジラ展 大怪獣、創造の軌跡』(2016年)のメインビジュアルやCM、館内映像に使用された{{R|U153|3式機龍CP132}}。 |
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; SOSゴジ{{refnest|group="出典"|{{Sfn|島崎淳|友井健人|小林雄次|2003|p=29}}{{R|G60111}}}}(SOSゴジラ{{R|造型}}):[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]] |
; SOSゴジ{{refnest|group="出典"|{{Sfn|島崎淳|友井健人|小林雄次|2003|p=29}}{{R|G60111}}}}(SOSゴジラ{{R|造型}}):[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]] |
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: 別名:'''GMMGゴジ'''{{R|G60111}}{{efn|資料によっては、呼称を機龍ゴジ(釈ゴジ)と区別していない{{R|ALL230|C大全156}}。}} |
: 別名:'''GMMGゴジ'''{{R|G60111}}{{efn|資料によっては、呼称を機龍ゴジ(釈ゴジ)と区別していない{{R|ALL230|C大全156}}。}} |
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: 造型は引き続きモンスターズが担当{{R|GMMG超全集44|造型98}}。スーツは新規造形で{{R|若狭204}}、陸用と海用の2着が制作された{{R|若狭210}}。機龍ゴジの型を |
: 造型は引き続きモンスターズが担当{{refnest|group="出典"|{{R|GMMG超全集44|3式機龍CP65|造型98}}}}。スーツは新規造形で{{refnest|group="出典"|{{R|3式機龍CP60|3式機龍CP65|若狭204}}}}、陸用と海用の2着が制作された{{R|若狭210}}{{efn|書籍『東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』での若狭のインタビューでは、「メインスーツ」「アクション用スーツ」「海用上半身スーツ」「下半身スーツ」「表情用メカニカルパペット」を本作品で制作したと述べており、海用の下半身は前作を流用したとしている{{R|東宝SFSE0434}}。}}。機龍ゴジの型を流用しており{{refnest|group="出典"|{{R|GMMG超全集44|東宝特撮映画大全集283|C大全156|3式機龍CP65|造型96}}}}、歯の原型が新規に作られ{{refnest|group="出典"|{{R|GMMG超全集44|造型96|若狭208}}}}、背びれも尾のつなぎ目や全体のボディバランスが不自然にならないよう修整している{{R|GMMG超全集44|3式機龍CP56}}。胸は傷跡を表現するため、みみず腫れのように盛り上がっている{{efn|西川によるラフデザインが描かれている{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0432|若狭214|西川20|3式機龍CP51|3式機龍CP56}}}}。}}。 |
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: 撮影では新規造形のアップ用スーツのほか、機龍ゴジを改造したアクション用スーツ{{R|C大全156|造型96}}、顔の表情の動きを表現する |
: 撮影では新規造形のアップ用スーツのほか、機龍ゴジを改造したアクション用スーツ{{R|C大全156|造型96}}、眉丘や瞼が動いて顔の表情の動きを表現するスーツアクターは入らないアップ用上半身メカニカル{{refnest|group="出典"|{{Sfn|島崎淳|友井健人|小林雄次|2003|p=29}}{{R|東宝SFSE0434|ALL296|C大全156|造型98|3式機龍CP40|3式機龍CP65|3式機龍CP134}}}}、上半身と下半身のスーツ{{R|東宝SFSE0434|3式機龍CP65}}が使用された。海用スーツの背びれも前作のものを流用している{{R|東宝SFSE0434}}。機龍とともに飛び去るカットでは、1/2モデルも使用された{{R|東宝SFSE0434|GMMG超全集50}}。 |
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: モスラの糸に巻かれた状態は、袋状にした半透明の繊維をスーツに被せ、モスラの糸と同じ溶かした発泡スチロールを加工している{{R|GMMG超全集50}}。 |
: モスラの糸に巻かれた状態は、袋状にした半透明の繊維をスーツに被せ、モスラの糸と同じ溶かした発泡スチロールを加工している{{R|GMMG超全集50}}{{efn|喜多川はガソリンでできた糸としている{{R|3式機龍CP60}}。}}。機龍に空輸されるシーンでは、綿で小型のゴジラを覆っている{{R|3式機龍CP40}}。 |
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: 水中を泳ぐシーン |
: 水中を泳ぐシーンは、ギニョールも作られたが、実際にはフルCGモデルで描写された{{refnest|group="出典"|{{R|GMMG超全集56|造型98|3式機龍CP40}}}}。前作や『×メガギラス』とは形状が異なるため、CGは流用ではなく新規に作り直している{{R|東宝SFSE0444}}。 |
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==== 撮影・演出(機龍二部作) ==== |
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; 『[[ゴジラ×メカゴジラ]]』 |
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: ゴジラの動きについて喜多川は、菊地の意向を受けvsシリーズのようなどっしりとした感じを志向していた{{R|東宝SFSE0340}}。しかし、戦闘シーンでは必死になりそれどころではなくなってしまい、悔しさも感じたが、その一生懸命さは撮ってもらえたので良かったと語っている{{R|東宝SFSE0340}}。 |
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: 喜多川は、ゴジラが機龍を仲間と思っているため、初遭遇シーンでは相手の出方を威嚇をせずに待つという姿勢で演じていたという{{R|東宝SFSE0340|3式機龍CP60}}。そのため、喜多川は手を完全に降ろして戦う意志がないことを示したかったが、菊地の意見により不採用となった{{R|東宝SFSE0340}}。完成作品を観た喜多川は、シーンが短かったためゴジラが逃げ出したように見えたと述べている{{R|東宝SFSE0340}}。 |
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: 73式戦車を踏みつぶすカットでは、下半身のみのスーツを喜多川が着用し、片足立ちの体勢を助監督の清水俊文の手を借りて支えている{{R|3式機龍CP16}}。 |
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: 放射熱線の色は前作に引き続き青としているが、合成を手掛けたVFXスーパーバイザーの泉谷修は前作のものが細いと感じ、本作品では『×メガギラス』と同様の雰囲気に戻している{{R|東宝SFSE0344}}。 |
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: |
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; 『[[ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS]]』 |
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: 上半身メカニカルは喜多川自らが操作している{{R|3式機龍CP40}}。モスラの羽ばたきに押されるシーンは、下半身のみの着ぐるみに、強風を実際に当てて、ロープを喜多川が掴んで踏ん張りつつ、アップ撮影で足の芝居を行っている{{R|3式機龍CP40}}。特殊技術の[[浅田英一]]は、ゴジラは重量感が重要であると述べており、初代ゴジラに近いイメージであったと語っている{{R|東宝SFSE0412}}。 |
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: 原子力潜水艦に取り付くゴジラは、小型の造形物で撮影され、台車にカメラを載せて敷いたレールを移動させた{{R|3式機龍CP40}}。ブリッジ越しに見えるゴジラは、背びれの造形物や着ぐるみを使って撮影された{{R|3式機龍CP40}}。 |
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: 浮上するシーンでは、水中に沈めた装置で喜多川が入った着ぐるみをリフトアップさせている{{R|3式機龍CP40}}。 |
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: 戦車、メーサー車部隊と戦うシーンは、1984年版『ゴジラ』での晴海埠頭の部隊が全滅するシーンの再現となっている{{R|3式機龍CP40}}。 |
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: ナイトシーンでは、霧をスーツ表面に吹いてツヤを出している{{R|3式機龍CP40}}。 |
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: ゴジラが東京タワーを破壊するのは本作品が初である{{R|東宝SFSE0412}}。 |
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=== 『ゴジラ FINAL WARS』 === |
=== 『ゴジラ FINAL WARS』 === |
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本編から20年前に南極で[[轟天号]]と交戦し、あと一歩まで追い詰めるものの、偶発した地震によって地割れに落ち、轟天号のミサイル攻撃で氷の中に封じ込められ、封印される{{R|東宝特撮映画大全集286|全怪獣大図鑑190}}。その地点は「エリアG」とされ、厳重に監視されていたが、[[X星人]]の操る怪獣たちによって世界が壊滅状態となり、ダグラス・ゴードン大佐をはじめとする[[轟天号#新・轟天号|新・轟天号]]のクルーらの手により、怪獣たちを倒すため、そしてX星人を倒すために復活させられる{{R|東宝特撮映画大全集286|全怪獣大図鑑190}}。ゴードンには「地球最強の兵器」とも称される。 |
本編から20年前に南極で[[轟天号]]と交戦し、あと一歩まで追い詰めるものの、偶発した地震によって地割れに落ち、轟天号のミサイル攻撃で氷の中に封じ込められ、封印される{{R|東宝特撮映画大全集286|全怪獣大図鑑190}}。その地点は「エリアG」とされ、厳重に監視されていたが、[[X星人]]の操る怪獣たちによって世界が壊滅状態となり、ダグラス・ゴードン大佐をはじめとする[[轟天号#新・轟天号|新・轟天号]]のクルーらの手により、怪獣たちを倒すため、そしてX星人を倒すために復活させられる{{R|東宝特撮映画大全集286|全怪獣大図鑑190}}。ゴードンには「地球最強の兵器」とも称される。 |
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怪獣との交戦時には、ハイキックを思わせる尻尾攻撃から熱線のコンビネーションやマウントパンチを繰り出すなど、アグレッシブかつスピーディーで、格闘色が強い。劇中ではほぼ向かうところ敵なしの強さを見せ、モンスターX=カイザーギドラと改造ガイガン以外には苦戦すらしない。最終決戦でカイザーギドラを倒したあと、ミニラとともに海へ |
怪獣との交戦時には、ハイキックを思わせる尻尾攻撃から熱線のコンビネーションやマウントパンチを繰り出すなど、アグレッシブかつスピーディーで、格闘色が強い。劇中ではほぼ向かうところ敵なしの強さを見せ、モンスターX=カイザーギドラと改造ガイガン以外には苦戦すらしない。最終決戦でカイザーギドラを倒したあとも新・轟天号を機能停止に追い込むが、ミニラの説得で怒りを静め、ミニラとともに海へ去った。 |
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本作品ではミニラのほか、[[ローランド・エメリッヒ]]監督版『[[GODZILLA]]』に登場するゴジラに似た怪獣{{efn|本作品では'''ジラ'''という名称。}}も登場する。 |
* 本作品ではミニラのほか、[[ローランド・エメリッヒ]]監督版『[[GODZILLA]]』に登場するゴジラに似た怪獣{{efn|本作品では'''ジラ'''という名称。}}も登場する。 |
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==== 制作(FINAL WARS) ==== |
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* 氷の中にいるゴジラのシーンは、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』でのキングギドラの描写を応用し、セロファンの上に透明シリコンを流した板越にゴジラを映している{{R|GFW超全集92}}。海中から浮上するシーンでは、プールを用いずにゴジラに向けて水を噴出して表現している{{R|GFW超全集92}}。 |
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監督の[[北村龍平]]は、本作品の制作にあたりCGをあまり使わずにこれまで培われた特撮技術を用いて見せ方を新しくしたいと考え、地球をリングに格闘で暴れるゴジラをイメージした{{R|東宝SFSE0510}}。スーツアクターの喜多川務、特殊技術の[[浅田英一]]、造形の[[若狭新一]]らがこれに賛同し、北村が子供のころに観ていた[[東宝チャンピオンまつり]]時代をイメージしつつも、スピーディな全く新しいゴジラとして創作されることとなった{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0510|東宝SFSE0512|造型100}}}}。アクションでは擬人的な描写が多く取り入れられている{{R|東宝SFSE0530}}。 |
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[[三村渉]]による当初の脚本ではゴジラが中盤まで登場せず、東宝上層部から登場が遅いと指摘され、[[桐山勲]]による改訂版で冒頭でのゴジラと初代轟天号の戦いが加えられた{{R|東宝SFSE0510|東宝SFSE0515}}。 |
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ゴジラと尾崎の動きがシンクロする描写も桐山の脚本によるものだが、執筆時点ではゴジラのスーツがどの程度動けるかわからなかったため、1行程度の描写であった{{R|東宝SFSE0515}}。 |
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北村は、陰惨なエンディングにはしたくないと考え、これまでのゴジラでやっていないこととしてゴジラが人類を「許す」ことを描いた{{R|東宝SFSE0510}}。桐山は、ミニラがゴジラを止めることを提案し、田口左門のセリフとしてゴジラと人間の因縁についての説明を入れている{{R|東宝SFSE0515}}。 |
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==== 造形(FINAL WARS) ==== |
==== 造形(FINAL WARS) ==== |
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通称'''ファイナルゴジラ'''{{refnest|group="出典"|{{R|ALL300|C大全156|造型}}}}、'''ファイナルゴジ'''{{R|ALL230|G60111}}。 |
通称'''ファイナルゴジラ'''{{refnest|group="出典"|{{R|ALL300|C大全156|造型|FWCP60}}}}、'''ファイナルゴジ'''{{R|ALL230|G60111}}。 |
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粘土原型は[[若狭新一]]が担当{{R|若狭236}}。明確なデザイン画は描かれていない{{R|ALL300}}。デザインは全体的にシャープで{{読み仮名|精悍|せいかん}}なイメージとなっている{{R|東宝特撮映画大全集285|ALL300}}。背びれはアクションに備えてやや小型化された{{R|造型102|若狭238}}。眼球は意志があるように見えるのを避けるために白目があえて排除されており{{R|GFW超全集86|C大全156}}、炎を思わせるオレンジ配色となっている{{R|造型100}}。 |
粘土原型は[[若狭新一]]が担当{{R|若狭236}}。明確なデザイン画は描かれていない{{R|ALL300}}{{efn|怪獣デザインを担当した[[西川伸司]]は、ゴジラについては動きを重視するため造形側の工夫が必要であったことを述べている{{R|東宝SFSE0530}}。}}。デザインは全体的にシャープで{{読み仮名|精悍|せいかん}}なイメージとなっている{{R|東宝特撮映画大全集285|ALL300}}。背びれはアクションに備えてやや小型化された{{R|造型102|若狭238}}。眼球は意志があるように見えるのを避けるために白目があえて排除されており{{R|GFW超全集86|C大全156}}、炎を思わせるオレンジ配色となっている{{R|造型100}}。 |
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造形はモンスターズが担当{{R|C大全156}}。スーツは、アップ用・アクション用・超アクション用の3種類が制作された{{R|GFW超全集86}} |
造形はモンスターズが担当{{R|東宝SFSE0532|C大全156}}。頭部造形は若狭、ボディ造形は山田陽が担当{{R|FWCP41}}。スーツは、アップ用・アクション用・超アクション用の3種類が制作された{{R|GFW超全集86|FWCP81}}{{efn|資料によっては、「メインスーツ、超アクション用、弾着・被弾用{{R|東宝SFSE0532}}」「メイン・アクション用、被弾・弾着用{{R|FWCP146}}」と記述している。}}。北村の怪獣プロレスをやりたいという要望から、喜多川の体型を型取りしたマネキンを芯に{{efn|喜多川の全身マネキンは既存のものもあったが、より性格な数値を取るため一から作り直している{{R|東宝SFSE0532}}。}}、手足の関節がフィットして激しい動きや格闘が可能なように新造された{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SFSE0532|FWCP60|FWCP81}}}}。超アクション用スーツは、原型から直接型取りするのではなく、手足を分割したセパレート構造となっている{{R|東宝SFSE0532}}。まず、これまでに作られてきたゴジラなどの怪獣では格闘技の動きができないと思い、前作『東京SOS』のゴジラのスーツを喜多川が着て、カメラテストを行って検証した結果、そのような動きができないことが分かったため、これまでとは異なる作り方をすることとなった{{R|FWCP41}}。 |
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造型にあたっては、喜多川とゴジラの肩の位置が一致するように工夫したり、背びれの大きさはアクションに支障がないものに変更するなど、軽量化とスーツアクターの動きがストレートに反映される構造が追求された{{refnest|group="出典"|{{R|PANFPRO|GFW超全集86|ALL300|C大全156|超常識188|造型100|FWCP81}}}}。従来は、スーツアクターと外皮の間をウレタンで埋めていたが、このスーツではあえて隙間を作ることで動きやすくしている{{refnest|group="出典"|{{R|GFW超全集86|東宝SFSE0532|ALL300}}}}。84ゴジ以降の着ぐるみは肩部分の可動域が非常に小さかったが、本作品においては北村からの希望(劇中のアクションへの対応)から、脚や脇の可動部分を大きく取ることでより大きな動作を可能とし、肩から動かすことができるほか、大きく腕や脚を上げられる構造となっている{{refnest|group="出典"|{{R|PANFPRO|GFW超全集90|東宝SFSE0532|ALL300|C大全156}}}}{{efn|浅田は、前作の3、4倍は速く動けるようになったと述べている{{R|東宝SFSE0512}}。}}。ミレニアムシリーズのスーツでは、肩に頭部と連動するファイバー製の骨格が内蔵されていたが、喜多川は自力で動かすことを要望し、首元の表皮を柔らかいものとした{{R|造型124}}{{efn|この変更について喜多川は以前より要望していたが、若狭は首元は火薬を用いることが多いために危険と判断し、推奨しなかったという{{R|造型124}}。}}。また、頭部は内部で喜多川のサイズに合わせた軽量のヘルメットを被り、ギミックが内蔵されたコアをその上に取り付け、喜多川の動きに連動して動くようになっている{{R|FWCP41|FWCP81}}。 |
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なお、ガイガンとX星人のデザインを担当した[[韮沢靖]]や地球防衛軍関連のデザインを担当した[[新川洋司]]らも、ゴジラのイメージデザインを描いていた{{R|GFW超全集83}}。 |
なお、ガイガンとX星人のデザインを担当した[[韮沢靖]]や地球防衛軍関連のデザインを担当した[[新川洋司]]らも、ゴジラのイメージデザインを描いていた{{R|GFW超全集83}}。 |
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スーツは2021年時点でも現存しており、同年配信の『[[ゴジラ#イベント上映など|ゴジラvsヘドラ]]』で使用されている<ref name="natalie_450129">{{Cite news|url=https://natalie.mu/eiga/news/450129|title=「ゴジラ・フェス」にアダム・ウィンガード出演!新作特撮「ゴジラ VS ヘドラ」も|newspaper=映画ナタリー|publisher=ナターシャ|date=2021-10-20|accessdate=2021-10-20}}</ref>。 |
スーツは2021年時点でも現存しており、同年配信の『[[ゴジラ#イベント上映など|ゴジラvsヘドラ]]』で使用されている<ref name="natalie_450129">{{Cite news|url=https://natalie.mu/eiga/news/450129|title=「ゴジラ・フェス」にアダム・ウィンガード出演!新作特撮「ゴジラ VS ヘドラ」も|newspaper=映画ナタリー|publisher=ナターシャ|date=2021-10-20|accessdate=2021-10-20}}</ref>。 |
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==== 撮影・演出(FINAL WARS) ==== |
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造形部の八木文彦が口をラジコンで動かしているほか、操演部が尻尾を動かしている{{R|FWCP60}}。 |
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スリムな体型のため、ローアングルのあおりをオープンで撮影すると、カメラの特性によって上半身が細く貧弱に見えてしまい、1984年公開の『ゴジラ』でも、同様に撮影されたが迫力が少しも出ずに失敗したことから、その点には細心の注意が払われた{{R|FWCP68}}。 |
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従来のゴジラは平手で叩くことがほとんどであったが、本作品では拳を握って殴っている{{R|東宝SFSE0541}}。喜多川は、スーツがほとんど素手と変わらなかったため、殴ると手が痛かったと証言している{{R|東宝SFSE0541}}。 |
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氷の中にいるゴジラのシーンは、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』でのキングギドラの描写を応用し、セロファンの上に透明シリコンを流した板越をゴジラの前後に置いて映している{{R|GFW超全集92|FWCP18}}。海中から浮上するシーンでは、プールを用いずにゴジラに向けて水を噴出して表現している{{R|GFW超全集92}}。 |
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アンギラスを踏み台にジャンプするシーンでは、動きやすいように尻尾が外された{{R|FWCP18}}。アンギラスボールを捕まえようと横っ飛びするシーンは、北村の「少林サッカーをやらせたい」という要望から実現したものである{{R|FWCP18}}。 |
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カイザーギドラを投げるシーンは、当初は[[一本背負投|一本背負い]]とする予定であったが、北村の提案により横に長く飛ばす描写となった{{R|東宝SFSE0527}}。喜多川は、このカイザーギドラを投げるシーンと、クモンガを振り回すシーンを最も苦労したシーンに挙げている{{R|東宝SFSE0541}}。 |
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== シン・ゴジラ == |
== シン・ゴジラ == |
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: 第4形態の尻尾の先端より分裂、群体化した形態。 |
: 第4形態の尻尾の先端より分裂、群体化した形態。 |
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: 劇中のラストに登場。背中にはこれまでの形態より引き継がれた同形の背びれと尻尾が生えているが、体格が第4形態と比べ大幅に小型化しているのに加え、人に近い姿をしている。頭部は眼球に相当する部分が存在せず、鋭い牙を有している。巨災対はゴジラが進化の過程で小型化したり盛んな細胞分裂によって新たな個体が形成され、群体化すると予測し、実際に複数の個体が発生を始めるが、第4形態の時点で完全に分離するまでに凍結させられたため、そのまま活動することなく静止したままとなる。 |
: 劇中のラストに登場。背中にはこれまでの形態より引き継がれた同形の背びれと尻尾が生えているが、体格が第4形態と比べ大幅に小型化しているのに加え、人に近い姿をしている。頭部は眼球に相当する部分が存在せず、鋭い牙を有している。巨災対はゴジラが進化の過程で小型化したり盛んな細胞分裂によって新たな個体が形成され、群体化すると予測し、実際に複数の個体が発生を始めるが、第4形態の時点で完全に分離するまでに凍結させられたため、そのまま活動することなく静止したままとなる。 |
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=== デザイン(シン・ゴジラ) === |
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イメージデザインは[[前田真宏 (アニメ監督)|前田真宏]]が担当。庵野が持っていた「原点回帰」というコンセプトと、庵野が描いた初代ゴジラの首が高く伸びて全体が屹立したスケッチなどを手掛かりにしたという{{R|PANSPRO}}。 |
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前田は、ゴジラのキャラクターを最も際立たせているのは放射能を取り込んだ怪獣ということであり、放射能によって急激に遺伝子が壊れ、自分でも予想が付かない姿となり、原水爆にまつわるさまざまなイメージが混じった初代ゴジラは、終戦間もない時代でしか出せないものであると思っていたという。その時代から遠いところへ来て、公害をモチーフにした[[ヘドラ]]など、社会性を持ったさまざまな敵と闘ってきたが、その多くはエンタテインメントのようなアプローチでリアリティはなかった。だが、[[東日本大震災|3.11]]によって、初代の時代に引き戻されたところがあり、それを体現したゴジラにすることとなった{{R|PANSPRO}}。 |
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初代ゴジラは爬虫類が変化したもの、という説明があるが、本作品では急激な進化の行きつく先にあるものは何なのかという考え方から恐竜型には寄せておらず、海から上がってきたゴジラが急激に突然変異が起こって、みるみる変化していき、最終的に初代ゴジラのイメージに近くなったフォルムと解釈したという{{R|PANSPRO}}。 |
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第1形態は、前田が考案した巨大なオタマジャクシのようなものとなった{{R|PANSPRO}}。 |
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第2形態のラブカのような頭部は、陸に上がった両生類の感じであるという{{R|PANSPRO}}。 |
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第4形態は、手は細くて筋張った小さなものにしており、せり出した胸骨は鳥類に近いが、鳥とは異なり、筋肉は付いておらず、首の屹立を強調するために、首と胸骨の間に段差を付けている{{R|PANSPRO}}。尻尾はちゃんとした顔ではないがそこだけ毛や歯が生えていたり、あるべきものではない組織ができかかっているものとして、顔のようで顔ではないものが尻尾に付いていることとなった{{R|PANSPRO}}。 |
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キャラクターデザインではモノクロで描かれていたが、自己再生と崩壊を繰り返しながら進化していくゴジラは、絶えず傷だらけになりながら増殖して大きくなっていくことから、マグマや傷の血を彷彿とさせる赤い体色となった{{R|PANSPRO}}。ただし、痛々しい感じの傷口のようにするために、奥まった溝の部分は赤く、出っ張ったところは黒くしている{{R|PANSPRO}}。 |
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当初は海から上がってくることから陸上ではうまく歩けず、尻尾で支えて歩くイメージであることから、庵野の案で尻尾は大きくしており、足も地面に全体が付くのではなく、かかとが上がっている感じにしている{{R|PANSPRO}}。 |
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=== 造形・表現(シン・ゴジラ) === |
=== 造形・表現(シン・ゴジラ) === |
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|caption2 =ゴジラ第4形態の上半身 |
|caption2 =ゴジラ第4形態の上半身 |
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キャラクターデザイン・雛形製作は[[竹谷隆之]]{{R|cinema5053|UYB17}}。 |
キャラクターデザイン・雛形製作は[[竹谷隆之]]{{refnest|group="出典"|{{R|PANSPRO|cinema5053|UYB17}}}}。 |
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首から胸部にかけては筋が入っている感じにしているが、筋肉ではなく気持ち悪さが出た感じにしている{{R|PANSPRO}}。表皮や筋肉は、重力が下に及んで垂れ下がっていることから、下半身は皺が出来てどっしりとしている{{R|PANSPRO}}。 |
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総監督の[[庵野秀明]]からは「完全生物」という指示を受け、地球上の生態系の頂点として造形された{{R|cinema5053}}。イメージデザインの[[前田真宏 (アニメ監督)|前田真宏]]のコンセプトスケッチをもとに初代ゴジラをリスペクトした造形を主軸に、「(生態系の頂点のため)警戒する必要がない」として[[まぶた|瞼]]や[[耳介]]{{R|cinema5053}}がない、「何かを捕食して生きるわけでもない」ために歯 |
総監督の[[庵野秀明]]からは「完全生物」という指示を受け、地球上の生態系の頂点として造形された{{R|cinema5053|PANSPRO}}。イメージデザインの[[前田真宏 (アニメ監督)|前田真宏]]のコンセプトスケッチをもとに初代ゴジラをリスペクトした造形を主軸に、「(生態系の頂点のため)警戒する必要がない」として[[まぶた|瞼]]や[[耳介]]{{R|cinema5053}}がない、「何かを捕食して生きるわけでもない」ために歯が噛み合わない[[乱杭歯]]となっている{{R|PANSPRO}}、などの差異が見られる。また、庵野との打ち合わせの際に「人が入れないようなシルエット」という指示も出されている{{R|cinema5053}}。小さい目は「生き物の中で一番恐い」人間の眼を参考にしたほか、皮膚の質感は[[ツルレイシ|ゴーヤ]]、頭部は[[キノコ雲]]をイメージして造形されている{{R|cinema5053}}。さらに、「自己分裂を繰り返す」「すべての生物の要素が入った完全生物」といったコンセプトから、尻尾の先端には形成不全なできかかった感じの人の歯や肋骨といったパーツが生えており、原型の尻尾も粘土に魚や蛇の骨を埋め込んでいる{{R|PANSPRO}}。竹谷によれば、庵野は頭部に脳がないがらんどうなものを要望し、また尻尾に脳があるかもしれないとも述べていたという{{R|造型119}}。 |
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歴代作品で初めて着ぐるみをいっさい使わず、CGで造形したモデルを |
歴代作品で初めて着ぐるみをいっさい使わず、CGで造形したモデルをモーションキャプチャで動作させている{{R|造型104}}。CG製作は[[白組]]が担当{{R|造型104}}。デザインの検討用に模型が作られており、[[2016年]]に開催された「[[ニコニコ超会議]]」では、形状検討用として作られた「1号雛形」が公開された{{R|cinema5053}}<ref>{{Cite web | url = https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1604/29/news056.html | title = ぎょろ目と太いしっぽが特徴的 シン・ゴジラ1号雛型が世界初公開!| publisher = ねとらぼ| date = 2016-04-29| accessdate = 2016-07-29}}</ref>。1号雛形はイベント用に仮着色しかなされていないが、これと同じ形状のものに着彩を施した着彩検討用の「2号雛形」が存在しており{{R|蒲田品川鎌倉}}、それらを元にして映像製作が進められた{{R|cinema5053}}。この2号雛形は、[[ワンフェス]]2017[冬]で一般公開されている{{R|蒲田品川鎌倉}}。尻尾は操演でも動かせないというほどの長さで、腕も着ぐるみにするには大人が腕を通せないほど細く、足もかかとが浮いており、爪の先端も体重を支える角度をなしていないという、着ぐるみを使わずCGによる造形と操演を前提としたデザインである{{R|造型106|造型119}}。一方、着ぐるみが持っていたゴムの質感やたるみなども意図的に表現している{{refnest|group="出典"|{{R|PANSPRO|造型104|造型119}}}}。これについて竹谷は、ハリウッドでは生物的なリアリティの追求に向いてしまうが、日本人には初代ゴジラの着ぐるみのイメージがあるため、それを排してしまうと違うものになってしまうと述べている{{R|造型119}}。 |
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モーションアクターが野村であることは劇場公開まで伏せられており、公開と同時に「329人目のキャスト」として報じられた。野村は演じるにあたって「人間くささ」を排除し、神や幽霊など「無機質」な動きを心がけ{{R|oricon_2075921}}、モーションキャプチャを収録する際にはゴジラの面を着けて顎を動かす面の使い方を意識したという{{R|oricon_2075921}}。従来のゴジラと異なり手のひらが上を向いているのは、「([[中国の竜|中国]]や[[日本の竜|日本]]など)東洋の[[龍]]は玉を上向きに掴んでいる」という野村からの指摘を参考にしたためである<ref>{{Cite web | url = http://bunshun.jp/articles/-/4887| title = 樋口真嗣×松尾諭『シン・ゴジラ』対談#2 なぜ日本で大ヒットして、スペインで野次られたのか? 1年後の『シン・ゴジラ』| publisher = 文春オンライン| date = 2017-11-12| accessdate = 2017-11-13}}</ref>。 |
モーションアクターが野村であることは劇場公開まで伏せられており、公開と同時に「329人目のキャスト」として報じられた。野村は演じるにあたって「人間くささ」を排除し、神や幽霊など「無機質」な動きを心がけ{{R|oricon_2075921}}、モーションキャプチャを収録する際にはゴジラの面を着けて顎を動かす面の使い方を意識したという{{R|oricon_2075921}}。従来のゴジラと異なり手のひらが上を向いているのは、「([[中国の竜|中国]]や[[日本の竜|日本]]など)東洋の[[龍]]は玉を上向きに掴んでいる」という野村からの指摘を参考にしたためである<ref>{{Cite web | url = http://bunshun.jp/articles/-/4887| title = 樋口真嗣×松尾諭『シン・ゴジラ』対談#2 なぜ日本で大ヒットして、スペインで野次られたのか? 1年後の『シン・ゴジラ』| publisher = 文春オンライン| date = 2017-11-12| accessdate = 2017-11-13}}</ref>。 |
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第2形態は、モチーフの |
第2形態は、モチーフのラブカの気持ち悪さを落とし込むことが意図され、また庵野の要望によりエラは刃物で斬られたような繋がっていない切れた形状となった{{R|造型119|PANSPRO}}。当初、竹谷は目のないデザインを提案したが却下され、その後も雛型やCG製作で目の試行錯誤が続いたという{{R|造型119}}。庵野の案で小さな眼点を大きな目の周辺に足している{{R|PANSPRO}}。第2形態は幼体であることから半透明の感じの体色にしてほしいと言われたため、半透明の樹脂で型を抜いて質感を出している{{R|PANSPRO}}。胸郭は樋口真嗣の案で尖らせ、アスファルトなどを割りながら進んでいくこととなった{{R|PANSPRO}}。 |
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第3形態は、雛型では第2形態と同様の細い足であったが、CGでは太めに修正されている{{R|造型109}}。竹谷は、雛型の時点では初めて立ち上がるので不安定感を出すことを樋口から要望されていたと述べている{{R|造型119}}。 |
第3形態は、雛型では第2形態と同様の細い足であったが、CGでは太めに修正されている{{R|造型109}}。竹谷は、雛型の時点では初めて立ち上がるので不安定感を出すことを樋口から要望されていたと述べている{{R|造型119}}。 |
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|英字表記=GODZILLA{{R|全怪獣大図鑑176}} |
|英字表記=GODZILLA{{R|全怪獣大図鑑176}} |
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|身長={{Plainlist| |
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* 70{{nbsp}}m以上{{R|5499超全集58|G6082}}{{efn|書籍によっては「54メートル」と記述している{{R|大辞典303|全怪獣大図鑑176}}。書籍『ゴジラ画報』では、「約60メートル(200フィート)」と記述している{{R|画報16}}。}} |
* 70{{nbsp}}m以上{{R|5499超全集58|G6082}}{{efn|書籍によっては「54メートル」と記述している{{refnest|group="出典"|{{R|動画王大図鑑199|大辞典303|全怪獣大図鑑176}}}}。書籍『ゴジラ画報』では、「約60メートル(200フィート)」と記述している{{R|画報16}}。}} |
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* 60{{nbsp}}m(小説版) |
* 60{{nbsp}}m(小説版) |
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|走力=480{{nbsp}}km/h{{refnest|group="出典"|{{R|画報16|5499超全集58|動画王大図鑑199}}}} |
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* 1968年ポリネシア{{R|画報16}} |
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|2身長=3{{nbsp}}m{{R|5499超全集58}}{{efn|書籍『ゴジラ画報』では「約1.8メートル」と記述している{{R|画報16}}。}} |
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|2体重=不明{{R|画報16|5499超全集58}} |
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|2移動速度=約60 - 80{{nbsp}}km/h{{R|画報16}} |
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|2出身地=ニューヨーク・マジソンスクェアガーデン{{R|画報16|5499超全集58}} |
|2出身地=ニューヨーク・マジソンスクェアガーデン{{R|画報16|5499超全集58}} |
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[[ポリネシア]]に生息する[[イグアナ]]と |
[[ポリネシア]]に生息する[[イグアナ]]と窺える生物{{efn|書籍『ゴジラ 全怪獣大図鑑』では、[[ウミイグアナ|海イグアナ]]と記述している{{R|全怪獣大図鑑176}}。}}がフランスの[[核実験]]による放射能が蓄積し、[[突然変異]]して生まれた新種の生物{{R|全怪獣大図鑑176}}{{efn|劇中でニックがオードリーと再会するシーンではニックはゴジラをamphibious([[両生類]])と分析しているが、マジソン・スクエア・ガーデンからの中継のシーンではゴジラをreptiles([[爬虫類]])と説明している。}}。外見は明確に背びれこそ存在するものの、他の作品のゴジラと大きく異なっており、[[ティラノサウルス]]などの[[獣脚類]]に酷似している{{efn|劇中ではチャップマン博士が[[獣脚類]]の生き残りであると主張するが、それにしては余りにも大きすぎると指摘されている。}}。魚食性で{{R|画報16}}、多数の魚類を喰らう{{efn|小説版では米軍によって集められた魚種はサバ・ヒラメ・カレイ・ホワイトフィッシュ・タラ・ブリ・キンメダイ・[[クロマグロ]]などと書かれている。なお、それらの魚は成体の食用ではなく、卵から孵化した直後の幼体に与える目的で集めている。成体は人を捕食するシーンがある。}}ほか、幼体であるベビーゴジラにも、それを餌として集めて与える。知能が相当高いようで、人間が仕掛けた罠を見破ったり、[[攻撃ヘリコプター|戦闘ヘリ]]を待ち伏せて撃破したり、原潜を翻弄して[[同士討ち]]に追い込んだ。出現地点は南太平洋・ポリネシア近海→パナマ サン・ミゲル湾の小島→ジャマイカ・グレート・ペドロ・ブラフ→アメリカ東海岸沖→ニューヨーク・マンハッタン{{R|5499超全集58}}。 |
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戦闘の際には巨体を振るうことによる破壊以外はかぎ爪を用いる程度で{{R|画報16}}、放射熱線を吐く能力は持っていないが、出火している場所に息吹を吐きかけることで火力を増大させ、対象に命中させるといった攻撃も用いる{{efn|パワーブレスまたはホットブレスと呼称される。}}。また、強靱な脚で飛び上がって相手に強烈な蹴りを浴びせる“ハイジャンプ・キック”を使いこなす{{efn|小説版ではゴジラのジャンプ力についてタトプロスは「獣脚類ではありえない」と考えている(足の外側には獣脚類の第1[[趾 (鳥類)|趾]]〈内側にある〉のような指が生えている)。}}。 |
戦闘の際には巨体を振るうことによる破壊以外はかぎ爪を用いる程度で{{R|画報16}}、放射熱線を吐く能力は持っていないが、出火している場所に息吹を吐きかけることで火力を増大させ、対象に命中させるといった攻撃も用いる{{efn|パワーブレスまたはホットブレスと呼称される{{要出典|date=2023年5月}}。書籍『動画王特別編集ゴジラ大図鑑』では、衝撃波と記述している{{R|動画王大図鑑199}}。}}。また、強靱な脚で飛び上がって相手に強烈な蹴りを浴びせる“ハイジャンプ・キック”を使いこなす{{efn|小説版ではゴジラのジャンプ力についてタトプロスは「獣脚類ではありえない」と考えている(足の外側には獣脚類の第1[[趾 (鳥類)|趾]]〈内側にある〉のような指が生えている)。}}。 |
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[[変温動物]]であるため、極端に体温が低い。劇中ではゴジラの体温よりもビルの温度の方が高かったため、[[ミサイルの誘導方式#パッシブ・ホーミング|赤外線探知ミサイル]]で狙ったにもかかわらずミサイルが逸れてしまう描写が存在する。 |
[[変温動物]]であるため、極端に体温が低い。劇中ではゴジラの体温よりもビルの温度の方が高かったため、[[ミサイルの誘導方式#パッシブ・ホーミング|赤外線探知ミサイル]]で狙ったにもかかわらずミサイルが逸れてしまう描写が存在する。 |
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敏速で、480[[キロメートル毎時|km/h]]というスピードで走れる。そのため150{{nbsp}}km/h(原語では時速80[[ノット]])の戦闘ヘリから逃れることができる。[[ハドソン川]]での戦いで魚雷の直撃を受けたダメージにより衰弱し、終盤ではタクシーに翻弄されるという演出もなされている{{efn|小説版では480 - 800{{nbsp}}km/hに達したとされ、タクシーに追いつかなかった理由に関してタトプロスは「単にすぐ追いついて殺しただけでは子を殺された怒りがおさまらないため、なぶり殺そうとしたのだろう」と推測している{{要ページ番号|date=2021年3月}}。}}。水中での移動速度は魚雷と同等で、米[[原子力潜水艦|原潜]]の3倍。 |
敏速で、480{{nbsp}}[[キロメートル毎時|km/h]]というスピードで走れる。そのため150{{nbsp}}km/h(原語では時速80[[ノット]])の戦闘ヘリから逃れることができる。[[ハドソン川]]での戦いで魚雷の直撃を受けたダメージにより衰弱し、終盤ではタクシーに翻弄されるという演出もなされている{{efn|小説版では480 - 800{{nbsp}}km/hに達したとされ、タクシーに追いつかなかった理由に関してタトプロスは「単にすぐ追いついて殺しただけでは子を殺された怒りがおさまらないため、なぶり殺そうとしたのだろう」と推測している{{要ページ番号|date=2021年3月}}。}}。水中での移動速度は魚雷と同等で、米[[原子力潜水艦|原潜]]の3倍。 |
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[[無性生殖]]によって一度に200個のベビーゴジラの卵を産卵するため、倒し損ねれば数年で人類を滅ぼす恐れがあると分析される。しかし肉体はやや脆弱であり、[[砲弾]]で出血するうえ、[[魚雷]]で深手を負い(小説版)、[[ブルックリン橋]]のワイヤーに絡め取られて動けなくなったところで、[[ミサイル]]攻撃を受け絶命する。[[孵化]]したベビーゴジラもミサイルによって全滅するが、エンディングでは残っていた卵1個からベビーゴジラが誕生する{{R|5499超全集58}}(ベビーゴジラのその後については「[[ゴジラ ザ・シリーズ#ゴジラ]]」を参照)。 |
[[無性生殖]]によって一度に200個のベビーゴジラの卵を産卵するため、倒し損ねれば数年で人類を滅ぼす恐れがあると分析される。しかし肉体はやや脆弱であり、[[砲弾]]で出血するうえ、[[魚雷]]で深手を負い(小説版)、[[ブルックリン橋]]のワイヤーに絡め取られて動けなくなったところで、[[ミサイル]]攻撃を受け絶命する。[[孵化]]したベビーゴジラもミサイルによって全滅するが、エンディングでは残っていた卵1個からベビーゴジラが誕生する{{R|5499超全集58}}(ベビーゴジラのその後については「[[ゴジラ ザ・シリーズ#ゴジラ]]」を参照)。 |
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|身長=119.8{{nbsp}}m{{R|全怪獣大図鑑341}} |
|身長=119.8{{nbsp}}m{{R|全怪獣大図鑑341}} |
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|尾長=177.4{{nbsp}}m |
|尾長=177.4{{nbsp}}m |
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|体重=9万 |
|体重=9万9,634{{nbsp}}t{{R|全怪獣大図鑑341}} |
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前作から5年が経過した本作品では体格もさらに大型化し、放射熱線の使用頻度も増している。巨大生物調査機関モナークのアドバイザーを務める芹沢猪四郎博士によって多く研究され、[[四大文明]]以前に栄えていた古代文明によって崇められた神話世界の神や王という扱いをされ、そのころには宿敵であるギドラとの戦いが行われていたことも判明する。 |
前作から5年が経過した本作品では体格もさらに大型化し、放射熱線の使用頻度も増している。巨大生物調査機関モナークのアドバイザーを務める芹沢猪四郎博士によって多く研究され、[[四大文明]]以前に栄えていた古代文明によって崇められた神話世界の神や王という扱いをされ、そのころには宿敵であるギドラとの戦いが行われていたことも判明する。 |
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; ゴジラアンフィビア{{refnest|group="出典"|{{R|SP|SPFB30|UYB2231}}}} |
; ゴジラアンフィビア{{refnest|group="出典"|{{R|SP|SPFB30|UYB2231}}}} |
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: 第7話で東京に上陸を果たしたゴジラ アクアティリスが変態した第1形態{{R|SPFB30}}。 |
: 第7話で東京に上陸を果たしたゴジラ アクアティリスが変態した第1形態{{R|SPFB30}}。 |
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: イグアナのような顔つきの陸棲生物のような姿となり、四肢は爬虫類に似た形の脚となり{{R|SPFB30}}、四足歩行を行う{{R|UYB2231}}。政府によって南房総地方の伝承に基づいてゴジラの名称が与えられる{{R|SPFB30}}。第8話で代々木公園での自衛隊からの砲撃を受けてマイナス20度の可燃性のガス状物質を口から放出し、その砲撃の爆発が冷気に引火した途端、次第に高温のガスとなって爆炎を誘引して一帯を巻き込む熱膨張を起こして直径 |
: イグアナのような顔つきの陸棲生物のような姿となり、四肢は爬虫類に似た形の脚となり{{R|SPFB30}}、四足歩行を行う{{R|UYB2231}}。政府によって南房総地方の伝承に基づいてゴジラの名称が与えられる{{R|SPFB30}}。第8話で代々木公園での自衛隊からの砲撃を受けてマイナス20度の可燃性のガス状物質を口から放出し、その砲撃の爆発が冷気に引火した途端、次第に高温のガスとなって爆炎を誘引して一帯を巻き込む熱膨張を起こして直径500メートル範囲を焼き尽くし、自身をも焼き尽くして自らの総質量を超える紅塵を放出して包まれることで、硬質の組織と溶けてドロドロの状態が下にある炭化層の外殻に覆われた蛹のような状態になり、活動停止した{{refnest|group="出典"|{{R|U173108|SPFB30|UYB2231}}}}。体皮は茶褐色、頭部は濃褐色となりツノの形状も変化している{{R|SPFB30}}。 |
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: アンフィビアとはラテン語で[[両生類]]を意味する。 |
: アンフィビアとはラテン語で[[両生類]]を意味する。 |
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:* 頭部には[[大怪獣バラン|バラン]]の意匠が取り入れられている{{R|U173108}}。 |
:* 頭部には[[大怪獣バラン|バラン]]の意匠が取り入れられている{{R|U173108}}。 |
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736行目: | 818行目: | ||
: 第10話でゴジラテレストリスが自衛隊と交戦して集中砲火を浴びる中で変態し、この形態となる{{R|SPFB34}}。形態変化後、自衛隊の攻撃を鎧のような強硬な外皮で寄せ付けぬまま背鰭と口内を青白く光らせ、口元に7つの大小さまざまな光輪を放射して複数重ねた重力レンズで空間を捻じ曲げて1か所に収縮させると、そのまま光輪をくぐるように熱線を原子ビームのように圧縮して発射する能力を見せつけ、東京を一瞬で火の海に変えた{{refnest|group="出典"|{{R|U173108|SPFB34|UYB2231}}}}。体色は歴代ゴジラと同じく黒あるいは濃灰色。後脚は極太になっており、背ビレも大きく発達している{{R|SPFB34}}。 |
: 第10話でゴジラテレストリスが自衛隊と交戦して集中砲火を浴びる中で変態し、この形態となる{{R|SPFB34}}。形態変化後、自衛隊の攻撃を鎧のような強硬な外皮で寄せ付けぬまま背鰭と口内を青白く光らせ、口元に7つの大小さまざまな光輪を放射して複数重ねた重力レンズで空間を捻じ曲げて1か所に収縮させると、そのまま光輪をくぐるように熱線を原子ビームのように圧縮して発射する能力を見せつけ、東京を一瞬で火の海に変えた{{refnest|group="出典"|{{R|U173108|SPFB34|UYB2231}}}}。体色は歴代ゴジラと同じく黒あるいは濃灰色。後脚は極太になっており、背ビレも大きく発達している{{R|SPFB34}}。 |
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: この形態になった直後まではビル数階建てぐらいの大きさだったが、紅塵を吸収し続けたことで最終的に100メートルを超える巨体となった。さらに成長を続けて自身が特異点となり、地球人類は破局を迎えつつあったが、謎の巨大化を果たした[[ジェットジャガー]]との交戦の末、完成型オーソゴナル・ダイアゴナライザーによってジェットジャガー諸共巨大な青い結晶となり、消滅した。 |
: この形態になった直後まではビル数階建てぐらいの大きさだったが、紅塵を吸収し続けたことで最終的に100メートルを超える巨体となった。さらに成長を続けて自身が特異点となり、地球人類は破局を迎えつつあったが、謎の巨大化を果たした[[ジェットジャガー]]との交戦の末、完成型オーソゴナル・ダイアゴナライザーによってジェットジャガー諸共巨大な青い結晶となり、消滅した。 |
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: なお、最終話では |
: なお、最終話では人間サイズの怪獣が背ビレ辺りに潜んでいた。 |
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: ウルティマとはラテン語で[[終わり]]を意味する。 |
: ウルティマとはラテン語で[[終わり]]を意味する。 |
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* スーツアクターは[[松本直也 (俳優)|松本直也]]<ref>{{Twitter status2|shinichiwakasa|1588153103588941826|4=@shinichiwakasaの2022年11月3日のツイート|5=2022-11-04}}</ref>。 |
* スーツアクターは[[松本直也 (俳優)|松本直也]]<ref>{{Twitter status2|shinichiwakasa|1588153103588941826|4=@shinichiwakasaの2022年11月3日のツイート|5=2022-11-04}}</ref>。 |
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* スーツは『vsヘドラ』から続いて『FINAL WARS』の流用であるが、『vsヘドラ』の後に内部へ鉄骨を入れて展示用に改修されていたものをモンスターズが再び撮影用に改修しており、劣化していた腕を新規に造形する、ギミックを修復する、サイズを松本に合わせて調整するといった工程を経て、生まれ変わったものとなっている<ref>{{Cite web|url=https://hjweb.jp/article/822423/|title=【ガイガン50プロジェクト】『フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲』のメイキング写真を公開! 若狭新一氏&中川和博監督インタビューも!|website=ホビージャパンウェブ|publisher=ホビージャパン|date=2022-12-18|accessdate=2023-01-15}}</ref>。 |
* スーツは『vsヘドラ』から続いて『FINAL WARS』のアクション用スーツの流用であるが、『vsヘドラ』の後に内部へ鉄骨を入れて展示用に改修されていたものをモンスターズが再び撮影用に改修しており、劣化していた腕を新規に造形する、ギミックを修復する、サイズを松本に合わせて調整するといった工程を経て、生まれ変わったものとなっている<ref>{{Cite web|url=https://hjweb.jp/article/822423/|title=【ガイガン50プロジェクト】『フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲』のメイキング写真を公開! 若狭新一氏&中川和博監督インタビューも!|website=ホビージャパンウェブ|publisher=ホビージャパン|date=2022-12-18|accessdate=2023-01-15}}</ref>{{R|FWCP146}}。 |
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=== その他の作品 === |
=== その他の作品 === |
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:* 放射音はシリンダーの音を火山の噴火と風の音に混ぜたものである{{R|GTOM vol.017}}。初代ゴジラではスーツはアニメーションによる作画合成、ギニョールの場合はシッカロールを口から噴霧させているが{{R|GTOM vol.0110}}、『モスゴジ』ではオプチカル合成による表現であった{{R|GTOM vol.028}}。 |
:* 放射音はシリンダーの音を火山の噴火と風の音に混ぜたものである{{R|GTOM vol.017}}。初代ゴジラではスーツはアニメーションによる作画合成、ギニョールの場合はシッカロールを口から噴霧させているが{{R|GTOM vol.0110}}、『モスゴジ』ではオプチカル合成による表現であった{{R|GTOM vol.028}}。 |
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; 放射熱線{{refnest|group="出典"|{{R|VSD超全集12|5499超全集10|2000超全集6|GMK超全集10|東宝特撮映画大全集88}}}}(放射火炎{{refnest|group="出典"|{{R|超全集VS|怪獣大全集8|KHBVSM8|KHBVSMG14|画報10}}}}、放射能熱線{{R|KHBVSSG104|GMMG超全集4}}、放射能噴出{{R|東宝特撮映画大全集2代目}}) |
; 放射熱線{{refnest|group="出典"|{{R|VSD超全集12|5499超全集10|2000超全集6|GMK超全集10|東宝特撮映画大全集88|GTOM vol.038}}}}(放射火炎{{refnest|group="出典"|{{R|超全集VS|怪獣大全集8|KHBVSM8|KHBVSMG14|画報10}}}}、放射能熱線{{R|KHBVSSG104|GMMG超全集4}}、放射能噴出{{R|東宝特撮映画大全集2代目}}) |
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: 『[[キングコング対ゴジラ]]』以降、全シリーズに共通する青い光線。前述の通り、昭和シリーズ当時は'''放射能火炎'''と呼称されていた。 |
: 『[[キングコング対ゴジラ]]』以降、全シリーズに共通する青い光線。前述の通り、昭和シリーズ当時は'''放射能火炎'''と呼称されていた。 |
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: 先述の白熱光と違い、『[[ゴジラ2000 ミレニアム]]』と『[[ゴジラ×メガギラス G消滅作戦]]』では通常時の熱線も赤色である。『[[ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃]]』では射程が長く、着弾すると[[きのこ雲]]が立ち昇るほどの威力を持つ。昭和シリーズでは建物の一部を焼く程度の威力だったが、『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』(1984年版)以降は敵怪獣の身体を破砕し、市街地を焼き払うほどの破壊力を備えている。 |
: 先述の白熱光と違い、『[[ゴジラ2000 ミレニアム]]』と『[[ゴジラ×メガギラス G消滅作戦]]』では通常時の熱線も赤色である。『[[ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃]]』では射程が長く、着弾すると[[きのこ雲]]が立ち昇るほどの威力を持つ。昭和シリーズでは建物の一部を焼く程度の威力だったが、『[[ゴジラ (1984年の映画)|ゴジラ]]』(1984年版)以降は敵怪獣の身体を破砕し、市街地を焼き払うほどの破壊力を備えている。 |
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: モンスターバースシリーズにおいては、『[[GODZILLA ゴジラ]]』では放射能火炎状のエフェクトも含む青い光線状であるが、『[[ゴジラ キング・オブ・モンスターズ]]』では前者の要素が薄まってより光線状となっている。 |
: モンスターバースシリーズにおいては、『[[GODZILLA ゴジラ]]』では放射能火炎状のエフェクトも含む青い光線状であるが、『[[ゴジラ キング・オブ・モンスターズ]]』では前者の要素が薄まってより光線状となっている。 |
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:* 『キンゴジ』ではチェレンコフ光のイメージが反映された、青を基調とした光線をエリアルイメージ合成機などで表現している{{R|GTOM vol.038}}。『キンゴジ』からはやや青みを帯びたものに調整された{{R|GTOM vol.038}}。 |
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; 体内放射{{refnest|group="出典"|{{R|VSKG超全集10|5499超全集27|5499超全集33|2000超全集6|KHBVSM8|大辞典175|全怪獣大図鑑127}}}}(熱線体内放射{{R|東宝全怪獣78}}、全身発光{{R|KHBVSM8}}) |
; 体内放射{{refnest|group="出典"|{{R|VSKG超全集10|5499超全集27|5499超全集33|2000超全集6|KHBVSM8|大辞典175|全怪獣大図鑑127}}}}(熱線体内放射{{R|東宝全怪獣78}}、全身発光{{R|KHBVSM8}}) |
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* 1970年代の昭和シリーズなどで特技監督を務めた[[中野昭慶]]は、万能な熱線で片付けてしまうことに抵抗があったといい、肉弾戦の中でとどめをどうするかを考えるのに苦労したと述べている{{R|5499超全集18}}。 |
* 1970年代の昭和シリーズなどで特技監督を務めた[[中野昭慶]]は、万能な熱線で片付けてしまうことに抵抗があったといい、肉弾戦の中でとどめをどうするかを考えるのに苦労したと述べている{{R|5499超全集18}}。 |
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* vsシリーズで特技監督を務めた[[川北紘一]]は、手でものを掴むのは本来の生物としてはおかしいとの考えから肉弾戦を少なくしている{{R|5499超全集26}}。 |
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== ゴジラ細胞 == |
== ゴジラ細胞 == |
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ゴジラの鳴き声は、助監督や録音助手が[[松脂]]をつけた革手袋で[[コントラバス]]の緩めた弦をこすった音色をソニーのKPに録音し{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SF8126|大辞典98|超常識158}}}}、10種くらい選んだものを手動で再生速度を速めから遅めに調整しながらゆっくり逆回転再生した音であり<ref>{{Cite web |date=2014-12-28 |url=http://gigazine.net/news/20141228-sound-of-godzilla/ |title=映画「GODZILLA ゴジラ」のサウンドメイキングを語るドキュメンタリームービー |publisher=[[GIGAZINE]] |accessdate=2021-01-05}}</ref>、その中から6~7種の声を最終的に使っている{{R|GTOM vol.017}}。これは1954年の『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』の製作時に、音楽を担当した作曲家の[[伊福部昭]]が足音とともに発案し、音響効果の[[三縄一郎]]が編集加工したもので{{R|東宝SF8126}}、サウンドトラックCDに収録されている。また、のちの東宝映画や円谷プロの怪獣の声もこの手法を使用していた。 |
ゴジラの鳴き声は、助監督や録音助手が[[松脂]]をつけた革手袋で[[コントラバス]]の緩めた弦をこすった音色をソニーのKPに録音し{{refnest|group="出典"|{{R|東宝SF8126|大辞典98|超常識158}}}}、10種くらい選んだものを手動で再生速度を速めから遅めに調整しながらゆっくり逆回転再生した音であり<ref>{{Cite web |date=2014-12-28 |url=http://gigazine.net/news/20141228-sound-of-godzilla/ |title=映画「GODZILLA ゴジラ」のサウンドメイキングを語るドキュメンタリームービー |publisher=[[GIGAZINE]] |accessdate=2021-01-05}}</ref>、その中から6~7種の声を最終的に使っている{{R|GTOM vol.017}}。これは1954年の『[[ゴジラ (1954年の映画)|ゴジラ]]』の製作時に、音楽を担当した作曲家の[[伊福部昭]]が足音とともに発案し、音響効果の[[三縄一郎]]が編集加工したもので{{R|東宝SF8126}}、サウンドトラックCDに収録されている。また、のちの東宝映画や円谷プロの怪獣の声もこの手法を使用していた。 |
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vsシリーズでも初代の鳴き声を加工したものを用いている{{R|東宝SF8126}}。この鳴き声だけは、1998年の『[[GODZILLA]]』も同じである。『[[ゴジラvsモスラ]]』で高音に加工したものを多用したところ、ファンからは不評で次作では元に戻している{{R|東宝SF8126}}。 |
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『ゴジラ2000 ミレニアム』では、初代と同じ手法を用いてゴジラの声が新録された{{R|超常識158}}。 |
『ゴジラ2000 ミレニアム』では、初代と同じ手法を用いてゴジラの声が新録された{{R|超常識158}}。 |
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ここでは伊福部昭の曲について説明する。 |
ここでは伊福部昭の曲について説明する。 |
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映画第1作のタイトルクレジットの音楽より「ゴジラのテーマ」として知られるこの曲は、『管絃楽の為の音詩「寒帯林」』、『ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲』のモチーフがベースとなっている。また、伊福部が当時より敬愛していた[[モーリス・ラヴェル]]作曲の『ピアノ協奏曲ト長調 第3楽章』にはこの曲に非常に似たモチーフが現れることも知られている。このモチーフ、すなわち第1作のスコアナンバーM1「ゴジラ追撃せよ」は、その曲のタイトルからも分かるようにもともと「ゴジラに対抗する人類のテーマ」として書かれた曲である{{R|超常識91}}。本来、生物としてのゴジラのテーマ曲として書かれたのは、コントラファゴットなどの低い音の響きが特徴的なMA「ゴジラの猛威」という、ゴジラ品川上陸の際の音楽である。 |
映画第1作のタイトルクレジットの音楽より「ゴジラのテーマ」として知られるこの曲は、『管絃楽の為の音詩「寒帯林」』、『ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲』のモチーフがベースとなっている。また、伊福部が当時より敬愛していた[[モーリス・ラヴェル]]作曲の『ピアノ協奏曲ト長調 第3楽章』にはこの曲に非常に似たモチーフが現れることも知られている。このモチーフ、すなわち第1作のスコアナンバーM1「ゴジラ追撃せよ」は、その曲のタイトルからも分かるようにもともと「ゴジラに対抗する人類のテーマ」として書かれた曲である{{R|東宝SFSE0545|超常識91}}。本来、生物としてのゴジラのテーマ曲として書かれたのは、コントラファゴットなどの低い音の響きが特徴的なMA「ゴジラの猛威」という、ゴジラ品川上陸の際の音楽である。 |
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なお、伊福部が音楽を担当した映画にはM1と同じモチーフが幾度か使われており、ゴジラの1作目の数年前に製作された映画では『社長と女店員』(1948年)、『蜘蛛の街』(1950年)に、ゴジラの1作目以降では『[[忠臣蔵 花の巻・雪の巻]]』(1962年)にも流用されている。 |
なお、伊福部が音楽を担当した映画にはM1と同じモチーフが幾度か使われており、ゴジラの1作目の数年前に製作された映画では『社長と女店員』(1948年)、『蜘蛛の街』(1950年)に、ゴジラの1作目以降では『[[忠臣蔵 花の巻・雪の巻]]』(1962年)にも流用されている。 |
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「ゴジラの猛威」のモチーフは、その後の作品でもゴジラの恐怖を象徴する曲として、編曲を重ねながら使われ続けた。『メカゴジラの逆襲』では第1作M1、いわゆる「『ゴジラ』のテーマ」がゴジラの出現のモチーフとして初めて使用された{{R|平成P147}}。その後も伊福部が担当した『vsキングギドラ』からは第1作のM1がゴジラのテーマ曲として使われ{{R|東宝SF6157|平成P147}}、「ゴジラの猛威」は使われなかったが、『vsメカゴジラ』では「ゴジラの猛威」が再び現れることとなった{{R|東宝SF8145}}。なお、伊福部の音楽監督としての最終作『vsデストロイア』では「ゴジラの猛威」という曲名は与えられなかったものの、冒頭のシーンでより第1作のものに近い編曲で使用された。 |
「ゴジラの猛威」のモチーフは、その後の作品でもゴジラの恐怖を象徴する曲として、編曲を重ねながら使われ続けた。『メカゴジラの逆襲』では第1作M1、いわゆる「『ゴジラ』のテーマ」がゴジラの出現のモチーフとして初めて使用された{{R|東宝SFSE0545|平成P147}}。その後も伊福部が担当した『vsキングギドラ』からは第1作のM1がゴジラのテーマ曲として使われ{{R|東宝SF6157|平成P147}}、「ゴジラの猛威」は使われなかったが、『vsメカゴジラ』では「ゴジラの猛威」が再び現れることとなった{{R|東宝SF8145}}。なお、伊福部の音楽監督としての最終作『vsデストロイア』では「ゴジラの猛威」という曲名は与えられなかったものの、冒頭のシーンでより第1作のものに近い編曲で使用された。 |
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『vsキングギドラ』でのゴジラが海中から出現するシーンでは、導入部に[[ハープ]]の音が加えられ、恐怖感だけでなく期待感を持たせるアレンジとなっている{{R|東宝SF6157}}。エンドロールでも中間にハープの音が入っている{{R|東宝SF6157}}。同作品のゴジラザウルスのテーマは、ゴジラのテーマとは似て非なる楽曲となっている{{R|東宝SF6157}}。 |
『vsキングギドラ』でのゴジラが海中から出現するシーンでは、導入部に[[ハープ]]の音が加えられ、恐怖感だけでなく期待感を持たせるアレンジとなっている{{R|東宝SF6157}}。エンドロールでも中間にハープの音が入っている{{R|東宝SF6157}}。同作品のゴジラザウルスのテーマは、ゴジラのテーマとは似て非なる楽曲となっている{{R|東宝SF6157}}。 |
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: 2016年12月31日に放送された[[NHK紅白歌合戦]]。「声量・メロディー・感動を兼ね備えた良質な歌」で撃退できるゴジラが登場し、『シン・ゴジラ』の主役・矢口蘭堂(長谷川博己)も首相官邸からの会見を模したVTRで登場した。このゴジラに対抗すべく、[[ピコ太郎]]の「[[ペンパイナッポーアッポーペン|PPAP]]」や[[X JAPAN]]の「[[紅 (Xの曲)|紅]]」のアレンジなどが演奏された。 |
: 2016年12月31日に放送された[[NHK紅白歌合戦]]。「声量・メロディー・感動を兼ね備えた良質な歌」で撃退できるゴジラが登場し、『シン・ゴジラ』の主役・矢口蘭堂(長谷川博己)も首相官邸からの会見を模したVTRで登場した。このゴジラに対抗すべく、[[ピコ太郎]]の「[[ペンパイナッポーアッポーペン|PPAP]]」や[[X JAPAN]]の「[[紅 (Xの曲)|紅]]」のアレンジなどが演奏された。 |
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; 『[[探偵!ナイトスクープ]]』 |
; 『[[探偵!ナイトスクープ]]』 |
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: 2020年10月16日放送分に、ゴジラを恋愛対象としている13歳の女子中学生からの依頼に応え、 |
: 2020年10月16日放送分に、ゴジラを恋愛対象としている13歳の女子中学生からの依頼に応え、vsシリーズのスーツが登場<ref>{{Cite web|url=https://www.asahi.co.jp/knight-scoop/archive.html?datetime=20201000|title=ゴジラに恋する女子中学生|website=探偵!ナイトスクープ 過去の放送内容|publisher=朝日放送テレビ|date=2020-10-16|accessdate=2021-03-27}}</ref>。収録当時、[[兵庫県立淡路島公園#ニジゲンノモリ|ニジゲンノモリ]]にて開催されていた「ゴジラ迎撃作戦」でのデートを楽しんでもらう様子が放送され、司会の[[松本人志]]を困惑させつつも感心させた<ref>{{Cite news|url=https://www.j-cast.com/2020/10/19396864.html|title=「ゴジラが好きすぎる女子中学生」に共感の声 海辺プロポーズで「わかる」「最高だな...」|newspaper=J-CAST ニュース|publisher=ジェイキャスト|date=2020-10-19|accessdate=2021-03-27}}</ref>。 |
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=== コンピュータゲーム === |
=== コンピュータゲーム === |
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<ref name="PANF">{{Harvnb|パンフレットF|2004}}</ref> |
<ref name="PANF">{{Harvnb|パンフレットF|2004}}</ref> |
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<ref name="PANFPRO">{{Harvnb|パンフレットF|2004|loc=「PRODUCTION NOTE」}}</ref> |
<ref name="PANFPRO">{{Harvnb|パンフレットF|2004|loc=「PRODUCTION NOTE」}}</ref> |
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<ref name="PANSPRO">{{Harvnb|パンフレットS|2016|pp=26-28|loc=「シン・ゴジラ PRODUCTION NOTE」}}</ref> |
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<ref name="設定">{{Harvnb|第1章パンフレット|2017|loc=「基本設定解説」}}</ref> |
<ref name="設定">{{Harvnb|第1章パンフレット|2017|loc=「基本設定解説」}}</ref> |
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<ref name="ゴジラ戦術">{{Harvnb|第1章パンフレット|2017|loc=「ゴジラ完全殲滅の可能性と新戦術について」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0086">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2000|pp=86-87|loc=「STAFF INTERVIEW 大屋哲男(VFXスーパーバイザー)」}}</ref> |
<ref name="東宝SFSE0086">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2000|pp=86-87|loc=「STAFF INTERVIEW 大屋哲男(VFXスーパーバイザー)」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0089">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2000|p=89|loc=「STAFF INTERVIEW 喜多川務(ゴジラ)」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0109">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2001|p=9|loc=「[インタビュー] 富山省吾」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0110">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2001|pp=10-11|loc=「[インタビュー] 金子修介」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0141">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2001|p=41|loc=「[インタビュー] 品田冬樹」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0144">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2001|pp=44-47|loc=「[インタビュー] CG合成スタッフ」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0510">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2005|pp=10-11|loc=「[インタビュー] 北村龍平」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0532">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2005|pp=32-34|loc=「[インタビュー] 若狭新一」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0541">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2005|pp=41-44|loc=「〈スーツアクター座談会〉あの戦いをもう一度」}}</ref> |
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<ref name="東宝SFSE0545">{{Harvnb|東宝SF特撮映画シリーズSPECIAL EDITION|2005|pp=45-46|loc=小林淳「ゴジラ映画音楽史小論」}}</ref> |
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<ref name="超最新192">{{Harvnb|超最新ゴジラ大図鑑|1992|p=192|loc=「ゴジラ生物学」}}</ref> |
<ref name="超最新192">{{Harvnb|超最新ゴジラ大図鑑|1992|p=192|loc=「ゴジラ生物学」}}</ref> |
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<ref name="超最新196">{{Harvnb|超最新ゴジラ大図鑑|1992|p=196|loc=「ゴジラ生物学」}}</ref> |
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1,095行目: | 1,203行目: | ||
<ref name="V大図鑑G60">{{Harvnb|ビジュアル大図鑑G|2000|pp=60-61|loc=「SPECIAL INTERVIEW 監督/手塚昌明」}}</ref> |
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<ref name="V大図鑑G62">{{Harvnb|ビジュアル大図鑑G|2000|pp=62-63|loc=「SPECIAL INTERVIEW 特殊技術/鈴木健二」}}</ref> |
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<ref name="動画王大図鑑10">{{Harvnb|動画王特別編集ゴジラ大図鑑|2000|pp=10-11|loc=「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 ゴジラ」}}</ref> |
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<ref name="動画王大図鑑199">{{Harvnb|動画王特別編集ゴジラ大図鑑|2000|p=199|loc=「GODZILLA」}}</ref> |
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<ref name="動画王大図鑑201">{{Harvnb|動画王特別編集ゴジラ大図鑑|2000|p=201|loc=「ゴジラ2000ミレニアム ゴジラ」}}</ref> |
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<ref name="宇宙船YB03">{{Cite journal |和書|date=2003-05-01 |title=106号巻末特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2003 |journal=[[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]] |volume=Vol.106 |issue=(2003年5月号) |pages=137 |publisher=[[朝日ソノラマ]] |id=雑誌コード:01843-05}}</ref> |
<ref name="宇宙船YB03">{{Cite journal |和書|date=2003-05-01 |title=106号巻末特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2003 |journal=[[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]] |volume=Vol.106 |issue=(2003年5月号) |pages=137 |publisher=[[朝日ソノラマ]] |id=雑誌コード:01843-05}}</ref> |
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<ref name="平成P121">{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|p=121|loc=「怪獣プラネットゴジラ メイキング」}}</ref> |
<ref name="平成P121">{{Harvnb|平成ゴジラパーフェクション|2012|p=121|loc=「怪獣プラネットゴジラ メイキング」}}</ref> |
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1,188行目: | 1,299行目: | ||
<ref name="Walker50">{{Harvnb|Walker|2016|pp=50-51|loc=「ゴジラ・アーカイヴ ゴジラ・データファイル」}}</ref> |
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** ゴジラコンプリーションシリーズ(ホビージャパン) |
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* 雑誌 |
* 雑誌 |
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** [[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]](ホビージャパン) |
** [[宇宙船 (雑誌)|宇宙船]](ホビージャパン) |
2023年5月23日 (火) 04:27時点における版
ゴジラ | |
---|---|
ゴジラシリーズのキャラクター | |
1954年版『ゴジラ』のゴジラ | |
初登場 | 『ゴジラ』(1954年) |
作者 | |
演 | |
詳細情報 | |
別名 |
|
性別 | オス |
家族 | ミニラ |
ゴジラ(Godzilla)は、東宝の映画ゴジラシリーズに登場する架空の怪獣。
概要
大型獣脚類をはじめとする二足歩行恐竜をモデルに創作された、怪獣の代名詞的存在。日本のみならず、世界各国で高い人気を有する。外形は第1作公開当時の恐竜に対する知見を基に、胴体が地面から垂直に立つ姿勢にデザインされている。
最初の異名は
ゴジラはあくまでもゴジラシリーズの看板キャラクターであって必ずしも主人公・主役というわけではない。むしろ敵役として描かれる作品も少なくない。ミレニアムシリーズなどを手掛けた脚本家の三村渉は、ゴジラを台風や津波のような自然そのものと解釈しており、人間側がゴジラを愛していてもゴジラが襲ってくる時が訪れる理不尽さが魅力であり、完結することのない戦いであると評している[1]。
『広辞苑』にその名が掲載されている唯一の日本の怪獣である。
2016年には第29回東京国際映画祭・ARIGATŌ賞を受賞した[2]。2018年、アメリカ航空宇宙局(NASA)と、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡研究チームは共同でガンマ線天体で構成する22の「星座」を制定したが、ゴジラもその1つに採用されている[3][4]。
登場作品
製作経緯
プロデューサーの田中友幸はアメリカ映画『原子怪獣現わる』をヒントに、恐竜型怪獣が暴れる映画を当初から構想していた。怪獣の描き方について、『キング・コング』に魅了されていた特技監督の円谷英二は同じストップモーション・アニメーションによる撮影に意欲を見せたが、予算の都合や撮影期間の問題で着ぐるみによる撮影に決定した[出典 1]。名前の「ゴジラ」とは、力強い「ゴリラ」と体の大きな「クジラ」を混合した造語である[出典 1]。
デザイン
第1作の脚本にもとづき、「水棲爬虫類から陸上哺乳類に進化途中の巨大生物」と設定された。脚本内での描写は、「丸ビルくらいの大きさ」「アフリカ象のような大きな耳」「全身に鋼鉄のようなウロコ」「体をうねらせて這い出る」「全身から光を放って周囲を燃やす」というものであった[8][7]。
当初、頭部デザインは挿絵漫画家の阿部和助に依頼されたが[9][10][注釈 1]、彼の画は「キノコ雲のイメージが強すぎて参考程度にしかならなかった」と言われている[11][注釈 2]。次に美術チーフの渡辺明によって[要出典]、アメリカの雑誌『ライフ』の図解からイグアノドン、ティラノサウルス、ステゴサウルスなどの恐竜画を参考にイメージがまとめられ[5]、デザイン画が起こされた[10][注釈 3]。
表皮の質感には「魚のうろこ状」「いぼのような半球状の突起物」などの試行錯誤のすえ、ワニをモチーフにしたうえで火傷によるケロイドをイメージさせる、「畝のあるごつごつ状」が採用された[出典 2]。「背びれ」は粘土原型の時点で、水爆によって骨化したイメージになっている。また、劇中に「服部時計店(銀座和光ビル)にある時計塔の鐘の音に怒り、破壊する」という描写があるため、本来の爬虫類にはない耳介がつけられた[12][13]。
『ゴジラ2000 ミレニアム』などでデザインを手掛けた西川伸司は、ウロコにも岩にも見える皮膚の表現がゴジラのデザインにおける最大の発明であると評しており、これによって生物か無生物かを曖昧にするとともに既存の生物と似ていない唯一無二の存在としていると述べている[14]。
カラーリング
体色はデザインの変遷やスーツの改修により、登場作品ごとに微妙に異なる。一方、アメリカでは緑色と認知されている[15]。
血色は基本赤色で統一している。
出自などの変遷
1954年公開の第1作『ゴジラ』では、作中に登場する古生物学者の山根恭平博士が「ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物[注釈 4]の末裔が、ビキニ環礁の水素爆弾実験で安住の土地を追われ、出現したのではないのか」と説明する[16]。しかし、以後の作品の多くでは「ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した」と説明される。また、「平成ゴジラシリーズ」ではゴジラの元となった恐竜ゴジラザウルスが登場する(詳細は後述)。
「ゴジラ」の名は、物語上では大戸島(架空の島)の伝説の海神「呉爾羅」[注釈 5]に由来する。身長は50メートル。この設定は、1975年公開の第15作『メカゴジラの逆襲』まで用いられた。
1984年公開の第16作『ゴジラ』は第1作の直接的な続編として製作されたが、第1作当時と違って都会に高層ビルが多く建ったことを考慮し、ゴジラの身長は80メートルに変更された[18]。1991年公開の第18作『ゴジラvsキングギドラ』では、「南方の孤島・ラゴス島に生息し続けていた恐竜ゴジラザウルスが、ビキニ環礁の水爆実験で飛散した放射能を浴びて変貌した」と設定され、同作後半にてこの事実が明らかになったあと、実験当時のラゴス島に生息していたゴジラザウルスは未来人によってベーリング海へ移送され、ここまで語られたゴジラの存在自体が抹消される。その後、ベーリング海にて眠っていたゴジラザウルスは、放射性廃棄物や原子力潜水艦の核エネルギーを浴びて最強・最大である身長100メートルのゴジラに変貌する。以降は平成vsシリーズ最終作である1995年公開の第22作『ゴジラvsデストロイア』まで、そのゴジラが出現する[19]。
1999年公開の第23作『ゴジラ2000 ミレニアム』から2004年公開の第28作『ゴジラ FINAL WARS』までの新世紀シリーズでは第1作を踏襲しつつも、3式機龍が登場する第26作『ゴジラ×メカゴジラ』と第27作『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』が2部作となっていること以外、各作品が独立した設定となっている[20][19]。ただし、1954年の第1作でゴジラが日本に上陸した設定は踏襲され、作中で日本国民にゴジラの存在が認知されていたという事実は共通している[19]。『ゴジラ2000 ミレニアム』、第25作『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』、機龍二部作では第1作の初代ゴジラのあとに現れた別個体だが、第24作『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では第1作の初代ゴジラが倒されずに生き延びたという設定である。また、『ゴジラ FINAL WARS』では第1作の出来事に多少触れてはいるが、時系列は近未来と設定されており、具体的な関連性は明確になっていない。身長はvsシリーズから縮小され、『ゴジラ2000 ミレニアム』、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』、機龍二部作では55メートル、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では60メートルとなっているが、『ゴジラ FINAL WARS』ではふたたび100メートルとなっている。
2016年公開の第29作『シン・ゴジラ』では身長118.5メートルのゴジラが、2017年公開の第30作から2018年公開の第32作までのアニメ映画3部作『GODZILLA 怪獣惑星』『GODZILLA 決戦機動増殖都市』『GODZILLA 星を喰う者』では推定身長300メートルのゴジラがそれぞれ登場する。なお、『シン・ゴジラ』に登場するゴジラは、初代ゴジラの特徴や容姿、古代から生息していた生物が放射能を浴びたことで変異を遂げたこと、放射熱線を武器とするなどの要素は踏襲しながらも、それまでの作品とは違って過去作との関連性は無く第1作とは完全に独立しており、正体不明の巨大生物として登場するうえ、姿形も当初の水棲生物から陸棲生物への進化を遂げながら巨大化するなど、過去作には見られなかった要素が盛り込まれている。アニメ映画3部作に登場するゴジラも、過去作とのつながりは無く2030年に初めて現れた怪獣とされている。ただし、昭和版と同じくアニメ映画3部作に共通する設定として、ゴジラの名前は「大戸島の龍神・呉爾羅」から付けられている。
昭和シリーズ
- 武器:放射能火炎[注釈 6]
スーツアクターは中島春雄(『対ガイガン』まで)、手塚勝巳(『三大怪獣 地球最大の決戦』まで)など。
『ゴジラ』(1954年)
『ゴジラの逆襲』以降
vsシリーズ
ミレニアムシリーズ
スーツアクターは『大怪獣総攻撃』以外喜多川務が担当した[21]。
『ゴジラ2000 ミレニアム』
ゴジラ GODZILLA[22] | |
---|---|
別名 | 怪獣王[出典 3][注釈 7] |
全高 | 55 m[出典 4] |
全長 | |
顔幅 | |
口幅 | |
肩幅 | 20 m[31] |
腹幅 | 14 m[31] |
腰幅 | 22 m[31] |
脚の長さ | 19 m[31] |
腕の長さ | 14 m[31] |
手の長さ | |
尻尾の長さ | 78 m[出典 5] |
体重 | 2万5千 t[出典 4] |
歩行速度 | 40 km/h[出典 6] |
出身地 | 不明[30][注釈 8] |
出現地 | 北海道・根室[25][注釈 9] |
1954年に出現した初代ゴジラのあとに、日本にたびたび上陸しているゴジラ[出典 7]。口からオレンジ色の放射熱線を吐く[36][22][注釈 10]。このときに背びれが熱線と同色に発光し、絡みついたケーブルを焼き切るほどの熱量を放つ。細胞内に強力な超再生能力を持つオルガナイザーG1という物質を含んでおり[22]、5時間もあれば細胞の傷や破損はすべて完治する。
出現地点は納沙布岬→根室→東海村→東京湾→新宿[27][37]。
劇中では始めに根室に上陸し、暴れまわって発電所など都市部を壊滅させると太平洋へ消える[出典 8]。次に、本州に沿って太平洋を南下して茨城県東海村に上陸し、核エネルギーを狙って東海発電所を襲おうとするが[出典 8]、岩塊に隠れたUFOの光線に倒れ海へ消える。その後、東京に上陸し、自らのオルガナイザーG1を吸収して暴走した宇宙人=オルガと戦闘に突入。何度放射熱線を撃ち込んでもそのたびに再生し噛み付いてエネルギーを奪うかたちで徐々にゴジラ化を進めるオルガに苦戦するが、貪欲なまでのゴジラ化への渇望を逆手に取り、わざとオルガに飲み込まれて体内放射で爆殺する作戦で完勝。最後は権力と武力を濫用してゴジラ抹殺に執念を燃やす片桐光男を亡き者にし、悠々と新宿を火の海にしていく場面で映画は終了する。
なぜゴジラが日本を襲うのかという問いについて、本作品の主人公である篠田雄二は、「人間の作り出すエネルギーを憎んでいるのか」と推測する。また劇中で陸自の第1師団長、高田が「これまでの経験からG(=ゴジラ)は攻撃されると必ずその相手に向かってくる」と発言し、実際にゴジラが劇中後半で東京に襲来するのは東海村で攻撃を仕掛けてきたUFO(および自衛隊を指揮した片桐)へのリベンジを果たすためである。
- 本作品でのゴジラの出自については明らかになっておらず、書籍『ゴジラ2000ミレニアム超全集』では初代出現時に山根博士が危惧した別個体の1頭と推測している[38]。
制作(2000)
通称ミレニアムゴジラ[出典 9]、ミレゴジ[出典 10]。書籍によっては、本作品のゴジラを2代目[33]や4代目[46]とカウントしている。
製作の富山省吾は、本作品のテーマとして「怖いゴジラ」「ゴジラの謎」という2点を掲げており、後者の要素としてオルガナイザーG1の設定が創作された[47]。また、本作品ではゴジラの行動目的を言及しているが、脚本を手掛けた柏原寛司と三村渉はこれについてあくまで本作品の登場人物らの解釈であるとしており、本作品で断定してしまうのではなく謎を残すことで作品ごとに異なるアプローチを行っていくことを想定していた[47]。
特殊技術の鈴木健二は、1984年版以降は、高層ビルが林立する現代の都会で巨大感を出すために身長は80メートルや100メートルと大きく設定されていたが、本作品では大きさを描き方で出せると方向を転換し、リアルな恐怖感を求めてあえて初代の50メートルに近い55メートルと設定された[48][49]。
造形(2000)
基本デザインは西川伸司によるもの[出典 11]。全身の決定稿はなく、上半身のシルエットと頭部の決定デザインのみが描かれた[51][注釈 11]。西川は、初代ゴジラをベースとしていたvsシリーズのゴジラとの差別化として、キンゴジやモスゴジを基にしている[30][53]。初期案では、初代ゴジラをベースにしたものや、耳たぶがなく穴のみのものや、尻尾以外にも節の横線が首や足に加わったものや、背びれを立体的に表現したものや、銃身の首と撃鉄の背びれなど歩くビーム砲台とイメージした銃型のものなどが存在した[52][55]。本作品の企画以前には、酉澤安施による背びれが2列あるゴジラのデザイン案が存在していた[出典 12]。原画はアナログ彩色によるものだが、部位や色調の変更はデジタルによるもののため、容易となっている[52]。咆哮時には首が動いた際に息遣いを感じさせ、首筋が広がるイメージとなっており、実際のスーツも最終的に首を5センチメートル延長している[52]。平成ゴジラは口の終端が首より前にあったが、それとの差別化として、顎の長さを変えず、顔全体を短くして頭部の印象を変えている[52]。首筋はキングコブラのようにふくらみ[54]、口は大きく裂け、背びれも従来の倍以上もある鋭いものとなっており、アングルによっては、初代ゴジラなど過去のゴジラも想起させる微妙な造型となっている[48]。恐竜を基にした顔に肉付けしていく方向性や、横方向にもトゲを出すものも背びれも検討された[52]。
本作品では「怖いゴジラ」が一つのテーマであったが、特殊技術の鈴木健二は怖いだけのゴジラでは成立しないと思ったため、身近に感じる時もあれば怖い時もあるなど、いろいろな面を持ち合わせたさまざまなキャラクターを入れたゴジラとしているが、インパクトのある、凶暴なイメージの方向性のデザインで作ったという[58]。大きく口を開け、首は肩と一体になるように太く膨らませ、眼はどの方向から見てもゴジラに見つめられているような作り方となっている[58]。
ゴジラの着ぐるみ製作は、『ゴジラvsデストロイア』まで東宝内部で行われていたが、ミレニアムシリーズでは外部発注されており、『大怪獣総攻撃』以外の作品では若狭新一が代表を務める有限会社モンスターズが造形を担当した[出典 13]。若狭によれば、東宝プロデューサーの富山省吾は初代ゴジラを、特殊技術を担当した鈴木健二は『キングコング対ゴジラ』のゴジラをそれぞれイメージしていたといい、両者の希望に沿うよう心がけたと述べている[62]。一方、若狭自身は自身が愛好するキンゴジやモスゴジの雰囲気が入っていると述べている[41]ほか、「平成ゴジラを感じさせない新しいゴジラ像」を要望されたことが一番難しかったと述懐している[63]。検討用マケットは若狭と寒河江弘が手掛けた[64]。
着ぐるみは海用とアップ用が製作された[出典 14]。着ぐるみには背びれを外して中に入るものとなっている[65]。また、頭部も喜多川の要望で、ゴジラの頭が自分の頭を動かすと動くようにしている[66]。そのほか、スーツと同サイズの爆破用モデル[注釈 12]や上半身のマペット、右腕・右足・尾の部分モデルが用いられた[67][60]。いずれもラジコン操作で頭部の可動や口の開閉が可能となっている[60]。頭部メカはスーツアクターの喜多川務の要望により、動物の動作を再現できるようパーツごとに可動する仕様となった[68]。頭部は、内部フレームによりスーツアクターの首の動きに合わせて可動する構造となっていたが、アクションシーンでの安全性を考慮してフレームを外し、スーツアクターの頭にゴジラの頭部が直接乗るかたちとなった[59][注釈 13]。当初は、前傾姿勢とするために足に高下駄を入れることが検討されていたが、喜多川はスーツを改修することなく前傾姿勢を維持することができ、若狭は喜多川がスーツを着たことでゴジラが完成したと述べている[62]。手の指はvsシリーズ時と異なり、中指と薬指を1本の指に入れているが、喜多川は小指に力が入らずNGを出してしまうことが多かったと述懐している[69][68]。海用は撮影時に足を外している[40]。
海用は表皮が弾着で痛んだ後、足や尾をカットして他の撮影などに使用された[70]。
最大の特徴である背びれは、西川のシルエットデザインを元に巨大かつ鋭利なものとなり[71][53][注釈 14]、配色も従来とは異なりメタリックレッドとなっている[64]。今までより色を感じさせるため、尖端をパールピンクにしており[58][54][注釈 15]、白い下地に塗布している[65]。若狭は背びれが大きいと重くなり動きの邪魔にもなることを懸念したが、鈴木は迫力があるので良いとして大きいままとなった[71][73]。しかし、背びれを発光させるために半透明のFRPを用い、強度を保つために軽量化が難しいことから、発光用と通常用の背びれを差し替える仕様となった[71]。また、背びれや肩などに従来のゴジラにはないトゲが存在している[74][43]。
体の色はグリーン[54][75][注釈 16]。若狭は、従来の黒やグレーとの差別化から、アメリカでのゴジラのイメージであるグリーンとしたが、ナイター撮影や現場のホコリなどにより、当時のカメラの性能ではほとんどグレーにしか見えなかったと述懐している[71]。
本作品以前の直立姿勢から若干前傾姿勢になり[出典 15]、口も大きめに造形されているなど[出典 16]、より爬虫類に近い印象をもつ[75]。足の指の付き方は初代ゴジラのものと同様になり[74]、歯並びもビオゴジの二列から一列に戻され[74]、以降も継承される。目はネコ科動物のものを参考にしており[71]、どこからでも目線が合うことを意識したという[54][71]。尾については当初は29節であったが、撮影初期に改修されて35節となった[60]ほか、従来との差別化から先端が細くなっている[71]。
公開当時のアトラクション用スーツは、撮影用のものと異なり体色が明るいグリーンである[64]。
撮影・演出(2000)
スーツアクターの喜多川務は、前年に『モスラ3 キングギドラ来襲』でキングギドラを演じており、同作品で特殊技術を担当していた鈴木がその演技を気に入り、本作品でのゴジラ役に指名し[62]、『モスラ3』と同様に鈴木と若狭新一から電話を直接もらったという[66]。スーツを試着した喜多川は、重さや息苦しさで10メートル歩くだけでもかなり消耗したといい、体力をつけて撮影に挑んだ[69]。それでも慣れるまでに10日はかかり、初期には閉所恐怖症になりかけたという[69]。動き方についても、当初は前任であった薩摩剣八郎の動きを真似るなどしたものの、鈴木から新しいゴジラを求められ、ゴジラの歩き方のコツを掴んだのは撮影終了3日前であったという[69]。喜多川は、スタントマンとして20年培った技術が一切通用しなかったといい、苦しみながらも楽しくやらせてもらったと述懐している[66][69]。
喜多川は首の動きが一番難しかったといい、慣れるまでは力が無意識に入り、首を回して振り向くと力が手に入って指が曲がっていたという[66]。
鈴木は、当初熱線の色をブルー系で試したが馴染まず、最終的にオレンジ系とした[54][36]。また、熱線の回数を減らし、発射の際も溜めの描写を盛り込むことで、1回1回の効果を高めている[54][36]。
本作品ではゴジラのキャラクターを立たせることを第一としており、オルガとのバトルはそれに付随するものと位置づけている[54]。最後にゴジラが勝つことは観客もわかっていることであるため、巨大UFOとの戦いではゴジラが圧倒される展開とした[54]。
根室で道路を削る場面では、ゴジラの腕のみを使ってアップで撮影している[70]。トンネルをゴジラの足で崩す場面は、縦のレールに沿って足の模型を落としている[70]。
新宿でのUFOとの戦いでも、ゴジラが圧倒される様を見せる必要があったが、流血表現などができなかったため、ゴジラが転倒する描写が多くなった[50]。絵コンテを担当した西川伸司は、転倒が多いことを鈴木に指摘されて気づいたといい、オルガ戦では転倒描写を削った[50]。転倒描写では、形が崩れてしまうのを防ぐため中に喜多川が入ったまま撮影しており、通常時は固定している首部分のヘルメットを緩めることで喜多川が直接ダメージを受けないよう配慮している[69]。
ゴジラの腕にオルガが噛みつくシーンでは、噛んだ牙が外れないように、スーツに縫い付けている場合もある[70]。オルガが口を開くシーンでは驚いたような仕草を見せており、従来のような超然としたイメージではなく、生物感を強調している[54][36]。
海中から現れるシーンはプールで撮影が行われたが、背びれが大きいことからvsシリーズよりも深く掘られ、ゴジラが乗った金網製の台をクレーンで吊り上げるという手法がとられた[69]。喜多川は、中でレギュレータを咥えて撮影に挑んだが、吊り上げられる際にレギュレータが外れてしまい、足も固定されている上に水を吸って重くなっているため、バランスを崩すと足が折れそうであったといい、本作品の撮影で最も恐怖を感じた場面であったと語っている[69]。
海中を泳ぐシーンではゴジラを初めてフルCGで描いている[出典 17]。上陸シーンでも、ヘリで空撮した実景映像にスーツのゴジラを合成するなど、デジタル合成が多用されるようになった[76]。冒頭の尾で薙ぎ払われる居酒屋は、実物大セットの映像にCGの尾を合成している[79][80]。実物大セットは、黒幕を巻いたユンボのアームを尾に見立てて壊している[79]。
CGの制作にモーションキャプチャを用いることも検討されたが、活用できる場面が少ないためモデリングやアニメーションは手作業での制作となった[77]。泳ぐシーンの動きは、他作品との差別化からイグアナのような横振りの動きに映画『エイリアン4』でのエイリアンのような縦の動きを加えたものとなった[77]。
砂浜の足跡は、重機を用いて実物大のものが掘られた[81][80]。足跡がCGだと思われたくないという大河原の要望により、波打ち際で作ることが検討されたが、掘ると水が出てしまうことや中で俳優が芝居を行う都合などから、実際には波から離れた場所で掘られた[79]。
『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』
ゴジラ GODZILLA[82] | |
---|---|
別名 | |
全高 | 55 m[出典 19] |
全長 | |
顔幅 | |
口幅 | |
肩幅 | 20 m[90] |
腹幅 | 14 m[90] |
腰幅 | 22 m[90] |
脚の長さ | 19 m[90] |
腕の長さ | 14 m[90] |
手の長さ | |
尻尾の長さ | 78 m[出典 20] |
体重 | 2万5千 t[出典 19] |
歩行速度 | 40 km/h[87][90] |
出身地 | 不明[89] |
出現地 | 品川[86] |
1954年に東京を襲撃した個体が倒されることなく生存している[86]。その後、1966年に茨城県東海村の原子力発電所、1996年に大阪のクリーンエネルギーファクトリーを襲撃している[出典 21]。脚部の指は4本で、内側を極端に向いている指がある[87]。建物を突き破るパワフルさやメガギラスのスピードに肉薄する素早さを見せる[82][注釈 17]。
出現地点は日本海溝→太平洋→父島東100キロメートル→奇岩島→東京湾→お台場→広尾付近[92]。
2001年、小笠原海溝で活動を再開して奇岩島に上陸したところを、ブラックホール砲「ディメンション・タイド」に狙われるが、メガニューラの大群に襲撃されて八丈島沖に退避したのち、東京へ上陸してお台場でメガギラスと対決する[84]。当初は素早い動きに苦戦するもののメガギラスの尾を噛みちぎり、逃げ出そうとしたところに熱線を浴びせかけて勝利する。最後は、ディメンション・タイドの攻撃で(熱線で迎え撃つ場面がある)完全に消滅したかに思われるが、エンディング後にはゴジラの生存を示唆する演出がなされる[注釈 18]。
造形(×メガギラス)
造型は前作に引き続きモンスターズが担当[94][89]。スーツは前作の型を流用して製作したもの[出典 23]が2体[98]と前作の着ぐるみを改修したもの[出典 24][注釈 20]が使われた。形状そのものは変わらないが体色が全体的に明るくなり[出典 25][注釈 21]、歯にスジが入っているなどの点が異なる[94][102]。ゴジラのカラーは一番難しい色にしているため、カットやシークエンスによっては、微妙にその色の出具合が異なるという[101]。
新規スーツは、内装材をウレタンからフォームラテックスに変えるなど[98]、素材の変更によって50キログラム以下に軽量化された[出典 26][注釈 22]。爪や背びれはウレタン製に変わった[71]。基本姿勢も前作ほど前傾姿勢にはなっていない[71][注釈 23]。劇中では瞼の動きはCGによって表現されている[104]。発光用の背ビレも作成されたが、使用はワンカットのみであった[105]。
スーツには背中の開いている部分からスーツアクターが中に入る[106]。ゴジラがメガギラスに飛びかかるシーンでは、喜多川から型をとったダミー人形の通称「キタガワ君」を中に入れて撮影している[103]。
下半身のみのスーツも制作され[103][102]、冒頭の脚部のアップシーンやジャンプする際の足元の撮影などに用いられた[106][107][注釈 24]。下半身のみのスーツを用いての地面を踏み抜くシーンでは、レールでその進行を固定している[106]。
尻尾はスタッフの手によるもののほか、操演によって演出された[98][106]。
洋上を前進するシーンでは、水上撮影用の上半身のみのスーツをプール内に設置されたレールに乗せて動かしている[106][95]。このモデルは、スタッフから「カチコチ君」と呼ばれていた[出典 27]。鈴木は、こういったシーンはいつも同じになってしまうため、意識的に変えたことを印象づけるために制作したと述べている[109]。
水中シーンは、フルCGで表現している[109]。モデリングは前作のものを活かしつつ、表面は全体的に作り直している[110]。
桐子が背ビレに乗るシーンでは、実物大の背ビレの造形物が製作され、東宝スタジオの大プールで撮影が行われた[出典 28]。制作は本編美術の瀬下幸治が担当[112]。高さは4メートルほどで、鉄骨を組んでFRPで作成され、浮き沈みさせるためカメラの死角に穴を開けて水抜きとしている[112]。搬入時には2つに分割し、4トントラック2台で運搬した[112]。背ビレの付け根部分についてこれまで詳細な描写はなかったため、造型はケロイド状であるゴジラの皮膚のイメージにとらわれず、甲羅などの要素を取り入れている[112]。
全国各地で宣伝を行う「どこでもゴジラキャンペーン」のため、21体のアトラクション用スーツが製作された[99]。
撮影・演出(×メガギラス)
ダークなイメージであった前作との差別化から、ゴジラの登場シーンは冒頭の回想以外すべて昼間となっている[114][115]。 演じる喜多川務は、前作では従来のゴジラ像を意識して演じていたが、本作品では自身の好きにやろうと考え、初代の再現である冒頭の東京襲撃シーン以外ではスピーディな演技とした。本来は四つん這いに近い状態でやりたかったが、鈴木からやりすぎだと指摘され改めたものの、従来よりも低い体勢が多くなっている。奇岩島でのシーンでは、戦いではなく体にまとわりつくメガニューラが鬱陶しくて払っていると想定しており、実際にメガニューラの造型物を踏み潰している。お台場での走るシーンは、足が引っ掛かるため撮影では足首だけで跳びはねており、ハイスピード撮影によって迫力を出している[103]。
初代ゴジラと同一という設定だが外観は異なるため、1954年の東京の襲撃シーンは本スーツを用いて『ゴジラ』での場面をリメイクしている[出典 29]。脚本では第1作のフィルムに新しいゴジラを合成すると書かれていたが、最終的にはフィルムの流用ではなく、第1作のシークエンスから劇中の実景のみを用いた完全な新撮となった[出典 30]。
冒頭の大阪のシーンは、人間とゴジラとの初めての戦闘であるため、もったいつけて登場させることで人間側の恐怖心をあおり、ゴジラには歯が立たないことがわかるという演出にしている[109]。
ゴジラがクリーンエネルギーを襲う理由は明確になっていない[118]。脚本を担当した三村渉は、ゴジラの不思議な能力におんぶにだっこであったと述べており、明確にしないことでゴジラを不気味で偉大に見せる意図があったと語っている[118]。
人間がゴジラの背に乗るというシークエンスは、『白鯨』や『ガメラ』のようになってしまうため、Gグラスパーの服装は放射能防護機能を兼ね備えたものという設定となった[111]。
特殊技術の鈴木健二は、大阪では、徹底的にゴジラと人間の戦いをやっており、奇岩島では、ゴジラがメガニューラにたかられて本当に嫌がっているということであり、戦いとは異なったものを表現しているという[101]。
背ビレの発光は、前作で色をつけすぎたという鈴木の反省から、黄色いものとなった[105]。鈴木の意向により、単に光るだけでなく背ビレの形状を活かしたものとなったため、合成はマスクを手書きで抜いている[105]。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』
ゴジラ GODZILLA[119] | |
---|---|
別名 | 破壊神[出典 31][注釈 25] |
全高 | 60 m[出典 32] |
全長 | 85 m[120][122] |
全幅 | 38 m[125] |
体重 | 3万 t[出典 32] |
出身地 | |
出現地 |
武器は放射能熱線[注釈 26]、引力放射能熱線(対キングギドラ最終攻撃時)[121]。
1954年に出現した個体以来50年ぶりに出現したゴジラ[120][121][注釈 27]。民俗学者の伊佐山嘉利は、ゴジラは太平洋戦争で犠牲になった人々の残留思念の集合体だと主張する[121][123]。日本を襲う理由は、戦争犠牲者の叫びと無念を、現代人が忘れ去ってしまったからだという[119]。本作品のゴジラはずる賢く残忍な性格で、一度受けた攻撃を覚え、二度目はすべてかわすため、劇中バラゴンとモスラは二度目の奇襲に失敗する。人間を憎悪しているような描写が目立ち、人間めがけて熱線を吐いたり、病院を通過すると見せかけて尻尾で破壊したりする。
グアム島沖で米原子力潜水艦を沈め、小笠原諸島の孫の手島を壊滅させると、静岡県焼津市焼津港に上陸し、付近一帯の人間を殺戮する[121][119]。その後、箱根山大涌谷でバラゴン(婆羅護吽)と遭遇、一蹴して東京へ向かう[121]。横浜での戦いでは、防衛軍の陸上部隊と水上部隊、モスラ(最珠羅)、キングギドラ(魏怒羅)を相手に数的不利な戦いを強いられるが、圧倒的な戦闘能力ですべてをねじ伏せた[119]。
しかし、キングギドラを撃破した際に護国三聖獣の霊的エネルギーを浴びせられ、金縛りに遭って海底に沈む。さらには、主人公・立花由里の父である防衛軍の立花泰三准将が搭乗する特殊潜航艇「さつま」に口内へ飛び込まれ、先ほどのキングギドラとの戦闘時に負った肩の傷を体内から特殊削岩弾D-03を搭載した魚雷で攻撃され、大きな傷口を穿たれてしまう。それでもなおゴジラは浮上して由里たちに熱線を吐きかけようとするが、肩の傷口から熱線のエネルギーが放出され、絶叫して大出血しながら再び海底に沈む。最後は沈んだ直後に肩の傷口から脱出した立花准将の「さつま」に向けて再び熱線を吐こうとしたところ、そのエネルギーに体が耐えられずに暴発して消滅した。しかし、ラストシーンでは海底において鼓動を続けるゴジラの心臓が映し出された。
立花泰三の回想によると、彼の幼少期にゴジラが東京を襲撃しており、そのときにはある科学者が作り出したとされる「未知の毒化合物」によって消滅している。また、その際には防衛軍が迎撃に当たったもののまったく通用せず、その事実が国民に露見すれば防衛軍そのものの不要論に繋がるという理由で、先述の事実は上層部の一部の人間以外には隠蔽され、表向きは「防衛軍の火力をもってゴジラを撃滅した」と発表された。
制作(GMK)
監督の金子修介は、史上最も凶暴・凶悪なゴジラをコンセプトとしている[128]。監督を依頼された際には、製作の富山省吾に初代ゴジラのような凶暴凶悪なゴジラをやりたいと告げていた[129]。一方、ゴジラが第五福竜丸の母港であった焼津港に上陸したり、熱線によるキノコ雲などで「核の象徴」としての要素を強調しつつ、ゴジラそのものを核兵器と同一視することは避けている[130]。放射能の描写については甘すぎると述べており、実際に放射線を発していると周囲の人間が皆死んでしまうため、ファンタジーとして割り切っている[131]。
金子は、平成ガメラシリーズを手掛けたことでゴジラとガメラのキャラクター性の違いをはっきり感じたといい、同シリーズでのガメラが古代文明の生物兵器であるというSF的な説明を行っていたのに対し、ゴジラは科学を越えた存在であると語っている[130]。戦争犠牲者の残留思念の集合体であるという設定は、金子が中学生のころに第1作を観て感じていたものだという[130]。
ゴジラを悪役として描くため、怪獣との戦いで観客がゴジラを応援してしまうことを避けるため、怖さや残忍さが強調されている[132]。バラゴンとの戦いでは、金子は体格差のある怪獣同士の戦いをやりたかったといい、小さい方を勝たせずに勝負にならない戦いとすることで、容赦のないゴジラの残酷さを出している[130]。
造形(GMK)
通称GMKゴジラ[出典 33]、GMKゴジ[出典 34]。スーツアクターは吉田瑞穂[出典 35]。
造形は金子の指名で品田冬樹が担当[出典 36]。具体的なデザイン画は存在せず、監督の金子修介らのアイディアをもとに品田によって検討用モデルから造形された[出典 37]。これは、デザインと立体とのイメージのずれを解消するための措置であった[136]。品田は、初代ゴジラの検討用モデルと84ゴジラをイメージしたとされる[136]。プロポーションは前作とは打って変わって太めかつ頭部が大きい。耳も穴のみとなった[43]。イグアノドンをイメージして手の親指が大きく造型された[136]。足の爪は、スーツアクターの安全性を考慮して地面につかない位置につけられており、当たっても爪が曲がるように設計されている[141]。背びれも、特徴的であったミレニアムゴジラのものではなく昭和ゴジラを意識したものとなり、原点回帰を意図している[140][注釈 28]。初期案では四足歩行怪獣を相手とするため、恐竜型の前傾姿勢とする原型も存在しており、製作発表ではこちらのモデルが用いられていた[136][124]。
感情移入を拒絶する「悪の権化」を強調するため、眼は白目のみで黒目が存在しない[出典 38]。毛細血管を黒くすることで白目と黒目が逆転したような印象としている[136]。これは当初から予定されていたものではなく、造型の途中で発案されたものであった[129]。富山は、映像での映り方を考慮し、目全体を白くするのではなく、白目と黒目を逆転させることを提案した[129][注釈 29]。眼球は、特技監督の神谷誠からの提案により、デイシーンとナイトシーンで配色を変えている[140]。金子は、目を白くしたことで子供は怖がるだろうと想定していたが、あまり怖がられなかったと述べている[130]。
着ぐるみはバラゴンとの体格差を表現するため、シリーズ最大となる頭頂高220センチメートルのものが作られた[出典 39]。足は、20センチメートルほどの発泡材を入れた高下駄構造となっている[124]。重量は80キログラム以上となり、格闘戦の多い本作品ではスーツアクターへの負担が大きいものとなった[136]。スーツの大型化に伴い、スーツアクターも大柄な吉田が選ばれた[40]。爪は発泡ウレタン、牙はFRPおよび歯科用レジン、舌はウレタンゴムを用いている[140]。頭部は肩の支柱のほか、ウレタンで周囲を固定していたが、演じているうちに汗を吸ったり火薬を用いたりしたことなどでウレタンが柔らかくなってしまい、吉田の自力では支えられなくなったため、品田によって首周りが強化された[144]。当初、品田はよく動くゴジラを制作したいと考えていたが、大型化したことにより重く動きづらいものとなり、ギミックも多かったため、吉田に苦役を強いるものになってしまったと述懐している[145]。
メインとなるアップ用のほか、アクション用と海用も製作された[145][141]。いずれも首の可動と口の開閉ギミックを備えるが、アップ用ではそれらに加え、歯を剥いて鼻と眉間にしわが寄るようになっており、瞬きも瞼だけではなく眉の丘から動くものとなっている[145]。喉や胸を上下させるギミックも内蔵している[145]。アップ用の背びれは、熱線発射時に左右が開き、中央列が前後に可動するギミックが存在するが[出典 40][注釈 30]、2カット程度しか使われていない[140][注釈 31]。海用スーツは、水中撮影での感電を防ぐため、可動ギミックには電動ではなくエアシリンダーが用いられている[145][124]。また、爆破用としてアトラクション用ミレニアムゴジラの頭部と背びれを差し替えたものも用いられた[140]。一方、『ゴジラ』(1984年版)のサイボットゴジラを再び用いることも検討されていた[146]。
スーツ自体の色は茶色で、巨大感を出すためにブルーのライトを当てることで従来のゴジラの色を表現している[140]。
民宿と魚市場を踏み潰すシーンには、昭和シリーズで用いられていた巨大な足だけの造形物が改修を経て用いられている[出典 41][注釈 32]。上陸シーンでは、実物大の表皮の造形物が用いられた[出典 42]。
海中を泳ぐシーンや俯瞰での移動シーンは、フルCGで描写された[148][127]。ラストシーンでの心臓も3DCGで描写され、実際の心臓手術の映像を参考としている[148][127]。さつまが入る体内も3DCGによるもので、演出上暗くしているが、マリンスノーや魚雷発射時の気泡など細かく描写している[148]。
撮影・演出(GMK)
吉田は、撮影前に過去の作品を研究し、カメラテストではあえて従来のゴジラと違う動きを試みたが、モニターで確認すると明らかにゴジラの動きではなかったため、第1作のゴジラを基本とするかたちとした[135]。怪獣同士の戦いでは『キングコング対ゴジラ』での中島春雄の演技を、歩き方はvsシリーズでの薩摩剣八郎の演技をそれぞれ参考にしている[135]。また、吉田によれば、神谷は手の動きにこだわっていたといい、従来のゴジラは脇を閉めて手を内側に向けていたが、それでは動く際に赤ん坊のように見えてしまうため、本作品では手を下に向けている[135]。
神谷によれば、スーツが大型化したことにより、仰角の撮影でスタジオの天井が映ってしまうことが一番の難点であったといい、オープンセットを用いたり、天井を合成で隠すなどしたほか、ゴジラのみセットの床ではなくスタジオの床に直接立たせることもあったと証言している[132]。
放射熱線の描写では、神谷のこだわりにより、大砲のようなバースト現象が取り入れられている[132][127]。神谷は、絵コンテでゴジラの背ビレが光ってから熱線を吐くまでの間に本編シーンが挟まれていたため、間を持たせる必要があったと述べている[132]。また、熱線の色も放射線を意識した青としている[132][131]。
ゴジラが焼津で海中から姿を表すシーンでは、スーツやミニチュア、CGのほか、実物大表皮、グリーンバック撮影による本編素材、様々な水の映像素材など、多数の映像を組み合わせている[132]。神谷は、それぞれ大掛かりな撮影になったが、面白いカットになったと自負している[132]。
バラゴンとの戦いでは、当初吉田はゴジラとの体格差から軽く投げ飛ばす程度で考えていたが、バラゴン役の太田理愛の真剣さに影響され、ゴジラが体重をかけて叩きつけるなどの動きに改めた[135]。しかし、ゴジラが体を捻っているように見せるためには上半身を深く捻らなければならなかったのが辛かったといい、一方で全力を出しすぎるとバランスを崩して倒れてしまうこともあるなど、苦労した旨を語っている[135]。キングギドラとの戦いでは、スーツの動きが制約されるため生物的な動きにならず、ゴジラから噛みついたりするなどの戦い方となり、吉田は格闘と言えるほどのものにならず残念だったと述懐している[135]。
F-7Jとの戦闘シーンでは、ゴジラをブルーバックで撮影しているが、スーツの可動域では上を向くことができないため、合成により動かしている[148]。
機龍二部作
ゴジラ GODZILLA[149] | |
---|---|
別名 | 怪獣王[出典 43] |
身長 | 55 m[出典 44] |
体重 | 2万5千 t[出典 44] |
出身地 | |
出現地 |
1954年に出現したゴジラと同種の極めて高い生命力の生物で[159][160]、特生自衛隊の組織後に初めて出現したゴジラ[出典 45]。武器は放射熱線。
- 『ゴジラ×メカゴジラ』
- 1999年、房総半島への上陸を経て千葉県館山市を中心に破壊して太平洋に姿を消した後、2003年に再出現して3式機龍と交戦する[150]。
- 最初は八景島に出現して機龍に攻撃されるが、その際に発した咆哮が初代ゴジラのDNAに干渉した結果、機龍は一時オペレーション不能となり、暴走する。だが、機龍が暴走する前に攻撃を加えることなく海へ去る。その後、東京に上陸して品川周辺にて機龍との再戦に突入し、肉弾戦を繰り広げるが、尾を持たれて振り回されるなどして押され気味となり、最後は捨て身の機龍によるアブソリュート・ゼロで氷結させられる[160]。その結果、胸を大きく負傷して戦意を喪失し、太平洋へ去った。
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』
- 出現地点は中央太平洋→グアム島沖→太平洋上→浦賀水道→東京タワー周辺→永田町→日本海溝[162]。
- 2004年、中央太平洋に1年間潜伏していたが、アメリカの原子力潜水艦を太平洋で襲撃した後、機龍の中枢構造に使用されている初代ゴジラの骨を求めて東京・品川埠頭に再上陸し、八王子を目指して進撃する[163]。胸部にはアブソリュート・ゼロによる傷跡が残っていることから、同個体と判明する[出典 46]。この傷が弱点となり、機龍から集中攻撃を受けた[163]。港区から東京タワー近辺にて成虫モスラと戦い、鱗粉に苦められるものの足を引きちぎり、放射熱線でこれを倒す。その後、改良を経て再起動した機龍と国会議事堂周辺にて肉弾戦を繰り広げるが、スパイラル・クロウで体を貫かれてひるんだところを、幼虫モスラの糸で絡め取られて動けなくなり、戦意を喪失して倒れ込み、最終的には自我を持った機龍に抱えられ、ともに日本海溝に沈んでいった。こうして、ゴジラのDNAを使った兵器は今後開発不可能となったはずだったが、そのDNAデータは特生自衛隊特殊生物研究本部の貯蔵室になおも保存されていることが、ラストシーンで明かされた。
制作(機龍二部作)
公式設定ではないものの、監督の手塚昌明や製作の富山省吾はこの個体を「初代ゴジラ(=機龍)の息子」と解釈していた[166]。
脚本の三村渉は、生物的な匂いをゴジラに持たせたいと考え、人間を敵視して暴れるゴジラではなく、種と種の交信で惹かれ合う、という生物の本心のようなもので動いていると想定している[167][注釈 33]。
『×メカゴジラ』でのゴジラは、初代ゴジラの骨を求めて出現しているが[168]、劇中では明言していない[169]。手塚は、あまり詳細を説明せず、なぜ出現したのかを観客に考えてもらいたかったと述べている[169]。『東京SOS』では、ラストシーンでDNAデータが残っていることを明かしており、ゴジラがこちらを探していたことも示唆している[170]。
造形(機龍二部作)
外見上は次のように区別される。
- 機龍ゴジ[出典 47](機龍ゴジラ[174][45]):ゴジラ×メカゴジラ
- 別名:釈ゴジ(主演の釈由美子から)[175]
- 造型はモンスターズが担当[出典 48]。アップ用・アクション用の全身、顔のアップ用の上半身、下半身のみの4種類が作られた[出典 49]。デザイン画は起こされず[注釈 34]、若狭新一がミレニアムゴジラの写真をAdobe Photoshopで部分修整した画像が決定デザインになっている[172][178]。当初、若狭は機龍とゴジラに龍虎をイメージし、ゴジラに哺乳類(トラ)のイメージが強かった2本の牙が突き出た粘土原型を製作したが、手塚の意向で不採用となった[出典 50]。
- スーツの胴体はギラゴジ(ミレゴジ)の型を流用しており[出典 51]、2体製作された[184][185]。体の色はディープグリーンを黒に吹いて表現した濃いグレーで[出典 48]、頭部や背びれは手塚からの要望でミレゴジより小さく[出典 52][注釈 35]、背びれの色も特殊技術の菊地雄一からの依頼でメタリックレッドやパープルが消えて銀色に造形されており[174][187]、全体をシャープな雰囲気の男前にしている[187]。眼球もサイズは同一だが、瞳が小さくなっている[出典 53][注釈 36]。喜多川によれば、1体目のスーツはミレゴジと同様にヘルメットを被ってゴジラの頭部とスーツアクターの頭が連動する構造となっていたが、2体目は首全体をファイバーで固定して肩で支える形となった[68]。2体のうち1体は、クライマックスシーン用に胸を負傷した状態に改修され、足も切断されている[184][188]。スーツ内部には軽いウレタンが用いられ、軽量化されたギラゴジよりさらに軽い40キログラム台となった[172]。喜多川は、『ミレニアム』のころよりも大幅に改善され動きやすくなったが、足の運びはあまり変わらず思うようにはいかなかったと述懐している[189]。
- 喜多川の体型に合わせて作られたスーツは、腕を通す際には助監督たちに強く引っ張ってもらわないと入らなかったという[190]。
- アップショット用の頭部は、眉丘や目、口の開閉などがラジコンで操作される[191][178]。
- 機龍にジャイアントスイングで振り回されるシーンや機龍に抱えられて飛ぶシーンでは、1/2モデルが用いられた[出典 54]。ラストシーンでは、ダメージを受けた上半身のみのスーツが用いられた[出典 55]。また、1/2サイズの尾だけのモデルも製作され、中に釣り竿を入れてしならせている[71]。
- その後、撮影用スーツは『ゴジラ パチスロウォーズ』(2007年)のPV、缶コーヒーFIREのCM(2009年 - 2010年)、KIRINの自販機のPOP、首都圏近郊のJR線の広告掲示、『G博 ゴジラ大阪に現る』(2014年)[195]、福岡市美術館で開催された『ゴジラ展 大怪獣、創造の軌跡』(2016年)のメインビジュアルやCM、館内映像に使用された[173][195]。
- SOSゴジ[出典 56](SOSゴジラ[45]):ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
- 別名:GMMGゴジ[44][注釈 37]
- 造型は引き続きモンスターズが担当[出典 57]。スーツは新規造形で[出典 58]、陸用と海用の2着が制作された[200][注釈 38]。機龍ゴジの型を流用しており[出典 59]、歯の原型が新規に作られ[出典 60]、背びれも尾のつなぎ目や全体のボディバランスが不自然にならないよう修整している[197][178]。胸は傷跡を表現するため、みみず腫れのように盛り上がっている[注釈 39]。
- 撮影では新規造形のアップ用スーツのほか、機龍ゴジを改造したアクション用スーツ[174][203]、眉丘や瞼が動いて顔の表情の動きを表現するスーツアクターは入らないアップ用上半身メカニカル[出典 62]、上半身と下半身のスーツ[201][180]が使用された。海用スーツの背びれも前作のものを流用している[201]。機龍とともに飛び去るカットでは、1/2モデルも使用された[201][210]。
- モスラの糸に巻かれた状態は、袋状にした半透明の繊維をスーツに被せ、モスラの糸と同じ溶かした発泡スチロールを加工している[210][注釈 40]。機龍に空輸されるシーンでは、綿で小型のゴジラを覆っている[209]。
- 水中を泳ぐシーンは、ギニョールも作られたが、実際にはフルCGモデルで描写された[出典 63]。前作や『×メガギラス』とは形状が異なるため、CGは流用ではなく新規に作り直している[212]。
撮影・演出(機龍二部作)
- 『ゴジラ×メカゴジラ』
- ゴジラの動きについて喜多川は、菊地の意向を受けvsシリーズのようなどっしりとした感じを志向していた[189]。しかし、戦闘シーンでは必死になりそれどころではなくなってしまい、悔しさも感じたが、その一生懸命さは撮ってもらえたので良かったと語っている[189]。
- 喜多川は、ゴジラが機龍を仲間と思っているため、初遭遇シーンでは相手の出方を威嚇をせずに待つという姿勢で演じていたという[189][190]。そのため、喜多川は手を完全に降ろして戦う意志がないことを示したかったが、菊地の意見により不採用となった[189]。完成作品を観た喜多川は、シーンが短かったためゴジラが逃げ出したように見えたと述べている[189]。
- 73式戦車を踏みつぶすカットでは、下半身のみのスーツを喜多川が着用し、片足立ちの体勢を助監督の清水俊文の手を借りて支えている[191]。
- 放射熱線の色は前作に引き続き青としているが、合成を手掛けたVFXスーパーバイザーの泉谷修は前作のものが細いと感じ、本作品では『×メガギラス』と同様の雰囲気に戻している[213]。
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』
- 上半身メカニカルは喜多川自らが操作している[209]。モスラの羽ばたきに押されるシーンは、下半身のみの着ぐるみに、強風を実際に当てて、ロープを喜多川が掴んで踏ん張りつつ、アップ撮影で足の芝居を行っている[209]。特殊技術の浅田英一は、ゴジラは重量感が重要であると述べており、初代ゴジラに近いイメージであったと語っている[214]。
- 原子力潜水艦に取り付くゴジラは、小型の造形物で撮影され、台車にカメラを載せて敷いたレールを移動させた[209]。ブリッジ越しに見えるゴジラは、背びれの造形物や着ぐるみを使って撮影された[209]。
- 浮上するシーンでは、水中に沈めた装置で喜多川が入った着ぐるみをリフトアップさせている[209]。
- 戦車、メーサー車部隊と戦うシーンは、1984年版『ゴジラ』での晴海埠頭の部隊が全滅するシーンの再現となっている[209]。
- ナイトシーンでは、霧をスーツ表面に吹いてツヤを出している[209]。
- ゴジラが東京タワーを破壊するのは本作品が初である[214]。
『ゴジラ FINAL WARS』
ゴジラ GODZILLA[215] | |
---|---|
別名 | 怪獣王[出典 64] |
身長 | 100 m[出典 65] |
尻尾の長さ | 100 m[出典 66] |
体重 | 5万5千 t[出典 65] |
出現地 | 南極大陸[218] |
地球環境が破壊されたことによって出現した怪獣で[216]、その中でも幾度となく世界を滅亡の危機に陥れた最強の怪獣=怪獣の王と呼ばれる。武器は放射熱線、ハイパースパイラル熱線(対隕石時)[224][216]、体内放射(対カイザーギドラ拘束解放時)、バーニングGスパーク熱線(対カイザーギドラ最終攻撃時)[224][216]。唯一の弱点は低温[224]。田口左門曰く「かつて人間が巨大な火であらゆるものを焼き尽くしたことに怒り、その時の怒りを決して忘れない」とされており、瞳には熱い怒りの炎を燃やしている。このため、人間からは怪獣王という恐怖の対象にもなっている。
出現地点は南極→シドニー→ニューギニア(オーストラリア)→真鶴→富士山麓→東京[225][215]。
本編から20年前に南極で轟天号と交戦し、あと一歩まで追い詰めるものの、偶発した地震によって地割れに落ち、轟天号のミサイル攻撃で氷の中に封じ込められ、封印される[216][215]。その地点は「エリアG」とされ、厳重に監視されていたが、X星人の操る怪獣たちによって世界が壊滅状態となり、ダグラス・ゴードン大佐をはじめとする新・轟天号のクルーらの手により、怪獣たちを倒すため、そしてX星人を倒すために復活させられる[216][215]。ゴードンには「地球最強の兵器」とも称される。
怪獣との交戦時には、ハイキックを思わせる尻尾攻撃から熱線のコンビネーションやマウントパンチを繰り出すなど、アグレッシブかつスピーディーで、格闘色が強い。劇中ではほぼ向かうところ敵なしの強さを見せ、モンスターX=カイザーギドラと改造ガイガン以外には苦戦すらしない。最終決戦でカイザーギドラを倒したあとも新・轟天号を機能停止に追い込むが、ミニラの説得で怒りを静め、ミニラとともに海へ去った。
- 本作品ではミニラのほか、ローランド・エメリッヒ監督版『GODZILLA』に登場するゴジラに似た怪獣[注釈 41]も登場する。
制作(FINAL WARS)
監督の北村龍平は、本作品の制作にあたりCGをあまり使わずにこれまで培われた特撮技術を用いて見せ方を新しくしたいと考え、地球をリングに格闘で暴れるゴジラをイメージした[226]。スーツアクターの喜多川務、特殊技術の浅田英一、造形の若狭新一らがこれに賛同し、北村が子供のころに観ていた東宝チャンピオンまつり時代をイメージしつつも、スピーディな全く新しいゴジラとして創作されることとなった[出典 67]。アクションでは擬人的な描写が多く取り入れられている[229]。
三村渉による当初の脚本ではゴジラが中盤まで登場せず、東宝上層部から登場が遅いと指摘され、桐山勲による改訂版で冒頭でのゴジラと初代轟天号の戦いが加えられた[226][230]。
ゴジラと尾崎の動きがシンクロする描写も桐山の脚本によるものだが、執筆時点ではゴジラのスーツがどの程度動けるかわからなかったため、1行程度の描写であった[230]。
北村は、陰惨なエンディングにはしたくないと考え、これまでのゴジラでやっていないこととしてゴジラが人類を「許す」ことを描いた[226]。桐山は、ミニラがゴジラを止めることを提案し、田口左門のセリフとしてゴジラと人間の因縁についての説明を入れている[230]。
造形(FINAL WARS)
通称ファイナルゴジラ[出典 68]、ファイナルゴジ[43][44]。
粘土原型は若狭新一が担当[232]。明確なデザイン画は描かれていない[220][注釈 42]。デザインは全体的にシャープで
造形はモンスターズが担当[237][174]。頭部造形は若狭、ボディ造形は山田陽が担当[238]。スーツは、アップ用・アクション用・超アクション用の3種類が制作された[236][239][注釈 43]。北村の怪獣プロレスをやりたいという要望から、喜多川の体型を型取りしたマネキンを芯に[注釈 44]、手足の関節がフィットして激しい動きや格闘が可能なように新造された[出典 69]。超アクション用スーツは、原型から直接型取りするのではなく、手足を分割したセパレート構造となっている[237]。まず、これまでに作られてきたゴジラなどの怪獣では格闘技の動きができないと思い、前作『東京SOS』のゴジラのスーツを喜多川が着て、カメラテストを行って検証した結果、そのような動きができないことが分かったため、これまでとは異なる作り方をすることとなった[238]。
造型にあたっては、喜多川とゴジラの肩の位置が一致するように工夫したり、背びれの大きさはアクションに支障がないものに変更するなど、軽量化とスーツアクターの動きがストレートに反映される構造が追求された[出典 70]。従来は、スーツアクターと外皮の間をウレタンで埋めていたが、このスーツではあえて隙間を作ることで動きやすくしている[出典 71]。84ゴジ以降の着ぐるみは肩部分の可動域が非常に小さかったが、本作品においては北村からの希望(劇中のアクションへの対応)から、脚や脇の可動部分を大きく取ることでより大きな動作を可能とし、肩から動かすことができるほか、大きく腕や脚を上げられる構造となっている[出典 72][注釈 45]。ミレニアムシリーズのスーツでは、肩に頭部と連動するファイバー製の骨格が内蔵されていたが、喜多川は自力で動かすことを要望し、首元の表皮を柔らかいものとした[68][注釈 46]。また、頭部は内部で喜多川のサイズに合わせた軽量のヘルメットを被り、ギミックが内蔵されたコアをその上に取り付け、喜多川の動きに連動して動くようになっている[238][239]。
なお、ガイガンとX星人のデザインを担当した韮沢靖や地球防衛軍関連のデザインを担当した新川洋司らも、ゴジラのイメージデザインを描いていた[243]。
スーツは2021年時点でも現存しており、同年配信の『ゴジラvsヘドラ』で使用されている[244]。
撮影・演出(FINAL WARS)
造形部の八木文彦が口をラジコンで動かしているほか、操演部が尻尾を動かしている[231]。
スリムな体型のため、ローアングルのあおりをオープンで撮影すると、カメラの特性によって上半身が細く貧弱に見えてしまい、1984年公開の『ゴジラ』でも、同様に撮影されたが迫力が少しも出ずに失敗したことから、その点には細心の注意が払われた[245]。
従来のゴジラは平手で叩くことがほとんどであったが、本作品では拳を握って殴っている[246]。喜多川は、スーツがほとんど素手と変わらなかったため、殴ると手が痛かったと証言している[246]。
氷の中にいるゴジラのシーンは、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』でのキングギドラの描写を応用し、セロファンの上に透明シリコンを流した板越をゴジラの前後に置いて映している[247][248]。海中から浮上するシーンでは、プールを用いずにゴジラに向けて水を噴出して表現している[247]。
アンギラスを踏み台にジャンプするシーンでは、動きやすいように尻尾が外された[248]。アンギラスボールを捕まえようと横っ飛びするシーンは、北村の「少林サッカーをやらせたい」という要望から実現したものである[248]。
カイザーギドラを投げるシーンは、当初は一本背負いとする予定であったが、北村の提案により横に長く飛ばす描写となった[249]。喜多川は、このカイザーギドラを投げるシーンと、クモンガを振り回すシーンを最も苦労したシーンに挙げている[246]。
シン・ゴジラ
ゴジラ GODZILLA[250] | |
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別名 | 怪獣王[250] |
(第2形態) | |
身長 | 28 m |
全長 | 122 m |
(第3形態) | |
身長 | 57 m |
全長 | 168.25 m |
(第4形態) | |
身長 | 118.5 m[251][250] |
全長 | 333 m |
体重 | 9万2千 t[250] |
元々は太古の時代より生き残っていた深海棲の海洋生物が60年前に投棄された放射性廃棄物を大量摂取したことにより放射能に耐性が付いただけでなく、それの影響により突然変異と異常成長を繰り返し誕生したと推測される生物[250]。
アメリカのエネルギー省(DOE)では以前からこの生物の存在を把握しており、同国の生物調査機関に属していた牧悟郎元教授が中心となって生態の研究が進められ、彼の故郷である大戸島の伝承にある神の化身「呉爾羅(ごじら)」の名から「GODZILLA」という英語名が与えられていた[250]。日本政府は「巨大不明生物」と呼称し、牧の情報を入手して以降は、日本語訳した「ゴジラ」の通称も用いるようになる。
その身体には人間の約8倍という膨大な量の遺伝子情報が内包され[250]、それには爬虫類のみならず魚類や鳥類などといった他の種類に属する生物の形質も多数併せ持ち[250]、世代交代を経ない単一の個体であらゆる環境に対する適応進化を行う。必要に応じて自己退化能力も有し、自由に進化・退化が可能であること[注釈 47]、細胞分裂による無性生殖も可能であると分析され[注釈 48]、このまま放置すれば「自己増殖による無制限の繁殖」「有翼化しての飛行能力の獲得による世界規模のテリトリー拡大」「小型化への変異」といった危険性についても言及される。
体内には、生体原子炉ともいえる「熱核エネルギー変換生体器官」を持つ。それによって生み出されるエネルギーは莫大であり、超高温の体温を保つ表皮の一部からは高熱によって生じた赤い光が漏出する。活動の際には、未知の放射性元素を撒き散らす。それに加え、細胞には元素変換を行える機能を有しており、それを利用して体内に取り込んだ水と空気の反応だけで自身の生存に必要なエネルギーをすべて生成することが可能で[250]、他の栄養素を摂取する必要が一切ないと推測され、その口は牙が不ぞろいで下顎には舌もなく、生物の捕食には適さない。自然界にはもはや天敵となるものは存在せず、従来の生物的常識を超越した性質は「完全生物」や「霞を食べて生きる仙人」にも例えられ、生物には不可避の「死」という概念すらも克服している可能性も指摘される。熱エネルギーの冷却には血液流による液体冷却と背びれからの放熱を用いているが、後者は補助的なものであり、もし血液の循環に問題が発生した場合は熱の冷却が追いつかず、原子炉スクラムのような状態となってエネルギー生成器官の機能が停止し、そのまま全身が凍結する。矢口蘭堂が率いる日本政府の巨大不明生物災害対策本部(巨災対)はこの特性を利用し、大量の血液凝固剤を直接口から注入することでゴジラを封じ込める「矢口プラン」を提唱し、自衛隊によってこれを実行に移すべく立案された「ヤシオリ作戦」をもってゴジラに臨んだ結果、凍結に成功している。
形態
プロポーションとしては5つの形態が設定されている。
- 第1形態
- 東京湾アクアライントンネルでの事故を起こしたあと、初めて人類の前に姿を現した際の状態。
- 長い尻尾を持ったオタマジャクシのような状態。劇中では背中と尻尾のみが描かれるだけで全身像は明らかになっていない。従来作品におけるゴジラの特徴である背びれはこの形態では形成されておらず、体色も黒ではなく、褐色となっている。背中の中心に沿って突起物が生えており尻尾の先はひれのような形をしている。この形態の時点で体温はかなり高温であり、海中に潜行している最中は常時大量の水蒸気が立ちのぼり、その影響で自らの周りの水を赤く変色させている。東京湾にて浮上すると、羽田空港近辺の多摩川河口から大田区の呑川にかけて下記の第2形態に進化しつつ蛇行しながらの逆走を開始し、陸棲生物へと短期間で進化を始める。
- 第2形態
- 多摩川河口から逆走、大田区呑川呑川橋を経て、大田区蒲田に上陸した際の状態[253][250]。
- 体色は褐色。当初は自重により潰れて死亡するものと思われたが、上陸する過程で陸上でも活動できる姿に進化しながら川を逆走したため、その見解は大きく外れることとなる[253]。
- 水棲生物だった第1形態から陸棲生物へ進化する途中経過のような状態となっており、ラブカやウツボに酷似した顔立ちに、瞼が存在しない大きな眼球や第1形態から引き継いだ長い尻尾や後に腕となる突起状の器官を持ち、全体的にヤモリやトカゲに似た爬虫類と両生類の中間のような容姿をしている[250]。口腔には舌がなく、細い牙が乱雑な並びで生えている。
- 首は細く長めで、両脇にある鰓から体液を滴らせながら進撃する[254][250][注釈 49]。背中には背びれが形成されており、徐々にゴジラとしての容姿が形成されつつある。ヘビのような蛇行に近い移動を行いつつ脚を使い、歩行もし始めてはいるが、未発達であるために直立するまでには至っておらず、蛇行による移動を補助する役割に留まっている。しかし、進化が始まる直前には直立しようと上体を起こす行動も取り、進化への片鱗を見せる。海底トンネルに衝突したりコンクリートで護岸された川を遡上した結果、胸骨が張り出して衝角のように機能する。
- ファンの間での通称は蒲田くん[出典 73]。
- 第3形態
- 品川区の北品川あたりで進行を止め、さらなる進化を遂げた状態[253][250]。
- いわゆる「ゴジラ」としての容姿が見え始めた状態であり、北品川で移動を停止した後に直立して、第2形態よりも体色が赤黒くなり、骨格が変化して脚が発達し、2足歩行でも活動ができるようになるなど、大きく変化を遂げる[253]。しかし、まだ前傾姿勢に近い立ち方であると同時に、まだ脚は全体重を支えきれるほど充分に発達していないため、重心は安定せず足取りはおぼつかない。それまでは単なる突起状の器官だったものが発達し、小さいながらも手や腕が形成され、背びれも大きく変化する。
- 容姿はティラノサウルスなどの肉食恐竜のような姿をしており[250]、体格も以前の倍近い大きさになったのに加え、首の両脇に着いていた鰓は陸棲生物への移行に伴い退化して小さくなって閉じ込んだ形になったため、体液を撒き散らすことはなくなった。頭部の重量を支えるため、首も太くなると同時に呼吸も鰓呼吸から肺呼吸へと移行する。第2形態から顔付きは若干変わり、牙も太く大きくなり、鰓があった部分や背びれなどから熱エネルギーによって赤く発光し始め、第4形態に近い姿となるが、短期間での急速な進化を遂げて過多な熱を発生させたことに加え、体内温度の冷却機能がまだ上手く働かず、余熱の冷却処理が追い付かなくなったため地上での活動が短期間しかできず、身体の冷却とさらなる進化のため、一旦は2足歩行から蛇行へと退化を行ってから京浜運河から東京湾へと引き返し姿を消した[253]。
- 第4形態
- 第3形態の状態で海中にて身体を冷却しつつ、さらなる進化を遂げ、神奈川県鎌倉市の相模湾から出現、稲村ヶ崎の海岸に再上陸した状態。そのまま、横浜市や川崎市などの神奈川県を縦断し、ふたたび東京都内に侵入する[注釈 50]。
- 第1形態から第3形態にかけては2時間と短期間での進化を遂げていたのに対し、第3形態から第4形態にかけては約4日かけて進化を行っている[250]。体格と身長は以前の倍近い大きさとなり、体格が大きくなった分、増大した自重を支えられるように足は大きく太く発達し、巨大な下半身は重さに耐え切れず皮膚が垂れ下がった形となり、まだ前傾姿勢だった第3形態から、足が直立に適した骨格に変化したことで完全な直立姿勢ができるようになっている。また、尻尾も体高を上回るほど太く長大かつ強靭なものに成長し、その先端の形も何らかの生物の背骨や歯などが埋め込まれたような不気味な形へと変化している[258]。さらにこの長大な尻尾が巨大な体格を支える役割を果たすようになったため、歩行にも覚束なさがなくなっている。体色も黒さが増し、全体的に「ゴジラ」としての容姿へと変化した。足の指は4本[251]。身長や体格が進化前の倍近くにまで成長したのに対し、眼球は成長せずに縮小し、顔の輪郭の肥大化に伴って相対的に小さくなっている。まぶたが存在しない代わりに銀色の瞬膜のような器官で眼球を保護できるようになっており、誘導爆弾の接触時や放射線流(後述)の発射時に使用する[258]。顔付きも第3形態より大きく変わり、顔が肥大化したことに伴い、首も太く発達してやや短くなり、かつて鰓があった部分はさらに縮小した形となる。牙もさらに増えたことでより乱雑な生え方に変わり、第3形態で生じた腕は以前より発達しているものの、大柄な体格と比較してあまり成長しておらず、常に固定されたように手のひらが上向きになっている。身体の赤い発光も背びれだけでなく、黒い外皮と心臓部の生体原子炉のエネルギーで、各部が真っ赤に発光する内皮を持つようになる。休眠状態になると、この赤い発光は消える。皮膚は高い柔軟性と耐久力を持ち、自衛隊の機関砲、ロケット弾、対戦車ミサイル、120mm滑腔砲、誘導爆弾などの直撃を耐えたが[250]、背びれの辺りに米軍のB-2が投下した大型貫通爆弾「地中貫通型爆弾MOP II」の直撃では負傷している。
- 負傷した際の対抗手段として「放射線流」と呼ばれる、体内のエネルギー転用による口からの熱線放射能力を発現させる。発射の際は、背びれの部分を中心に赤く光る箇所が紫色に変化し、口を大きく裂けるように開いて下顎をヘビのように真っ二つに展開させ、初期段階では黒煙を吐き出し、眼球が瞬膜に覆われると同時に火炎放射に変化する。この状態でも、東京の街を広範囲に渡って火の海に変えるほどの威力を有し、これの集束率が高くなると紫色の細い熱線状に変化し、ガスバーナーの要領で標的を焼き切る。この熱線の射程は非常に長く、たとえ自身からの距離が遠く離れている標的でも、易々と届かせることが可能で、以降は背鰭の赤く光っている箇所からもレーザー状の熱線を複数放射することが可能になる[250]。熱線は非常に強力である分、一度発射するとコントロールが効かずエネルギーが底を突くまで発射し続けるため、その後は約360時間の休眠状態に移行して完全に停止する。この際、エネルギー量が少なくなると、レーザービームの状態を維持できなくなり、火炎放射状態に戻る。先の米軍のB-2の攻撃以降は空からの攻撃に備え、たとえ休眠時であっても接近してくる飛行物体を身体からの熱線で自動迎撃できるようになる。米国の統合調査団は、フェーズドアレイレーダーに似た生体レーダー器官を持つと推測された。後に背びれからの無数の発射によって生じるエネルギーの過多な消耗を最小限に抑えるために、尻尾の先端部からも熱線を放つ能力を得て、自身の背後や高空などの口からの発射だけでは対処しにくい位置にいる敵への攻撃の命中精度の向上を実現させた。
- ヤシオリ作戦の際は差し向けられた米軍の無人爆撃機を迎撃し続けた結果、エネルギー量が低下して火炎放射状態に戻り、最終的には一時的に熱線の連続使用が不可能となるが、不完全ではあるものの短時間で再び熱線の発射が出来るようになっており、エネルギー回復の速度は初回の使用時よりも向上している模様。
- 川崎市の武蔵小杉駅周辺から多摩川の丸子橋付近にかけての自衛隊による総攻撃も受け付けず東京都に至り、米軍の爆撃に対応して発射した放射線流により港区、中央区、千代田区を火の海へと変え高濃度の放射性物質で汚染したのち、東京駅にて休眠状態となる。多国籍軍による熱核攻撃を行う決議が出されるが、最終的にヤシオリ作戦によって無人機の攻撃に反応してエネルギーを使い果たしたところに血液凝固剤を飲まされて直立姿勢のまま凍結させられ[250]、本体と同形状の背びれを生やした無数の人型の分裂体を尻尾の先端から生成しかけた状態でその活動を停止する。その後、ゴジラが撒き散らした放射性元素の半減期は約20日と非常に短く、2、3年ほどでほぼ無害化することが判明する。
- 第5形態[259][257]
- 第4形態の尻尾の先端より分裂、群体化した形態。
- 劇中のラストに登場。背中にはこれまでの形態より引き継がれた同形の背びれと尻尾が生えているが、体格が第4形態と比べ大幅に小型化しているのに加え、人に近い姿をしている。頭部は眼球に相当する部分が存在せず、鋭い牙を有している。巨災対はゴジラが進化の過程で小型化したり盛んな細胞分裂によって新たな個体が形成され、群体化すると予測し、実際に複数の個体が発生を始めるが、第4形態の時点で完全に分離するまでに凍結させられたため、そのまま活動することなく静止したままとなる。
デザイン(シン・ゴジラ)
イメージデザインは前田真宏が担当。庵野が持っていた「原点回帰」というコンセプトと、庵野が描いた初代ゴジラの首が高く伸びて全体が屹立したスケッチなどを手掛かりにしたという[260]。
前田は、ゴジラのキャラクターを最も際立たせているのは放射能を取り込んだ怪獣ということであり、放射能によって急激に遺伝子が壊れ、自分でも予想が付かない姿となり、原水爆にまつわるさまざまなイメージが混じった初代ゴジラは、終戦間もない時代でしか出せないものであると思っていたという。その時代から遠いところへ来て、公害をモチーフにしたヘドラなど、社会性を持ったさまざまな敵と闘ってきたが、その多くはエンタテインメントのようなアプローチでリアリティはなかった。だが、3.11によって、初代の時代に引き戻されたところがあり、それを体現したゴジラにすることとなった[260]。
初代ゴジラは爬虫類が変化したもの、という説明があるが、本作品では急激な進化の行きつく先にあるものは何なのかという考え方から恐竜型には寄せておらず、海から上がってきたゴジラが急激に突然変異が起こって、みるみる変化していき、最終的に初代ゴジラのイメージに近くなったフォルムと解釈したという[260]。
第1形態は、前田が考案した巨大なオタマジャクシのようなものとなった[260]。
第2形態のラブカのような頭部は、陸に上がった両生類の感じであるという[260]。
第4形態は、手は細くて筋張った小さなものにしており、せり出した胸骨は鳥類に近いが、鳥とは異なり、筋肉は付いておらず、首の屹立を強調するために、首と胸骨の間に段差を付けている[260]。尻尾はちゃんとした顔ではないがそこだけ毛や歯が生えていたり、あるべきものではない組織ができかかっているものとして、顔のようで顔ではないものが尻尾に付いていることとなった[260]。
キャラクターデザインではモノクロで描かれていたが、自己再生と崩壊を繰り返しながら進化していくゴジラは、絶えず傷だらけになりながら増殖して大きくなっていくことから、マグマや傷の血を彷彿とさせる赤い体色となった[260]。ただし、痛々しい感じの傷口のようにするために、奥まった溝の部分は赤く、出っ張ったところは黒くしている[260]。
当初は海から上がってくることから陸上ではうまく歩けず、尻尾で支えて歩くイメージであることから、庵野の案で尻尾は大きくしており、足も地面に全体が付くのではなく、かかとが上がっている感じにしている[260]。
造形・表現(シン・ゴジラ)
首から胸部にかけては筋が入っている感じにしているが、筋肉ではなく気持ち悪さが出た感じにしている[260]。表皮や筋肉は、重力が下に及んで垂れ下がっていることから、下半身は皺が出来てどっしりとしている[260]。
総監督の庵野秀明からは「完全生物」という指示を受け、地球上の生態系の頂点として造形された[261][260]。イメージデザインの前田真宏のコンセプトスケッチをもとに初代ゴジラをリスペクトした造形を主軸に、「(生態系の頂点のため)警戒する必要がない」として瞼や耳介[261]がない、「何かを捕食して生きるわけでもない」ために歯が噛み合わない乱杭歯となっている[260]、などの差異が見られる。また、庵野との打ち合わせの際に「人が入れないようなシルエット」という指示も出されている[261]。小さい目は「生き物の中で一番恐い」人間の眼を参考にしたほか、皮膚の質感はゴーヤ、頭部はキノコ雲をイメージして造形されている[261]。さらに、「自己分裂を繰り返す」「すべての生物の要素が入った完全生物」といったコンセプトから、尻尾の先端には形成不全なできかかった感じの人の歯や肋骨といったパーツが生えており、原型の尻尾も粘土に魚や蛇の骨を埋め込んでいる[260]。竹谷によれば、庵野は頭部に脳がないがらんどうなものを要望し、また尻尾に脳があるかもしれないとも述べていたという[262]。
歴代作品で初めて着ぐるみをいっさい使わず、CGで造形したモデルをモーションキャプチャで動作させている[263]。CG製作は白組が担当[263]。デザインの検討用に模型が作られており、2016年に開催された「ニコニコ超会議」では、形状検討用として作られた「1号雛形」が公開された[261][264]。1号雛形はイベント用に仮着色しかなされていないが、これと同じ形状のものに着彩を施した着彩検討用の「2号雛形」が存在しており[257]、それらを元にして映像製作が進められた[261]。この2号雛形は、ワンフェス2017[冬]で一般公開されている[257]。尻尾は操演でも動かせないというほどの長さで、腕も着ぐるみにするには大人が腕を通せないほど細く、足もかかとが浮いており、爪の先端も体重を支える角度をなしていないという、着ぐるみを使わずCGによる造形と操演を前提としたデザインである[258][262]。一方、着ぐるみが持っていたゴムの質感やたるみなども意図的に表現している[出典 75]。これについて竹谷は、ハリウッドでは生物的なリアリティの追求に向いてしまうが、日本人には初代ゴジラの着ぐるみのイメージがあるため、それを排してしまうと違うものになってしまうと述べている[262]。
モーションアクターが野村であることは劇場公開まで伏せられており、公開と同時に「329人目のキャスト」として報じられた。野村は演じるにあたって「人間くささ」を排除し、神や幽霊など「無機質」な動きを心がけ[252]、モーションキャプチャを収録する際にはゴジラの面を着けて顎を動かす面の使い方を意識したという[252]。従来のゴジラと異なり手のひらが上を向いているのは、「(中国や日本など)東洋の龍は玉を上向きに掴んでいる」という野村からの指摘を参考にしたためである[265]。
第2形態は、モチーフのラブカの気持ち悪さを落とし込むことが意図され、また庵野の要望によりエラは刃物で斬られたような繋がっていない切れた形状となった[262][260]。当初、竹谷は目のないデザインを提案したが却下され、その後も雛型やCG製作で目の試行錯誤が続いたという[262]。庵野の案で小さな眼点を大きな目の周辺に足している[260]。第2形態は幼体であることから半透明の感じの体色にしてほしいと言われたため、半透明の樹脂で型を抜いて質感を出している[260]。胸郭は樋口真嗣の案で尖らせ、アスファルトなどを割りながら進んでいくこととなった[260]。
第3形態は、雛型では第2形態と同様の細い足であったが、CGでは太めに修正されている[266]。竹谷は、雛型の時点では初めて立ち上がるので不安定感を出すことを樋口から要望されていたと述べている[262]。
第5形態は、他の形態と同様にスキャニングデータが製作されたが、映像には竹谷の製作した雛型そのものが使用された[258]。当初は背びれに人型が密集しているという案も存在した[262]。
スタッフやキャストと立ち並ぶイベントには本作品のゴジラは登壇できず、「vsシリーズ」や「ミレニアムシリーズ」用のスーツアクターが入れる着ぐるみが代用されている。また、本作品のゴジラを登場させる際も頭部のみなどで、全体像としては登場しない。
GODZILLA(アニメーション3部作)
作中世界の1999年から地球上に現れ始めた怪獣のなかでも別格の存在に位置付けられる、植物を起源とした超進化生命体[267]。
命名は戦略生物学教授のキョウヘイ・ヤマネ博士らによるもので、小笠原諸島の大戸島に伝わる龍神「呉爾羅」に由来する[268]。
骨格は存在せず、金属成分を多く含有した超進化植物の繊維で構成される[269]。植物は遺伝子の水平伝播によってさまざまな生物の特性遺伝子を取り込んでいるとされ、クマムシのようにあらゆる悪条件に耐えられる[270]。その防御性能は、体細胞を強力な電磁石として機能させ、背びれの「生体内増幅器官」から桁外れの高周波電磁パルスを放射することで、表皮直下にありとあらゆる物理干渉を遮断する「電磁メタマテリアル」の「非対称性透過シールド」を展開する能力によるものである。また、表皮は多層泡状構造を形成することで熱核攻撃やマグマ溜りにも耐える超高熱耐性を有しており、組織の一部がプラズマ焼却されても猛烈な細胞再生能力[注釈 51]によって回復してしまう[270]。
シールド、泡状表皮、再生力の組み合わせにより無敵に近い存在ではあるが、狭い範囲に大量の攻撃エネルギーを集中させると、1/10,000 - 1/3,500秒ほど、シールド無効時間となる周期的な「ノイズ」が発生するという弱点がある[注釈 52]。このノイズを干渉波攻撃で拡大することによりメタマテリアルのシールドに隙間を生じさせることが可能となっており、その間に同調攻撃で増幅機関を破壊し、組織が修復されるまでの数十秒で電磁パルスプローブスピア(略称:EMPプローブ)を体内深部に打ち込むことで理論上は打倒でき[270]、体内電流がオーバーロードした状態では自らのエネルギー量に比例してショートするので、熱線を放射するほどの高電圧を帯びることで自爆が誘発される。
攻撃手段として、口から放つ高加速荷電粒子ビーム「熱線」があり、頑強なほかの怪獣の甲羅をも貫くどころか山さえも吹き飛ばす[268]。胴体は荷電粒子砲の加速機器に相当する機能を持つ[271]。さらに威力を高めると螺旋を描く真紅の柱のような攻撃に変化し、月と同等の質量を持つ小惑星を地球から狙撃して粉砕するうえ、その余波で異星人の技術による強化シールドさえ破る強烈な電磁波が発生し、300キロメートル以上離れた地点の電子機器すら破壊する[272]。なお、増幅機関である背びれが破壊されただけなら熱線発射能力は損なわれない。
体表はあらゆる電波を吸収する性質を持ち、熱線発射時を除けば赤外線も放射線もほとんど感知できない。その完璧な隠密性から発見は困難となっており、ほとんどの精密誘導兵器も機能しないため、攻撃の際にはある程度の距離まで接近しなければならないが、接近すれば熱線に伴う電磁波障害で軍用電子機器でも故障してしまう[268]。電磁推進器官の存在が示唆されるほどに優れた遊泳速度は2040年代の最新鋭潜水艦を上回るとされ、優れたステルス性も加わり異星人の技術をもってしても海中での追跡は困難であった[273]。
高度な知性を持つことが推察できる行動を取ることが確認されており、2042年のゴラスや2046年のメカゴジラなど、自身の脅威になると判断した存在を積極的に排除しようとする[272]。人類を探し出して攻撃を行うことから「決して人類を見逃さない」と評されるうえ、自分以外の怪獣に対しても強い敵愾心を見せるという習性を持つ[273]。前述の通り普段は放射線はほとんど観測できないが、通過した経路には高濃度の放射線が(場所によっては人間の致死量を上回るほどに)残留するうえ、破壊跡にはその放射能汚染に引き寄せられるかのように数多くの怪獣が出現する[274]。
その脅威から、真の霊長、怪獣たちの王(King of Monsters)、ヤツ、破壊神、究極生物、G、恐怖の象徴、神の獣などとも呼ばれた[275]。メトフィエスによると「驕れる者への制裁の鉄槌」「自らを万物の霊長と僭称した種族への摂理からの復讐者」であるといい、同様の存在によって破滅に追いやられた異星文明も多いとされる。
登場個体
ゴジラ・アース (2030年) | |
---|---|
体高 | 50 m[269] |
体重 | 1万 t[269] |
(紀元後2万年) | |
体高 | 300 m以上[269] |
体重 | 10万 t以上[269] |
- ゴジラ・アース[276]
- 作品世界内に初めて現れたゴジラ。
- 20年未満の活動期間のうちに人類から地球の霊長の座を奪い、直接的な被害だけでも6億人を超える死傷者を生み、人類の生存圏から北アメリカ大陸とユーラシア大陸を喪失させ、地球外への移民計画を実行させるほどに人類を追い詰めた[277]。
- 元は太平洋に生息しており、2030年5月29日、大戸島に打ち上げられたカメーバIVの死骸からその存在が発覚し、ヤマネ博士らが調査に派遣された。この時は発見に至らなかったがそのまま海中を東へ移動し、同年、アメリカ西エリアにて初めて姿が確認され[注釈 53]、初出現時にはロサンゼルスとサンフランシスコを壊滅させて海に消え、その間だけで推定870万人を死傷させる。翌2031年にワシントン沖で米国海軍を奇襲してシアトルを蹂躙し、12月24日にはコロラドスプリングズにて米軍との総力戦に圧勝し、インディアナポリスでは40メガトン相当の熱核攻撃に耐え、メキシコ湾から海へ戻っていった[注釈 54]。1年後の2034年には西ヨーロッパへ上陸し、パリ防衛戦と称されるEUの総攻撃も時間稼ぎにしかならず[268]、そのまま進行を続けてドイツを焼き尽くす[274]。アルプスを越えてイタリアへ向かうかと思われていたが、2037年のザルツブルグ陽動作戦後には自らの意思で突如パリへ引き返し[注釈 55][272]、海に消えるまでに推定600万人が死傷する[注釈 56][277]。
- 5年間の休眠を経て2042年に復活した際には北極の氷を融解させながら、地球に接近していた妖星ゴラスを熱線で狙撃して完全に粉砕し、海を南下して大西洋で欧州復興計画「オペレーション・ルネッサンス」中の輸送船団ごと連合艦隊の主力を壊滅させると北米に上陸する。地球連合首都兼武装都市となったニューヨークを一夜で滅ぼし[272]、生存圏を求めて地球に飛来した異星種族ビルサルドとエクシフの母船の核融合炉を暴走させたことによるクリーブランドを消滅させる「オペレーション・プロメテウス」にも耐え、さらに「プロジェクト・メカゴジラ」のための時間稼ぎとして行われた「オペレーション・ロングマーチ」にてユーラシア大陸の奥地へ誘導されるまでに北アフリカと中央アジアで甚大な被害をもたらしている[273]。これら計8回の出現を経た2044年には、世界各地にて推定3億人以上の犠牲者を生む[277]。2045年、人類がエクシフおよびビルサルドと共同で発足させた地球連合による「オペレーション・グレートウォール」の際、一度は2,000発の熱核兵器でヒマラヤ山脈付近に形成された大断層帯に閉じ込められるが、熱量を溜め込んで山脈内部に膨大なマグマ溜りを形成するとその中を泳いで移動を開始し、1年後の2046年1月に熱線で大断層帯を破壊して復活する[277]。史上初の「怪獣由来の火山活動」により、後にG火口と呼ばれる地点で大噴火を引き起こし、周辺に展開していた地球連合の部隊を火砕流で壊滅させ[278]、そのままインド防衛線を突破してベンガル湾に消える。同年3月の遠州灘での地球連合海軍総戦力による富士山麓防衛戦では、艦隊も航空機も無視してメカゴジラの開発工場を狙撃し、妨害する艦隊の大半を壊滅させると浜松に上陸して富士へ向かい、対G最終決戦となった「富士裾野決戦」で地上部隊も殲滅する[279]。翌日には東京湾を北上して芝浦埠頭から東京に上陸し、わずか3時間足らずで首都圏を蹂躙して日本列島を壊滅させ、消息不明となる[280]。この時だけでユーラシア大陸にて2億人、日本にて1億人近い犠牲を生み出し[277]、7億人まで減少した人類を地球から脱出せざるを得ない状況まで追い込んだ。
- 2年後、2048年にはアラトラム号の出航目前である3月にリオデジャネイロを襲撃し、11日にその郊外のJSS3宇宙港を壊滅させ、13日に防衛軍の最終防衛線を突破したことで本部施設を核自爆させることになる。それから3か月間、未だ市民の残るサンパウロやサルヴァドールなどを攻撃して2億人以上を死傷させ[注釈 57]、さらに南米を横断してエクアドルやペルーを焼き尽くし、7月31日には地球連合新本部ブエナベントゥラへ進行するも、モスラによって撃退される。8月15日に再出現し、地球連合最後の作戦「オペレーション・クレードル」の陽動部隊と対峙する[281]。
- アラトラム号が帰還した紀元後2万年の地球では、G細胞由来の生物で構成された新しい生態系の頂点に君臨している[269]。生態系は全て本個体に奉仕するような構造に出来上がっており、地上のあらゆる生命は擬態を通り越して同質化を行い眷属となり、それ以外(フツアなど)は地下に逃れてひっそりと暮らしている。約2万年の間に成長し続けて巨大化したことに伴い、超大音量の咆哮による共振現象で対象を粉砕する「超振動波攻撃」[276]や、背びれから集中させた超高出力のプラズマをマッハ3 - 4の超音速で尾を振り回しながらスパークさせることで発生する長さ600メートルの「プラズマカッター」[282]、遮蔽困難な重力波による分子振動[283]で、熱源となる体内のコアを中心に[284]5000度を超える高熱を放ち周囲を溶解させる力[285]など、新たな能力も獲得している。
- 分身ともいうべきG細胞生物が幾度もトラップで殺されていることからメカゴジラシティの存在を薄々感じ取り、熱光学迷彩で隠された街を探すために休眠を挟みながら関東・中部地方を回遊していた。劇中ではゴジラ・フィリウスの死亡直後に元丹沢大関門付近から突如出現し、ハルオ・サカキたち先遣隊に攻撃を仕掛け、超振動波攻撃とプラズマカッターによって部隊を壊滅状態に追い込む(『怪獣惑星』)。メカゴジラシティが機能し始めたのを察知し、富士山麓方向へ移動を開始する。ヴァルチャーによりメカゴジラシティ内部へ誘導され、対ゴジラ戦術に則った電磁砲の一斉射とEMPハープーンの撃ち込みにより体内電磁波が暴走状態となったが、自爆することなく重力波による分子振動能力で身を守りながらメカゴジラシティを融解させる。ビルサルドによるナノメタルとの同化作戦を地球人が拒み、ハルオによってコントロールユニットが破壊された直後に背びれの再生を終え、メカゴジラシティへ熱線を放ち完全に破壊する(『決戦機動増殖都市』)。その後は活動を停止していたが、ギドラの降臨を察知して迎撃を試みるも、物理法則の系が異なる存在相手に一方的に攻撃され、異なる物理法則に侵食されて存在が曖昧になっていく。しかし、ハルオが観測者であるメトフィエスの両目を潰し、ギドラがこちらの物理法則に捕らわれたことで反撃を開始し、2本の首を物理攻撃で破壊、残る1本の首と出現元となっていた3つのブラックホールを熱線で撃ち抜き、高次元空間へ撃退した。最後はヴァルチャーで特攻を仕掛けたハルオを熱線で撃ち抜いたことで、人類とゴジラの戦いに幕を引いた(『星を喰う者』)。
ゴジラ・フィリウス | |
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体高 | 50 m[269] |
体重 | 1万 t[269] |
- ゴジラ・フィリウス
- 地球帰還後、アラトラム号が初めて確認するゴジラ。ゴジラ・アースから細胞分裂して生じた個体なので、フツアからはゴジラの「しもべ」と呼ばれている。2030年時点でのアースとほとんど同じ体格・能力を持つ。
- 無人偵察機の観測結果から旧山梨県・神奈川県を中心とした関東地方が回遊圏内だと推定され[286]、元丹沢 - 元渋谷エリアにて、ハルオ・サカキら先遣隊と交戦する[269]。初遭遇時は撤退行動中の地球降下部隊A中隊を元伊勢原市 - 元秦野市付近で攻撃する[286]。「対ゴジラ戦術」を実行するためにホバーバイク部隊に陽動され、揚陸艇からの爆撃で形成された即席の誘導路を通過して丹沢大関門の奥へ進行させられる。2,000発の敷設トラップによる崖崩れで生き埋めにされたことで動きを封じられ、非対称性透過シールドのノイズが生じた一瞬に受けた砲撃により増幅装置を損傷したうえ、ハルオの決死の行動でできた隙に砲兵隊からの集中砲撃で再生する時間もなく背びれを大きく砕かれてシールドを失い、多数のEMPプローブを体内に打ち込まれたことで体内電磁波が暴走状態に陥り、最期は体内から大爆発を起こして死亡した。
造形・表現(アニメーション3部作)
監督の瀬下寛之は「進化の最終存在」として、地球上の生命体で一番大きく一番寿命が長い「樹木」をコンセプトとして挙げ[287]、特異な環境の中心にいる巨大な「世界樹」のような存在としている[282]。
超進化した植物が他類の強者の特徴を合成した「想像上の生き物」をモチーフとし、伝説や神話の生物が具現化したかのような、御神木や巨大な古木のような威厳があるようなデザインとなっている。全体像は「ゴジラらしい」象徴性を維持しつつ、独自のシルエット、かつ金剛力士像のような想像上の筋肉を足すことにより、威風堂々とした雰囲気にしている。頭部はゴジラとしての印象から離れすぎない程度に神獣としての「獅子」をイメージして猿、犬、竜などをモチーフに模索し、「肉食感」を強めないように小さめに、口・顎も大きくはなく、眼に哲学者のような高い知性を感じさせる。表皮は枯れ木のようなシルエットだが、色は金属のような鈍く光る紺碧、表面には苔が生えている。脊椎に沿って3列に並ぶ背びれは、肉厚なヒイラギの葉のような形状、背中の中央部が一番大きく、表面は葉脈のようで、高出力の電磁波を発生させる際にはこの脈に沿って光が移動し、ヒレ全体を発光させる。腕は屈めば自分の足先に届くくらいに長く、手は人間並みに器用な動きができる印象、爪は植物の棘が進化した感じである。脚は太くて力強く、いざとなったら前傾姿勢でダッシュできるような可能性を残したシルエットである。長大な尾は3本目の足として体を支えるが、下側の接地面積が少ない形状をしており、繊維質なので触手のように伸縮し、鋭利な先端で攻撃もできる[282]。
『シン』同様スーツは制作されておらず、イベントへの登壇の際にはvsシリーズのスーツが用いられている。詳細はGODZILLA (アニメ映画)#プロモーションを参照。
GODZILLA(1998年)
ゴジラ GODZILLA[288] | |
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身長 | |
全長 | 90 m(小説版)[288] |
体重 | |
走力 | 480 km/h[出典 77] |
出身地 | |
ベビーゴジラ[292][289] BABY GODZILLA[292][289] | |
身長 | 3 m[289][注釈 60] |
体重 | 不明[292][289] |
移動速度 | 約60 - 80 km/h[292] |
出身地 | ニューヨーク・マジソンスクェアガーデン[292][289] |
ポリネシアに生息するイグアナと窺える生物[注釈 61]がフランスの核実験による放射能が蓄積し、突然変異して生まれた新種の生物[288][注釈 62]。外見は明確に背びれこそ存在するものの、他の作品のゴジラと大きく異なっており、ティラノサウルスなどの獣脚類に酷似している[注釈 63]。魚食性で[292]、多数の魚類を喰らう[注釈 64]ほか、幼体であるベビーゴジラにも、それを餌として集めて与える。知能が相当高いようで、人間が仕掛けた罠を見破ったり、戦闘ヘリを待ち伏せて撃破したり、原潜を翻弄して同士討ちに追い込んだ。出現地点は南太平洋・ポリネシア近海→パナマ サン・ミゲル湾の小島→ジャマイカ・グレート・ペドロ・ブラフ→アメリカ東海岸沖→ニューヨーク・マンハッタン[289]。
戦闘の際には巨体を振るうことによる破壊以外はかぎ爪を用いる程度で[292]、放射熱線を吐く能力は持っていないが、出火している場所に息吹を吐きかけることで火力を増大させ、対象に命中させるといった攻撃も用いる[注釈 65]。また、強靱な脚で飛び上がって相手に強烈な蹴りを浴びせる“ハイジャンプ・キック”を使いこなす[注釈 66]。
変温動物であるため、極端に体温が低い。劇中ではゴジラの体温よりもビルの温度の方が高かったため、赤外線探知ミサイルで狙ったにもかかわらずミサイルが逸れてしまう描写が存在する。
敏速で、480 km/hというスピードで走れる。そのため150 km/h(原語では時速80ノット)の戦闘ヘリから逃れることができる。ハドソン川での戦いで魚雷の直撃を受けたダメージにより衰弱し、終盤ではタクシーに翻弄されるという演出もなされている[注釈 67]。水中での移動速度は魚雷と同等で、米原潜の3倍。
無性生殖によって一度に200個のベビーゴジラの卵を産卵するため、倒し損ねれば数年で人類を滅ぼす恐れがあると分析される。しかし肉体はやや脆弱であり、砲弾で出血するうえ、魚雷で深手を負い(小説版)、ブルックリン橋のワイヤーに絡め取られて動けなくなったところで、ミサイル攻撃を受け絶命する。孵化したベビーゴジラもミサイルによって全滅するが、エンディングでは残っていた卵1個からベビーゴジラが誕生する[289](ベビーゴジラのその後については「ゴジラ ザ・シリーズ#ゴジラ」を参照)。
- 日本版と本作品のゴジラは共に製作時点における恐竜の復元図を元にしているが、恐竜研究の進歩に伴い復元図も大きく変化しており、両者のデザインが大きく異なった要因の一つとなっている。
- 本作品のゴジラは怪獣ではなく動物であるといい、怪獣であると人間にとって悪役になってしまい、ニューヨークには子供を産む巣作りのためにやってきただけであり、自分からは攻撃せず、ある意味では悪役だが、むしろ核によって生まれた悲劇的なキャラクターであるとしている[293]。また、タトプロスがゴジラに対して最初は驚愕し、次第に共感していくものの、人間が共存するためにゴジラを殺さなければならない、と葛藤する「感情の旅」を観客に感じてほしかったため、本作品ではゴジラのみならず、キングコング、フランケンシュタインという3大モンスター映画に共通する精神を大切にしたという[293]。
- 鳴き声は日本版をモチーフとして、新たに録音・制作されたものが使用された。ベビーゴジラの鳴き声はフランク・ウェルカーが担当した[294]。
- 日本版でも戦車など通常兵器で傷を負う、細胞が回収されるといった描写はあったが、この「通常兵器で絶命する」という設定は日米ゴジラにおける大きな相違点となっている。これについて、日本版プロデューサーの富山省吾は「アメリカにおける怪獣とは『乗り越えるべき存在』、日本においては『畏怖すべき存在』であるという価値観の違いが現れた」と述べている。ちなみに、最初の戦いでは魚を漁っている最中に米軍の奇襲による戦車の砲弾を受け怪我をしているため銃弾で怪我をしているのは間違いである。成体は銃撃を受けた際火花が散っているのが散見でき、幼体にフランス特殊部隊が銃撃しているがまったくの無傷であった。
- 劇中でのゴジラの命名は、冒頭でゴジラに襲われた日本漁船の生き残りの口から発せられた「ゴジラ」という言葉が由来となっている。劇中設定ではゴジラは日本の古い神話に伝わる巨大な海の怪物であり、小説版ではそれに関する舟歌が記述されている。
- 小説版では「ワニに似た怪獣」と明記されている[要ページ番号]。小説版の説明によれば複数の遺伝子が入り混じった雑種の突然変異体であり、その中でもワニが色濃く反映されているとする(産卵に関してもタトプロスはワニに例えている)。これ以外にもコモドオオトカゲ、さらには鳥類の特徴も備えていると語られている。また、小説版ではカメレオンのように体色を変化させることができるとも説明され、映画でもビル群の中ではダークグレイ気味の体色となっている[注釈 68]。
造形・表現(GODZILLA)
通称はトラゴジ[45]。
制作はタトプロス・デザインズで行われ、アニマトロニクスのほかに、24分の1サイズの成体の着ぐるみが3体作られた[295]。
着ぐるみは硬いフォームラバーとゴム紐の上に薄いフォームラテックスの皮膚をかぶせ、筋肉が皮膚の下で動く感じを出している[295]。逆関節の脚には人が入って歩けるように継ぎ足しを付けている[295]。ゴジラの首の中に俳優の頭があり、日本の着ぐるみと同様に、視界を得るための小さな穴が開けられた[295]。頭部はファイバーグラス製で、電動サーボモータが8つ入っており、目、目蓋、半透明の瞬膜、小鼻、舌の動きを外からコントロールすることが可能となっている[295]。ただし、眉を動かしたり、口をゆがめるなどの人間的な表情は極力排除されている[295]。
アニマトロニクスは油圧式で動き、6分の1サイズで高さ6メートルの上半身のみが作られた[295]。油圧で首、手首、肘、肩などの動きを完全に制御し、コンピューターにその動きを記憶・再現させることも可能[295]。ロサンゼルスにあるヒューズ社の飛行機格納庫に上半身が運び込まれ、撮影時には『トゥルーライズ』でハリアー機を乗せるのに用いられた油圧式の台座に据え付けられた[295]。
このほかに、巨大な口の内部、巨大な4本の鉤爪、足指の間の部分は、俳優の演技と絡むショットの際に用いられる実物大のものが作られた[295]。
タトプロスは反応の仕方や仕草はワニにインスピレーションを与えられたといい、原典のように物を手で掴んだり投げたりするのは、あまりにも人間的であると思ったため、手の代わりに口や首を使った動きを強調するようなデザインとなった[295]。尻尾も原典では根元から先までほとんど同じ太さであったが、本作品では先の方を極端に細くスリムにして、鞭のように使っても納得がいくようにしている[295]。脚も原典のように2つではなく、3つの関節がある恐竜の脚のようになったのは、ジャンプしたり、ビルに登ったりしそうに見えるからであるという[295]。背ビレも実在の動物では大抵後ろ向きだが、攻撃的に見えるように前向きにしており、形も尖ったものにしている[295]。
ミニチュアの橋や建物を壊しながら進むシーンでは、通常の2倍から10倍以上の高速度で撮影しなければならないが、秒速200コマの撮影では着ぐるみはスローモーションに動いているようにしか見えないため、ゴジラの頭、手、足、尾の形にベニヤ板を切り抜いて緑色に塗装したものを、ミニチュアの爆破に合わせて動かして撮影され、後にCGのゴジラに置き換えられた[296]。
日本での扱い
- 『ゴジラ2000 ミレニアム』に登場するオルガは、本作品のゴジラがモチーフになっている[297]。
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)
- 『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)
- ジラ (Zilla) の名称でエメリッヒ版のオマージュキャラクターが登場[注釈 69]。「1997年(DVDのブックレットでは1998年)にニューヨークを襲った怪獣と似ており共通点もあるが真偽は不明」という設定である[299]。他にアメリカンコミック『Godzilla: Rulers of Earth』や小説『GODZILLA 怪獣黙示録』にも同名で登場している。詳細はゴジラ FINAL WARS#ジラにて。
- ゲーム『ゴジラトレーディングバトル』『ゴジラジェネレーション』にもエメリッヒ版ゴジラが登場している。
モンスターバースシリーズ
『GODZILLA ゴジラ』(2014年)
ゴジラ GODZILLA[300] | |
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別名 | 怪獣王[300] |
身長 | 355 ft[301](108.2 m[302][303]、108 m[300]) |
尻尾の長さ | 167.74 m[302][303] |
体重 | 9万 t[出典 78] |
多量の天然の放射能が地上に満ちている中、巨大生物が
体内に原子炉のような器官を持ち、莫大な熱エネルギーを生成することが可能である[303]。敵との戦いで危機に陥ると、体内の放射能エネルギーを生体電気で発火させ、青白い放射熱線として相手に吐きかける[302][303]。放射熱線の威力は絶大であるが、体力を激しく消耗するので多用はできない[注釈 70]。作中では敵怪獣ムートーの体格の大きいメスに2回使用し、倒したあとは使用の影響でその場に倒れ込む。なお、放射熱線を使用する際には、コイル鳴きのような音と共に背びれが尻尾から順に青く発光していく[304][注釈 71]。なお、オスのムートーに対しては、長い尾の強烈な一撃を浴びせて高層ビルに叩きつけ、尾だけではなくそのまま垂直倒壊するビルをも利用し、圧死させている。
基本的には日本版ゴジラの特徴や容姿を踏襲しているが、体格はそれより筋肉質で大柄であり、鳴き声も日本のものをイメージしながらも若干異なる。表皮は分厚く頑丈で、ミサイルや戦車や軍艦の砲撃はもちろん核攻撃にも耐える。首にはえらがあり[304]、水中で呼吸できる。ムートーに強い敵意を向ける一方で人間には興味を示さず、攻撃されても吠えたりや身じろぎしたりはするものの、反撃はしない。しかし、その巨体は移動するだけで高波の発生や建物の倒壊などの天災的な被害をもたらす。冒頭の資料により、メイン号なる米軍艦を爆破沈没させている[注釈 72]ことが暗示されている。ムートーを追う理由については、天敵に対する攻撃本能なのか、理解しきれない部分が少なくない。作中、主人公のブロディと視線を合わせて意思を疎通したような素振りも見せるが、行動原理についても不明な点が多く、人智を超えた神に近い生物であるかのように描かれている。
- モーションアクター:アンディ・サーキス[305]
- 通称はレジェゴジ[45]。
- 劇中での呼称は英語読みの「Godzilla」(ガズィーラ)であるが、芹沢博士役の渡辺だけは一貫して「Gojira」(ゴジラ)と発音している(詳細は#英語表記を参照)。由来については劇中では明言されていないが、設定では初代と同様「大戸島の伝説の怪獣『呉爾羅』」に倣って呼ぶようになったとされる[306]。
- 結末で表示される「King of Monsters」(日本語吹替版では「怪獣王」)とは、ゴジラシリーズ第1作の英語版『Godzilla, King of the Monsters!』(日本語訳タイトルは『怪獣王ゴジラ』)に由来する。日本やアメリカをはじめとする国々でゴジラが持つ、由緒ある「称号」である。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)
ゴジラ GODZILLA[307] | |
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別名 | 怪獣王[307] |
身長 | 119.8 m[307] |
尾長 | 177.4 m |
体重 | 9万9,634 t[307] |
前作から5年が経過した本作品では体格もさらに大型化し、放射熱線の使用頻度も増している。巨大生物調査機関モナークのアドバイザーを務める芹沢猪四郎博士によって多く研究され、四大文明以前に栄えていた古代文明によって崇められた神話世界の神や王という扱いをされ、そのころには宿敵であるギドラとの戦いが行われていたことも判明する。
性格は
南極のモナーク施設で目覚めたギドラの前に出現して交戦するものの逃亡され、追跡して大西洋プエルトリコ沖に到達し、そこでラドンを下したギドラと再戦する。水中戦でギドラを圧倒し、首の1本を噛みちぎる深手を与えるが、アメリカ軍からオキシジェン・デストロイヤーを撃ち込まれ、活動機能が低下して戦闘不能に追い込まれる[307]。
その後、かつて自身を崇拝していた人類が建設した古代文明の神殿にして海底洞窟内の、大量の放射能やウランが発生している住拠で核エネルギーを吸収しながら回復を図っていた。地球支配を謀るギドラへの対抗手段として用いようと考えたマーク・ラッセルは、ゴジラを復活させるために核兵器の使用を提案し、芹沢たちと共に潜水艦で住処へ向かうが、トラブルによってミサイル発射システムが発射不可能な状態に陥ったため、芹沢が単身で核弾頭を携えて住処へ赴き、自らの命と引き換えに起爆させる。その結果、核エネルギーを吸収してさらに強靱な姿となって復活したゴジラはボストンへ向かい、そこで三度ギドラに挑む。序盤こそモスラの加勢も得て戦いを優勢に進めるものの、先の核エネルギーの吸収量が過剰だったためにあと数分で核爆発を起こす状態に陥っており、予想外のギドラの強力な攻撃に加え、モスラがラドンに妨害されたこともあって劣勢となり、満身創痍の状態に陥る。しかし、ギドラの攻撃でモスラの身体が爆散した際に降り注いだ粒子を吸収し、それによって体内の核エネルギーの制御に成功すると、周囲の建築物を溶解させるほどの高熱を発しながら、モスラの体模様を模した体内放射でギドラのほぼ全身を焼き尽くし、最後に残った首の1本をも放射熱線で消滅させる。
そして、ラドンや他のタイタンたちに崇められる怪獣王として君臨してからは、タイタンたちを監視して抑止する目的で世界各所に出没している。
- モーションアクター:T・J・ストーム
- 前作よりも体躯が増しただけでなく、足の爪と背びれの形状も日本版に近いものとなり、放射熱線のエフェクトも前作の火炎状からビーム状となっている。さらに、日本版では対立相手だったモスラと交信を交わすという、それまでに無かった要素もあるほか、ギドラを倒す際には『ゴジラvsデストロイア』のバーニングゴジラと同じく全身が燃えるように赤熱化する描写や、『ゴジラ2000 ミレニアム』のゴジラの戦法だった体内放射を繰り出す描写がある。
- 海底の古代神殿に立つ対になった兵士の像は、ゴジラの顔を備えて擬人化された(もしくはゴジラが人間化した)番兵が槍を持っている容姿で玉座と祭壇を守っている。
- 監督のマイケル・ドハティによれば、造形については前作を踏襲しながらも背びれは「ゴジラの王冠のようなものであり、大きく美しい方がいい」との意向で初代のものに近づけたうえ、咆哮についてもより初代に近いものに仕上げたという[308]。
『ゴジラvs.コング』(2021年)
ゴジラ GODZILLA[309] | |
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別名 | 怪獣王[309] |
身長 | 119.8 m[309] |
尾長 | 177.4 m |
体重 | 9万9634 t[309] |
前作でライバルのギドラを死闘の末に制し、地球上のタイタンたちの頂点にして地球の生態系のバランスを保ち、人類から再び救世主と崇められるようになった怪獣王。体格に変化はないが、必殺技である放射熱線の威力は大幅に向上しており、劇中では原子力空母を一撃で轟沈させ、香港の高層ビル群の大半を倒壊させた。さらには、地上から地殻を貫通して地下空洞に到達するほどの破壊力を有した熱線の放射が可能になり、肉弾戦でもコングを圧倒するなど今まで以上の驚異的な能力を発揮している。
前作から5年が経過した今回、これまで歯牙にもかけていなかった人類を突如襲撃し、放射熱線で都市を焼き尽くし、戦闘機や艦隊を撃沈させるなどにして容赦なく人類に攻撃を仕掛ける。
映画シリーズ以外
ここでは映画シリーズ以外の映像作品に登場するゴジラについて記述する。
『流星人間ゾーン』
ゴジラ GODZILLA[310] | |
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別名 | 怪獣王[311][310] |
身長 | 50 m[出典 79] |
体重 | 2万 t[出典 79] |
出身地 | 不明[311] |
2代目ゴジラと同一個体。作品中で「正義の怪獣」と呼ばれるゾーンファミリーの助っ人。その多くは軍団で恐獣が現れた際にゾーンジュニアのゾボットに呼ばれてゾーンファイターとともに戦っている[310]。
本作品ではキングコングのように胸を叩く[313]。第21話では、岩山の秘密基地から登場している[314]。
- スーツアクターは河合徹[313][315]、図師勲[315]。本作品の後、図師は『ゴジラ対メカゴジラ』、河合は『メカゴジラの逆襲』でそれぞれゴジラを演じている[315]。
- 着ぐるみはメガロゴジの流用[出典 80]。頭部が若干修正され[316]、爪や口周りが塗り直されている[320]。着用する俳優によっては、スーツのサイズが合わずたるみが生じている[316]。『ゾーン』での撮影で頭部が痛み、翌年の『メカゴジラ』で改修されるに至った[317]。
- 放射熱線は、第5話のみフロンガスによって表現された[313][321][注釈 73]。
『怪獣プラネットゴジラ』
ゴジラ GODZILLA[322] | |
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別名 | 怪獣王[323][322] |
身長 | 50 m(推定)[出典 81][注釈 74] |
体重 | 2万 t(推定)[出典 81][注釈 75] |
出身地 | |
出現地 | 東京駅→銀座[324] |
ラドン、モスラとともに緑の惑星「怪獣プラネット」に生息していた[322]。惑星探査艇であるアース号やプラネット号に付着していた地球の汚染物質によって凶暴化して、地球の東京駅にラドンとともにワープして出現し、Gフォースの攻撃を退け、ラドンと戦ったあとに、銀座でモスラと戦う[322]。アース号から散布された、ゴジラが食べていた惑星の緑の木の実を浴びて大人しくなり、青い光球に包まれて宇宙へ帰る。
- 着ぐるみは『ゴジラvsメカゴジラ』で新造されたものの流用[出典 82]。スーツアクターは薩摩剣八郎[330][331]。薩摩によれば、『vsメカゴジラ』の撮影後、使用していなかったためスーツが固くなってしまい、歩きにくかったと述懐している[331]。
- ゴジラが東京駅を破壊するのは本作品が初である[325][329]。
『ゴジラアイランド』
ゴジラアイランドの怪獣として登場する。島の怪獣たちのリーダーのような役目を持っている。普段は「ゴジラのどうくつ」に棲息しており、島に敵の怪獣が現れると一目散に出撃し、島の平和を守っている。基本的には温厚な性格だが、ジュニアが敵に襲われた際には、単身敵の懐に入り込むといった勝気な面もある。
他の怪獣に比べて圧倒的な戦闘力を持っており、X星人もゴジラだけは恐れる。武器は口から吐く6万度の放射熱線。ガイガンとの戦いでは「曲がる熱線」を使用する。
「スペースゴジラの悪霊編」ではかつて撃退したスペースゴジラに取り憑かれ、島の怪獣たちのオーラを吸い取り、赤い熱線を吐き大暴れする。また、「さよならトレマ編」ではデストロイアとメガロにだまされ、マタンゴ島の洞窟に閉じ込められる。
造形物はバンダイのソフビ人形。
『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』
円城塔執筆の小説版では怪獣側の視点が描かれることで、本作品におけるゴジラの目的や“ミサキオク”の地下の骨の秘密などの詳細をうかがい知ることができる。
造形は初代ゴジラのデザインを元にしつつ、初期の昭和ゴジラのイメージを統合し、なおかつ新しい初めて見る姿が志向されている。山森は、「絶対に人類と意思疎通が不可能な畏怖すべき生物としての威厳を持たせる」ことをこだわりとして挙げている[332]。
『シン・ゴジラ』では神のような神秘的な存在としていたが、本作品のゴジラは怪獣ではなく、生物のような方向に寄せていったといい、上に手の平を向けていた『シン・ゴジラ』に対して本作品では生物であることから下に向けている。進化するという設定は、『シン・ゴジラ』の設定が取り入れられており、各形態には山森の提案で過去の東宝怪獣の意匠が入れられている[333]。
登場個体(シンギュラポイント)
- ゴジラアクアティリス[出典 83]
- 第3話で登場した第0形態[335]。
- 深度900メートルのところを50ノットで泳いでいる姿が潜水艦によって確認されている。第6話にて東京湾内に侵入しようとしたマンダの群れを追ってその全体像を表した[335]。そのままマンダの群れを仕留めつつ、東京湾に上陸する。モササウルスのような姿から水棲生物であると思われる。四肢は進化途中のようなヒレのようになっており、長い尾の先端は水かきがある指のような尾ビレになっている。顔つきはワニに似ており、触覚のような細いツノが頭部にある[335]。表皮は赤く、海を通過するとその海は紅塵に包まれて赤く染まる[335]。
- アクアティリスとはラテン語で水生を意味する。
- ゴジラアンフィビア[出典 84]
- 第7話で東京に上陸を果たしたゴジラ アクアティリスが変態した第1形態[337]。
- イグアナのような顔つきの陸棲生物のような姿となり、四肢は爬虫類に似た形の脚となり[337]、四足歩行を行う[336]。政府によって南房総地方の伝承に基づいてゴジラの名称が与えられる[337]。第8話で代々木公園での自衛隊からの砲撃を受けてマイナス20度の可燃性のガス状物質を口から放出し、その砲撃の爆発が冷気に引火した途端、次第に高温のガスとなって爆炎を誘引して一帯を巻き込む熱膨張を起こして直径500メートル範囲を焼き尽くし、自身をも焼き尽くして自らの総質量を超える紅塵を放出して包まれることで、硬質の組織と溶けてドロドロの状態が下にある炭化層の外殻に覆われた蛹のような状態になり、活動停止した[出典 85]。体皮は茶褐色、頭部は濃褐色となりツノの形状も変化している[337]。
- アンフィビアとはラテン語で両生類を意味する。
- ゴジラテレストリス[出典 86]
- 第9話で活動停止して蛹状態となっていたゴジラアンフィビアが、固まった外殻が剥がれ落ちてさらに変態した第2形態[338]。
- 前脚は小さくなって後脚だけで立ち上がり、完全二足歩行形態となっている[338]。自衛隊の砲弾投下を予期して着弾前に体組織を触手のように変化させて包んで着弾と同時に破裂させて本体への衝撃を和らげるといった防御能力[注釈 76]を持ち、背びれを青白く発光させながら口元に光のリングを形成して吐く能力も見られる[出典 87]。角や尾ビレがなくなり、首から上半身は細くなり、頭部は小さくなっている[338]。表皮は青い鱗状だが[338]、眉間から背鰭に沿って赤いラインが残る。
- テレストリスとはラテン語で陸生を意味する。
- ゴジラウルティマ[339][336]
- 3度の形態変化を経て究極の姿となったゴジラの第3形態で、本作品におけるゴジラの正式名称。
- 千葉県逃尾市(にがしおし)にて古くから伝わる伝承が描かれた浮世絵には、古史羅(こしら)と記述されている。また、同市に戦前から存在する旧嗣野地区管理局(電波観測所)“ミサキオク”の地下にはゴジラウルティマの全身骨格が存在していた[注釈 77]。
- 第10話でゴジラテレストリスが自衛隊と交戦して集中砲火を浴びる中で変態し、この形態となる[339]。形態変化後、自衛隊の攻撃を鎧のような強硬な外皮で寄せ付けぬまま背鰭と口内を青白く光らせ、口元に7つの大小さまざまな光輪を放射して複数重ねた重力レンズで空間を捻じ曲げて1か所に収縮させると、そのまま光輪をくぐるように熱線を原子ビームのように圧縮して発射する能力を見せつけ、東京を一瞬で火の海に変えた[出典 88]。体色は歴代ゴジラと同じく黒あるいは濃灰色。後脚は極太になっており、背ビレも大きく発達している[339]。
- この形態になった直後まではビル数階建てぐらいの大きさだったが、紅塵を吸収し続けたことで最終的に100メートルを超える巨体となった。さらに成長を続けて自身が特異点となり、地球人類は破局を迎えつつあったが、謎の巨大化を果たしたジェットジャガーとの交戦の末、完成型オーソゴナル・ダイアゴナライザーによってジェットジャガー諸共巨大な青い結晶となり、消滅した。
- なお、最終話では人間サイズの怪獣が背ビレ辺りに潜んでいた。
- ウルティマとはラテン語で終わりを意味する。
『ゴジラvsヘドラ』
工業地帯を蹂躙していくヘドラのもとへ現れ、肉弾戦の果てに放射熱線を吐こうとするが、怪力で押し倒されたところに硫酸ミストを浴びせられ、左眼を潰される。蹴りで反撃し、送電塔群で感電したヘドラの身動きが鈍っている隙に起き上がると、放射熱線で撃破して夕焼けの中を歩き去っていく。
『ゴジラVSタイガース』
西宮市付近に現れ、放射熱線を吐くなどして町を蹂躙しながら阪神甲子園球場へ進撃する。到着したところで虎龍隊「タイガース」が極秘開発していた対ゴジラ最終兵器「虎龍」(メカトラッキー)による迎撃に遭い、放射熱線を金属バット2本で撃ち返されるなどの反撃に遭う。
- 監督・特技監督を務めた東京現像所ゴジラ部所属の清水俊文は元東宝映画の演出部でゴジラシリーズの助監督の経験を持っており、制作に際してオマージュ先である『ゴジラ×メカゴジラ』の監督を務めた手塚昌明にも「思い切りパクりました!」と挨拶しておいたという[342]。
『フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲』
ヘドラを撃破したその夜、負傷から全快した姿で工業地帯を後にして(海へ帰ろうと)街を歩行していたところ、飛来したガイガンと交戦する。当初は放射熱線をハンマーハンドで防がれて光線砲で手傷を負わされたうえ、光線砲をパンチで故障させたものの回転カッターで腹部に重傷を負わされて昏倒するが、ハンマーハンドでとどめを刺されそうになった際に両手で受け止めて身動きを封じ、そのまま起き上がって至近距離からの放射熱線で撃破する。
- スーツアクターは松本直也[343]。
- スーツは『vsヘドラ』から続いて『FINAL WARS』のアクション用スーツの流用であるが、『vsヘドラ』の後に内部へ鉄骨を入れて展示用に改修されていたものをモンスターズが再び撮影用に改修しており、劣化していた腕を新規に造形する、ギミックを修復する、サイズを松本に合わせて調整するといった工程を経て、生まれ変わったものとなっている[344][240]。
その他の作品
能力
放射熱線
ゴジラが持つ最大の必殺技。共通して発動前に背びれが光るものの、作品媒体によって設定・描写が異なる[346]。
『ゴジラ』『ゴジラの逆襲』ではモノクロゆえに白熱光で描写されていたが、『キングコング対ゴジラ』以降はカラー化に伴い、青白いビーム状の熱線として描かれるようになる。『ゴジラ』のポスターで「放射能」と表記されたあと、「放射能火炎」とさまざまな資料に表記されたことから、昭和シリーズ当時の世代には「放射能火炎」の呼称が定着した[出典 89]。一方、vsシリーズ以降の世代には前述のビーム状描写からも、「放射熱線」の呼称が定着している[356]。
類似した技または同系統の技として、ミニラのリング状熱線、リトルゴジラ(ゴジラジュニア)の泡状熱線、ハンナ・バーベラ版ゴジラの放射熱線、『ゴジラ ザ・シリーズ』版ゴジラのパワーブレスがある。
バリエーション
- 白熱光[出典 90][注釈 78]
- 初代ゴジラと『ゴジラの逆襲』、『モスラ対ゴジラ』のゴジラが用いた放射能を含む高温の白い熱線。初代は霧状だが、『逆襲』では水流のような勢いがある[361]。
- 後年に登場する熱線のように対象を爆破するほどの威力はないが、水爆のエネルギーを浴びた力らしく、戦車や戦闘機、有刺鉄条網の鉄塔を溶解させるほどの威力があり[364]、『ゴジラの逆襲』では噛み殺した初代アンギラスの亡骸を炎上させる。
- 放射熱線[出典 91](放射火炎[出典 92]、放射能熱線[377][378]、放射能噴出[379])
- 『キングコング対ゴジラ』以降、全シリーズに共通する青い光線。前述の通り、昭和シリーズ当時は放射能火炎と呼称されていた。
- 先述の白熱光と違い、『ゴジラ2000 ミレニアム』と『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では通常時の熱線も赤色である。『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では射程が長く、着弾するときのこ雲が立ち昇るほどの威力を持つ。昭和シリーズでは建物の一部を焼く程度の威力だったが、『ゴジラ』(1984年版)以降は敵怪獣の身体を破砕し、市街地を焼き払うほどの破壊力を備えている。
- モンスターバースシリーズにおいては、『GODZILLA ゴジラ』では放射能火炎状のエフェクトも含む青い光線状であるが、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』では前者の要素が薄まってより光線状となっている。
- 体内放射[出典 93](熱線体内放射[385]、全身発光[375])
- 平成シリーズ(『ゴジラvsビオランテ』)から用いる格闘戦の切り札。
- 放射熱線の発射を喉元で抑え、体内で炸裂した熱線の核エネルギーを衝撃波のようにして全身の皮膚から放出する。主に起死回生の手段として使用。
- 『ゴジラ2000 ミレニアム』では全身が赤熱化して大爆発を発生させ、オルガを倒した。
- モンスターバースシリーズにおいては、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』から用いており、同作品では終盤に連続で用いてキングギドラのほぼ全身を焼き尽くした。
- スパイラル熱線[386](スパイラル放射熱線[384])
- 『ゴジラvsキングギドラ』で使用。貫通力を重視した強化版の放射熱線。
- その名の通り、熱線の電子加速に回転が加わることによって貫通力が強化されたもの。背びれの放電現象と熱線の鋭い形状が特徴。
- ウラニウム・ハイパー熱線[出典 94](超火炎熱線、赤い熱線[390]、ウラニウム放射熱線[391])
- 『ゴジラvsメカゴジラ』で、ファイヤーラドンと融合したゴジラが用いる赤色熱線[387][391]。ゴジラの熱線に、ファイヤーラドンのウラニウム熱線のエネルギーが融合している[387]。
- 100万度超という放射熱線の2倍近い熱量により、周りの大気をことごとく発火させてメガ・バスターを撃ち返し、スーパーメカゴジラを焼き尽くす。赤い熱線はゴジラの限界を超えた危険信号でもあり、口から白煙が出ているのは超高熱によって口が溶けているためである。体内にも相当な負担がかかるため、長時間の発射はできない。
- バーンスパイラル熱線[出典 95](融合反応熱線[392][377]、赤色熱線[392][377]、バーンスパイラル放射熱線[395])
- 『ゴジラvsスペースゴジラ』で使用。スペースゴジラの肩の結晶体が破壊されたことにより、空気中に溢れた宇宙エネルギーをゴジラが吸収し、体内で融合して放つ[392][395]。熱量は90万度[出典 95]。3回の発射でスペースゴジラとMOGERAを同時に爆破するほどの威力を有する。
- 資料によっては、『vsメカゴジラ』での赤い熱線と同一のものと記述している[377][390]。このうち、書籍『テレビマガジンビジュアル全集 ゴジラVSスペースゴジラ』では、外部からエネルギーを取り込んで放つものとしている[377]。
- バーニング熱線[注釈 79](赤色熱線[396])
- 『ゴジラvsデストロイア』で体内炉心が暴走したゴジラが常用する、紅蓮の熱線。体内の核エネルギーが高まっているため、破壊力が増している[396]。スーパーXIIIやデストロイアにダメージを与え、香港の町を焼き尽くす。
- インフィニット熱線(バーニングスパイラル熱線、ハイパー熱線[369][397])
- 『ゴジラvsデストロイア』でメルトダウン寸前のゴジラが放つ史上最強クラスの熱線。さらにエネルギーが凝縮して上記のスパイラル熱線に稲妻状のエネルギーがまとわれており、威力・熱量が制限なく上昇する。
- 引力放射熱線
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』でゴジラがキングギドラの引力光線を吸収し、自身の熱線と合わせて放つ強化熱線。青い熱線にキングギドラの引力光線が混ざったような描写となっており、通常の熱線を防いだキングギドラのバリアを打ち破る。[要出典]
- ハイパースパイラル熱線[出典 96]
- 『ゴジラ FINAL WARS』で用いる、螺旋状の熱線。地球に迫るモンスターXの潜む巨大隕石を爆破する凄まじい破壊力を持つが、数秒のチャージ時間が必要なことやエネルギー消費が激しいことから、連続発射はできない。また、反動を防ぐために足と尻尾を地面に突き立てて、発射体勢を取る必要がある。
- バーニングGスパーク熱線[出典 96]
- 『FINAL WARS』の最後に用いた熱線。
- カイザーギドラにエネルギーを吸収され、瀕死状態となったゴジラが尾崎を通し、新・轟天号から放たれた「カイザーエネルギー」を背びれから得て放つ究極の赤色熱線。ハイパースパイラル熱線を赤色化したような形状をしている。背びれを青色から赤色にかけて発光させながら、身体を一回転させて放つ。これを受けたカイザーギドラは地上から宇宙空間へ吹き飛ばされ、爆散する。
- 放射線流[注釈 80]
- 『シン・ゴジラ』で用いた火炎放射(放射火炎[399])を収束して打ち出す紫色の熱線(熱焔[253])。
- 発射時にはヘビのように下顎を大きく展開するほか、背びれや尻尾の先端からも発射可能[253][250]。レーザーのような形状をしており、被弾した対象を焼き切る。下記の熱線ほどではないが射程は長く、はるか上空にいる対象物にも届く。エネルギー量が減少すると、火炎放射の状態となる。強力である反面、一度放射を開始するとエネルギーが切れるまで発射し続ける状態となり、自身では制御できず、特に空中のいかなる飛行物体に対しても無差別に反応して自動的に発射されるため、エネルギー切れの際に隙が生じる。
- 熱線
- 『GODZILLA』(アニメーション3部作)で用いた史上最強クラスの熱線。
- 身体に発生した電磁波を口元に収束して発射する熱線で「高加速度荷電粒子」とも言われている。発射の際には周囲に強力な電磁波を発生させ、直撃しなくても人類の電子機器はまともに機能しなくなる。エクシフとビルサルドのシールド技術提供によって防げるようになったが、妖星ゴラスを迎撃するためにエネルギーを蓄えたゴジラが北極点で発射した赤い熱線はそのシールドすら突き破り、北半球の電子機器をすべて破壊するほどの電磁波を放出した。エネルギーが電力であることから作中での威力はワット数で計測される。山を吹き飛ばし地形を一変させるほどの破壊力を持ち、エネルギーを蓄えた時には月と同質量の妖星ゴラスすら破壊した。大気圏外へ到達するほどに射程も長く速度についても発射した瞬間に着弾するほど速いため、防御も回避も不可能に近い。[独自研究?]
肉弾戦
先述の「放射熱線」を除けば、基本的に「噛みつく」や「パンチ」、「体当たり」などの肉弾戦を多用する。そのほか、「投げ技」などの格闘技も時折披露している。
全怪獣の中でも屈指の怪力を持ち、自分よりも倍以上に重い相手を投げ飛ばしたこともある。それ以外にも、オリジナル技として「ゴジラプレス」(敵の尾をつかんで空中に振り上げたのち、地面に思いっきり叩きつける)と呼称されるものがあり、さらに背びれを刃物のように使うなど、技巧派な一面もある。
- 1970年代の昭和シリーズなどで特技監督を務めた中野昭慶は、万能な熱線で片付けてしまうことに抵抗があったといい、肉弾戦の中でとどめをどうするかを考えるのに苦労したと述べている[400]。
- vsシリーズで特技監督を務めた川北紘一は、手でものを掴むのは本来の生物としてはおかしいとの考えから肉弾戦を少なくしている[357]。
ゴジラ細胞
平成vsシリーズ以降、劇中内にたびたび登場するゴジラの細胞組織。G細胞とも呼ばれる[401]。
先述の放射熱線と同じく作品媒体によって設定や扱いが著しく異なるが、共通する設定として自己再生能力遺伝子を有しており、それによって極めて高速で細胞を再生・活性化させる性質を持っている。これによってどんな負傷からでもごく短時間で回復するため、ゴジラの高い生命力・耐久力の源ともいうべき存在である。しかし、同時にG細胞は極めて浸食性が高い細胞であり、それを制御できる存在はゴジラのみである。もしゴジラ以外の生命体がG細胞を摂取した場合、たちまちG細胞に全身を乗っ取られ、変異を経て怪獣化してしまう。
初出の『ゴジラvsビオランテ』ではゴジラの不死の性質と放射性物質を食べる性質が遺伝子資源として有望視されており、中東のサラジア共和国がG細胞の遺伝子を移植して砂漠でも栽培可能な植物を製造しようと目論んでいた他、日本は原子力事故が発生した際の処理に使用するANEB(抗核エネルギーバクテリア)を製造しようと研究している。また、アメリカ合衆国は核兵器を無力化する生物兵器としてANEBを恐れているほか、同国の遺伝子工学企業大手4社の共同機構「バイオメジャー」は遺伝子工学分野での市場独占を狙いサラジアの計画を阻止しようとしている。『vsビオランテ』の劇中ではそれら3か国が独占を狙って暗躍する場面も描かれるが、以後の作品で同様の事件は(確認できる限りでは)起きていない。
G細胞にまつわる作品は以下のとおり。
- 『ゴジラvsビオランテ』
- ゴジラ細胞の名が初めて出る作品[402]。作中ではG細胞を巡る国家間の争いが描かれ、ゴジラ細胞とバラ、人間の遺伝子を融合することによって誕生した怪獣ビオランテが、ゴジラと戦う。また、G細胞内の「核を食べる」遺伝子からANEBが作られる。公開時期が冷戦終結前であったことから、実用化に伴う軍事バランスの崩壊も懸念される[401]。
- 造形物はオイルゼリー製[403]。
- 『ゴジラvsスペースゴジラ』
- 本作品ではG細胞と呼ばれる[402]。なんらかの原因によって[注釈 81]宇宙に飛散したG細胞がブラックホールに吸い込まれ、恒星の爆発エネルギーと結晶生物を取り込み、ホワイトホールから放出されて誕生したスペースゴジラが、ゴジラを倒そうと地球に襲来する。
- 『ゴジラ2000 ミレニアム』
- 本作品では、ゴジラの驚異的な治癒力の源泉となる細胞形成の働きを持つオルガナイザーに酷似した形成体がオルガナイザーG1と命名された[出典 97]。謎の宇宙生命体ミレニアンが長い間旅の間に失った肉体を取り戻すべくG細胞のオルガナイザーG1に目をつけ、最終的にオルガナイザーG1を吸収し、気体のような状態から急速に肉体を発達させて巨大生物になる。このようにして肉体を取り戻すも、最終的にはオルガナイザーG1を制御しきれず変異を起こし、怪獣オルガと化してゴジラと戦う。
- 『ゴジラ×メカゴジラ』
- 日本政府はゴジラ対策として、東京湾に沈んだ初代ゴジラの骨格をメインフレームに、対ゴジラ兵器として3式機龍(メカゴジラ)を開発し、骨から抽出した骨髄幹細胞を元に培養・増殖したゴジラ細胞をDNAコンピュータとして組み込んでいた[出典 98]が、ゴジラの咆哮に反応して暴走する[406]。その後、DNAコンピュータに用いられていたゴジラのDNA塩基は修飾塩基に差し替えられ[406]、これにより暴走の危険は無くなった。
- 続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』のラストシーンでは、オキシジェン・デストロイヤーを模した容器にG細胞が封印される様子が描かれる。
- 『ゴジラ FINAL WARS』
- 地球征服を企むX星人は、地球防衛軍のミュータント兵士たちが持つ特第4の未知の塩基・M塩基により、地球怪獣やミュータント兵士たちを制御下に置く。そのため、地球防衛軍はX星人と怪獣たちの前になす術もなかったが、ゴジラが持つG細胞にはM塩基を無効化する働きがあり、ゴジラは他の怪獣のようにX星人の支配を受けることなく、怪獣軍団を次々と叩き伏せていく[407]。
- 『シン・ゴジラ』
- 細胞自体に人類の8倍近くの遺伝子情報を内包している影響で、世代交代を経ることなく一個体だけで進化・退化が可能としており、作中では水棲生物の身体構造から、短期間で陸棲生物への急速な進化を遂げている。過去作のシリーズ同様、負傷しても即座に再生できるだけでなく、細胞膜に水と空気を取り込むだけでそれらを必要な原子に変換させ、活動エネルギーのすべてを得ることが可能となっており、これによって得られたエネルギーを転用してレーザー状の放射線流を放つことも実現しているほか、盛んに細胞分裂が行われている影響により、本体から落ちた細胞片から新たな個体が生まれ、群体化・小型化・有翼化して大陸間を飛翔するなどの可能性を示唆されている。また、劇中では最終的に凍結させられて活動を停止しているが、その最中に尻尾の先端から本体と同じ形の背びれを持つ異形の人型生物が形成され、分離しつつある状態となっていた。
- スーパーファミコン用ソフト『超ゴジラ』
- G細胞によって生み出された「魔獣バガン」が登場する。
- 漫画『怪獣王ゴジラ』
- ネオ・ガイガンを使って採取したG細胞からクローンゴジラを作り、背中にバトラの翼、腕の代わりにキングギドラの2本の首を移植して「キングゴジラ」とする。作中では、移植された組織までG細胞で再生する。
- アニメーション3部作『GODZILLA』
- ゴジラを筆頭に、亜種生物セルヴァムなど、2048年から2万年後の地球に存在する動植物が構成されている。生物からは微小金属を含んだ「ゴジラ胞子」が大気中に放出され、つねに電磁気嵐を引き起こしている[269]。富士山周辺など、G細胞植物の生育に向かない火山性地質帯を除く範囲に存在する[408]広大な「G細胞の森」[286]を構成する樹木はメタリックで自衛しており、場所によっては刃物のように鋭利となっている。
- 21世紀(小説版の時代)ではバイオセーフティレベルGが制定され、南極半島エルスワールランドの「国連対ゴジラ生物防護施設」でしか研究が許されず、閲覧するだけでも国連安全保障理事会の承認が必要であるなど、厳重な管理下に置かれていた。負傷自体が滅多になく、進行ルートは高濃度の放射能汚染に見舞われていることからサンプル入手が困難であることに加え、ゴジラがG細胞から繁殖・増殖することを危惧して研究はほとんど行われず、貴重なサンプルも保管のみに留まっていた[272]。
舞台裏
鳴き声
ゴジラの鳴き声は、助監督や録音助手が松脂をつけた革手袋でコントラバスの緩めた弦をこすった音色をソニーのKPに録音し[出典 99]、10種くらい選んだものを手動で再生速度を速めから遅めに調整しながらゆっくり逆回転再生した音であり[411]、その中から6~7種の声を最終的に使っている[368]。これは1954年の『ゴジラ』の製作時に、音楽を担当した作曲家の伊福部昭が足音とともに発案し、音響効果の三縄一郎が編集加工したもので[409]、サウンドトラックCDに収録されている。また、のちの東宝映画や円谷プロの怪獣の声もこの手法を使用していた。
vsシリーズでも初代の鳴き声を加工したものを用いている[409]。この鳴き声だけは、1998年の『GODZILLA』も同じである。『ゴジラvsモスラ』で高音に加工したものを多用したところ、ファンからは不評で次作では元に戻している[409]。
『ゴジラ2000 ミレニアム』では、初代と同じ手法を用いてゴジラの声が新録された[25]。
映画の殿堂入り
2004年11月29日、ハリウッドで殿堂入りを果たす。ゴジラのプレートは、それまでハリウッド大通りに埋め込まれていたが、除幕式が行われ、取り外された。殿堂入りしたキャラクターにはミッキーマウス、ドナルドダックがおり3例目。怪獣としてはもちろん、日本のキャラクターとしても初めてである[412]。
テーマ曲
ここでは伊福部昭の曲について説明する。
映画第1作のタイトルクレジットの音楽より「ゴジラのテーマ」として知られるこの曲は、『管絃楽の為の音詩「寒帯林」』、『ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲』のモチーフがベースとなっている。また、伊福部が当時より敬愛していたモーリス・ラヴェル作曲の『ピアノ協奏曲ト長調 第3楽章』にはこの曲に非常に似たモチーフが現れることも知られている。このモチーフ、すなわち第1作のスコアナンバーM1「ゴジラ追撃せよ」は、その曲のタイトルからも分かるようにもともと「ゴジラに対抗する人類のテーマ」として書かれた曲である[413][414]。本来、生物としてのゴジラのテーマ曲として書かれたのは、コントラファゴットなどの低い音の響きが特徴的なMA「ゴジラの猛威」という、ゴジラ品川上陸の際の音楽である。
なお、伊福部が音楽を担当した映画にはM1と同じモチーフが幾度か使われており、ゴジラの1作目の数年前に製作された映画では『社長と女店員』(1948年)、『蜘蛛の街』(1950年)に、ゴジラの1作目以降では『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』(1962年)にも流用されている。
「ゴジラの猛威」のモチーフは、その後の作品でもゴジラの恐怖を象徴する曲として、編曲を重ねながら使われ続けた。『メカゴジラの逆襲』では第1作M1、いわゆる「『ゴジラ』のテーマ」がゴジラの出現のモチーフとして初めて使用された[413][415]。その後も伊福部が担当した『vsキングギドラ』からは第1作のM1がゴジラのテーマ曲として使われ[416][415]、「ゴジラの猛威」は使われなかったが、『vsメカゴジラ』では「ゴジラの猛威」が再び現れることとなった[417]。なお、伊福部の音楽監督としての最終作『vsデストロイア』では「ゴジラの猛威」という曲名は与えられなかったものの、冒頭のシーンでより第1作のものに近い編曲で使用された。
『vsキングギドラ』でのゴジラが海中から出現するシーンでは、導入部にハープの音が加えられ、恐怖感だけでなく期待感を持たせるアレンジとなっている[416]。エンドロールでも中間にハープの音が入っている[416]。同作品のゴジラザウルスのテーマは、ゴジラのテーマとは似て非なる楽曲となっている[416]。
英語表記
ゴジラの英語表記である「Godzilla」の綴りは、第1作が1956年に『Godzilla, King of the Monsters!』のタイトルで全米公開された際に設定された。このような綴りゆえ、「ゴジラ」ではなく「ガッドジラ」または「ガズィーラ」といった発音になっている。
1998年の『GODZILLA』と2014年の『GODZILLA ゴジラ』でもタイトルにこの表記が使われているが、2014年版に出演した渡辺謙は、作中で一貫して「Gojira(ゴジラ)」と発音している。これは、渡辺が撮影時にスタッフから英語圏での発音を依頼されるも日本人としてのこだわりから頑なに拒否したためであり、結果として海外のファンからも称賛を受けた[418]。その後、2016年の『シン・ゴジラ』では長谷川博己演じる主人公が英語圏での発音について「言いにくいな」と評するシーンがある。
星座
2018年10月18日、アメリカのNASAは、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡の運用10周年を記念してガンマ線の発生源となっている天体をつないだ22個のガンマ線星座を発表し、その中に「ゴジラ座」が含まれている[419]。
ゲスト登場
映画
- 『ALWAYS 続・三丁目の夕日』
- 冒頭、登場人物の書く小説の中という劇中劇の場面で、1959年ごろ(作中の現在)の東京を破壊するゴジラ(フルCGで、スーツ〈着ぐるみ〉は使用されていない)が描かれる。本体自体は十数秒しか映らないが、尾を振り回して建造物を叩き壊したり、放射熱線で東京タワーを粉砕するなどの暴れぶりを見せる。ゴジラのデザインは、GMKゴジをもとにした独自のものとなっている[420]。
- 『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』
- 北海道で発生した謎の光の粒子の調査に向かったシンカリオン・H5はやぶさの前に現れる。一旦は姿を消すが、仁山高原スキー場に再び現れ、シンカリオン・E5はやぶさ MkIIおよび923ドクターイエローと交戦する[421]。コードネームは『雪のゴジラ』、全長推定118.5メートル。口からはビーム状の光の粒子を放出するほか、圧縮した空気の波を発射することができる。
- ゴジラとのコラボレーションはテレビアニメの段階でも検討されたがその時は雑談の域を出ず、劇場版の配給が東宝に決まったことで登場が本決まりとなった[422]。デザインは「ビオゴジ」をベースにし、『雪に覆われたゴジラ』というイメージから体色は白色に近いグレー系で、背びれなどに氷の意匠がなされている。
テレビ番組
- 『ポンキッキーズ』
- 平成ゴジラシリーズ当時、『森田一義アワー 笑っていいとも!』などのバラエティ番組にアトラクション用の着ぐるみ(演 - 破李拳竜)がたびたび出演していたが、この番組にもセミレギュラーで出演しており、ごく短期間だがタイトルバックに同じ恐竜型の怪獣キャラクターのガチャピンなどのキャラクターとともに出演していた。
- 『第67回NHK紅白歌合戦』[423]
- 2016年12月31日に放送されたNHK紅白歌合戦。「声量・メロディー・感動を兼ね備えた良質な歌」で撃退できるゴジラが登場し、『シン・ゴジラ』の主役・矢口蘭堂(長谷川博己)も首相官邸からの会見を模したVTRで登場した。このゴジラに対抗すべく、ピコ太郎の「PPAP」やX JAPANの「紅」のアレンジなどが演奏された。
- 『探偵!ナイトスクープ』
- 2020年10月16日放送分に、ゴジラを恋愛対象としている13歳の女子中学生からの依頼に応え、vsシリーズのスーツが登場[424]。収録当時、ニジゲンノモリにて開催されていた「ゴジラ迎撃作戦」でのデートを楽しんでもらう様子が放送され、司会の松本人志を困惑させつつも感心させた[425]。
コンピュータゲーム
関連項目
- メカゴジラ
- ゴジラの形状を模したロボット怪獣。いくつかの種類がある。
- ウルトラQ
- ゴジラの着ぐるみを改造して角や甲羅などを着けた怪獣ゴメスが登場。モスゴジが素体となっている。
- ウルトラマン
- ゴジラの着ぐるみを改造して作られた怪獣ジラースが登場(演技者はゴジラ同様、中島春雄)。頭部は大戦争ゴジ、胴体はモスゴジにエリマキトカゲを模した襟巻きを付け、腹部など体色の一部に黄色を加えてある。
- 帰ってきたウルトラマン
- ゴジラをモデルに制作された怪獣アーストロンが登場(デザイナーも後にゴジラを手掛ける)。第10話にも名前が登場する。
- ウルトラゾーン
- 第15話「東京ジュラ紀」にて、「ジラースに似ているが襟巻きのない怪獣」が出現したことが語られる。
- MM9
- 過去に「関東大怪獣災害」を引き起こした怪獣として、ゴジラと牛頭天王をモデルとした怪獣「ゴズ」が登場。のちに本編にも登場する。
- 空想科学大戦!
- ゴジラのパロディである怪獣「ジラゴ」が登場。原作者である柳田理科雄が『空想科学読本』でゴジラについて考察したとおりの最後を遂げる。
- オバケのQ太郎
- 町内のガキ大将のニックネームが「ゴジラ」。仕切っているリトルリーグの名前が「ゴジラーズ」。
- 松井秀喜
- 元プロ野球選手。「ゴジラ」の愛称で呼ばれる。その縁から、シリーズ第26作『ゴジラ×メカゴジラ』に本人役でゲスト出演した。また、『ゴジラ2000 ミレニアム』の身長55メートルという設定も松井の背番号に合わせたものである[427]。
- チャールズ・バークレー
- NBAでプレーしていた元バスケットボール選手。現役時代にはパワフルなプレーぶりから「NBAのゴジラ」とも呼ばれた。ナイキのCMでゴジラと闘ったこともある。
- メタルギアソリッド3
- 無線でセーブする際に聞くことのできる映画の話のひとつとして登場。詳細は「メタルギアソリッド3#コラボレーション」を参照。
- ハレンチ学園
- ゴジラと名前の付く「ヒゲゴジラ」が登場する。
- 日産・GT-R
- 日産のスポーツカー。欧米では「ゴジラ」の愛称で呼ばれている。
- ランペイジ 巨獣大乱闘
- ワニのリジーはゴジラからインスパイアしたと監督自ら語っている。
- ゴジラ岩
- 各地に存在するゴジラを連想させる奇岩。
- ゴジラ・メガムリオン
- 沖ノ鳥島南東約600キロメートルにある公海の海底地形。
脚注
注釈
- ^ 阿部は、原作を手掛けた香山滋の小説『タンガニーカの砦』の挿絵を担当していた縁から起用された[9]。
- ^ 阿部によるデザイン画は現存していない[9]。
- ^ 書籍『ゴジラ・デイズ』では、造型担当の利光貞三が『ライフ』を参考に粘土原型を制作したと記述している[5]。
- ^ 映画中で恐竜とは別に紹介される。
- ^ 映像ソフトの字幕では大戸島の伝承も「ゴジラ」の表記となっている。「呉爾羅」の当て字は、第1作の公開当時に東宝宣伝部によって作られた祝詞のなかにある[17]。
- ^ 初期2作では白熱光と呼称。
- ^ 書籍『ゴジラ画報 第3版』では新世紀怪獣王と記述している[26]。
- ^ 書籍『動画王特別編集ゴジラ大図鑑』では、「北海道納沙布岬」と記述している[29]。
- ^ 書籍『ゴジラ画報 第3版』では、「初出現地:納沙布岬」と記述している[26]。
- ^ 書籍『動画王特別編集ゴジラ大図鑑』では、「赤色」と記述している[29]。
- ^ 鈴木によれば、デザイン作業の途中で西川がポスター用のイラストを描くことになり、その絵が基本となったという[54]。
- ^ 書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、弾着用と記述している[40]。
- ^ 若狭は、『モスラ対ゴジラ』での作り方に近い構造であるといい、スーツアクターの危険度が一番少ないやり方であったと述べている[59]。
- ^ 監督の大河原孝夫は、正面からでも背びれが見えていることを意図したと述べている[72]。
- ^ 書籍によっては、パープルと記述している[65][40]。
- ^ 書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、濃緑色と記述している[40]。
- ^ 書籍『ゴジラ 全怪獣大図鑑』では、歴代トップクラスのスタミナと評している[82]。
- ^ 脚本を担当した柏原寛司は、地下に逃げたのだろうと述べている[93]。
- ^ メガギラスの「ギラ」に由来する[44]。書籍『オール東宝怪獣大図鑑』では、呼称をミレゴジと区別していない[43]。
- ^ 書籍『ゴジラ造型写真集』では、単に海用スーツと記述している[99]。
- ^ 若狭は、画面上で緑に見えるよう2段階明るい色にしたと述べている[100]。資料によっては「明るいグリーン系」[89]「明るい緑」[40]「若干明るくした緑」[101]、書籍『ゴジラ造型写真集』では「グレー」[71]と表現している。また、特殊技術の鈴木健二は、グリーンバックによるプールの撮影で周囲に色が全部載ってしまい、水のグリーンを抜くと体色が抜けてしまうことがあり、苦労したことを述懐している[101][89]。
- ^ 喜多川は、以前よりも格段に動きやすくなり、別物であったと証言している[103][68]。
- ^ 喜多川によれば、前作のスーツは足底が前傾になっていたが足に力が入らないために廃止し、自力で前傾にする形に変更したという[68]。
- ^ このスーツは、同様のものを使用していた中島春雄にあやかり「ナカジマハルオさん」と呼ばれていたが、鈴木が中島と喜多川を合わせて「キタジマ」に改め、さらにそこから北島三郎に由来する「サブちゃん」と呼ばれるようになった[103]。
- ^ 資料によっては、怪獣王と記述している[123][119]。
- ^ 前2作で赤かったゴジラの熱線も、本作品でふたたび青に戻されている[127][123]。
- ^ 初代との関係性は明らかになっていない[126]。
- ^ 書籍『オール東宝怪獣大図鑑』では、「ヘラジカのイメージ」と記述している[124]。
- ^ 神谷は、『ゴジラvsビオランテ』で品田が手掛けたビオランテの目をイメージしたという[132]。
- ^ 吉田によれば、胸部にも可動ギミックが入る予定であったが、実際のスーツではオミットされた[144]。
- ^ 品田は、動く背びれは重すぎてほとんど使えなかったと証言している[145]。
- ^ 神谷は、『ゴジラ』(1984年版)のメイキング写真に写っていたことから同作品で制作されたものと認識していたが、後に川北紘一から円谷英二時代のものであることを教えられたという[132]。
- ^ 三村は、自身が過去に手掛けた『vsメカゴジラ』でのゴジラとベビーゴジラの関係と同じであると述べている[167]。
- ^ 西川伸司が頭部修正のラフデザインは描いている[181]。
- ^ 監督の手塚は正面や斜めから広角や望遠を使って撮ることが多いため、現実のものより頭身がズレてくることから、昔のゴジラのバランスに近づけたいと要望し、頭部を小さくしたという[186][181]。
- ^ 書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、ミレニアムよりも優しい顔立ちと評している[174]。
- ^ 資料によっては、呼称を機龍ゴジ(釈ゴジ)と区別していない[43][174]。
- ^ 書籍『東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』での若狭のインタビューでは、「メインスーツ」「アクション用スーツ」「海用上半身スーツ」「下半身スーツ」「表情用メカニカルパペット」を本作品で制作したと述べており、海用の下半身は前作を流用したとしている[201]。
- ^ 西川によるラフデザインが描かれている[出典 61]。
- ^ 喜多川はガソリンでできた糸としている[190]。
- ^ 本作品ではジラという名称。
- ^ 怪獣デザインを担当した西川伸司は、ゴジラについては動きを重視するため造形側の工夫が必要であったことを述べている[229]。
- ^ 資料によっては、「メインスーツ、超アクション用、弾着・被弾用[237]」「メイン・アクション用、被弾・弾着用[240]」と記述している。
- ^ 喜多川の全身マネキンは既存のものもあったが、より性格な数値を取るため一から作り直している[237]。
- ^ 浅田は、前作の3、4倍は速く動けるようになったと述べている[227]。
- ^ この変更について喜多川は以前より要望していたが、若狭は首元は火薬を用いることが多いために危険と判断し、推奨しなかったという[68]。
- ^ 上陸して蛇行状態から2足歩行に進化したが、海に戻る際は、再び蛇行状態に退化している。
- ^ 未公開シーンでは、米軍の爆撃で負傷した際に流れ落ちた血液から、本体と同様の眼球が複数形成されかかっている。
- ^ この体液は腐敗臭が強く、のちに米国からの圧力もあってサンプルが取られたあとに焼却処理されている。
- ^ 予告編および、映画のポスターやCMなどでは、この形態で登場する。
- ^ 一切のエネルギー利得がない状況下でも常温下なら1か月で5パーセント質量増加する。細胞だけなら液体窒素による冷凍保存下で増殖を止めるが、ゴジラ本体には極低温の冷凍メーサーも通用しない。
- ^ 猛烈な細胞再生は、このシールド出力低下を補完するための補助機構であるとされる。
- ^ これと同時にアンギラスIV、バランII、バラゴンIIが出現するが、すべてゴジラによって殲滅される。
- ^ これにより、アメリカ合衆国は事実上壊滅状態となる。破壊されたアメリカ西海岸では、2039年にマティアス・ジャクスンが統合させるまで独立勢力が乱立することになる。
- ^ 本来はモスクワ方面へ誘導する予定だった。
- ^ 北極海へ移動する前に、2037年8月ごろ南米沖で怪獣Mことバトラと交戦して背びれを2枚以上失う深手を負ったと推察されている
- ^ 「総攻撃派」賛同者による「核自決」なども加わったことで、人類は2億人以下まで減少してしまった。
- ^ 書籍によっては「54メートル」と記述している[出典 76]。書籍『ゴジラ画報』では、「約60メートル(200フィート)」と記述している[292]。
- ^ 書籍によっては「500トン」と記述している[292][288]。
- ^ 書籍『ゴジラ画報』では「約1.8メートル」と記述している[292]。
- ^ 書籍『ゴジラ 全怪獣大図鑑』では、海イグアナと記述している[288]。
- ^ 劇中でニックがオードリーと再会するシーンではニックはゴジラをamphibious(両生類)と分析しているが、マジソン・スクエア・ガーデンからの中継のシーンではゴジラをreptiles(爬虫類)と説明している。
- ^ 劇中ではチャップマン博士が獣脚類の生き残りであると主張するが、それにしては余りにも大きすぎると指摘されている。
- ^ 小説版では米軍によって集められた魚種はサバ・ヒラメ・カレイ・ホワイトフィッシュ・タラ・ブリ・キンメダイ・クロマグロなどと書かれている。なお、それらの魚は成体の食用ではなく、卵から孵化した直後の幼体に与える目的で集めている。成体は人を捕食するシーンがある。
- ^ パワーブレスまたはホットブレスと呼称される[要出典]。書籍『動画王特別編集ゴジラ大図鑑』では、衝撃波と記述している[290]。
- ^ 小説版ではゴジラのジャンプ力についてタトプロスは「獣脚類ではありえない」と考えている(足の外側には獣脚類の第1趾〈内側にある〉のような指が生えている)。
- ^ 小説版では480 - 800 km/hに達したとされ、タクシーに追いつかなかった理由に関してタトプロスは「単にすぐ追いついて殺しただけでは子を殺された怒りがおさまらないため、なぶり殺そうとしたのだろう」と推測している[要ページ番号]。
- ^ “ビルの配色に溶け込むゴジラ”を映像化する予定もあったが、中止された。
- ^ 「GODZILLA」から「GOD」を抜いたもの[20]。
- ^ 小説版によると、敵怪獣ムートーからの電磁パルスの影響で体内原子炉の活動が阻害されていたため、本領を発揮できていない状態だったことが示唆されている(p.325ではムートーが電磁パルスでゴジラの熱戦を発射寸前に打ち消したうえに撃てないよう封じ込め、p.329ではこれに加えてこれまでのダメージとの累積でゴジラが瀕死となっていく描写がある)。
- ^ 日本版と異なり背びれが同時に発光するのではなく、尻尾から頭に向かって順番に発光する。
- ^ 史実では1898年、アメリカの前弩級戦艦メインが、キューバのハバナ港で原因不明の爆沈を遂げた。この事件は当時キューバを領有していたスペインの破壊工作によるものと喧伝されて米国世論は硬化し、米西戦争が勃発した。それにアメリカは勝利し、キューバを事実上植民地化した。
- ^ 書籍『大ゴジラ図鑑』では、消火器を用いたと記述している[316]。
- ^ 資料によっては「100 m」と記述している[322]。
- ^ 資料によっては「6万 t」と記述している[322]。
- ^ 劇中ではリアクティブアーマーに喩えられている。
- ^ 円城塔執筆の小説版で、ゴジラは当初“ミサキオク”の骨を完全破壊することを目的としていたが、東京駅方面に観測不能の無の領域が出現し、それを無視できなくなり東京駅方面に進路を変更したことが書かれている。
- ^ 資料によっては、放射能噴出[363]、白熱線[364][365]と記述している。また、放射熱線と区別していないものもある[366][367]。
- ^ 書籍『ゴジラvsデストロイア超全集』では名称は変わらず「放射熱線」と表記[369]。
- ^ 書籍『ゴジラ 全怪獣大図鑑』では、放射熱線と記述している[250]。
- ^ 劇中では昇天したビオランテのものか、地球へ直撃するであろう隕石を止めに宇宙へ飛び立ったモスラの体に付着していたもののどちらかと推測される。
出典
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- 関連書籍
- 『グラフブック ゴジラ』講談社〈テレビマガジンデラックス (22)〉、1983年9月20日。ISBN 4-06-172472-X。
- てれびくんデラックス愛蔵版(小学館)
- 『ゴジラVSキングギドラ超全集』構成 間宮尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1991年12月1日。ISBN 4-09-101428-3。
- 『ゴジラVSモスラ超全集』構成 間宮尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1992年12月10日。ISBN 978-4-09-101433-7。
- 『ゴジラVSメカゴジラ超全集』構成 間宮尚彦、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、1993年12月1日。ISBN 4-09-101439-9。
- 『ゴジラVSスペースゴジラ超全集』構成 間宮尚彦、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、1994年12月20日。ISBN 978-4-09-101444-3。
- 『ゴジラVSデストロイア超全集』構成 間宮尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1996年1月1日。ISBN 978-4-09-101450-4。
- 『ゴジラ1954-1999超全集』構成・執筆 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2000年1月1日。ISBN 4-09-101470-4。
- 『ゴジラ2000ミレニアム超全集』構成 草刈健一、渋川金次、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2000年1月10日。ISBN 978-4-09-101471-9。
- 『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2001年1月1日。ISBN 978-4-09-101475-7。
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2002年1月10日。ISBN 978-4-09-101481-8。
- 『ゴジラ×メカゴジラ超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2003年1月10日。ISBN 978-4-09-101488-7。
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2004年1月1日。ISBN 978-4-09-101493-1。
- 『ゴジラ ファイナルウォーズ超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2005年1月20日。ISBN 4-09-101498-4。
- 講談社ヒットブックス(講談社)
- 『ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集』構成・執筆・編集:岩畠寿明、小野浩一郎(エープロダクション)、講談社〈講談社ヒットブックス20〉、1991年12月5日。ISBN 4-06-177720-3。
- 『ゴジラvsモスラ』構成・執筆・編集 岩畠寿明、小野浩一郎(エープロダクション)、講談社〈講談社ヒットブックス30〉、1992年12月18日。ISBN 4-06-177730-0。
- 『テレビマガジンビジュアル全集 ゴジラvsメカゴジラ』構成・執筆・編集 岩畠寿明、小野浩一郎(エープロダクション)、講談社〈講談社ヒットブックス43〉、1993年12月30日。ISBN 4-06-177741-6。
- 『テレビマガジンビジュアル全集 ゴジラvsスペースゴジラ』構成・執筆・編集 岩畠寿明、小野浩一郎(エープロダクション)、講談社〈講談社ヒットブックス46〉、1995年1月12日。
- 東宝SF特撮映画シリーズ(東宝)
- 『ゴジラvsキングギドラ』東宝出版事業室〈東宝SF特撮映画シリーズVOL.6〉、1992年1月15日。ISBN 4-924609-38-2。
- 『ゴジラVSメカゴジラ』東宝 出版・商品事業室〈東宝SF特撮映画シリーズVOL.8〉、1993年12月11日。ISBN 4-924609-45-5。
- 『GODZILLA 2000 MILLENIUM』東宝 出版・商品事業室〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、1999年12月11日。
- 『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』東宝 出版・商品事業室〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、2000年12月16日。
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』東宝〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、2001年12月15日。ISBN 4-924609-80-3。
- 『ゴジラ×メカゴジラ 2003』東宝〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、2003年1月25日。ISBN 4-924609-83-8。
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』東宝〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、2004年1月25日。ISBN 4-924609-84-6。
- 『GODZILLA FINAL WARS』東宝〈東宝SF特撮映画シリーズ SPECIAL EDITION〉、2005年1月25日。ISBN 4-924609-89-7。
- 『増補改訂新版 超最新ゴジラ大図鑑』企画・構成・編集 安井尚志(クラフト団)、バンダイ〈エンターテイメントバイブルシリーズ50〉、1992年12月25日。ISBN 4-89189-284-6。
- 小林晋一郎『形態学的怪獣論』朝日ソノラマ、1993年。ISBN 4-257-03364-9。
- 『テレビマガジン特別編集 誕生40周年記念 ゴジラ大全集』構成・執筆:岩畠寿明(エープロダクション)、赤井政尚、講談社、1994年9月1日。ISBN 4-06-178417-X。
- 『幻想映画美術体系 大ゴジラ図鑑』[監修] 西村祐次、[構成] ヤマダマサミ、ホビージャパン、1995年1月27日。ISBN 4-89425-059-4。
- 『ゴジラ映画クロニクル 1954-1998 ゴジラ・デイズ』企画・構成 冠木新市、集英社〈集英社文庫〉、1998年7月15日(原著1993年11月)。ISBN 4-08-748815-2。
- 坂井由人、秋田英夫『ゴジラ来襲!! 東宝特撮映画再入門』KKロングセラーズ〈ムックセレクト635〉、1998年7月25日。ISBN 4-8454-0592-X。
- 西川伸司『日本特撮映画師列伝 (1) ゴジラ狂時代』講談社〈KCデラックス〉、1999年。ISBN 4-06-334265-4。
- 『ゴジラ画報 東宝幻想映画半世紀の歩み』(第3版)竹書房、1999年12月24日(原著1993年12月21日)。ISBN 4-8124-0581-5。
- ビジュアル大図鑑(近代映画社)
- 『ゴジラ2000 ミレニアム』1999年12月25日。ISBN 4-7648-1904-X。
- 『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』2000年12月15日。ISBN 4-7648-1933-3。
- 『動画王特別編集 ゴジラ大図鑑 東宝特撮映画の世界』キネマ旬報社〈キネ旬ムック〉、2000年12月16日。ISBN 4-87376-558-7。
- 『ゴジラ大辞典』野村宏平 編著、笠倉出版社、2004年12月5日。ISBN 4773002921。
- ゴジラ大辞典【新装版】. 笠倉出版社. (2014-08-07) [2004-12-05]. ISBN 978-4-7730-8725-3
- 島崎淳、友井健人、小林雄次『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクション〉、2003年。ISBN 4-257-03688-5。
- DENGEKI HOBBY BOOKS(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)
- 『平成ゴジラパーフェクション』監修:川北紘一、アスキー・メディアワークス〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2012年2月10日。ISBN 978-4-04-886119-9。
- 電撃ホビーマガジン編集部 編『ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション』KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2014年11月29日。ISBN 978-4-04-866999-3。
- 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2。
- 『別冊映画秘宝 オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年4月27日。ISBN 978-4-8003-0362-2。
- キャラクター大全(講談社)
- 講談社 編『キャラクター大全 ゴジラ 東宝特撮映画全史』講談社、2014年7月15日。ISBN 978-4-06-219004-6。
- 『キャラクター大全 特撮全史 1980〜90年代 ヒーロー大全』講談社、2020年1月7日。ISBN 978-4-06-512925-8。
- 酉澤安施『酉澤安施画集 東宝怪獣大進撃!』ホビージャパン、2014年7月26日。ISBN 978-4-7986-0849-5。
- 『東宝特撮全怪獣図鑑』東宝 協力、小学館、2014年7月28日。ISBN 978-4-09-682090-2。
- 『ゴジラ徹底研究 GODZILLA GODZILLA60:COMPLETE GUIDE』マガジンハウス〈MAGAZINE HOUSE MOOK〉、2014年9月5日。ISBN 978-4-8387-8944-3。
- 西川伸司『西川伸司ゴジラ画集』洋泉社、2016年6月24日。ISBN 978-4-8003-0959-4。
- 『ゴジラの超常識』[協力] 東宝、双葉社、2016年7月24日(原著2014年7月6日)。ISBN 978-4-575-31156-3。
- 『シン・ゴジラWalker [怪獣王 新たなる伝説]』KADOKAWA、2016年8月6日。ISBN 978-4-04-895632-1。
- 『ゴジラ解体全書』宝島社〈TJ MOOK〉、2016年8月15日(原著2014年7月26日)。ISBN 978-4-8002-5699-7。
- ゴジラコンプリーションシリーズ(ホビージャパン)
- 『ゴジラ×3式機龍〈メカゴジラ〉コンプリーション』ホビージャパン、2016年12月21日。ISBN 978-4-7986-1353-6。
- 『ゴジラ FINAL WARS コンプリーション』ホビージャパン、2023年4月4日。ISBN 978-4-7986-3135-6。
- 『GODZILLA GRAPHIC COLLECTION ゴジラ造型写真集』ホビージャパン、2017年7月29日。ISBN 978-4-7986-1474-8。
- 若狭新一『ゴジラの工房 若狭新一造形写真集』洋泉社、2017年10月21日。ISBN 978-4-8003-1343-0。
- 『「ゴジラ検定」公式テキスト』監修 東宝株式会社/協力 東宝 ゴジラ戦略会議、宝島社、2018年11月3日。ISBN 978-4-8002-8860-8。
- 西川伸司『西川伸司デザインワークス』玄光社、2019年2月1日。ISBN 978-4-7683-1150-9。
- 『バトル・オブ・キングギドラ』双葉社〈双葉社スーパームック〉、2020年6月4日。ISBN 978-4-575-45842-8。
- 『ゴジラ 全怪獣大図鑑』講談社〈講談社 ポケット百科シリーズ〉、2021年7月2日。ISBN 978-4-06-523491-4。
- 『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>ファンブック』双葉社、2021年7月13日。ISBN 978-4-575-45883-1。
- 講談社 編『ゴジラ&東宝特撮 OFFICIAL MOOK』講談社〈講談社シリーズMOOK〉。
- vol.01《ゴジラ》、2023年3月27日。ISBN 978-4-06-531216-2。
- vol.02《モスラ対ゴジラ》、2023年4月10日。ISBN 978-4-06-531434-0。
- vol.03《キングコング対ゴジラ》、2023年4月25日。ISBN 978-4-06-531435-7。
- 雑誌
- 宇宙船(ホビージャパン)
- 「宇宙船vol.148特別付録 宇宙船 YEARBOOK 2015」『宇宙船』vol.1482015.春号、ホビージャパン、2015年4月1日、ISBN 978-4-7986-1002-3。
- 「宇宙船vol.156特別付録 宇宙船YEARBOOK 2017」『宇宙船』vol.156(SPRING 2017.春)、ホビージャパン、2017年4月1日、ISBN 978-4-7986-1434-2。
- 『宇宙船』vol.173(SUMMER 2021.夏)、ホビージャパン、2021年7月1日、ISBN 978-4-7986-2526-3。
- 「宇宙船vol.176特別付録 宇宙船YEARBOOK 2022」『宇宙船』vol.176(SPRING 2022.春)、ホビージャパン、2022年4月1日、ISBN 978-4-7986-2796-0。
- 宇宙船(ホビージャパン)
- 小説
- 監修:虚淵玄、著者:大樹連司『GODZILLA 怪獣黙示録』KADOKAWA、2017年10月25日。ISBN 9784041061817。
- 監修:虚淵玄、著者:大樹連司『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』角川書店、2018年4月25日。ISBN 978-4-04-106345-3。
外部リンク
- 平成ゴジラスーツの歴史 - ウェイバックマシン(2005年5月14日アーカイブ分) - 平成vsシリーズのゴジラのスーツの造形についての詳細。